JP2002242977A - 防振媒体及びこれを備える防振ダンパー - Google Patents

防振媒体及びこれを備える防振ダンパー

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JP2002242977A JP2001039627A JP2001039627A JP2002242977A JP 2002242977 A JP2002242977 A JP 2002242977A JP 2001039627 A JP2001039627 A JP 2001039627A JP 2001039627 A JP2001039627 A JP 2001039627A JP 2002242977 A JP2002242977 A JP 2002242977A
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viscous
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Yutaka Nakanishi
豊 中西
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Polymatech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振倍率を低下させるだけでなく、共振
点周波数の変動をも抑えることができる防振ダンパー
と、この防振ダンパーに封入する防振媒体の提供。 【解決手段】 ジメチルシリコーンオイルにポリメチル
シルセスキオキサン粉末を混合して得た粘性流体に対し
て、シリコーンオイル中でポリメチルシルセスキオキサ
ン粉末によって分散保持される粒状物を5〜15体積%
の割合で配合してなる防振媒体を防振ダンパーに封入し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDプレーヤやハ
ードディスクドライブ等の記録媒体に対して非接触でデ
ータ読取りを行う再生機構を防振支持する防振ダンパー
に関し、特に粘性のある流体の流動による抵抗力によっ
て振動を減衰させるタイプの防振ダンパーに関する。
【0002】
【背景技術】従来から記録媒体に対して非接触でデータ
読取りを行う再生機構については、読取りエラー防止や
その保護のため、再生機構とそれを収納するケーシング
との間や、再生機構を収納するケーシングとそのケーシ
ングの支持要素との間に防振手段を介在させて、ケーシ
ングや支持要素から伝達される外部からの入力振動を減
衰させるようにしている。こうした防振手段としては、
振動を受けて弾性変形可能な防振容器の内部に粘性流体
を封入し、この粘性流体の粘性抵抗を利用して入力振動
を減衰させる防振ダンパーが、特に車載用の音響機器の
防振手段として従来から利用されているが、その中で
も、単に粘性流体だけを封入するのではなく、粘性流体
に固体粒子を混入することで更なる高い減衰性能を実現
しようとするものもあり、注目される(類似技術として
特開昭63−308241号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに粘性流体中に固
体粒子を混入すれば共振倍率が低下して、防振ダンパー
の振動減衰性能を向上できると考えられる。しかしなが
ら、本発明者の知見によれば、防振対象とする再生機構
に応じて適当な防振効果を発揮させるためには、単純に
防振ダンパーの共振倍率を低下させるだけでは不十分で
はないかと考えられる。即ち、どのような種類や大きさ
や重さの再生機構であっても一応特定の共振点周波数が
存在するが、車載用CDプレーヤ等を考えれば理解が容
易なように、その使用状況によっては車両が路面から受
ける振動や車両自体が発生する振動等が非常に複雑に絡
み合って、その共振点周波数が高周波側へ或いは低周波
側へ変動する現象が見られるのである。そして、これに
伴って防振ダンパーの共振点周波数も変動することがあ
り、音飛び等の読取りエラーを生じるような周波数帯に
変動してしまうと、設計段階でいくら防振ダンパーの共
振倍率を低下できても、現実の使用に則した防振効果を
期待することは難しい。
【0004】こうした背景に基づいて本発明者が試行錯
誤を重ねた結果得られたのが本発明である。即ち、その
目的とするところは、共振倍率を低下させつつも共振点
