JPH0372850B2 - - Google Patents
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- JPH0372850B2 JPH0372850B2 JP62144355A JP14435587A JPH0372850B2 JP H0372850 B2 JPH0372850 B2 JP H0372850B2 JP 62144355 A JP62144355 A JP 62144355A JP 14435587 A JP14435587 A JP 14435587A JP H0372850 B2 JPH0372850 B2 JP H0372850B2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F9/00—Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
- F16F9/006—Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium characterised by the nature of the damping medium, e.g. biodegradable
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Description
(技術分野)
本発明は振動絶縁装置に係り、特に粘性流体の
主として粘性等によつて生ずる抵抗力により振動
減衰作用を発揮せしめるようにした、音響機器、
精密測定機器等に好適に用いられる粘性流体封入
式の振動絶縁装置に関するものである。 (背景技術) 従来から、ビデオテープレコーダーやコンパク
トデイスクプレーヤーの如き音響機器、更には各
種の精密測定機器等においては、外部からの振動
入力によつて、その性能が大きく損なわれる問題
があり、そのために各種の振動絶縁装置乃至は防
振装置が提案されているが、そのなかでも、優れ
た性能を発揮し得る装置として、特開昭61−
189336号公報や特開昭61−201946号公報等に見ら
れるように、ゴム袋やゴム筒体等の変形し得る収
容体内に、シリコーン・オイルの如き所定の粘性
流体を封入して、前記機器を支持せしめてなる構
造の振動絶縁装置が明らかにされている。そし
て、この種の粘性流体封入タイプの振動絶縁装置
には、振動入力時に封入流体に流れが発生せしめ
れるように構造等に工夫が加えられ、そしてその
際、封入流体の粘性等によつて生ずる抵抗力が、
振動減衰力となるように構成されているのであ
る。 ところで、この種の振動絶縁装置における粘性
流体、換言すれば封入液としては、従来より、比
較的高粘度の鉱物油、シリコーン・オイル等が用
いられてきているが、より過酷な条件下で使用さ
れる車載用や、より精密な精度が要求される機器
に対しては、上記の如き粘性流体封入式の振動絶
縁装置といえども、その振動絶縁性能が不充分で
あり、また、その減衰特性にも温度依存性がある
等の不具合が内在している。 (解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、減衰特性を効果的に向上し、またその温度
依在性を有利に緩和せしめた、高振動絶縁性能を
有する粘性流体封入式振動絶縁装置を提供するこ
とにある。 (発明の構成) そして、本発明にあつては、かかる目的を達成
するために、変形し得る収容体内に所定の粘性流
体を封入して、振動の伝達される二つの部材間に
介装し、かかる粘性流体の主として粘性等によつ
て生ずる抵抗力により振動減衰作用を発揮せしめ
るようにした振動絶縁装置において、かかる粘性
流体中に、ガラス転移点が使用温度範囲内にある
樹脂の少なくとも1種を混入せしめたことを、そ
の要旨とするものである。 (発明の具体的構成・実施例) 以下、図面を参照しつつ、本発明の構成につい
て、またその実施例について、具体的に説明する
こととする。 先ず、第1図は、本発明に従う振動絶縁装置の
一例に係る縦断面図を示しており、そこにおい
て、2は、中央部が括れた、側方に膨出可能な筒
状のゴム体であり、この筒状ゴム体2の両端部
が、それぞれ取付金具4,6にて閉塞せしめられ
ることによつて、その内部に密閉された流体収容
空間が形成され、そしてこの流体収容空間内に所
定の粘性流体8が封入せしめられているのであ
る。しかも、この封入された粘性流体8内には、
ガラス転移点(Tg)が使用温度範囲内にある所
定の樹脂10が混入せしめられているのである。 そして、このような構造の装置は、図において
上下に位置する取付金具4,6を介して、それぞ
れ振動の伝達される二つの部材間に介装されて配
置せしめられ、そして主として上下方向に遮断さ
れるべき振動が入力せしめられることにより、封
入された粘性流体8は、筒状ゴム体2を側方に膨
