JP2004533477A - 飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及びカルボン酸の製造法 - Google Patents
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Abstract
出発化合物として不飽和炭化水素を使用し、触媒として、式Iの化合物を使用し、まず第一に、前記不飽和炭化水素を、酸素含有ガスを用いて触媒の使用下にラジカル開始剤の存在で酸化させる、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及びカルボン酸の製造法において、酸化生成物を引き続く水素添加により還元し、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はケトンを形成させることを特徴とする、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及びカルボン酸の製造法。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、不飽和炭化水素の接触酸化及び酸化生成物の引き続く水素添加による、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド又はカルボン酸の製造法に関する。
【0002】
炭化水素の酸化は工業有機化学における重要な反応の1つである。該酸化のために、KMnO4、CrO3又はHNO3といった化合物を酸化剤として使用することができる。しかしながら前記化合物は、一方で比較的高価であるという欠点を有しており、他方で、その使用が、廃棄物処理の問題及び環境への負荷を招き得る不所望の副生成物をもたらす。
【0003】
従って有利に、過酸化物又はN2Oをベースとする酸化剤が使用される。しかしながら有用な酸化剤は、純粋な形か又は空中酸素としてのいずれかの分子酸素である。しかしながら、単独で取得された酸素は炭化水素の酸化のためには大抵不適当であり、それというのも、エネルギー的に有利な三重項の形で存在するO2分子の反応性は不十分であるからである。
【0004】
レドックス金属触媒を使用することにより、分子酸素を有機化合物の酸化に利用することが可能となる。一連の工業的方法は、金属触媒を用いた炭化水素の自動酸化をベースとしている。例えば、O2を用いた、シクロヘキサノール又はシクロヘキサノンへのシクロヘキサンの酸化は、マンガン塩又はコバルト塩の使用下に行われる(”Industrielle Organische Chemie”1994, 260, VCH Verlagsgesellschaft mbH Weinheim)。この工業的方法はラジカル連鎖機序に基づいている。この場合、ペルオキシラジカルが形成され、引き続きもう1つの炭化水素上でのH原子の引抜により鎖が延長されながら、ジラジカル酸素は炭化水素ラジカルと反応する。しかしながら、金属塩に加えて有機分子もラジカル開始剤として作用し得る。
【0005】
前記方法の場合、転化率の上昇に伴って選択率が極めて強度に低下するため、処理を低い転化率レベルで行わねばならないことは不利である。例えば、シクロヘキサノール/シクロヘキサノンへのシクロヘキサンの酸化を10〜12%の転化率で実施した場合、選択率は80〜85%である(”Industrielle Organische Chemie”1994, 261, VCH Verlagsgesellschaft mbH Weinheim)。クメンヒドロペルオキシドへのクメンの酸化のもう1つの重要な工業的自動酸化プロセスにおいて、クメンヒドロペルオキシドの選択率が約90%の場合、転化率は約30%である(”Industrielle Organische Chemie” 1994, 383, VCH Verlagsgesellschaft mbH Weinheim)。
【0006】
金属触媒に対する1つの代替物は、触媒系、例えばN−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)の使用である。しかしながら前記方法の場合の反応速度は、触媒が多量(基質に対して等モルの割合まで)であるにもかかわらず満足のいくものではない(J. Mol. Catalysis A. 1997, 117, 123-137)。US5030739には、相応するアクロレイン化合物へのイソプレン誘導体のアリル酸化に、N−ヒドロキシジカルボン酸イミドを使用することが記載されている。
【0007】
一般に、基質に対して少なくとも10モル%の割合の量の触媒が使用され、その際、より多量の触媒が反応速度を上昇させるために使用される(J. Org. Chem. 1995, 60, 3934-3935)。
【0008】
系のもう1つの拡張は、共触媒の使用である。共触媒として、金属化合物、殊に重金属塩、酵素又は強ブレンステッド酸を使用することができる。例えばIshiiらにより、共触媒としてNHPIを金属塩と一緒に用いた酸化は、NHPIを用いるが金属塩を用いない酸化に対して利点を有し得ることが示された(例えばEP0878234、EP0864555、EP0878458、EP0858835、JP11180913、J. Mol. Catalysis A. 1997, 117, 123-137)。しかしながらこの系において、ここでも、不所望の重金属含量に加え、使用される多量のNHPIは不利である。満足のいく反応速度を保証するためには、少なくとも10モル%の触媒を使用しなければならない。更に、使用したレドックス金属は、生成物の部分的に進行する反応を触媒し、反応の選択率を低下させることが不利である。
【0009】
共触媒なしで触媒のみを使用する方法も公知である。しかしながらこの方法は殊に活性化された基質、例えばエーテル、エステル又はイソプレン誘導体の酸化に限られている。
【0010】
もう1つの変法は、NHPIをアルコール又はアルデヒドと一緒に使用することである(Chem. Commun. 1999, 727-728, Tetrahedron Letters 1999, 40, 2165-2168, Chem. Commun. 1997, 447-448)。この方法において、カップリング生成物の形成及び使用した高い触媒−基質−比(10モル%)は不利である。
【0011】
DE19723890には、芳香族及び複素芳香族アルデヒド及びケトンを製造するための、有機触媒(3−アミノ−NHPI)とレドックス酵素ラッカーゼとから成る酸化系が記載されている。ここでも触媒の使用量は非常に多い。それに加え、この方法は酵素の使用により生物学的に必要な緩衝系を有する複雑な反応系を有しており、これはこの系の幅広い使用可能性を制限するものである。しかしながら、オレフィンの酸化のためにNHPIを使用し、引き続き水素添加することは、従来記載されていない。
