JP2002295584A - 防振ゴム装置 - Google Patents

防振ゴム装置

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JP2002295584A
JP2002295584A JP2001097295A JP2001097295A JP2002295584A JP 2002295584 A JP2002295584 A JP 2002295584A JP 2001097295 A JP2001097295 A JP 2001097295A JP 2001097295 A JP2001097295 A JP 2001097295A JP 2002295584 A JP2002295584 A JP 2002295584A
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vibration
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collision
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Hideaki Iwata
英明 岩田
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄道車両の軸箱支持装置における軸ばねゴムを
低ヘタリ化と高電気絶縁化するとともに併せて減衰特性
を良好なものとする。 【解決手段】外筒金具26及びインナ金具28とそれら
の間に挟まれたゴム弾性体30とを備えた軸ばねゴム2
4に対し、そのインナ金具28から成るハウジングと、
ハウジング内に遊動状態に設けられ、振動時にハウジン
グに衝突する衝突マス40と、ハウジングと衝突マス4
0との間に形成された隙間S1,Sと、衝突マス40
の外周面に形成されたゴム弾性体42の層とを有する制
振装置36を組み付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は剛性の外筒部材及
び中心部のインナ部材と、それらの間に挟まれたゴム弾
性体とを備えた防振ゴムを有し、且つその防振ゴムに制
振装置が組み付けられて減衰機能の高められた防振ゴム
装置に関し、特に鉄道車両における軸箱支持装置の軸ば
ねゴムに適用して好適な防振ゴム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の車軸を回転可能に支持する軸
受を内部に納めた軸箱の支持装置として、従来様々な形
式,構造のものが用いられているが、その一つとして、
軸箱と台車フレームとを軸ばねゴムを介して連結し、台
車フレームからの荷重を軸ばねゴムにて支持する形式の
ものがある。
【0003】この軸ばねゴムは、軸箱を支持するととも
にダンパとしての役割も担っており、そのためかかる軸
ばねゴムには次のような各種特性が求められている。即
ち、軸ばねゴムが台車フレームからの荷重によって大き
く永久変形し(大きくヘタリを生じ)高さが低くなる
と、モータからの出力を伝達する伝達軸の継目等で支障
を生じることから、軸ばねゴムとしてはヘタリの小さい
ものであることが求められ、更にまた軸ばねゴムが電気
を通してしまうと他の箇所のベアリングが焼付きを生じ
たりしてしまうことから、電気絶縁性の高いものである
ことが求められる。
【0004】そこで軸ばねゴムを低ヘタリ化,高電気絶
縁化すると、これとは相反する性質である減衰特性が低
下してしまう。通例、軸ばねゴムのゴム弾性体内には補
強材として粉末状カーボンが配合されており、而してゴ
ム弾性体内でカーボン粒子が繋がった状態になると電気
絶縁性が低くなることから、電気絶縁性を高くするため
にカーボンの充填量を少なくせざるを得ない。またこの
ようにカーボンの充填量を少なくすると、低ヘタリ化も
併せて達成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一方で、
カーボンの充填量を少なくするとゴム弾性体の有する減
衰特性が低下してしまう。そこで従来にあっては、この
ような減衰特性をある程度犠牲にして低ヘタリ化,高電
気絶縁化を図っているのが実情である。
【0006】しかしながらゴム弾性体の減衰特性、即ち
軸ばねゴムの減衰特性が低下すると乗り心地性能が悪化
してしまう。尤も、振動対策のために鉄道車両にオイル
ダンパを取り付けるといった方法も考えられるが、この
場合、台車構造やコスト面から実際にはこれを採用する
ことは困難である。
【0007】以上軸ばねゴムについて述べたが、この問
題は良好な減衰特性が求められる他の種々用途の防振ゴ
ムにおいて共通して内在する問題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の防振ゴム装置は