出、変形せしめ、以て粘性流体8に惹起される流
動に基づいて、目的とする有効な振動絶縁性能が
発揮されることとなるのである。なお、ここで
は、かかる粘性流体8の流れを効果的と為すため
に、一方の取付金具6の中心部に配される取付部
6aが、液体収容空間内において、他方の取付金
具4側に所定長さ突出して設けられている。 ところで、この種の粘性流体封入タイプの振動
絶縁装置において、その振動減衰力は、一般に、
主として流体の粘性等による抵抗力であると考え
られているところから、かかる装置に一般に封入
される流体として、シリコーン・オイル等が検討
されてきているのであるが、それでもまだ充分な
性能を発揮するものではなかつたのである。 このため、本発明者らは、かかる封入される粘
性流体に使用温度範囲内においてガラス転移点を
有する固形のポリマー、液状ポリマー等の樹脂を
配合して、かかる樹脂のガラス転移点における挙
動を振動絶縁性能の増大に利用出来ないかと考
え、種々検討を行なつた結果、そのような樹脂の
混入によつて、減衰特性が効果的に向上され、ま
たその温度依存性が著しく改善され得る事実を見
い出したのである。 すなわち、第1図に示される如き構造の振動絶
縁装置を用い、それに封入される粘性流体と所定
の樹脂の配合量を下記第1表に示される如く種々
異ならしめて、各種温度下において、そのような
樹脂の配合効果について調べた結果を、第2図、
第3図に示す。
主として粘性等によつて生ずる抵抗力により振動
減衰作用を発揮せしめるようにした、音響機器、
精密測定機器等に好適に用いられる粘性流体封入
式の振動絶縁装置に関するものである。 (背景技術) 従来から、ビデオテープレコーダーやコンパク
トデイスクプレーヤーの如き音響機器、更には各
種の精密測定機器等においては、外部からの振動
入力によつて、その性能が大きく損なわれる問題
があり、そのために各種の振動絶縁装置乃至は防
振装置が提案されているが、そのなかでも、優れ
た性能を発揮し得る装置として、特開昭61−
189336号公報や特開昭61−201946号公報等に見ら
れるように、ゴム袋やゴム筒体等の変形し得る収
容体内に、シリコーン・オイルの如き所定の粘性
流体を封入して、前記機器を支持せしめてなる構
造の振動絶縁装置が明らかにされている。そし
て、この種の粘性流体封入タイプの振動絶縁装置
には、振動入力時に封入流体に流れが発生せしめ
れるように構造等に工夫が加えられ、そしてその
際、封入流体の粘性等によつて生ずる抵抗力が、
振動減衰力となるように構成されているのであ
る。 ところで、この種の振動絶縁装置における粘性
流体、換言すれば封入液としては、従来より、比
較的高粘度の鉱物油、シリコーン・オイル等が用
いられてきているが、より過酷な条件下で使用さ
れる車載用や、より精密な精度が要求される機器
に対しては、上記の如き粘性流体封入式の振動絶
縁装置といえども、その振動絶縁性能が不充分で
あり、また、その減衰特性にも温度依存性がある
等の不具合が内在している。 (解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、減衰特性を効果的に向上し、またその温度
依在性を有利に緩和せしめた、高振動絶縁性能を
有する粘性流体封入式振動絶縁装置を提供するこ
とにある。 (発明の構成) そして、本発明にあつては、かかる目的を達成
するために、変形し得る収容体内に所定の粘性流
体を封入して、振動の伝達される二つの部材間に
介装し、かかる粘性流体の主として粘性等によつ
て生ずる抵抗力により振動減衰作用を発揮せしめ
るようにした振動絶縁装置において、かかる粘性
流体中に、ガラス転移点が使用温度範囲内にある
樹脂の少なくとも1種を混入せしめたことを、そ
の要旨とするものである。 (発明の具体的構成・実施例) 以下、図面を参照しつつ、本発明の構成につい
て、またその実施例について、具体的に説明する
こととする。 先ず、第1図は、本発明に従う振動絶縁装置の
一例に係る縦断面図を示しており、そこにおい
て、2は、中央部が括れた、側方に膨出可能な筒
状のゴム体であり、この筒状ゴム体2の両端部
が、それぞれ取付金具4,6にて閉塞せしめられ
ることによつて、その内部に密閉された流体収容
空間が形成され、そしてこの流体収容空間内に所
定の粘性流体8が封入せしめられているのであ
る。しかも、この封入された粘性流体8内には、
ガラス転移点(Tg)が使用温度範囲内にある所
定の樹脂10が混入せしめられているのである。 そして、このような構造の装置は、図において
上下に位置する取付金具4,6を介して、それぞ
れ振動の伝達される二つの部材間に介装されて配
置せしめられ、そして主として上下方向に遮断さ
れるべき振動が入力せしめられることにより、封
入された粘性流体8は、筒状ゴム体2を側方に膨
出、変形せしめ、以て粘性流体8に惹起される流
