JP2002250083A - 木造構造物の弾性継手 - Google Patents

木造構造物の弾性継手

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JP2002250083A
JP2002250083A JP2001103894A JP2001103894A JP2002250083A JP 2002250083 A JP2002250083 A JP 2002250083A JP 2001103894 A JP2001103894 A JP 2001103894A JP 2001103894 A JP2001103894 A JP 2001103894A JP 2002250083 A JP2002250083 A JP 2002250083A
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Koichi Nakayama
好一 中山
Misako Nakayama
みさ子 中山
Yoshitaka Aoki
義貴 青木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 木造構造物において、柱と梁等の継手部分に
は一般的に羽子板ボルト等継手金物が用いられるが、木
材の乾燥収縮等により継手金物の締め付けナットに緩み
が生じる。このため、当該継手部分の強度が小となり、
構造物の耐久性に影響が生じることがある。 【解決手段】 本継手は筒体17と筒体17内に概内接
設置した弾性を有する板状のバネ板18と、これら双方
を筒体17外部から筒体17及びバネ板16に設けられ
た穴を貫通させたボルト5と、バネ板18を固定するた
めボルト端に螺着するナット9から構成し、本継手を柱
と胴差、梁等の継手部分に係合することにより、バネ板
18の弾性力を利用し、継手のナット19が緩まず継手
の強度を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建築物の柱と胴
差等木材間を接合する継手金物に属し、詳しくは、木造
建築構造物の木材の乾燥等による収縮により生じる継手
部分の緩みを金属の弾性力を利用することにより防止す
る継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より木造構造物の柱と胴差(水平
材)の継手構造は図3に示す構造が用いられている。図
3に基づき従来の継手構造を説明する。胴差1の端部に
ほぞと呼ばれる凸部を設け、これに対する柱2側の一部
に設けた穴(ほぞ穴)に差し込み、かつ羽子板ボルト3
を用いて両者を強固に締結する。胴差1の荷重を柱自身
で受けるべく柱2には腰掛け4と呼ばれる構造が設けら
れる。図3は胴差1を柱2に差し込み、羽子板ボルト3
で係合した状態を示す。すなわち羽子板ボルト3をボル
ト10及び逆目くぎ6を用いて胴差1に取付ける。施工
上、羽子板ボルト3を胴差1の図右方向に同一方向にな
るよう取付ける必要があるが、取付けは高所作業が多
く、足場が悪く作業性が悪いため、これが若干斜めに取
付けられることがあり得る。羽子板ボルト3はボルト部
7が柱から水平に突出し、端部を座金8及びナット9で
螺着する。現在、本構造が一般的木造構造物の継手とし
て用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがこれら継手構
造を用いた建築物でも時間経過と共に木材の乾燥による
収縮や荷重により羽子板ボルト3のボルト部7とナット
9に緩みが生じがちとなる。これを防止すべく、くさび
を胴差の反対側からほぞに打ち込むことが行われる場合
もあるが、木材の収縮による緩みを回避することは不可
能である。羽子板ボルト3のナット9の緩みが生じると
胴差1と柱2の係合部の締結力が低下し、建築物の耐久
性に影響が生じる。このようなナット9の緩みが生じた
場合、ナット9の締め直しを行えば良いが、築後は天
井、内装材、外装材等がすでに施工完了しているため、
