JP2009174303A - 木材連結補強用継手金物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の木造建築用継手金物は、設置後に部材が露出し過ぎて美感を損なう、木材を大きく欠損させて強度的に不安である、作業に高度な技術が求められる、作業時間が長くなる、等々の欠点を持っていた。
【解決手段】 2以上の木材の連結部分を補強する方法であって、該補強方向に沿った棒材挿通用孔、該棒材挿通用孔と連通且つ直交する円柱状穴、を該木材に形成し、端部近傍に幅狭部を有する棒材を該孔に挿通した上で該棒材端部を該円柱状穴に位置させ、該円柱状穴に楔体を、該棒材の幅狭部を跨ぐように嵌合させ締め付ける方法。少なくともその一端近傍位置に幅狭部が形成される棒材、及びこれとは別体の楔体とにより構成され、該楔体は、木材に刻設された該円柱状穴に概ね沿う円柱をその中心軸から傾斜した斜面で切断した形状の半円柱状のもので、該棒材の幅狭部よりも広くその端部よりも狭い幅の切欠溝が刻設された金物。

【選択図】 図5

Description

本発明は、木造建築物における柱・梁・胴差し・土台等の構成木材における連結部分の補強方法、並びにそこで使用される継手金物の構造に関するものである。
木造建築において例えば、梁の側面に他の梁の木口部分を連結する、柱の側面に梁の木口部分を連結する、或いは、土台や桁・梁などに火打ちと呼ばれる補剛材を接合する、といった作業箇所が多種多数ある。こうした連結部分の接合強度を向上させることは、構造強度、特に耐震強度を高めるために極めて有効な手段であり、当該箇所に継手金物を付帯させることが一般的である。これを本明細書では「木材連結補強」と呼ぶ。即ち、「連結」という語句は用いるが、木材の木口や側面に連結のための構造(継手構造)を作製することを必要条件とはしない。
代表的な継手金物の一つが「羽子板ボルト」と呼ばれる金物セットである。図10(a)は典型的な羽子板ボルト9の概形を示すものであり基本的に、取り付け用プレート91とボルト92とを一体化して成る部材である。取り付け用プレート91の端部付近には透孔93が刻設されており、この透孔93に別体のボルト94が挿通可能となっている。使用方法の一例を同図(b)に従って示す。即ち、木材Aと木材Bの継手部近傍にドリル孔を開けておき、木材Aのドリル孔に羽子板ボルト9のボルト92を挿通し突出部分をナット95で螺着する。このとき羽子板ボルト9の透孔93と木材Bに開けられたドリル孔とは揃っており、ここにボルト94を挿通し、両端をナット95で螺着する。
また単に両ネジボルトを用いて繋ぐ場合もある。図11はその一例として、木材A・B・Cを、1本の両ネジボルト96で連結した例を示すものである。設置時に揃うドリル孔がこれら3本の木材に刻設されているわけであるが、ナット95の締め付け作業ができるように所定の木材(図の場合は木材BとC)に「箱彫り」と呼ばれる切削加工が施される。この切削によって形成される穴内にボルト96の先端部分が突出している状態でこの先端部分にナット95を嵌めた後、通常は指である程度嵌め込んでからスパナを差し入れて締め付ける、という作業となる。
特開2002−013206
このような継手金物を使用することで確かに所期の目的は達成されるわけであるが、いずれも理想的な手法とはなり得ていない。
即ち、羽子板ボルト1本使用の場合には木材の片側に偏在する形で強度を付与することになる。バランスを採るために両側に配置する例もあるが、羽子板ボルト自体が元来部材の主要部分を露出させる手法であるので例え1本でも美感上問題がある場合が多い。
また、両ネジボルトを用いて連結する場合に施される「箱彫り」は、通常一辺60mm程度の矩形孔であり、当然ながら断面欠損が大きすぎるため強度上の問題を残す手法となっている。
