JP2009248186A - 熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下において、熱間スラブの座屈を防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法を提供する。
【解決手段】スラブ上面側の座屈拘束用ロール12aとスラブ下面側の座屈拘束用ロール12bを備えた幅プレス装置によって熱間スラブ10を間欠的に幅圧下するに際して、幅圧下による熱間スラブの先端部10aおよび定常部10bの板厚増肉量の予測値に応じて、座屈拘束用ロール12a、12bの高さ位置を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下(幅プレス)において、熱間スラブの座屈を防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法に関するものである。
熱間スラブの幅変更手段として、連続鋳造プロセスにて製造されたスラブを温度が低下しないうちに、あるいは一旦温度が低下した後に加熱炉に投入して所定の温度まで加熱した状態にて、該熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置された1対のプレス金型にて熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する幅プレス装置が用いられている。
この幅プレス装置による幅圧下では、通常、900〜2000mm程度の幅の熱間スラブに対して最大300〜350mm程度の幅圧下が行われており、連続鋳造にて同一幅に鋳造されたスラブより異なる幅の鋼板製品の製造を可能としている。これにより、連続鋳造プロセスでの幅変更回数の低減、熱間圧延プロセスでのスケジュールフリー圧延の拡大、コイル単重の増大など、鋼板製造プロセスの生産性向上や合理化に大きく寄与しており、そのメリットは幅プレス装置による幅圧下能力が大きいほど拡大する。
しかしながら、薄板製造に供される熱間スラブの形状は、厚み対する幅の比が3〜10程度と大きいことから、特に幅圧下量(幅プレス量)が250mm程度以上の条件では、幅圧下(幅プレス)による塑性不安定状態、すなわち、図7に一例を示すように、スラブ10に上方向あるいは下方向への座屈現象が生じやすくなる。座屈現象は、不均一性に由来する極僅かな不釣合いにより生じた僅かな曲げ応力が系を不安定状態に導いてしまう現象であり、初期スラブ形状やスラブ温度の非対称性、あるいは金型形状や幅プレス動作の非対称等、何らかの初期不整が存在する場合に顕在化しやすい。そして、スラブの幅プレス中に一旦座屈が生じてしまうと、そこから尾端にかけて座屈量が拡大し、特に自由端となる最尾端部では大きく発散して折れ曲がり高さが数百mmもの大座屈形状となることもある。このような場合、引き続き行われる熱間圧延において、座屈部がデスケーリング装置等の設備に衝突して破損したり、圧延での噛み込み不良などを引き起こしたりする原因となる。このことから、幅プレスでスラブに大座屈が生じた場合には、圧延作業を中止し、クレーンにてそのままライン外に払い出して冷却処理する等されており、熱間圧延ラインの生産性を落とす1要因となっている。また、座屈高さが圧延可能な範囲であったとしても、座屈部は幅圧下による変形が上凸形状あるいは下凸形状の変形となってしまっていることから、所定の幅圧下変形量が確保できていないことになる。このことから、座屈部は水平圧延にて板幅方向に大きく幅戻りする方向に変形し、座屈部と正常幅圧下部との幅戻り量の違いによって長手方向に大きな板幅変動を生じることとなる。そして、座屈現象は幅圧下量が大きい条件ほど発生しやすいことから、実操業ではやむなく幅圧下量を規制した運用がなされており、幅プレスでの座屈トラブルは生産性、歩留まりの観点から大きな問題となっている。
この座屈の発生を抑止する目的で、通常、幅プレス装置には上下1対あるいは複数対の座屈拘束ロール(押さえロール)が具備されており、この座屈拘束ロールによって熱間スラブを上下から拘束するようにしているが、座屈を抑制するために過大な押さえ力を負荷した場合にはスラブ表面にロールが食い込んでロールエッジ部近辺に表面欠陥が発生することや、座屈拘束ロールに押さえ力を与えている油圧シリンダー等の設備保護の点から、座屈が拡大して過大な押さえ力が加わった場合には、油圧シリンダーの油圧を解放する処置等がなされており、それだけでは確実に座屈を拘束することは困難となっている。
