JP2005087093A - 乗用型作業機 - Google Patents

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Satoru Kato
哲 加藤
Tetsuo Setogawa
哲夫 瀬戸川
Hiroshi Nagai
博 長井
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Abstract

【課題】特別に硬軟センサーを設けることなく、圃場の硬軟を判断して、簡潔な構成で正確な作業装置の自動昇降制御やローリング制御を行えるようにする。
【解決手段】走行車両1に作業装置3を昇降自在に連結するとともに、該作業装置3に複数のフロート45・46を上下揺動自在に装備し、各フロート45・46の上下揺動角度を検出するフロートセンサー49・80L・80Rを設けて、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づいて、その上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記作業装置3の昇降を制御する自動昇降制御手段を備えた乗用型作業機において、前記全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化する場合には、自動昇降制御の制御感度を敏感側に補正する制御感度補正手段を備えた乗用型作業機。
【選択図】図4

Description

本発明は、走行機体に作業装置を昇降自在に連結するとともに、前記作業装置に、整地フロートを上下揺動自在に装備し、作業時の走行に伴って変位する前記整地フロートの上下揺動の検出に基づいて、前記作業装置の昇降を制御する自動昇降制御手段とを備えた乗用型作業機に関する。
従来、乗用型田植機は、自動昇降制御手段が、フロートセンサーからの検出値(整地フロートの上下揺動角度の変位)に基づいて、整地フロートの上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように作業装置である苗植付装置の昇降を制御する自動昇降制御を行うことによって、圃場の起伏の変化にかかわらず、苗植付装置を所定の対地高さに維持できるようになっている。そして、苗植付装置を所定の対地高さに維持できることによって、植付け作業時における整地フロートの接地圧を整地フロートの目標角度に応じた値に維持できるとともに、苗植付装置による苗の植付けを予め設定された植付け深さで安定して行えるようになっている。
ところで従来、上記のような乗用型田植機においては、水田圃場の泥土の硬軟を検出する硬軟センサーを設けて、その圃場の硬軟の判断に基づいて整地フロートの目標角度を補正する補正手段とを装備したものがあった。
特開平5−30818号公報
しかしながら、上記の従来技術においては、特別に硬軟センサーを設けて制御する構成であるから、構成が複雑であると共に、硬軟センサーの検出精度により作業装置の自動昇降制御が左右される為に、圃場の硬軟を適切に検出する硬軟センサーが必要であるが、未だ、そのような圃場の硬軟を適切に検出する硬軟センサーの開発は行われていないのが実態である。そこで、簡潔な構成で正確な作業装置の自動昇降制御やローリング制御を行えるようにすることが強く望まれていた。
請求項1記載の発明は、走行車両1に作業装置3を昇降自在に連結するとともに、該作業装置3に複数のフロート45・46を上下揺動自在に装備し、各フロート45・46の上下揺動角度を検出するフロートセンサー49・80L・80Rを設けて、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づいて、その上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記作業装置3の昇降を制御する自動昇降制御手段を備えた乗用型作業機において、前記全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化する場合には、自動昇降制御の制御感度を敏感側に補正する制御感度補正手段を備えた乗用型作業機としたものである。
従って、全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化する場合には、全てのフロート45・46が同じ方向に動いている時であり、そのようなフロートの動きが発生するのは圃場の泥土が柔らかい場合であるから、自動昇降制御の制御感度を敏感側に補正すると、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づく作業装置3の昇降制御が適切に行えて、作業装置3は圃場面に対して適切な設定高さに自動的に維持され、良好な作業が行える。