更に、同一方向或いは直角方向に連結しない状況も木造建築において、しばしば存在する。代表的な例は「火打ち」である。これは、水平に直交する部材の隅部分が変形しないように斜めに架け渡した補剛材であり、土台面、床面、ろく梁(小屋梁)面など、多くの箇所に設けられる。基本的に、直交部分に45度の角度で配置されるものであるので連結端面は概ね45度となる。
例えば梁と胴差しの交差箇所に火打ち(特に「火打ち梁」と呼ばれる)を設ける場合この火打ちは、梁と胴差しのそれぞれに連結するわけであるが、ボルト留めするとこの45度という斜面の存在がしばしば作業を面倒なものとしていた。即ち、第12図に示す如くいずれかの面については、その面から45度の斜面となるようV字形に彫られた箱穴が必要で、図11で示した箱穴ほどではないがその切削作業もまた相当面倒である。
また既述した「羽子板ボルト」は、直交する木材の場合専用とも言える構造であり、汎用性に欠け、火打ち連結を補強する際には採用困難であった。
以上のような現状に鑑み本発明者は、設置後の外観が目立たずすっきりとしており、しかも作業自体には熟達した技能を必要とせず、また極めて多様な状況において採用可能な方法を求めて長年鋭意研究の結果遂に本発明方法及びそこで使用されるものを完成したものでありその特徴とするところは、方法に関しては、2以上の木材の連結部分を補強するための継手金物の組み込み方法であって、該補強方向に沿った棒材挿通用孔、並びに該棒材挿通用孔と連通且つ直交する円柱状穴、を該木材に形成し、次いで端部近傍に幅狭部を有する棒材を該棒材挿通孔に挿通した上で該棒材端部を該円柱状穴に位置させ、該円柱状穴に楔体を、該棒材の幅狭部を跨ぐように嵌合させ締め付ける点に、ものに関しては、2以上の木材の連結部分を補強するため、該補強方向に沿った棒材挿通用孔並びに該棒材挿通用孔と連通且つ直交する円柱状穴が形成された木材の、該棒材挿通孔並びに該円柱状穴内に組み込み配置される継手金物であって、少なくともその一端近傍位置に幅狭部が形成される棒材、及びこれとは別体の楔体とにより構成されるものであり、該楔体は、木材に刻設された該円柱状穴に概ね沿う円柱を、該円柱の中心軸から傾斜した斜面で切断した形状の半円柱状のものであり、且つ、該棒材の幅狭部よりも広くその端部よりも狭い幅の切欠溝が刻設されたものであるという点にある。
即ち本発明方法は、連結しようとする木材に棒材挿通孔を穿ち、ここに棒材を挿通し、この棒材を楔体で固定する方法であり、この固定のために、挿通された棒材の先端部分が出る位置に該棒材挿通用孔と連通且つ直交する円柱状穴をあけておくものである。木材を連結すべくその連結部分に切削加工が施された後の木材に対してなされる本発明金物取設のための加工は、本発明方法においては、2種の孔形成だけでありいずれも円孔で構わないためドリル作業だけで良く、ノミ作業不要ということになる。箱彫りと比較してその作業は驚くほど簡便であり、作業者に特別の技能は不要である。
なお本発明においてその連結を補強しようとする「2以上の木材」は、要すれば連結面に対して連結のための加工が施こされた複数の木材という意味であり、典型的な例としては、直交する木材に対してなされる継手の一種「あり継ぎ」、同一方向に連結する際に木材に対してなされる継手の一種「かま継ぎ」、等々の継手構造が形成された後のものが対象となる。但し、特別な切削加工をせずにそのまま連結する場合もあり得る。そのような場合においても本発明の「木材の連結を補強する」という概念に属するものとする。
また連結の形態は「連結」であるので当然複数本の木材に対してなされるものであり、通常は2本の木材に対して行なうが、この2本を直接連結せず他の木材を挟んで連結する場合も時としてあり、その場合3本以上の木材が対象となる。
