JPH09276972A - 平面ひずみ往復加工法 - Google Patents

平面ひずみ往復加工法

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JPH09276972A
JPH09276972A JP9857696A JP9857696A JPH09276972A JP H09276972 A JPH09276972 A JP H09276972A JP 9857696 A JP9857696 A JP 9857696A JP 9857696 A JP9857696 A JP 9857696A JP H09276972 A JPH09276972 A JP H09276972A
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metal
compression
tool
deformation
workpiece
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JP9857696A
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Susumu Mizunuma
晋 水沼
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21CMANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
    • B21C23/00Extruding metal; Impact extrusion
    • B21C23/001Extruding metal; Impact extrusion to improve the material properties, e.g. lateral extrusion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J1/00Preparing metal stock or similar ancillary operations prior, during or post forging, e.g. heating or cooling
    • B21J1/02Preliminary treatment of metal stock without particular shaping, e.g. salvaging segregated zones, forging or pressing in the rough
    • B21J1/025Preliminary treatment of metal stock without particular shaping, e.g. salvaging segregated zones, forging or pressing in the rough affecting grain orientation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属被加工材の結晶粒を微細にするために、
材料の寸法や、加工方法等の制約を受けることなく金属
被加工材に大量の歪を与える方法を提供する。 【解決手段】 被加工材の3軸方向のうち1軸方向の変
形を拘束し、他の2軸方向から、交互に圧縮を繰り返す
ことによって被加工材に歪を累積させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なミクロ組織
を有する金属材料を製造するために、熱間あるいは冷間
で非常に大きな加工を材料に加える方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、金属材料は原料を溶解精錬しこれ
を鋳造し、さらに加工成形することにより最終製品形状
にする。これには、大別して2種類あり、熱間加工後冷
却して製品とする熱間加工製品と、これをさらに冷間で
加工成形した冷間加工製品である。
【0003】これらのいずれの方法においても、金属材
料の鍛造材に加えられる加工量は製品の材質に大きく影
響することが知られている。圧延、鍛造などの加工は、
特に、結晶粒などのミクロ組織を微細にする上で有効で
あり、鉄鋼材料、アルミニウム材料など多くの金属材料
でこの方法が使用されている。これは、金属材料の結晶
粒が微細であるほど優れた機械的性質が得られるからで
ある。
【0004】熱間加工製品においては、加工ひずみ速度
