JP4339428B2 - 減衰可変型粘性流体封入式ダンパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響機器や光ディスク等の情報機器、あるいは精密電子機器等に使用される、外部からの振動を吸収する防振装置、特に車載用の光ディスク等のカーエレクトロニクスの防振に用いられる粘性流体封入式ダンパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘性流体封入式ダンパーは、音響機器、情報機器、特に車載用CDプレーヤーに内蔵され、そのダンパー内部に充填された粘性流体の粘性流動抵抗により外部からプレーヤー内部のピックアップメカニズムに伝達される振動を吸収する優れた防振特性を持つ(図3)。
【0003】
この粘性流体封入式ダンパーは、防振する被支持体であるピックアップメカニズムの重量およびそのバランスに応じて、金属製の引張りまたは圧縮スプリングと併用されることもある。また、自動車の振動には、振動数あるいは加速度が小さいものから大きいものまでさまざまなものがあり、衝撃作用も働くことがある。
【0004】
このようなさまざまな振動に対して、被支持体の重量やバランスにあわせる様に粘性流体封入式ダンパーの粘性流体の粘度を調整したり、封入しているゴム状弾性体の硬度を調整することで最適な防振効果を持たせている。
【0005】
実開昭63−164890号には、図4に示すように、ダンパー内部にリブが設けられているものが記載されている。
【0006】
これは、ダンパー側壁より内部に向かうリブ部を突設したことにより、大振幅時にリブとシャフトが挿入されている攪拌部間がオリフィスを形成し、流動体が急激に移動できないので流体抵抗が発生してシャフトに加わるショックが緩和される。従って攪拌部端部の破損のおそれがないというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
高粘度の粘性流体を封入したダンパーでは、一般的に100Hz未満の低い周波数、特に共振周波数域の外部振動に対して、減衰効果が大きいが、100Hz以上の高い周波数の振動に対しては、減衰力を発揮せず、振動伝達率を下げることが弱く、つまり防振効果が低下する傾向にある。
【0008】
逆に低粘度の粘性流体を封入したダンパーでは、被支持体の共振周波数付近において、特に低い周波数(10〜20Hz付近)では、被支持体の共振倍率が高くなるため、メカニズムの振幅が大きくなり、この周波数付近ではディスクの音飛び、誤動作等が発生し易くなる。
また、実開昭63−164890号考案は、攪拌部がリブ方向に振幅し、攪拌部とリブが接触した場合、流体抵抗が発生し難くなり、従って減衰効果を生じる周波数の範囲が狭くなる欠点がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記課題を解決する減衰可変型粘性封入式ダンパーであって、粘性流体を封入するダンパーのフタより攪拌部周囲に向かって緩衝帯を設けることで、高い周波数域では加速度が大きくても振幅が小さいため攪拌部と粘性流体によって振動伝達率を小さくでき、高い防振特性効果が得られ、低い周波数域では振幅が大きいため撹拌部の移動が大きくなり撹拌部と緩衝帯が接触し、攪拌部および緩衝帯と粘性流体によって振動伝達率を小さくでき、高い防振特性効果が得られるようになる。したがって低周波数域から高周波数域まで広い周波数域で大きい減衰効果を持ち、且つ被支持体であるメカニズムの共振周波数での共振倍率を抑える粘性流体封入式ダンパーを提供できるものである。
【0010】
さらに本発明は、攪拌部および緩衝帯がゴム状弾性体であり、材質としては天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、あるいは熱可塑性のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げられ、特に低い周波数の最適振動伝達特性を得るためには、ゴム状弾性体の硬度が、JIS−Aタイプで、10〜90が適当であり、また、損失係数が0.03以上であることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に図を参照しながら本発明の減衰可変型粘性流体封入式ダンパーの構成について説明する。
図1に、本発明の粘性封入式ダンパーの一例に従った断面図を示す。
容器1は、ゴム状弾性体の単体構造(a)、またはゴム状弾性体1bと硬質樹脂1a、もしくはゴム状弾性体と金属の複合構造(b)からなり、内部に粘性流体2をフタ6とで密閉している。フタ6も容器1と同様のゴム状弾性体構造としてある。
容器1には、上部より攪拌部4が筒状に陥没しており、被支持体から突起した剛体シャフト5が、攪拌部4の筒状抵抗部位に挿入される。
【0012】
容器1内には、側壁とわずかの間隔をおいてゴム状弾性体からなる緩衝帯3をフタ6より突出させてある。
外部振動が発生した時に、攪拌部4とシャフト5の振幅すなわち攪拌動作により、粘性流体2の粘性抵抗および緩衝帯3の応力緩和作用により、被支持体が防振効果を得ている。例えば、攪拌部4とシャフト5の振幅の大きい被支持体の共振周波数付近では、攪拌部4がゴム状弾性体からなる緩衝帯3に接触し、その応力緩和および緩衝帯と容器の間の粘性流体の粘性流動抵抗により、被支持体の共振倍率を抑える効果をもつ。また、攪拌部4とシャフト5の振幅の小さいときには、攪拌部4が緩衝帯3に接触することなく粘性流体2の粘性流動抵抗により高い防振特性効果を発揮する。
【0013】
本発明の粘性流体は、回転粘度を上げるために、ポリメチルシルセスキオキサン粉末を適当量加え十分に混練させたもので、回転粘度100k〜1000kcsに調整したものが好ましい。
【0014】
【実施例1】