本発明に係る継手金物は、棒材と、これとは別体の楔体を有する金物である。この棒材は、一端(或いは両端)近傍に「楔体」を嵌着するための「幅狭部」を有する。この幅狭部と棒材端部との関係は、後述する楔体に設けられた切欠溝を嵌め込むことはできるが棒材端部から該楔体を長さ方向に外すことはできないように構成されている。具体的には、太さの一様な棒材の端部のみを太くしたもの、太さの一様な棒材の端部のやや内側位置をある長さ削り取ったもの、等がありいずれも採用可能である。
楔体は、木材に刻設された該円柱状穴に概ね沿う円柱を、該円柱の中心軸から傾斜した斜面で切断した形状の半円柱状のもので、棒材の幅狭部よりも広くその端部よりも狭い幅の切欠溝が刻設されている。従って、電気ドリル等の穴径に合った形状であることが条件となるが、この楔体は、該円柱状穴に嵌めることができ、この穴内に棒材先端部が突出している場合には、その幅狭部を切欠溝が跨ぐ形で嵌め込むことができる。なお、「該円柱状穴に概ね沿う円柱」という記載における「概ね沿う」という表現は、該円柱状穴に丁度嵌り込む大きさ(径)だけではなく、それよりも幾分小さい径或いは幾分大きい径も含むという意味を表すものとする。このうち「幾分大きい径の円柱」自体は、該円柱状穴に嵌ることはないが、本発明における楔体は半円柱を切断して下方側を薄くしたような形状のものであるので、多少径が大きくとも充分機能する。本発明者が実験した範囲では、円柱状穴の径が30mmの場合、楔体の円柱状周面の径が円柱状穴の径よりも10%程度小さい径であっても、5%程度大きい径であっても全く支障なく好適に目的が達成できた。
なお、本発明方法において「円柱状穴」は1箇所の連結に関して少なくとも1つ設けられる。即ち、両端に幅狭部が設けられた棒材が、木材に内包される形で挿通され、それぞれの端部に相当する位置に円柱形状穴が刻設される場合と、一端は木材表面から突出しており円柱形状穴は1つしか存在しない場合、とがある。突出している場合、棒材の突出側端部の構造に関して本発明は限定しない。棒材両端を同一構造としても良いが、突出側端部を例えば、棒材端部に金属板を取設する、端部にネジ溝を設けナット留めする、等々の構造としても良い。
また、本発明に係る木材連結補強方法にあっては、一つの連結部(連結補強箇所)に少なくとも一つ円柱状穴が設けられることになる。この穴は、従来の箱彫りによって形成される穴(通常は1辺60mm程度の正方形の開口)に比して開口部分を格段に小さく(本発明者が試作したものは直径約30mmの円形開口)できるため、従来のものに比して目立つということはないが、それでも「穴が見える」ということが好ましくないという状況もあり得る。その場合には、連結補強作業完了後この穴を例えば木製の栓体で塞げば、継手金物を木材内に完全に隠してしまい作業痕をも残さない仕上がりとすることも可能となる。勿論、こうした栓体の存在は本発明に必須の要件ではない。
本発明に係る木材連結補強方法及び継手金物は、以下述べる如き種々の効果を有する極めて高度な発明である。
(1) 羽子板ボルトと異なり露出する部分が少ないので、美感を損なわない。場合によっては、継手金物の全てを木材内に納めて外観できないようにすることも容易である。
(2) 羽子板ボルトと異なり木材の中央で連結するものであるので、バランスの良い固定ができる。
(3) 電気ドリル等によって円形穴をあける作業は、従来の箱彫りに比べ非常に簡便であり、また切削による木材欠損が小さくて済むので木材強度の低下を最小限に抑えることができる。
(4) 製品コストを安価なものとし易い。
(5) 作業が簡便となり、特別な技能を要することがない。
(6) 火打ち梁等、木材を45度の角度で連結する場合にも簡便且つ確実な固定ができる。
