JP2003529582A - 芳香族アルコール、特にフェノールの製造方法 - Google Patents

芳香族アルコール、特にフェノールの製造方法

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JP2003529582A JP2001572462A JP2001572462A JP2003529582A JP 2003529582 A JP2003529582 A JP 2003529582A JP 2001572462 A JP2001572462 A JP 2001572462A JP 2001572462 A JP2001572462 A JP 2001572462A JP 2003529582 A JP2003529582 A JP 2003529582A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ラジカル開始剤の存在下で、芳香族炭化水素を過酸化水素化物に接触酸化し、引き続いて、過酸化水素化物をフェノール誘導体およびケトンに分解することによって、フェノール誘導体を製造するための方法に関し、この場合、この方法は、式(I)の化合物を酸化触媒として使用し、その際、R1およびR2は水素、それぞれ炭素原子1〜20個を有する、脂肪族アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基または炭化水素基、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、Iおよび/またはNOであり、その際、R1およびR2は同一または異なる基を示していてもよいか、あるいは、R1およびR2は共有結合によって互いに結合していてもよく、その際、X、Zは、C、S、CHであり、YはO、OHであり、kは0、1、2であり、かつ、mは1〜3であり、その際、触媒と芳香族炭化水素とのモル比は10mol%未満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、芳香族炭化水素を、相当するヒドロペルオキシドに接触酸化し、引
き続いてこのヒドロペルキシドを分解することによって、芳香族アルコール、特
にフェノールを製造する方法に関する。
【0002】 ヒドロキシル基含有芳香族化合物、たとえば、フェノールを得るために、大気
酸素を用いての選択的酸化によって、一工程で、直接的にベンゼンを高い収率で
フェノールに変換することは不可能である。芳香環は、主として攻撃されること
はないか、または、酸化が進み、結果として二酸化炭素になり、それというのも
、芳香環は、酸素原子での官能化によって出発化合物であるベンゼンよりも、反
応性になるためである。
【0003】 したがって、ヒドロキシル基は、中間段階を介して、芳香環中に導入されなけ
ればならない。
【0004】 ベンゼン誘導体、たとえば、芳香族炭化水素に基づくフェノール誘導体の製造
に関しては、しばしばクメン法が適用される。この方法において、たとえば、ベ
ンゼンおよびプロペンから、アルキル化によって製造されたクメンを過酸化し、
その後に、この酸化生成物を、2個の有用な生成物 フェノールおよびアセトン
に分解する(“Hock−法”)。経済性の理由から、これらの方法は、フェノ
ール製造のために世界的に確立されている。
【0005】 アルキル化によって製造される出発生成物、たとえば、クメン、シクロヘキシ
ルベンゼン(シクロヘキシルベンゼンは、“Hock−法”によって、アセトン
でなく相当するシクロヘキサノンを生じる)およびシクロドデシルベンゼン(シ
クロドデシルベンゼンは、“Hock−法”によって、相当するシクロドデカノ
ンを生じる)の製造、さらには、酸化工程、引き続いての酸性触媒による分解お
よび転位によって、一般には、高い変換率および高い選択率で、フェノールが導
かれる。
【0006】 “Hock−方法”の経済性のために、第3炭素原子の酸化選択性ならびに反
応速度または変換率が特に重要である。
【0007】 したがって、特に、過酸化物の製造に関しては極めて多くの試みがなされてい
る。実施において、空気酸素を用いての出発生成物の酸化が有効であることが示
された。添加剤、たとえばラジカル開始剤または他の酸化剤、たとえば、炭化水
素を酸化するのにしばしば使用される化合物 KMnO、CrOまたはHN
の使用は、選択性を阻害し、廃棄物処理問題を導き、生態的に憂慮されるべ
き副生成物を生じ、かつ装置を腐蝕させる。
【0008】 レドックス金属触媒の使用によって、分子状の酸素を、有機化合物の酸化のた
めに使用することが可能になった。一連の工業的方法は、炭化水素の金属触媒を
用いての自動酸化に基づくものである。したがって、たとえば、コバルト塩の使
用下で、Oを用いて、シクロヘキサノンを、シクロヘキサノールまたはシクロ
ヘキサノンに酸化する。これらの方法は、ラジカル連鎖反応に基づく。このビラ
ジカルである酸素は、ペルオキソラジカルを形成しながら炭化水素ラジカルと反