そこで、前述したように、幅プレス時の座屈トラブルは大きな経済的損失を発生させることから、これまで、幅プレス時の座屈防止のために様々な提案がなされている。例えば、座屈の発生と座屈拘束ロールによる表面凹み発生の両者を防止する条件として、座屈拘束ロールに加える力(荷重)を幅圧下力の約10%としたもの(例えば特許文献1)や、座屈拘束ロールに加える力(荷重)を幅圧下量によって調整するようにしたもの(例えば特許文献2)等、座屈拘束ロールの押さえ力の適正化による座屈拘束技術が提案されている。また、スラブの先端部、定常部、尾端部において座屈拘束ロールの位置をライン方向(スラブ長手方向)に変更する技術が提案されている(例えば特許文献3、4)。
特開昭64−2707号公報 特開昭62−101336号公報 特開昭62−101335号公報 特開平9−327707号公報
しかしながら、前記した幅プレスの座屈防止に関する従来技術では、特にスラブ先端部の座屈発生防止に関して根本的な問題点を有していた。すなわち、本発明者等の検討では、自由端であるスラブ最先端部の座屈を防止するためには、幅プレスによるスラブの変形を考慮した座屈拘束ロールの上下位置の適切な設定が最重要であり、従来技術ではこの点が全く考慮されていないからである。
例えば、特許文献1に開示されている技術では、座屈拘束ロールの荷重設定の適正化を図っているものの、座屈拘束ロールの位置設定については何ら言及されておらず、なおかつその実施例に示されているように、上下の座屈拘束ロールに同じ荷重を加えていることから、座屈が発生した場合にはその抑制効果がほとんど得られない。つまり、上方向または下方向のいずれの方向の座屈が発生した場合においても、上下の座屈拘束ロールの押さえ力がバランスしていることから、座屈を押さえるために必要な拘束荷重が発生し得ないためである。
また、特許文献2に開示されている技術では、その実施例に示されているように、幅プレス装置からの信号に基づいて必要な押さえ力を計算して座屈拘束ロールの制御を行うこととなっているが、この場合、何らかの手段によって幅圧下中の座屈発生挙動をモニターし、その座屈方向と座屈量に応じて上下の座屈拘束ロールの押さえ力を個別に制御しない限りは、特許文献1と同様に上下の押さえ力がバランスしてしまうことから、座屈抑制効果は期待できない。
特許文献3あるいは4に開示されている技術では、スラブ先端部、定常部、尾端部にて金型による幅圧下荷重の作用重心位置と座屈拘束ロール位置とを一致させることにより、効果的な座屈抑制作用が得られるとしているが、この技術においても座屈拘束ロールの上下位置の設定については何ら言及されておらず、根本的な問題を有していた。
さらに、通常、幅プレスを行う際には、座屈拘束ロールの高さ位置や搬送ロールの高さ位置等は、スラブの定常部における板厚増肉量(板厚増加量)の予測値をもとに設定されており、本来、自由端であることから定常部とは板厚増肉挙動が異なる先端部や尾端部に対する設定としては不適であるという問題点があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下において、熱間スラブの座屈を防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明者等は幅プレスでのスラブ座屈の発生挙動について鋭意検討を重ね、スラブ全長にわたる座屈防止を図るためには、とりわけ座屈発散のトリガーとなっているスラブ先端部(最先端部)の座屈を防止することが重要であり、そのためには幅圧下によるスラブの変形(板厚増肉)を考慮した座屈拘束ロールの上下位置の設定が最重要であることを見出した。すなわち、後に詳述するように、座屈発散のトリガーとなるスラブ先端部の座屈現象は、幅圧下によるスラブの板厚増肉が座屈拘束ロールの不適切な位置設定により拘束されてしまっていることによっても発生していること見出した。