【0012】
本発明の対象は、不飽和炭化水素を酸化によって飽和アルコール、アルデヒド又はケトンへと選択的に変換することである。これに関して、殊に重金属塩、例えばコバルトアセテートを使用しないことが好ましい。
【0013】
驚異的にも、以下
【0014】
【化1】
の型の化合物を、不飽和炭化水素のアリル酸化のために使用することができること、並びに、酸化の際に形成された異性体の数を減少させることにより、酸素で官能化された飽和生成物を高い選択率で製造することができるようにするためには、酸化生成物を引き続き水素添加することで十分であることが見出された。
【0015】
従って本発明の対象は、出発化合物として不飽和炭化水素を使用し、触媒として、式I
【0016】
【化2】
[式中、R1、R2はH、脂肪族又は芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はその都度1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、SO3H、NH2、OH、F、Cl、Br、I及び/又はNO2であるが、但しR1及びR2は同じ基か又は異なる基を示すか、又はR1及びR2は共有結合を介して互いに結合されていてよく、
Q1、Q2は同じか又は異なっており、C、CH又はNであり、
X、ZはC、S又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、
lは0、1又は2であり、かつ
mは1〜100である]
の化合物を使用し、まず第一に、前記不飽和炭化水素を、酸素含有ガスを用いて触媒の使用下にラジカル開始剤の存在で酸化させて酸化生成物に変換する、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸の製造法において、酸化生成物を引き続く水素添加により還元し、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はカルボン酸を形成させることを特徴とする、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸の製造法である。
【0017】
本発明による方法は、共触媒、重金属又は強酸なしでも、酸化により、不飽和炭化水素を反応させてアルコール、アルデヒド及びケトンに変換することができるという利点を有する。上記触媒を用いた酸化と、引き続く酸化生成物の水素添加とを組み合わせることのもう1つの利点は、酸化の際に形成された異性体の数を減少させることにより、酸素で官能化された飽和生成物を高い選択率で得ることができるという点にある。これは、本発明による、酸化と水素添加との組み合わせにより初めて可能となる。引き続く水素添加を行わない公知技術水準による酸化の場合、困難を伴ってのみ後処理が可能である異性体混合物が得られる。
【0018】
飽和アルコール、ケトン、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸の本発明による製造法は、出発化合物として不飽和炭化水素を使用し、触媒として、式I
【0019】
【化3】
[式中、R1、R2はH、脂肪族又は芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はその都度1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、SO3H、NH2、OH、F、Cl、Br、I及び/又はNO2であるが、但しR1及びR2は同じ基か又は異なる基を示すか、又はR1及びR2は共有結合を介して互いに結合されていてよく、
Q1、Q2は同じか又は異なっており、C、CH又はNであり、
X、ZはC、S又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、
lは0、1又は2であり、かつ
mは1〜100である]
の化合物を使用し、まず第一に、前記不飽和炭化水素を、酸素含有ガスを用いて触媒の使用下にラジカル開始剤の存在で酸化させ、酸化生成物を引き続く水素添加により還元し、それにより、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はカルボン酸を形成させるという点で優れている。
【0020】
式Iの化合物のための例は、N−ヒドロキシフタルイミド、4−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、3−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラブロモ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラクロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシヘトイミド、N−ヒドロキシヒムイミド(Hydroxyhimimid)、N−ヒドロキシトリメリットイミド、N−ヒドロキシ−ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸イミド、N,N’−ジヒドロキシ−ピロメリット酸ジイミド、N,N’−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン−3,3’,4,4’テトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒドロキシ−ピリジン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシ酒石酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボネン−2,3−ジカルボン酸イミド、エキソ−N−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]−へプト−5−エン−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−シス−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ヒドロキシナフタル酸イミド−ナトリウム塩又はN−ヒドロキシ−o−ベンゼンジスルホンイミド、ヒダントイン及びヒダントインの誘導体並びにN−ヒドロキシサッカリンである。
【0021】
本発明による方法では、金属化合物又は酵素を共触媒として使用しない。該方法は塊状で実施することができるが、しかしながら該方法を有機溶剤中で強酸の不在下で実施することは有利であり、pH値が弱酸から塩基性の範囲内で変動し得る水溶液を使用することも同様に可能である。
【0022】