応し、引き続いて、H−原子を引き抜くことによって、他の炭化水素上で連鎖成
長反応が生じる。しかしながら、金属塩の他に、さらに有機性の分子もラジカル
開始剤として作用させることができる。
【0009】 これらの方法の欠点は、高められた変換率での選択性が著しく低下することで
あり、この理由から低い反応レベルの方法で実施しなければならない。したがっ
て、たとえば、10〜12%の変換率で、シクロヘキサンのシクロヘキサノール
/シクロヘキサノンへの酸化がおこなわれ、その際、選択率は、80〜85%で
ある(“Industrielle Organische Chemie”1994, 261, VCH Verlagsgesellscha
ft)。クメン酸化の他の重要な工業的自動酸化工程において、約90%のクメン
ヒドロペルオキシド−選択率の際に、約30%の反応率である(Loc. cit. S. 4
95ff.)。
【0010】 金属塩触媒に対する変法として、触媒系または化学的媒介系(Mediatorsystem
en)、たとえば、N−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)の使用が挙げられる
。しかしながら、刊行物記載の方法においては、高い媒介物質(Mediator)の量(
基質に対して等モル比まで)にもかかわず、反応速度は満足のいくものではなか
った(J. Mol. Catalysis A. 1997, 117, 123-137)。したがって、US503
0739では、イソプレン誘導体を相当するアクロレイン化合物へ酸化するため
の、N−ヒドロキシジカルボン酸イミドの使用が記載されている。酸化/脱水素
化の組み合わせは、シクロヘキサジエンまたはα−テルピネンのような6環系を
、クメン誘導体に導くが、しかしながら、この場合、これは、さらに酸化される
ことはない。これらの理由から、前記方法は、クメンのクメンヒドロペルオキシ
ドへの変換には適していない。
【0011】 一般に、媒介物質の量は、基質に対して少なくとも10モル%の割合で使用さ
れ、その際、媒介物質の高い量は、反応速度の増加のために使用される(J. Org
. Chem. 1995, 60, 3934-3935)。この生成物選択率は、技術的適用のためには
十分ではない。したがって、NHPIを用いてのクメンの酸化の際には、主生成
物としてアセトフェノンを有する生成物混合物が得られるが、しかしながら、望
ましい酸化生成物であるクメンヒドロペルオキシドは、分離されない(J. Org.
Chem. 1995, 60, 3934-3935)。
【0012】 系のさらなる改善のために、助触媒の使用が挙げられる。助触媒として、金属
化合物、特に重金属塩、酵素または強いブロンステッド酸を使用することができ
る。イシイら(Ishii et al.)は、助触媒としての金属塩を含有する化合物中の
NHPIは、助触媒を用いない場合のNHPIでの酸化よりも有利であると示す
ことができると示唆した(たとえば、EP 0878234, EP 0864555, EP 0878458, EP
0858835, JP 11180913, J.Mol. Catalysis A. 1997, 117, 123-137)。しかし
ながら、この方法の欠点は、望ましくない重金属成分に加えて、使用されるNH
PIの高い量である。十分な反応速度を保証するために、少なくとも10モル%
の媒介物質を使用しなければならない。さらなる欠点は、使用されたレドックス
金属が、生成物の部分的にさらに進行する反応を触媒するため、反応の選択率が
減少することである。
【0013】 さらに、助触媒なしで一つの媒介物質のみを使用する方法は知られている。し
かしながら、これらは、特別に活性化された物質、たとえば、エーテル、エステ
ルまたはイソプレン誘導体の酸化に限定される。
【0014】 したがって、NHPI/コバルト酢酸塩系で、クメンを酸化する場合には、ア
セトフェノン(選択率54%)、2−フェニル−2−プロパノール(10%)お
よびフェノール(17%)からなる生成物混合物が得られる(J. Mol. Catal. A
1997, 117, 123-137 )。望ましい生成物であるクメンヒドロペルオキシドは専
ら中間生成物として形成され、与えられた製造条件下では安定ではない。望まし
い最終生成物であるフェノールは、第1の酸化生成物であるアセトフェノンとは
対照的に、副次的な量で得られる。
【0015】 他の変法として、アルコールまたはアルデヒドとの化合物中でのNHPIの使
用が挙げられる(Chem. Commun, 1999, 727-728, Tetrahedron Letters 1999, 4
0, 2165-2168, Chem Commun. 1997, 447-448)。これらの方法の欠点は、カップ
リング生成物の形成および使用される高い媒介物質−基質比(10モル%)であ
る。
【0016】 DE 19723890では、有機性媒介物質およびレドックス酵素であるラ
ッカーゼに基づく、芳香族およびヘテロ芳香族アルデヒドおよびケトンの製造の
