JP2002253003A - 作業機のローリング制御装置 - Google Patents

作業機のローリング制御装置

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JP2002253003A JP2001056650A JP2001056650A JP2002253003A JP 2002253003 A JP2002253003 A JP 2002253003A JP 2001056650 A JP2001056650 A JP 2001056650A JP 2001056650 A JP2001056650 A JP 2001056650A JP 2002253003 A JP2002253003 A JP 2002253003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜センサと比較的廉価な角速度センサとの
2種のセンサを備えて、精度良く検出できるローリング
制御手段を実現させる。 【解決手段】 ローリング制御手段24を、機体21の
ローリング動に関する角速度センサ23の検出値を積分
して得られる積分値を基準として、機体21の左右方向
の傾斜センサ15の検出値に基づく補正を行うことで求
められる検出傾斜角が、予め設定した目標設定角となる
ようにローリングシリンダ8を作動させるものに構成
し、機体21の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手
段Hを設け、機体21の姿勢安定度が高いほど傾斜セン
サ15の検出値に基づく補正割合を大きくし、機体21
の姿勢安定度が低いほど前記傾斜センサ15の検出値に
基づく補正割合を小さくする係数補正手段Aを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ、田植
機、直藩機といった作業機のローリング制御装置に係
り、詳しくは、対地作業装置をローリング自在に走行機
体に連結し、対地作業装置を走行機体に対してローリン
グ駆動するアクチュエータと、走行機体又は対地作業装
置の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、走行機体又
は対地作業装置の左右傾斜方向の角速度を検出する角速
度センサとを備えるとともに、傾斜センサと角速度セン
サとの双方の検出値に基づいて、対地作業装置の左右方
向姿勢が設定角度に維持されるようにアクチュエータを
作動させるローリング制御手段を設けてある作業機のロ
ーリング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の作業機における対地作業装
置のローリング制御においては、作業装置の変位検出手
段として傾斜センサと角速度センサとの双方のセンサを
用いることにより、応答性が良く、誤作動も先ず無い正
確で精度の良い制御作動を行えることが知られている。
このように、傾斜センサと角速度センサとを併用するロ
ーリング制御手段としては、大別して2種のセンサに
よる検出値をそのまま用いて状況を判断し、それによっ
てローリング動作速度等を決定するもの(特開平10−
178835号公報等)と、角速度を積分して傾斜角
度とし、誤差を傾斜センサにより補正するもの(特許第
2733597号公報等)とがある。
【0003】例えば、特開平2−216412号公報に
て示されたように、重錘と、この重錘の揺動量を検出す
るポテンショメータ等から成る傾斜センサ(低速度反応
センサ)、及び光式ジャイロ等で成る角速度センサ(高
速度反応センサ)の双方のセンサを用いてローリング制
御装置を構成したものである。これにより、慣性の影響
を受けず、応答性に優れる角速度センサと、検出時点で
の絶対傾斜角は検出できない角速度センサの欠点を補う
傾斜センサとを組み合わせて、ダンパーやフィルターを
設けること無く正確迅速にローリング制御が行え、対地
作業精度の向上を図ることができる。
【0004】即ち、角速度センサによる角速度出力dθ
j/dtを積分することにより、センサ筐体の横揺れの
影響を受けない傾斜角度変化(積分傾斜角)θjを得る
ことができる。但し、角速度センサは角度変化しか検知
できないので、絶対角度の検知には傾斜センサが必要で
ある。車体が十分長時間停止すると目標傾斜角θは検出
傾斜角θrに収束して傾斜センサの値が走行機体の傾斜
角度として出力される。走行機体が傾斜変化すると目標
傾斜角θに傾斜角度変化θjが加算され、横揺れの影響
を受けない応答の良い傾斜角度を検出することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のローリング制
御手段は、比較的廉価な角速度センサを用いても実現可
能ではあるが、複雑な傾斜変化には対応し切れないとい
う難点がある。これに対して前記のローリング制御手
段は、常に精度良く傾斜を検出できるが、実現のために
は高精度な、即ち高価なセンサが必要になるという難点
があった。
【0006】本発明の目的は、前記の手段及びの手
段双方の長所を備えたもの、即ち、比較的廉価な角速度
センサとしながら、精度良く検出できるローリング制御
手段を実現させる点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、対地
作業装置をローリング自在に走行機体に連結し、対地作
業装置を走行機体に対してローリング駆動するアクチュ
エータと、走行機体又は対地作業装置の左右傾斜角度を
検出する傾斜センサと、走行機体又は対地作業装置の左
右傾斜方向の角速度を検出する角速度センサとを備える
とともに、傾斜センサと角速度センサとの双方の検出値
に基づいて、対地作業装置の左右方向姿勢が設定角度に
維持されるようにアクチュエータを作動させるローリン
グ制御手段を設けてある作業機のローリング制御装置で
あって、ローリング制御手段を、角速度センサの検出値
を積分して得られる積分値を基準として、傾斜センサの
検出値に基づく補正を行うことによって求められる検出
傾斜角が、予め設定された目標設定角となるようにアク
チュエータを作動させるものに構成するとともに、走行
機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段を設
け、走行機体の姿勢安定度が高いほど傾斜センサの検出
値に基づく補正割合を大きくし、走行機体の姿勢安定度
が低いほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さ
くする補正手段を備えてあることを特徴とする。
【0008】〔作用・効果〕前述したように、走行地面
の起伏や凹凸が少なく又は小さくて比較的平であるとき
には、作業機の姿勢が比較的安定していて傾斜センサの
有効性が増し、走行地面の起伏や凹凸が比較的多く又は
大きくて比較的複雑であるときには、作業機の姿勢は比
較的不安定であって角速度センサの有効性が増すように
なる。従って、走行機体の姿勢安定度が高いほど傾斜セ
ンサの検出値に基づく補正割合を大きくすれば、検出精
度を良好なものとしながら応答性の良いローリング制御
が行えるとともに、走行機体の姿勢安定度が低いほど傾
斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくすれば、頻
繁な姿勢変化に追従できて検出精度が損なわれないロー
リング制御を行うことが可能になる。
【0009】つまり、各センサ検出値の重み付け割合を
状況に応じて変更することにより、比較的廉価な角速度
センサを用いながら、姿勢変化の激しい悪路においては
精度良く、そして、姿勢変化の穏やかな起伏、凹凸の少
ない地面では迅速なローリング制御を行えるようにな
り、前記の手段に比べては悪路での検出精度に優れ、
前記の手段に比べては必要な検出精度を得ながらシス
テムに要するコストを下げることができる点で優れるよ
うになった。
【0010】請求項2の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が角速度センサであり、補正手段は、角速
度センサの出力値が小さいほど傾斜センサの検出値に基
づく補正割合を大きくし、角速度センサの出力値が大き
いほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくす
るものに構成されていることを特徴とするものである。
【0011】〔作用・効果〕請求項2の構成によれば、
ローリング制御のために装備されている角速度センサで
判別手段を兼ねるので、専用の判別手段を省略しながら
請求項1の構成による作用・効果を奏することが可能に
なる。
【0012】請求項3の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が傾斜センサであり、補正手段は、傾斜セ
ンサの出力値が小さいほど傾斜センサの検出値に基づく
補正割合を大きくし、傾斜センサの出力値が大きいほど
傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくするもの
に構成されていることを特徴とするものである。
【0013】〔作用・効果〕請求項3の構成によれば、
ローリング制御のために装備されている傾斜センサで判
別手段を兼ねるので、専用の判別手段を省略しながら請
求項1の構成による作用・効果を奏することが可能にな
る。
【0014】請求項4の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体の走行速度を検出する車速セ
ンサであり、補正手段は、走行速度が遅いほど傾斜セン
サの検出値に基づく補正割合を大きくし、走行速度が速
いほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくす
るものに構成されていることを特徴とする。
【0015】〔作用・効果〕請求項4の構成において
は、走行速度が速くなれば起伏や凹凸を乗り越えたとき
の衝撃や姿勢変化は大きくなり、走行速度が遅くなれば
起伏や凹凸を乗り越えたときの衝撃や姿勢変化は小さく
なる現象を利用したものであり、その車速センサを判別
手段として用いることによって、請求項1の構成による
作用・効果を奏することが可能になる。
【0016】請求項5の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体の横方向の加速度を検出する
横加速度センサであり、補正手段は、走行機体の横方向
加速度が小さいほど傾斜センサの検出値に基づく補正割
合を大きくし、横方向加速度が大きいほど傾斜センサの
検出値に基づく補正割合を小さくするものに構成されて
いることを特徴とするものである。
【0017】〔作用・効果〕請求項5の構成において
は、走行機体の横方向加速度が大きいほど姿勢安定度が
低く、走行機体の横方向加速度が小さいほど姿勢安定度
が高いことを利用したものであり、横加速度センサを判
別手段として用いることによって、請求項1の構成によ
る作用・効果を奏することが可能になる。
【0018】請求項6の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体の回向走行における角速度を
検出する回向角速度センサであり、補正手段は、走行機
体の回向走行による回向角速度が小さいほど傾斜センサ
の検出値に基づく補正割合を大きくし、回向角速度が大
きいほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さく
するものに構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0019】〔作用・効果〕請求項6の構成において
は、走行機体の回向時における角速度(旋回速度)が大
きいほど姿勢安定度が低く、回向時における角速度(旋
回速度)が小さいほど姿勢安定度が高いことを利用した
ものであり、回向角速度センサを判別手段として用いる
ことによって、請求項1の構成による作用・効果を奏す
ることが可能になる。
【0020】請求項7の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、操向輪の切れ角を検出する切れ角セン
サであり、補正手段は、操向輪の切れ角が小さいほど傾
斜センサの検出値に基づく補正割合を大きくし、操向輪
の切れ角が大きいほど傾斜センサの検出値に基づく補正
割合を小さくするものに構成されていることを特徴とす
る。
【0021】〔作用・効果〕請求項7の構成によれば、
前輪等の操向輪の切れ角が小さいほど走行機体に作用す
る遠心力が小になって姿勢安定度が高く、操向輪の切れ
角が大きいほど走行機体に作用する遠心力が大になって
姿勢安定度が低くなることを利用したものであり、切れ
角センサを判別手段として用いることによって、請求項
1の構成による作用・効果を奏することが可能になる。
【0022】請求項8の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体又は対地作業装置を操るため
のアクチュエータの作動或いは操作入力数の多少を検出
する操作頻度検出手段であり、補正手段は、アクチュエ
ータの作動或いは操作入力数が少ないほど傾斜センサの
検出値に基づく補正割合を大きくし、アクチュエータの
作動或いは操作入力数が多いほど傾斜センサの検出値に
基づく補正割合を小さくするものに構成されていること
を特徴とするものである。
【0023】〔作用・効果〕請求項8の構成において
は、操向用油圧シリンダや耕耘ロータリの昇降用油圧シ
リンダといったアクチュエータの作動量(又は作動速
度)、或いはそのためのハンドル回し量や昇降レバーの
傾倒量といった操作入力数が少ないほど、走行機体に与
える慣性の影響が少なく、従って走行機体の姿勢安定度
が高いものであり、前記アクチュエータの作動量(又は
作動速度)、或いはそのための前記操作入力数が多いほ
ど、走行機体に与える慣性の影響が多く、従って走行機
体の姿勢安定度が低いものであるという現象を利用した
ものであり、アクチュエータの作動或いは操作入力数の
多少を検出する操作頻度検出手段を判別手段として用い
ることによって、請求項1の構成による作用・効果を奏
することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は作業機の一例である農用ト
ラクタの後部を示しており、ミッションケース3に、上
下揺動自在なトップリンク1と左右一対のロアリンク2
を介して、走行機体21に対してローリング自在にロー
タリ耕耘装置(対地作業装置の一例)4を連結してあ
る。ミッションケース3の上部に、油圧シリンダ5によ
り上下に揺動駆動される一対のリフトアーム6が備えら
れ、一対のリフトアーム6とロアリンク2とがリフトロ
ッド7、及び複動型の油圧シリンダ8を介して連結され
ている。19は左右一対の駆動後輪である。
【0025】図2に示すように、油圧シリンダ5に対す
る3位置切換式の制御弁16が制御装置22により操作
されて、油圧シリンダ5及びリフトアーム6によりロー
タリ耕耘装置4が昇降駆動される。油圧シリンダ8に対
する3位置切換式の制御弁17が制御装置22により操
作されて、油圧シリンダ8の伸縮作動によりロータリ耕
耘装置4が、油圧シリンダ8とは反対側のロアリンク2
との連結点周りにローリング駆動される。
【0026】この農用トラクタは、ロータリ耕耘装置4
を地面から設定高さに維持し耕耘深さを設定値に維持す
る昇降制御手段29、走行機体21に対するロータリ耕
耘装置4の高さを設定位置に維持するポジション制御手
段30、並びに、水平面に対するロータリ耕耘装置4の
左右方向の傾斜角度を設定角度に維持するローリング制
御機能が、制御装置22に備えられている。
【0027】図2及び図1に示すように、ロータリ耕耘
装置4に上下揺動自在に後部カバー9が備えられ、バネ
18により後部カバー9が下方側に付勢されて、ロータ
リ耕耘装置4に対する後部カバー9の上下揺動角度を検
出する耕深センサ10が備えられており、耕深センサ1
0の検出値が制御装置22に入力されている。これによ
り昇降制御手段29によって、耕深センサ10の検出値
が、走行機体21に設けられたダイヤル操作式でポテン
ショメータ型式の耕深設定器11の設定耕耘深さとなる
ように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によ
りロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。
【0028】図2及び図1に示すように、走行機体21
