JP2002248911A

JP2002248911A - 空気入りタイヤ

Info

Publication number: JP2002248911A
Application number: JP2001049355A
Authority: JP
Inventors: Hitoo Umemoto; 仁夫梅本
Original assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Priority date: 2001-02-23
Filing date: 2001-02-23
Publication date: 2002-09-03

Abstract

(57)【要約】【課題】加硫成形したタイヤの薄皮を早く摩滅すると
ともに装飾機能をもたせた。【解決手段】ブロック２の表面に微小突起５を多数個
形成して装飾体６としているとともに突起５の摩滅によ
り薄皮２Ａを消失する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤに
係り、より具体的にはスタッドレスタイヤに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】冬用タイヤ、特にスタッドレスタイヤ
は、氷雪路上でのグリップ（氷雪性能の向上）を得るた
めにトレッドに粘着力とヒステリシスロスの大きいゴム
を用い、接地面積が大きくなる工夫をするとともに、ト
レッド模様としてブロックパターンを採用している。と
ころで、タイヤの加硫成形においてタイヤ表面（トレッ
ド表面）は加硫度がタイヤ内部よりもオーバー気味にな
ることから、トレッド表面は薄皮を貼ったような状態に
なっており、使用初期には本来の機能（氷雪機能）が期
待できないものであった。

【０００３】そこで、実開昭６３−１８０４０５号公報
において、前記薄皮（トレッド面の劣化層）を剥離した
タイヤが提案されている（従来例の１）。また、加硫成
形された空気入りタイヤを店頭等に並べて販売などする
とき、トレッドパターンがタイヤ購入者が最も注目する
部分であるとともに、加えてその購入に際してタイヤ選
択の目安として文字、記号、メーカー名等の装飾体が注
目される処であり、このため、実開昭５９−８９７０４
号公報には、溝底に標識（識別体乃至装飾体）を形成し
た技術が提案されている（従来例の２）。

【０００４】また、特開平８−３３２８１０号公報に
は、ブロック表面に細かな凹凸部を形成して凍結路面、
圧接路面を走行可能な空気入りタイヤが提案されている
（従来例の３）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来例の１は、劣化層
を剥離することから、別途の作業工程（生産ラインの付
加）となって生産性が劣るだけでなく、高価でかつ高度
な剥離技術の確立が要求されるという課題があった。加
えて、劣化層を剥離するときその下層の良質なゴム質を
剥離するおそれがあり、これによるとタイヤ性能（氷雪
性能およびこれ以外の性能）を低下させるという課題が
あった。

【０００６】また、従来例の２のタイヤによれば、溝底
に標識を形成しているために、その形成領域が溝である
故に狭くまた、識別性も劣るという課題があった。ま
た、従来例の３によればそれなりに有用であるが、薄膜
の除去、装飾性等について考慮していないものであっ
た。本発明は、タイヤの加硫成形において不可避的に発
生する薄皮を別途剥離するのではなく、自動車にタイヤ
を装着して走行するときに（所謂ならし運転であっても
良い）、前記トレッド表面（ブロック表面）に多数形成
した微小突起によって薄皮を早期に摩滅させ、該微小突
起群によって装飾機能をもたせた空気入りタイヤを提供
しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、ブロックパタ
ーンのトレッド模様を有する空気入りタイヤにおいて、
前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じて
いる。すなわち、請求項１に係る本発明の空気入りタイ
ヤは、ブロック表面の薄皮を早く摩滅するために、ブロ
ック表面に微小突起を多数個形成し、該微小突起群によ
って装飾体を構成していることを特徴とするものであ
る。ここで、ブロックパターンには、リブ・ブロックパ
ターン（リブとブロックを組合せたトレッド模様）を含
み、又、空気入りタイヤは、バイヤスタイヤ、ラジアル
タイヤのいずれであっても良く、スタッドレスタイヤ
（冬用タイヤ）に適用すれば最良であるが所謂オールシ
ーズンタイヤにも適用可能である。

