JP2006151915A - シクロアルカンの酸化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シクロアルカンの酸化方法を提供すること。
【解決手段】 コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の存在下に、シクロアルカンと酸素とを反応させる方法であって、脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物において、ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルのピークとルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルとのピーク面積比(ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のピーク面積/ルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のピーク面積)が1以下であることを特徴とするシクロアルカンの酸化方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭化水素類の酸化方法に関する。詳しくは、シクロアルカンを酸素(本発明においては、「分子状酸素」を単に「酸素」という)と接触させて反応させることにより、対応するケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類を製造する方法に関する。
炭化水素類を酸素酸化して対応するケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類を得る反応は、シクロヘキサンの酸素酸化によるKAオイル(シクロヘキサノンおよびシクロヘキサノールの混合物)の製造プロセスやアルキルベンゼンの酸素酸化によるフェニルアルキルヒドロペルオキシドの製造プロセス等、様々な有機製品の製造プロセスにおいて行われている。シクロアルカンの酸化方法として、近年、N−ヒドロキシフタルイミドのようなイミド化合物と金属化合物との触媒または金属化合物を無機化合物の担体に固定化した触媒の存在下に酸素酸化する方法が開発されている。例えば、特許文献1には、シクロアルカンを、イミド化合物とルテニウム化合物の存在下に、酸素を含有するガスを反応させる方法が記載されている。また、特許文献2には、金属化合物を無機化合物の担体に固定化した触媒の存在下にシクロヘキサンを酸素雰囲気下で反応させる方法が記載されている。
特開平9−87215号公報 WO99/40055号明細書
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、高価なイミド系触媒を用いるため、コストの点で満足できるものではない。また、上記特許文献2に記載の方法では、固体触媒調製工程が必要となり、効率的ではない。
本発明の目的は、生産性や安全性に優れた方法で、シクロアルカンの酸素酸化により、対応するケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類を選択率良く製造することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の存在下に、シクロアルカンと酸素とを反応させる方法であって、脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物において、ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルのピークとルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルとのピーク面積比(ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のピーク面積/ルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のピーク面積)が1以下であることを特徴とするシクロアルカンの酸化方法を提供するものである。
本発明によれば、生産性および安全性に優れた方法で、シクロアルカンから対応するケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類を選択率良く製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシクロアルカンとしては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンのような飽和脂肪族環式炭化水素類が挙げられるが、好ましくはシクロヘキサンが挙げられる。
コバルト化合物としては、通常、2価または3価のコバルトを含む化合物が用いられ、脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物としては、通常、0価、2価、3価または8価のルテニウムを含む化合物が用いられる。コバルト化合物の種類としては、例えば、酸化物、有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセトナートのような錯体、オキソ酸およびその塩、イソポリ酸およびその塩、ヘテロポリ酸およびその塩等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物としては、ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルのピークとルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルとのピーク面積比(ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のピーク面積/ルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のピーク面積)が1以下である化合物が挙げられる。
好ましいコバルト化合物としては、酢酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート、塩化コバルト、臭化コバルトが挙げられる。好ましくはオクチル酸コバルト等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物としては、オクチル酸ルテニウム、ナフテン酸ルテニウム、ステアリン酸ルテニウム、ラウリン酸ルテニウム、パルミチン酸ルテニウム、リノレイン酸ルテニウム等が挙げられる。
コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物は、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の使用量は、経済的には、それぞれ、有機基質(シクロアルカン)に対して、0.1モル%以下であり、好ましくは0.05モル%以下、さらに好ましくは0.001モル%以下である。また、該使用量の下限については、反応促進の観点から、通常0.000001モル%以上、好ましくは0.00001モル%以上である。
また、コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の使用量は、両者の和として、有機基質に対して、好ましくは0.000001〜0.1モル%、さらに好ましくは0.00001〜0.001モル%程度の範囲である。
コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、通常1/99〜99/1、好ましくは50/50〜99/1、さらに好ましくは80/20〜99/1である。
反応は溶媒の存在下に行ってもよく、かかる溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、アセトニトリルのようなニトリル類;ぎ酸、酢酸のような有機酸類;ニトロメタン、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物;クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタンのような塩素化炭化水素類等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、ニトリル類や有機酸類が好ましい。
溶媒を用いる場合、その使用量は、有機基質100重量部に対して、反応促進の観点から、通常1重量部以上、好ましくは10重量部以上であり、容積効率の観点から、通常80重量部以下、好ましくは50重量部以下である。
本発明においては、通常、シクロアルカン、触媒および必要に応じて溶媒等が存在する反応系内に酸素含有ガスを供給し、反応系内からガスを排出させ反応を行う。
供給する酸素含有ガスとしては、酸素、空気、または酸素もしくは空気を窒素やヘリウムのような不活性ガスで希釈したものを用いることができる。該酸素含有ガス中の酸素濃度は、反応速度の観点から、通常2容量%以上、好ましくは5容量%以上であり、安全性の観点から、通常30容量%以下、好ましくは25容量%以下である。また、該酸素含有ガスの供給速度は、シクロアルカン1モルに対して、酸素として、通常0.001〜1モル/h、好ましくは0.01〜0.5モル/hの範囲である。
酸素含有ガスの反応系内への供給は、通常、シクロアルカンおよび触媒を含む液に酸素含有ガスの気泡を分散させるように行われ、例えば、ガス導入管を用いてもよいし、反応器に吹き出し孔を設けてもよい。気泡径の大きさは適宜選択されるが、反応速度を高める観点からは、気泡径を小さく、好ましくは1mm以下にするのがよい。
上記ガスの供給および排出は、通常、連続的に行われるが、必要に応じて両者のいずれか一方または両方を断続的に行ってもよい。通常、一定圧力下に該ガスの供給を連続的に行いながら、その圧力を維持するように該ガスの排出を連続的に行う。
反応温度は、反応促進の観点から、通常70℃以上、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは120℃以上であり、また、通常170℃以下、好ましくは160℃以下である。また、反応圧力は、通常0.1〜3MPa、好ましくは0.5〜2MPaの範囲である。反応は回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよいが、操作性の観点からは、有機基質、コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物、酸素含有ガスを反応系内に供給しながら、反応液および排ガスを反応系内から抜き出すことにより、連続式で行うのが好ましい。
反応後の後処理操作としては、例えば、濾過、濃縮、洗浄、アルカリ処理、酸処理等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が組み合わせて採用される。例えば、アルカリ処理をすることにより、アルコール類とカルボン酸類とから副生したエステル類をケン化してアルコール類およびカルボン酸類を再生できると共に、ヒドロペルオキシド類をケトン類やアルコール類に変換することができる。また、精製操作としては、通常、蒸留や晶析が採用される。
本発明の製造方法で、シクロアルカンを酸化することにより、対応する酸化生成物として、ケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類、アルデヒド類、カルボン酸類等の含酸素有機化合物を製造することができる。
例えば、シクロアルカンの酸化により、対応するケトン類として、該シクロアルカンの有するメチレン基がカルボニル基となった化合物等を、対応するアルコール類として、該シクロアルカンの有するメチル基(例えば、メチルシクロヘキサンのメチル基)、メチレン基またはメチリジン基がそれぞれヒドロキシメチル基、ヒドロキシメチレン基またはヒドロキシメチリジン基となった化合物等を、対応するヒドロペルオキシド類として、該シクロアルカンの有するメチル基、メチレン基またはメチリジン基がそれぞれヒドロペルオキシメチル基、ヒドロペルオキシメチレン基またはヒドロペルオキシメチリジン基となった化合物等を、対応するアルデヒド類として、該シクロアルカンの有するメチル基がホルミル基となった化合物等を、対応するカルボン酸類として、該シクロアルカンの有するメチル基がカルボキシル基となった化合物や、炭素−炭素結合が開裂して両炭素がカルボキシル基となった化合物(ジカルボン酸類)等を製造することができる。
本発明の製造方法は、シクロアルカンを原料として対応するケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類から選ばれる少なくとも1種を製造する方法に好適に用いることができる。このとき、原料であるシクロアルカンにシクロアルカノールやシクロアルカノンが含まれていてもよい。
また、反応で生成したシクロアルカノールを反応系内にリサイクルすることもできる。このようにすることにより、シクロアルカンの酸化に併せて、シクロアルカノールのシクロアルカノンへの酸化を行なうことができる。
具体的には、例えば、シクロヘキサンを原料として用いることにより、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シクロヘキシルヒドロペルオキシドおよびアジピン酸から選ばれる少なくとも1種を製造することができる。
