JP2002241962A - 溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents
溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板とその製造方法Info
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- JP2002241962A JP2002241962A JP2001035686A JP2001035686A JP2002241962A JP 2002241962 A JP2002241962 A JP 2002241962A JP 2001035686 A JP2001035686 A JP 2001035686A JP 2001035686 A JP2001035686 A JP 2001035686A JP 2002241962 A JP2002241962 A JP 2002241962A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加工性、耐食性および接着耐久性が良好な溶
融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5
〜3.5%、Fe ≦0.5g/m2、残部がZn および不可
避的不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織の体積
比率が60%以上である結晶組織、さらには、Al 富化
相の体積比率が10%以下である結晶組織の溶融めっき
皮膜のうえにクロメート処理層を備えためっき鋼板。上
記めっき皮膜が、さらに、Ti 、Nb 、V、Sr からな
る群の内の1種以上を0.001〜0.05%含有する
めっき鋼板。クロメート処理層の6価クロム量が、金属
クロム換算で25mg/m2 以下であるめっき鋼板。製造時
はめっき浴がTi などを含有しない場合は、めっき後め
っき皮膜が完全凝固するまで15℃/秒以上の冷却速度
で冷却するのがよい。
融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5
〜3.5%、Fe ≦0.5g/m2、残部がZn および不可
避的不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織の体積
比率が60%以上である結晶組織、さらには、Al 富化
相の体積比率が10%以下である結晶組織の溶融めっき
皮膜のうえにクロメート処理層を備えためっき鋼板。上
記めっき皮膜が、さらに、Ti 、Nb 、V、Sr からな
る群の内の1種以上を0.001〜0.05%含有する
めっき鋼板。クロメート処理層の6価クロム量が、金属
クロム換算で25mg/m2 以下であるめっき鋼板。製造時
はめっき浴がTi などを含有しない場合は、めっき後め
っき皮膜が完全凝固するまで15℃/秒以上の冷却速度
で冷却するのがよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材等に用いられる溶融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板、お
よびその製造方法に関する。
材等に用いられる溶融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板、お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融Zn-Al 系合金めっき鋼板、特に質
量%で(以下、化学組成を表す%表示は質量%を意味す
る)3.5〜6.5%のAl を含有する溶融Zn-Al 系
合金めっき鋼板は、めっき浴の化学組成が共晶点近傍で
あり、比較的低温でめっきできる。このため、母材とめ
っき皮膜との界面に形成される合金層が薄く、加工時に
亀裂が発生しにくく、加工性に優れる。また、めっき皮
膜にさらにMg を含有させると耐食性がさらに向上する
ことも知られている。このZn-Al-Mg 合金めっき鋼板
の性能を改善する種々の提案がなされている。
量%で(以下、化学組成を表す%表示は質量%を意味す
る)3.5〜6.5%のAl を含有する溶融Zn-Al 系
合金めっき鋼板は、めっき浴の化学組成が共晶点近傍で
あり、比較的低温でめっきできる。このため、母材とめ
っき皮膜との界面に形成される合金層が薄く、加工時に
亀裂が発生しにくく、加工性に優れる。また、めっき皮
膜にさらにMg を含有させると耐食性がさらに向上する
ことも知られている。このZn-Al-Mg 合金めっき鋼板
の性能を改善する種々の提案がなされている。
【0003】例えば、特開平10−226865号公報
には、Al :4.0〜10%、Mg:1.0〜4.0
%、残部がZn および不可避的不純物よりなり、Al 初
晶相とAl-Zn-Zn2Mg の三元共晶組織、もしくは、A
l 初晶相とZn 単相とAl-Zn-Zn2Mg の三元共晶組織
とが混在する金属組織を有するめっき皮膜を備えた溶融
Zn-Al-Mg めっき鋼板が開示されている。これは、め
っき皮膜をAl-Zn-Zn1 1Mg2 の三元共晶組織がないも
のとし、Al-Zn-Zn2Mg の三元共晶組織とAl初晶相
が混在する組織とすることにより、表面外観と耐食性の
優れためっき鋼板とするものである。
には、Al :4.0〜10%、Mg:1.0〜4.0
%、残部がZn および不可避的不純物よりなり、Al 初
晶相とAl-Zn-Zn2Mg の三元共晶組織、もしくは、A
l 初晶相とZn 単相とAl-Zn-Zn2Mg の三元共晶組織
とが混在する金属組織を有するめっき皮膜を備えた溶融
Zn-Al-Mg めっき鋼板が開示されている。これは、め
っき皮膜をAl-Zn-Zn1 1Mg2 の三元共晶組織がないも
のとし、Al-Zn-Zn2Mg の三元共晶組織とAl初晶相
が混在する組織とすることにより、表面外観と耐食性の
優れためっき鋼板とするものである。
【0004】また、特開平2000−219950号公
報には、Al :3.0〜6.0%、Mg :1.0〜7.