ための酸化系が記載されている。この方法で使用される媒介物質の量も極めて高
い。これに加えて、これらの方法は、酵素の使用による、生物学的に必要不可欠
な緩衝系を含む複雑な反応系を示し、この場合、これは、系の広範囲に適用可能
性を制限するものである。
【0017】 本発明の課題は、炭化水素のヒドロペルオキシドへの接触酸化、引き続いての
このヒドロペルオキシドの分解によって、芳香族アルコール、特にフェノールを
製造するための、重金属不含または金属不含の方法を改善することに基づくもの
であり、この場合、この方法は、高い変換率での高い選択率を示す。
【0018】 驚くべきことに、式I
【0019】
【化5】
【0020】 の型の化合物は、助触媒として重金属または強酸を含むことなく、芳香族炭化水
素を相当する過酸化物に酸化するために使用することができることが見出された
【0021】 したがって、本発明の対象は、芳香族炭化水素をヒドロペルオキシドに接触酸
化し、引き続いて、ヒドロペルオキシドを、フェノール誘導体およびケトンに分
解することによって、フェノール誘導体を製造するための方法であり、その際、
酸化触媒として、式I
【0022】
【化6】
【0023】 [式中、R,Rは水素、脂肪族アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、カ
ルボキシ基、アルコキシカルボニル基またはそれぞれ炭素原子1〜20個を有す
る炭化水素基、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、Iおよび/またはN
であり、その際、RおよびRは同一かまたは異なる基を示していてもよ
いか、あるいは、RおよびRは共有結合を介して、互いに結合していてもよ
く、 X、ZはC、S、CHであり、 YはO、OHであり、 kは0、1、2であり、 lは0、1、2であり、 mは1〜3である]の化合物を、ラジカル開始剤の存在下で使用し、その際、酸
化触媒と芳香族炭化水素とのモル比は10%未満であることを示す。
【0024】 式Iによる酸化触媒の例は、N−ヒドロキシフタルイミド、4−アミノ−N−
ヒドロキシフタルイミド、3−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラブ
ロモ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラクロロ−N−ヒドロキシフタルイミ
ド、N−ヒドロキシヘッドイミド(N-Hydroxyhetimid)、N−ヒドロキシヒムイ
ミド(N-Hydroxyhimimid)、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド(N-Hydroxyt
rimellitimid)、N−ヒドロキシ−ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸イミ
ド、N,N’−ジヒドロキシ−ピロメリット酸ジイミド、N,N’−ジヒドロキ
シ−ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジイミド、N−ヒ
ドロキシマレイン酸イミド(N−Hydroxymaleimid)、ピリジン−2,3−ジカ
ルボン酸イミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシ酒石酸イミド
、N−ヒドロキシ−5−ノルボネン−2,3−ジカルボン酸イミド、エキソ−N
−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボイシミド、N−ヒドロキシ−シス−シクロヘキサン−1,2−ジカル
ボキシミド、N−ヒドロキシ−シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸イミド、N−ヒドロキシナフタル酸イミド−ナトリウム−塩またはN−ヒドロ
キシ−o−ベンゼンジスルホンイミドである。
【0025】 本発明による方法で、助触媒として金属化合物または酵素が使用されることは
ない。好ましくは、この方法は、強酸の不含下で、有機溶剤中でおこなわれ、同
様に、弱酸を用いてpH値を塩基性の範囲に調整することができる水性溶剤の使
用が可能である。
【0026】 酸化触媒と芳香族炭化水素とのモル比は、10−6mモル%〜10モル%、好
ましくは10−6〜5モル%、特に好ましくは10−6〜2.5モル%であり、
特別な実施態様においては10−6〜1モル%であってもよい。
【0027】 酸化されるべき芳香族炭化水素に対して、式Iによる酸化触媒(媒体物質)を
少ない割合で使用することによって、驚くべきことに、結果として、短い反応時
間で達成される高い変換率ばかりでなく、選択率も技術水準と比べて優れている
ことが見出された。本発明の方法による他の利点は、媒体物質量の減少による経
済性の改善である。
【0028】 本発明による方法は、“Industrielle Organische