に対するリフトアーム6の上下角度を検出する角度セン
サ13が、リフトアーム6の基部に備えられており、角
度センサ13の検出値が制御装置22に入力されてい
る。これによりポジション制御手段30によって、角度
センサ13の検出値が走行機体21に設けられたレバー
操作式のポジション設定器12の目標値となるように、
制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりリフト
アーム6が上下に揺動駆動される。
【0029】前述の昇降制御手段29及びポジション制
御手段30において、耕深設定器11の設定耕耘深さに
対応する角度センサ13の検出値と、ポジション設定器
12の目標値とが比較されて、ポジション設定器12の
目標値の方が高い場合、昇降制御手段29及び後述する
ローリング制御機能が停止して(油圧シリンダ8が停止
した状態)、ポジション制御手段30が作動する。これ
により、ポジション設定器12の目標値に角度センサ1
3の検出値が一致するように、制御弁16が操作され
て、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が昇降駆
動される。従って、ポジション設定器12を操作するこ
とにより、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角
度センサ13の検出値よりも高い範囲で、ロータリ耕耘
装置4を走行機体21に対して任意の高さに昇降駆動し
停止させることができる。
【0030】次にポジション設定器12を下降側に操作
して、ポジション設定器12の目標値が、耕深設定器1
1の設定耕耘深さに対応する角度センサ13の検出値に
一致すると(又は低くなると)、ポジション制御手段3
0が停止し、昇降制御手段29及びローリング制御機能
が作動する。これにより、昇降制御手段によって耕深セ
ンサ10の検出値が耕深設定器11の設定耕耘深さとな
るように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5に
よりロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。後
述するようにローリング制御機能によって、水平面に対
して左右方向に傾斜(又は水平面に平行)した設定角度
に、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左(右方向の
傾斜角度が維持されるように、制御弁17が操作され
て、油圧シリンダ8によりロータリ耕耘装置4がローリ
ング駆動される。
【0031】図1、図2に示すように、この農用トラク
タでは、水平面に対して左右方向に傾斜(又は水平面に
平行)した設定角度に、水平面に対するロータリ耕耘装
置4の左右方向の傾斜角度が維持されるように、ロータ
リ耕耘装置4をローリング駆動するローリング制御手段
24を備えてある。ロータリ耕耘装置4の左右方向の設
定角度を設定するダイヤル式の傾斜設定器20を備えて
あり、これは水平位置から右下り側及び左下り側に、任
意に且つ連続的に設定角度を設定及び変更することがで
きるように構成されている。
【0032】即ち、走行機体21の左右傾斜角度を検出
する重錘式の傾斜センサ15と、走行機体21の左右傾
斜方向の角速度を検出する振動ジャイロ式の角速度セン
サ23と、油圧シリンダ8の作動位置を検出するストロ
ークセンサ14とを備えてあり、ローリングシリンダ8
の作動位置によって機体21に対するロータリ耕耘装置
4の左右傾斜角度が検出できるので、傾斜センサ15と
角速度センサ23との双方の検出値に基づいて、ロータ
リ耕耘装置4の左右方向姿勢が傾斜設定器20による設
定角度に維持されるように油圧シリンダ8を作動させる
ローリング制御手段24を制御装置22に設けてある。
【0033】そして、温度等の諸条件によってドリフト
する角速度センサ23の零点を時間経過に伴って更新し
て補正するセンサ零点補正装置Zを設けてある。即ち、
角速度センサ23によって検出されるサンプリング出力
値の複数を記憶する記憶手段25と、記憶された複数の
サンプリング出力値に基づいて演算処理された平均値を
零点とする零点制御手段26と、走行機体21の姿勢安
定度の高い低いを判別する姿勢判別手段Hとを備え、走
行機体21の姿勢安定度が高いほどサンプリング出力値
の数を少なく設定し、走行機体21の姿勢安定度が低い
ほどサンプリング出力値の数を多く設定する零点補正手
段28を設けてセンサ零点補正装置Zが構成されてい
る。
【0034】図2に示すように、後輪19(図1参照)
と前輪31への伝動軸32の回転数を検出して、走行機
体21の走行速度を検出する車速センサ27を備えてあ
り、この車速センサ27と、これの検出情報を処理する
判別回路29によって姿勢判別手段Hが構成されてい
る。即ち、走行速度が速いほど走行機体21の姿勢安定
度が低く、走行速度が遅いほど走行機体21の姿勢安定
度が高いと判断されるようになっている。
【0035】零点制御手段26と点との演算処理による
第1誤差補償(零点補償)G1は、次のようである。即
ち、図3に示すように、平均間隔内で発生するノイズを
完全に除去するべく一定間隔平均処理と、適応LPFと
を行う。一定間隔平均処理は、1000Hzでサンプリ
ングした10msec分のデータ(10個)を足し算
し、データ列aとする。そして、1secごとにデータ
列aの平均を計算し、データ列bとする。
【0036】適応LPF(ローパスフィルタ)は、平均
処理の度に以下のLPF処理で基準電圧を更新する。 新基準電圧=(1秒間の平均値×α+旧基準電圧×β)
÷(α+β) 十分に平滑化することで零点を出力する(現在はα=
1、β=199に設定)。但し、α、βは条件によって
可変にするものであり、例えば、メインキーON直後や
温度上昇時等、基準電圧が変動し易いときはαを大きく
して変動への追従性を重視し、変動が安定する条件では
αを小さくして計算の正確さを重視する。又、旋回中や
大きな傾斜変化時には処理を中断し、誤った基準電圧を
計算しないようにする。
【0037】第1誤差補償G1で全ての誤差を除去する
ことはできないので、さらにセンサの直線性にも誤差が
あり、積分処理による誤差の蓄積をなくすことはできな
い。そこで、一旦蓄積された誤差を取り除くため、傾斜
設定器20で設定された目標傾斜角θに傾斜センサ15
による検出傾斜角θrとの偏差をフィードバックする第
2誤差補償G2を行う。ここで、フィードバック係数
(即ち、傾斜センサ15の検出値に基づく補正割合であ
り、以下FB係数と略称する)K2を十分に小さく設定
することができれば、機体停止時にθ=θrとなって傾
斜センサ15と同等の絶対精度が確保され、傾斜変化時
には横揺れの影響を受けない応答性の良い傾斜角度を出
力できる。逆にFB係数K2が大きいと、θrの補償が
効き過ぎて傾斜センサ15の出力値と変わらなくなって
しまう。
【0038】ここでFB係数K2は蓄積される誤差に応
じて設定する必要があるので、精度の良いジャイロセン
サを用いるほど、第1誤差補償G1を工夫するほど小さ
くできる。前述の処理では、0.5%程度で誤差が除去で
き、必要性能を満たすに十分小さい値である。しかし、
温度変化の激しい条件や、より廉価なジャイロセンサを
用いる場合、さらに大きくする必要があり、それによる
性能劣化がどの程度になるか評価する必要がある。
【0039】そこで、図 に示すように、状況に応じて
FB係数K2を可変にする係数補正手段Aを設けてあ
る。即ち、係数補正手段Aは、走行機体21の姿勢安定
度が高いほど傾斜センサ15の検出値に基づく補正割合
を大きくし、走行機体21の姿勢安定度が低いほど傾斜
センサ15の検出値に基づく補正割合を小さくするよう
に機能する。姿勢安定度の高い低いを判断する姿勢判別
手段Hは、前述した車速センサ27であり、係数補正手
段Aは、走行速度が遅いほど前記補正割合を大きくし、
走行速度が速いほど前記補正割合を小さくするものに構
成されている。
【0040】FB係数K2を可変にするその他の例とし
ては、停止中や傾斜変化の少ないときはFB係数K2を
大きくして目標傾斜角θの誤差を速やかに除去し、逆に
作業中や傾斜変化の激しいときはFB係数K2を小さく
して横揺れの影響を抑えて応答性を上げる。さらに、始
動直後や温度変化の大きい等ジャイロセンサの誤差が大