0%、残部がZn および不可避的不純物よりなり、Zn
初晶相とZn-Al-Mg の三元共晶組織で構成される金属
組織を有する溶融Zn-Al-Mg めっき鋼板が開示されて
いる。これは、めっき皮膜からAl 初晶相を無くし、Z
n 初晶相を有する組織とすることでZn 相の犠牲防食作
用を利用して塗装後耐食性を向上させるものである。
報には、Al :3.0〜6.0%、Mg :1.0〜7.
0%、残部がZn および不可避的不純物よりなり、Zn
初晶相とZn-Al-Mg の三元共晶組織で構成される金属
組織を有する溶融Zn-Al-Mg めっき鋼板が開示されて
いる。これは、めっき皮膜からAl 初晶相を無くし、Z
n 初晶相を有する組織とすることでZn 相の犠牲防食作
用を利用して塗装後耐食性を向上させるものである。
【0005】これらのめっき鋼板は通常の溶融Zn めっ
き鋼板に較べ耐食性にも優れており、屋根材や壁材等の
建材製品、ガードレール、配線配管や防音壁等の土木製
品、自動車の遮熱板、および電気洗濯機、電子レンジ等
の家電製品などに急速に普及しつつある。
き鋼板に較べ耐食性にも優れており、屋根材や壁材等の
建材製品、ガードレール、配線配管や防音壁等の土木製
品、自動車の遮熱板、および電気洗濯機、電子レンジ等
の家電製品などに急速に普及しつつある。
【0006】一般に鋼板は切断、打ち抜き、プレス、曲
げなどの加工を施された後、組立て工程において接合さ
れて構造物とされる。その接合方法としては、従来、溶
接(アーク溶接、スポット溶接が多い)が主流であっ
た。しかしながら最近は接着剤を使用した接着接合法が
注目されている。それは、接着接合法には以下に述べる
ような特長があるからである。
げなどの加工を施された後、組立て工程において接合さ
れて構造物とされる。その接合方法としては、従来、溶
接(アーク溶接、スポット溶接が多い)が主流であっ
た。しかしながら最近は接着剤を使用した接着接合法が
注目されている。それは、接着接合法には以下に述べる
ような特長があるからである。
【0007】その1は、接着接合により得られる構造物
の剛性、繰り返し疲労強度、接合強度、寸法精度、気密
性、接合部の防錆性などが優れ、さらに、軽量化が可能
であることである。その2は、接合作業が容易で作業性
も優れる点であり、例えば溶接歪み除去作業が不要、接
合工程やそれに要する設備が簡素、作業環境が良好、熟
練技術が不要、さらには異種材料同士の接合が容易など
の特長がある。
の剛性、繰り返し疲労強度、接合強度、寸法精度、気密
性、接合部の防錆性などが優れ、さらに、軽量化が可能
であることである。その2は、接合作業が容易で作業性
も優れる点であり、例えば溶接歪み除去作業が不要、接
合工程やそれに要する設備が簡素、作業環境が良好、熟
練技術が不要、さらには異種材料同士の接合が容易など
の特長がある。
【0008】通常、亜鉛系またはアルミニウム系めっき
鋼板には、耐食性向上のためにクロメート処理が施され
る。特にめっき鋼板を裸(無塗装)で使用する場合には
高耐食性クロメート処理を施す場合が多い。
鋼板には、耐食性向上のためにクロメート処理が施され
る。特にめっき鋼板を裸(無塗装)で使用する場合には
高耐食性クロメート処理を施す場合が多い。
【0009】しかしながら、従来のクロメート処理を施
しためっき鋼板では、クロメート処理後の時日の経過と
ともに接着強度が低下する傾向があり、クロメート処理
仕上がりのまま接着用途に適用した場合に長期にわたっ
て接着強度が維持できるという接着耐久性の確保が困難
な場合があった。このため、従来のクロメート処理鋼板
の接着性向上方法が種々検討されてきた。
しためっき鋼板では、クロメート処理後の時日の経過と
ともに接着強度が低下する傾向があり、クロメート処理
仕上がりのまま接着用途に適用した場合に長期にわたっ
て接着強度が維持できるという接着耐久性の確保が困難
な場合があった。このため、従来のクロメート処理鋼板
の接着性向上方法が種々検討されてきた。
【0010】例えば、特開平1−85753号公報に
は、下地処理した亜鉛系めっき鋼板に、めっき面との密
着力の経時耐久性に優れた下塗り塗膜と、接着剤との密
着性に優れた上塗り塗膜を備えた塗装鋼板が提案されて
いる。
は、下地処理した亜鉛系めっき鋼板に、めっき面との密
着力の経時耐久性に優れた下塗り塗膜と、接着剤との密
着性に優れた上塗り塗膜を備えた塗装鋼板が提案されて
いる。
【0011】また、特開昭55−116774号公報に
は、接着用プライマーとして特定の樹脂組成物を焼き付
け塗装した亜鉛めっき鋼板が提案されている。さらに本
発明者らの一人は、特開平2000−73184号公報