Chemie”1994,383ff,VCH Wrinheim,に記載され
たような、フェノールを製造するためのホック工程(Hock-Prozess)と同様に実
施されてもよく、かつ、一工程での、 芳香族炭化水素のヒドロペルオキシドへの酸化 ヒドロペルオキシドの単離 ヒドロペルオキシドの望ましいフェノール誘導体およびケトンへの分解、 フェノール誘導体およびケトンそれぞれの分離は、以下の反応式:
【0029】
【化7】
【0030】 [式中、R1およびR2は、たとえば、一般式IVに関して記載された意味を有
する]によって整理することができる。工業的規模において、ホック工程中でク
メンからフェノールを製造する場合には、たとえば、R1およびR2はCH
ある。
【0031】 ヒドロペルオキシドの分解は、触媒量の無機酸、たとえば、HSOを用い
てか、または固体の酸、たとえば、ゼオライトを用いて実施することができる。
【0032】 特別な実施態様において、本発明による方法は、式Iの化合物の誘導体または
特別な形が使用されてもよい。これらは、以下の式IIおよび式IIIで示され
る。
【0033】 好ましくは、たとえば、式II
【0034】
【化8】
【0035】 の媒介物質または酸化触媒であり、この場合、これは、たとえば、mが1である
、式Iの化合物である。R1,R2、X、Y、Z、k、1の意味は、対応する式
Iに相当する。
【0036】 特に好ましくは、式III
【0037】
【化9】
【0038】 [式中、R1、R2、R3、R4は水素、それぞれ炭素原子1〜20個を有する
、脂肪族アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基または炭化水素基、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、I
および/またはNOであり、その際、R、R、RおよびRは同一かま
たは異なる基を示していてもよく、 X、ZはC、S、CHであり、 YはO、OHであり、 kは0、1、2であり、 lは0、1、2である]の媒介物質または酸化触媒である。
【0039】 本発明の好ましい実施態様において、芳香族炭化水素のヒドロペルオキシドへ
の酸化は、気相中でかまたは液相中で、それぞれ0〜500℃の温度、好ましく
は50〜300℃の温度、特に好ましくは50〜200℃の温度で実施される。
その際、溶剤または溶剤混合物と同様に、芳香族炭化水素自体を溶剤として使用
することもできる。
【0040】 酸化されるべき物質は、芳香族炭化水素の群の一つである。これらは、置換ま
たは非置換であってもよい。本発明による方法を用いて、多くのこれら化合物を
選択的にヒドロペルオキシドに酸化し、引き続いて、さらにフェノール誘導体に
変換させることができる。
【0041】 原則として、本発明による方法を用いて、第1炭素原子、第2炭素原子または
第3炭素原子を有するすべての芳香族炭化水素を、相当するヒドロペルオキシド
に酸化することができるが、しかしながら、好ましくは、第2炭素原子または第
3炭素原子を有する芳香族炭化水素を使用し、特に好ましくは、式IV
【0042】
【化10】
【0043】 [式中、R、Rはそれぞれ炭素原子1〜20個を有する脂肪族または芳香族
炭素原子であり、その際、RおよびRは同一かまたは異なる基を示し、かつ
、R、Rは共有結合を介して、互いに結合していてもよく、かつ、 Arは芳香族炭化水素基である]の第3炭素原子を有する化合物を使用する。
【0044】 式IVによる化合物に関する例は、クメン、シクロヘキシルベンゼン、シクロ
ドデシルベンゼン、エチルベンゼンおよび2−n−ブチルベンゼンである。
【0045】 さらに、本発明の方法のための好ましい物質は、式V、VI、VII、VII
IおよびIX
【0046】
【化11】
【0047】 の化合物であり、その際、Arは芳香族炭化水素、たとえば、フェニル基(C−)を示す。
【0048】 反応混合物は、ラジカル形成下で、たとえば、ラジカル開始末端分子を分解す
るラジカル開始剤、たとえば、ペルオキシ化合物またはアゾ化合物を含有する。
【0049】 このような化合物の例は、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキシルベンゼ
ンヒドロペルオキシド、シクロドデシルベンゼンヒドロペルオキシド、1,4−
ジ(2−ネオドデカノイル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、アセチルシク
ロヘキサンスルホニルペルオキシド、クミルペルオキシネオデカノエート、ジシ
クロヘキシルペルオキシジカルボネート、ジ(4−tert.−ブチルシクロヘ
キシル)ペルオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカ
ルボネート、ジミリスチルペルオキシジカルボネート、ジセチルペルオキシカル
ボネート、tert.−ブチルペルオキシネオデカノエート、tert.−アミ
ルペルオキシネオデカノエート、tert.−アミルペルオキシピバレート、t