【０００８】いずれにしてもブロック表面（リブ表面も
含む）に微小突起を多数個形成することで薄皮が早く摩
滅するのである。また、微小突起群はその形成密度の粗
密、突起高さの大小等によってトレッド表面が濃淡とな
って、これにより、装飾機能を奏し、これ故、店頭等に
て販売のため積み重ね又は並べておいてもトレッド表面
のほぼ全域で装飾効果を期待でき販売促進につながるの
である。ここで装飾体とは、微小突起分によって視覚に
よる装飾効果（濃淡等）を奏するのは勿論、微小突起群
によって商品名、ブランド名等の視覚又は手ざわりによ
る標識機能を奏するものを含むものである。

【０００９】前述した請求項１において、ブロック表面
に前記装飾体とともにサイプが形成されていることが推
奨される（請求項２）。このような構成を採用すること
によって、サイプによるエッジ作用で氷雪性能を初めト
ラクション性能を発揮する発揮するだけでなく微小突起
と相まって装飾機能を向上するのである。前述した請求
項２において、前記装飾体とサイプは相互に干渉しない
で形成されていることが推奨される（請求項３）。

【００１０】このような構成を採用することによって、
微小突起の形成によってサイプ作用（エッジ効果）を損
うことがないのである。更に、前述した請求項１〜３に
おいて、装飾体を構成する微小突起群の突起は、突起高
さ方向に先細形状とされていることが推奨される（請求
項４）。微小突起は、その径（太さ）および高さの大小
等の組合せによって視覚による装飾機能を奏し得るが、
突起高さ方向に先細状とすることによって、薄皮を早く
摩滅できて有効となる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図１には、ブロックパターン
のトレッド模様を有する空気入りタイヤ１の斜視図を示
しており、センターブロック列とサイドブロック列（シ
ョルダーブロック列を含む）の各ブロック２を周方向溝
（主溝）３と軸方向溝（副溝）４とで隔離している。な
お、ブロックパターンには、例えばセンターブロック列
を周方向に連続したリブで構成したリブ・ブロックパタ
ーンを含むものである。

【００１２】各ブロック２には、図２で示すようにその
ブロック表面に微小突起５を多数個形成し、該微小突起
群によって装飾体６を構成している。図２の装飾体６
は、微小突起５を多数個形成することによって散点状の
模様による装飾機能をもたせている。ブロック２の表面
には加硫形成に伴って薄皮２Ａが形成されるが、この薄
皮２Ａは微小突起５を多数個形成することにより、当該
タイヤ１を自動車に装着して走行すると微小突起５であ
るが故に早期に摩滅して消失される。これ故、従来例の
１のように、バフ研摩等によって薄皮２Ａを剥離する工
程は必要でないのである。

【００１３】また、薄皮２Ａが消失すると、トレッド表
面（ブロック表面）２は、加硫過度、時間等を加味した
配合通りのゴム質が現出（露出）されるので、タイヤ性
能（スタッドレスタイヤであれば氷雪機能）は維持され
るのである。更に、本発明に係る空気入りタイヤ１は、
加硫成形され、品質管理等を経て店頭に積み重ねる等し
て展示され、販売されることになる。このとき、微小突
起群によって装飾体６が構成されていることから、販売
促進につながるのである。

【００１４】特に、主溝３とか副溝４に標識等を刻印等
したのではなく、ブロック表面２自体を装飾体６とした
ことにより、装飾機能、商品（タイヤ）識別機能は、ト
レッド面の全体にできて販売促進効果は顕著となる。前
記装飾体６として図２においては、微小突起群を散点状
に多数個形成することで構成しているが、このときは、
微小突起５の高さ、太さ等に大小に形成されることによ
り、これらを組合せることで濃淡、陰影等による装飾機
能を奏することができる。