において、めっき皮膜の上に、0.1〜10mg/m2 のF
e 、Co 、Ni のうちの1種以上を含有するめっき層
と、6価クロムが金属クロム換算で25mg/m2 以下であ
るクロメート処理層とを有する接着性に優れた表面処理
鋼板を提案した。
は、接着用プライマーとして特定の樹脂組成物を焼き付
け塗装した亜鉛めっき鋼板が提案されている。さらに本
発明者らの一人は、特開平2000−73184号公報
において、めっき皮膜の上に、0.1〜10mg/m2 のF
e 、Co 、Ni のうちの1種以上を含有するめっき層
と、6価クロムが金属クロム換算で25mg/m2 以下であ
るクロメート処理層とを有する接着性に優れた表面処理
鋼板を提案した。
【0012】これは、接着耐久性の劣化原因が、めっき
皮膜からクロメート処理層へのAlイオンまたはZn イ
オンの拡散と、クロメート処理層で生じる酸化還元反応
とによる、クロメート処理層または接着接合部における
脆弱層の形成にあることを見いだし、めっき皮膜からの
めっき金属イオンの拡散防止と、クロメート処理層での
酸化還元反応抑制により実現したものであった。また、
上記改善効果は、めっき皮膜が、Al :0.1〜10
%、Mg :0〜5%、残部Zn からなるものである場合
に特に効果が大きいことも開示した。
皮膜からクロメート処理層へのAlイオンまたはZn イ
オンの拡散と、クロメート処理層で生じる酸化還元反応
とによる、クロメート処理層または接着接合部における
脆弱層の形成にあることを見いだし、めっき皮膜からの
めっき金属イオンの拡散防止と、クロメート処理層での
酸化還元反応抑制により実現したものであった。また、
上記改善効果は、めっき皮膜が、Al :0.1〜10
%、Mg :0〜5%、残部Zn からなるものである場合
に特に効果が大きいことも開示した。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−226865号公報や特開平2000−2199
50号公報においては鋼板の接着性については全く触れ
られておらず、本発明者らの研究結果によれば、これら
の公報で提案された技術では、接着剤で接着した場合
に、必ずしも安定して十分な接着強度が得られるとは限
らないことが判明した。特開平1−85753号公報お
よび特開昭55−116774号公報で提案された鋼板
は接着性は良好であるが、めっき皮膜の上に1層または
2層の樹脂組成物からなる塗装膜を必要とするために、
付加工程としての塗装工程が必要となりコストが高くな
るうえ、非接着面にも塗装するために効率的でないとい
う問題がある。
10−226865号公報や特開平2000−2199
50号公報においては鋼板の接着性については全く触れ
られておらず、本発明者らの研究結果によれば、これら
の公報で提案された技術では、接着剤で接着した場合
に、必ずしも安定して十分な接着強度が得られるとは限
らないことが判明した。特開平1−85753号公報お
よび特開昭55−116774号公報で提案された鋼板
は接着性は良好であるが、めっき皮膜の上に1層または
2層の樹脂組成物からなる塗装膜を必要とするために、
付加工程としての塗装工程が必要となりコストが高くな
るうえ、非接着面にも塗装するために効率的でないとい
う問題がある。
【0014】また、特開平2000−73184号公報
で提案した表面処理鋼板は、耐食性や接着耐久性が良好
ではあるが、付加的なめっき処理が必要であり、この点
の改善が望まれていた。
で提案した表面処理鋼板は、耐食性や接着耐久性が良好
ではあるが、付加的なめっき処理が必要であり、この点
の改善が望まれていた。
【0015】本発明の目的はこれらの問題点を解決し、
加工性と耐食性が良好で、めっき皮膜表面の接着用樹脂
塗膜などによらない接着性に優れた溶融Zn-Al-Mg 合
金めっき鋼板およびその製造方法を提供することにあ
る。
加工性と耐食性が良好で、めっき皮膜表面の接着用樹脂
塗膜などによらない接着性に優れた溶融Zn-Al-Mg 合
金めっき鋼板およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは共晶点近傍
のAl を含有し、クロメート処理層を備えた溶融Zn-A
l-Mg 合金めっき鋼板を供試材とし、これらを接着剤に
より接着した後の接着強度の経持変化などに影響する要
因に関して種々研究を重ねた結果、以下のことを知見し
た。
のAl を含有し、クロメート処理層を備えた溶融Zn-A
l-Mg 合金めっき鋼板を供試材とし、これらを接着剤に
より接着した後の接着強度の経持変化などに影響する要
因に関して種々研究を重ねた結果、以下のことを知見し