有利に、酸化すべき炭化水素、即ち飽和及び/又は不飽和環式炭素水素に対する触媒のモル比が10−8〜1、有利に10−7〜0.5、極めて殊に有利に10−6〜0.2であり、特別な実施態様において10−3〜0.1となるように酸化を実施する。
【0023】
本発明による方法の特別な実施態様において、式Iの化合物の誘導体又は特別な形を使用することもできる。
【0024】
有利に、式II
【0025】
【化4】
[式中、R1、R2、X、Y、Z、k及びlは式Iの化合物のために定義された意味を有する]
の触媒、即ち、QがCでありかつmが1である式Iによる化合物を使用する。
【0026】
極めて殊に有利に、式III
【0027】
【化5】
[式中、R1、R2、R3及びR4はH、脂肪族又は芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はその都度1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、SO3H、NH2、OH、F、Cl、Br、I及び/又はNO2であるが、但しR1、R2、R3及びR4は同じ基か又は異なる基を示してよく
X、ZはC、S及び/又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、かつ
lは0、1又は2であるが、但し、k及びlは同時に値0をとってはならない]
の触媒を使用する。
【0028】
本発明による酸化は、有利に液相中で0〜300℃の温度で、有利に50〜200℃の温度で行われる。この場合、溶剤又は溶剤混合物のみならず酸化すべき化合物自体を溶剤として使用することができる。
【0029】
酸化すべき化合物は、通常炭化水素の群に属する。本発明による方法を用いて、多数の不飽和有機化合物、例えば、3〜25個の炭素原子数を有する、直鎖及び分枝鎖アルケン、ジエン及びトリエン、並びに、5〜25個の環数を有する、置換された及び置換されていないシクロアルケン、置換された及び置換されていない環式ジエン、並びに置換された及び置換されていないトリエンを酸化し、引き続き水素添加し、その際、高い選択率で、相応するアルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はカルボン酸が生じる。当然のことながら、酸化すべき化合物はヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄を鎖又は環中に含有してよい。殊に本発明による方法は、環式炭化水素、例えばシクロヘキセン、シクロヘキサジエン、置換された不飽和C6環、シクロヘプテン、シクロへプタジエン、置換された不飽和C7環、シクロオクテン、シクロオクタジエン、置換された不飽和C8環、シクロノネン、シクロノナジエン、置換された不飽和C9環、シクロデセン、シクロデカジエン、置換された不飽和C10環、シクロウンデセン、シクロウンデカジエン、置換された不飽和C11環、シクロドデセン、シクロドデカジエン、シクロドデカトリエン、置換された不飽和C12環、シクロペンタデセン、シクロペンタデカジエン、シクロペンタデカトリエン、置換された不飽和C15環、トリビニルシクロヘキサン又はトリビニルシクロヘキセンの酸化のために使用することができる。
【0030】
上記の化合物の本発明によるアリル酸化により複数の化合物の混合物が生じる。例えば、ガスクロマトグラフィーを用いた酸化生成物の分析により、数多くの化合物が示される。しかしながら化合物の数並びに化合物自体は本発明において本質的ではなく、それというのも、酸化生成物はアルコール、ケトン、アルデヒド又はカルボン酸の製造における単なる中間生成物に過ぎないからである。酸化生成物は水素添加へと供給される。驚異的にも、水素添加生成物は高い選択率で、水素添加の前よりも少ない化合物を有する。
【0031】
反応混合物は、ラジカルでさえあるか又はラジカルの形成下に分解するラジカル開始剤、例えばペルオキシ化合物又はアゾ化合物を含有してもよい。このような化合物のための例は、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシド、シクロドデシルベンゼンヒドロペルオキシド、エチルベンゼンヒドロペルオキシド、1,4−ジ(2−ネオデカノイル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、クミルペルオキシネオデカノエート、ジシクロヘキシルペルオキシジカルボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジミリスチルペルオキシジカルボネート、ジセチルペルオキシジカルボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t.ブチルペルオキシピバレート、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソノナノエート、2,2’−ジ−t−ブチルペルオキシブタン、ジ−t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジベンゾイルペルオキシド、1,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシエチルヘキシルカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、シクロヘキシルヒドロペルオキシドである。当然のことながら、中間形成された過酸化物及び殊にアゾ化合物をラジカル開始剤として使用することもできる。
【0032】
有利に、2級又は3級炭素原子に結合された酸素原子を含有するラジカル開始剤が使用される。殊に有利に、最終生成物に由来し、かつ1又は3級炭素原子に結合された少なくとも1個の酸素原子を含有するラジカル開始剤が使用される。アゾ開始剤は極めて殊に有利である。ラジカル開始剤を分割して添加するか、又は上記の通り反応の間に中間で製造することができる。ラジカル開始剤は、反応容器を絶対的に清浄化することができない場合、わずかな量で、先行する反応からなお反応器中に存在していてもよい。
【0033】
本発明による方法におけるラジカル開始剤の濃度は、反応の開始時にはしばしば触媒の濃度よりも低い。しかしながら、反応の過程でラジカル開始剤の中間形成が生じ得り、従ってラジカル開始化合物の濃度は反応の過程で上昇し得ることに留意しなければならない。
【0034】
形成された酸化生成物は、原則的にそのようなものとして単離することができるが、本発明によれば直接引き続き水素添加を行うのが規則である。これは同一の反応容器内で行われるか、又は第2の工程として別個の反応容器内で行われる。
【0035】
本発明による方法は、バッチ式にも連続的にも実施することができる。
【0036】
