JP2011121073A - 大断面鋼材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
大断面丸鋼の製造において、1)連続鋳造スラブを素材とし、2)水圧プレスにより低コストで成形する。3)ESR鋼塊に代替可能とする。
【解決手段】
スラブ側面を熱間で水圧プレスにより圧下して断面を円に成形する際、該スラブを延伸拘束枠内で圧下することにより圧下歪みを全量拡幅歪みに移行させ、断面減少の無い加工を施す。圧下に伴う圧下方向の挫屈、軸方向の挫屈を防止するため該枠内に挫屈拘束ガードを設ける。スラブの製造には凝固組織が主に柱状晶から成る真空中空鋳片を圧接圧延して中実材とする連続鋳造方法を採用するとESR鋼塊と同様の均質性があり且つ該鋼塊よりも大断面の鋼材が製造可能になる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鍛錬された丸鋼、角鋼等の大断面の鋼材をより大きく、より高品質、より低コストで製造する方法に関している。
大断面丸鋼は原子力プラントその他の大型部品用の材料として製造されている。直径300mmまでの大断面でない丸鋼は通常鋼塊又は約500mm角の連続鋳造ブルームを素材として熱間での孔型圧延により製造される。それ以上大きな断面の丸鋼は大型鋼塊を素材とし熱間水圧プレスにより成形加工される。鋼材の品質が特に重視される場合にはESR(エレクトロスラグ再熔解法)鋼塊が使用される。ESR鋼塊は鋳造欠陥が軽いので必要鍛錬比は鋼塊や連続鋳造鋳片に比較して小さくて良いと言う優れた長所を持つ。通常300〜700mm径の円柱状鋼塊として鋳造されている。
角鋼についても同様である。
大断面鋼材を大型鋼塊から水圧プレスによって製造する場合の第1の問題は、鋼塊自体の製造コストが連続鋳造よりも高いことである。第2は、製品寸法・単重に対応して鋼塊寸法特に直径が大きくなって鍛錬比(=加工前断面積/加工後断面積)が増加する。これは鋼塊独特の鋳造欠陥を緩和する鍛錬効果を発現させているが反面再加熱・鍛錬のパス回数が増加して加工コストの大幅増を呼ぶ。高径比の大きい長身の鋼塊によって当該問題を軽減することも考えらるが問題が多く実用されていない。
ESR鋼塊を使用する場合の問題は、該鋼塊の生産能率が数100kg/hであり、スラブ連続鋳造の数100t/hと比較して約1/1000と極めて小さく、その結果鋼塊コストが極めて高いことである。
ESR鋼塊の第2の問題は、収縮孔、多孔質、偏析等の鋳造欠陥が無く必要鍛錬比が小さくてよいとは言え、初晶粒界破壊のためある程度の鍛錬は必要で、その分丸鋼の径が小さくなる。第3の問題は、再溶解設備の高さ制限から鋼塊長さは10m以下に限定される。即ち鋼塊質量が制限される。
ブルームと比べて断面積が大きい連続鋳造スラブは大型鋼塊の代用になる可能性がある。品質はESRには及ばないが素材コストは大幅に削減される。この場合断面アスペクト比が約10の長方形から円断面にプレスするので加工度が大きいので二つの問題が生ずる。 第1は、成形中に延伸して断面積が減少する。これは少ない工数でより大きな断面の製品を得る上で不利となる。例えば素材断面寸法を200mm×2000mmとし、減面比を仮に1/2に押さえるとすると得られる丸鋼の直径は500mmとなる。スラブ断面を多少拡大したところで700mm径丸鋼の製造は無理である。
第2は、スラブから丸鋼への加工事例が無いので問題が解りにくいことである。
上記説明からより大きな断面の鋼材を効率的に製造するには圧下に際してできるだけ延伸を抑制すれば良いと解る。以下延伸の抑制に関わる先行事例を検討する。