請求項2記載の発明は、走行車両1に作業装置3を昇降自在に連結するとともに、該作業装置3に複数のフロート45・46を上下揺動自在に装備し、各フロート45・46の上下揺動角度を検出するフロートセンサー49・80L・80Rを設けて、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づいて、その上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記作業装置3の昇降を制御する自動昇降制御手段を備えた乗用型作業機において、前記全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化しない場合には、自動昇降制御の制御感度を鈍感側に補正する制御感度補正手段を備えた乗用型作業機としたものである。
従って、全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化しない場合には、各フロート45・46が同じ方向に動いていない時であり、そのようなフロートの動きが発生するのは圃場の泥土が硬い場合であるから、自動昇降制御の制御感度を鈍感側に補正すると、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づく作業装置3の昇降制御が適切に行えて、作業装置3は圃場面に対して適切な設定高さに自動的に維持され、良好な作業が行える。
請求項3記載の発明は、全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化しない場合には、自動昇降制御の制御感度を鈍感側に補正する請求項1記載の乗用型作業機としたものである。
従って、請求項1記載の発明の作用と請求項2記載の発明の作用との両方の作用を奏するので、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づく作業装置3の昇降制御が常に適切に行えて、作業装置3は常に圃場面に対して適切な設定高さに自動的に維持され、良好な作業が行える。
上記のように乗用型作業機を構成することにより、簡潔な構成で圃場の硬軟に応じて自動的に制御感度が補正されて、適切な作業装置3の昇降制御が行えて、作業装置3は圃場面に対して適切な設定高さに自動的に維持され、良好な作業が行える。
走行車両1に作業装置3を昇降自在に連結するとともに、該作業装置3にセンターフロート45と左右サイドフロート46・46を上下揺動自在に装備し、各フロート45・46・46の上下揺動角度を検出するセンターフロートセンサー49と左右サイドフロートセンサー80L・80Rを設けて、センターフロート45のセンターフロートセンサー49からの検出値に基づいて、その上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記作業装置3の昇降を制御する自動昇降制御手段を備えた乗用型作業機において、前記全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化する場合には、自動昇降制御の制御感度を敏感側に補正し、全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化しない場合には、自動昇降制御の制御感度を鈍感側に補正する制御感度補正手段を備えた乗用型作業機とする。
この発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。走行車両1に昇降用リンク装置2で作業装置の一種である田植装置3を装着すると共に施肥装置4を設け、全体で乗用施肥田植機として構成されている。走行車両1は、駆動輪である左右各一対の前輪6,6および後輪7,7を有する四輪駆動車両である。
メインフレーム10の上にミッションケース11とエンジン12が前後に配設されており、該ミッションケース11の後部上面に油圧ポンプ13が一体に組み付けられ、またミッションケース11の前部からステアリングポスト14が上方に突設されている。
そして、ステアリングポスト14の上端部にステアリングハンドル16と操作パネル17が設けられている。機体の上部には操縦用のフロアとなるステップ19が取り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置されている。前輪6,6は、ミッションケース11の側方に変向可能に設けた前輪支持ケース22,22に軸支されている。また、後輪7,7は、ローリング杆23の左右両端部に一体に取り付けた後輪支持ケース24,24に軸支されている。ローリング杆23はメインフレーム10の後端部に突設したローリング軸25で進行方向と垂直な面内で回動自在に支持されている。
エンジン12の回転動力は、ベルト31を介して油圧ポンプ13の駆動軸であるカウンタ軸32に伝えられ、さらに該カウンタ軸からベルト33を介して油圧式変速装置HSTの入力軸35に伝えられ、油圧式変速装置HSTの出力軸36からベルトを介してミッション入力軸34に伝えられる。
37はチェンジレバーであって、後から前方に操作する順に後進速、ニュートラル、作業速、路上走行速となっている。また、デフロックレバー38を前方に操作するとデフロック、後方に操作するとデフオンとなる。