きくなる条件ではFB係数K2を大きくして誤差の除去
を重視し、温度が安定したときにはFB係数K2を小さ
くして応答性を重視する。
【0041】参考として、図10〜図12に、台上でト
ラクタを傾斜させたときの各センサ15,23の検出作
動テスト結果を示す。台上テストの概略は、図13に示
すように、後輪19,19を乗せる載置台41,41の
うちの一方の載置台41を、信号発生装置42と制御装
置43と昇降駆動機構44とで成る昇降テスト設備Tに
よって、所定の周期、昇降量、昇降速度でもって昇降移
動させる、というものである。
【0042】図10は、片側の載置台41を2秒間で2
度変化するように上昇及び下降させた場合における、傾
斜センサ15と角速度センサ23の変化特性を示したも
のである。これによると、角速度センサ23は殆ど時間
遅れなく変化しているとともに、ややずれがあるものの
載置台41(即ちトラクタ)とほぼ同じようにローリン
グ動しているに対して、傾斜センサ15は、0.5秒ほ
どの時間遅れを伴って変化しており、かつ、上昇移動開
始時、及び下降移動開始時には慣性によって一時的に逆
方向の動きとして検出していることが理解できる。
【0043】図11は、図10の場合よりも明確に昇降
速度を速めたものであり、片側の載置台41を0.5秒
間で2度変化するように下降及び上昇させた場合におけ
る、傾斜センサ15と角速度センサ23の変化特性を示
したものである。これによると、傾斜センサ15は、下
降並びに上昇開始時に約1度逆方向に出力してしまって
いるとともに、昇降停止時にもオーバーシュートしてい
る。これに対して角速度センサ23は、やはり載置台4
1(即ちトラクタ)の動きに追従していることが分か
る。角速度センサ23に、若干のオーバーシュートが見
られるが、これはおそらくは実際にトラクタ機体21が
オーバーシュート(慣性により、下降終了時には後輪1
9が沈み込み、上昇終了時には飛び上がっている)して
いるものと思われる。
【0044】図12は、さらに昇降速度を速めたもの
で、片側の載置台41を0.5秒間で3度変化するよう
に上昇及び下降させた場合における、傾斜センサ15の
出力変化特性をラインzで、角速度センサ23の出力変
化特性をラインyで、これら両センサ15,23の出力
を総合しての本発明によるローリング制御手段24によ
るストロークセンサ14の出力変化特性(即ちロータリ
耕耘装置4の傾斜姿勢)をラインxで、及び従来のスト
ロークセンサの出力をラインwで夫々示してある。
【0045】これにおいても、角速度センサ23は良好
な追従性を示すので、絶対傾斜角度の検出として機能す
る傾斜センサ15の顕著なオーバーシュートに拘らず
に、ローリング制御全体としては逆方向に検出すること
が無く、素早い応答性を発揮して、ロータリ耕耘装置4
は常に目標設定角度(水平)の±1度以内に保持されて
おり、従来のローリング制御よりも明らかに優れている
ことが理解できる。
【0046】〔別実施形態〕係数補正手段A及び姿勢判
別手段Hは、以下《1》〜《7》に記載した構成のもの
でも良い。
【0047】《1》図4に示すように、姿勢判別手段H
が角速度センサ23であり、係数補正手段Aを、角速度
センサ23の出力値が小さいほどFB係数K2を大きく
し、角速度センサ23の出力値が大きいほどFB係数K
2を小さくするものに構成する。
【0048】《2》図5に示すように、姿勢判別手段H
が傾斜センサ15であり、係数補正手段Aを、傾斜セン
サ15の出力値が小さいほどFB係数K2を大きくし、
傾斜センサ15の出力値が大きいほどFB係数K2を小
さくするものに構成する。
【0049】《3》図6に示すように、姿勢判別手段H
が、走行機体21の横方向の加速度を検出する横加速度
センサ41であり、係数補正手段Aを、走行機体21の
横方向加速度が小さいほどFB係数K2を大きくし、横
方向加速度が大きいほどFB係数K2を小さくするもの
に構成する。
【0050】《4》図7に示すように、姿勢判別手段H
が、走行機体21の回向走行における角速度を検出する
回向角速度センサ42であり、係数補正手段Aを、走行
機体21の回向走行による回向角速度が小さいほどFB
係数K2を大きくし、回向角速度が大きいほどFB係数
K2を小さくするものに構成する。
【0051】《5》図8に示すように、姿勢判別手段H
が、操向前輪31の切れ角を検出する切れ角センサ33
であり、係数補正手段Aを、操向前輪31の切れ角が小
さいほどFB係数K2を大きくし、操向前輪31の切れ
角が大きいほどFB係数K2を小さくするものに構成す
る。
【0052】《6》図9に示すように、姿勢判別手段H
が、対地作業装置4を昇降移動するための昇降用油圧シ
リンダ5の作動量を検出する角度センサ(操作頻度検出
手段Sの一例)13であり、係数補正手段Aを、油圧シ
リンダ5の作動量が少ないほどFB係数K2を大きく
し、油圧シリンダ5の作動量が多いほどFB係数K2を
小さくするものに構成する。
【0053】《その他》対地作業装置4又は走行機体2
1の姿勢安定度の高い低いを判別する姿勢判別手段Hの
他の例としては、対地作業装置4又は機体21の前後傾
斜を検出するピッチングセンサや、そのピッチングに関
する角速度センサ、対地作業装置4又は機体21の上下
方向移動に関する加速度センサ、アクセルレバー又はペ
ダルの操作量、変速段数(位置)の高低を見るもの等、
種々の変更が可能である。又、本実施形態において、対
地作業装置4側に、傾斜センサ15と角速度センサ23
とを配置するようにしても良い。対地作業装置4として
は、耕耘装置の他、苗植付装置、直播装置、畦作成装
置、整地装置等、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクタ後部の構造を示す斜視図
【図2】ローリング制御の概略構造を示す機能系統図
【図3】補正制御手段の概念を示すブロック図
【図4】角速度センサに基づいて補正するローリング制
御の機能系統図
【図5】傾斜センサに基づいて補正するローリング制御
の機能系統図
【図6】横加速度センサに基づいて補正するローリング
制御の機能系統図
【図7】回向角速度センサに基づいて補正するローリン
グ制御の機能系統図
【図8】切れ角センサに基づいて補正するローリング制
御の機能系統図
【図9】耕耘装置の昇降移動量に基づいて補正するロー
リング制御の機能系統図
【図10】台上テストによる傾斜センサと角速度センサ
の出力特性グラフを示す図
【図11】台上テストによる傾斜センサと角速度センサ
の出力特性グラフを示す図
【図12】台上テストによる作業装置の左右姿勢及び各
センサ出力の変化グラフを示す図
【図13】台上テスト状況を示す側面図
【符号の説明】
4 対地作業装置 5 アクチュエータ 8 アクチュエータ 15 傾斜センサ 21 走行機体 23 角速度センサ 24 ローリング制御手段 27 車速センサ 31 操向輪 33 切れ角センサ 41 横加速度センサ 42 回向角速度センサ A 補正手段 H 判別手段 S 操作頻度検出手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月1日(2002.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ、田植
機、直藩機といった作業機のローリング制御装置に係
り、詳しくは、対地作業装置をローリング自在に走行機
体に連結し、対地作業装置を走行機体に対してローリン
グ駆動するアクチュエータと、走行機体又は対地作業装
置の左右傾斜角度を検出する傾斜センサと、走行機体又
は対地作業装置の左右傾斜方向の角速度を検出する角速
度センサとを備えるとともに、傾斜センサと角速度セン
サとの双方の検出値に基づいて、対地作業装置の左右方
向姿勢が設定角度に維持されるようにアクチュエータを
作動させるローリング制御手段を設けてある作業機のロ
ーリング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の作業機における対地作業装
置のローリング制御においては、作業装置の変位検出手
段として傾斜センサと角速度センサとの双方のセンサを
用いることにより、応答性が良く、誤作動も先ず無い正
確で精度の良い制御作動を行えることが知られている。
このように、傾斜センサと角速度センサとを併用するロ
ーリング制御手段としては、大別して2種のセンサに