特許文献1には鋼材断面形状を長方形から正方形に効率的に成形するプレス加工の方法が開示されている。それによると圧下歪みは延伸と拡幅に分配されるが、圧下接触面のアスペクト比(延伸方向長さ/幅方向長さ)によりその分配比が変わり、延伸を抑制し拡幅を優先するには該接触面の延伸方向を長くする即ち金型を長くすればよいと記されている。問題は金型が長くなるほど接触面積が比例して増加しプレスの必要圧下力が増加するので設備が過大になる。設備上の制限からある程度の延伸を許容するのが無理のない加工と見なされる。
特許文献2には長もの素材を鍛造により複雑な形状に成形するに際して、高度の動きを持つマニピュレーターのクランプアームで被加工材の両端を把持する。該クランプは圧下による曲がりを抑制し、且つ所望の捻りを誘導する。説明を仔細に読むと所望の変形に誘導するに当たり圧下に伴う延伸を拘束すると言う示唆は無い。圧下による軸方向衝撃(延伸歪みに起因)はダンパーで吸収すると記載されている。(P6左下欄、1〜3行目)
特許文献3には、連続鋳造鋼片を枠に嵌め込み、該枠をポンチプレスの反力受けとし、該ポンチプレスを該鋼片の両端面の中央部に対して鋼片軸方向に打ち込み、中央部の巣を鍛接することが記載されている。局所的とは言え、鋼片軸方向に圧下を加える当該構造は軸方向応力を処理する上で参考になる。しかし、鋼片全体の延伸を拘束すると言う示唆は全く無い。
特許文献4には、スラブをサイジングプレスにより幅を短縮するに際して、両端部で起こり易い挫屈を防止するため、及び圧下に伴う側面(長辺面)の不均一膨らみ(ドッグボーンとバルジング)を防止するため圧下側面に拘束金型を設け、平坦に仕上げることが記載されている。当該の方法・構造は偏平状の鋼材を幅方向に圧下する際の注意点として参考になる。しかし、拘束の結果歪みはその分延伸に移行し、本願発明の意図する少ない延伸で円形化するには逆方向の作用となる。又成形に当たって鋼片軸方向の応力・歪みについては何ら言及が無い。
特許文献5には、特殊な連続鋳造方法(図1を参照に後述される)が記載されている。それによると鋳込条件を特定することにより芯部欠陥が発生せず、且つ凝固組織がESR鋼塊と類似し、均質性が大きい鋳片が得られると記載されている。
上記連続鋳造方法によって製造された均質なスラブを素材とし、延伸が発生しない鍛錬を施すことができるならESR鋼塊と同様の品質で、ESR鋼塊よりも大きな断面、大きな長さの丸鋼、角鋼等の鋼材が低コストで製造可能となる。
特許第3677572号 公開特許公報昭63−123546号 公開特許公報昭62−61701号 公開特許公報平成6−304611号 特許第3218361号
以上述べたように300mm径を越える鍛錬された大断面の鋼材を製造する方法において、大型鋼塊から水圧プレスによって製造する方法では鋼塊の製造コスト、鋼塊のプレス加工コストとも極めて大きい、ESR鋼塊材を使用する方法では品質は最良だが鋼塊コストは一層高くその上鍛錬された鋼材の直径と質量に制限があり、スラブから水圧プレスによって製造する方法を想定すると、素材コストと単重の問題は解決されるが過大な断面アスペクト比から円断面へのプレス成形に伴って素材は延伸し、鋼材断面積は素材よりも減少する、即ち得られる鋼材径が十分ではないと言う問題がある。更に実施例が無く問題不明という問題がある。
本願発明は、ESR鋼塊材と同等品質で、ESR鋼塊以上の直径の丸鋼をより低コスト・高能率で製造する方法を提供することを目的とし、そのため特殊な連続鋳造方法で製造されたスラブを素材とし、水圧プレスによって丸鋼等に成形するに際して断面減少を発生させない加工方法を課題とする。
上記課題に対して、公知の特殊な連続鋳造方法を活用するとともに、通常の水圧プレスによる鋼塊・鋳片の加工において極めて単純な原理、即ち『延伸拘束枠内での成形』を適用することにより問題を解決した。
