JP2006239750A - マグネシウム合金の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面を手入れした薄鋳片を圧下することにより、工程および設備を簡素化して製造コストを大幅に削減できるマグネシウム合金の薄板の製造方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造後、表面を機械加工(例えば、研削機2を使用)により手入れした薄鋳片(厚み5〜50mm)1を、加熱炉3で加熱し、表面部を250〜400℃に加熱した圧下ロール対4を用いて、1回当たりの圧下量A1(mm)を圧下前の薄鋳片の厚さA0(mm)で除した百分比である圧下率「(A1/A0)×100(%)」を15〜45%として圧下し、厚み5mm以下の薄板とする。
【選択図】図1
【解決手段】連続鋳造後、表面を機械加工(例えば、研削機2を使用)により手入れした薄鋳片(厚み5〜50mm)1を、加熱炉3で加熱し、表面部を250〜400℃に加熱した圧下ロール対4を用いて、1回当たりの圧下量A1(mm)を圧下前の薄鋳片の厚さA0(mm)で除した百分比である圧下率「(A1/A0)×100(%)」を15〜45%として圧下し、厚み5mm以下の薄板とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄鋳片に簡易圧下装置を用いて圧下することにより薄板とするマグネシウム合金の製造方法に関する。
マグネシウム合金は、実用合金中最も軽く、また剛性に優れているため、航空機、自動車または携帯電話等へ適用されている。特に、携帯電話等の急激な普及によりマグネシウム合金に対する市場ニーズが従来にも増して高まっており、安価で高品質なマグネシウム合金の提供が望まれている。
従来、マグネシウム合金は、大気と遮断した雰囲気で溶解した後、インゴット鋳造やダイカストによって製造するか、丸ビレット、または大断面(鋳片厚み150mm程度)の連続鋳造によって半製品である鋳片を製造した後、最終製品まで成型加工し、これを機械加工して仕上げる方法が採られてきた。
しかしながら、従来のインゴット鋳造や連続鋳造による製造では、粗圧延および熱間圧延という多くの工程を経て製品が製造されるため、製造コストが増大するという問題がある。
特に、マグネシウム合金の薄板を得ようとすると、マグネシウムは常温で加工性に劣るので、粗圧延から熱間圧延までの工程では、圧延および再加熱を数十回繰り返して行わなければならず、この工程数の多いことが製造コストの削減を困難にしている最大の要因であった。
このように、マグネシウム合金はインゴット鋳造やダイカストで製造する場合であっても、連続鋳造によって製造する場合であっても、最終製品となるまでに多くの工程を要し、製造工数が多大となって製造コストが増大するとともに、製品納期面でも不利になる。このため、マグネシウム合金の特に薄板の製造において、その抜本的な対策が望まれている。
例えば、特許文献1には、セラミックス粉末を母相合金に分散させたマグネシウム合金の製造方法が提案されている。提案された方法では、セラミックス粉末をマグネシウム合金からなる母相合金に分散させた粒子分散母合金を製造する工程と、この粒子分散母合金を150乃至500℃の温度で予熱した後、750℃以下の温度に保持した母相合金組成の溶湯に添加して撹拌する工程と、撹拌後の前記溶湯を10℃/秒以上の冷却速度で冷却して凝固させるとともに、80〜200mm/分の引抜速度で引抜いて連続鋳造する工程とを有することを特徴としている。
しかし、提案された製造方法では、鋳造速度80〜200mm/分と記載されているように生産性の著しい向上は望めず、比較的大断面での鋳造であるため、コスト合理化を目指すために製造工程(特に、圧延および再加熱工程)を省略しようとしても限界がある。さらにマグネシウム合金の棒材等の製造に限定されている。
一方、製造コストを大幅に削減するために、ニアネットシェープ化(ストリップキャスティングなど)が志向され、実用化を目指しての開発が行われて、薄鋳片の鋳造が可能になっている。