以下、本発明について実施例を挙げ、より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、酸素含有ガスとしては、空気または空気を窒素で希釈したものを用い、酸素含有ガスの吹き込みは、ガス導入管により、行った。ガスの排出は、冷却管および保圧弁を介して行い、冷却管の冷媒には8℃の水を用いた。また、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールおよびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの分析は、ガスクロマトグラフィーにより行い、アジピン酸の分析は、イオンクロマトグラフィーにより行い、これらの分析結果に基づいて、反応成績を算出した。
また、カルボニル基のIR分析は以下の条件で実施した。
装置 :Bio−Rad FTS−40 (MCT検出器)
アタッチメント:(DuraScope)ダイヤモンドATR
SensIR Technologies社製(代理店STジャパン)
サンプリング :試料をATRセル窓に直接滴下
測定波長 :400−4000cm−1
積算回数 :16回
分解能 :4cm−1

ピークアサイン:
フリーカルボン酸C=O伸縮 1706〜1708cm-1
Ruカルボン酸塩C=O伸縮 1507〜1508cm-1
[実施例1-1]
1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン252.7g(3モル)、コバルト含有率8重量%のオクチル酸コバルト(II)0.00038g(0.00000051モル)、ルテニウム含有率22重量%のオクチル酸ルテニウム(III)0.000024g(0.000000052モル)、シクロヘキサノン0.51g(0.0051モル)及びシクロヘキサノール0.52(0.0052モル)を入れ、窒素雰囲気下、圧力1.05MPa、温度140℃に調整した。直径47mmのタービン翼にて300rpmで攪拌した。オクチル酸ルテニウムのルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸とルテニウムに結合しているカルボン酸の、カルボニル基由来の赤外吸収スペクトルのピーク面積比(ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸/ルテニウムに結合しているカルボン酸)は0.53であった。この中に、該圧力及び温度を維持しながら、酸素濃度5容量%の酸素含有ガスを400ml/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを空気250ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて275ml/分とし、切り替えと同時に、コバルト換算で0.12重量ppmのオクチル酸コバルト(II)と、ルテニウム換算で0.02重量ppmのオクチル酸ルテニウムと、0.2重量%のシクロヘキサノン及び0.2重量%のシクロヘキサノールを含むシクロヘキサンを4.5g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力及び温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液を抜き出して、滞留時間0.9時間で連続的に6時間反応させた。排ガスの平均酸素濃度は1.0容量%であった。連続的に抜き出した反応液は、100ml オートクレーブに送り、0.17ml/分の流速で滴下した水と混合され、分液後油層と水層に分けて抜き出した。原料の供給をはじめてから4時間後から4時間かけて油層と水層のサンプリングを行い、539gの油層と22.1gの水層を得た。油層を分析したところ、シクロヘキサン92.9重量%、シクロヘキサノン 1.77 重量%、シクロヘキサノール1.76重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド 0.49 重量%、酸類0.21重量%の組成であった。
シクロヘキサン転化率4.18%、シクロヘキサノン選択率35.8%、シクロヘキサノール選択率33.9%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド選択率11.8%、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計選択率81.46%
[実施例1-2]
1リットルの ガラス製オートクレーブにシクロヘキサン92.9重量%、シクロヘキサノン 1.77 重量%、シクロヘキサノール1.76重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド 0.49 重量%、酸類0.21重量%の組成からなる酸化反応液を200g仕込み、系内を窒素置換して、0.5MPaの圧力に調整して、攪拌をしながら130℃に昇温した。コバルト換算で0.0008重量%のオクチル酸コバルトのシクロヘキサン溶液を2.70g(油層に対するコバルト濃度 0.1 ppm)、25%水酸化ナトリウム水溶液2.45 g(酸類及びエステル類のモル数に対し1.2当量)を仕込んだ。130℃で5分攪拌した後、サンプリングして各成分の濃度を求めたところ、シクロヘキサノン1.96重量%、シクロヘキサノール 2.04重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド0.14重量%であった。
酸化工程から通しで、シクロヘキサン転化率4.06%、シクロヘキサノン選択率36.8%、シクロヘキサノール選択率42.4%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの合計選択率79.1%であった。
[参考例1-1]