本発明による方法は、酸化剤としての酸素含有ガスの使用下に実施することができる。ガス中の酸素の含量は5〜100体積%であってよい。有利に、空中酸素又は純粋な酸素を酸化剤として使用する。いかなる場合においても、液状及びガス状の相を緊密に混合することに留意しなければならない。これは例えば撹拌容器内で、相応する撹拌速度により、又は内蔵物により、並びに、充填物要素又及び泡鐘塔を備えた管型反応器内で達成することができる。
【0037】
本発明による方法は、大気圧下でも、100バールまでの高められた圧力下でも実施することができる。1バール〜50バールの圧力は有利であり、1バール〜20バールの圧力は殊に有利である。
【0038】
水素添加を、水素を用いて、例えば相応する反応容器内で、100バールまで、有利に50バールまで、極めて殊に有利に20バールまで、特別な実施態様においては10バールまでの高められた圧力下で、適当な触媒、例えば所謂Ru/C触媒(Engelhard Corp., 101 Wood Av., Iselin, N.J. 08830-0770)を使用しながら実施する。水素添加のために、酸化触媒を酸化生成物の水素添加の前に分離することは有利であり得る。この分離は種々の方法により、例えば膜を使用することにより、又は触媒が不溶性である溶剤を添加し、引き続き相分離させることにより行うことができる。この種の溶剤は例えば塩素化炭化水素、例えば三塩化炭化水素である。当然のことながら、上記水素添加触媒のみならず、この目的のために提供されている数多くの市販の触媒を使用することができる。有利に、Engelhard社のRu/C触媒が使用される。基質に対して、10−5〜102モル%、殊に有利に10−3〜20モル%、極めて殊に有利に10−2〜10モル%の触媒が使用される。水素添加を0〜500℃の温度で実施し、その際、20〜300℃の温度は有利であり、40〜200℃の温度は極めて殊に有利である。
【0039】
以下の実施例により本発明による方法を詳説するが、但し本発明はこの方法に限定されるものではない。
【0040】
省略:
PhCN=ベンゾニトリル
NHPI=N−ヒドロキシフタルイミド
V−65=2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
V−70=2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
DCP=ジベンゾイルペルオキシド
CDT=シクロドデカトリエン
【実施例】
【0041】
実施例1(本発明による)
CDT2ミリモル、アセトン5ml、NHPI 8モル%、V−70 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で、¥50℃の温度で5時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%を使用しながら、実験室用オートクレーブ中で10バールの圧力及び100℃の温度で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率15%で、98%の選択率で、シクロドデカノン及びシクロドデカノールが約1:1の割合で得られる。
【0042】
実施例2(本発明による)
CDT2ミリモル、PhCN 5ml、NHPI 4モル%、V−65 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で70℃の温度で24時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%を用いて、実験室用オートクレーブ中で15バールの圧力及び100℃の温度で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率55%で、81%の選択率で、シクロドデカノン及びシクロドデカノールが約1:1の割合で得られる。
【0043】
実施例3(本発明による、塊状で)
CDT2ミリモル、(溶剤としての)CDT4ml、NHPI 2モル%、DBP 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で、50℃の温度で6時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%を用いて実験室用オートクレーブ中で8バールの圧力及び100℃の温度で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率22%で(全体で、従って溶剤としてのCDTも含めて)、79%の選択率で、シクロドデカノン及びシクロドデカノールが約1:1の割合で得られる。
【0044】
実施例4(本発明によらない、NHPIなしで)
CDT2ミリモル、アセトン5ml、V−70 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で、50℃の温度で5時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%用いて、実験室用オートクレーブ中で8バールの圧力で100℃で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率4%で、12%の選択率で、1:1のシクロドデカノン/シクロドデカノール混合物が得られる。
【0045】
実施例5(本発明によらない、コバルト触媒を用いて)
CDT2ミリモル、PhCN 5ml、NHPI 4モル%及び酢酸Co(II)4モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で70℃の温度で24時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%用いて実験室用オートクレーブ中で8バールの圧力で100℃で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率67%で、6%の選択率で、シクロドデカノン/シクロドデカノール混合物が得られる。
【0001】
本発明は、不飽和炭化水素の接触酸化及び酸化生成物の引き続く水素添加による、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド又はカルボン酸の製造法に関する。
【0002】
炭化水素の酸化は工業有機化学における重要な反応の1つである。該酸化のために、KMnO4、CrO3又はHNO3といった化合物を酸化剤として使用することができる。しかしながら前記化合物は、一方で比較的高価であるという欠点を有しており、他方で、その使用が、廃棄物処理の問題及び環境への負荷を招き得る不所望の副生成物をもたらす。
【0003】
従って有利に、過酸化物又はN2Oをベースとする酸化剤が使用される。しかしながら有用な酸化剤は、純粋な形か又は空中酸素としてのいずれかの分子酸素である。しかしながら、単独で取得された酸素は炭化水素の酸化のためには大抵不適当であり、それというのも、エネルギー的に有利な三重項の形で存在するO2分子の反応性は不十分であるからである。
