JP2002249450A - 有機基質の酸化方法 - Google Patents

有機基質の酸化方法

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JP2002249450A
JP2002249450A JP2001044752A JP2001044752A JP2002249450A JP 2002249450 A JP2002249450 A JP 2002249450A JP 2001044752 A JP2001044752 A JP 2001044752A JP 2001044752 A JP2001044752 A JP 2001044752A JP 2002249450 A JP2002249450 A JP 2002249450A
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mol
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Shuzo Murata
修三 村田
Nobudai Tani
信大 谷
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Daicel Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作性良く効率的に有機基質を酸化する方法
を提供すること。 【解決手段】 有機基質を、N−ヒドロキシ環状イミ
ド、遷移金属化合物および酸素含有ガスと共に反応系内
に供給しながら、連続式反応により酸化するに際し、反
応系内にN−ヒドロキシ環状イミドをその供給濃度より
高い濃度で含む液を存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機基質を酸素
(本明細書においては、「分子状酸素」を単に「酸素」
という)と接触させることにより、有機基質を酸化する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機基質の酸化方法として、N−
ヒドロキシフタルイミドのようなイミド化合物の存在下
やイミド化合物と金属化合物の存在下に酸素酸化する方
法が開発されている。例えば、特開平8−38909号
公報、特開平9−327626号公報、特開平10−2
86467号公報には、有機基質を、イミド化合物の存
在下やイミド化合物と各種金属化合物の存在下に有機溶
媒中、酸素雰囲気下で反応させる方法が記載されてい
る。また、特開平9−87215号公報、特開平9−1
43109号公報には、シクロヘキサンを、イミド化合
物とルテニウム化合物やコバルト化合物の存在下に無溶
媒で、窒素−酸素混合ガスを流しながら反応させる方法
が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8−38909号公報等の方法では、多量の有機溶
媒を用い容積効率が低いため、酸化生成物の生産性が十
分でなく、イミド化合物の使用量が多いため、コストの
点で満足できるものではない。また、上記特開平9−8
7215号公報等の方法では、転化率が低いため、生産
性が十分でない。さらに、上記いずれの公報の方法も、
回分式反応であるため、操作性や生産性の点で満足でき
るものではない。本発明の目的は、操作性良く効率的に
有機基質を酸化する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、有機基質
を、N−ヒドロキシ環状イミド、遷移金属化合物および
酸素含有ガスと共に反応系内に供給しながら、連続式反
応により酸化する方法について鋭意検討した結果、反応
開始時の仕込液として、N−ヒドロキシ環状イミドをそ
の供給濃度より高い濃度で含む液を用いることにより、
N−ヒドロキシ環状イミドの供給濃度が低くても、有機
基質の酸素酸化を効率的に行うことができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、有機基質を、N−ヒ
ドロキシ環状イミド、遷移金属化合物および酸素含有ガ
スと共に反応系内に供給しながら、連続式反応により酸
化するに際し、反応系内にN−ヒドロキシ環状イミドを
その供給濃度より高い濃度で含む液を存在させることに
より、有機基質を酸化する方法に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる有機基質としては、例えば、炭化水素
類、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類等が挙げら
れ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもでき
る。中でも、炭化水素類やアルコール類が好ましい。
【0007】炭化水素類としては、例えば、ブタン、イ
ソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカンのよ
うな飽和脂肪族非環式炭化水素類;シクロブタン、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シク
ロデカンのような飽和脂肪族環式炭化水素類;ブテン、
イソブチレン、ブタジエン、イソプレンのような不飽和
脂肪族非環式炭化水素類;シクロプロペン、シクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネ
ン、シクロデセンのような不飽和脂肪族環式炭化水素
類;トルエン、キシレン、クメン、シメン、ジイソプロ
ピルベンゼン、テトラリン、インダンのような芳香族炭
化水素類等が挙げられる。
【0008】アルコール類としては、例えば、上記炭化
水素類において、メチル基、メチレン基またはメチリジ
ン基がそれぞれヒドロキシメチル基、ヒドロキシメチレ
ン基またはヒドロキシメチリジン基となった、一価また
は多価の、飽和脂肪族非環式アルコール類、飽和脂肪族
環式アルコール類、不飽和脂肪族非環式アルコール類、
不飽和脂肪族環式アルコール類、芳香族アルコール類等
が挙げられる。
【0009】上記有機基質を、N−ヒドロキシ環状イミ
ド、遷移金属化合物および酸素含有ガスと共に反応系内
に供給しながら、反応液および排ガスを反応系内から抜
き出すことにより、有機基質の酸化反応を連続式で行う
ことができる。
【0010】N−ヒドロキシ環状イミドとしては、例え
ば、置換されていてもよい、N−ヒドロキシフタルイミ
ド、N−ヒドロキシナフタルイミド、N−ヒドロキシマ
レイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド等が挙げら
れ、置換基としては、例えば、アルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。具体的に
は、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシクロ
ロフタルイミド、N−ヒドロキシニトロフタルイミド、
N−ヒドロキシナフタルイミド、N−ヒドロキシクロロ
ナフタルイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒド
ロキシスクシンイミド等が挙げられる。N−ヒドロキシ
環状イミドは、必要に応じてそれらの2種以上を用いて
もよい。N−ヒドロキシ環状イミドの供給量は、有機基
質の供給量に対して、通常0.0001〜0.05モル
%、好ましくは0.001〜0.01モル%の範囲であ
る。
【0011】遷移金属化合物に含まれる遷移金属元素と
しては、例えば、セリウム、チタン、バナジウム、クロ
ム、モリブデン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバル
ト、ロジウム、ニッケル、銅等が挙げられ、中でも、コ
バルト、セリウム、マンガンが好ましい。また、遷移金
属化合物の種類としては、例えば、酸化物、有機酸塩、
無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセ
トナートのような錯体、オキソ酸やその塩、イソポリ酸
やその塩、ヘテロポリ酸やその塩等が挙げられる。遷移
金属化合物は、必要に応じてそれらの2種以上を用いる
こともできる。遷移金属化合物の供給量は、有機基質の
供給量に対して、通常0.00001〜0.01モル
%、好ましくは0.0001〜0.01モル%の範囲で
ある。
【0012】酸素含有ガスとしては、酸素、空気、また
は酸素もしくは空気を窒素やヘリウムのような不活性ガ
スで希釈したものを用いることができる。酸素含有ガス
中の酸素濃度は、通常5〜30容量%、好ましくは10
〜25容量%の範囲である。また、酸素含有ガスの供給
量は、有機基質の供給量に対して、酸素として、通常1
〜50モル%、好ましくは1〜20モル%の範囲であ
る。
【0013】酸素含有ガスの供給は、通常、反応系内の
液中に、酸素含有ガスの気泡を分散させるように行わ
れ、例えば、ガス導入管を用いてもよいし、反応器に吹
き出し孔を設けてもよい。気泡径の大きさは適宜選択さ
れるが、反応速度を高める観点からは、気泡径を小さく
し、好ましくは1mm以下にするのがよい。
【0014】本発明においては、上記連続式酸化反応開
始時に、仕込液(スタートアップ液)としてN−ヒドロ
キシ環状イミドを含む液を反応系内に存在させ、該液中
のN−ヒドロキシ環状イミドの濃度を、N−ヒドロキシ
環状イミドの供給濃度、すなわち供給される有機基質、
N−ヒドロキシ環状イミドおよび遷移金属化合物ならび
に必要に応じて供給される他の成分の和に対する供給さ
れるN−ヒドロキシ環状イミドの割合、より高くしてお
く。このようにすることにより、N−ヒドロキシ環状イ
ミドの供給濃度が低い、すなわちN−ヒドロキシ環状イ
ミドの使用量が少なくても、有機基質の酸素酸化を効率
的に行うことができ、対応する酸化生成物を生産性良く
製造することができる。
【0015】上記仕込液中のN−ヒドロキシ環状イミド
の濃度は、転化率と選択率のバランスの観点から、N−
ヒドロキシ環状イミドの供給濃度の通常5〜100倍、
好ましくは5〜50倍の範囲である。また、仕込液中の
N−ヒドロキシ環状イミドの濃度は、通常0.0000
6〜0.06モル/kg、好ましくは0.0006〜
0.06モル/kgの範囲であり、N−ヒドロキシ環状
イミドの供給濃度は、通常0.000006〜0.00
6モル/kg、好ましくは0.00006〜0.006
モル/kgの範囲である。
【0016】反応温度は、通常90〜150℃、好まし
くは100〜140℃の範囲であり、反応圧力は、通常
0.1〜3MPa、好ましくは0.1〜2MPaの範囲
であり、反応時間(滞留時間)は、通常0.1〜2時
間、好ましくは0.5〜2時間の範囲である。
【0017】排ガス中の酸素濃度は、選択性や安全性の
観点から、通常0.01〜10容量%、好ましくは0.