以下図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明に係る木材連結補強方法を適用せんとする木材の例を示すものである。図より明らかなように本例は二種の木材を示すものであり、一本の木材Wの端部は「ありほぞ」に加工されており、もう一本の木材W’の側面は該ほぞに合う「ほぞあな」が切削加工されている。本例の木材W、W’の継手は、土台の交差部分などに頻繁に見られる非常に一般的な構造である。
木材W、W’を組んだ後、木材Wのほぼ中心線(実際には「ほぞ」に落とし分があるので正確な中心線よりもやや上側)に沿って、棒材挿通用孔Xを刻設する。この刻設作業は電動ドリル(図示せず)によって行い、木材W連結側とは反対側から開始し、図2に示す如く、木材Wの充分に深い位置まで到達する長さの穴(破線部)を形成する。そして別のドリル刃によって、棒材挿通用孔Xと直交し該孔Xよりも切削径が大きい円柱状穴Y(径約30mm)を木材W、W’双方に一つずつ刻設する。なおこれら二個の円柱状穴Yの中心間距離は、ここに適用される棒材2(後に詳述)の長さにほぼ等しいものである。
次に図3(a)のように、棒材挿通用孔Xの刻設作業を開始した開口X’から棒材2を差し込み、同図(b)の如く二個の円柱状穴Yのいずれにも棒材2の端部が位置するように移動させた段階で、同図(c)の如く楔体3(後に詳述)をハンマー等で打ち込んで嵌め込む。
これで作業は完了することになる。全作業の中で、木材の連結を補強するための作業は図2、図3で図示した作業部分であるが、どの作業も非常に簡単である。なお本例の場合には、作業後も開口X’が残ってしまうことになる。この開口X’は、本発明者が試作実験したもので直径18mmであり、美観上支障となる場合は少ないと思われる。しかし、これを忌避する場合もあり得るので、以下他の例を述べる。
上記例では、木材W、W’を組んだ後に棒材挿通用孔Xを刻設したが、開口X’を作らない方法の場合、組む前段階で木材W、W’それぞれに棒材挿通用孔Xを刻設しておく。図4(a)乃至(d)がその例であり、本例では棒材挿通用孔Xを、木材Wと木材W’の連結面側から刻設する〔同図(a)〕。即ち棒材挿通用孔Xを刻設してから後に木材W、W’を組むという手順となるわけであるが、組む前に棒材2を片方の木材(本例では木材W)に埋設しておく〔同図(b)〕。そのために当然木材W側に刻設される棒材挿通用孔Xの深さは、少なくとも棒材2の長さ分は必要となる。
そして、木材W、W’を組み、木材W側にあった棒材2を木材W’側に移動させ、二個の円柱状穴Yのいずれにも棒材2の端部が位置するように移動させた段階で、同図(c)の如く楔体3(後述)を嵌め込む。
これで、開口X’の存在しない金物組み込み作業が完了するが、更に、円柱状穴Y部分を木製栓体5で塞ぐと、切削痕の存在しない仕上がりとなる〔同図(d)〕。
図5(a)(b)は、本発明金物1の一例の構造の詳細を示すものであり、断面円形であってその径12mmの棒材2〔同図(a)〕と、円柱を斜めに切断したような形状であり上側が広く下側が狭くなっており下端から上方に向けて幅7mmの切欠溝31を刻設した概形の楔体3〔同図(b)〕とにより成るものである。
棒材2は、その両端近傍位置に幅狭部であるところの切欠部21が設けられている。この切欠部21は両端それぞれに、約25mmの長さで平行な位置関係を以て1対ずつ設けられているが、端部には切欠されていないゾーンがあり、楔体3の移動を規制する係止部22として機能する。本例では、係止部22の長さは約6mm、また、切欠部21間の幅(幅狭部の厚み)は約6mmである。