【0004】
レドックス金属触媒を使用することにより、分子酸素を有機化合物の酸化に利用することが可能となる。一連の工業的方法は、金属触媒を用いた炭化水素の自動酸化をベースとしている。例えば、O2を用いた、シクロヘキサノール又はシクロヘキサノンへのシクロヘキサンの酸化は、マンガン塩又はコバルト塩の使用下に行われる(”Industrielle Organische Chemie”1994, 260, VCH Verlagsgesellschaft mbH Weinheim)。この工業的方法はラジカル連鎖機序に基づいている。この場合、ペルオキシラジカルが形成され、引き続きもう1つの炭化水素上でのH原子の引抜により鎖が延長されながら、ジラジカル酸素は炭化水素ラジカルと反応する。しかしながら、金属塩に加えて有機分子もラジカル開始剤として作用し得る。
【0005】
前記方法の場合、転化率の上昇に伴って選択率が極めて強度に低下するため、処理を低い転化率レベルで行わねばならないことは不利である。例えば、シクロヘキサノール/シクロヘキサノンへのシクロヘキサンの酸化を10〜12%の転化率で実施した場合、選択率は80〜85%である(”Industrielle Organische Chemie”1994, 261, VCH Verlagsgesellschaft mbH Weinheim)。クメンヒドロペルオキシドへのクメンの酸化のもう1つの重要な工業的自動酸化プロセスにおいて、クメンヒドロペルオキシドの選択率が約90%の場合、転化率は約30%である(”Industrielle Organische Chemie” 1994, 383, VCH Verlagsgesellschaft mbH Weinheim)。
【0006】
金属触媒に対する1つの代替物は、触媒系、例えばN−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)の使用である。しかしながら前記方法の場合の反応速度は、触媒が多量(基質に対して等モルの割合まで)であるにもかかわらず満足のいくものではない(J. Mol. Catalysis A. 1997, 117, 123-137)。US5030739には、相応するアクロレイン化合物へのイソプレン誘導体のアリル酸化に、N−ヒドロキシジカルボン酸イミドを使用することが記載されている。
【0007】
一般に、基質に対して少なくとも10モル%の割合の量の触媒が使用され、その際、より多量の触媒が反応速度を上昇させるために使用される(J. Org. Chem. 1995, 60, 3934-3935)。
【0008】
系のもう1つの拡張は、共触媒の使用である。共触媒として、金属化合物、殊に重金属塩、酵素又は強ブレンステッド酸を使用することができる。例えばIshiiらにより、共触媒としてNHPIを金属塩と一緒に用いた酸化は、NHPIを用いるが金属塩を用いない酸化に対して利点を有し得ることが示された(例えばEP0878234、EP0864555、EP0878458、EP0858835、JP11180913、J. Mol. Catalysis A. 1997, 117, 123-137)。しかしながらこの系において、ここでも、不所望の重金属含量に加え、使用される多量のNHPIは不利である。満足のいく反応速度を保証するためには、少なくとも10モル%の触媒を使用しなければならない。更に、使用したレドックス金属は、生成物の部分的に進行する反応を触媒し、反応の選択率を低下させることが不利である。
【0009】
共触媒なしで触媒のみを使用する方法も公知である。しかしながらこの方法は殊に活性化された基質、例えばエーテル、エステル又はイソプレン誘導体の酸化に限られている。
【0010】
もう1つの変法は、NHPIをアルコール又はアルデヒドと一緒に使用することである(Chem. Commun. 1999, 727-728, Tetrahedron Letters 1999, 40, 2165-2168, Chem. Commun. 1997, 447-448)。この方法において、カップリング生成物の形成及び使用した高い触媒−基質−比(10モル%)は不利である。
【0011】
DE19723890には、芳香族及び複素芳香族アルデヒド及びケトンを製造するための、有機触媒(3−アミノ−NHPI)とレドックス酵素ラッカーゼとから成る酸化系が記載されている。ここでも触媒の使用量は非常に多い。それに加え、この方法は酵素の使用により生物学的に必要な緩衝系を有する複雑な反応系を有しており、これはこの系の幅広い使用可能性を制限するものである。しかしながら、オレフィンの酸化のためにNHPIを使用し、引き続き水素添加することは、従来記載されていない。
【0012】
本発明の対象は、不飽和炭化水素を酸化によって飽和アルコール、アルデヒド又はケトンへと選択的に変換することである。これに関して、殊に重金属塩、例えばコバルトアセテートを使用しないことが好ましい。
【0013】
驚異的にも、以下
【0014】
【化1】
の型の化合物を、不飽和炭化水素のアリル酸化のために使用することができること、並びに、酸化の際に形成された異性体の数を減少させることにより、酸素で官能化された飽和生成物を高い選択率で製造することができるようにするためには、酸化生成物を引き続き水素添加することで十分であることが見出された。
【0015】
従って本発明の対象は、出発化合物として不飽和炭化水素を使用し、触媒として、式I
【0016】
【化2】
[式中、R1、R2はH、脂肪族又は芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はその都度1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、SO3H、NH2、OH、F、Cl、Br、I及び/又はNO2であるが、但しR1及びR2は同じ基か又は異なる基を示すか、又はR1及びR2は共有結合を介して互いに結合されていてよく、
Q1、Q2は同じか又は異なっており、C、CH又はNであり、
X、ZはC、S又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、
lは0、1又は2であり、かつ
mは1〜100である]
の化合物を使用し、まず第一に、前記不飽和炭化水素を、酸素含有ガスを用いて触媒の使用下にラジカル開始剤の存在で酸化させて酸化生成物に変換する、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸の製造法において、酸化生成物を引き続く水素添加により還元し、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はカルボン酸を形成させることを特徴とする、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸の製造法である。