01〜8容量%の範囲とするのがよい。また、供給する
酸素含有ガス中の酸素濃度に対する、排ガス中の酸素濃
度の比は、通常0.0004〜0.5の範囲である。
【0018】反応後の後処理操作としては、例えば、濾
過、濃縮、洗浄、アルカリ処理、酸処理等が挙げられ、
必要に応じてそれらの2種以上が組み合わせて採用され
る。例えば、アルカリ処理をすることにより、アルコー
ル類とカルボン酸類とからなるエステル類をケン化して
アルコール類およびカルボン酸類を再生できると共に、
ヒドロペルオキシド類をケトン類やアルコール類に変換
することができる。また、精製操作としては、通常、蒸
留や晶析が採用される。
【0019】上記本発明の酸化方法で、炭化水素類、ア
ルコール類、ケトン類、アルデヒド類等の有機基質を酸
化することにより、対応する酸化生成物として、ケトン
類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類、アルデヒド
類、カルボン酸類等の含酸素有機化合物を製造すること
ができる。
【0020】例えば、炭化水素類の酸化により、対応す
るケトン類として、該炭化水素類の有するメチレン基が
カルボニル基となった化合物等を、対応するアルコール
類として、該炭化水素類の有するメチル基、メチレン基
またはメチリジン基がそれぞれヒドロキシメチル基、ヒ
ドロキシメチレン基またはヒドロキシメチリジン基とな
った化合物等を、対応するヒドロペルオキシド類とし
て、該炭化水素類の有するメチル基、メチレン基または
メチリジン基がそれぞれヒドロペルオキシメチル基、ヒ
ドロペルオキシメチレン基またはヒドロペルオキシメチ
リジン基となった化合物等を、対応するアルデヒド類と
して、該炭化水素の有するメチル基がホルミル基となっ
た化合物等を、対応するカルボン酸類として、該炭化水
素の有するメチル基がカルボキシル基となった化合物
や、炭化水素類が環式炭化水素類である場合には、炭素
−炭素結合が開裂して両炭素がカルボキシル基となった
化合物(ジカルボン酸類)等を製造することができる。
【0021】また、アルコール類の酸化により、対応す
るケトン類として、該アルコール類の有するヒドロキシ
メチレン基がカルボニル基となった化合物等を、対応す
るアルデヒド類として、該アルコール類の有するヒドロ
キシメチル基がホルミル基となった化合物等を、対応す
るカルボン酸類として、該アルコール類の有するヒドロ
キシメチル基がカルボキシル基となった化合物や、アル
コール類が環式アルコール類である場合には、炭素−炭
素結合が開裂して両炭素がカルボキシル基となった化合
物(ジカルボン酸類)等を製造することができる。
【0022】中でも、本発明の酸化方法は、炭化水素類
を原料としてケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキ
シド類およびカルボン酸類から選ばれる少なくとも1種
を製造する方法や、アルコール類を原料としてケトン類
およびカルボン酸類から選ばれる少なくとも1種を製造
する方法に好適に用いることができる。
【0023】具体的には、例えば、シクロヘキサンを原
料としてシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シク
ロヘキシルヒドロペルオキシドおよびアジピン酸から選
ばれる少なくとも1種を製造する方法や、シクロヘキサ
ノールを原料としてシクロヘキサノンおよび/またはア
ジピン酸を製造する方法が挙げられる。
【0024】シクロヘキサンからシクロヘキサノン、シ
クロヘキサノール、シクロヘキシルヒドロペルオキシド
およびアジピン酸から選ばれる少なくとも1種を製造す
る方法においては、反応を促進させ生産性を向上させる
観点から、シクロヘキサン、N−ヒドロキシフタルイミ
ドおよび遷移金属化合物と共に、シクロヘキサノンを供
給しながら反応を行うのが好ましく、この場合、シクロ
ヘキサノンの供給量は、シクロヘキサンの供給量100
重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは
0.2〜5重量部の範囲である。また、シクロヘキサノ
ンに変えて、またはシクロヘキサノンに加えてシクロヘ
キサノールを供給することにより、シクロヘキサンの酸
化に併せてシクロヘキサノールの酸化を行うことがで
き、この場合、シクロヘキサノールの供給量は、シクロ
ヘキサンの供給量100重量部に対し、通常0.1〜1
5重量部、好ましくは0.2〜10重量部の範囲であ
る。シクロヘキサノンおよび/またはシクロヘキサノー
ルは、反応で生成したものを循環させてもよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、酸素濃度10.