た。
【0017】上記めっき鋼板の接着部の剥離は、接着剤
とクロメート処理層との境界部で生じる場合が最も多い
が、クロメート処理層とめっき皮膜との間でも剥離する
場合がある。また、接着耐久性はめっきチャンスに影響
され、めっき皮膜構造と密接に対応している。
とクロメート処理層との境界部で生じる場合が最も多い
が、クロメート処理層とめっき皮膜との間でも剥離する
場合がある。また、接着耐久性はめっきチャンスに影響
され、めっき皮膜構造と密接に対応している。
【0018】接着剤を用いて接着しためっき鋼板を一定
期間保管した後に剥離させた場合に生じる剥離の起点
は、めっき皮膜の結晶構造がAl 初晶相(あるいはAl
単相部分)である場合が最も多い。次いで多いのはZn
初晶相(あるいはZn 単相部分)であり、Zn-Al-Mg
の三元共晶組織では剥離起点が最も少ない。
期間保管した後に剥離させた場合に生じる剥離の起点
は、めっき皮膜の結晶構造がAl 初晶相(あるいはAl
単相部分)である場合が最も多い。次いで多いのはZn
初晶相(あるいはZn 単相部分)であり、Zn-Al-Mg
の三元共晶組織では剥離起点が最も少ない。
【0019】従ってめっき皮膜構造において三元共晶組
織が占める割合を大きくすること、または、Al 初晶相
(およびAl 単相部分)、Zn 初晶相(およびZn 単相
部分)などが占める割合を小さくすることにより、接着
耐久性を向上させることができる。特に優れた改善効果
が得られるのは、めっき皮膜が三元共晶組織を体積比率
で60%以上含む場合であった。
織が占める割合を大きくすること、または、Al 初晶相
(およびAl 単相部分)、Zn 初晶相(およびZn 単相
部分)などが占める割合を小さくすることにより、接着
耐久性を向上させることができる。特に優れた改善効果
が得られるのは、めっき皮膜が三元共晶組織を体積比率
で60%以上含む場合であった。
【0020】三元共晶組織としては、Zn-Al-Zn2Mg
とZn-Al-Zn11Mg2 が知られている。本発明者らは三
元共晶組織と接着耐久性との関係を明確にするために、
種々のZn-Al-Mg 三元共晶組織を有するめっき皮膜表
面をX線回折し、Zn-Al-Zn2Mg の(100)面の積
分強度(”A”とする)とZn-Al-Zn11Mg2 の(20
0)面の積分強度(”B”とする)を測定し、B/Aが
0.01〜5の範囲で種々変動しためっき皮膜の接着耐
久性を評価した。
とZn-Al-Zn11Mg2 が知られている。本発明者らは三
元共晶組織と接着耐久性との関係を明確にするために、
種々のZn-Al-Mg 三元共晶組織を有するめっき皮膜表
面をX線回折し、Zn-Al-Zn2Mg の(100)面の積
分強度(”A”とする)とZn-Al-Zn11Mg2 の(20
0)面の積分強度(”B”とする)を測定し、B/Aが
0.01〜5の範囲で種々変動しためっき皮膜の接着耐
久性を評価した。
【0021】その結果、B/Aと接着耐久性との間には
全く相関が認められず、いずれの三元共晶組織であって
も同様に接着耐久性改善効果が得られることが判明し
た。このことから、接着耐久性は、Zn-Al-Mg 三元共
晶組織の体積比率で整理できると判断した。
全く相関が認められず、いずれの三元共晶組織であって
も同様に接着耐久性改善効果が得られることが判明し
た。このことから、接着耐久性は、Zn-Al-Mg 三元共
晶組織の体積比率で整理できると判断した。
【0022】接着耐久性がこのようなクロメート処理層
の下にあるめっき皮膜の結晶組織により影響されるの
は、今までに知られていなかったことである。上記Al
初晶相は、めっき浴のAl 含有量が共晶点よりも多い場
合にめっき浴の凝固に際して生じる初晶からなる相を意
味し、Zn 初晶相は、めっき浴のAl含有量が共晶点よ
りも少ない場合にめっき浴の凝固に際して生じる初晶か
らなる相を意味する。Zn-Al-Mg の三元共晶組織は、
Al 含有量が少ないZn 相とAl 初晶相に近い組成のA
l 相並びにZn−Mgの金属間化合物が層状に共析した
ものである。上記結晶構造において、Mg はAl 富化相
およびZn 富化相には殆ど固溶せず、Mg は主としてZ
n-Al-Mg の三元共晶組織に分散している。
の下にあるめっき皮膜の結晶組織により影響されるの
は、今までに知られていなかったことである。上記Al
初晶相は、めっき浴のAl 含有量が共晶点よりも多い場
合にめっき浴の凝固に際して生じる初晶からなる相を意
味し、Zn 初晶相は、めっき浴のAl含有量が共晶点よ
りも少ない場合にめっき浴の凝固に際して生じる初晶か
らなる相を意味する。Zn-Al-Mg の三元共晶組織は、