楔体3の構造の詳細並びにその応用例を、図6(a)乃至(e)にて示す。楔体3は極めて特殊な構造のクサビであり、単に先端が狭く(又は細く)なっているというクサビとして基本的な構造以外に、棒材2の幅狭部(例えば切欠部21)を跨いで設置すべく切欠溝31を有していること、木材にあけられた円柱状穴Yの湾曲した内面に概ね沿う構造・形状であること、という条件を満たす必要がある。更に、木材の収縮等によって本発明金物1に起因する楔体3の緩みを防止するために板バネその他を付設するための固定釘案内切欠32〔板バネ6を留め釘7で留めた状態を同図(d)で示す〕、一旦設置された楔体3を取り外す際の掛止溝33、を有している。また切欠溝31の幅は約7mmであって、棒材2の切欠部21の幅(幅狭部)約6mmより僅かに広い程度であるが、下端は拡開している。これは設置作業時、木材に設けられた円柱状穴Yから突出する棒材2が、円柱状穴Yの円中心に向かう方向からずれている場合に、楔体3の切欠溝31が棒材2の切欠部21を捕捉しやすくするための工夫部分である。また、円柱状穴Yから棒材2が設計寸法よりも長すぎる場合には、楔体3を完全に嵌着しても締め付け力が不足するという事態もあり得る。その場合、楔体3と共に、同図(e)の如き薄座金34を一乃至複数枚嵌め込むようにしても良い。更に楔体3の下端を、自身が円柱状穴Yの底に達した段階で木材内に食いこんでゆけるよう刃状に加工しても良い(図示略)。なお、これらの構造、即ち固定釘案内切欠32、掛止溝33、切欠溝31下端の拡開構造、薄座金34付加、楔体3下端の刃状加工、の存在は、本発明を限定するものではない。
以上の如き構造の本発明金物1の使用状態を図7で示す。構造を明瞭にするため木材に刻設された円柱状穴Yを鎖線で示した以外、木材の描出は省略している。楔体3の切欠溝31に、棒材2の切欠部21が嵌り込んだ状態であり、この状態で楔体3の上面をハンマー等で打ち込むことで、両楔体3・3間に引っ張り荷重が発生し、連結補強が図られることとなる。なお本例の楔体3の半円柱状周面を構成する湾曲面の径は約28mmであり、円柱状穴Yの径約30mmよりも幾分小さい。しかし木材は一般に、楔体3の打ち込みによってある程度変形するものでもあり必ずしも同径又は小径とする必要はなく、例えば32mmの周面径の楔体3を、径30mmの円柱状穴Yに用いても全く支障はない。但し、楔体3の湾曲面形状が円柱状穴Yの内面形状に沿わなくなってしまうと確実な固定が約束されない可能性もあるので、採用し得る径寸法には一定の許容範囲はある。
次に、本発明金物1の構造についての他の例をいくつか示す。
図8(a)(b)(c)は、棒材2の端部付近についての変形例を示すものであり、これまで説明してきたものが断面円柱の棒材に切削加工を加えて切欠部21を形成していたのに対し、端部を変形させて棒材よりも大きな外径寸法とした例〔同図(a)〕、棒材断面形状が正六角形である例〔同図(b)〕、棒材端部がボルトネジとなっておりここにナット23(図ではダブルナット)が固定されている例〔同図(c)〕、である。
これら図示した3例を基に、本発明金物1の棒材2が有する「幅狭部」の概念を説明すると、同図(a)の場合、前図までに説明した係止部22に相当するものは変形端部25であり、それ以外の部分が「幅狭部」に該当する。同図(b)の場合は、前図までに説明した切欠部21・係止部22と同様の構造であり、その切欠部21が「幅狭部」に該当する。(c)の場合は、前図までの係止部22に相当する構造部分はナット23ということになり、それ以外の部分が「幅狭部」に該当する。
或いは、図9(a)の如く、棒材2の一端に金属板24が固着されている構造の本発明金物1も用途によっては好適な構造である。図の金属板24は、棒材2の中心軸方向に対して45度の傾斜角度で固定されており、これを例えば同図(b)の如く火打ち梁W”と木材Wとの連結部分に適用した場合、その作業性は少なくとも図12で示した従来法に比して格段に簡便なものとなる。勿論、木材を本例の如く45度の角度で連結する場合であっても、図5(a)で示した金属板を付帯しない棒材2を用い、二個の円柱状穴Yを作って固定することはできる。なお金属板24を付帯する場合、木材に刻設される円柱状穴Yの設置個数は1個となる。また木材連結の状況によっては、金属板24の固定角度を45度とせず、他の角度(直角も含む)としたものも好適な場合がある(図示略)。
