JP3161293B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造方法Info
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Description
ロン)を含有する特定用途のSUS304ステンレス鋼
鋳片の表面および内部欠陥の発生などを防止するための
連続鋳造方法に関する。
ルに用いるB含有SUS304ステンレス鋼鋳片の連続
鋳造化を実現し、工程省略による省エネルギー化、高歩
留まり化による生産性の向上および製品の欠陥発生を抑
制することは、未だ達成されていない。
片の製造は、インゴットの製造およびそれに続く分塊工
程を経て行われている。インゴット製造法は、SUS3
04ステンレス溶鋼を鋳鉄製鋳型に鋳込み、鋳型内で完
全に凝固を完了させ、鋼塊を製造するプロセスである。
このインゴットを作業可能な温度にまで数日かけて冷却
した後、偏析が著しく介在物の多いインゴットの上端部
と下端部を切断する。
程度にまで低下する。熱延工程の前にインゴット表面の
手入れを行い、その後インゴットを加熱炉内に装入して
温度を約1000℃にまで昇温し、分塊圧延を施す。
は限界があるため、溶製したSUS304ステンレス溶
鋼を数個の鋳型に分けて造塊しなければならない。この
ように、インゴット製造法では鋳型内での冷却に工数が
かかるとともに、インゴットの歩留まりが高くなく、冷
却後の鋼塊を再加熱するため多量のエネルギーが必要で
あり、生産性の向上および省エネルギーとは反してい
る。
造を省エネルギーを図りながら生産性よく行うために
は、連続鋳造化を実現する必要があるが、これまで連続
鋳造化は困難であった。これは、連続鋳造時に発生する
鋳型内で鋳片の表面割れ、ブレークアウト、サポートロ
ール間での鋳片のバルジング、および鋳片中央部におけ
る内部割れの発生などの困難な問題が生じるためであ
る。
造鋳片を得ようとする鋼の凝固温度域を含む高温度域に
おける熱的・機械的性質を把握し、鋳造速度、サポート
ロールの鋳造方向における間隔(以下、サポートロール
間隔という)および二次冷却帯最終位置を通過する鋳片
中央部の固相率を決定する必要がある。鋳造速度は鋳型
内の初期凝固シェルの有する強度、すなわち初期凝固シ
ェル厚みを支配し、二次冷却帯最終位置を通過する鋳片
中央部の固相率およびサポートロール間隔は鋳片のバル
ジング量を支配するもので、鋳片の表面および内部品質
を決定する。
レス鋼の固液共存域を含む高温度域における熱的・機械
的性質が、これまで詳細には明らかとなっていなかった
ため上記の連続鋳造条件の決定は不可能であった。
4〜2.0mass%B含有SUS304ステンレス鋼の固
液共存域を含む高温度域における熱的・機械的性質、さ
らには鋳片の表面および内部品質の良好な連続鋳造条件
の基準を明らかにして、上記ステンレス鋼鋳片の連続鋳
造方法を提供することにある。
続鋳造方法にある。
ステンレス鋼鋳片の連続鋳造方法であって、鋳造速度を
0.4〜0.8m/min、サポートロール間隔を300mm
以下、および二次冷却帯の最終位置における鋳片の厚み
中央部の固相率を0.2以下として鋳造することを特徴
とする連続鋳造方法。
片の鋳造方向と垂直な断面における中央部を指し、凝固
が遅れる部分である。
る。
て成長したデンドライトの長さと鋳片厚みとの比。
方向から冷却され、鋳片表面から成長したデンドライト
の先端が鋳片厚みの中央部に到達したときに完全凝固状
態となり、このときを固相率1.0とする。通常0.9
9程度以上で完全凝固状態とされる。
mm、望ましい下限は150mm程度、二次冷却帯の最終位
置における上記固相率の望ましい下限は、0.05程度
である。
象となる鋼は、0.4〜2.0mass%B含有SUS30
4ステンレス鋼である。このような範囲でBを含有する
SUS304ステンレス鋼では、その凝固過程における
凝固組織の晶出形態の特徴は、初晶としてデンドライト
形状をしたδフェライト相が晶出し、このデンドライト
の間隙に(Fe、Cr)B型の共晶組織が晶出すること
である。
おけるSUS304ステンレス鋼の固相線温度は約12
70Kである。B含有量の増加とともに液相線温度が低
下するため、液相線温度と固相線温度の差である固液共
存温度範囲はB含有量の増加につれて小さくなる。固液
共存温度範囲は、B含有量が0.4mass%の場合では1
50Kであり、1.2mass%の場合では70Kである。
しかしB含有量が2.0mass%の場合には、液相から直
接(Fe,Cr)B型の共晶組織が晶出するため、固液
共存温度範囲はない。
挙げると、その液相線温度は1463K、固相線温度は
1415K、固液共存温度範囲は48Kである。このよ
うに、上記B含有SUS304ステンレス鋼の固相線温
度は、SUS304Lステンレス鋼のそれよりも約14
5K低くなっている。
よび固相線温度は、凝固初期に形成されるシェル強度、
すなわち高温における抗張力に影響を与える。
速度で0.4〜0.8m/min 、二次冷却帯のサポートロ
ール間隔で300mm以下、かつ二次冷却帯の最終位置を
通過する鋳片の厚み中央部の固相率で0.2以下とする
ものである。
のタイプとして望ましいのは、垂直曲げ型(曲げ半径5
m程度)である。サポートロールの配置は、鋳型直下2
00mmから10m の範囲内で、鋳造方向において250
mm間隔で複数段とするのが望ましい。このサポートロー
ル間隔の望ましい下限は150mm程度、サポートロール
の望ましい直径は150mm程度である。二次冷却帯の位
置は、鋳型直下100mmから5m の範囲内のサポートロ
ールの間隙とするのが望ましい。
連続鋳造化を達成するためには、鋳型内で形成される初
期凝固シェル厚みを15mm以上30mm以下として、鋳型
下方への引抜力に耐え得る強度を有する厚みとする必要
がある。このためには、前記B含有SUS304ステン
レス鋼の固液共存温度範囲及び固相線温度を考慮し、鋳
造速度は0.4〜0.8m/min とする必要がある。
過熱度は20℃程度、望ましい鋳型の冷却能は150〜
400 kcal/m2s 、望ましい二次冷却水は100〜25