【0017】
本発明による方法は、共触媒、重金属又は強酸なしでも、酸化により、不飽和炭化水素を反応させてアルコール、アルデヒド及びケトンに変換することができるという利点を有する。上記触媒を用いた酸化と、引き続く酸化生成物の水素添加とを組み合わせることのもう1つの利点は、酸化の際に形成された異性体の数を減少させることにより、酸素で官能化された飽和生成物を高い選択率で得ることができるという点にある。これは、本発明による、酸化と水素添加との組み合わせにより初めて可能となる。引き続く水素添加を行わない公知技術水準による酸化の場合、困難を伴ってのみ後処理が可能である異性体混合物が得られる。
【0018】
飽和アルコール、ケトン、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸の本発明による製造法は、出発化合物として不飽和炭化水素を使用し、触媒として、式I
【0019】
【化3】
[式中、R1、R2はH、脂肪族又は芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はその都度1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、SO3H、NH2、OH、F、Cl、Br、I及び/又はNO2であるが、但しR1及びR2は同じ基か又は異なる基を示すか、又はR1及びR2は共有結合を介して互いに結合されていてよく、
Q1、Q2は同じか又は異なっており、C、CH又はNであり、
X、ZはC、S又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、
lは0、1又は2であり、かつ
mは1〜100である]
の化合物を使用し、まず第一に、前記不飽和炭化水素を、酸素含有ガスを用いて触媒の使用下にラジカル開始剤の存在で酸化させ、酸化生成物を引き続く水素添加により還元し、それにより、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はカルボン酸を形成させるという点で優れている。
【0020】
式Iの化合物のための例は、N−ヒドロキシフタルイミド、4−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、3−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラブロモ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラクロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシヘトイミド、N−ヒドロキシヒムイミド(Hydroxyhimimid)、N−ヒドロキシトリメリットイミド、N−ヒドロキシ−ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸イミド、N,N’−ジヒドロキシ−ピロメリット酸ジイミド、N,N’−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン−3,3’,4,4’テトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒドロキシ−ピリジン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシ酒石酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボネン−2,3−ジカルボン酸イミド、エキソ−N−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]−へプト−5−エン−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−シス−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ヒドロキシナフタル酸イミド−ナトリウム塩又はN−ヒドロキシ−o−ベンゼンジスルホンイミド、ヒダントイン及びヒダントインの誘導体並びにN−ヒドロキシサッカリンである。
【0021】
本発明による方法では、金属化合物又は酵素を共触媒として使用しない。該方法は塊状で実施することができるが、しかしながら該方法を有機溶剤中で強酸の不在下で実施することは有利であり、pH値が弱酸から塩基性の範囲内で変動し得る水溶液を使用することも同様に可能である。
【0022】
有利に、酸化すべき炭化水素、即ち飽和及び/又は不飽和環式炭素水素に対する触媒のモル比が10−8〜1、有利に10−7〜0.5、極めて殊に有利に10−6〜0.2であり、特別な実施態様において10−3〜0.1となるように酸化を実施する。
【0023】
本発明による方法の特別な実施態様において、式Iの化合物の誘導体又は特別な形を使用することもできる。
【0024】
有利に、式II
【0025】
【化4】
[式中、R1、R2、X、Y、Z、k及びlは式Iの化合物のために定義された意味を有する]
の触媒、即ち、QがCでありかつmが1である式Iによる化合物を使用する。
【0026】
極めて殊に有利に、式III
【0027】
【化5】
[式中、R1、R2、R3及びR4はH、脂肪族又は芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はその都度1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、SO3H、NH2、OH、F、Cl、Br、I及び/又はNO2であるが、但しR1、R2、R3及びR4は同じ基か又は異なる基を示してよく
X、ZはC、S及び/又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、かつ
lは0、1又は2であるが、但し、k及びlは同時に値0をとってはならない]
の触媒を使用する。
【0028】
本発明による酸化は、有利に液相中で0〜300℃の温度で、有利に50〜200℃の温度で行われる。この場合、溶剤又は溶剤混合物のみならず酸化すべき化合物自体を溶剤として使用することができる。
【0029】