周波数の変動を抑えることができる防振ダンパーと、こ
の防振ダンパーに使用する防振媒体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するために本発明は、粘性流体に粒状物を配合して成
り、振動を受けて変形可能な弾性壁部を有する防振ダン
パーに封入される防振媒体であって、粘性基液と上記粒
状物を粘性基液中で分散保持する分散担体とを混合して
成る粘性流体に対して、5〜15体積%の割合で上記粒
状物を配合して成る防振媒体を提供するものである。
【0006】また、本発明は、振動を受けて変形可能な
弾性壁部を含む防振容器を備え、その内部に、上記防振
媒体を封入して成る防振ダンパーを提供するものであ
る。
【0007】上記防振媒体に含ませる粘性基液は、振動
を受けて流動する際にその粘性による抵抗力を発揮して
振動減衰効果、即ち共振倍率の低下をもたらす。また、
この粘性基液に所定量混合される粒状物は、振動を受け
て流動し接触する粘性基液に対して反力を与え、粘性基
液の抵抗力を更に高めるように作用する。そして、分散
担体は、粘性基液中のおける粒状物の分散状態を保持す
るように作用して粒状物による抵抗力の発揮が効果的に
行われるようにすると共に、それ自身も流動する粘性基
液に対する反力を与えて粘性基液の抵抗力を更に高める
ように作用する。本発明では、こうした粘性基液と粒状
物と分散担体とによる抵抗力が分散的且つ重畳的に発揮
されることで、共振倍率が大幅に低下し、振動減衰性能
が高められるものと考えられる。
【0008】そして、上述の粒状物を粘性基液と分散担
体から成る粘性流体に対して5〜15体積%の割合で混
合させると、共振倍率を低下させつつ共振点周波数の変
動を抑えることができる。こうした効果は本発明者が試
行錯誤する過程で経験的に見出されたものであってその
メカニズムは定かではないが、粒状物が5体積%未満だ
と上述の振動減衰性能を向上することができず、15体
積%より多いと振動減衰性能を向上できなくなる上に共
振点周波数が高周波側へ変動してしまうのである。
【0009】そして、本発明の防振媒体とこれを利用す
る防振ダンパーでは、これらの共振倍率の低減効果と共
振点周波数の変動抑制効果が、上記構成の粘性基液と分
散担体と所定量の粒状物とが何らかの相関性をもって協
動的に且つ一体として作用することによって始めて発揮
されるものと考えられる。
【0010】上述の粘性基液としては、0.01〜0.
1m/sの粘度をもつシリコーンオイル、特にジメチ
ルシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルは温
度変化に対する粘度変化が小さいという優れた温度特性
をもっているためであり、またあまり低粘度であると分
散担体が沈降してしまい、逆に高粘度過ぎるとディスペ
ンサーを利用して行う防振容器に対する粘性流体あるい
は防振媒体の注入作業性が悪くなり、また注入時に気泡
が混入して特性悪化を招く原因となるため好ましくない
からである。なお、ジメチルシリコーンオイルでなくて
も、例えば上記のような粘度を持つ液体であれば粘性基
液として使用できる。例えば、パラフィンオイル等の鉱
物油や、なたね油等の植物油、ポリブテン等の低分子量
の液状ポリマー、フタル酸エステル類、さらには粘度を
調整した水溶液等が挙げられる。
【0011】上記分散担体としては、ポリメチルシルセ
スキオキサン粉末が好ましい。ポリメチルシルセスキオ
キサン粉末は、硬くて耐摩耗性が良い上に、シリコーン
オイルとの比重差が小さく分散性がよく、凝集も難いた
め、振動を受けて流動する際にその粘性による抵抗力を
発揮して振動減衰効果、即ち共振倍率の低下をもたらす
ことができる。また、粘性基液に配合した粒状物の沈降
を抑え、その分散状態を保持する作用を発揮するもので
ある。この粒状物の沈降防止効果を発揮させるには、シ
リコーンオイル100重量部に対して、5重量部以上の
ポリメチルシルセスキオキサン粉末を混合すればよい。
但し、その混合量が多すぎると、共振倍率は低下される
ものの、粘性基液の弾性力が過剰に大きくなって、防振
媒体封入ダンパーの共振点周波数が高周波側へ変動して
しまうという問題が生じる。その相関図を図1に示す。
そのため、シリコーンオイル100重量部に対して40
〜90重量部程度を配合するのが好ましい。また、ポリ