動に基づいて、目的とする有効な振動絶縁性能が
発揮されることとなるのである。なお、ここで
は、かかる粘性流体8の流れを効果的と為すため
に、一方の取付金具6の中心部に配される取付部
6aが、液体収容空間内において、他方の取付金
具4側に所定長さ突出して設けられている。 ところで、この種の粘性流体封入タイプの振動
絶縁装置において、その振動減衰力は、一般に、
主として流体の粘性等による抵抗力であると考え
られているところから、かかる装置に一般に封入
される流体として、シリコーン・オイル等が検討
されてきているのであるが、それでもまだ充分な
性能を発揮するものではなかつたのである。 このため、本発明者らは、かかる封入される粘
性流体に使用温度範囲内においてガラス転移点を
有する固形のポリマー、液状ポリマー等の樹脂を
配合して、かかる樹脂のガラス転移点における挙
動を振動絶縁性能の増大に利用出来ないかと考
え、種々検討を行なつた結果、そのような樹脂の
混入によつて、減衰特性が効果的に向上され、ま
たその温度依存性が著しく改善され得る事実を見
い出したのである。 すなわち、第1図に示される如き構造の振動絶
縁装置を用い、それに封入される粘性流体と所定
の樹脂の配合量を下記第1表に示される如く種々
異ならしめて、各種温度下において、そのような
樹脂の配合効果について調べた結果を、第2図、
第3図に示す。
【表】
【表】
なお、かかる特性評価においては、何れも、第
1図の装置の筒状ゴム体2を構成するゴム材料と
して、硬度(JIS−K−6301スプリング硬さ試
験:A型)40のイソブチレン・イソプレンゴム
(IIR)を用い、そしてその流体収容空間内に、
第1表に示される如き各種混合流体を封入せしめ
て、評価すべき振動絶縁装置とした。そして、こ
の得られた振動絶縁装置について、動的粘弾性試
験機にて損失係数、ヤング率を求めて、それぞれ
の減衰特性及びバネ特性を評価し、その結果が、
第2図及び第3図に示されている。なお、測定条
件としては、振動周波数:30Hz、初期圧縮率:10
%、動歪:±20μ、測定温度範囲:−40℃〜80
℃、昇温速度:1℃/分を採用した。 第2図及び第3図に示される結果から明らかな
ように、シリコーン・オイルのみを封入してなる
比較例Aに比べて、使用温度範囲:−40℃〜80℃
に二次転移点を有する液状NBRやアクリル樹脂
をシリコーン・オイル中に配合してなる本発明例
C及びDの装置は、何れも、損失係数(η)が大
きく、減衰特性に優れたものであり、また液状
NBRのみを封入してなる比較例Bに比べて、本
発明例C及びDの装置においては、温度依存性が
小さく、従つて実用上良好な振動絶縁装置となる
のである。しかも、バネ特性に関して、比較例
A,B及び本発明例C,Dの何れにおいても、そ
れ程の有意差は認められないのである。 なお、上記の如く、振動絶縁装置に封入される
粘性流体は、その使用温度下において、高い動粘
度を有するものであつて、上例の如きシリコー
ン・オイルの他、鉱物油等の公知の粘性流体が用
いられ得るが、比較的広い温度範囲で目的とする
効果を得ることが必要な場合にあつては、温度に
よる粘度変化の小さなシリコーン・オイルを用い
るのが望ましく、それによつて、本発明の効果を
更に助長することが出来る。そして、そのような
粘性流体の動粘度は、顕著な効果を得る上におい
て、少なくとも5000センチストークス以上である
ことが望ましいのである。 また、このような粘性流体中に混入せしめられ
る樹脂としては、粘性流体に悪影響をもたらさな
い限りにおいて、使用温度範囲内にガラス転移点
(Tg)を有する液状若しくは固体状の樹脂の何れ
もが使用可能であり、例えば上例の液状NBRに
相当するものとしては、ポリアクリル酸メチル
(Tg:0〜3℃)、ポリ酢酸ビニル(Tg:28〜30
℃)等の樹脂があり、またアクリル樹脂に相当す
るものとしては、6−ナイロン(Tg:50℃)、66
−ナイロン(Tg:47℃)等の樹脂を用いること
が出来る。 特に、本発明にあつては、粘性流体中には、少
なくとも2種類の上記樹脂が混入せしめられ、そ
してそれら複数の樹脂が、それぞれ使用温度範囲
内において異なるガラス転移点を有するものとさ
れることが望ましく、これら複数の樹脂のそれぞ
れのガラス転移点付近における損失係数の増大作
用によつて、より優れた、また温度依存性の小さ
な減衰特性を有利に実現せしめ得ることとなるの
である。 なお、かかる樹脂の粘性流体中への混入量は、
樹脂の種類によつて、目的とする性能を得べく、
適宜に決定されることとなるが、一般に20〜70容
量%の割合において粘性流体中に存在せしめられ
ることとなる。また、かかる樹脂の混入形態とし
ても、それは混入樹脂の種類に応じて適宜に決定
されるものであるが、固体状の樹脂にあつては、
一般に粉末形態において粘性流体中に混入せしめ