よる検出値をそのまま用いて状況を判断し、それによっ
てローリング動作速度等を決定するもの(特開平10−
178835号公報等)と、角速度を積分して傾斜角
度とし、誤差を傾斜センサにより補正するもの(特許第
2733597号公報等)とがある。
【0003】例えば、特開平2−216412号公報に
て示されたように、重錘と、この重錘の揺動量を検出す
るポテンショメータ等から成る傾斜センサ(低速度反応
センサ)、及び光式ジャイロ等で成る角速度センサ(高
速度反応センサ)の双方のセンサを用いてローリング制
御装置を構成したものである。これにより、慣性の影響
を受けず、応答性に優れる角速度センサと、検出時点で
の絶対傾斜角は検出できない角速度センサの欠点を補う
傾斜センサとを組み合わせて、ダンパーやフィルターを
設けること無く正確迅速にローリング制御が行え、対地
作業精度の向上を図ることができる。
【0004】即ち、角速度センサによる角速度出力dθ
j/dtを積分することにより、センサ筐体の横揺れの
影響を受けない傾斜角度変化(積分傾斜角)θjを得る
ことができる。但し、角速度センサは角度変化しか検知
できないので、絶対角度の検知には傾斜センサが必要で
ある。車体が十分長時間停止すると目標傾斜角θは検出
傾斜角θrに収束して傾斜センサの値が走行機体の傾斜
角度として出力される。走行機体が傾斜変化すると目標
傾斜角θに傾斜角度変化θjが加算され、横揺れの影響
を受けない応答の良い傾斜角度を検出することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のローリング制
御手段は、比較的廉価な角速度センサを用いても実現可
能ではあるが、複雑な傾斜変化には対応し切れないとい
う難点がある。これに対して前記のローリング制御手
段は、常に精度良く傾斜を検出できるが、実現のために
は高精度な、即ち高価なセンサが必要になるという難点
があった。
【0006】本発明の目的は、前記の手段及びの手
段双方の長所を備えたもの、即ち、比較的廉価な角速度
センサとしながら、精度良く検出できるローリング制御
手段を実現させる点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、対地
作業装置をローリング自在に走行機体に連結し、対地作
業装置を走行機体に対してローリング駆動するアクチュ
エータと、走行機体又は対地作業装置の左右傾斜角度を
検出する傾斜センサと、走行機体又は対地作業装置の左
右傾斜方向の角速度を検出する角速度センサとを備える
とともに、傾斜センサと角速度センサとの双方の検出値
に基づいて、対地作業装置の左右方向姿勢が設定角度に
維持されるようにアクチュエータを作動させるローリン
グ制御手段を設けてある作業機のローリング制御装置で
あって、ローリング制御手段を、角速度センサの検出値
を積分して得られる積分値を基準として、傾斜センサの
検出値に基づく補正を行うことによって求められる検出
傾斜角が、予め設定された目標設定角となるようにアク
チュエータを作動させるものに構成するとともに、走行
機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判別手段を設
け、走行機体の姿勢安定度が高いほど傾斜センサの検出
値に基づく補正割合を大きくし、走行機体の姿勢安定度
が低いほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さ
くする補正手段を備えてあることを特徴とする。
【0008】〔作用・効果〕前述したように、走行地面
の起伏や凹凸が少なく又は小さくて比較的平であるとき
には、作業機の姿勢が比較的安定していて傾斜センサの
有効性が増し、走行地面の起伏や凹凸が比較的多く又は
大きくて比較的複雑であるときには、作業機の姿勢は比
較的不安定であって角速度センサの有効性が増すように
なる。従って、走行機体の姿勢安定度が高いほど傾斜セ
ンサの検出値に基づく補正割合を大きくすれば、検出精
度を良好なものとしながら応答性の良いローリング制御
が行えるとともに、走行機体の姿勢安定度が低いほど傾
斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくすれば、頻
繁な姿勢変化に追従できて検出精度が損なわれないロー
リング制御を行うことが可能になる。
【0009】つまり、各センサ検出値の重み付け割合を
状況に応じて変更することにより、比較的廉価な角速度
センサを用いながら、姿勢変化の激しい悪路においては
精度良く、そして、姿勢変化の穏やかな起伏、凹凸の少
ない地面では迅速なローリング制御を行えるようにな
り、前記の手段に比べては悪路での検出精度に優れ、
前記の手段に比べては必要な検出精度を得ながらシス
テムに要するコストを下げることができる点で優れるよ
うになった。
【0010】請求項2の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が角速度センサであり、補正手段は、角速
度センサの出力値が小さいほど傾斜センサの検出値に基
づく補正割合を大きくし、角速度センサの出力値が大き
いほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくす
るものに構成されていることを特徴とするものである。
【0011】〔作用・効果〕請求項2の構成によれば、
ローリング制御のために装備されている角速度センサで
判別手段を兼ねるので、専用の判別手段を省略しながら
請求項1の構成による作用・効果を奏することが可能に
なる。
【0012】請求項3の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が傾斜センサであり、補正手段は、傾斜セ
ンサの出力値が小さいほど傾斜センサの検出値に基づく
補正割合を大きくし、傾斜センサの出力値が大きいほど
傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくするもの
に構成されていることを特徴とするものである。
【0013】〔作用・効果〕請求項3の構成によれば、
ローリング制御のために装備されている傾斜センサで判
別手段を兼ねるので、専用の判別手段を省略しながら請
求項1の構成による作用・効果を奏することが可能にな
る。
【0014】請求項4の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体の走行速度を検出する車速セ
ンサであり、補正手段は、走行速度が遅いほど傾斜セン
サの検出値に基づく補正割合を大きくし、走行速度が速
いほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくす
るものに構成されていることを特徴とする。
【0015】〔作用・効果〕請求項4の構成において
は、走行速度が速くなれば起伏や凹凸を乗り越えたとき
の衝撃や姿勢変化は大きくなり、走行速度が遅くなれば
起伏や凹凸を乗り越えたときの衝撃や姿勢変化は小さく
なる現象を利用したものであり、その車速センサを判別
手段として用いることによって、請求項1の構成による
作用・効果を奏することが可能になる。
【0016】請求項5の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体の横方向の加速度を検出する
横加速度センサであり、補正手段は、走行機体の横方向
加速度が小さいほど傾斜センサの検出値に基づく補正割
合を大きくし、横方向加速度が大きいほど傾斜センサの
検出値に基づく補正割合を小さくするものに構成されて
いることを特徴とするものである。
【0017】〔作用・効果〕請求項5の構成において
は、走行機体の横方向加速度が大きいほど姿勢安定度が
低く、走行機体の横方向加速度が小さいほど姿勢安定度
が高いことを利用したものであり、横加速度センサを判
別手段として用いることによって、請求項1の構成によ
る作用・効果を奏することが可能になる。
【0018】請求項6の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体の回向走行における角速度を
検出する回向角速度センサであり、補正手段は、走行機
体の回向走行による回向角速度が小さいほど傾斜センサ