この薄鋳片をインラインで熱間圧延するマグネシウム合金薄板の製造方法が特許文献2に記載されている。すなわち、鋳型内にマグネシウム合金溶湯を供給し、鋳型に振動を付加しながらマグネシウム合金を凝固させた後、直ちに圧下ロール対を用いて所定肉厚に熱間圧延し、コイラーに巻き取る方法である。
この方法は、製造コストを大幅に削減する上で有効な方法である。しかしながら、インラインで圧下を行う場合、鋳片引き抜き時に形成される引き抜きマーク等、鋳片表面の凹凸によって鋳片に割れが発生する場合があり、最終製品の表面品質の安定確保についての配慮が必要になる。
本発明は、前述したマグネシウム合金の特に薄板の製造において、工程数が多く、それにより製造コストが嵩むという問題に鑑みてなされたものであり、製造コストを大幅に削減するためにニアネットシェープ化(薄鋳片鋳造)を志向し、圧下時における割れ発生を抑制して、得られる薄板の良好な表面品質を確保するとともに、効率的に圧下することにより薄板を得るマグネシウム合金の製造方法の提供を目的としている。
本発明が解決しようとするマグネシウム合金の薄板の製造方法における課題は、前記のように、薄鋳片の鋳造により得られる薄板の良好な表面品質を確保すること、および効率的に圧下することにある。
薄鋳片をインラインで圧下する場合、鋳片表面の手入れを行わずに(すなわち、無手入れで)圧下することとなるので、手入れコスト、さらには鋳片再加熱のためのコストなどが不要となり、工程を省略して製造コストを大幅に削減することができる。しかし、その場合、鋳片表面の凹凸(引き抜きマーク等)によっても鋳片に割れが発生する場合があり、最終製品である薄板の表面品質を安定して確保し難いという問題がある。
上記の鋳片表面に割れが発生する場合は、比較的大きな圧下率で実施した場合で、圧下率を適正化することで、割れが発生することなく圧下を実施することは可能であるが、限界圧下率は、比較的小さい値であり、圧下段数を多くする必要がある。
圧下の対象が連続鋳造される鋼であれば、鋳片引き抜き時に形成される鋳片表面の引き抜きマーク等は圧下によって容易に延ばされ、通常は割れ等の問題は発生しない。しかし、本発明者らが検討した結果、圧下の対象がマグネシウム合金の場合は、常温で加工性が劣る上に高温であっても延性があまり向上しないため、鋳片表面に形成される引き抜きマークのような凹凸であっても圧下時に割れが発生する場合があることを確認した。
そこで、薄鋳片を、無手入れでインライン圧下する場合(以下、単に「無手入れ圧下」ともいう)と、表面手入れを実施して表面を平滑にし、再加熱して圧下する場合(以下、単に「手入れ圧下」ともいう)について、割れの発生状況等を調査した。その結果、無手入れ圧下においては割れ発生の限界圧下率があるが、表面を平滑にした後行う手入れ圧下の場合は、圧下率を無手入れ圧下に比べて大幅に高め得ることを見いだした。これにより、良好な表面品質を確保しつつ圧下効率を向上させることができ、製造工程(特に、圧延)および圧下装置を簡素化して製造コストを削減することが可能となる。
さらに、表面部の温度を高めた加熱圧下ロールを採用することとした。これによって、圧下中における鋳片からの放熱と圧下ロールによる抜熱を抑制して、鋳片の表面温度の低下を最小限に止め、薄鋳片圧下時の負荷を軽減することができる。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであり、その要旨は、下記のマグネシウム合金の薄板の製造方法にある。
すなわち、連続鋳造された薄鋳片を一旦冷却し、該薄鋳片の表面を手入れした後に、該薄鋳片を加熱し、圧下ロール対を用いて圧下することにより薄板を得るマグネシウム合金の製造方法であって、鋳造する該薄鋳片の厚みを5〜50mmとし、該薄鋳片の表面を機械加工により手入れした後、該薄鋳片を加熱するとともに、表面部を250〜400℃に加熱した前記圧下ロール対を用いて、1回当たりの圧下量A1(mm)を圧下前の薄鋳片の厚さA0(mm)で除した百分比である圧下率「(A1/A0)×100(%)」を15〜45%とし、厚み5mm以下の薄板を得るマグネシウム合金の製造方法である。なお、以下において、「本発明のマグネシウム合金の製造方法」、または単に「本発明の製造方法」といえば、この厚み5mm以下の薄板を得るマグネシウム合金の製造方法を意味する。