本発明はこれらの知見に基づきなされたものであり、以下のような特徴を有している。
[1]熱間スラブの上面側と下面側に座屈拘束用ロールを備えた幅プレス装置によって熱間スラブを間欠的に幅圧下するに際して、幅圧下による熱間スラブの先端部および定常部の板厚増肉量の予測値に応じて、前記座屈拘束用ロールの高さ位置を調整することを特徴とする熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法。
[2]間欠的に行う幅圧下のそれぞれの幅圧下中は、下面側の座屈拘束用ロールの高さ位置を前記板厚増肉量の予測値に応じて調整した位置に固定するとともに、上面側の座屈拘束ロールに所定の拘束荷重を負荷することを特徴とする前記[1]に記載の熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法。
[3]前記板厚増肉量の予測値は、スラブの鋼種、スラブの温度、スラブの寸法、幅圧下量、プレス金型平行部接触長さによって算出することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法。
本発明により、幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下において、熱間スラブの座屈を防止して安定的な幅圧下が可能となった。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下においては、図4(a)に示すごとくスラブ先端部10aでは斜線にて示した変形領域の前方には変形の拘束となるものが存在しない自由端であるのに対し、図4(b)に示すごとくスラブ長手方向の定常圧下部(定常部)10bでは圧下領域の前後に変形の拘束となる部分が存在しており、両者では幅圧下によって生じる板厚増肉挙動が大きく異なる。特に、スラブ幅が狭く幅圧下量が大きい条件では、スラブ先端部10aでは幅圧下による歪が板幅内部までとどきやすく、板厚プロフィルは図5(a)に示すごとく板幅中央部で厚くなる凸形状となりやすい。これに対し、スラブ長手方向の定常圧下部10bでは、変形領域前後の非変形域の存在により幅圧下による歪が板幅内部までとどかず、変形が板幅エッジ近傍に集中することから、図5(b)に示すように板幅エッジ近傍の板厚が厚くなるドッグボーン形状となりやすい。
通常、座屈拘束ロールのバレル長は300〜400mm程度であり、金型圧下位置近傍にてスラブ幅中央部を上下から押さえて座屈を抑制しており、幅圧下条件から定常圧下部10bでのスラブ幅中央部厚みとドッグボーン最大高さを予測し、その予測値に応じて搬送テーブル高さ、ピンチロール高さ、座屈拘束ロール高さなどの設定を行っている。
しかしながら、前記したようにスラブの先端部10aと定常圧下部10bでの板厚断面プロフィルは大きく異なっており、スラブの先端部10aと定常部10bでのスラブ幅中央部近辺の板厚の差(板厚増肉量の差)は、幅圧下条件によっては30mm以上に達することもある。
したがって、スラブ長手方向の板厚増肉挙動に合わせて各種設定を行うことが望ましく、本発明者等はこのような視点から幅プレスにおける各種設定方法について検討を重ねた結果、従来の設定方法では、スラブの先端部10aと定常圧下部10bでの板厚断面プロフィルの相異に起因して先端部10aにて座屈現象が発生しやすく、かつ先端部10aにて座屈形状となった場合には、図7に示したように、スラブ10全長にわたり同じ方向の座屈傾向が継承され、特に自由端となる尾端部(最尾端部)10c近傍にて急激に座屈が発散することを見出した。
すなわち、従来の設定方法では、定常圧下部10bでのスラブ幅中央部近辺の板厚(板厚増肉量)の予測値によりスラブ下面側の座屈拘束ロールの高さ位置を設定しているが、図5(a)、(b)に示したように、スラブの先端部10aと定常部10bとでは、スラブ幅中央部近辺の板厚(板厚増肉量)に大きな差があることと、幅圧下中のスラブの側面は金型との接触による摩擦力によって高さ方向位置が固定されていることから、従来の設定方法では、図6(a)に示すように、スラブの先端部10aでスラブ幅中央部の大きな板厚増肉がスラブ下面側の座屈拘束ロール12bに拘束されて、上方向に凸形状の座屈形状となることが不可避であった。そして、スラブ先端部10aにて上凸形状の座屈形状が発生してしまった場合には、尾端部10cでは、図6(b)に示すような大座屈形状となりやすい。