を大きくし大きなひずみを加えることにより金属材料は
動的再結晶状態になり、ひずみ速度が大きいほど結晶粒
が小さくなる。また、冷間加工製品では冷間における加
工量が大きいほどその後に続く焼鈍を行う場合のは再結
晶粒の大きさを小さくできる。以上のように、大ひずみ
を加える手段は各種金属材料で利用されているが、従来
の加工手段、例えば圧延や鍛造のみではその加え得る加
工量に限界があり、鋳造材から出発して製品に至るまで
に与えられるひずみ量には限界があった。たとえば、圧
延法で加工する場合、板幅は大きくは変化しないので、
これは板幅方向ひずみが0の平面ひずみ変形であると考
えると材料に加えられる相当ひずみは、次式のようにな
る。
【0005】
【数1】
【0006】なお、相当ひずみとはひずみ比が異なる変
形のひずみを相対比較できる量であり、金属学的には転
位密度に相当するものである。相当ひずみの定義式はた
とえば「金属塑性加工の力学」(コロナ社)など普通の
塑性力学の教科書に記載されている。
【0007】(1)式からわかるように圧延の場合の相
当ひずみは素材厚さと製品厚さの比で決まる。したがっ
て、圧延によって加えることのできるひずみ量には限界
がある。また、鍛造の場合、ひずみ状態は単軸圧縮変形
と平面ひずみ圧縮変形の間にある。単軸圧縮変形の場合
の相当ひずみは次式のようになる。
【0008】
【数2】
【0009】この場合でも相当ひずみはオーダーとして
は平面ひずみの場合と同じである。したがって、鍛造の
場合でも加えることのできるひずみ量には限界がある。
なお、通常の熱間加工製品の場合、このひずみは圧延や
鍛造などの加工により圧下を何回かに分けて与えられ、
その加工と加工の間に加熱、冷却などが加わり、その間
で回復や再結晶が起こるため、加熱や冷却を繰り返すこ
となく一度に加工して(1)式や(2)式のひずみを加
えた場合に比べて、得られる結晶粒は大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】たとえば、鉄鋼材料で
は合金元素が少なくて結晶粒が数ミクロンからサブミク
ロンの鋼が得られれば安価な高強度構造材料となる。こ
れは他の銅やアルミニウムなどの非鉄材料でも同様であ
る。例えば、電子材料分野では集積回路チップの基板と
して用いられる銅板は電気特性は優れているが、強度を
より一層向上させる必要がある。これに対して銅合金を
用いる試みもあるが電気伝導特性が劣化する。そこで、
純銅の強度をあげる方法として加工ひずみを加え、ミク
ロ組織を微細にすることが考えられる。
【0011】しかしながら、以上述べたように通常の加
工法では、金属材料の鍛造材の厚さと製品の厚さで決ま
るひずみ以上のひずみを加えることができない。本発明
はこの限界ひずみを越えるひずみを加えることのできる
方法を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に種々検討した結果、上記のひずみの限界を越えること
のできる加工法として、以下の手段を講じることが有効
であることが明かとなった。 (1)被金属加工体の一方向への変形を拘束するととも
に、前記一方向と直交し、かつ互いに直交する二方向に
おいて前記被金属加工体を一方向ずつ交互に繰り返し圧
縮加工し、被金属加工体に平面歪変形を加える金属材料
の平面歪往復加工方法。
【0013】(2)被金属加工体の一方向への変形を拘
束する拘束工具を被金属加工体の一方向に配置すると共
に、被加工体の前記一方向と直交し、かつ互いに直交す
る二方向において被金属加工体を圧縮加工する圧縮工具
を、一方向に少なくとも一対配置し、この圧縮工具によ
り被金属加工体を一方向ずつ交互に繰り返して圧縮加工
し、被金属加工体に平面歪変形を加える金属材料の平面
歪往復加工方法。
【0014】(3)被金属加工体の鉛直方向の変形を拘
束する拘束工具を被金属加工体の上下に配置し、水平面
内で直交する二方向において被金属加工体を圧縮加工す
る圧縮工具を被金属加工体の前後、左右に配置し、この
2対の圧縮工具により被金属加工体を一方向ずつ交互に
繰り返して圧縮加工し、被金属加工体に平面歪変形を加
える金属材料の平面歪往復加工方法。
【0015】(4)前記圧縮工具は、対向する方向から
相互に移動して被金属加工体を圧縮する工具対からなる
こと、また、圧縮工具は、対向する一方が固定され、他
方が移動して被金属加工体を圧縮加工する工具対とから
なる(2)または(3)のいづれかによる金属材料の平
面歪往復加工方法。 (5)一対の圧縮工具は、対向する方向から相互に移動