メチルシルセスキオキサン粉末の粉径は、特に制限され
るものではないが、5〜50μm程度のものを用いると
よい。なお、ポリメチルシルセスキオキサン粉末と同様
の性能をもつものであれば、例えばアルミナ、微粉末シ
リカ等のセラミック系無機粉末のような、粘性基液と反
応しない他の粉末を分散担体として使用してもよい。
【0012】上記粒状物としては、シリコーンオイル等
の粘性基液に膨潤しないものであればよく、例えばゴ
ム、プラスチック、セラミック、金属等、特に限定され
るものではない。また、上述した粘性基液の粘度が低い
場合には、長期間放置しておくと沈降する恐れがあるた
め、実用上は粘性基液との比重差ができるだけ小さなも
のが好ましい。
【0013】粒状物の形状は、特に限定されないが、振
動を受けて変形可能な弾性壁部を含む防振容器を利用す
る防振ダンパーに封入する場合には、弾性壁部の損傷を
回避するため、角部がない球状が好ましい。
【0014】粒状物の粒径と個数についても、上述のよ
うに粘性流体の5〜15体積%の範囲内に納まる限り、
粒径の大きい粒状物を1個としても、或いは粒径の小さ
な粒状物を無数個としての何れでもよいと考えられる。
但し、振動を受けて変形可能な弾性壁部を含む防振容器
を利用する防振ダンパーに封入する場合には、弾性壁部
の自由な弾性変形を阻害しない程度の粒径にしておく必
要がある。また、弾性壁部に、防振容器内に突入して防
振媒体を攪拌する攪拌筒部が形成されている場合には、
攪拌筒部による上下・左右方向への自由な遊動を阻害し
ない程度の粒径とする必要がある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。
【0016】図2は、一実施形態による防振ダンパー1
の中央縦断面図である。この防振ダンパー1は、ポリプ
ロピレン製の円筒壁部2と、スチレン系熱可塑性エラス
トマー製の弾性壁部3とを二色成形により一体形成した
防振容器4を備えている。この防振容器4の内部には防
振媒体5が充填されている。防振容器4の底部にはポリ
プロピレン製の蓋6が超音波融着されており、この蓋6
は、例えば車載用CDプレーヤの再生機構を覆うケーシ
ングのような、振動経路の1次側部材に対してネジ止め
等の手段で固定されている。防振容器4の弾性壁部3に
は、内部に突出する攪拌筒部3aが形成されている。こ
の攪拌筒部3aには、例えば上記再生機構のような振動
経路の2次側部材から突出している支持ピンpが挿入さ
れて、該2次側部材を防振支持するようになっている。
即ち、支持ピンpは、攪拌筒部3aに挿入された状態
で、弾性壁部3によって上下左右の全方向に対して遊動
できるように防振支持されている。また、攪拌筒部3a
の外側面と、その外側に対向位置する弾性壁部3の内側
面との間に形成される小間隙dと大間隙d、及び、
攪拌筒部3aの底面と蓋6との間に形成される遊動許容
間隙dは、防振媒体5中の粒状物5aの粒径よりも十
分大きな距離をもって形成されている。従って、攪拌筒
部3aが上下左右の全方向に対して遊動したり、弾性壁
部3が弾性変形しても、小間隙d、大間隙d、遊動
許容間隙dに粒状物5が詰まることなく、振動減衰効
果を確実に発揮できるようにしてある。
【0017】防振媒体5は、粘性基液としてのシリコー
ンオイルと、分散担体としてのポリメチルシルセスキオ
キサン粉末とから成る粘性流体5bに、所定量の粒状物
5aを配合して成るものである。この防振媒体5を利用
することで、防振ダンパー1の共振倍率を低下しながら
も共振点周波数を変動させないようにすることができ
る。以下、その実施例を説明する。
【0018】なお、各実施例と比較例で行った防振特性
の測定試験は、図3で模式的に示すようなマスモデル7
で行ったものである。8が振動経路における2次側部
材、即ち防振対象とする例えばCDプレーヤ等の再生機
構である。この再生機構8は、4つの防振ダンパー1
と、同じく4本の支持バネ9とを介して、加振台10に
垂設した支持壁11に対して支持されている。そして、
以下の各実施例と比較例における各測定試験では、加振
加速度2Gにて上下方向X(実施例1、比較例1のみ)
や左右方向Y(全実施例、全比較例)で加振台10を加
振し、防振ダンパー1の防振特性として、共振点周波数
(以下、f)と共振倍率(以下、Q値)を測定したも
のである。なお、各実施例や比較例における防振容器5