そこで、スラブの先端部10aと定常部10bとでは、座屈拘束ロールの高さ位置をスラブ幅中央部近辺の板厚差(板厚増肉量差)ΔSに応じて適切に変更することが重要であり、スラブの先端部10aでは、スラブ下面側の座屈拘束ロール12bの高さ位置を定常部10bに比べて板厚差ΔSの1/2下げる必要がある。例えば、スラブの先端部10aのスラブ幅中央部近辺の板厚が定常圧下部10bのスラブ幅中央部近辺の板厚に比べて30mm程度厚くなること(ΔS≒30mm)が予測される場合には、スラブの先端部10aでは、スラブ下面側の座屈拘束ロール12bの高さ位置を定常部10bに比べて15mm程度下げる必要がある。
すなわち、この実施形態においては、スラブ上面側の座屈拘束用ロール12aとスラブ下面側の座屈拘束用ロール12bを備えた幅プレス装置によって熱間スラブ10を間欠的に幅圧下するに際して、幅圧下による熱間スラブの先端部10aおよび定常部10bの板厚増肉量の予測値に応じて、座屈拘束用ロール12a、12bの高さ位置を調整するようにしている。
つまり、スラブの先端部10aの幅圧下時には、図5(a)に示したような、座屈拘束用ロール12a、12bで拘束しない場合に予測される板厚増肉挙動(板厚断面プロフィル)に基づいて、図1(a)に示すように、その板厚増肉後のスラブ幅中央部に座屈拘束用ロール12a、12bが接するように座屈拘束用ロール12a、12bの高さ位置を設定する。一方、スラブの定常部10bの幅圧下時には、図5(b)に示したような、座屈拘束用ロール12a、12bで拘束しない場合に予測される板厚増肉挙動(板厚断面プロフィル)に基づいて、図1(b)に示すように、その板厚増肉後のスラブ幅中央部に座屈拘束用ロール12a、12bが接するように座屈拘束用ロール12a、12bの高さ位置を設定する。
なお、上述したようなメカニズムで発生する座屈を防止するためには、スラブの先端部10aの幅圧下時には、座屈拘束ロール12a、12bをスラブの上下方向に退避させておくことが有効とも考えられるが、本来、スラブの先端部10aでの座屈現象はスラブの偏熱による非対称変形や、上下非対称冷却等によって生じるスラブC反り形状等の非対称性、不均一性によって発生すると考えられることから、スラブ先端部10aにて確実に座屈を防止するためには、幅圧下によるスラブの先端部10aの板厚増肉挙動に応じてスラブ下面側の座屈拘束ロール10bの位置を適切に設定し、かつスラブ上面側の拘束ロール10aの位置は固定化せずに所定の座屈拘束荷重を負荷することが好ましい。
すなわち、この実施形態においては、間欠的に行う幅圧下のそれぞれの幅圧下中は、下面側の座屈拘束用ロール12bの高さ位置を板厚増肉量の予測値に応じて調整した位置に固定するとともに、上面側の座屈拘束ロール12aには所定の拘束荷重を負荷する(見方を変えれば、上面側の座屈拘束ロール12aの高さ位置が、所定量の反力を受ける位置に調整される)ようにしている。
その際、スラブの先端部10aと定常圧下部10bにおいて、幅圧下による板厚増肉量を精度よく予測することが重要となるが、幅圧下による板厚増肉量は、スラブの鋼種、スラブの温度、スラブの寸法、幅圧下量、そしてスラブの先端部10aでは金型11の平行部との接触長さにも依存するため、予め実験や数値計算にてこれらのパラメータによる板厚増肉量への影響を調査して定式化しておけばよい。
また、スラブ上面側の拘束ロール10aに負荷する座屈拘束荷重については、その目安として、図2に示した関係より、下記(1)式にて算出が可能である。
Figure 2009248186
ここで、Fは座屈拘束荷重、Pxは幅圧下荷重、Z*は許容座屈量、Wは幅圧下前のスラブ幅、ΔWは幅圧下量である。
図2に示すように、スラブ10の幅圧下によってスラブ幅方向に作用する力Pの水平方向成分Pxが幅圧下荷重であり、垂直方向成分Pyがスラブ上面側の拘束ロール10aに作用する反力となる。すなわち、座屈拘束荷重F=2×反力Pyとなり、Py/Px=Z*/((W−ΔW)/2)という幾何学的関係から(1)式が導かれる。