して被金属加工体を圧縮する工具対からなり、他の一対
の圧縮工具は、対向する一方が固定され、他方が移動し
て被加工体を圧縮加工する工具とからなる(2)または
(3)のいづれかによる金属材料の平面歪往復加工方
法。
【0016】(6)被金属加工体の一方向への変形を拘
束する拘束工具を被金属加工体の一方向に配置すると共
に、被加工体の前記一方向と直交し、かつ互いに直交す
る二方向において被金属加工体を圧縮加工する圧縮工具
を、一方向に少なくとも一対配置し、この圧縮工具によ
り被金属加工体を一方向ずつ交互に繰り返して圧縮加工
した後、この被金属加工体に冷間または熱間において圧
延または鍛造加工して製品を製造する金属製品の製造方
法。
【0017】本発明の方法においては、金属材料の一方
向への変形を拘束し、他の二方向から交互に繰り返し圧
縮力を作用させることによって、金属材料に大きな歪を
与えることができる。この方法においては、金属材料の
変形が一方向にかつ直交する方向に交互に起こるため、
加えられる歪量が、圧延或いは鍛造のように、材料厚
さ、仕上げ厚さに限定されることなく、大きなものとな
る。これによって金属材料の結晶粒を微細にする等の効
果を得ることができる。
【0018】この方法を金属製品の製造加工過程に適用
することによって結晶粒が極めて微細な金属加工製品の
製造が可能となる。このように、単一のひずみ経路をた
どらないで、ひずみ経路を逆戻りあるいは変更しながら
非常に大きなひずみを累積させる加工法を往復加工法と
呼ぶことにする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下この方法について説明する。
図1は、本発明の方法の原理を示す図であり、第1パス
から第3パスまでの圧縮加工に作用する力と被加工材の
変形方向を図示している。図1において、被加工材の一
方向、z方向に対して他の二方向x,y方向はいずれも
これと直交しており、更にx方向とy方向は互いに直交
している。
【0020】被加工材のz方向には、図示しない拘束工
具が配置され、被加工材のz方向への変形が拘束されて
いる。このz方向と直交し、且つ互いに直交するx方
向、y方向の二方向には、被加工材をx,yの二方向に
おいて圧縮加工する図示しない圧縮工具が、配置されて
いる。第1パスにおいてx方向から被加工体1に圧縮力
を作用させると、被加工体1は、z方向への変形が拘束
されているため、拘束のないy方向に変形する。
【0021】つぎにx方向から作用させた圧縮力を解除
して、第2パスにおいて、前記x方向と直交するy方向
から被加工体1に圧縮力を作用させると、拘束のないy
方向に変形した被加工体1は、z方向への変形は拘束さ
れているため、圧縮力を解除されて拘束ないx方向に変
形する。つぎにy方向から作用させた圧縮力を解除し
て、第3パスにおいて、前記y方向と直交するx方向か
ら被加工体1に圧縮力を作用させると、拘束のないx方
向に変形した被加工体1は、z方向への変形は拘束され
ているため、圧縮力を解除されて拘束ないy方向に変形
する。こうして第1パスと第2パスを交互に繰り返すこ
とによって、被加工体に歪を加えることが出来る。
【0022】このように被加工体の一方向への変形を拘
束し、この方向と直交し、且つ互いに直交する二方向か
ら、一方向ずつ交互に繰り返して圧縮力を作用させるこ
とによって、被加工体の寸法に制限されることなく歪を
与えることが出来る。図2から図4は本発明の方法を示
す一実施例を示す図である。この実施例においては、被
加工体のz方向を拘束し、これと直交し、且つ互いに直
交する方向をx,y方向として被加工材1を加工するも
のである。図2から図4において、1は被加工体、2−
1、2−2は、x方向の圧縮工具対、3−1、3−2は
y方向の圧縮工具対である。また、4−1、4−2はz
方向の変形を拘束する拘束工具対である。
【0023】図2において、拘束工具対4−1、4−2
がz方向に一定の間隔に、例えば所要の板厚に固定、配
置され、被加工材1がこの上に置かれている。拘束工具
対は被加工材の変形を一定の範囲に拘束できるように拘
束位置が変更できるようにすることが望ましい。また、
拘束工具の被加工材に接する面は平坦であることが望ま
しい。圧縮工具対2−1、2−2はそれぞれx方向に、
圧縮工具対3−1、3−2はそれぞれy方向に対向して
配置され、図示しない油圧装置、圧下装置からの力によ
って、それぞれx方向、y方向から対向するように移動
し、被加工材を圧縮力を作用させ圧縮加工する。なお、