られることとなる。 ところで、本発明に従う振動絶縁装置は、その
ままの状態で、振動に伝達される二つの部材間に
介装され、そのうちの一方の部材の他方の部材に
対する防振支持に利用され得る他、公知の如く、
コイルスプリング等と組み合わせて、所定の機器
(一方の部材)の防振支持に用いることも可能で
あり、その具体的な適用例の一つが、第4図に示
されている。 すなわち、この第4図に示される例にあつて
は、コイルスプリング12の内側に本発明に従う
振動絶縁装置が配置され、その上部の取付金具4
と支持ベース14との間に、コイルスプリング1
2の弾性力が作用せしめられるようになつてお
り、そして、かかる上部の取付金具4上に、防振
されるべき所定の機器が取り付けられるようにな
つているのである。このようなコイルスプリング
12の併用構造の採用によつて、更に効果的な防
振効果を得ることが出来るのである。 このように、本発明に従う振動絶縁装置は、
種々なる形態において、防振されるべき振動の伝
達される二つの部材間に介装せしめられるもので
あり、また本発明の振動絶縁装置の構成にあつて
も、前記した具体例のみに限定されるものでは決
してなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知織に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであり、本発明が、ま
たそのような実施形態のものをも含むものである
ことが理解されるべきである。 例えば、所定の樹脂を混入せしめた粘性流体の
封入される収容体は、その変形によつて内部に収
容されている粘性流体の流れが惹起され得る構造
であれば、如何なる構造をも採用し得るものであ
り、例示の如き筒状構造の他、袋状構造であつて
も、何等差支えなく、また蛇腹状構造或いはダイ
ヤフラム構造を有するものであつても良く、更に
それを形成するための材料としても、ゴム材料の
他に、弾性プラスチツク等の他の弾性材料も用い
ることが出来、また一般の樹脂材料から形成され
ていても、何等差支えない。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う
粘性流体封入タイプの振動絶縁装置は、封入され
る粘性流体中に特定の樹脂を混入せしめたもので
あつて、これにより、優れた減衰特性が発揮せし
められ、そしてまた減衰特性の温度依存性の改善
された、高振動絶縁性能を具備するものとなつた
のである。 そして、このような単なる粘性流体への所定の
樹脂の混入のみで振動減衰性能が向上され、その
ために特別の機構を設ける必要がなくなつたとこ
ろから、音響機器や精密測定機器等における振動
絶縁システムとして、その構造を簡単と為し、ま
た小型製品にも適用可能となつたのであり、更に
製造工数、部品点数が少なく、安価なシステムを
構築することが可能となるのである。
1図の装置の筒状ゴム体2を構成するゴム材料と
して、硬度(JIS−K−6301スプリング硬さ試
験:A型)40のイソブチレン・イソプレンゴム
(IIR)を用い、そしてその流体収容空間内に、
第1表に示される如き各種混合流体を封入せしめ
て、評価すべき振動絶縁装置とした。そして、こ
の得られた振動絶縁装置について、動的粘弾性試
験機にて損失係数、ヤング率を求めて、それぞれ
の減衰特性及びバネ特性を評価し、その結果が、
第2図及び第3図に示されている。なお、測定条
件としては、振動周波数:30Hz、初期圧縮率:10
%、動歪:±20μ、測定温度範囲:−40℃〜80
℃、昇温速度:1℃/分を採用した。 第2図及び第3図に示される結果から明らかな
ように、シリコーン・オイルのみを封入してなる
比較例Aに比べて、使用温度範囲:−40℃〜80℃
に二次転移点を有する液状NBRやアクリル樹脂
をシリコーン・オイル中に配合してなる本発明例
C及びDの装置は、何れも、損失係数(η)が大
きく、減衰特性に優れたものであり、また液状
NBRのみを封入してなる比較例Bに比べて、本
発明例C及びDの装置においては、温度依存性が
小さく、従つて実用上良好な振動絶縁装置となる
のである。しかも、バネ特性に関して、比較例
A,B及び本発明例C,Dの何れにおいても、そ
れ程の有意差は認められないのである。 なお、上記の如く、振動絶縁装置に封入される
粘性流体は、その使用温度下において、高い動粘
度を有するものであつて、上例の如きシリコー
ン・オイルの他、鉱物油等の公知の粘性流体が用
いられ得るが、比較的広い温度範囲で目的とする
効果を得ることが必要な場合にあつては、温度に
よる粘度変化の小さなシリコーン・オイルを用い
るのが望ましく、それによつて、本発明の効果を
更に助長することが出来る。そして、そのような
粘性流体の動粘度は、顕著な効果を得る上におい
て、少なくとも5000センチストークス以上である