の弾性壁部3はスチレン系熱可塑性エラストマーを材質
としており、実施例1,2及び比較例1では硬度40、
実施例3及び比較例2〜7では硬度25(JIS K6
253、タイプAデュロメータ)である。
【0019】
【実施例1】実施例1では、粘性基液として100重量
部のジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング・
シリコーン社製、SH−200、粘度0.1m/s)
に、分散担体として80重量部のポリメチルシルセスキ
オキサン粉末(東レダウコーニング・シリコーン社製、
トレフィルR−900、平均粒径20μm)を攪拌混合
して粘性流体5bを得た。次に、この粘性流体5bの9
0体積%に対して、粒状物5aとして粒径が0.5m
m,1mm,2mm,3mmの鉛の粒球を各々10体積
%配合して、それぞれ防振媒体5を得た。そして、各防
振媒体5を図2の防振ダンパー1に封入して、実施例1
A、1B、1C、1Dの防振ダンパー1とした。これに
対して、実施例1の粘性流体5bだけを図2で示す防振
ダンパー1に封入して比較例1とした。各防振ダンパー
1の防振特性は表1の通りである。
【表1】
【0020】実施例1A〜1Dと比較例1とを対比する
と、実施例1A〜1Dの方が比較例1よりもQ値が低
く、振動減衰性能がより高いことが分かる。尚且つ、f
は変動せずに一定値である。また、実施例1A〜1D
によれば、粒径に関係なくほぼ一様にQ値の低減効果と
の変動防止効果を得られることが分かる。
【0021】
【実施例2】実施例2では、上記実施例1の粘性流体5
bに対して、粒状物5aとして粒径3mmの鉛粒を7体
積%、粒径3mmの鋼粒を8体積%、粒径2mmのYZ
Tセラミック粒を8.5体積%、粒径3mmのナイロン
粒を9.2体積%、粒径2mmのウレタンゴム粒を1
0.5体積%、粒径2mmのガラス粒を12体積%それ
ぞれ配合して防振媒体5を得た。そして、各防振媒体5
を図2の防振ダンパー1に封入して、実施例2A,2
B,2C,2D,2E,2Fの防振ダンパー1とした。
各防振ダンパー1の防振特性は表2の通りである。
【表2】
【0022】実施例2A〜2Fと比較例1とを対比する
と、実施例2A〜2Fの方が比較例1よりもQ値が低
く、振動減衰性能がより高いことが分かる。尚且つ、f
は変動せずに一定値である。また、実施例2A〜2F
によれば、粒種に関係なくほぼ一様にQ値の低減効果と
の変動防止効果を得られることが分かる。
【0023】
【実施例3】実施例3では、上記実施例1のジメチルシ
リコーンオイル100重量部に、上記実施例1のポリメ
チルシルセスキオキサン粉末50重量部を攪拌混合して
粘性流体5bを得た。次に、この粘性流体5bに対し
て、粒状物5aとして粒径2mmのガラス粒をそれぞれ
5体積%、10体積%、15体積%配合した防振媒体5
を得た。そして、各防振媒体5を図2の防振ダンパー1
に封入して、実施例3A,3B,3Cの防振ダンパー1
とした。
【0024】比較例としては次のものを用いた。比較例
2の防振ダンパー1は、実施例3の粘性流体5bだけを
防振媒体5として封入したものである。比較例3の防振
ダンパー1は、実施例1のジメチルシリコーンオイル1
00重量部に実施例1のポリメチルシルセスキオキサン
粉末80重量部を攪拌混合して得た粘性流体5bだけを
防振媒体5として封入したものである。比較例4の防振
ダンパー1は、実施例1のジメチルシリコーンオイルだ
けで粘性流体5bを構成し、これを防振媒体5として封
入したものである。比較例5の防振ダンパー1は、実施
例1のジメチルシリコーンオイルだけで構成した粘性流
体5bに対して、粒状物5aとして実施例3のガラス粒
を15体積%配合して成る防振媒体5を封入したもので
ある。比較例6、比較例7の各防振ダンパー1は、実施
例3の粘性流体5bに対して、それぞれ粒状物5aとし
て実施例3のガラス粒を2.5体積%,20.0体積%
配合して成る防振媒体5をそれぞれ封入したものであ
る。各防振ダンパー1の防振特性は表3の通りである。
【表3】
【0025】まず、比較例2と比較例3とを比較する
と、ポリメチルシルセスキオキサン粉末の混合量がより
多い比較例3の方がQ値が低く、振動減衰性能がより高
いことが分かる。しかしながら、fに着目すると、混
合量の多い比較例3が比較例2よりも高周波側へ変動し