本発明に係る木造連結補強方法を適用せんとする木材の例を示す斜視図である。 図1で示した木材に対して本発明に係る木造連結補強方法を適用している第一段階を示す概略平面図である。 図1で示した木材に対して本発明に係る木造連結補強方法を適用している状態であり、(a)はその第二段階、(c)は最終段階を示す、いずれも概略平面図である。 (a)乃至(d)は、本発明に係る木造連結補強方法の他の例を経時的且つ概略的に示すいずれも概略平面図である。 (a)(b)は、本発明に係る木造建築用継手金物の構成の一例を示すものであり、(a)はその棒材部分、(b)はその楔体部分を示すいずれも概略斜視図である。 (a)乃至(e)は本発明に係る木造建築用継手金物の楔体部分の一例の構造詳細、並びにその応用例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は取付状態の概略側面図、(e)は楔体に付属する部材である薄座金の概略斜視図である。 本発明に係る木造建築用継手金物の使用状態の一例を概略的に示す斜視図である。 (a)(b)(c)は、いずれも本発明に係る木造建築用継手金物の棒材端部構造に関する他の例を示す、全て概略斜視図である。 (a)は本発明に係る木造建築用継手金物の更に他の例を示す概略側面図、(b)はその使用状態の一例を概略的に示す平面図である。 (a)(b)は従来の木造建築用継手金物の一つである羽子板ボルトとその使用方法の一例を示すいずれも斜視図である。 従来の木造建築用継手金物の他の例の使用方法の一例を示す斜視図である。 火打ち梁連結部分における従来の接続補強方法の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 本発明に係る木造建築用継手金物
2 棒材
21 切欠部
22 係止部
23 ナット(ダブルナット)
24 金属板
25 変形端部
3 楔体
31 切欠溝
32 固定釘案内切欠
33 掛止溝
34 薄座金
5 木製栓体
6 板バネ
7 留め釘
X 棒材挿通用孔
X’ 開口
Y 円柱状穴
W 木材
W’ 木材
W” 火打ち梁
9 羽子板ボルト
91 取り付け用プレート
92 ボルト
93 透孔
94 ボルト
95 ナット
96 両ネジボルト
A 木材
B 木材
C 木材

Claims (2)

  1. 2以上の木材の連結部分を補強するための継手金物の組み込み方法であって、該補強方向に沿った棒材挿通用孔、並びに該棒材挿通用孔と連通且つ直交する円柱状穴、を該木材に形成し、次いで端部近傍に幅狭部を有する棒材を該棒材挿通孔に挿通した上で該棒材端部を該円柱状穴に位置させ、該円柱状穴に楔体を、該棒材の幅狭部を跨ぐように嵌合させ締め付けることを特徴とする木材連結補強方法。
  2. 2以上の木材の連結部分を補強するため、該補強方向に沿った棒材挿通用孔並びに該棒材挿通用孔と連通且つ直交する円柱状穴が形成された木材の、該棒材挿通孔並びに該円柱状穴内に組み込み配置される継手金物であって、少なくともその一端近傍位置に幅狭部が形成される棒材、及びこれとは別体の楔体とにより構成されるものであり、該楔体は、木材に刻設された該円柱状穴に概ね沿う円柱を、該円柱の中心軸から傾斜した斜面で切断した形状の半円柱状のものであり、且つ、該棒材の幅狭部よりも広くその端部よりも狭い幅の切欠溝が刻設されたものであることを特徴とする木材連結補強用継手金物。
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