圧縮工具の被加工材に接する面は平坦であることが好ま
しい。
【0024】図2は第1パスにおいてx方向に圧縮開始
時の、被加工材の状況と工具対の配置を示しており、そ
れぞれ(a)はy方向から見た状況、(b)はz方向か
ら見た状況である。このときy方向の圧縮工具対は、こ
の方向への変形に拘束を与えないように後退している。
図3は第1パスの終了時の、被加工材の変形状況と、工
具の配置を示しており、(a)はy方向から見た状況、
(b)はz方向から見た状況を示している。
【0025】被加工材は第1パスにより変形しy方向に
長く、x方向に短くなっている。z方向には変形が拘束
されており、形状の変化はない。第4図は第2パスにお
いてy方向に圧縮を開始時の、被加工材の状況と、工具
の配置を示しており、(a)はy方向から見た状況、
(b)はz方向から見た状況を示している。このときx
方向の圧縮工具対は、この方向への変形に拘束を与えな
いように後退している。
【0026】図5は第2パスの終了時の、被加工材の変
形状況と、工具の配置を示しており、(a)はy方向か
ら見た状況、(b)はz方向から見た状況を示してい
る。被加工材は第2パスにより変形しx方向に長く、y
方向に短くなっている。z方向には変形が拘束されてお
り、形状の変化はない。この第1パスと第2パスを交互
に繰り返すことによって、被加工体に多くの加工を加え
ることが出来、多くの歪を与えることができる。
【0027】この例では圧縮工具対2−1、2−2およ
び、圧縮工具対3−1、3−2各工具の双方が、それぞ
れが対向する方向に移動して圧縮する方法を示したが、
工具の一方を固定し他方を移動して圧縮するようにして
もよい。即ち、図6から図9は、被加工材の拘束方向を
y方向とし、圧縮方向をz,x方向として被加工材に圧
縮加工を行う例である。拘束工具対7−1、7−2がy
方向に一定の間隔に、固定配置され、被加工材1がこの
上に置かれている。圧縮工具対5,8はそれぞれx方向
に、圧縮工具対6,9はそれぞれz方向に対向して配置
されている。工具5と6は固定されており、工具8,9
が図示しない油圧装置、圧下装置からの力によって、工
具5,6がそれぞれ移動し、被加工材を圧縮力を作用さ
せ圧縮加工する。
【0028】図6は第1パスにおいてx方向に圧縮開始
時の、被加工材の状況と工具対の配置を示しており、そ
れぞれ(a)はy方向から見た状況、(b)はz方向か
ら見た状況である。このときz方向の圧縮工具対は、こ
の方向への変形に拘束を与えないように後退している。
図7は第1パスの終了時の、被加工材の変形状況と、工
具の配置を示しており、(a)はy方向から見た状況、
(b)はz方向から見た状況を示している。
【0029】被加工材1は第1パスにより変形しz方向
に長く、x方向に短くなっている。y方向には変形が拘
束されており、形状の変化はない。図8は第2パスにお
いてz方向に圧縮開始時の、被加工材1の状況と工具対
の配置を示しており、それぞれ(a)はy方向から見た
状況、(b)はz方向から見た状況である。このときx
方向の圧縮工具対は、この方向への変形に拘束を与えな
いように後退している。
【0030】図9は第2パスの終了時の、被加工材の変
形状況と、工具の配置を示しており、(a)はy方向か
ら見た状況、(b)はz方向から見た状況を示してい
る。被加工材1は第1パスにより変形しx方向に長く、
z方向に短くなっている。y方向には変形が拘束されて
おり、形状の変化はない。この第1パスと第2パスを交
互に繰り返すことによって、被加工体に多くの加工を加
えることが出来、多くの歪を与えることができる。圧縮
工具の対向する一方の工具は固定配置されているため、
圧縮装置の構造をより単純にすることができる。又、圧
縮工具の固定された異なる二方向の工具5,6を一体に
構成することもでき、設備構成が簡略となる。
【0031】また、拘束方向を鉛直方向、z方向とし
て、上下に拘束工具を配置し、圧縮方向を水平面内の直
交する二方向、x,y方向として、前後、および左右に
圧縮工具を配置することによって水平方向に圧縮するこ
とも望ましい。本発明の方法により大きな歪を金属材料
に与えることができ、結晶粒のきわめて微細な金属材料
加工製品を得ることができる。本発明方法は単独でもよ
いが、必要な形状を得るために、本発明の方法の後に、
通常の圧延、或いは鍛造等の加工手段を追加することも
可能である。
【0032】このように板厚一定の条件のもとに直角二
方向の圧縮を繰り返すことにより、被加工材内部に転位