ている。従って、Q値の低下だけを狙ってポリメチルシ
ルセスキオキサン粉末の混合量をやみくもに多くしてし
まうと、却ってfが変動してしまうことが分かる。
【0026】また、比較例4のように、上記実施例1の
ジメチルシリコーンオイルだけを粘性流体5bとして防
振ダンパー1に封入しただけでは、Q値が極めて高く、
振動減衰効果が非常に低い。
【0027】そして、比較例5のように、粘性流体5b
からポリメチルシルセスキオキサン粉末を除いてしまう
と、実施例3Cと比較するとQ値が2倍以上高い値とな
っており、振動減衰効果が低いことが分かる。
【0028】さらに、比較例6のように、ガラス粒の配
合量が5体積%未満で少ないと、f は実施例3A〜3
Cと変わらないが、Q値が比較例2と同等の値に止まっ
てしまい、十分な振動減衰効果が得られない。また、比
較例7のように、ガラス粒の配合量が15%よりも多い
と、Q値は実施例3A〜3Cと同等であるものの、f
が24.5Hzと大きく高周波側へ変動してしまうとい
う問題が生じる。
【0029】以上に対して実施例3A〜3Cの防振ダン
パー1によれば、Q値が低いままでfの変動がないか
ら、Q値の低減効果とfの変動防止効果を発揮できる
ことが分かる。
【0030】なお、以上の各実施形態で利用した図2の
防振ダンパー1は、例えば図4のような防振ダンパー1
2に代えてもよい。この防振ダンパー12は、防振容器
13全体が熱可塑性エラストマーで成形されており、そ
の特徴は図2で示すような防振媒体5の流動に寄与する
攪拌筒部3aが形成されていないことである。こうした
防振ダンパー12であっても、上記実施形態で示した防
振媒体5を封入すれば、上記各実施形態とほぼ同様の効
果が得られる。そして、この防振ダンパー12について
は、防振容器13の頂部に設けた突起部13aを振動経
路の一次側部材又は二次側部材の何れかに設けた係合孔
に係合させ、防振容器13の底部13bを前記何れか他
方の部材に接着等の手段により固着することで、防振対
象物を防振支持するように用いる。
【0031】
【発明の効果】本発明の防振媒体と、これを封入した防
振ダンパーによれば、共振倍率が低く、優れた振動減衰
性能を発揮しつつも、例えば車載用の非接触読取り式の
再生機構のように実使用時に複数の振動が複雑に絡み合
って生じる共振点周波数の変動を抑え込むことができ
る。従って、実使用時において、防振対象とする機器に
適した防振性能を発揮することができる、という優れた
効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘性基液に対する分散担体の混合量に応じた共
振倍率の変化と共振点周波数の変動を示すグラフ図。
【図2】本発明の一実施形態による防振ダンパーの中央
縦断面図。
【図3】各実施形態及び各比較例による防振ダンパーと
の振動特性を測定するために利用したマスモデルの模式
図で、分図(a)はその正面図、分図(b)は分図
(a)のSA−SA線断面図。
【図4】本発明の他の実施形態による防振ダンパーの中
央縦断面図。
【符号の説明】 1,12 防振ダンパー 3 弾性壁部 4,13 防振容器 5 防振媒体 5a 粒状物 5b 粘性流体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 33/08 F16F 13/00 620A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘性流体に粒状物を配合して成り、振動
    を受けて変形可能な弾性壁部を有する防振ダンパーに封
    入される防振媒体であって、 粘性基液と上記粒状物を粘性基液中で分散保持する分散
    担体とを混合して成る粘性流体に対して、5〜15体積
    %の割合で上記粒状物を配合して成る防振媒体。
  2. 【請求項2】 粘性基液がシリコーンオイルである請求
    項1記載の防振媒体。
  3. 【請求項3】 分散担体がポリメチルシルセスキオキサ
    ン粉末である請求項1又は請求項2記載の防振媒体。
  4. 【請求項4】 振動を受けて変形可能な弾性壁部を含む
    防振容器を備え、その内部に請求項1〜請求項3の何れ
    か1項記載の防振媒体を封入して成る防振ダンパー。
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