ert.−ブチルペルオキシピバレート、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデ
カノイルペルオキシド、tert.−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、tert.−ブチルペルオキシイソノナノエート、2,2’−ジ−ter
t.ブチルペルオキシブタン、ジ−tert.−ブチルペルオキシベンゾエート
、ジ−tert.−ブチルペルオキシド、tert.−ブチルヒドロペルオキシ
ド、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジベンゾイルペルオキシ
ド、1,4−ジ−tert.−ブチルペルオキシシクロヘキサン、tert.−
ブチルペルオキシエチルヘキシルカルボネート、1,1−ジ−tert.−ブチ
ルペルオキシシクロヘキサン、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル,2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、1,1’−アゾ
ビス(シクロヘキサンカルボニトリル)またはシクロヘキシルヒドロペルオキシ
ドである。中間生成物として形成されたペルオキシドおよびアゾ化合物を、ラジ
カル開始剤として使用することができることは自明である。
【0050】 好ましくは、第1炭素原子、第2炭素原子または第3炭素原子に結合する酸素
原子を含有するラジカル開始剤であり、特に好ましくは、最終生成物に由来し、
かつ少なくとも一つの第1炭素原子、第2炭素原子または第3炭素原子に結合す
る酸素原子を含有するラジカル開始剤である。ラジカル開始剤は、別個に添加さ
れるか、または前記に挙げられたように、反応中で中間生成物として製造される
か、あるいはそれどころか、先の反応から少ない量でなおも存在し、それという
のも、装置をまったく洗浄することができないためである。このような化合物の
例は、クメンヒドロペルオキシド(1−メチル−1−フェニルエチルヒドロペル
オキシド)、シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシド(1−フェニルシクロ
ヘキシルヒドロペルオキシド)、シクロドデシルベンゼンヒドロペルオキシド(
1−フェニルシクロ−ドデシルヒドロペルオキシド)および2−n−ブチルベン
ジルヒドロペルオキシド(1−メチル−1−フェニルプロピル−ヒドロペルオキ
シド)である。
【0051】 ラジカル開始末端分子(たとえば、ヒドロキシラジカル)の濃度は、本発明に
よる方法中で、反応開始時には、しばしば触媒の濃度よりも少ない。しかしなが
ら、反応の過程で、これら化合物の中間生成物が形成されるために、反応の過程
において、ラジカル開始末端分子の濃度は高められる。
【0052】 形成された酸化生成物はこのようにして単離することができるが、しかしなが
ら、他の生成物へのこれらの化合物のさらなる直接的変換も可能である。生成物
の単離は、それぞれ常用の技術的方法、たとえば、蒸留によっておこなうことが
可能である。
【0053】 この本発明による方法は、回分法、半回分法、さらには連続法でおこなわれて
もよい。
【0054】 形成された酸化生成物はこのようにして単離することができるが、しかしなが
ら、望ましいフェノール誘導体へのこれら化合物のさらなる直接的な変換も可能
である。
【0055】 本発明による方法は、回分法、半回分法、さらには連続法でおこなわれてもよ
い。
【0056】 本発明による方法は、酸化剤として、酸素含有ガスを使用することでおこなわ
れてもよい。ガス中の酸素含量は、5〜100体積%である。好ましくは、酸化
剤として空気酸素または精製された酸素を使用する。それぞれの場合において、
液相および気相の完全な混合が重要である。これらは、たとえば、攪拌器中で、
相当する攪拌速度によってか、あるいは、管型反応器中で、パッキング要素およ
び気泡塔の導入によって達成することができる。
【0057】 しかしながら、また、反応カラムの種の一つ中で製造することも可能である。
触媒系は、液相中で形成されたヒドロペルオキシドとの混合が不可能であるよう
に集中的に配置する。これらは、たとえば、適した孔の大きさを有する膜によっ
て、達成することができる。塔頂部で、未変換のクメンが除去される。
【0058】 本発明による方法は、わずかに低い圧力下で、また大気圧(1バール)下で、
さらには100バールまでの高い圧力下で実施することができる。好ましくは、
1〜50バール、特に好ましくは1〜20バールの圧力である。
【0059】 以下の例は、本発明を制限することなく、さらに詳細に例証する。
【0060】 酸化変換率は、過酸化物のヨウ素滴定によって、さらには内部標準(ナフタリ
ン)を用いてのGC−分析によって測定した。酸化反応の選択率は、同様に、内
部標準(同様にナフタリン)を用いてのGC−分析によって測定した。分解反応