そして、幅圧下荷重Pxは、前述した板厚増肉量と同様に、スラブ幅圧下条件(スラブの鋼種、スラブの温度、スラブの寸法、幅圧下量、金型11平行部との接触長さ)によって算出可能であり、(1)式では許容座屈量Z*が座屈拘束荷重Fを決定するパラメータとなる。
(1)式によると、スラブ形状に非対称性が存在しない場合には座屈許容量Z*が小さいほど必要な座屈拘束荷重Fは小さくなり、極論すれば座屈拘束荷重Fは0でよいこととなる。しかしながら、実際にはスラブヤードでの上下不均一冷却等によりスラブのC反りが発生していることもあり、実際の操業でのC反り量調査や、座屈拘束ロール12aの押し付けにより表面疵を発生させないための座屈拘束荷重条件の調査等を実施して、調整係数である許容座屈量Z*を設定すればよい。
以下に、本発明の実施例を述べる。
図3は、粗圧延ラインの上流側に幅プレス装置を有する熱間圧延工場において本発明を適用した際の、各経過月での全圧延量に対する大座屈が発生して冷却処理されたスラブ本数の比率、冷却処理まではされなかったものの軽度〜中程度の座屈形状が発生したスラブ本数の比率、表面欠陥が発生したスラブ本数の比率の推移を示す図である。
図3中に△のシンボルで示したごとく、本発明の適用以前(経過0ヶ月)では、月平均2〜3本(平均比率0.037%)の大座屈・冷却処理スラブが発生していたが、本発明の適用(座屈拘束ロールの高さ位置の調整)を開始した直後(経過1ヶ月)には、大座屈スラブの発生は皆無となった。また、図3中に○のシンボルで示したごとく、0.37%程度発生した軽度〜中程度の座屈も1/3程度にまで減少した。
そして、スラブ鋼種、スラブ温度、スラブ寸法、幅圧下量等の幅圧下条件と操業での座屈発生状況を観察しながら座屈拘束ロールの高さ位置の調整、すなわちスラブの先端部と定常圧下部での板厚増肉量予測モデルの調整と、座屈拘束ロールによって生じる幅プレス後の表面凹凸の観察による座屈拘束荷重の調整を行ったところ、経過6ヶ月には、軽度〜中程度の座屈および座屈拘束ロールによる表面欠陥も皆無となった。
また、従来、座屈トラブル防止のために最大幅圧下量を300mmに規制していたが、本発明の適用により最大幅圧下量を350mmまでの拡大しても安定的な幅圧下が可能であった。
本発明の一実施形態における座屈拘束ロールの高さ位置を示す図である。 本発明の一実施形態における座屈拘束荷重の算出方法の説明図である。 本発明の実施例における座屈防止効果を示す図である。 幅圧下時のスラブの変形域を示す図である。 幅圧下時のスラブの板厚増肉挙動を示す図である。 従来の設定方法による座屈形状の例を示す図である。 幅圧下によるスラブの座屈を示す図である。
符号の説明
10 熱間スラブ
10a 熱間スラブの先端部
10b 熱間スラブの定常部(定常部圧下部)
10c 熱間スラブの尾端部
11 プレス金型
12a スラブ上面側の座屈拘束ロール
12b スラブ下面側の座屈拘束ロール

Claims (3)

  1. 熱間スラブの上面側と下面側に座屈拘束用ロールを備えた幅プレス装置によって熱間スラブを間欠的に幅圧下するに際して、幅圧下による熱間スラブの先端部および定常部の板厚増肉量の予測値に応じて、前記座屈拘束用ロールの高さ位置を調整することを特徴とする熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法。
  2. 間欠的に行う幅圧下のそれぞれの幅圧下中は、下面側の座屈拘束用ロールの高さ位置を前記板厚増肉量の予測値に応じて調整した位置に固定するとともに、上面側の座屈拘束ロールに所定の拘束荷重を負荷することを特徴とする請求項1に記載の熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法。
  3. 前記板厚増肉量の予測値は、スラブの鋼種、スラブの温度、スラブの寸法、幅圧下量、プレス金型平行部接触長さによって算出することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間スラブ幅プレスの座屈防止方法。
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