Al 含有量が少ないZn 相とAl 初晶相に近い組成のA
l 相並びにZn−Mgの金属間化合物が層状に共析した
ものである。上記結晶構造において、Mg はAl 富化相
およびZn 富化相には殆ど固溶せず、Mg は主としてZ
n-Al-Mg の三元共晶組織に分散している。
【0023】Al 単相はZn初晶相の近傍に微細な粒状
析出物として観察され、Zn 単相はAl初晶相の近傍に
島状に析出したものである。上記Al 初晶相やAl 単相
(以下、これらを総称して「Al 富化相」とも記す)、
またはZn 初晶相やZn 単相(以下、これらを総称して
「Zn 富化相」とも記す)には、常温では、冷却過程で
析出した微細なZn またはAl を内部に包含する。
析出物として観察され、Zn 単相はAl初晶相の近傍に
島状に析出したものである。上記Al 初晶相やAl 単相
(以下、これらを総称して「Al 富化相」とも記す)、
またはZn 初晶相やZn 単相(以下、これらを総称して
「Zn 富化相」とも記す)には、常温では、冷却過程で
析出した微細なZn またはAl を内部に包含する。
【0024】図1は、めっき皮膜の断面構造の例を示す
模式図である。これは研磨しためっき皮膜断面を0.5
%ナイタール液でエッチングし、2000倍のSEM
(走査電子顕微鏡)で撮影した写真を模写したものであ
る。図1において、符号1はZn-Al-Mg 三元共晶組
織、符号2はZn 初晶相、符号3はAl 単相、符号4は
めっき皮膜、符号5は母材である。
模式図である。これは研磨しためっき皮膜断面を0.5
%ナイタール液でエッチングし、2000倍のSEM
(走査電子顕微鏡)で撮影した写真を模写したものであ
る。図1において、符号1はZn-Al-Mg 三元共晶組
織、符号2はZn 初晶相、符号3はAl 単相、符号4は
めっき皮膜、符号5は母材である。
【0025】これらの金属相は、エッチングしためっき
皮膜断面を2000倍のSEMで観察すれば、三元共晶
組織は微細な縞状を呈しており、Zn 初晶相またはZn
単相(Zn 冨化相)は三元共晶組織にある島状の淡い灰
色を呈した部分、Al 初晶相およびAl 単相(Al 冨化
相)はZn 冨化相よりも黒みを帯びた灰色を呈する。従
って、上記写真においてこれらを弁別することは容易で
ある。また、めっき皮膜構成元素の面分析(いわゆるマ
ッピング分析法)によっても金属相を区別できる。
皮膜断面を2000倍のSEMで観察すれば、三元共晶
組織は微細な縞状を呈しており、Zn 初晶相またはZn
単相(Zn 冨化相)は三元共晶組織にある島状の淡い灰
色を呈した部分、Al 初晶相およびAl 単相(Al 冨化
相)はZn 冨化相よりも黒みを帯びた灰色を呈する。従
って、上記写真においてこれらを弁別することは容易で
ある。また、めっき皮膜構成元素の面分析(いわゆるマ
ッピング分析法)によっても金属相を区別できる。
【0026】めっき皮膜の金属相により接着部のクロメ
ート処理層などからの剥離挙動が異なる理由は明確では
ないが、以下のように推測される。接着部の剥離は、め
っき皮膜からクロメート処理層に拡散したAl イオン、
Zn イオンなどがクロメート処理層に含有される6価ク
ロムにより酸化され、めっき皮膜との界面近傍で酸化物
を形成することにより進行する。Al 富化相またはZn
富化相からはこれらの金属イオンが容易にクロメート処
理層に拡散し、このためにこれらの領域での剥離が生じ
やすい。三元共晶組織からはこれらの金属イオンの拡散
が極めて少なく、このために三元共晶組織がある部分で
の剥離は生じにくいものと推測される。三元共晶組織に
含有されるMg にもこれらの金属イオンの拡散を抑制す
る作用があることも、これらの領域での剥離防止に寄与
しているものと推察される。
ート処理層などからの剥離挙動が異なる理由は明確では
ないが、以下のように推測される。接着部の剥離は、め
っき皮膜からクロメート処理層に拡散したAl イオン、
Zn イオンなどがクロメート処理層に含有される6価ク
ロムにより酸化され、めっき皮膜との界面近傍で酸化物
を形成することにより進行する。Al 富化相またはZn
富化相からはこれらの金属イオンが容易にクロメート処
理層に拡散し、このためにこれらの領域での剥離が生じ
やすい。三元共晶組織からはこれらの金属イオンの拡散
が極めて少なく、このために三元共晶組織がある部分で
の剥離は生じにくいものと推測される。三元共晶組織に
含有されるMg にもこれらの金属イオンの拡散を抑制す
る作用があることも、これらの領域での剥離防止に寄与
しているものと推察される。
【0027】クロメート処理層の6価クロム含有量が増