の変換率および選択率は、内部標準(ナフタリン)を用いてのGC−分析によっ
て測定した。分解生成物の選択率は、通常は、酸化されるべき出発材料に関連す
る。
【0061】 実施例 例1a(本発明による例): クメン30mlを、還流冷却器が取り付けられた丸底フラスコ中で、125℃
の温度で、0.3mmol N−ヒドロキシフタルイミドおよび0.6mmol
クメンヒドロキシペルオキシドと一緒に混合した。反応混合物を、8時間に亘
って、挙げられた温度で、1バールの酸素雰囲気下で攪拌した。クメン−変換率
30.8%で、選択率99.9%のクメンヒドロペルオキシドが得られた。
【0062】 例1b(本発明による例): 酸化(例1a)の反応搬出物を、ロータリーエバポレーターで、未変換クメン
を蒸発させることによって濃縮した。液体は、70質量%のクメンヒドロペルオ
キシドを含んでいた。
【0063】 濃縮物を、10mlアセトン中に装入し、かつ、50℃で、90mlアセトン
と少量の硫酸(1500ppm)との混合物に計量供給した。15分後に、反応
混合物の組成をGCを用いて測定した。クメンヒドロペルオキシドの定量的変換
によって、選択率92%のフェノールおよび選択率91%のアセトンが得られた
【0064】 例2(本発明によるものではない、助触媒を用いた例): クメン30mlを、還流冷却器が取り付けられた丸底フラスコ中で、125℃
の温度で、0.3mmol N−ヒドロキシフタルイミドおよび0.3mmol
Co(II)−酢酸塩と一緒に混合した。この反応混合物を、8時間に亘って
、挙げられた温度で、1バールの酸素雰囲気下で攪拌した。これによって、目的
とする化合物でなく、クメン変換率 49.3%で、選択率58.7%のアセト
フェノン、2−フェニル−2−プロパノール(13.1%)およびフェノール(
10.4%)が得られた。
【0065】 例3a(本発明による例): シクロヘキシルベンゼン 30mmolを、還流冷却器が取り付けられた丸底
フラスコ中で、110℃の温度で、0.3mmol N−ヒドロキシフタルイミ
ドおよび0.6mmol 1−シクロヘキシルベンジルヒドロペルオキシドと一
緒に混合した。反応混合物を、8時間に亘って、挙げられた温度で、1バールの
酸素雰囲気下で攪拌した。これによって、シクロヘキシルベンゼン変換率 28
.6%で、選択率96.2%の1−シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシド
が得られた。
【0066】 例3b(本発明による例): 酸化(例3a)の反応搬出物を、ロータリーエバポレーターで、未変換のシク
ロヘキシルベンゼンを蒸発させることによって濃縮した。液体は、65質量%の
1−シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドを含有していた。
【0067】 濃縮物を、10mlのアセトン中に装入し、かつ、50℃で、アセトン90m
lと少量の硫酸(1500ppm)との混合物に計量供給した。30分後に、反
応混合物の組成を、GCを用いて測定した。1−シクロヘキシルベンゼンヒドロ
ペルオキシドの定量的変換によって、選択率88%のフェノールおよび選択率9
1%のシクロヘキサノンが得られた。
【0068】 例4a(本発明によるものではない、助触媒を用いた例): シクロヘキシルベンゼン 30mmolを、還流冷却器が備えられた丸底フラ
スコ中で、110℃の温度で、0.3mmol N−ヒドロキシフタルイミドお
よび0.3mmol Co(II)−酢酸塩と一緒に混合した。この反応混合物
を8時間に亘って、挙げられた温度で、1バールの酸素雰囲気下で攪拌した。シ
クロヘキシルベンゼン変換率18.7%で、54.1%の選択率を有する1−シ
クロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドが得られた。
【0069】 例4b(本発明よるものではない例): 酸化(例4a)の反応搬出物を、ロータリーエバポレーターで、未変換のシク
ロヘキシルベンゼンを蒸発させることによって濃縮した。液体は、35質量%の
1−シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドを含んでいた。
【0070】 この濃縮物を、10mlのアセトン中に装入し、かつ、50℃で、90mlの
アセトンと少量の硫酸(1500ppm)との混合物に計量供給した。30分後
に、反応混合物の組成を、GCを用いて測定した。1−シクロヘキシルベンゼン
ヒドロペルオキシドの定量的変換の際に、選択率30%を有するフェノールおよ
び選択率32%を有するシクロヘキサノンが得られた。
【0071】 例5a(本発明による方法): シクロドデシルベンゼン 30mmolを、還流冷却器が取り付けられた丸底
フラスコ中で、125℃の温度で、0.3mmol N−ヒドロキシフタルイミ
ドおよび0.6mmol シクロドデシルベンゼンヒドロペルオキシドと一緒に
混合した。この反応混合物を、8時間に亘って、挙げられた温度で、1バールの