第1の発明は、連続鋳造スラブを素材とし、水圧プレスによって該スラブの側面(短辺)を反復圧下して所定断面形状の鋼材に成形するに当たり、圧下に伴い発生する該スラブの軸方法の延伸を拘束しつつ断面形状を長方形から円又は角に成形することを特徴とする大断面鋼材の製造方法である。
第2の発明は、拘束する方法が、スラブの両長辺面と両端面を周回する拘束枠の中に該枠中心軸とスラブ中心軸が一致するようにスラブを装入して拘束することを特徴とする第1発明に記載の大断面鋼材の製造方法である。
第3の発明は、拘束する方法が、スラブの長辺面に対面する両長辺枠の内側全長に互いに対面し、且つ間隙が調節可能な1対の板状の挫屈拘束ガードをスラブを挟むように設け、圧下方向及びスラブ軸方向の挫屈を共に抑止することを特徴とする第1発明又は第2発明に記載の大断面鋼材の製造方法である。
第4の発明は、素材のスラブが下記の連続鋳造方法によって製造されたことを特徴とする第1発明又は第2発明又は第3発明に記載した大断面鋼材の製造方法である。
記:
[一種の湾曲式の連続鋳造方法であって、鋳片引抜軌跡が鋳型を起点とした3/4周の湾曲部と該湾曲部に正接して後続する水平の直進部から構成され、鋳型短辺寸法と湾曲半径と引抜速度の3要因を適切に組み合わせることにより鋳片内部に溶融芯を残したまま該鋳片を1/2周を越え、さらに鋳込み面から大気圧相当溶鋼高さに引き上げるように引抜き、該高さにおいて該溶融芯を脱落させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成し、最上点の3/4周点において該鋳片を伸直し、次いで圧延機により該鋳片を圧下し、凝固殻内面を互いに圧接して中実鋳片とする連続鋳造方法]において鋳込温度の制御により凝固組織を外皮はチル晶、該チル晶内は柱状晶のみとする連続鋳造方法。
本発明の大断面鋼材の製造方法によると、
1) 素材を水圧プレスによって圧下して所定の断面形状に成形するに当たり、延伸が拘束されているので圧下歪みはすべて拡幅に移行する。断面積が減少することなく鍛錬された鋼材が得られ、丸鋼・角鋼等の大断面鋼材の製造に極めて有利になる。
2) 延伸拘束機構は、単純で強固な枠に挫屈拘束ガードを付設して構成されているので延伸を拘束するだけでなく圧下方向・軸方向の両挫屈を防止し、断面アスペクト比の大きい素材でも安定して加工することができる。
3) 連続鋳造スラブを素材とするので上記鋼材が低コストで製造される。
4) 特定した連続鋳造鋳片を使用すると、該鋳片は外皮のチル晶とその内側の柱状晶から成る凝固組織を持つ2枚の凝固殻を圧接して構成されているので、収縮孔・多孔質・中心偏析が無くESR鋼塊と同様の均質性を持つ。その上偏平状から円・角へのプレス成形では相当歪みが大きく初晶粒界を破壊する鍛錬効果が十分に得られ、合わせて本発明の鋼材はESR鋼塊素材の鋼材に代替可能となる。
5) ESR鋼塊材と同様品質で該材よりも大きな断面、大きな質量の鍛錬された鋼材が低コストで製造可能となる。
本発明で使用される連続鋳造方法の概念図である。 本発明で使用されるプレス成形方法の一例を示す説明図である。 本発明のプレス成形方法の要部である延伸拘束枠の例を示す。 本発明の成形方法による断面形状変化を説明する図である。 本発明で使用されるスラブの組織パターンをESR鋼塊と比較する。
初めに、本発明の最適例であるESR鋼塊と同等品質の鋼材を製造するに際して素材の連続鋳造鋳片を製造する方法を説明する。