の検出値に基づく補正割合を大きくし、回向角速度が大
きいほど傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さく
するものに構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0019】〔作用・効果〕請求項6の構成において
は、走行機体の回向時における角速度(旋回速度)が大
きいほど姿勢安定度が低く、回向時における角速度(旋
回速度)が小さいほど姿勢安定度が高いことを利用した
ものであり、回向角速度センサを判別手段として用いる
ことによって、請求項1の構成による作用・効果を奏す
ることが可能になる。
【0020】請求項7の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、操向輪の切れ角を検出する切れ角セン
サであり、補正手段は、操向輪の切れ角が小さいほど傾
斜センサの検出値に基づく補正割合を大きくし、操向輪
の切れ角が大きいほど傾斜センサの検出値に基づく補正
割合を小さくするものに構成されていることを特徴とす
る。
【0021】〔作用・効果〕請求項7の構成によれば、
前輪等の操向輪の切れ角が小さいほど走行機体に作用す
る遠心力が小になって姿勢安定度が高く、操向輪の切れ
角が大きいほど走行機体に作用する遠心力が大になって
姿勢安定度が低くなることを利用したものであり、切れ
角センサを判別手段として用いることによって、請求項
1の構成による作用・効果を奏することが可能になる。
【0022】請求項8の構成は、請求項1の構成におい
て、判別手段が、走行機体又は対地作業装置を操るため
のアクチュエータの作動或いは操作入力数の多少を検出
する操作頻度検出手段であり、補正手段は、アクチュエ
ータの作動或いは操作入力数が少ないほど傾斜センサの
検出値に基づく補正割合を大きくし、アクチュエータの
作動或いは操作入力数が多いほど傾斜センサの検出値に
基づく補正割合を小さくするものに構成されていること
を特徴とするものである。
【0023】〔作用・効果〕請求項8の構成において
は、操向用油圧シリンダや耕耘ロータリの昇降用油圧シ
リンダといったアクチュエータの作動量(又は作動速
度)、或いはそのためのハンドル回し量や昇降レバーの
傾倒量といった操作入力数が少ないほど、走行機体に与
える慣性の影響が少なく、従って走行機体の姿勢安定度
が高いものであり、前記アクチュエータの作動量(又は
作動速度)、或いはそのための前記操作入力数が多いほ
ど、走行機体に与える慣性の影響が多く、従って走行機
体の姿勢安定度が低いものであるという現象を利用した
ものであり、アクチュエータの作動或いは操作入力数の
多少を検出する操作頻度検出手段を判別手段として用い
ることによって、請求項1の構成による作用・効果を奏
することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は作業機の一例である農用ト
ラクタの後部を示しており、ミッションケース3に、上
下揺動自在なトップリンク1と左右一対のロアリンク2
を介して、走行機体21に対してローリング自在にロー
タリ耕耘装置(対地作業装置の一例)4を連結してあ
る。ミッションケース3の上部に、油圧シリンダ5によ
り上下に揺動駆動される一対のリフトアーム6が備えら
れ、一対のリフトアーム6とロアリンク2とがリフトロ
ッド7、及び複動型の油圧シリンダ8を介して連結され
ている。19は左右一対の駆動後輪である。
【0025】図2に示すように、油圧シリンダ5に対す
る3位置切換式の制御弁16が制御装置22により操作
されて、油圧シリンダ5及びリフトアーム6によりロー
タリ耕耘装置4が昇降駆動される。油圧シリンダ8に対
する3位置切換式の制御弁17が制御装置22により操
作されて、油圧シリンダ8の伸縮作動によりロータリ耕
耘装置4が、油圧シリンダ8とは反対側のロアリンク2
との連結点周りにローリング駆動される。
【0026】この農用トラクタは、ロータリ耕耘装置4
を地面から設定高さに維持し耕耘深さを設定値に維持す
る昇降制御手段29、走行機体21に対するロータリ耕
耘装置4の高さを設定位置に維持するポジション制御手
段30、並びに、水平面に対するロータリ耕耘装置4の
左右方向の傾斜角度を設定角度に維持するローリング制
御機能が、制御装置22に備えられている。
【0027】図2及び図1に示すように、ロータリ耕耘
装置4に上下揺動自在に後部カバー9が備えられ、バネ
18により後部カバー9が下方側に付勢されて、ロータ
リ耕耘装置4に対する後部カバー9の上下揺動角度を検
出する耕深センサ10が備えられており、耕深センサ1
0の検出値が制御装置22に入力されている。これによ
り昇降制御手段29によって、耕深センサ10の検出値
が、走行機体21に設けられたダイヤル操作式でポテン
ショメータ型式の耕深設定器11の設定耕耘深さとなる
ように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によ
りロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。
【0028】図2及び図1に示すように、走行機体21
に対するリフトアーム6の上下角度を検出する角度セン
サ13が、リフトアーム6の基部に備えられており、角
度センサ13の検出値が制御装置22に入力されてい
る。これによりポジション制御手段30によって、角度
センサ13の検出値が走行機体21に設けられたレバー
操作式のポジション設定器12の目標値となるように、
制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりリフト
アーム6が上下に揺動駆動される。
【0029】前述の昇降制御手段29及びポジション制
御手段30において、耕深設定器11の設定耕耘深さに
対応する角度センサ13の検出値と、ポジション設定器
12の目標値とが比較されて、ポジション設定器12の
目標値の方が高い場合、昇降制御手段29及び後述する
ローリング制御機能が停止して(油圧シリンダ8が停止
した状態)、ポジション制御手段30が作動する。これ
により、ポジション設定器12の目標値に角度センサ1
3の検出値が一致するように、制御弁16が操作され
て、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が昇降駆
動される。従って、ポジション設定器12を操作するこ
とにより、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角
度センサ13の検出値よりも高い範囲で、ロータリ耕耘
装置4を走行機体21に対して任意の高さに昇降駆動し
停止させることができる。
【0030】次にポジション設定器12を下降側に操作
して、ポジション設定器12の目標値が、耕深設定器1
1の設定耕耘深さに対応する角度センサ13の検出値に
一致すると(又は低くなると)、ポジション制御手段3
0が停止し、昇降制御手段29及びローリング制御機能
が作動する。これにより、昇降制御手段によって耕深セ
ンサ10の検出値が耕深設定器11の設定耕耘深さとな
るように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5に
よりロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。後
述するようにローリング制御機能によって、水平面に対
して左右方向に傾斜(又は水平面に平行)した設定角度
に、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左(右方向の
傾斜角度が維持されるように、制御弁17が操作され
て、油圧シリンダ8によりロータリ耕耘装置4がローリ
ング駆動される。
【0031】図1、図2に示すように、この農用トラク
タでは、水平面に対して左右方向に傾斜(又は水平面に
平行)した設定角度に、水平面に対するロータリ耕耘装
置4の左右方向の傾斜角度が維持されるように、ロータ
リ耕耘装置4をローリング駆動するローリング制御手段
24を備えてある。ロータリ耕耘装置4の左右方向の設
定角度を設定するダイヤル式の傾斜設定器20を備えて
あり、これは水平位置から右下り側及び左下り側に、任
意に且つ連続的に設定角度を設定及び変更することがで