前記薄鋳片の表面の手入れに際し、薄鋳片の厚みの5〜15%の範囲内で機械加工により手入れすることとすれば、薄鋳片表面の引き抜きマークや表層部の欠陥を確実に除去して、得られる薄板の良好な表面品質を安定して確保することができる。
本発明が対象とするマグネシウム合金は、マグネシウム純金属に合金元素を添加して溶製されたマグネシウム合金であるが、マグネシウム純金属も含むものである。
前記の「表面部を250〜400℃に加熱」における「表面部」の温度とは、圧下の際に、少なくとも薄鋳片と接する圧下ロールの表面の温度をいう。
本発明のマグネシウム合金の製造方法によれば、圧下による薄鋳片表面の割れの発生を防止しつつ、連続鋳造された薄鋳片を表面の手入れを行わずインラインで圧下する無手入れ圧下に比べて圧下率を大幅に高めることができる。これにより、良好な表面品質を確保しつつ圧下効率を向上させることができ、製造工程および圧下設備の簡素化により製造コストを大きく削減することが可能となる。
以下に、本発明のマグネシウム合金の製造方法を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の製造方法を実施することができる圧下装置の要部の構成例を模式的に示す図である。同図に示すように、この圧下装置は、鋳片(薄鋳片)1を加熱するための加熱炉3と、前記加熱後の鋳片1を所定の圧下率で圧下する圧下ロール対4を備えている。前記圧下ロール対4は、その表面部を加熱できるように構成されている。なお、鋳片1は、同図中に白抜き矢印で示すように、研削機2で表面の手入れを行い表面凹凸が平滑にされた後、前記の加熱および圧下に供される。
連続鋳造された薄鋳片は一旦冷却され、前記図1に示すように、その表面の凹凸が平滑化された後、加熱炉3で加熱され、圧下ロール対4で圧下され、薄板となる。図示した例はリバース圧延方式の圧下装置で、必要に応じ複数回の加熱、圧下が繰り返される。なお、マグネシウム合金は高温での反応性が高く、酸化し易いので、マグネシウム合金の溶解、連続鋳造の際の鋳型への注湯等は、大気雰囲気と遮断された、例えばアルゴンガス雰囲気中で行われる。
本発明のマグネシウム合金の製造方法は、このような方法において、前記鋳造後の薄鋳片の厚みを5〜50mmとし、該薄鋳片の表面を機械加工により手入れした後、該薄鋳片を加熱し、表面部を250〜400℃に加熱した前記圧下ロール対を用いて、1回当たりの圧下量A1(mm)を圧下前の薄鋳片の厚さA0(mm)で除した百分比である圧下率「(A1/A0)×100(%)」を15〜45%として薄鋳片の圧下を行い、厚み5mm以下の薄板を得る方法である。
前記の薄鋳片の厚みを5〜50mmとするのは、厚みが50mmを超えると、手入れ圧下により薄板を得る際には、従来行われている再加熱と熱間圧延の繰り返しが必要となるからである。一方、厚みが5mm未満の薄鋳片を得るには鋳造技術的困難を伴い、不可能ではないにしても、実用的ではない。
前記薄鋳片の表面を機械加工により手入れするのは、鋳片表面を平滑にして、圧下時に割れの起点となる凹凸(引き抜きマーク等)を除去するためで、機械加工により研削するのが簡便でかつ効果的である。前記図1に示した例では研削機を用いているが、この表面手入れ工程は、連続鋳造された薄鋳片を一旦冷却した後、オフラインで実施できるので、鋳片表面の状態に応じて、例えば、フライス盤やシェーパーなどの装置を用いることができる。
この場合、薄鋳片の厚みの5〜15%の範囲内で機械加工により表面手入れすることとすれば、圧下時に割れを誘発し易い薄鋳片表面の引き抜きマークや表層部に存在する欠陥を確実に除去し、歩留まりの低下をそれ程大きくせずに、得られる薄板の良好な表面品質を安定して確保することができるので好ましい。
前記表面手入れの後、薄鋳片を加熱するのは、次工程の圧下に備え該鋳片の延性を高めるためである。加熱温度は特に限定しない。従来のマグネシウム合金の薄板製造工程における熱間圧延時の鋳片温度範囲に準じて適宜定めればよい。