図1において、全体構成は一種の湾曲式連続鋳造であり、鋳片の引抜軌跡は3/4周の湾曲部と該湾曲部端に正接して後続する水平直進部から成る。タンデイシュ1から鋳型3に供給された溶鋼2は該鋳型3内で冷却され、凝固殻を形成しながらピンチロール5により適切な速度で連続的に引抜かれて鋳片4が形成される。該鋳片4は多数のサポートロール7に支えられつつ2次冷却帯6を経て1/2周点を越え、さらに鋳込面から大気圧相当の溶鋼高さQ点に達して溶融芯が脱落し以後は真空の中空鋳片8となる。該溶鋼高さは溶鋼密度と中空の真空度に依存し約1.4mである。該鋳片8は最上点の3/4周点で伸直ロール9により水平に伸直され次いで圧接圧延機10により長辺面が圧下され凝固殻内面が互いに圧接され中実鋳片11となる。その後切断装置12により所定長さに切断されスラブ13が得られる。ここで[適切な速度]とは中空鋳片の殻厚が所定厚となる引抜速度でありその計算方法は特許文献2に詳述されている。
上記方法により収縮孔、多孔質、中心偏析の発生は確実に防止される。鋳込温度(タンディシュ内溶鋼温度)を当該鋼種の液相温度上20〜40℃に設定することにより凝固組織は外皮がチル晶、その内側は柱状晶となる。凝固厚さは約100〜150mmで比較的厚くないので柱状晶は容易に維持され等軸晶が混入することは無い。これが第1発明に記載した適切な温度制御の要点である。当該スラブは大断面鋼材の素材として供給される。
丸鋼への成形方法を図2、図3に従って説明する。
スラブ13を加熱炉(図示せず)に装入して約1200℃に加熱後引き出し、長辺面を水平にして延伸拘束枠21の中に嵌め込む。該枠21はスラブ長辺面と対面する長辺枠22、22’と端面に対面する両端面枠23、23’から成り該スラブ13を周回する。側面は開口していて該スラブ13は側面から水平移動して装入し、該スラブ13の中心軸を該枠21の長さ方向中心軸Cと一致させ、該端面枠23、23’の片側外側に設けた油圧シリンダー24により該スラブ13の片端を軸方向に押して該枠21内に弾性的に固定する。該枠21の内側寸法は軸方向には嵌め込みのためスラブ長さよりも多少長く、幅(上下方向)は成形しようとする仕上げ外径よりも大きくする。該枠21はスラブ13のプレス圧下による成形に際してスラブ13の延伸を拘束する機能を持つ。当然、該枠21はスラブ軸方向の圧縮降伏力に耐える強度を持つ。
長辺枠22、22’の内側中央全長にはそれぞれ平板状の1対の挫屈拘束ガード31、31’が対向して設けらそれぞれスラブ長辺面に対面する。該ガード31、31’はその間隙を調節する機構を持つ。具体的にはジャッキ32(複数)により中心軸を挟んで前後進させる。圧下に際して該間隙を所定値(圧下率によって決まる拡幅量+α)に設定する。
スラブ13をはめ込んだ該枠21をマニプレーター25等の把持手段により把持し、該枠31を軸回りに90°回転してスラブ長辺面を垂直にし、水圧プレス26の作業点に移送し、往復駆動するプレス・ヘッド27とアンビル28間でスラブ短辺面29を圧下する。圧下の開始に伴いスラブ31が延伸し、該スラブ端面は固定用のシリンダー24を押し返すが、直ぐに拘束枠31の端部23に突き当たり延伸は停止し以後は拡幅のみが進む。
スラブの側面圧下においては2種類の挫屈が生ずる危険性がある。第1は断面アスペクト比が大きいので圧下方向を軸力とする挫屈で幅方向に沿って湾曲する。通常連続鋳造スラブ鋳片のサイジング・プレスでは挫屈拘束ロールが設けられている。第2は本発明の問題であり、延伸を拘束するために生ずる中心軸方向の軸力による挫屈であり、長さ方向に沿って湾曲する。挫屈拘束ガードは拡幅を拘束するのではなく曲がりを抑止するものであり、一般に被加工材の側面に接する必要は無い。多少の間隙があっても十分挫屈防止に有効である。既述の該ガード31、31’は両挫屈を共に防止する機能を持つ。