酸素雰囲気下で攪拌した。シクロドデシルベンゼン変換率 23.1%で、95
.1%の選択率のシクロドデシルベンゼンヒドロペルオキシドが得られた。
【0072】 例5b(本発明による方法): 酸化(例5a)の反応搬出物を、ロータリーエバポレーターで、未変換シクロ
ドデシルベンゼンを蒸発させることによって濃縮した。液体は、60質量%のシ
クロドデシルベンゼンヒドロペルオキシドを含んでいた。
【0073】 濃縮物を、10mlアセトン中に装入し、かつ50℃で、90mlアセトンと
少量の硫酸(1500ppm)との混合物に計量供給した。35分後に、反応混
合物の組成を、GCによって測定した。シクロドデシルベンゼンヒドロペルオキ
シドの定量的変換によって、87%の選択率のフェノールおよび90%の選択率
のシクロドデカノンが得られた。
【0074】 例6a(本発明によるものではない、助触媒を用いた例): シクロドデシルベンゼン 30mmolを、還流冷却器が取り付けられた丸底
フラスコ中で、125℃の温度で、0.3mmol N−ヒドロキシフタルイミ
ドおよび0.3mmol Co(II)−酢酸塩と一緒に混合した。この反応混
合物を、8時間に亘って、挙げられた温度で、1バールの酸素雰囲気下で攪拌し
た。シクロドデシルベンゼン変換率 7.3%で、選択率 59.1%のシクロ
ドデシルベンゼンヒドロペルオキシドが得られた。
【0075】 例6b(本発明によるものではない例): 酸化(例6a)の反応搬出物を、ロータリーエバポレーターで、未変換シクロ
ドデシルベンゼンを蒸発させることによって濃縮した。液体は、33質量%のシ
クロドデシルベンゼンヒドロペルオキシドを含んでいた。
【0076】 この濃縮物を、10ml アセトン中に装入し、かつ、50℃で、90mlア
セトンと少量の硫酸(1500ppm)との混合物に計量供給した。35分後に
、反応混合物の組成をGCを用いて測定した。シクロドデシルベンゼンヒドロペ
ルオキシドの定量的変換によって、選択率28%のフェノールおよび選択率32
%のシクロドデカノンが得られた。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年11月23日(2001.11.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、R、Rは、炭素原子 1〜20個を有する脂肪族炭化水素基であり
、その際、RおよびRは同一かまたは異なる基を示していてもよく、かつ、
およびRは共有結合を介して互いに結合されていてもよく、かつ、 Arは芳香族炭化水素基である]の化合物を用いて、この芳香族炭化水素をヒド
ロペルオキシドに接触酸化し、引き続いてこのヒドロペルオキシドをフェノール
誘導体とケトンとに分解することによって、フェノール誘導体を製造する方法に
おいて、ラジカル開始剤の存在下で、酸化触媒として、式I
【化2】 [式中、R、Rは水素、それぞれ炭素原子1〜20個を有する、脂肪族アル
コキシ基または芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基
または炭化水素基、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、Iおよび/また
はNOであり、その際、RおよびRは同一かまたは異なる基を示していて
もよいか、あるいはRおよびRは共有結合を介して、互いに結合していても
よく、 X、ZはC、S、CHであり、 YはO、OHであり、 kは0、1、2であり、 lは0、1、2であり、 mは1〜3である]の化合物を使用し、その際、触媒と芳香族炭化水素とのモル
比が10モル%未満であることを特徴とする、フェノール誘導体を製造する方法
【化3】 [式中、R、R、R、Rは水素、それぞれ炭素原子1〜20個を有する
、脂肪族アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基または炭化水素基、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、I
および/またはNOであり、その際、R、R、RおよびRは同一かま
たは異なる基を示していてもよく、 X、ZはC、S、CHであり、 YはO、OHであり、 kは0、1、2であり、 lは0、1、2である]の化合物を使用する、請求項1に記載の方法。
【化4】 [式中、Arは芳香族炭化水素基である]の化合物を使用する、請求項1から9