が集積しひずみが限りなく増加する。すなわち、従来の
圧延や鍛造のような板厚が減少する方向に加工を続けて
いく方法では材料の板厚方向の厚さを製品厚さ以下にす
ることができないのに対して、本方法では、板厚が変化
しないので必要十分なひずみを加えることができる。
【0033】ところで、本発明を適用して熱間で加工す
る場合には、被加工材の温度が低下しない内に加工する
必要がある。必要とするひずみが数パス程度で達成でき
る場合には工具温度は常温のままでもよいが、パス数が
多くなる場合には、たとえば耐熱超合金などに材料で構
成された工具を用いて、工具の温度も加工温度近傍に保
持しつつ加工するのが好ましい。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〕成分がCu:99.92%、O:0.03
%のタフピッチ銅の原板(幅100mm、厚さ100mm、
長さ500mm)を使用し、本発明の往復加工により、以
下のように加工を加えた。長さ500mmの方向を図2の
z方向とし、幅100mmの方向をx方向、厚さ100mm
の方向をy方向として、x方向圧下(100mm→50m
m)→y方向圧下(200mm→50mm)→x方向圧下
(200mm→50mm)→・・・・・・+最終パス(20
0mm→100mm)と圧下を15回繰り返した。
【0035】この加工によるひずみは、0.80×2+
1.60×13=22.4となる。このようにして得ら
れたビレット材は外観は原板と同じようであったが、内
部のミクロ組織は大きく異なっていた。すなわち、原板
の結晶粒径は30μmであったが、加工後の内部組織は
極めて微細であり、結晶粒径は1μm以下であった。な
お、この加工組織の結晶粒径とは転位密度の低い部分
(亜結晶粒)の直径の平均値をさしている。原板と加工
後のビレットの両者について引張試験を行った。得られ
た強度(引張強さ)は原板が200MPa であるのに対し
て、加工後が480MPa であった。
【0036】この加工後の強度は鉄鋼のそれに匹敵する
値であり、このような加工法の適用によって銅を構造部
材として用いることができることを示している。 〔実施例2〕成分がCu:99.92%、O:0.03
%のタフピッチ銅の原板(幅100mm、厚さ100mm、
長さ500mm)を使用し、通常の加工手段である圧延と
その圧延工程の前に本発明の往復加工を施す2つの方法
により中厚板(厚さ10mm)を作製した。
【0037】両者の場合の圧下スケジュールとひずみを
以下に示す。 (1)圧延法 冷間圧延:4パス(100mm→50mm→25mm→12.
5mm→10mm) これによるひずみは、(1)式で計算し絶対値で表示す
ると第1パス〜第3パス:0.80 第4パス :0.26 各パスのひずみの合計は、2.66となる。 (2)本発明の往復加工(図2の方法)+圧延法 往復加工は、長さ500mmの方向を図2のz方向とし、
幅100mmの方向をx方向、長さ100mmの方向をy方
向として、x方向圧下(100mm→50mm)→y方向圧
下(200mm→50mm)→x方向圧下(200mm→50
mm)→・・・・・+最終パス(200mm→100mm)と
x,y方向の圧下を交互に合計10回繰り返した。これ
によるひずみは、 0.80×2+1.60×8=14.4 となる。
【0038】この加工によって得られた長さ厚さ100
mm、幅100mm、長さ100mmの板を(1)と同じパス
で冷間圧延した。往復加工により得られた被加工材の形
状は、上記(1)の圧延法の素材形状と同じなので、最
終の板厚を同じにすると冷間圧延による加工量はやは
り、2.66となる。
【0039】従って全ひずみ量、この方法によるひずみ
のトータルは、14.4+2.66=17.06とな
る。原板の結晶粒径は30μmであった。(1)の方法
により得られた結晶粒は圧延方向に伸びた伸長粒であ
り、結晶粒径は測定しにくかったが、板厚方向の平均粒
径は2〜3μmであった。(2)の方法により得られた
結晶粒は非常に微細であり、1μm以下であった。ま
た、強度(引張り強さ)は、原板の200MPa に対し
て、(1)の場合が350MPa 、(2)の場合が450
MPa であった。(2)の場合に得られた強度は鉄鋼に匹
敵する値であり、銅を建築用構造材料として用いること
ができることを示している。 〔実施例3〕成分がC:0.10%、Si:0.20
%、Mn:1.0%の鋼の原板(幅100mm、厚さ10
0mm、長さ500mm)を使用し、通常の加工手段である
熱間圧延方法とその圧延工程の前に本発明の図6の往復