きるように構成されている。
【0032】即ち、走行機体21の左右傾斜角度を検出
する重錘式の傾斜センサ15と、走行機体21の左右傾
斜方向の角速度を検出する振動ジャイロ式の角速度セン
サ23と、油圧シリンダ8の作動位置を検出するストロ
ークセンサ14とを備えてあり、ローリングシリンダ8
の作動位置によって機体21に対するロータリ耕耘装置
4の左右傾斜角度が検出できるので、傾斜センサ15と
角速度センサ23との双方の検出値に基づいて、ロータ
リ耕耘装置4の左右方向姿勢が傾斜設定器20による設
定角度に維持されるように油圧シリンダ8を作動させる
ローリング制御手段24を制御装置22に設けてある。
【0033】そして、温度等の諸条件によってドリフト
する角速度センサ23の零点を時間経過に伴って更新し
て補正するセンサ零点補正装置Zを設けてある。即ち、
角速度センサ23によって検出されるサンプリング出力
値の複数を記憶する記憶手段25と、記憶された複数の
サンプリング出力値に基づいて演算処理された平均値を
零点とする零点制御手段26と、走行機体21の姿勢安
定度の高い低いを判別する姿勢判別手段Hとを備え、走
行機体21の姿勢安定度が高いほどサンプリング出力値
の数を少なく設定し、走行機体21の姿勢安定度が低い
ほどサンプリング出力値の数を多く設定する零点補正手
段28を設けてセンサ零点補正装置Zが構成されてい
る。
【0034】図2に示すように、後輪19(図1参照)
と前輪31への伝動軸32の回転数を検出して、走行機
体21の走行速度を検出する車速センサ27を備えてあ
り、この車速センサ27と、これの検出情報を処理する
判別回路29によって姿勢判別手段Hが構成されてい
る。即ち、走行速度が速いほど走行機体21の姿勢安定
度が低く、走行速度が遅いほど走行機体21の姿勢安定
度が高いと判断されるようになっている。
【0035】零点制御手段26と点との演算処理による
第1誤差補償(零点補償)G1は、次のようである。即
ち、図3に示すように、平均間隔内で発生するノイズを
完全に除去するべく一定間隔平均処理と、適応LPFと
を行う。一定間隔平均処理は、1000Hzでサンプリ
ングした10msec分のデータ(10個)を足し算
し、データ列aとする。そして、1secごとにデータ
列aの平均を計算し、データ列bとする。
【0036】適応LPF(ローパスフィルタ)は、平均
処理の度に以下のLPF処理で基準電圧を更新する。 新基準電圧=(1秒間の平均値×α+旧基準電圧×β)
÷(α+β) 十分に平滑化することで零点を出力する(現在はα=
1、β=199に設定)。但し、α、βは条件によって
可変にするものであり、例えば、メインキーON直後や
温度上昇時等、基準電圧が変動し易いときはαを大きく
して変動への追従性を重視し、変動が安定する条件では
αを小さくして計算の正確さを重視する。又、旋回中や
大きな傾斜変化時には処理を中断し、誤った基準電圧を
計算しないようにする。
【0037】第1誤差補償G1で全ての誤差を除去する
ことはできないので、さらにセンサの直線性にも誤差が
あり、積分処理による誤差の蓄積をなくすことはできな
い。そこで、一旦蓄積された誤差を取り除くため、傾斜
設定器20で設定された目標傾斜角θに傾斜センサ15
による検出傾斜角θrとの偏差をフィードバックする第
2誤差補償G2を行う。ここで、フィードバック係数
(即ち、傾斜センサ15の検出値に基づく補正割合であ
り、以下FB係数と略称する)K2を十分に小さく設定
することができれば、機体停止時にθ=θrとなって傾
斜センサ15と同等の絶対精度が確保され、傾斜変化時
には横揺れの影響を受けない応答性の良い傾斜角度を出
力できる。逆にFB係数K2が大きいと、θrの補償が
効き過ぎて傾斜センサ15の出力値と変わらなくなって
しまう。
【0038】ここでFB係数K2は蓄積される誤差に応
じて設定する必要があるので、精度の良いジャイロセン
サを用いるほど、第1誤差補償G1を工夫するほど小さ
くできる。前述の処理では、0.5%程度で誤差が除去で
き、必要性能を満たすに十分小さい値である。しかし、
温度変化の激しい条件や、より廉価なジャイロセンサを
用いる場合、さらに大きくする必要があり、それによる
性能劣化がどの程度になるか評価する必要がある。
【0039】そこで、図 に示すように、状況に応じて
FB係数K2を可変にする係数補正手段Aを設けてあ
る。即ち、係数補正手段Aは、走行機体21の姿勢安定
度が高いほど傾斜センサ15の検出値に基づく補正割合
を大きくし、走行機体21の姿勢安定度が低いほど傾斜
センサ15の検出値に基づく補正割合を小さくするよう
に機能する。姿勢安定度の高い低いを判断する姿勢判別
手段Hは、前述した車速センサ27であり、係数補正手
段Aは、走行速度が遅いほど前記補正割合を大きくし、
走行速度が速いほど前記補正割合を小さくするものに構
成されている。
【0040】FB係数K2を可変にするその他の例とし
ては、停止中や傾斜変化の少ないときはFB係数K2を
大きくして目標傾斜角θの誤差を速やかに除去し、逆に
作業中や傾斜変化の激しいときはFB係数K2を小さく
して横揺れの影響を抑えて応答性を上げる。さらに、始
動直後や温度変化の大きい等ジャイロセンサの誤差が大
きくなる条件ではFB係数K2を大きくして誤差の除去
を重視し、温度が安定したときにはFB係数K2を小さ
くして応答性を重視する。
【0041】参考として、図10〜図11に、トラクタ
の傾斜が変化するときの各センサ15,23の検出作動
テスト結果を示す。
【0042】図10によると、走行機体の傾斜変化に対
して、角速度センサ23の演算による出力は殆ど時間遅
れなく変化しているのに対して、傾斜センサ15は、
0.5秒ほどの時間遅れを伴って変化しており、かつ、
傾斜が正の方向に変化を開始する時、および、負の方向
に変化を開始する時には慣性によって一時的に逆方向の
動きとして検出していることが理解できる。なお、図1
0〜図11において、vは走行機体21の左右傾斜、y
は角速度センサの演算による出力、zは傾斜センサ15
の出力である。
【0043】図11は、図10の場合よりも傾斜変化が
速い例であり、0.5秒間で2度変化する時の傾斜セン
サ15と角速度センサ23の演算による出力の変化特性
を示したものである。これによると、傾斜センサ15
は、下降並びに上昇開始時に約1度逆方向に出力してし
まっているとともに、昇降停止時にもオーバーシュート
している。これに対して角速度センサ23の演算による
出力は、やはり走行機体の傾斜変化に追従していること
が判る。このように、傾斜センサの出力を基にするより
も角速度センサの出力を基に制御するほうが応答性でも
精度でも優れていることは明らかである。
【0044】〔別実施形態〕係数補正手段A及び姿勢判
別手段Hは、以下《1》〜《7》に記載した構成のもの
でも良い。
【0045】《1》図4に示すように、姿勢判別手段H
が角速度センサ23であり、係数補正手段Aを、角速度
センサ23の出力値が小さいほどFB係数K2を大きく
し、角速度センサ23の出力値が大きいほどFB係数K
2を小さくするものに構成する。
【0046】《2》図5に示すように、姿勢判別手段H
が傾斜センサ15であり、係数補正手段Aを、傾斜セン
サ15の出力値が小さいほどFB係数K2を大きくし、
傾斜センサ15の出力値が大きいほどFB係数K2を小
さくするものに構成する。
【0047】《3》図6に示すように、姿勢判別手段H
が、走行機体21の横方向の加速度を検出する横加速度
センサ41であり、係数補正手段Aを、走行機体21の
横方向加速度が小さいほどFB係数K2を大きくし、横
方向加速度が大きいほどFB係数K2を小さくするもの
に構成する。
【0048】《4》図7に示すように、姿勢判別手段H
が、走行機体21の回向走行における角速度を検出する
回向角速度センサ42であり、係数補正手段Aを、走行
機体21の回向走行による回向角速度が小さいほどFB
係数K2を大きくし、回向角速度が大きいほどFB係数
K2を小さくするものに構成する。
【0049】《5》図8に示すように、姿勢判別手段H
が、操向前輪31の切れ角を検出する切れ角センサ33
であり、係数補正手段Aを、操向前輪31の切れ角が小
さいほどFB係数K2を大きくし、操向前輪31の切れ
角が大きいほどFB係数K2を小さくするものに構成す
る。
【0050】《6》図9に示すように、姿勢判別手段H