圧下の開始はスラブの端部からではなく、軸方向中間点から始めるのがよい。第1の効果は挫屈が起こりにくく且つ形状の乱れが起こりにくい。理由は挫屈条件における高径比が半減するからである。第2の効果は圧延と異なりタオレ(圧下に対して斜めに圧下される)が起こりにくくなる。理由は圧下部前後のタオレ抵抗による。該枠31の間欠前進と圧下を交互に反復させてスラブ全長の圧下を進め初回加工を終える。次ぎに挫屈拘束ガードの間隙を次回加工量に対応して拡げ圧下作業を再開する。
丸鋼に仕上げるに際して、プレスヘッド27とアンビル28の圧下面を製品形状と同一の曲率半径の湾曲面にしても良いし、平面のまま拘束枠21を軸回りに揺動させて漸次円柱面に仕上げしても良い。プレスの圧下力が十分に大きいなら大きなプレスヘッド接触面、大きな圧下率、低サイクルで加工し、不足気味なら小接触面、低圧下率、高サイクルで該拘束枠をスラブ軸回りに回転揺動させながらこまめに加工を進めるのが良い。仕上げの断面積は当然素材のスラブ断面積と同一となる。大型水圧プレスによる鋼塊等の鍛錬では高度の技能が保有されており、本発明を実施する作業において特に問題は無い。
図4は変形の進行を示す。断面アスペクト比が大きいので加工初期はダブル・バレリング(犬骨状)になるが、加工の進行とともにシングル・バレリング(樽状)に移行する。
鍛錬比(=加工前後の断面積比)は1だが、真の加工度を示す相当歪みは初期の断面アスペクト比に対応して十分な水準が得られる。鍛錬の作用一つは、脆弱性を持つ初晶特に柱状晶の粒界を破壊して延靭性を回復させることにある。
図5は凝固マクロ組織の説明図で、本発明によるスラブ(図5A)とESR鋼塊(図5B)を比較する。スラブ横断面41において周辺部はチル晶42、その内部は中心まで柱状晶43であり、ESR鋼塊の縦断面44においても同様で、断面形状は異なるがパターンは同等に近い。より細かく観察すると柱状晶を構成するデンドライトの樹枝間隙は本発明の鋳片では後者より細かくミクロの均質性に優れる。なぜなら柱状晶はセミマクロ的には均質であるがデンドライト(樹枝状組織)凝固による樹枝間のミクロ偏析が存在する。該ミクロ偏析は凝固速度が小さいほど不均一性が増加する。チル晶は急冷故にミクロでも均質に近い。本発明の鋳片の凝固速度はESRよりも格段に大きいのでミクロ均質に有利となる。
圧下に伴う延伸を拘束する方法は他にいくつか考えられる。例示した拘束枠に底板を設けて舟形にし、アンビルから底板を通して圧下するなら既述のスラブ固定用のシリンダー24のような機構は不要となる。
本発明の原理である延伸拘束枠内での圧下に対して問題の有無を確認するため20分1スケールのプラスティシン・モデルの実験を行った。素材としてプラスティシンで厚さ10mm、幅100mm、長さ300mm弱のスラブ状試験片を使用し、拘束枠として木材で内寸が幅36mm、長さ300mm、高さ(奥行き)40mmとした。プレスとしてバイスを使用し、プレスヘッドとしてバイス把持面にそれぞれ幅30mm、長さ30mmの木製の平型を取り付け水平方向に圧下するようにした。挫屈拘束ガードとして種々の厚さの板をスペーサーとしてはめ込んだ。
バイスの締め込みによる圧下と送りを反復することにより問題が見えてきた。挫屈拘束無しで片端から20%の圧下を加えると圧下方向の挫屈が発生し、公用されている挫屈拘束ロールの必要性が確認できた。次ぎに圧下部のみに挫屈拘束ガードを嵌めると挫屈は防止できたが、試験片軸方向に僅かの挫屈(曲がり)が発生した。そのまま加工を続けると形状が乱れてきた。拡幅後に片側1mm間隙となる挫屈拘束ガードを拘束枠の全長に装入し、且つ圧下率を10%以下に下げ且つ作業開始点を試験片端部ではなく中央部から注意深く圧下を進めると挫屈が無く、タオレも無く40mmまで圧下が続けられた。
その後拘束枠を軸回りに正逆回転して圧下し角部を丸めて約36mm径の粗い円柱片に成形することができた。