加工方法を加える2つの方法により中厚板(厚さ10m
m)を作製した。なお、熱間圧延はアダマイトロールを
使用する通常の圧延、往復加工では図6の工具5,6,
7,8,9は熱間工具鋼であるSKD61を使用した。
【0040】両者の場合の圧下スケジュールとひずみを
以下に示す。 (1)熱間圧延法 熱間圧延:加熱温度950℃ ロール周速度:10m/sec 4パス圧延(100mm→50mm→25mm→12.5→1
0mm) これによるひずみは、(1)式で計算し絶対値で表示す
ると第1パス〜第3パス:0.80 第4パス :0.26 各パスのひずみを合計すると、2.66となる。
【0041】仕上げ温度は850℃であった。 (2)往復加工(図6の方法)+熱間圧延法 往復加工:加熱温度1100℃ 圧縮速度:50m/sec 長さ500mmの方向を図6のy方向とし、幅100mmの
方向をx方向、厚さ100mmの方向をz方向として、x
方向圧下(100mm→50mm)→z方向圧下(200mm
→50mm)→x方向圧下(200mm→50mm)→・・・
・・・+最終パス(200mm→100mm)と圧下x,z
方向の圧下を交互に合計10回繰り返した。
【0042】往復加工終了温度は950℃であった。こ
の加工によるひずみは、 0.80×2+1.60×8=14.4 となる。圧延加工:往復加工終了後、直ちにy方向に熱
間圧延した。
【0043】ロール周速度:10m/sec 4パス圧延(100mm→50mm→25mm→12.5→1
0mm) 往復加工により得られた被加工材の形状は、上記(1)
の圧延法の素材形状と同じなので、最終の板厚を同じに
すると加工量はやはり、2.66となる。
【0044】仕上温度は850℃であった。従って、全
ひずみ量、この方法によるひずみのトータルは、14.
4+2.66=17.06となる。原板の結晶粒径は5
0μmであった。(1)の方法により得られた結晶粒は
圧延方向に伸びた伸長粒であり、板厚方向の平均粒径は
10〜20μmであった。(2)の方法により得られた
結晶粒は非常に微細であり、1μm以下であった。得ら
れた強度(引張り強さ)は、原板の400MPa に対し
て、(1)の場合が450MPa 、(2)の場合が600
MPa であった。この強度は通常は合金鋼でしか得られな
いものである。
【0045】
【発明の効果】本方式によれば、通常の圧延や鍛造など
の加工方法で得られる加工ひずみを大きくうわまわる加
工ひずみを被加工材に加えることができるので、結晶粒
径が1μm以下の超微細粒を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の往復加工方法の原理を説明する図であ
る。
【図2】本発明の方法の第1パスx方向圧縮開始時の被
加工材と工具の位置関係を説明する図であり、(a)は
y方向から見た図(側面図)、(b)はz方向から見た
図(平面図)である。
【図3】本発明の方法の第1パスx方向圧縮終了時の被
加工材と工具の位置関係を説明する図であり、(a)は
y方向から見た図(側面図)、(b)はz方向から見た
図(平面図)である。
【図4】本発明の方法の第2パスy方向圧縮開始時の被
加工材と工具の位置関係を説明する図であり、(a)は
y方向から見た図(側面図)、(b)はz方向から見た
図(平面図)である。
【図5】本発明の方法の第2パスy方向圧縮終了時の被
加工材と工具の位置関係を説明する図であり、(a)は
y方向から見た図(側面図)、(b)はz方向から見た
図(平面図)である。
【図6】本発明の他の方法の第1パスx方向圧縮開始時
の被加工材と工具の位置関係を説明する図であり、
(a)はy方向から見た図(側面図)、(b)はz方向
から見た図(平面図)である。
【図7】本発明の他の方法の第1パスx方向圧縮終了時
の被加工材と工具の位置関係を説明する図であり、
(a)はy方向から見た図(側面図)、(b)はz方向
から見た図(平面図)である。
【図8】本発明の他の方法の第2パスz方向圧縮開始時
の被加工材と工具の位置関係を説明する図であり、
(a)はy方向から見た図(側面図)、(b)はz方向
から見た図(平面図)である。
【図9】本発明の他の方法の第2パスz方向圧縮開始時
の被加工材と工具の位置関係を説明する図であり、
(a)はy方向から見た図(側面図)、(b)はz方向
から見た図(平面図)である。
【符号の説明】