従って、圃場内で田植作業を行なう場合には、デフロックレバー38をデフロックにし、チェンジレバー37を作業速にシフトし、田植装置3の苗載台に苗を載置し施肥装置4の肥料タンクに粒状肥料入れて、各部を駆動させて前進すると、左右後輪7,7のデフロック装置はデフロックされてデフ機能が停止した状態であるので、機体の直進性が良くて良好な田植作業と施肥作業が同時に行なえる。また、路上走行の場合には、リヤデフ装置及びフロントデフ装置共にデフ機能が働く状態に操作すれば、安全に走行できる。
油圧式変速装置HSTは、操縦席20の右側に設けられたHST操作レバー39にて操作される。
次に、田植装置3は、走行車両1に昇降用リンク装置2で昇降自在に装着されているのであるが、その昇降させる構成と田植装置3の構成について説明する。
先ず、走行車両1に基部が回動自在に設けた一般的な油圧シリンダー40のピストン上端部を昇降用リンク装置2に連結し、走行車両1に設けた油圧ポンプ13にてソレノイド油圧バルブ41を介して油圧シリンダー40に圧油を供給・排出して、油圧シリンダー40のピストンを伸進・縮退させて昇降用リンク装置2に連結した田植装置3が上下動されるように構成されている。
田植装置3は、昇降用リンク装置2の後部にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース42と、該植付伝動ケース42に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台43と、植付伝動ケース42の後端部に装着され前記苗載台43の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具44…と、植付伝動ケース42の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート45・左右サイドフロート46・46等にて構成されている。センターフロート45・左右サイドフロート46・46は、圃場を整地すると共に苗植付け具44…にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。
47は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース48の動力を田植装置3の植付伝動ケース42に伝達すべく設けている。49はセンターフロート45前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成されるセンターフロートセンサーであって、センターフロート45の前部上面とリンクにより連携されている。そして、センターフロートセンサー49のセンターフロート45前部の上下位置検出に基づいて、制御装置50の田植装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ41を制御して油圧シリンダー40にて田植装置3の上下位置を制御するように構成されている。
即ち、センターフロート45の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ13にてミッションケース11内から汲み出された圧油を油圧シリンダー40に送り込んでピストンを突出させ昇降用リンク装置2を上動させて田植装置3を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート45の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー40内の圧油をミッションケース11内に戻して昇降用リンク装置2を下動させて田植装置3を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート45の前部が適正範囲にあるとき(田植装置3が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー40内の圧油の出入りを止めて田植装置3を一定位置に保持せしめるべく設けられている。このように、センターフロート45を田植装置3の自動高さ制御のための接地センサーとして用いている。
一方、センターフロート45のセンターフロートセンサー49からの検出値が制御装置50に入力されて、田植装置昇降手段にて田植装置3を自動高さ制御する際の制御感度を人為的に設定可能なダイヤル式の感度設定スイッチ51が備えられている。
即ち、田植作業に伴いセンターフロート45が圃場面に接地追従して行くと、センターフロートセンサー49からの検出値に基づき、この検出値が基準値Cとなるように(センターフロートセンサー49の検出アーム49aが基準値Cの姿勢となるように)、制御装置50によりソレノイド油圧バルブ41が操作され油圧シリンダー40が伸縮操作されて、田植装置3が自動的に昇降操作される。これにより、田植装置3が圃場面から設定高さに自動的に維持されて、苗の植付深さが設定値に維持される。
そして、圃場面の凹凸が多い場合には感度設定スイッチ51を鈍感側に操作する。この場合、基準値Cが、感度設定スイッチ51の操作位置「1」〜「7」に対応して上向き側に変更される。