ナット9の緩み有無を調査すること自体が困難であり、
外装材等を損傷させずにナット9の締め直しを行うこと
は極めて困難である。
【0004】そこで、予めナット9の緩み代分を、ナッ
ト9がめり込む位強固に締めておくという方法も考えら
れるが、一時的には効果があるが、木材を局部的に痛
め、局部的強度低下の原因となり、一定期間後の木材の
収縮から生じるナット9の緩みは避けられない。ナット
を強固に締めるといっても具体的にどの程度締め付けた
かは木材の場合、圧縮収縮するため判断が難しい。これ
が鉄骨構造物の場合であると、ボルト接合はハイテンボ
ルトを用い、ボルトのサイズごとに締め付けトルクが規
定され、かつ締め付けにはトルクレンチを用いて正確な
トルク値で締め付けることが可能である。従って、鉄骨
構造物はナットの緩みを心配する必要はなく、この点が
木造構造物の場合と大きく異なる。
【0005】一方、木材の収縮に対応するためボルトの
一端にスプリングを介した構造が見られる。これを図2
に示す。本構造は、梁12と方づえ(斜材)13を締結
する場合の立面図を示す。梁上部から下方に貫通した穴
を利用し、方づえ13の下部から座金8及びコイルバネ
14を取付けたボルト10を上方へ差し込み、梁12上
方で座金8、ナット9で締め付けるという構造である。
本構造でも基本的にはナット9の緩み防止という目的は
達成可能であるが、人目に見えない個所で用いるなら良
いが、近年木造構造物の柱や梁を天井を設けず露出さ
せ、居住者が木材の質感を味わうことが盛んに行われて
おり、このような傾向の中においてはボルト10や、コ
イルバネ14のような金属部分はできるだけ居住者の目
に触れないことが要求されている。
【0006】そこで本発明は、木造構造物の継手部分に
板状の金属のたわみによる弾性力を利用した継手構造を
用い、木材が収縮しても支障ない構造とし、施工後も本
構造が極力人目に触れずに螺着部のナットの緩み防止が
できる継手を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、筒体と筒体
内に概内接設置した弾性を有する板状のバネ板と、これ
ら双方を筒体外部から筒体及びバネ板に設けられた穴を
貫通させたボルトとボルトが貫通後、バネ板を固定する
ナットから構成されている。本継手を、例えば柱と胴差
の継手部に用いるに際し、胴差に予め筒体を軽く打ち込
める程度の穴部を胴差上面に設け、筒体を装着する。一
方、柱側から水平にあけた貫通穴を通し、座金を伴った
ボルトを水平に通し、筒体及びバネ板を貫通した後、ナ
ットで螺着する。ボルトを回転させ、ナットが螺着して
いるためボルトの回転に従ってバネ板がたわみ、本継手
部が、当該バネ板の弾性力で強固に固定されるというの
が主な構造である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の構成の外観を図1に示
す。本発明は鋼製の筒体17に概内接設置されたバネ板
18と、バネ板18の概中央部を貫通する座金8を伴っ
たボルト5及びボルト5が図右端において当該ボルト5
と螺着するナット9を主な構成要素とする。本発明を木
造継手部に用いた外観を図4に示す。柱2には腰掛け4
が設けられ胴差1が取り合っている。胴差1には本発明
の筒体17の外径(一例として約43mm)分より、若
干径の大な穴を予め加工しておく。本加工穴は胴差1の
下部まで貫通させても良いが、本図では貫通させないこ
とにより、当該部が室内居住者の目に触れないことを目
的として貫通させない状態に基づいて説明する。
【0009】本穴にまず筒体17のみを上部から下方に
向けて装着する。前述の通り、穴径は筒体17の外径よ
り若干大のはずであるが、木材の水分変化により軽く打
ち込む位の状態が適当である。筒体17を装着し終わ
り、かつバネ板18を上から挿入設置する。一方、予め
柱2及び胴差1にはボルト5を水平に貫通させるための
貫通穴19を設けておき、座金8を介したボルト5を柱
2側から当該貫通穴19に通し、かつ筒体17の貫通穴
20及びバネ板18の貫通穴22を通し、最後にボルト