までのいずれか1項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/08 C07C 49/08 A 49/385 49/385 A 49/413 49/413 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウーヴェ タンガー ドイツ連邦共和国 ボーフム トラケーナ ー シュトラーセ 2 (72)発明者 ロジャー アーサー シェルダン オランダ国 レイスウェイク レーヘンテ ッセラーン 13 (72)発明者 イザベラ ウェー セー エー アーレン ツ オランダ国 フラーフェンハーヘ シンフ ラーフェンストラート 43 (72)発明者 マニッカム サシダラン インド国 タミール ナドゥ ティルヴァ ンナマライ ミンナガー ファースト ス トリート 110/ビー Fターム(参考) 4G069 AA06 BA21A BA21B BE19A BE19B BE20A BE21A BE33A BE34A BE37A BE38A BE38B CB07 CB74 4H006 AA02 AC42 AC44 BA51 BA93 BC10 BC11 BC14 BC34 BE30 FC52 FE13 4H039 CA64 CC30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族炭化水素をヒドロペルオキシドに接触酸化し、引き続
    いて、このヒドロペルオキシドをフェノール誘導体とケトンとに分解することに
    よって、フェノール誘導体を製造する方法において、ラジカル開始剤の存在下で
    、酸化触媒として、式I 【化1】 [R、Rは水素、それぞれ炭素原子1〜20個を有する、脂肪族アルコキシ
    基または芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基または
    炭化水素基、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、Iおよび/またはNO であり、その際、RおよびRは同一かまたは異なる基を示していてもよい
    か、あるいはRおよびRは、共有結合を介して互いに結合していてもよく、
    X、ZはC、S、CHであり、 YはO、OHであり、 kは0、1、2であり、 lは0、1、2であり、 mは1〜3である]の化合物を使用し、その際、触媒と芳香族炭化水素とのモル
    比が10モル%未満であることを特徴とする、フェノール誘導体を製造する方法
  2. 【請求項2】 酸化触媒として、式III 【化2】 [式中、R、R、R、Rは水素、それぞれ炭素原子1〜20個を有する
    、脂肪族アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシ
    カルボニル基または炭化水素、SOH、NH、OH、F、Cl、Br、Iお
    よび/またはNOであり、その際、R、R、RおよびRは同一かまた
    は異なる基を示していてもよく、 X、ZはC、S、CHであり、 YはO、OHであり、 kは0、1、2であり、 lは0、1、2である]の化合物を使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化触媒と酸化されるべき芳香族炭化水素とのモル比が、1
    −6モル%〜10モル%である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 酸化触媒と酸化されるべき芳香族炭化水素とのモル比が、1
    −6モル%〜2.5モル%である、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ラジカル開始剤として、ペルオキシ化合物またはアゾ化合物
    を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ラジカル開始剤と酸化触媒とを4:1のモル比で使用する、
    請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 接触酸化を、液相中で、0〜500℃の温度で実施する、請
    求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 酸化剤として、酸素 5〜100体積%を含有するガスを使
    用する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 接触酸化を、1〜100バールの圧力下で実施する、請求項
    1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 芳香族炭化水素として、式IV 【化3】 [式中、R、Rは、炭化水素1〜20個を有する脂肪族炭化水素基または芳
    香族炭化水素基であり、その際、RおよびRは同一かまたは異なる基を示し
    ていてもよく、かつ、RおよびRは共有結合によって互いに結合していても
    よく、かつ、Arは芳香族炭化水素基である]の化合物を使用する、請求項1か
    ら9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 芳香族炭化水素として、式V、VI、VIIおよびVII
    I 【化4】 [式中、Arは芳香族炭化水素基である]の化合物を使用する、請求項1から9
    までのいずれか1項に記載の方法。
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