容器1は、材質として硬度(JIS-K-6301-A型)30のブチルゴムを用いたゴム状弾性体からなり、これに粘性流体2を充填した。この粘性流体は、ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング・シリコーン社製、10kcs品)に回転粘度を上げるために平均粒径20μmのポリメチルシルセスキオキサン粉末(東レダウコーニング・シリコーン社製、トレフィルR-900)を適当量加え十分に混練させたもので、回転粘度1000kcsに調整して作製した。容器と同様のゴム状弾性体を用いたフタ6より環状の緩衝帯3を撹拌部4の外周に隙間0.8mmを有して突起させた。
【0015】
【比較例1】
図4に従来のダンパーを示す。
容器11は、硬度(JIS-K-6301-A型)30のブチルゴムを用いたゴム状弾性体からなり、これに粘性流体12を充填した。この粘性流体は、ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング・シリコーン社製、10k cs品)に回転粘度を上げるために、平均粒径20μmのポリメチルシルセスキオキサン粉末(東レダウコーニング・シリコーン社製、トレフィルR-900)を適当量加え十分に混練させたもので、回転粘度1000kcsに調整して作製した。容器11の側面より内部に向うリブ13を水平に攪拌部14の外周に隙間0.8mmを有して突起させた構造とした。
【0016】
【比較例2】
図3に従来のダンパーを示す。
容器21は、材質として硬度(JIS-K-6301-A型)30のブチルゴムを用い、粘性流体22は、ジメチルシリコーンオイルに平均粒径20μmのポリメチルシルセスキオキサン粉末(東レダウコーニング・シリコーン社製、トレフィルR-900)を十分に混練させた、回転粘度1000kcsのシリコーングリス粘性流体のみを封入充填させたものを作製した。
【0017】
前述の作製した減衰可変型粘性流体封入式ダンパーの防振効果を評価するための試験方法を横断面図である図2を用いて説明する。
被支持体Aの重量は、380gであり、これから4本の剛体のシャフトが突起していて、このシャフトCを本発明である4個の減衰可変型粘性流体封入ダンパーBに挿入し、被支持体Aの支持を行っており、更に引張りコイルスプリングD(4本)によっても被支持体を支持している。また枠Eは減衰可変型粘性流体封入ダンパーBおよび引張りコイルスプリングDの取り付けが可能な金属の枠になっており、加振テーブルFに固定されている。
【0018】
本発明及び従来のダンパーを、振動伝達測定した結果を表1に示す。
【0019】
加振の方向は図2に対して、上下方向に一定加速度で周波数8〜200Hzの範囲で振動させ、共振倍率は共振周波数に加振テーブルからの振動入力加速度a1に対し被支持体からの振動出力加速度a2をa2 /a1の関係で表したものであり、また100Hzの振動伝達率も同様の関係を表したものである。
【0020】
比較例1と実施例1をみると、振幅の大きい共振点付近において実施例の緩衝帯3が攪拌部4に接触したときの応力緩和作用および緩衝帯と容器の間の粘性流体の粘性流動抵抗により共振倍率の低下が確認された。防振域である高周波数域(100Hz付近)において比較例1より優れた防振減衰効果が認められる。
比較例2と実施例1をみると振幅の大きい共振点付近において共振倍率の低下が確認された。防振域である高周波数域(100Hz付近)において比較例2より優れた防振減衰効果が認められる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、粘性流体の内部にゴム状弾性体からなる緩衝帯を設けることにより、防振させる被支持体の振幅の大きい周波数付近においてゴム状弾性体の応力緩和を利用して防振効果を向上させる。実際の車載CDメカニズムに使用される場合には、共振点付近での音飛び、誤動作の発生を防止する効果が期待され、また、振幅の小さい高周波数では内部の粘性流体の流動抵抗により減衰効果を発揮することの可能な減衰可変型粘性流体封入式ダンパーを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ダンパーの断面図
【図2】試験方法の横断面図
【図3】従来ダンパーの断面図
【図4】従来ダンパーの断面図
【表1】
振動伝達測定結果
【符号の説明】
1 容器
1a 硬質樹脂
1b ゴム状弾性体
2 粘性流体
3 緩衝帯
4 攪拌部
5 シャフト
6 フタ
A 被支持体
B 減衰可変型粘性流体封入ダンパー
C シャフト
D コイルスプリング
E 枠
F 加振テーブル
Claims (3)
- 粘性流体が、ゴム状弾性体からなる攪拌部を有する容器とフタにより封入され、外部からの振動に対しそのゴム状弾性体の攪拌部が粘性流体中を移動することで粘性抵抗を生じ減衰力をもつダンパーにおいて、
攪拌部とわずかな間隔を有して、ゴム状弾性体からなる環状の緩衝帯がフタから容器内に突起し、
振幅が小さいときには、攪拌部と粘性流体の粘性流動抵抗によって振動減衰を行ない、
振幅が大きいときには、攪拌部が緩衝帯に接触することで、緩衝帯による応力緩和と、緩衝帯と容器の間の粘性流体による粘性流動抵抗との両方を受けて、振動減衰を行なう
ことを特徴とする減衰可変型粘性流体封入式ダンパー。 - ゴム状弾性体が、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムあるいは熱可塑性のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1に記載の減衰可変型粘性流体封入式ダンパー。
- 緩衝帯が、容器の側壁から間隔を有していることを特徴とする請求項1に記載の減衰可変型粘性流体封入式ダンパー。
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