が、対地作業装置4を昇降移動するための昇降用油圧シ
リンダ5の作動量を検出する角度センサ(操作頻度検出
手段Sの一例)13であり、係数補正手段Aを、油圧シ
リンダ5の作動量が少ないほどFB係数K2を大きく
し、油圧シリンダ5の作動量が多いほどFB係数K2を
小さくするものに構成する。
【0051】《その他》対地作業装置4又は走行機体2
1の姿勢安定度の高い低いを判別する姿勢判別手段Hの
他の例としては、対地作業装置4又は機体21の前後傾
斜を検出するピッチングセンサや、そのピッチングに関
する角速度センサ、対地作業装置4又は機体21の上下
方向移動に関する加速度センサ、アクセルレバー又はペ
ダルの操作量、変速段数(位置)の高低を見るもの等、
種々の変更が可能である。又、本実施形態において、対
地作業装置4側に、傾斜センサ15と角速度センサ23
とを配置するようにしても良い。対地作業装置4として
は、耕耘装置の他、苗植付装置、直播装置、畦作成装
置、整地装置等、種々の変更が可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクタ後部の構造を示す斜視図
【図2】ローリング制御の概略構造を示す機能系統図
【図3】補正制御手段の概念を示すブロック図
【図4】角速度センサに基づいて補正するローリング制
御の機能系統図
【図5】傾斜センサに基づいて補正するローリング制御
の機能系統図
【図6】横加速度センサに基づいて補正するローリング
制御の機能系統図
【図7】回向角速度センサに基づいて補正するローリン
グ制御の機能系統図
【図8】切れ角センサに基づいて補正するローリング制
御の機能系統図
【図9】耕耘装置の昇降移動量に基づいて補正するロー
リング制御の機能系統図
【図10】テストによる傾斜センサと角速度センサの出
力特性グラフを示す図
【図11】テストによる傾斜センサと角速度センサの出
力特性グラフを示す図
【符号の説明】 4 対地作業装置 5 アクチュエータ 8 アクチュエータ 15 傾斜センサ 21 走行機体 23 角速度センサ 24 ローリング制御手段 27 車速センサ 31 操向輪 33 切れ角センサ 41 横加速度センサ 42 回向角速度センサ A 補正手段 H 判別手段 S 操作頻度検出手段
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B304 KA13 LA02 LA05 LA09 LB05 MA08 MC08 MD03 MD04 QA26 QB03 QB16 QC11 RA27 2F069 AA02 AA71 AA93 BB40 DD30 EE02 FF01 GG11 GG41 GG64 GG74 HH30 NN02 NN06 NN25 NN26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対地作業装置をローリング自在に走行機
    体に連結し、前記対地作業装置を前記走行機体に対して
    ローリング駆動するアクチュエータと、前記走行機体又
    は前記対地作業装置の左右傾斜角度を検出する傾斜セン
    サと、前記走行機体又は前記対地作業装置の左右傾斜方
    向の角速度を検出する角速度センサとを備えるととも
    に、前記傾斜センサと前記角速度センサとの双方の検出
    値に基づいて、前記対地作業装置の左右方向姿勢が設定
    角度に維持されるように前記アクチュエータを作動させ
    るローリング制御手段を設けてある作業機のローリング
    制御装置であって、 前記ローリング制御手段を、前記角速度センサの検出値
    を積分して得られる積分値を基準として、前記傾斜セン
    サの検出値に基づく補正を行うことによって求められる
    検出傾斜角が、予め設定された目標設定角となるように
    前記アクチュエータを作動させるものに構成するととも
    に、前記走行機体の姿勢安定度の高い低いを判別する判
    別手段を設け、 前記走行機体の姿勢安定度が高いほど前記傾斜センサの
    検出値に基づく補正割合を大きくし、前記走行機体の姿
    勢安定度が低いほど前記傾斜センサの検出値に基づく補
    正割合を小さくする補正手段を備えてある作業機のロー
    リング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記判別手段が前記角速度センサであ
    り、前記補正手段は、前記角速度センサの出力値が小さ
    いほど前記傾斜センサの検出値に基づく補正割合を大き
    くし、前記角速度センサの出力値が大きいほど前記傾斜
    センサの検出値に基づく補正割合を小さくするものに構
    成されている請求項1に記載の作業機のローリング制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記判別手段が前記傾斜センサであり、
    前記補正手段は、前記傾斜センサの出力値が小さいほど
    前記傾斜センサの検出値に基づく補正割合を大きくし、
    前記傾斜センサの出力値が大きいほど前記傾斜センサの
    検出値に基づく補正割合を小さくするものに構成されて
    いる請求項1に記載の作業機のローリング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記判別手段が、前記走行機体の走行速
    度を検出する車速センサであり、前記補正手段は、走行
    速度が遅いほど前記傾斜センサの検出値に基づく補正割
    合を大きくし、走行速度が速いほど前記傾斜センサの検
    出値に基づく補正割合を小さくするものに構成されてい
    る請求項1に記載の作業機のローリング制御装置。
  5. 【請求項5】 前記判別手段が、前記走行機体の横方向
    の加速度を検出する横加速度センサであり、前記補正手
    段は、前記走行機体の横方向加速度が小さいほど前記傾
    斜センサの検出値に基づく補正割合を大きくし、前記横
    方向加速度が大きいほど前記傾斜センサの検出値に基づ
    く補正割合を小さくするものに構成されている請求項1
    に記載の作業機のローリング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記判別手段が、前記走行機体の回向走
    行における角速度を検出する回向角速度センサであり、
    前記補正手段は、前記走行機体の回向走行による回向角
    速度が小さいほど前記傾斜センサの検出値に基づく補正
    割合を大きくし、前記回向角速度が大きいほど前記傾斜
    センサの検出値に基づく補正割合を小さくするものに構
    成されている請求項1に記載の作業機のローリング制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記判別手段が、操向輪の切れ角を検出
    する切れ角センサであり、前記補正手段は、前記操向輪
    の切れ角が小さいほど前記傾斜センサの検出値に基づく
    補正割合を大きくし、前記操向輪の切れ角が大きいほど
    前記傾斜センサの検出値に基づく補正割合を小さくする
    ものに構成されている請求項1に記載の作業機のローリ
    ング制御装置。
  8. 【請求項8】 前記判別手段が、前記走行機体又は前記
    対地作業装置を操るためのアクチュエータの作動或いは
    操作入力数の多少を検出する操作頻度検出手段であり、
    前記補正手段は、前記アクチュエータの作動或いは操作
    入力数が少ないほど前記傾斜センサの検出値に基づく補
    正割合を大きくし、前記アクチュエータの作動或いは操
    作入力数が多いほど前記傾斜センサの検出値に基づく補
    正割合を小さくするものに構成されている請求項1に記
    載の作業機のローリング制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008035804A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Kubota Corp 農作業機のローリング制御装置

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