本発明の製造方法において、薄鋳片の圧下に使用する圧下ロール対の表面部を250〜400℃に加熱するのは、圧延中における鋳片からの放熱や圧下ロールを介しての抜熱による鋳片温度の低下を抑制するためである。これにより、薄鋳片圧下時の負荷(圧下荷重)を軽減することができ、効率的な圧下に寄与するとともに、割れを生じさせずに後述する高い圧下率を確保することができる。
前記圧下ロール対の表面部の温度が250℃未満ではこのような効果が顕著ではない。また、400℃を超えて加熱すると、圧延用潤滑剤等の焼き付きが発生しやすくなり、また圧延後の薄板の結晶粒の粗大化が起こりやすくなる。
圧下ロールの加熱には、誘導発熱方式や、ヒートパイプ方式等による加熱方法を利用すればよい。誘導発熱方式は、従来から多くの分野で用いられている加熱方式である。また、ヒートパイプ方式は、ロール表皮下に、エチレンを封入して循環させるためのパイプをロール軸方向に向けて多数配置して用いる加熱方式であり、ロールの幅方向および厚み方向に均一に加熱できるという特徴を有している。
「圧下ロール対の表面部」の温度とは、前記のように、少なくとも薄鋳片と接する圧下ロールの表面の温度である。上記ヒートパイプ方式で加熱する場合には、圧下ロールの表面温度とその内部の温度がほぼ同じになるので、たとえば、圧下ロールのロール幅中央で表面から深さ20mmの部位にまで達する細孔を軸方向に設けておき、その細孔内に熱電対を挿入することによって、その部位の温度を測定することにより、圧下ロールの表面部の温度を知ることができる。実際には、表面部の温度と採用する加熱方法での昇温のための諸条件(設定電圧、電流等)との関係をあらかじめ把握しておき、前記設定電圧等による間接的な温度管理を行ってもよい。
本発明のマグネシウム合金の製造方法においては、前記圧下ロール対を用いて、1回当たりの圧下率、すなわち1回当たりの圧下量A1(mm)を圧下前の薄鋳片の厚さA0(mm)で除した百分比「(A1/A0)×100(%)」を15〜45%とする。前述した鋳片表面の機械加工による手入れ、および圧下ロール対の表面部の加熱を所定の条件で実施すれば、このような高い圧下率で圧下しても鋳片表面に割れが生じることはない。
圧下率の上限を45%とするのは、圧下率が45%を超えるとエッジ近傍に割れが発生する場合があり、現実的には45%が上限である。一方、下限を15%とするのは、1回当たりの圧下率が小さくなりすぎないようにして高い圧下効率を維持するためである。
本発明の製造方法において、得られる薄板の厚みを5mm以下とするのは、要求される薄板の厚みおよび製造能力を考慮したことによる。すなわち、最終製品として厚み1mm以下の薄板が製造の対象となる場合が多く、またリロール用として厚み5mm程度の薄板が対象となること、および、本発明の製造方法によれば高い圧下率での圧下が可能で、厚みが5mm以下の薄板を比較的容易に得ることができるからである。なお、薄板の厚みの下限は規定しない。製品ニーズによるからである。
以上述べた本発明の製造方法は、前記図1に例示した圧下装置によりリバース圧延を行い、薄鋳片に必要な回数(パス数)の圧下を加えることにより実施できる。また、これに限らず、複数段の圧下ロール対と、それらロール対の間に必要に応じて加熱炉を配設し、多段圧下を行う方式を採用してもよい。
前記リバース圧延、多段圧下のいずれの方式で実施するにしても、高い圧下率で、しかも加熱圧下ロールを使用することにより少ない荷重負荷で圧下できる。その結果、圧下効率を大幅に向上させることができ、割れ発生の抑制のため圧下率が低く抑えられ圧下ロール対の必要段数が多くなるインラインの圧下設備に比べて、圧下設備を簡素化できる。これにより、製造工程(特に、圧延)および設備費を大幅に簡素化、削減することが可能となる。
表1に示す条件で鋳造した薄鋳片を用いて、本発明の製造方法で実施する鋳片の表面手入れを行った圧下試験、および比較のためのインラインでの無手入れ圧下試験を実施し、圧下率および圧下時の割れ発生の有無ついて調査した。
表面手入れ圧下試験は、前記図1に示した構成を有する圧下試験装置によりリバース圧延方式で実施した。一方、インラインでの無手入れ圧下試験は、以下に述べる多パス圧下を模擬した試験を行える装置により実施した。