このような課題を解決するために案出されたものであ
る。而して請求項1のものは、剛性の外筒部材及び中心
部の剛性のインナ部材と、それら外筒部材及びインナ部
材の間に挟まれたゴム弾性体とを備えた防振ゴムを有し
且つ該防振ゴムに、該防振ゴムと一体変位する状態で設
けられた剛性の当り部と、該当り部に対して遊動状態に
設けられ、振動時に該当り部に衝突する衝突マスと、そ
れら当り部と衝突マスとの間に形成され、該衝突マスを
振動方向に遊動させるための隙間と、それら当り部と衝
突マスとの少なくとも一方の当り面に形成された弾性体
とを有する制振装置が組み付けてあることを特徴とす
る。
【0009】請求項2のものは、請求項1において、前
記防振ゴムが鉄道車両用の防振ゴムであることを特徴と
する。
【0010】請求項3のものは、請求項2において、前
記防振ゴムが鉄道車両における軸箱支持装置の軸ばねゴ
ムであることを特徴とする。
【0011】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
において、前記制振装置が内部に遊動室を有する剛性の
ハウジングを有していて、該ハウジングにて前記当り部
が構成されており、該ハウジング内部の該遊動室内に前
記衝突マスが遊動可能に収容されていることを特徴とす
る。
【0012】請求項5のものは、請求項4において、前
記防振ゴムにおけるインナ部材が前記ハウジングを構成
していて該インナ部材の内部に前記衝突マスが遊動可能
に収容されていることを特徴とする。
【0013】請求項6のものは、請求項5において、前
記インナ部材には該インナ部材の上端で開口する縦向き
の空所が形成されていて、該空所内に前記衝突マスが収
容されているとともに、該空所の上端部に、該衝突マス
の抜け防止をなす抜止部材と、該空所の開口を閉鎖する
キャップとが装着されていることを特徴とする。
【0014】
【作用及び発明の効果】以上のように本発明は、剛性の
外筒部材及びインナ部材と、それらの間に挟まれたゴム
弾性体とを備えた防振ゴムに対し、剛性の当り部と、そ
の当り部に対し遊動状態に設けられた衝突マスと、それ
らの間に形成された隙間と、更に当り部及び衝突マスの
間に介在する弾性体とを有する制振装置を組み付けたも
のである。
【0015】ここで制振装置は次のように働く。即ちこ
の制振装置の場合、防振ゴムにおける制振装置の装着部
位が変位するとこれと一体に当り部が変位する。一方衝
突マスは当り部に対して遊動状態にあるため、即ち当り
部に対し振動方向に独立して自由に移動するため、当り
部の振動時にその当り部に衝突し、当り部の振動を打ち
消すように作用する。
【0016】このとき当り部に衝突した衝突マスにはそ
の当り部から逆向きに運動エネルギーが与えられ(従っ
て当り部の振動エネルギーの一部が衝突マスの運動エネ
ルギーとして吸収される)、衝突マスは逆方向に運動を
行う。そして最初の当り面とは逆位置にある当り面に再
び衝突してそこで再び当り部の振動を打ち消すように作
用する。
【0017】衝突マスは以後も同様の運動を当り部とは
逆位相ないし異なった位相で繰り返し行い、衝突の度に
当り部の振動エネルギーを吸収するとともに、これを自
身の運動エネルギーに変換して振動する当り部に衝突し
続ける。これによるエネルギー吸収によって制振装置
が、つまりこれを組み付けた防振ゴム装置が振動減衰
し、防振ゴム装置に支持した対象物(振動部材)を効果
高く制振する。
【0018】尚、当り部と衝突マスとの何れもが剛体か
ら成っていると、衝突時に大きな異音(衝突音)が発生
してしまう。しかるに本発明の制振装置では、当り部と
衝突マスとの少なくとも一方の当り面にゴム,樹脂等の
弾性体が形成してあるため、衝突時に大きな異音が発生
する問題がないとともに、衝突時における滑り摩擦,弾
性体の粘性挙動により制振作用が働いて振動減衰作用が
更に助長される。
【0019】尚、本発明に制振装置に代えてダイナミッ
クダンパを装着し、振動を抑制するといったことも考え
られる。このダイナミックダンパは、振動部材に対しダ
ンパマスをばねを介して付加するもので、それらダンパ
マスとばねとから成る付加振動系の固有振動数を、主振
動系の固有振動数(振動部材の固有振動数)に対しチュ
ーニングすることで、振動部材の共振倍率を低くし制振
することができる。
【0020】しかしながらダイナミックダンパによる制
振では、単一の共振周波数の振動に対して効果を発揮す
るに過ぎず、他の周波数の共振を有効に防止することが
できない。即ち複数の周波数の共振に対しては有効でな
い。しかもダイナミックダンパの場合には、共振点の前
後に新たに別の共振を生じる問題がある。加えてばねと