5容量%の酸素含有ガスは、空気を窒素で希釈すること
により調製し、酸素含有ガスの吹き込みは、ガス導入管
により行った。ガスの排出は、冷却管および保圧弁を介
して行い、冷却管の冷媒には8℃の水を用いた。また、
シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノー
ルおよびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの分析は、
ガスクロマトグラフィーにより行い、アジピン酸の分析
は、イオンクロマトグラフィーにより行い、これらの分
析結果に基づいて、シクロヘキサンの転化率、シクロヘ
キサノン、シクロヘキサノールおよびシクロヘキシルヒ
ドロペルオキシドの合計収率ならびにアジピン酸の収率
を算出した。
【0026】実施例1 1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン
262.5g(3.1モル)、N−ヒドロキシフタルイ
ミド1.35g(0.0082モル)、オクチル酸コバ
ルト0.017g(0.00005モル)およびシクロ
ヘキサノール13.4g(0.134モル)を入れ、窒
素雰囲気下、圧力1.05MPa、温度130℃に調整
した。仕込液中の、シクロヘキサンの濃度は94重量
%、シクロヘキサノールの濃度は5重量%、N−ヒドロ
キシフタルイミドの濃度は0.5重量%(0.031モ
ル/kg)、オクチル酸コバルトの濃度は59重量pp
m(コバルトとして10重量ppm)となる。
【0027】この中に、該圧力および温度を維持しなが
ら、酸素濃度10.5容量%の酸素含有ガスを400m
l/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを
空気200ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて4
50ml/分とし、切り替えと同時に、76重量ppm
のオクチル酸コバルト(コバルトとして13重量pp
m)を含むシクロヘキサンを4.0g/分で、ならびに
0.25重量%のN−ヒドロキシフタルイミドおよび2
4.7重量%のシクロヘキサノールを含むシクロヘキサ
ンを1.1g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力お
よび温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液
を抜き出し、滞留時間1時間で連続的に5時間反応させ
た。供給液全体における、シクロヘキサンの濃度は9
4.4重量%、シクロヘキサノールの濃度は5.3重量
%、N−ヒドロキシフタルイミドの濃度は0.05重量
%(0.0031モル/kg)、オクチル酸コバルトの
濃度は59重量ppm(コバルトとして10重量pp
m)となる。
【0028】反応液を分析した結果、シクロヘキサノン
の濃度は3.3重量%、シクロヘキサノールの濃度は
5.4重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃
度は0.5重量%、アジピン酸の濃度は0.8重量%で
あり、シクロヘキサンの転化率は4.6%、シクロヘキ
サノン、シクロヘキサノールおよびシクロヘキシルヒド
ロペルオキシドの合計収率は3.5%(選択率75.3
%)、アジピン酸の収率は0.5%(選択率11.2
%)であった。
【0029】実施例2 1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン
252.5g(3モル)、N−ヒドロキシフタルイミド
1.35g(0.0082モル)、オクチル酸コバルト
0.017g(0.00005モル)およびシクロヘキ
サノン13.4g(0.137モル)を入れ、窒素雰囲
気下、圧力1.05MPa、温度130℃に調整した。
仕込液中の、シクロヘキサンの濃度は94重量%、シク
ロヘキサノンの濃度は5重量%、N−ヒドロキシフタル
イミドの濃度は0.5重量%(0.031モル/k
g)、オクチル酸コバルトの濃度は59重量ppm(コ
バルトとして10重量ppm)となる。
【0030】この中に、該圧力および温度を維持しなが
ら、酸素濃度10.5容量%の酸素含有ガスを400m
l/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを
空気200ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて6
00ml/分とし、切り替えと同時に、76重量ppm
のオクチル酸コバルト(コバルトとして13重量pp
m)を含むシクロヘキサンを4.0g/分で、ならびに
0.25重量%のN−ヒドロキシフタルイミドおよび2
4.7重量%のシクロヘキサノンを含むシクロヘキサン
を1.0g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力およ
び温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液を
抜き出し、滞留時間1時間で連続的に5時間反応させ
た。供給液全体における、シクロヘキサンの濃度は95
重量%、シクロヘキサノンの濃度は5.1重量%、N−
ヒドロキシフタルイミドの濃度は0.05重量%(0.