本発明の成形方法は数10トンの素材を取り扱うので作業上の問題は多々あると想定されるが、上記実験から当該原理は十分妥当性があると見なされた。
本発明を実施する連続鋳造方法の具体的設計仕様の例を以下に示す。本発明を実施するために当該連続鋳造方法を特別に変更しなければならないことは無い。
鋳造能率 : 200t/h
湾曲半径 : 4.8m
鋳型断面寸法: 300×2000mm
機長 : 16.6m
引抜速度 : 1.0m/分
凝固定数 : 26mm/√分
凝固殻厚 : 105mm
圧接圧下率 : 5%
鋳片断面寸法: 200×2100mm(圧接圧延により多少膨らむ)
鋳込温度 : 当該鋼種の液相線温度+20〜40℃
本発明の丸鋼・角鋼等の大断面鋼材の成形方法では、大型鋼塊に替えて連続鋳造スラブを素材として使用することができる。更に本発明の成形方法と高品質・高能率を誘導することが可能な中空鋳片の形成を経由する特殊な連続鋳造方法と適切に組合わされると、ESR鋼塊と同様に均質でESR鋼塊よりも大きな断面の鍛錬された鋼材が製造可能となり、且つコストは大幅に削減される。
1:タンディシュ 2:鋳型 3:溶鋼 4:鋳片 5:ピンチロール 6:2次冷却帯 7:サポートロール Q:真空側液面 8:中空鋳片 9:伸直ロール 10:圧接圧延機 11:中実鋳片 12:切断機 13:スラブ 21:延伸拘束枠 22、22’:長辺枠 23、23’:端面枠 24:油圧シリンダー 25:マニプレーター 26:水圧プレス 27:プレスヘッド 28:アンビル 29、29’:スラブ短辺面 31、31’:挫屈拘束ガード 32:ジャッキ 41:スラブ横断面 42:チル晶 43:柱状晶 44:ESR鋼塊縦断面

Claims (4)

  1. 連続鋳造スラブを素材とし、水圧プレスによって該スラブの側面(短辺)を反復圧下して所定断面形状の鋼材に成形するに当たり、圧下に伴い発生する該スラブの軸方法の延伸を拘束しつつ断面形状を長方形から円又は角に成形することを特徴とする大断面鋼材の製造方法。
  2. 拘束する方法が、スラブの両長辺面と両端面を周回する拘束枠の中に該枠中心軸とスラブ中心軸が一致するようにスラブを装入して拘束することを特徴とする請求項1に記載の大断面鋼材の製造方法。
  3. 拘束する方法が、スラブの長辺面に対面する両長辺枠の内側全長に互いに対面し、且つ間隙が調節可能な1対の板状の挫屈拘束ガードをスラブを挟むように設け、圧下方向及びスラブ軸方向の挫屈を共に抑止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の大断面鋼材の製造方法。
  4. 素材のスラブが下記の連続鋳造方法によって製造されたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の大断面鋼材の製造方法。
    記:
    [一種の湾曲式の連続鋳造方法であって、鋳片引抜軌跡が鋳型を起点とした3/4周の湾曲部と該湾曲部に正接して後続する水平の直進部から構成され、鋳型短辺寸法と湾曲半径と引抜速度の3要因を適切に組み合わせることにより鋳片内部に溶融芯を残したまま該鋳片を1/2周を越え、さらに鋳込み面から大気圧相当溶鋼高さに引き上げるように引抜き、該高さにおいて該溶融芯を脱落させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成し、最上点の3/4周点において該鋳片を伸直し次いで圧延機により該鋳片を圧下し、凝固殻内面を互いに圧接して中実鋳片とする連続鋳造方法]において鋳込温度の制御により凝固組織を外皮はチル晶、該チル晶内は柱状晶のみとする連続鋳造方法。
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