してゴム弾性体を用いたときに、ゴム弾性体のばね定数
が温度によって変化するために制振特性の温度依存性が
高く、高温時や低温時に制振効率が減少してしまう。
【0021】更にまたダイナミックダンパでは、ダンパ
マスとして大きな質量が必要であって(振動部材の10
%程度の質量が必要)、装置全体の重量が重くなるとと
もに、必要な設置スペースも大きく、更にまた制振可能
な方向も定まっていて多方向の振動に対して有効に働か
ないといった種々の問題が内在している。
【0022】しかるに本発明の制振装置では、衝突マス
を独立移動可能に設けておいて、これを制振対象(振動
部材)とは逆位相ないし異なった位相で運動させて振動
部材(詳しくは当り部)に衝突させ、振動エネルギーを
吸収減衰するものであるため周波数依存性が特になく、
広い周波数範囲に亘って振動を抑制することができ、ま
た衝突方向を多方向に取ることが容易且つ簡単であっ
て、多方向の振動を抑制することができ、しかも温度に
対する依存性も小さく、高温から低温までの幅広い温度
範囲で良好な制振効果を発揮する。また衝突マスの必要
な質量も軽量で足り(振動部材の5%程度の質量で足り
る)、また装置全体の所要スペースが小さくコンパクト
であるため、防振ゴムに対し簡単に装着できるなど種々
の特長を有している。
【0023】因みに図1は本発明の制振装置の一形態例
をダイナミックダンパと比較して模式的に表したもの
で、図中1はその制振装置を、2はダイナミックダンパ
を表している。尚、3は制振装置1における衝突マス、
4は衝突マス3の外周面即ち当り面に形成した弾性体
を、5は当り部を成すハウジングを示しており、また6
はダイナミックダンパ2におけるダンパマス、7はばね
(ゴム)を、更に8は振動部材を示している。
【0024】図1(B)は、振動部材8に対して制振装
置1を装着したときの制振効果をダイナミックダンパ2
を装着した場合及びそれらを装着しない場合との比較に
おいて表したものである。但し図1(B)中cが制振装
置1を装着した場合、bがダイナミックダンパ2を装着
した場合、aがそれらの何れをも装着しない場合をそれ
ぞれ示している。この図1(B)の制振特性から分るよ
うに、図1(A)(イ)のダイナミックダンパ2を装着
した場合、特定の周波数領域(ここでは高周波数側の領
域)において共振を抑制できるものの、共振点の前後に
別の新たな共振を生じており、更に低周波数側での共振
に対しては効果を現していないが、図1(A)(ウ)の
制振装置1の場合、高周波数側においても低周波数側に
おいても効果を現しており、更にまた共振点の前後に別
の新たな共振を生ぜしめるといった現象も生じない。
【0025】以上から明らかなように、本発明によれば
従来防振ゴム単独では発揮することの出来なかった優れ
た制振機能を防振ゴムに付加することができる。
【0026】本発明において、剛性の当り部は鉄,アル
ミニウム合金等の金属や硬質の樹脂その他の硬質材にて
構成することができる。また衝突マスはそれ自体、ゴ
ム,樹脂等の弾性体にて構成することができる。但しこ
の場合、その内部に金属粉等を混入させて成る高比重ゴ
ム,高比重樹脂等として構成しておくことが望ましい。
【0027】またこの衝突マスは、これを弾性体にて構
成する場合においてこれを発泡体と成しておくこともで
きる。但しより効果的な制振をなす上で衝突マスは鉄,
アルミニウム合金,鉛等の金属でこれを構成しておくこ
とが望ましい。本発明において、上記隙間は衝突マスを
当り部に対し最も効果的に衝突させる上で重要な意味が
あり、この意味において隙間は0.05〜2.0mmと
することが望ましく、より望ましいのは0.2〜1.0
mmの範囲である。
【0028】本発明においては、上記弾性体としてゴ
ム,樹脂を用いることができる。ここでゴムとしては例
えばNR,SBR,BR等のジエン系ゴム,EPDM系
ゴム,ウレタン系ゴム,シリコン系ゴム等各種のゴムを
用いることができる。また樹脂としては例えばポリプロ
ピレンやポリアミド等の熱可塑性樹脂,ポリオレフィン
やウレタン,ポリエステル系の熱可塑性エラストマその
他のものを用いることができる。
【0029】尚、弾性体は当り部又は衝突マスの少なく
とも一方の当り面に形成しておけば良いが、場合によっ
て当り部及び衝突マスの何れの当り面にもそのような弾
性体を形成しておくことができる。更にまたその弾性体
は、加硫接着その他の手法でそれぞれに接着しておいて
も良いし、或いは場合によってそのような接着をするこ
となく、単に当り面を被覆する状態で形成しておくこと
もできる。
【0030】かかる防振ゴム装置は鉄道車両用の防振ゴ
ムに適用して好適なものであり(請求項2)、特に鉄道
車両における軸箱支持装置の軸ばねゴムに適用して大き
な効果を発揮する(請求項3)。