0031モル/kg)、オクチル酸コバルトの濃度は5
9重量ppm(コバルトとして10重量ppm)とな
る。
【0031】反応液を分析した結果、シクロヘキサノン
の濃度は7.6重量%、シクロヘキサノールの濃度は
2.5重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃
度は0.4重量%、アジピン酸の濃度は1.2重量%で
あり、シクロヘキサンの転化率は6.7%、シクロヘキ
サノン、シクロヘキサノールおよびシクロヘキシルヒド
ロペルオキシドの合計収率は4.9(選択率72.4
%)、アジピン酸の収率は0.7%(選択率11.1
%)であった。
【0032】比較例1 1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン
252.5g(3モル)、N−ヒドロキシフタルイミド
0.13g(0.00082モル)、オクチル酸コバル
ト0.017g(0.00005モル)、シクロヘキサ
ノン2.8g(0.029モル)およびシクロヘキサノ
ール13.4g(0.134モル)を入れ、窒素雰囲気
下、圧力1.05MPa、温度130℃に調整した。仕
込液中の、シクロヘキサンの濃度は94重量%、シクロ
ヘキサノンの濃度は4重量%、シクロヘキサノールの濃
度は1重量%、N−ヒドロキシフタルイミドの濃度は
0.05重量%(0.0031モル/kg)、オクチル
酸コバルトの濃度は59重量ppm(コバルトとして1
0重量ppm)となる。
【0033】この中に、該圧力および温度を維持しなが
ら、酸素濃度10.5容量%の酸素含有ガスを400m
l/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを
空気200ml/分に切り替え、切り替えと同時に、7
6重量ppmのオクチル酸コバルト(コバルトとして1
3重量ppm)を含むシクロヘキサンを4.0g/分
で、ならびに0.25重量%のN−ヒドロキシフタルイ
ミドおよび24.7重量%のシクロヘキサノールを含む
シクロヘキサンを1.0g/分で供給開始し、引き続き
上記の圧力および温度を維持しながら供給速度とほぼ等
速度で反応液を抜き出し、滞留時間1時間で連続的に5
時間反応させた。供給液全体における、シクロヘキサン
の濃度は94.6重量%、シクロヘキサノンの濃度は
5.1重量%、N−ヒドロキシフタルイミドの濃度は
0.05重量%(0.0031モル/kg)、オクチル
酸コバルトの濃度は59重量ppm(コバルトとして1
0重量ppm)となる。
【0034】反応液を分析した結果、シクロヘキサノン
の濃度は1.7重量%、シクロヘキサノールの濃度は
4.9重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃
度は0.6重量%、アジピン酸の濃度は0.2重量%で
あり、シクロヘキサンの転化率は2.1%、シクロヘキ
サノン、シクロヘキサノールおよびシクロヘキシルヒド
ロペルオキシドの合計収率は1.9(選択率88.2
%)、アジピン酸の収率は0.1%(選択率5.6%)
であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、各種有機基質を操作性
良く効率的に酸素酸化することができ、対応する酸化生
成物として各種含酸素有機化合物を生産性良く製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/403 C07C 49/403 A 51/215 51/215 55/14 55/14 409/14 409/14 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 谷 信大 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC40 AC41 AC44 AC46 BA05 BA08 BA10 BA12 BA14 BA16 BA19 BA20 BA21 BA23 BA24 BA30 BA32 BA37 BA45 BA51 BD20 BE30 BS10 FC22 FE12 4H039 CA60 CA62 CA64 CA65 CC40 CC60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機基質を、N−ヒドロキシ環状イミド、
    遷移金属化合物および酸素含有ガスと共に反応系内に供
    給しながら、連続式反応により酸化するに際し、反応系
    内にN−ヒドロキシ環状イミドをその供給濃度より高い
    濃度で含む液を存在させることを特徴とする有機基質の
    酸化方法。
  2. 【請求項2】有機基質が炭化水素類またはアルコール類
    である請求項1記載の酸化方法。
  3. 【請求項3】有機基質を請求項1記載の方法で酸化する
    含酸素有機化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】有機基質が炭化水素類であり、含酸素有機
    化合物がケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド
    類およびカルボン酸類から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】有機基質がアルコール類であり、含酸素有
    機化合物がケトン類およびカルボン酸類から選ばれた少
    なくとも1種である請求項3記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006248951A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Daicel Chem Ind Ltd 脂肪族飽和カルボン酸の製造法
US10005718B2 (en) 2014-02-07 2018-06-26 Sumitomo Chemical Company, Limited Catalyst, and method for producing oxidation product
CN109456167A (zh) * 2018-12-20 2019-03-12 福州大学 一种使用微通道反应器由环己酮合成己二酸的方法

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