0リットル/min、望ましい鋳型振動幅は3〜6m 、望ま
しい鋳型振動周期は40〜100 cpmである。
n 未満では鋳型内の初期凝固シェル厚みが30mmよりも
大きくなり、二次冷却帯の最終位置における鋳片厚み中
央部の固相率が0.2とならない。一方、0.8m/min
を超えると鋳型内の初期凝固シェル厚みが15mmよりも
小さくなり、このためシェルの強度が弱く、ブレークア
ウトが発生する。
晶を伴う組織形態をしているため、固液界面の形態はほ
ぼ平滑となっている。このため、連続鋳造鋳片の厚み中
央部において固相率1となるまでは、鋳片はその厚み方
向の強度を持たない。このとき、二次冷却帯のサポート
ロールの配置が最適でなく、すなわちサポートロール間
隔が300mmを超えるとバルジングが発生し、鋳片の厚
み中央部に内部割れが発生する。よって、バルジングの
発生を抑制させるため、サポートロール間隔は300mm
以下とした。
発生を防止するためには、二次冷却帯の最終位置におけ
る鋳片の厚み中央部の固相率を0.2以下として、鋳片
中央部近傍に残存する液相による鋳片の復熱を抑制する
必要がある。
にともなう溶鋼流動が困難となり、ポロシティーが発生
する。固相率の望ましい下限は0.05程度である。固
相率が0.05程度より小さくなると、最終凝固位置が
二次冷却帯の最終位置から2m 以上離れるからである。
US304ステンレス鋼および比較例としてSUS30
4Lステンレス鋼の液相線温度、固相線温度の測定を示
差熱分析により行った。表1にその結果を示す。
片を用いて、凝固過程における測定も可能な高温引張試
験機を用いて、鋳片の凝固シェルの強度を支配する抗張
力を測定した。図1にその結果を示す。
を示す図である。図示するように、前記B含有SUS3
04ステンレス鋼の抗張力は固相線温度直上で極めて小
さく、固相線温度で急激に大きくなる。これに対して、
SUS304Lステンレス鋼の抗張力は固相率0.7で
発現し、温度の低下とともに抗張力は増大し、固相線温
度において抗張力は約5MPa となる。
有SUS304ステンレス鋼と通常のデンドライト組織
を有するSUS304Lステンレス鋼との抗張力の発現
挙動が、大きく異なることが明らかである。
鋼の熱的・機械的物性値の測定結果に基づき、連続鋳造
実験を種々の条件下で行った。表2に実験条件を示す。
度は0.2〜1.2m/min 、サポートロール間隔は50
〜400mm、二次冷却帯最終位置における鋳片厚み中央
部の固相率は0.1〜0.8でそれぞれ変化させ、鋳片
の欠陥発生状況を調査した。
n および1.2m/min の時、いずれのB含有量の場合も
連続鋳造鋳型内でブレークアウトまたは鋳片表面に表面
割れが発生し、連続鋳造が不可能であった。もしくは良
好な表面性状の鋳片が得られなかった。
B含有量に依らず鋳片厚み中央部近傍に内部割れが発生
した。または、サポートロール間で鋳片にバルジングが
発生した。
部の固相率が0.3の場合は、鋳片中央部にポロシティ
ー起因の内部割れが発生した。
を0.4〜0.8m/min 、サポートロール間隔を300
mm以下、さらに二次冷却帯の最終位置を通過する鋳片の
中心部の固相率を0.2以下とすると、0.4〜2.0
mass%B含有SUS304ステンレス鋼の連続鋳造鋳片
の製造が可能となることが明らかである。
発生させることなく、表面および内部欠陥のない0.4
〜2.0mass%B含有SUS304ステンレス鋼の連続
鋳造鋳片を製造することができる。
304Lステンレス鋼の抗張力と温度との関係を示す図
である。
Claims (1)
- 【請求項1】0.4〜2.0mass%B含有SUS304
ステンレス鋼鋳片の連続鋳造方法であって、鋳造速度を
0.4〜0.8m/min、サポートロールの鋳造方向にお
ける間隔を300mm以下、および二次冷却帯の最終位置
における鋳片の厚み中央部の固相率を0.2以下として
鋳造することを特徴とする連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18936695A JP3161293B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18936695A JP3161293B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0929391A JPH0929391A (ja) | 1997-02-04 |
JP3161293B2 true JP3161293B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=16240123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18936695A Expired - Lifetime JP3161293B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3161293B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4063709B2 (ja) * | 2003-05-15 | 2008-03-19 | エア・ウォーター株式会社 | オーステナイト系金属の表面改質方法およびそれによって得られる耐熱金属製品ならびにターボ部品 |
JP4611153B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2011-01-12 | 日本冶金工業株式会社 | ボロン含有ステンレス鋼用連続鋳造パウダーおよび連続鋳造方法 |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP18936695A patent/JP3161293B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0929391A (ja) | 1997-02-04 |
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