ことが望ましいのである。 また、このような粘性流体中に混入せしめられ
る樹脂としては、粘性流体に悪影響をもたらさな
い限りにおいて、使用温度範囲内にガラス転移点
(Tg)を有する液状若しくは固体状の樹脂の何れ
もが使用可能であり、例えば上例の液状NBRに
相当するものとしては、ポリアクリル酸メチル
(Tg:0〜3℃)、ポリ酢酸ビニル(Tg:28〜30
℃)等の樹脂があり、またアクリル樹脂に相当す
るものとしては、6−ナイロン(Tg:50℃)、66
−ナイロン(Tg:47℃)等の樹脂を用いること
が出来る。 特に、本発明にあつては、粘性流体中には、少
なくとも2種類の上記樹脂が混入せしめられ、そ
してそれら複数の樹脂が、それぞれ使用温度範囲
内において異なるガラス転移点を有するものとさ
れることが望ましく、これら複数の樹脂のそれぞ
れのガラス転移点付近における損失係数の増大作
用によつて、より優れた、また温度依存性の小さ
な減衰特性を有利に実現せしめ得ることとなるの
である。 なお、かかる樹脂の粘性流体中への混入量は、
樹脂の種類によつて、目的とする性能を得べく、
適宜に決定されることとなるが、一般に20〜70容
量%の割合において粘性流体中に存在せしめられ
ることとなる。また、かかる樹脂の混入形態とし
ても、それは混入樹脂の種類に応じて適宜に決定
されるものであるが、固体状の樹脂にあつては、
一般に粉末形態において粘性流体中に混入せしめ
られることとなる。 ところで、本発明に従う振動絶縁装置は、その
ままの状態で、振動に伝達される二つの部材間に
介装され、そのうちの一方の部材の他方の部材に
対する防振支持に利用され得る他、公知の如く、
コイルスプリング等と組み合わせて、所定の機器
(一方の部材)の防振支持に用いることも可能で
あり、その具体的な適用例の一つが、第4図に示
されている。 すなわち、この第4図に示される例にあつて
は、コイルスプリング12の内側に本発明に従う
振動絶縁装置が配置され、その上部の取付金具4
と支持ベース14との間に、コイルスプリング1
2の弾性力が作用せしめられるようになつてお
り、そして、かかる上部の取付金具4上に、防振
されるべき所定の機器が取り付けられるようにな
つているのである。このようなコイルスプリング
12の併用構造の採用によつて、更に効果的な防
振効果を得ることが出来るのである。 このように、本発明に従う振動絶縁装置は、
種々なる形態において、防振されるべき振動の伝
達される二つの部材間に介装せしめられるもので
あり、また本発明の振動絶縁装置の構成にあつて
も、前記した具体例のみに限定されるものでは決
してなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知織に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであり、本発明が、ま
たそのような実施形態のものをも含むものである
ことが理解されるべきである。 例えば、所定の樹脂を混入せしめた粘性流体の
封入される収容体は、その変形によつて内部に収
容されている粘性流体の流れが惹起され得る構造
であれば、如何なる構造をも採用し得るものであ
り、例示の如き筒状構造の他、袋状構造であつて
も、何等差支えなく、また蛇腹状構造或いはダイ
ヤフラム構造を有するものであつても良く、更に
それを形成するための材料としても、ゴム材料の
他に、弾性プラスチツク等の他の弾性材料も用い
ることが出来、また一般の樹脂材料から形成され
ていても、何等差支えない。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う
粘性流体封入タイプの振動絶縁装置は、封入され
る粘性流体中に特定の樹脂を混入せしめたもので
あつて、これにより、優れた減衰特性が発揮せし
められ、そしてまた減衰特性の温度依存性の改善
された、高振動絶縁性能を具備するものとなつた
のである。 そして、このような単なる粘性流体への所定の
樹脂の混入のみで振動減衰性能が向上され、その
ために特別の機構を設ける必要がなくなつたとこ
ろから、音響機器や精密測定機器等における振動
絶縁システムとして、その構造を簡単と為し、ま
た小型製品にも適用可能となつたのであり、更に
製造工数、部品点数が少なく、安価なシステムを
構築することが可能となるのである。
第1図は、本発明に従う振動絶縁装置の一例を
示す縦断面図であり、第2図及び第3図は、それ
ぞれ、使用温度と損失係数及びヤング率との関係
を示すグラフであり、第4図は、本発明に従う振
動絶縁装置の具体的な適用例の一つを示す断面説
明図である。 2:筒状ゴム体、4,6:取付金具、8:粘性
流体、10:樹脂、12:コイルスプリング、1
4:支持ベース。
示す縦断面図であり、第2図及び第3図は、それ
ぞれ、使用温度と損失係数及びヤング率との関係
を示すグラフであり、第4図は、本発明に従う振