酸化すべき化合物は、通常炭化水素の群に属する。本発明による方法を用いて、多数の不飽和有機化合物、例えば、3〜25個の炭素原子数を有する、直鎖及び分枝鎖アルケン、ジエン及びトリエン、並びに、5〜25個の環数を有する、置換された及び置換されていないシクロアルケン、置換された及び置換されていない環式ジエン、並びに置換された及び置換されていないトリエンを酸化し、引き続き水素添加し、その際、高い選択率で、相応するアルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はカルボン酸が生じる。当然のことながら、酸化すべき化合物はヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄を鎖又は環中に含有してよい。殊に本発明による方法は、環式炭化水素、例えばシクロヘキセン、シクロヘキサジエン、置換された不飽和C6環、シクロヘプテン、シクロへプタジエン、置換された不飽和C7環、シクロオクテン、シクロオクタジエン、置換された不飽和C8環、シクロノネン、シクロノナジエン、置換された不飽和C9環、シクロデセン、シクロデカジエン、置換された不飽和C10環、シクロウンデセン、シクロウンデカジエン、置換された不飽和C11環、シクロドデセン、シクロドデカジエン、シクロドデカトリエン、置換された不飽和C12環、シクロペンタデセン、シクロペンタデカジエン、シクロペンタデカトリエン、置換された不飽和C15環、トリビニルシクロヘキサン又はトリビニルシクロヘキセンの酸化のために使用することができる。
【0030】
上記の化合物の本発明によるアリル酸化により複数の化合物の混合物が生じる。例えば、ガスクロマトグラフィーを用いた酸化生成物の分析により、数多くの化合物が示される。しかしながら化合物の数並びに化合物自体は本発明において本質的ではなく、それというのも、酸化生成物はアルコール、ケトン、アルデヒド又はカルボン酸の製造における単なる中間生成物に過ぎないからである。酸化生成物は水素添加へと供給される。驚異的にも、水素添加生成物は高い選択率で、水素添加の前よりも少ない化合物を有する。
【0031】
反応混合物は、ラジカルでさえあるか又はラジカルの形成下に分解するラジカル開始剤、例えばペルオキシ化合物又はアゾ化合物を含有してもよい。このような化合物のための例は、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシド、シクロドデシルベンゼンヒドロペルオキシド、エチルベンゼンヒドロペルオキシド、1,4−ジ(2−ネオデカノイル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、クミルペルオキシネオデカノエート、ジシクロヘキシルペルオキシジカルボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジミリスチルペルオキシジカルボネート、ジセチルペルオキシジカルボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t.ブチルペルオキシピバレート、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソノナノエート、2,2’−ジ−t−ブチルペルオキシブタン、ジ−t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジベンゾイルペルオキシド、1,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシエチルヘキシルカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、シクロヘキシルヒドロペルオキシドである。当然のことながら、中間形成された過酸化物及び殊にアゾ化合物をラジカル開始剤として使用することもできる。
【0032】
有利に、2級又は3級炭素原子に結合された酸素原子を含有するラジカル開始剤が使用される。殊に有利に、最終生成物に由来し、かつ1又は3級炭素原子に結合された少なくとも1個の酸素原子を含有するラジカル開始剤が使用される。アゾ開始剤は極めて殊に有利である。ラジカル開始剤を分割して添加するか、又は上記の通り反応の間に中間で製造することができる。ラジカル開始剤は、反応容器を絶対的に清浄化することができない場合、わずかな量で、先行する反応からなお反応器中に存在していてもよい。
【0033】
本発明による方法におけるラジカル開始剤の濃度は、反応の開始時にはしばしば触媒の濃度よりも低い。しかしながら、反応の過程でラジカル開始剤の中間形成が生じ得り、従ってラジカル開始化合物の濃度は反応の過程で上昇し得ることに留意しなければならない。
【0034】
形成された酸化生成物は、原則的にそのようなものとして単離することができるが、本発明によれば直接引き続き水素添加を行うのが規則である。これは同一の反応容器内で行われるか、又は第2の工程として別個の反応容器内で行われる。
【0035】
本発明による方法は、バッチ式にも連続的にも実施することができる。
【0036】
本発明による方法は、酸化剤としての酸素含有ガスの使用下に実施することができる。ガス中の酸素の含量は5〜100体積%であってよい。有利に、空中酸素又は純粋な酸素を酸化剤として使用する。いかなる場合においても、液状及びガス状の相を緊密に混合することに留意しなければならない。これは例えば撹拌容器内で、相応する撹拌速度により、又は内蔵物により、並びに、充填物要素又及び泡鐘塔を備えた管型反応器内で達成することができる。
【0037】
本発明による方法は、大気圧下でも、100バールまでの高められた圧力下でも実施することができる。1バール〜50バールの圧力は有利であり、1バール〜20バールの圧力は殊に有利である。
【0038】
水素添加を、水素を用いて、例えば相応する反応容器内で、100バールまで、有利に50バールまで、極めて殊に有利に20バールまで、特別な実施態様においては10バールまでの高められた圧力下で、適当な触媒、例えば所謂Ru/C触媒(Engelhard Corp., 101 Wood Av., Iselin, N.J. 08830-0770)を使用しながら実施する。水素添加のために、酸化触媒を酸化生成物の水素添加の前に分離することは有利であり得る。この分離は種々の方法により、例えば膜を使用することにより、又は触媒が不溶性である溶剤を添加し、引き続き相分離させることにより行うことができる。この種の溶剤は例えば塩素化炭化水素、例えば三塩化炭化水素である。当然のことながら、上記水素添加触媒のみならず、この目的のために提供されている数多くの市販の触媒を使用することができる。有利に、Engelhard社のRu/C触媒が使用される。基質に対して、10−5〜102モル%、殊に有利に10−3〜20モル%、極めて殊に有利に10−2〜10モル%の触媒が使用される。水素添加を0〜500℃の温度で実施し、その際、20〜300℃の温度は有利であり、40〜200℃の温度は極めて殊に有利である。
【0039】
以下の実施例により本発明による方法を詳説するが、但し本発明はこの方法に限定されるものではない。
【0040】
省略:
PhCN=ベンゾニトリル
NHPI=N−ヒドロキシフタルイミド