5を回転させナット9(図4では図示しない。)をボル
ト最終端(図右端)に螺着する。この取付け完了した状
態を図5に示す。なお、筒体17側面の貫通穴20は、
ボルト5の径より余裕をとった径または楕円とした方が
ボルト5が入り易い。本状態にて、ボルト5をレンチで
回転させることによりボルトに軸力が生じる。すなわ
ち、バネ板18が図左方へ、平面で見た場合の「く」の
字状にたわみ、この時の弾性力によりボルト5に引っ張
り力が生じ、ナット9の緩みが防止できる。結果的に本
発明により柱2と胴差1は常時強固に締結される。
【0010】従来の羽子板ボルト3のみでは、羽子板部
分の取付け方向が、胴差1方向とは人手による取付けの
ため若干ずれることがあり得たが、本発明では弾性力に
より胴差1が必然的に柱2側に強固に引き寄せられるた
め、この部分は直角に結合する。筒体外径約43mmの
場合、実測によるとバネ板の弾性変形量は少なくとも1
8mmであり、ほぼ均等軸力をボルトに与えて木材収縮
を吸収できる。筒体17の径及びバネ板18の内接寸法
(板幅)を大とすればさらに弾性変形量を大とすること
ができ、木材収縮に対し長期間効果を発揮することが可
能であり、木造住宅の瑕疵期間を充分に越えることがで
きる。従って、設計者、施工者の信頼が大となる。バネ
板18はSS材(一般構造用圧延鋼)であっても充分本
効果を発揮することができるが、できればSUP材(バ
ネ鋼)の方がさらに変形に対する弾性効果が大である。
但し、胴差の幅は120mmが一般的であるため、断面
欠損を考慮すれば自ずと筒体外径には制限が生じる。
【0011】なお、ナットは一般的形状のナットでも良
いが、図6に示した通り、バネ板の変形が弾性域内で生
じる範囲が大であることを目的として本図に示すコマ型
とした方がより効果的である。以下本ナットをコマ型ナ
ット21と呼ぶ。なお、本図はボルト5を図左方に若干
引っ張った状態を示しているため、バネ板18がややた
わんでいる。コマ型ナット21を筒体内に装着するため
には別途平板に両面テープで本コマ型ナットを貼り付
け、ボルト5との螺着が完了した時点で平板を上方へ引
き抜く方法が簡易で確実に行うことができる。本説明は
柱2と胴差1を例に説明したが、柱と梁、柱と土台、梁
と火打ち梁等他の継手部分でも同様利用できる。
【0012】図5は、胴差1内に本発明のボルト5を一
本用いた場合について説明したが、図7に示す通り、ボ
ルト5が二本で筒体17が1または2個、またバネ板も
1枚または2枚を用いても良い。いずれの場合も構造物
の結合力はより強まる。また図示しないが、バネ板18
とコマ型ナット21の面接触部には予めローレット掛け
(ざらざら目)を施しておくことにより弾性力によるコ
マ型ナット21の緩みも防止できる。また、以上は筒体
17を円筒として図示し説明したが円筒に限定する必要
はなく、四角形の角型鋼管を用いても良く、三角形でも
良い。四角形の角型鋼管を用いた場合、バネ板がたわむ
ことができるように四辺の向きに注意する必要がある。
また、バネ板18自体にめねじ部23を設け、これとボ
ルト5を直接螺着することによりコマ型ナット21を廃
することができる。これを図8に示す。めねじ部23の
板厚を大にする必要があるが、たわみ部、すなわち材料
力学でいう「はり」の長さが短くなるため、結果的にバ
ネ板の弾性力が大となる。なお、めねじ部を設ける代わ
りに、当該部にナットを溶接や圧接により固着させても
良い。
【0013】なお、本説明はバネ板18のたわみを利用
することを述べて来たが、バネ板18に限定する必要は
なく、図9に示す通り、バネ板18の代わりにコイルバ
ネ14を用いても良い。この場合、コイルバネ14が縮
んだ時のコイルバネ自身の厚みが大きいため、肝心の木
材収縮量吸収効果がバネ板18に比較しやや小というデ
メリットがある。バネ板18を用いる理由はこの変形量
を大きく取れるところにある。また筒体という表現を用
いて説明してきたが、筒状でなくとも図10(1)に示
す通り、円筒を端面に垂直に半割りにしたものでもよ