【0031】この場合において、制振装置に剛性のハウ
ジングを具備させてそのハウジングにて上記当り部を構
成し、そのハウジングの遊動室内に上記衝突マスを遊動
可能に収容しておくことができる(請求項4)。
【0032】この場合において防振ゴムにおけるインナ
部材を内部中空構造となして、インナ部材自体により上
記ハウジングを構成せしめ、そしてそのハウジング内に
衝突マスを遊動可能に収容した形態で、上記制振装置を
構成することができる(請求項5)。この場合、本発明
の制振装置を組み付けた防振ゴムも、そのような制振装
置を組み付けていない防振ゴムも、外観的に全く変わり
のないものとなすことができ、従って制振装置を組み付
けることによって防振ゴム(厳密には防振ゴム装置)を
大型化してしまったり、外観形状を複雑化してしまうこ
とがなく、従来のように防振ゴムを組み付けるのと全く
同様にして相手部材に組み付けることができ且つ同時に
優れた制振機能を付加することができる。
【0033】この場合においてインナ部材にはその上端
で開口する縦向きの空所を形成しておいて、その空所内
に衝突マスを収容し、そしてその空所の上端部に、衝突
マスの抜け防止をなす抜止部材と、空所の開口を閉鎖す
るキャップとを装着しておくことができる(請求項
6)。このようにすることで極めて簡単に軸ばねゴムに
制振装置を組み付けることができる。
【0034】尚、この種の軸ばねゴムにおいては重量を
軽量化するためにインナ部材に元々そのような空所が設
けられており、従って制振装置を組み付けるために特別
にそのような空所を設けなくても、元々備えられている
空所をそのまま利用して、そこに衝突マスを収容し、以
って制振装置を簡単に構成することができる。
【0035】
【実施例】次に本発明を鉄道車両の軸箱支持装置におけ
る軸ばねゴムに適用した場合の実施例を図面に基づいて
詳しく説明する。図2において10は台車フレームで、
12はこの台車フレーム10上に空気ばね14を介して
支持された車体である。16はレール18上を回転走行
する車輪であり、20は車軸を回転可能に支持する軸受
を内部に納めた軸箱であり、22はその軸箱20を防振
支持する本例の防振ゴム装置としての軸ばねゴム装置で
ある。
【0036】図3及び図4にその軸ばねゴム装置22の
具体的構成が示してある。図3において、24は軸ばね
ゴム(防振ゴム)で、外筒金具(外筒部材)26とイン
ナ金具(インナ部材)28と、それらの間に挟まれたゴ
ム弾性体30とを有している。ここで外筒金具26及び
インナ金具28とゴム弾性体30とは加硫接着により一
体に固着されている。
【0037】この例において、軸ばねゴム24には外筒
金具26とインナ金具28との間に、第1中間筒金具3
2と第2中間筒金具34とが配設されており、それらが
同じくゴム弾性体30に対し一体に加硫接着されてい
る。図示のようにこの例の軸ばねゴム24は概略円錐形
状をなしており、外筒金具26の内周面,インナ金具2
8の外周面,更に第1中間筒金具32及び第2中間筒金
具34の何れもがテーパ形状をなしている。
【0038】36は軸ばねゴム24に組み付けられた制
振装置で、この例では制振装置36はインナ金具28を
ハウジングとして用いてある。即ちインナ金具28に
は、その上端で開口する縦向きの空所が形成されていて
その空所が遊動室38として構成されており、そこに円
柱形状をなす金属製の衝突マス40が収容されている。
【0039】ここで衝突マス40には、その全外周面に
亘ってゴム弾性体42の層が形成されている。尚ゴム弾
性体42の層は、これを衝突マス40に加硫接着等によ
り一体に接着しておいても良いし、或いはまたそのよう
な接着をせずに単に衝突マス40の外周面を被覆してい
るだけであっても良い。またゴム弾性体42の層につい
ては、衝突マス40の全外周面(衝突マス40の全部)
に亘って被覆されていなくても良く、その一部、例えば
円柱形状の両端部ないしその付近(衝突マス40の一
部)だけでも良い。
【0040】図3の拡大図に示しているように衝突マス
40、詳しくはその外周面を被覆するゴム弾性体42の
表面とインナ金具28内面との間には、水平方向及び上
下方向の何れにも所定の隙間S,Sが確保してあ
り、振動時において衝突マス40がインナ金具28の内
面及び後述する抜止部材(金属製)46に対し水平方向
及び上下方向に衝突可能となしてある。即ち衝突マス4
0が遊動室38内において水平方向及び上下方向に遊動
可能となしてある。
【0041】インナ金具28に形成された空所の上端部
には環状溝44が形成されていて、そこに径方向に弾性
を有するリング状の抜止部材46が弾性的に嵌着されて
おり、更に空所の上端開口がキャップ48にて閉鎖さ
れ、空所の上端開口を通じて遊動室38内に埃等が侵入
しないようになしてある。