V−65=2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
V−70=2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
DCP=ジベンゾイルペルオキシド
CDT=シクロドデカトリエン
【実施例】
【0041】
実施例1(本発明による)
CDT2ミリモル、アセトン5ml、NHPI 8モル%、V−70 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で、¥50℃の温度で5時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%を使用しながら、実験室用オートクレーブ中で10バールの圧力及び100℃の温度で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率15%で、98%の選択率で、シクロドデカノン及びシクロドデカノールが約1:1の割合で得られる。
【0042】
実施例2(本発明による)
CDT2ミリモル、PhCN 5ml、NHPI 4モル%、V−65 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で70℃の温度で24時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%を用いて、実験室用オートクレーブ中で15バールの圧力及び100℃の温度で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率55%で、81%の選択率で、シクロドデカノン及びシクロドデカノールが約1:1の割合で得られる。
【0043】
実施例3(本発明による、塊状で)
CDT2ミリモル、(溶剤としての)CDT4ml、NHPI 2モル%、DBP 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で、50℃の温度で6時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%を用いて実験室用オートクレーブ中で8バールの圧力及び100℃の温度で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率22%で(全体で、従って溶剤としてのCDTも含めて)、79%の選択率で、シクロドデカノン及びシクロドデカノールが約1:1の割合で得られる。
【0044】
実施例4(本発明によらない、NHPIなしで)
CDT2ミリモル、アセトン5ml、V−70 1モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で、50℃の温度で5時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%用いて、実験室用オートクレーブ中で8バールの圧力で100℃で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率4%で、12%の選択率で、1:1のシクロドデカノン/シクロドデカノール混合物が得られる。
【0045】
実施例5(本発明によらない、コバルト触媒を用いて)
CDT2ミリモル、PhCN 5ml、NHPI 4モル%及び酢酸Co(II)4モル%を、取り付けられた還流冷却器を備えた丸底フラスコ中で70℃の温度で24時間に亘り撹拌する。この場合、1バールの圧力下で混合により酸素を導入する。触媒Ru/C 5モル%用いて実験室用オートクレーブ中で8バールの圧力で100℃で水素添加を十分に行った後、CDTの転化率67%で、6%の選択率で、シクロドデカノン/シクロドデカノール混合物が得られる。
Claims (11)
- 出発化合物として不飽和炭化水素を使用し、触媒として、式I
Q1、Q2は同じか又は異なっており、C、CH又はNであり、
X、ZはC、S又はCH2であり、
YはO又はOHであり、
kは0、1又は2であり、
lは0、1又は2であり、かつ
mは1〜100である]
の化合物を使用し、まず第一に、前記不飽和炭化水素を、酸素含有ガスを用いて触媒の使用下にラジカル開始剤の存在で酸化させる、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及びカルボン酸の製造法において、
酸化生成物を引き続く水素添加により還元し、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及び/又はケトンを形成させることを特徴とする、飽和アルコール、ケトン、アルデヒド及びカルボン酸の製造法。 - 不飽和炭化水素として、3〜25個の炭素原子数を有する、直鎖又は分枝鎖アルケン、アルキン、ジエン又はトリエンを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 不飽和炭化水素として、5〜25個の環原子を有する、環式アルケン、ジエン又はトリエンを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 酸化すべき環式炭化水素として、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、置換された不飽和C6環、シクロヘプテン、シクロへプタジエン、置換された不飽和C7環、シクロオクテン、シクロオクタジエン、置換された不飽和C8環、シクロノネン、シクロノナジエン、置換された不飽和C9環、シクロデセン、シクロデカジエン、置換された不飽和C10環、シクロウンデセン、シクロウンデカジエン、置換された不飽和C11環、シクロドデセン、シクロドデカジエン、シクロドデカトリエン、置換された不飽和C12環、シクロペンタデセン、シクロペンタデカジエン、シクロペンタデカトリエン、置換された不飽和C15環、トリビニルシクロヘキサン又はトリビニルシクロヘキセンから選択された少なくとも1種の化合物を使用する、請求項6記載の方法。
- ラジカル開始剤としてペルオキシ化合物又はアゾ化合物を使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 接触酸化を0〜500℃の温度で実施する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 酸化剤として、酸素5〜100体積%を有するガスを使用する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
- 接触酸化を1〜100バールの圧力下で実施する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
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