これにより、センターフロートセンサー49の検出値が上向きの基準値Cとなるように(センターフロート45の検出アーム49aが上向きの基準値Cの姿勢となるように)、田植装置3が自動的に昇降操作される。この上向きの基準値Cにおけるセンターフロート45の姿勢は前上がり側になるので、センターフロート45の圃場面への接地面積が減少し、センターフロート45の圃場面への接地追従感度(田植装置昇降手段の制御感度)が鈍感側に変更されることになる。
逆に、田面Gの凹凸が少ない場合には感度設定スイッチ51を敏感側に操作する。この場合、基準値Cが、感度設定スイッチ51の操作位置「1」〜「7」に対応して下向き側に変更される。これにより、センターフロートセンサー49からの検出値が下向きの基準値Cとなるように(センターフロートセンサー49の検出アーム49aが下向きの基準値Cの姿勢となるように)、田植装置3が自動的に昇降操作される。この下向きの基準値Cにおけるセンターフロート45の姿勢は前下がり側になるので、センターフロート45の圃場面への接地面積が増加し、センターフロート45の圃場面への接地追従感度(田植装置昇降手段の制御感度)が敏感側に変更されることになる。
60は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー60を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ61が作動されて、制御装置50のPTOクラッチ作動手段によりPTOクラッチ作動SOL62を操作して、施肥駆動ケース48内に設けられた動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置4及び田植装置3への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置50の田植装置昇降手段により、ソレノイド油圧バルブ41を操作して手動にて田植装置3を上下動できるように構成されている。
即ち、フィンガーレバー60を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置4及び田植装置3の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ41が強制的に田植装置3を上昇する側に切換えられる。
そして、フィンガーレバー60を「上」に操作した後に、フィンガーレバー60を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ41がセンターフロート45の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、田植装置3が上昇された状態であればセンターフロート45が接地して適正姿勢になるまで田植装置3は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー60を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ41がセンターフロート45の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置4及び田植装置3が駆動される。以降、フィンガーレバー60を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ41がセンターフロート45の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。
ここで、走行車両1に対して田植装置3をピッチング作動させるピッチング機構について、説明する。
昇降用リンク装置2の上部リンク2aの途中に油圧式のピッチングシリンダ70を設けて、該ピッチングシリンダ70の伸縮動によって上部リンクの長さが変更されて、田植装置3を走行車両1に対して駆動ピッチング動できるようにしてある。構成を詳述すると、前上部リンク2aを中空の角パイプ材にて構成し、後上部リンク2bの前端に固定した嵌合部材2cを前上部リンク2aの後端部に摺動自在に嵌入した状態とし、前上部リンク2aに固定したピッチングシリンダ70の進退するピストン70a先端を後上部リンク2b側に固定している。従って、ピッチングシリンダ70に圧油が供給・排出されてピストン70aが進退することにより、後上部リンク2bの前端に固定した嵌合部材2cが前上部リンク2aの後端部内で摺動し、上部リンクの長さが変更される。
一方、走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサー71をメインフレーム10上に設け、走行車両1の前後傾斜姿勢の変化に拘わらずに田植装置3の圃場面に対する前後傾斜姿勢を所定の姿勢に維持するように、傾斜センサー21の検出情報に基づいて制御装置50のピッチング制御手段によりピッチングシリンダ15の制御弁72を切換作動させる。
従って、田植装置3が所定の姿勢となるように強制ピッチング動される。例えば、泥面及び硬盤が水平な圃場での正規の走行状態から、前輪6が凹部に落ち込んで走行車両1が大きく前下がり傾斜する場合には、ピッチングシリンダ70を伸長駆動させて上部リンクの長さを長くすることにより、田植装置3の前下がり移動を相殺して田植装置3を所定の姿勢に維持する。逆に、前輪6が凸部に乗り上がる等して走行車両1が大きく前上がり傾斜する場合には、ピッチングシリンダ70を短縮駆動させて上部リンクの長さを短くすることにより、田植装置3の前上がり移動を相殺して田植装置3を所定の姿勢に維持する。