【0042】本例においては軸ばねゴム24のインナ金
具28が振動し始めると衝突マス40がインナ金具28
に対し振動方向に衝突し、インナ金具28の振動を打ち
消すように作用する。
【0043】このとき衝突マス40にはインナ金具28
から逆向きに運動エネルギーが与えられ、続いて衝突マ
ス40は逆方向に運動を行う。そして最初の当り面とは
逆位置にある当り面に再び衝突してインナ金具28の振
動を打ち消すように作用する。
【0044】衝突マス40は以後も同様の運動をインナ
金具28とは逆位相で繰り返し行い、衝突の度にインナ
金具28の振動エネルギーを吸収するとともに、これを
自身の運動エネルギーに変換する。そして、これにより
振動エネルギーが減衰し、制振作用が行われる。
【0045】ここで衝突マス40には外周面にゴム弾性
体42の層が形成してあるため、衝突時に大きな異音が
発生する問題もなく、加えて衝突時におけるゴム弾性体
42の粘性挙動によって振動エネルギーが更に効果的に
吸収減衰される。
【0046】本例において衝突マス40は必要な質量が
軽量で足り、また制振装置36全体の所要スペースが小
さくコンパクトであるため、軸ばねゴム24のインナ金
具28に対してこれを簡単に装着することができる。
【0047】以上本発明の実施例を詳述したが、本発明
は上記軸ばねゴム以外の他の種々防振ゴムに適用するこ
とが可能であるなど、その主旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A):本発明の制振装置の一形態例をダイナ
ミックダンパと比較して模式的に示す図である。 (B):(A)の制振装置の効果の説明図である。
【図2】本発明の一実施例である軸ばねゴム装置をその
周辺部とともに示す図である。
【図3】図2の軸ばねゴム装置の構成を詳しく示す図で
ある。
【図4】図2及び図3の軸ばねゴム装置を各部材に分解
して示す図である。
【符号の説明】
22 軸ばねゴム装置(防振ゴム装置) 24 軸ばねゴム(防振ゴム) 26 外筒金具(外筒部材) 28 インナ金具(インナ部材) 30 ゴム弾性体 36 制振装置 38 遊動室 40 衝突マス 42 ゴム弾性体(弾性体) 46 抜止部材 48 キャップ S,S 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剛性の外筒部材及び中心部の剛性のインナ
    部材と、それら外筒部材及びインナ部材の間に挟まれた
    ゴム弾性体とを備えた防振ゴムを有し且つ該防振ゴム
    に、該防振ゴムと一体変位する状態で設けられた剛性の
    当り部と、該当り部に対して遊動状態に設けられ、振動
    時に該当り部に衝突する衝突マスと、それら当り部と衝
    突マスとの間に形成され、該衝突マスを振動方向に遊動
    させるための隙間と、それら当り部と衝突マスとの少な
    くとも一方の当り面に形成された弾性体とを有する制振
    装置が組み付けてあることを特徴とする防振ゴム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記防振ゴムが鉄道
    車両用の防振ゴムであることを特徴とする防振ゴム装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記防振ゴムが鉄道
    車両における軸箱支持装置の軸ばねゴムであることを特
    徴とする防振ゴム装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記制
    振装置が内部に遊動室を有する剛性のハウジングを有し
    ていて、該ハウジングにて前記当り部が構成されてお
    り、該ハウジング内部の該遊動室内に前記衝突マスが遊
    動可能に収容されていることを特徴とする防振ゴム装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記防振ゴムにおけ
    るインナ部材が前記ハウジングを構成していて該インナ
    部材の内部に前記衝突マスが遊動可能に収容されている
    ことを特徴とする防振ゴム装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記インナ部材には
    該インナ部材の上端で開口する縦向きの空所が形成され
    ていて、該空所内に前記衝突マスが収容されているとと
    もに、該空所の上端部に、該衝突マスの抜け防止をなす
    抜止部材と、該空所の開口を閉鎖するキャップとが装着
    されていることを特徴とする防振ゴム装置。
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