い。以下、特許請求の範囲も含めこれを半割れ体24と
呼ぶ。半割れ体24を用いた本発明の操作を説明する。
ボルト5の回転に従って、バネ板18がくの字状にたわ
み、かつ半割れ体24の中に引き寄せられる。これを図
10(2)に示す。この時、半割れ体24は開く方向
(径が大になる方向)にあり、木材の穴部の中で強固に
固定されることになるため、結果的に半割れ体24であ
ることが本弾性継手の強度低下に影響しない。
【0014】一方、公知例として実公昭59−304
4、特開平9−60124及び特開平11−10090
3には次の内容が開示されている。いずれも長ボルトと
円筒から構成され、長ボルト端が円筒側面に設けられた
めねじと螺着する。目的は本願発明と同じであるが、本
願はバネ板を用いているところが最大の特徴であり、当
該バネ板のたわみが弾性力を発揮し、長期間にわたり木
材の収縮による結合ボルトとナットの緩みを防止すると
いう格別の効果を奏するという点が特徴である。しか
し、公知例にはこれら記載が無く、この点が本願が、前
記公知例とは構成、効果において根本的に異なるところ
である。
【0015】次に、柱一本に対し両側から一対の胴差を
取付ける場合について説明する。これを行うには図11
に示す装置を用いる。本装置は次の構成から成ってい
る。尤も筒体は前記したように半割れ体でも差し支えな
いが、ここでは筒体17に基づき説明する。筒体17
A、バネ板18A等の一体物、及び筒体17B、バネ板
18B等の一体物の計2式を用い、概中央部で各々のボ
ルトA31、B32と、六角ロングナット30で螺着す
る。この時、ボルトA31及び六角ロングナットとの螺
着部側は右ねじであるが、ボルトB32及び六角ロング
ナットとの螺着部側は左ねじで構成されている。
【0016】本装置を柱及び一対の胴差に取付けた状態
を図12に示す。筒体を胴差に貫入するための穴、胴差
1、柱2に水平に貫通穴19をあけておくことは既述の
通りであるから説明を省くが、一方の胴差1Aには先
に、筒体17A、バネ板18A、ボルトA31、六角ロ
ングナット30、ボルトB32及びコマ型ナット21A
を設定しておく。このとき、他方の筒体17B、バネ板
18Bは胴差1Bに装着しておくが、コマ型ナット21
Bは螺着せず外しておく。胴差1Aを取付ける際、先の
一体を貫通穴19を経て、柱の反対側にボルトB32を
突出させておく。次に、胴差1Bを柱側に寄せて取付け
る際、胴差1Bの貫通穴19にボルトB32を挿入し、
筒体17B及びバネ板18Bを貫通した後、コマ型ナッ
ト21Bで螺着する。その後、柱2の一部に設けた縦長
穴33からレンチを用い、六角ロングナット30を回転
させる。これにより両ボルトA31、B32は柱中央に
引き寄せられ、結果的に一対の胴差1A,1Bは柱2に
強固に結合する。
【0017】なお、六角ロングナット30の回転を行う
ための柱2の縦長穴33が設けられない場合がある。こ
れは、たとえば柱2の四辺に各々胴差1を二対取り合う
場合であり、先の一対は前述の通り施工できるが、その
後の一対を取付ける場合が相当する。この場合には図1
3に示す通り、筒体17B内からボルト5を回転させる
機構を設けることによりこの問題を解決できる。本装置
を図13に基づき説明する。本装置は筒体17A、Bと
バネ板18A、B等の2式を一本のボルト5で結合した
ものである。ボルトでなくとも丸鋼の一端(図13では
左端)におねじ加工したものでもよい。これまでの構造
と異なるのは一方の筒体17B内でボルト5端部(図1
3では右端)をギア取り合いとし、ギアを介して直角に
立設した回転軸を胴差の上部で回転できることにある。
【0018】図13は柱2の両端に胴差1A及び1Bを
一対取付けた立断面を示す。胴差1Aに筒体17Aを取
付け後、バネ板18Aを筒体内に設置し、ボルト5及び
コマ型ナット21Aの一体物を水平貫通穴19を利用し
て取付ける。すなわち、この一体物を、柱にも予め設け
た水平貫通穴にボルト5を通し、柱右側に突出させる。
この時点でボルト5の右端のギア付ナット41は未だ取
付けられていないから、柱から突出可能である。