すと、めっき皮膜から拡散してきた金属イオンの酸化が
促進され、界面にめっき金属酸化物が形成されて接着性
が低下する。従ってクロメート処理層の6価クロムの含
有量は低く制限するのが望ましい。
すと、めっき皮膜から拡散してきた金属イオンの酸化が
促進され、界面にめっき金属酸化物が形成されて接着性
が低下する。従ってクロメート処理層の6価クロムの含
有量は低く制限するのが望ましい。
【0028】めっき皮膜におけるAl 初晶相やZn 初晶
相の出現率は、めっき浴の化学組成、めっき浴温度、め
っき後の冷却速度などに依存する。例えば、めっき浴の
Al濃度が高い場合には製造条件によってはAl 初晶相
が出現しやすい。また、溶融めっき後の冷却速度を高め
ると、凝固時に生じる初晶が細分化するため、Al 初晶
相やZn 初晶相の出現率が低くなる。従ってめっき後に
は急速冷却するのが望ましい。
相の出現率は、めっき浴の化学組成、めっき浴温度、め
っき後の冷却速度などに依存する。例えば、めっき浴の
Al濃度が高い場合には製造条件によってはAl 初晶相
が出現しやすい。また、溶融めっき後の冷却速度を高め
ると、凝固時に生じる初晶が細分化するため、Al 初晶
相やZn 初晶相の出現率が低くなる。従ってめっき後に
は急速冷却するのが望ましい。
【0029】母材が厚い場合やライン速度の制約などか
ら急速冷却が困難な場合には、めっき浴に微量のTi 、
Nb 、V、Sr を含有させてめっきすることにより、共
晶組織を安定して得ることができる。このようにすれ
ば、めっき後の冷却速度をさほど厳しく管理しなくても
所望の構造のめっき皮膜とすることができる。
ら急速冷却が困難な場合には、めっき浴に微量のTi 、
Nb 、V、Sr を含有させてめっきすることにより、共
晶組織を安定して得ることができる。このようにすれ
ば、めっき後の冷却速度をさほど厳しく管理しなくても
所望の構造のめっき皮膜とすることができる。
【0030】これらの方法により、めっき皮膜における
Al 富化相やZn 富化相の存在比率を小さくし、共晶組
織の多い接着耐久性に優れためっき鋼板を容易に得るこ
とができる。ここに、「接着性に優れた」あるいは「接
着耐久性に優れた」とは、例えば後述する実施例に示す
ように、めっき鋼板を接着剤を用いて接着した際の接着
強度が長期にわたって高いことを意味する。
Al 富化相やZn 富化相の存在比率を小さくし、共晶組
織の多い接着耐久性に優れためっき鋼板を容易に得るこ
とができる。ここに、「接着性に優れた」あるいは「接
着耐久性に優れた」とは、例えば後述する実施例に示す
ように、めっき鋼板を接着剤を用いて接着した際の接着
強度が長期にわたって高いことを意味する。
【0031】本発明はこれらの新たに得られた知見を基
にして完成されたものであり、その要旨は、下記(1)
〜(5)に記載の接着性に優れた溶融Zn-Al-Mg 合金
めっき鋼板、および(6)、(7)に記載のその製造方
法にある。
にして完成されたものであり、その要旨は、下記(1)
〜(5)に記載の接着性に優れた溶融Zn-Al-Mg 合金
めっき鋼板、および(6)、(7)に記載のその製造方
法にある。
【0032】(1)母材の少なくとも片面に、質量%
で、Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5
%、残部がZn および不可避的不純物よりなり、Zn-A
l-Mg 三元共晶組織を体積比率で60%以上含む結晶組
織を有する溶融めっき皮膜と、その上のクロメート処理
層とを備えた溶融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板。
で、Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5
%、残部がZn および不可避的不純物よりなり、Zn-A
l-Mg 三元共晶組織を体積比率で60%以上含む結晶組
織を有する溶融めっき皮膜と、その上のクロメート処理
層とを備えた溶融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板。
【0033】(2)母材の少なくとも片面に、質量%
で、Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5
%、Fe :0.5g/m2以下、残部がZn および不可避的
不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織を体積比率
で60%以上含む結晶組織を有する溶融めっき皮膜と、
その上のクロメート処理層とを備えた溶融Zn-Al-Mg