一方、80L・80Rは、各々左右サイドフロート46・46前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成される左右サイドフロートセンサーであって、各々左右サイドフロート46・46の前部上面とリンクにより連携されている。そして、各左右サイドフロートセンサー80L・80Rは、各々の左右サイドフロート46・46前部の上下位置を検出して、その検出値が制御装置50に入力される。すると、制御装置50の設定感度補正手段にて左右サイドフロートセンサー80L・80Rの検出値とセンターフロートセンサー49の検出値との変化を認識して、全ての検出値が同じ方向に変化をしている場合(左右サイドフロート46・46及びセンターフロート45の前部の上下変化が同じ動き、即ち、全てのフロート46・46・45が同じ方向に動いている場合)には、圃場の泥土が柔らかいと判断して、感度設定スイッチ51を手動にて如何なる値に設定していても、自動的に設定値を敏感側の「2」に変更する。逆に、全ての検出値が異なる方向に変化をしている場合(左右サイドフロート46・46及びセンターフロート45の前部の上下変化が異なる動き、即ち、各フロート46・46・45が異なる方向に動いている場合)には、圃場の泥土が硬いと判断して、感度設定スイッチ51を手動にて如何なる値に設定していても、自動的に設定値を鈍感側の「6」に変更する。
従って、各フロート46・46・45前部の動きにより、圃場の硬軟を判断して、自動的に設定感度が変更されるので、常に適切なセンターフロートセンサー49からの検出値に基づく田植装置3の昇降制御が行えて、田植装置3は常に圃場面に対して適切な設定高さに自動的に維持され、苗の植付深さが安定し、良好な田植作業が行える。
図中、100は機体前部に設けた予備苗載台、101は直進走行の指標とするセンターマスコットである。
走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサー71が機体前下がりを検出した時には、田植装置3は所定の姿勢となるように強制ピッチング動されるが、それと同時に、手動にて感度設定スイッチ51を設定した値から1段階敏感側に移動させる。これは、機体前下がりの状態ではセンターフロート45の後部が圃場面から離れ気味の状態であり、センターフロート45が鈍感に上下作動する状態となっている為であり、この自動感度補正により、センターフロートセンサー49からの検出値に基づく田植装置3の昇降制御が適正に作動して良好な田植作業が行える。
逆に、走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサー71が機体前上がりを検出した時には、田植装置3は所定の姿勢となるように強制ピッチング動されるが、それと同時に、手動にて感度設定スイッチ51を設定した値から1段階鈍感側に移動させる。これは、機体前上がりの状態ではセンターフロート45の後部が圃場面に沈み込んだ状態であり、センターフロート45が敏感に上下作動する状態となっている為であり、この自動感度補正により、センターフロートセンサー49からの検出値に基づく田植装置3の昇降制御が適正に作動して良好な田植作業が行える。
走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサー71が機体前上がりを検出して、センターフロート45前部が上動してセンターフロートセンサー49が上動検出した時、または、走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサー71が機体前下がりを検出して、センターフロート45前部が下動してセンターフロートセンサー49が下動検出した時には、制御装置50の田植装置昇降手段がソレノイド油圧バルブ41を作動させる昇降連続出力をして、急速にソレノイド油圧バルブ41を切替えて田植装置3の昇降動を早くして、田植装置3の圃場面に対する設定高さを適切に維持し、苗の植付深さが安定して良好な田植作業が行える。
一方、上記の傾斜センサー71の検出とセンターフロートセンサー49の検出との組合せ以外の時は、制御装置50の田植装置昇降手段がソレノイド油圧バルブ41を作動させる昇降パルス出力をして、緩やかにソレノイド油圧バルブ41を切替えて田植装置3の昇降動を通常の状態で行う。
走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサー71と走行車両1の前後方向での傾斜角速度を検出する傾斜角速度センサー90をメインフレーム10上に設け、走行車両1の前後傾斜姿勢の変化に拘わらずに田植装置3の圃場面に対する前後傾斜姿勢を所定の姿勢に維持するように、傾斜センサー21及び傾斜角速度センサー90の検出情報に基づいて制御装置50のピッチング制御手段によりピッチングシリンダ15の制御弁72を切換作動させて、田植装置3が所定の姿勢となるように強制ピッチング動させる。即ち、走行車両1の前後方向での傾斜をその傾斜が始まる初期段階で傾斜角速度センサー90にて検出してピッチング制御を開始し、その後、傾斜センサー21の検出値までピッチング制御する。従って、ピッチング制御が適切に行えて良好な田植作業が行える。