1…被加工材 2−1…x方向の圧縮治具 2−2…x方向の圧縮治具 3−1…y方向の圧縮治具 3−2…y方向の圧縮治具 4−1…z方向への変形を拘束するための拘束治具 4−2…z方向への変形を拘束するための拘束治具 5…固定台 6…固定台 7−1…y方向への変形を拘束するための拘束治具 7−2…y方向への変形を拘束するための拘束治具 8…x方向の圧縮治具 9…z方向の圧縮治具

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被金属加工体の一方向への変形を拘束す
    るとともに、前記一方向と直交し、かつ互いに直交する
    二方向において前記被金属加工体を一方向ずつ交互に繰
    り返し圧縮加工し、被金属加工体に平面歪変形を加える
    ことを特徴とする金属材料の平面歪往復加工方法。
  2. 【請求項2】 被金属加工体の一方向への変形を拘束す
    る拘束工具を被金属加工体の一方向に配置すると共に、
    被加工体の前記一方向と直交し、かつ互いに直交する二
    方向において被金属加工体を圧縮加工する圧縮工具を、
    一方向に少なくとも一対配置し、この圧縮工具により被
    金属加工体を一方向ずつ交互に繰り返して圧縮加工し、
    被金属加工体に平面歪変形を加えることを特徴とする金
    属材料の平面歪往復加工方法。
  3. 【請求項3】 被金属加工体の鉛直方向の変形を拘束す
    る拘束工具を被金属加工体の上下に配置し、水平面内で
    直交する二方向において被金属加工体を圧縮加工する圧
    縮工具を被金属加工体の前後、左右に配置し、この2対
    の圧縮工具により被金属加工体を一方向ずつ交互に繰り
    返して圧縮加工し、被金属加工体に平面歪変形を加える
    ことを特徴とする金属材料の平面歪往復加工方法。
  4. 【請求項4】 圧縮工具は、対向する方向から相互に移
    動して被金属加工体を圧縮する工具対からなることを特
    徴とする請求項2または3のいずれかに記載の金属材料
    の平面歪往復加工方法。
  5. 【請求項5】 圧縮工具は、対向する一方が固定され、
    他方が移動して被金属加工体を圧縮加工する工具対とか
    らなることを特徴とする請求項2または3のいずれかに
    記載の金属材料の平面歪往復加工方法。
  6. 【請求項6】 一対の圧縮工具は、対向する方向から相
    互に移動して被金属加工体を圧縮する工具対からなり、
    他の一対の圧縮工具は、対向する一方が固定され、他方
    が移動して被加工体を圧縮加工する工具とからなること
    を特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の金属
    材料の平面歪往復加工方法。
  7. 【請求項7】 被金属加工体の一方向への変形を拘束す
    る拘束工具を被金属加工体の一方向に配置すると共に、
    被加工体の前記一方向と直交し、かつ互いに直交する二
    方向において被金属加工体を圧縮加工する圧縮工具を、
    一方向に少なくとも一対配置し、この圧縮工具により被
    金属加工体を一方向ずつ交互に繰り返して圧縮加工した
    後、この被金属加工体に冷間または熱間において圧延ま
    たは鍛造加工して製品を製造することを特徴とする金属
    製品の製造方法。
JP9857696A 1996-04-19 1996-04-19 平面ひずみ往復加工法 Withdrawn JPH09276972A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003026815A1 (de) * 2001-09-25 2003-04-03 Österreichische Akademie der Wissenschaften Vorrichtung und verfahren zur herstellung feinkristalliner werkstoffe
JP2011121073A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Eiko Yamada 大断面鋼材の製造方法
JP2014203842A (ja) * 2013-04-01 2014-10-27 トヨタ自動車株式会社 希土類磁石の製造方法
US11529671B2 (en) * 2018-03-28 2022-12-20 Ngk Insulators, Ltd. Forging tool

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