【0019】この後、予め筒体17Bを装着した胴差1
Bを、前述した通り、突出したボルト5端が胴差1Bの
水平貫通穴19、筒体17Bの貫通穴20、及びバネ板
18Bの貫通穴22を経た状態で設定する。その後、ボ
ルト5右端にギア付ナット41を装着し、ノックピン4
2を打ち込み、両者を一体とする。その後、ギア43と
軸受板45を伴った回転軸44をバネ板18Bにボルト
46を用いて取付ける。なお、回転軸44は、当該部に
組み込む前に予め軸受板45を取付けた後、ギア43を
前記同様ノックピンを用いて組み立てておく。軸受板4
5はなるべく幅狭(図13の紙面直角方向に小)とし、
前記の通りバネ板18Bが平面上「く」の字状にたわみ
易くする。また回転軸44の上端には水平にバー47が
取付けられている。または、回転軸44の当該部に穴が
設けられ、棒状体を差し込んでもよい。本バー47を回
転することにより、ギア43とギア付ナット41のギア
同士が噛み合っているため、ボルト5が回転し、ボルト
に引っ張り力が発生する。これにより、これまでの説明
と同様、バネ板18A及び18B双方が柱側へボルト5
により引かれる。なお、図示しないが回転軸44にはラ
チェット機構が設けられており、解除しない限り逆転で
きない構造となっている。以上の構成から、最終的に胴
差1A、1Bは柱2に強固に固定される。
【0020】本装置を用いれば、柱一本に胴差を二対計
4本を固定することができる。もちろん、ボルト5を直
交させる必要があるため、貫通穴19は上下方向にずら
す必要があることは言うまでもない。またここで詳述し
たギア噛み合い、回転軸等から構成された構造物は図1
に示した筒体内においても用いることができる。
【0021】なお、ここで公知例として実開昭54−1
52510を紹介する。本公知例には、梁の両側に一対
の梁を取付けるに際し、一対の「ネジ付アーム」とこれ
と螺着するボルト、本ボルトは中間部で「両ネジボル
ト」で右ネジ、左ネジを用いて螺着され、中央梁の中間
に設けられたスリットから「両ネジボルト」を回転させ
ることにより、一対の梁を中央の梁に固定することが開
示されている。本公知例にも、本願発明にいうバネ板を
用いておらず、従ってバネ板による弾性力による固定と
いう内容は開示されていないため、本願発明とは構成、
効果が異なる。
【0022】
【発明の効果】本発明では、特許請求の範囲第1項記載
の通り、筒体と筒体内に概内接設置した弾性を有する板
状のバネ板と、これら双方を筒体外部から筒体及びバネ
板に設けられた穴を貫通させたボルトとボルト貫通後、
バネ板を固定するコマ型ナットから構成されている。そ
のため、本継手を例えば柱と胴差の継手部に用いた場
合、柱側から当該ボルトを回転させるに従い、胴差に装
着された筒体内のバネ板がたわみ、バネ板の弾性力によ
り本継手部分は強固に固定されるという優れた効果を奏
する。特に、特許請求の範囲第2項によればコマ型ナッ
トを排することができ、バネ板のたわみ部分の寸法が小
となるため、より弾性力が大となる効果が生じる。また
特許請求の範囲第3項によれば、本装置を用いることに
より柱一本の両側に一対係合された胴差を柱中央に設け
た縦長穴から六角ロングナットを回転させ、胴差一対を
同時に引き寄せ固定(又は逆に離反)することができ
る。特許請求の範囲第4項によれば、本装置を用いるこ
とにより、柱の両側に一対係合された胴差に対し、一方
の胴差の上面位置から回転軸を回転させることにより、
ギア噛み合いを経て一対の胴差が同時に柱側に引き寄せ
られ固定(又は離反)することができる。そのため、柱
一本に二対の胴差を係合することができる。特許請求の
範囲第5項によれば筒体を半割れ体としたことで軽量化
をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構造を示す斜視図である。
【図2】従来の木造継手構造に弾性体を用いた立面図で
ある。
【図3】従来の継手構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の変形例を示す平面図である。