【００１５】また、図３で示すように商品ブランド名等
を文字で表示した装飾体６とすることもできるし、この
場合、ブロック表面２の個々に、１又は複数の文字を表
示して複数個のブロック表面２の集合でブランド名とす
ることも可能であり、このときは、個々のブロック表面
２に形成される装飾体（例えば文字のひとつずつ）６と
することにより、個々のブロック表面２に形成される装
飾体（文字・図柄等）６が大きくできて目立つこととな
り、これ故、装飾機能を倍加させ得る。図３で例示した
文字（図柄等であっても良い）による装飾体６のとき
は、文字等を形造るように太さ、高さ等を異にする微小
突起５の多数個を形成すれば良い。

【００１６】更に、図２および図３で示すブロック表面
２にはトラクション性能、氷雪性能等を向上するための
サイプ７が形成されている。このサイプ７は前述した装
飾体６と相まって販売促進のファクターのひとつとな
る。このサイプ７と微小突起５は互いに干渉して形成す
ることも可能であるが、相互に干渉しないで形成するこ
とが、サイプ７のエッジ作用の維持乃至確保の観点から
有利である。

【００１７】また、サイプ７として図２および図３にお
いては、形状的には波形で種類的にはセミクローズで例
示しているが、直線形であっても又、クローズ、フルオ
ープン形式であって構わない。ブロック２の表面にサイ
プ７を形成したときは、該サイプ７の開口（サイプエッ
ジ間）が薄皮２Ａで一部乃至全体が閉塞されるときもあ
るが、前述したように微小突起５によって薄皮２Ａが早
期に摩滅されるので支障はない。図４〜図６を参照する
と、微小突起５のいくつかの例が示してある。

【００１８】微小突起５は、図４で示すように円錐形５
Ａ、三角錐形５Ｂ、多角錐形５Ｃ等とすることができる
し、勿論、図４では例示していないが、円柱形、角柱
形、截頭錐形等にでき、その太さ（径）ａ及び高さｂ
は、０．１〜１．０ｍｍ望ましくは０．３〜０．５ｍｍ
とされ、また、錐形のときの角度θは３０°〜１２０°
望ましくは４５°〜９０°とされている。また、微小突
起５の組み合せは任意であり、例えば図５で示すように
高さが同一で形状が異なるものの組み合せ（集合）で
も、図６で示すように高さ、太さおよび形状が異なるも
のの組み合せであっても良い。

【００１９】更に、微小突起５は突起高さ方向（突隆方
向）に同じ太さにしても良いが先細形状とすることによ
り、摩滅を促進する点で有効である。また、装飾体６
は、文字、図柄等任意であるが、ブロック２の表面にウ
ェーブ（波形）模様、イナズマ模様、格子模様等を形造
るように微小突起５を多数個形成して突隆させることも
できる。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、販
売促進を図りその後はタイヤとしての性能を発揮でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るタイヤ一例の斜視図である。

【図２】ブロック一例の斜視図である。

【図３】ブロック他例の斜視図である。

【図４】微小突起の４例を示す平面図と正面図である。

【図５】微小突起の配列一例を示す断面図である。

【図６】微小突起の配列他例を示す断面図である。

【符号の説明】１空気入りタイヤ２ブロック２Ａ薄皮５微小突起６装飾体７サイプ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ブロックパターンのトレッド模様を有す
る空気入りタイヤにおいて、ブロック表面の薄皮を早く摩滅するために、ブロック表
面に微小突起を多数個形成し、該微小突起群によって装
飾体を構成していることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項２】ブロック表面に前記装飾体とともにサイ
プが形成されていることを特徴とする請求項１に記載の
空気入りタイヤ。
【請求項３】前記装飾体とサイプは相互に干渉しない
で形成されていることを特徴とする請求項２に記載の空
気入りタイヤ。
【請求項４】装飾体を構成する微小突起群の突起は、
突起高さ方向に先細形状とされていることを特徴とする
請求項１〜３のいずれかに記載の空気入りタイヤ。