図2は、無手入れ圧下試験で用いた装置の要部構成を模式的に示す図である。この装置は、圧下ロール対を模擬した一対の加熱ロール8と、鋳片5を加熱するためのヒーター6と、鋳片5をその下端部を把持して上下動させるリフター7を備えている。
無手入れ圧下試験を行う際は、先ず、所定の厚みで鋳造された鋳片5をヒーター6で所定の温度(350℃目標)に加熱した後、リフター7を下降させ、鋳片5を加熱ロール8でクランプした後、1パス目の圧下を行う。2パス目の圧下は、鋳片5を加熱ロール8から開放し、1パス目の圧下スタート部まで上昇させ、再度鋳片5を加熱ロール8でクランプし、圧下を行う。このような方法で繰り返し圧下を加えることにより、一方向の多パス圧下を模擬した試験を行うことができる。
図3に圧下率および圧下時の割れ発生の有無についての調査結果を示す。図3において、横軸の圧下パス回数で2(つまり、2パス目)以降の圧下率は、累積の圧下率ではなく、そのパス毎の圧下率である。また、黒く塗りつぶした印(ソリッドマーク、●および■印)は圧下時に割れが発生したことを意味する。
図3に示すように、表面手入れを行った手入れ材(CASE1〜3)では、40%を超える高い圧下率で圧下しても割れは発生していない。すなわち、良好な表面品質を確保しつつ圧下効率を向上させることが可能であり、本発明の製造方法の有効性が確認できた。
これに対して、無手入れ材をインラインで圧下した場合(CASE4〜10)は、圧下率が15%超えると、割れが発生した。CASE6の1パス目(●印)、およびCASE7の3パス目(■印)である。ただし、無手入れ材のインライン圧下では、圧下率が15%未満では割れの発生はなく、低い圧下率で多パス圧下することにより薄鋳片から薄板を得ることが可能と推測される。
本発明のマグネシウム合金の製造方法は、薄鋳片を、その表面を手入れした後、加熱圧下ロール対を用いて圧下することにより薄板を得る方法で、割れ発生を抑え良好な表面品質を確保するとともに、高い圧下率で圧下することができる。圧下効率を大きく向上させ得るので、製造工程および圧下装置の簡素化を図ることができ、製造コストを大幅に削減することが可能である。したがって、この方法は、マグネシウム合金の薄板の製造方法として広く利用することができる。
1:鋳片
2:研削機
3: 加熱炉
4:圧下ロール対
5:鋳片
6:ヒーター
7:リフター
8:加熱ロール
2:研削機
3: 加熱炉
4:圧下ロール対
5:鋳片
6:ヒーター
7:リフター
8:加熱ロール
Claims (2)
- 連続鋳造された薄鋳片を一旦冷却し、該薄鋳片の表面を手入れした後に、該薄鋳片を加熱し、圧下ロール対を用いて圧下することにより薄板を得るマグネシウム合金の製造方法であって、鋳造する該薄鋳片の厚みを5〜50mmとし、該薄鋳片の表面を機械加工により手入れした後、該薄鋳片を加熱するとともに、表面部を250〜400℃に加熱した前記圧下ロール対を用いて、1回当たりの圧下量A1(mm)を圧下前の薄鋳片の厚さA0(mm)で除した百分比である圧下率「(A1/A0)×100(%)」を15〜45%とし、厚み5mm以下の薄板を得ることを特徴とするマグネシウム合金の製造方法。
- 前記薄鋳片の表面の手入れに際し、薄鋳片の厚みの5〜15%の範囲内で機械加工により手入れすることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金の製造方法。
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WO2012115190A1 (ja) * | 2011-02-24 | 2012-08-30 | 住友電気工業株式会社 | マグネシウム合金材及びその製造方法 |
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2005
- 2005-03-04 JP JP2005059947A patent/JP2006239750A/ja active Pending
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