更に、走行車両1に車速センサー91を設けて、この車速センサー91が規定値以下の車速を検出すると、傾斜角速度センサー90の不感帯幅を広くして、傾斜角速度センサー90の感度を鈍感にする。即ち、低速走行時には、傾斜角速度センサー90によるピッチング制御の開始を鈍くして、ピッチング制御が緩やかに行われるようにする。このように制御することにより、機体を停止したり発進したりする際に急速に低速走行になる時、逆方向のピッチング制御が反復して行われるハンチング現象を無くして、良好な田植作業が行える。
機体を停止したり発進したりする際に急速に低速走行になる時、逆方向のピッチング制御が反復して行われるハンチング現象を無くす手段として、車速センサー91が車速の急激な減速や増速を検出した時に、ピッチング制御を停止する。このように制御することにより、機体を停止したり発進したりする際に、逆方向のピッチング制御が反復して行われるハンチング現象を完全に無くすことができて、良好な田植作業が行える。
傾斜センサー71や傾斜角速度センサー90の傾斜検出が頻繁に変動する際(短時間に検出値が変動する際)には、傾斜センサー71・傾斜角速度センサー90の不感帯幅を広くして、両センサー71・90の感度を鈍感にする。即ち、ピッチング制御が緩やかに行われるようにする。このように制御することにより、逆方向のピッチング制御が反復して行われるハンチング現象を防止することができて、良好な田植作業が行える。
本発明は、田植機以外に、野菜移植機・イ草移植機や収穫機や作業装置を装着したトラクタや建設機械等の色々な乗用型作業機に適用できる。
本発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を示す全体側面図である。(実施例1) 図1に示す乗用型田植機の全体平面図である。(実施例1) 走行車両の伝動構成を示す概略平面図である。(実施例1) 制御系のブロック回路図である。(実施例1) 感度設定スイッチの操作位置と基準値との関係を示す図である。(実施例2) 田植装置昇降制御のフロー図である。(実施例3) ピッチング制御のフロー図である。(実施例4) 他の例を示す制御系のブロック回路図である。(実施例4)
符号の説明
1 乗用型走行車両
3 作業装置(田植装置)
6 左右前輪
7 左右後輪
11 ミッションケ−ス
16 ステアリングハンドル
20 操縦席
45 フロート(センターフロート)
46 フロート(左右サイドフロート)
49 フロートセンサー(センターフロートセンサー)
80L フロートセンサー(左サイドフロートセンサー)
80R フロートセンサー(右サイドフロートセンサー)

Claims (3)

  1. 走行車両1に作業装置3を昇降自在に連結するとともに、該作業装置3に複数のフロート45・46を上下揺動自在に装備し、各フロート45・46の上下揺動角度を検出するフロートセンサー49・80L・80Rを設けて、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づいて、その上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記作業装置3の昇降を制御する自動昇降制御手段を備えた乗用型作業機において、前記全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化する場合には、自動昇降制御の制御感度を敏感側に補正する制御感度補正手段を備えたことを特徴とする乗用型作業機。
  2. 走行車両1に作業装置3を昇降自在に連結するとともに、該作業装置3に複数のフロート45・46を上下揺動自在に装備し、各フロート45・46の上下揺動角度を検出するフロートセンサー49・80L・80Rを設けて、少なくとも1つのフロート45のフロートセンサー49からの検出値に基づいて、その上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記作業装置3の昇降を制御する自動昇降制御手段を備えた乗用型作業機において、前記全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化しない場合には、自動昇降制御の制御感度を鈍感側に補正する制御感度補正手段を備えたことを特徴とする乗用型作業機。
  3. 全てのフロートセンサー49・80L・80Rが同じ方向に変化しない場合には、自動昇降制御の制御感度を鈍感側に補正することを特徴とする請求項1記載の乗用型作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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