1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン252.6g(3モル)、コバルト含有率8重量%のオクチル酸コバルト(II)0.00038g(0.00000051モル)、ルテニウム含有率22重量%のオクチル酸ルテニウム(III)0.000024g(0.000000052モル)、シクロヘキサノン0.51g(0.0051モル)及びシクロヘキサノール0.52(0.0052モル)を入れ、窒素雰囲気下、圧力1.05MPa、温度140℃に調整した。直径47mmのタービン翼にて300rpmで攪拌した。オクチル酸ルテニウムのルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸とルテニウムに結合しているカルボン酸の、カルボニル基由来の赤外吸収スペクトルのピーク面積比(ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸/ルテニウムに結合しているカルボン酸)は3.85であった。この中に、該圧力及び温度を維持しながら、酸素濃度5容量%の酸素含有ガスを400ml/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを空気250ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて275ml/分とし、切り替えと同時に、コバルト換算で0.12重量ppmのオクチル酸コバルト(II)と、ルテニウム換算で0.02重量ppmのオクチル酸ルテニウムと、0.2重量%のシクロヘキサノン及び0.2重量%のシクロヘキサノールを含むシクロヘキサンを4.5g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力及び温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液を抜き出して、滞留時間0.9時間で連続的に6時間反応させた。排ガスの平均酸素濃度は1.0容量%であった。連続的に抜き出した反応液は、100ml オートクレーブに送り、0.23ml/分の流速で滴下した水と混合され、分液後油層と水層に分けて抜き出した。原料の供給をはじめてから4時間後から4時間かけて油層と水層のサンプリングを行い、1042gの油層と66.3gの水層を得た。油層を分析したところ、シクロヘキサン93.9重量%、シクロヘキサノン 1.63 重量%、シクロヘキサノール1.67重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド 0.82 重量%、酸類0.19重量%の組成であった。
シクロヘキサン転化率4.12%、シクロヘキサノン選択率31.9%、シクロヘキサノール選択率32.4%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド選択率16.9%、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計選択率81.1%
[参考例1-2]
1リットルの ガラス製オートクレーブにシクロヘキサン95.2重量%、シクロヘキサノン 1.55 重量%、シクロヘキサノール1.68重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド 0.98 重量%、酸類0.22重量%の組成からなる酸化反応液を200g仕込み、系内を窒素置換して、0.5MPaの圧力に調整して、攪拌をしながら130℃に昇温した。コバルト換算で0.0008重量%のオクチル酸コバルトのシクロヘキサン溶液を2.45g(油層に対するコバルト濃度 0.1 ppm)、25%水酸化ナトリウム水溶液2.13 g(酸類及びエステル類のモル数に対し1.2当量)を仕込んだ。130℃で10分攪拌した後、サンプリングして各成分の濃度を求めたところ、シクロヘキサノン1.96重量%、シクロヘキサノール 2.04重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド0.17重量%であった。
酸化工程から通しで、シクロヘキサン転化率4.01%、シクロヘキサノン選択率39.0%、シクロヘキサノール選択率37.9%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの合計選択率76.0%であった。
実施例1−1の触媒のIRチャート 参考例1−1の触媒のIRチャート

Claims (12)

  1. コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の存在下に、シクロアルカンと酸素とを反応させる方法であって、脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物において、ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルのピークとルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のカルボニル基由来の赤外吸収スペクトルとのピーク面積比(ルテニウムに結合していない脂肪族カルボン酸のピーク面積/ルテニウムに結合している脂肪族カルボン酸のピーク面積)が1以下であることを特徴とするシクロアルカンの酸化方法。
  2. コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、1/99〜99/1である請求項1記載の酸化方法。
  3. コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、50/50〜99/1である請求項1記載の酸化方法。
  4. コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、80/20〜99/1である請求項1記載の酸化方法。
  5. コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の合計使用量が、シクロアルカンに対して、0.000001〜0.1モル%である請求項1から4のいずれかに記載の酸化方法。
  6. コバルト化合物および脂肪族カルボン酸ルテニウム化合物の合計使用量が、シクロアルカンに対して、0.00001〜0.001モル%である請求項1から4のいずれかに記載の酸化方法。
  7. 反応温度が70℃から170℃の範囲である請求項1から6のいずれかに記載の酸化方法。
  8. 反応温度が120℃から160℃の範囲である請求項1から6のいずれかに記載の酸化方法。
  9. 酸化方法で得られる化合物が、シクロアルカンに対応するケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類から選ばれる1種以上である請求項1から8のいずれかに記載の酸化方法。
  10. 酸化方法で原料とするシクロアルカンにシクロアルカノールおよび/またはシクロアルカノンが含まれていてもよい請求項1から9のいずれかに記載の酸化方法。
  11. 酸化方法で原料とするシクロアルカンが、シクロヘキサンである請求項1から10のいずれかに記載の酸化方法。
  12. 酸化方法で原料とするシクロアルカンに含まれるシクロアルカノールおよびシクロアルカノンがシクロヘキサノールおよびシクロヘキサノンである請求項11に記載の酸化方法。
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