動絶縁装置の具体的な適用例の一つを示す断面説
明図である。 2:筒状ゴム体、4,6:取付金具、8:粘性
流体、10:樹脂、12:コイルスプリング、1
4:支持ベース。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 変形し得る収容体内に所定の粘性流体を封入
して、振動の伝達される二つの部材間に介装し、
かかる粘性流体の主として粘性等によつて生ずる
抵抗力によ振動減衰作用を発揮せしめるようにし
た振動絶縁装置において、かかる粘性流体中に、
ガラス転移点が使用温度範囲内にある樹脂の少な
くとも1種を混入せしめたことを特徴とする振動
絶縁装置。 2 前記粘性流体が、シリコーン・オイルである
特許請求の範囲第1項記載の振動絶縁装置。 3 前記シリコーンオイルが、5000センチストー
クス以上の動粘度を有する特許請求の範囲第2項
記載の振動絶縁装置。 4 前記樹脂が、前記粘性流体中に20〜70容量%
の割合で混入せしめられている特許請求の範囲第
1項乃至第3項の何れかに記載の振動絶縁装置。 5 前記粘性流体中に、少なくとも2種類の前記
樹脂が混入せしめられ、且つそれら複数の樹脂
が、それぞれ、前記使用温度範囲内において異な
るガラス転移点を有するものである特許請求の範
囲第1項乃至第4項の何れかに記載の振動絶縁装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62144355A JPS63308242A (ja) | 1987-06-10 | 1987-06-10 | 振動絶縁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62144355A JPS63308242A (ja) | 1987-06-10 | 1987-06-10 | 振動絶縁装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63308242A JPS63308242A (ja) | 1988-12-15 |
JPH0372850B2 true JPH0372850B2 (ja) | 1991-11-20 |
Family
ID=15360179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62144355A Granted JPS63308242A (ja) | 1987-06-10 | 1987-06-10 | 振動絶縁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63308242A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726145A (ja) * | 1993-07-06 | 1995-01-27 | Toray Dow Corning Silicone Co Ltd | シリコーンコンパウンドおよびその製造方法 |
JP2584417B2 (ja) * | 1993-08-24 | 1997-02-26 | 三星電子株式会社 | 光ディスクプレーヤの振動減衰装置 |
US5840220A (en) * | 1996-04-17 | 1998-11-24 | Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. | Organosiloxane composition and method for preparing same |
US6787057B2 (en) | 1998-09-30 | 2004-09-07 | Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. | Viscous liquid vibration damping composition |
JP4723063B2 (ja) | 2000-08-31 | 2011-07-13 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 防振性シリコーンコンパウンド |
JP4723080B2 (ja) | 2000-11-28 | 2011-07-13 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 防振性シリコーンコンパウンド |
-
1987
- 1987-06-10 JP JP62144355A patent/JPS63308242A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63308242A (ja) | 1988-12-15 |
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