合金めっき鋼板。
で、Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5
%、Fe :0.5g/m2以下、残部がZn および不可避的
不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織を体積比率
で60%以上含む結晶組織を有する溶融めっき皮膜と、
その上のクロメート処理層とを備えた溶融Zn-Al-Mg
合金めっき鋼板。
【0034】(3)母材の少なくとも片面に、質量%
で、Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5
%、さらに、Ti 、Nb 、VおよびSr からなる群の内
の1種あるいは2種以上を0.001〜0.05%含有
し、Fe :0.5g/m2以下、残部がZn および不可避的
不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織を体積比率
で60%以上含む結晶組織を有する溶融めっき皮膜と、
その上のクロメート処理層とを備えた溶融Zn-Al-Mg
合金めっき鋼板。
で、Al :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5
%、さらに、Ti 、Nb 、VおよびSr からなる群の内
の1種あるいは2種以上を0.001〜0.05%含有
し、Fe :0.5g/m2以下、残部がZn および不可避的
不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織を体積比率
で60%以上含む結晶組織を有する溶融めっき皮膜と、
その上のクロメート処理層とを備えた溶融Zn-Al-Mg
合金めっき鋼板。
【0035】(4)めっき皮膜のAl 初晶相およびAl
単相の体積比率が10%以下であることを特徴とする上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融Zn-Al-Mg
合金めっき鋼板。
単相の体積比率が10%以下であることを特徴とする上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融Zn-Al-Mg
合金めっき鋼板。
【0036】(5)上記めっき皮膜の上に、付着量が金
属クロム換算で10〜150mg/m2、かつ、その内の6
価クロム量が金属クロム換算で25mg/m2 以下であるク
ロメート処理層を備えたことを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の溶融Zn-Al-Mg系合金めっ
き鋼板。
属クロム換算で10〜150mg/m2、かつ、その内の6
価クロム量が金属クロム換算で25mg/m2 以下であるク
ロメート処理層を備えたことを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の溶融Zn-Al-Mg系合金めっ
き鋼板。
【0037】(6)母材を、質量%で、Al :2.0〜
7.0%、Mg :0.5〜3.5%、残部がZn および
不可避的不純物よりなる溶融めっき浴に浸漬し、引き上
げてめっき付着量を調整し、次いで15℃/秒以上の冷
却速度でめっき皮膜が完全凝固するまで冷却し、その後
クロメート処理を施すことを特徴とする溶融Zn-Al-M
g系合金めっき鋼板の製造方法。
7.0%、Mg :0.5〜3.5%、残部がZn および
不可避的不純物よりなる溶融めっき浴に浸漬し、引き上
げてめっき付着量を調整し、次いで15℃/秒以上の冷
却速度でめっき皮膜が完全凝固するまで冷却し、その後
クロメート処理を施すことを特徴とする溶融Zn-Al-M
g系合金めっき鋼板の製造方法。
【0038】(7)母材を、質量%で、Al :2.0〜
7.0%、Mg :0.5〜3.5%、さらに、Ti 、N
b 、VおよびSr からなる群の内の1種あるいは2種以
上を0.001〜0.05%含有し、残部がZn および
不可避的不純物よりなる溶融めっき浴に浸漬し、引き上
げてめっき付着量を調整し、次いで冷却した後、クロメ
ート処理を施すことを特徴とする溶融Zn-Al-Mg 系合
金めっき鋼板の製造方法。
7.0%、Mg :0.5〜3.5%、さらに、Ti 、N
b 、VおよびSr からなる群の内の1種あるいは2種以
上を0.001〜0.05%含有し、残部がZn および
不可避的不純物よりなる溶融めっき浴に浸漬し、引き上
げてめっき付着量を調整し、次いで冷却した後、クロメ
ート処理を施すことを特徴とする溶融Zn-Al-Mg 系合