【図7】本発明の変形例を示す立断面図である。
【図8】本発明の変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の変形例を示す平面図である。
【図10】本発明の変形例を示す平面図である。
【図11】本発明の変形例を示す正面図である。
【図12】(1)は本発明の実施例を示す平面図(A視
図)、(2)は正面図である。
【図13】本発明の変形例を示す立断面図である。
【符号の説明】
1 胴差 2 柱 3 羽子板ボルト 4 腰掛け 5 ボルト 7 羽子板ボルトのボルト部 8 座金 9 ナット 12 梁 14 コイルバネ 17 筒体 18 バネ板 19 貫通穴 21 コマ型ナット 24 半割れ体 30 六角ロングナット 31 ボルトA 32 ボルトB 33 縦長穴 34 ボルト 41 ギア付ナット 42 ノックピン 43 ギア 44 回転軸 45 軸受板 46 ボルト 47 バー
フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AB12 AC23 AG03 AG04 AG12 AG13 AG38 BA52 BB08 BB17 BB22 BB35 BC01 BC09 BD01 BE07 BF06 BF08 CA05 CA14 CA63 CA64 CA79 EA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造構造物の継手部分において、筒体と
    筒体内に概内接設置される弾性体からなる板状のバネ板
    と、これら双方を筒体外部から筒体及びバネ板に設けら
    れた穴を貫通させたボルトと、ボルトが貫通後バネ板の
    後段でボルトに螺着するためのナットから構成されたこ
    とを特徴とする木造構造物の弾性継手。
  2. 【請求項2】 木造構造物の継手部分において、筒体と
    筒体内に概内接設置される弾性体からなる板状のバネ板
    と、筒体外部から筒体に設けられた穴を貫通させたボル
    トを前記バネ板に設けられためねじ、またはバネ板に固
    着されたナットで螺着すべく構成されたことを特徴とす
    る木造構造物の弾性継手。
  3. 【請求項3】 木造構造物の継手部分において、筒体と
    筒体内に概内接設置された弾性体からなる板状のバネ板
    と筒体外部から筒体に設けられた穴及びバネ板を貫通さ
    せたボルトとボルト端に螺着するナット又はボルト端に
    螺着したバネ板の一体物を2式用い、これら両者の各ボ
    ルト他端を1個のロングナットで螺着し、ロングナット
    の回転方向により前記2式がロングナット側に接近、又
    は離反すべく、ロングナット及びこれと螺着するボルト
    側に各々を右ネジ、左ネジを用いて構成したことを特徴
    とする木造構造物の弾性継手。
  4. 【請求項4】 筒体と筒体内に概内接設置された弾性体
    からなる板状のバネ板と筒体外部から筒体に設けられた
    穴及び当該バネ板を貫通させた丸鋼端に設けられたおね
    じと螺着するナット又は当該おねじと螺着したバネ板の
    一体物の当該丸鋼の他端が一方の筒体側面の穴から入
    り、一方のバネ板を貫通した後バネ板の貫通穴より大径
    のギアを伴い、かつ当該ギアと直角にギア噛み合いし、
    バネ板に固定支持された回転軸とからなることを特徴と
    した木造構造物の弾性継手。
  5. 【請求項5】 筒体が円筒又は円筒を端面から垂直に切
    断した半割れ体であることを特徴とする特許請求の範囲
    第一項、第二項、第三項、または第四項記載の木造構造
    物の弾性継手。
JP2001103894A 2001-02-26 2001-02-26 木造構造物の弾性継手 Pending JP2002250083A (ja)

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