金めっき鋼板の製造方法。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。 めっき皮膜の化学組成; Al :めっき浴のAl 濃度が2.0%に満たない場合
は、めっき皮膜が凝固する際に接着性を低下させるZn
の初晶相が増し、Zn-Al-Mg 三元共晶組織の体積比率
が減少して接着耐久性が低下する。また、めっき浴のA
l 濃度が低いとめっき浴に添加したMg の浴面酸化の抑
制能力が小さく、めっき浴面でドロスが発生しやすくな
る。このため、めっき浴のAl 濃度は2.0%以上とす
る。望ましくは2.5%以上である。めっき皮膜にはめ
っき浴のAl 濃度とほぼ同一のAlが含有される。従っ
て、めっき皮膜のAl 含有量は2.0%以上とする。望
ましくは2.5%以上である。
明する。 めっき皮膜の化学組成; Al :めっき浴のAl 濃度が2.0%に満たない場合
は、めっき皮膜が凝固する際に接着性を低下させるZn
の初晶相が増し、Zn-Al-Mg 三元共晶組織の体積比率
が減少して接着耐久性が低下する。また、めっき浴のA
l 濃度が低いとめっき浴に添加したMg の浴面酸化の抑
制能力が小さく、めっき浴面でドロスが発生しやすくな
る。このため、めっき浴のAl 濃度は2.0%以上とす
る。望ましくは2.5%以上である。めっき皮膜にはめ
っき浴のAl 濃度とほぼ同一のAlが含有される。従っ
て、めっき皮膜のAl 含有量は2.0%以上とする。望
ましくは2.5%以上である。
【0040】めっき浴のAl 濃度が7.0%を超えると
めっき皮膜におけるAl 初晶相の占める体積比率が増加
し、かつ、三元共晶組織の体積比率が減少して接着耐久
性が低下する。これを防ぐためにめっき浴のAl 濃度は
7.0%以下とする。望ましくは5.5%以下である。
従ってめっき皮膜のAl 含有量は7.0%以下とする。
望ましくは5.5%以下である。
めっき皮膜におけるAl 初晶相の占める体積比率が増加
し、かつ、三元共晶組織の体積比率が減少して接着耐久
性が低下する。これを防ぐためにめっき浴のAl 濃度は
7.0%以下とする。望ましくは5.5%以下である。
従ってめっき皮膜のAl 含有量は7.0%以下とする。
望ましくは5.5%以下である。
【0041】Mg :Mg はめっき皮膜の耐食性を向上さ
せると共に、めっき皮膜の共晶部に固溶して接着耐久性
を改善する作用もある。これらの効果を確保するために
めっき皮膜にはMg を0.5%以上含有させる。望まし
くは1.0%以上である。Mg 含有量が3.5%を超え
ると耐食性が飽和し、それ以上含有させてもコストが高
くなるうえ、めっき皮膜の加工性が損なわれる。従って
Mg 含有量は3.5%以下とする。望ましくは3.0%
以下である。
せると共に、めっき皮膜の共晶部に固溶して接着耐久性
を改善する作用もある。これらの効果を確保するために
めっき皮膜にはMg を0.5%以上含有させる。望まし
くは1.0%以上である。Mg 含有量が3.5%を超え
ると耐食性が飽和し、それ以上含有させてもコストが高
くなるうえ、めっき皮膜の加工性が損なわれる。従って
Mg 含有量は3.5%以下とする。望ましくは3.0%
以下である。
【0042】Fe :めっき皮膜のFe は、母材/めっき
界面における合金層の成長に伴って増加する元素であ
る。合金層は、めっき浴温度、母材のめっき浴への浸漬
温度などを高くするにつれて成長し、それと共にめっき
皮膜の加工性が損なわれる。これを避けるために、めっ
き皮膜のFe 含有量は0.5g/m2以下とするのが望まし
い。より望ましくは0.2g/m2以下である。
界面における合金層の成長に伴って増加する元素であ
る。合金層は、めっき浴温度、母材のめっき浴への浸漬
温度などを高くするにつれて成長し、それと共にめっき
皮膜の加工性が損なわれる。これを避けるために、めっ
き皮膜のFe 含有量は0.5g/m2以下とするのが望まし
い。より望ましくは0.2g/m2以下である。
【0043】Ti 、Nb 、V、Sr :これらの元素は必
須元素ではないが、これらの元素からなる群のうちの1
種または2種以上を合計で0.001%以上めっき浴に
含有させて溶融めっきすると、めっき後に急速冷却しな
くても、所望の三元共晶組織を含むめっき皮膜を得るこ
とができる。上記合金元素を含有しないめっき浴では、
めっき後に気水冷却等の強制冷却が必要となる。従っ
て、上記群のうちの1種あるいは2種以上を、2種以上
の場合はその合計で、0.001%以上含有させるのが
望ましい。
須元素ではないが、これらの元素からなる群のうちの1
種または2種以上を合計で0.001%以上めっき浴に
含有させて溶融めっきすると、めっき後に急速冷却しな
くても、所望の三元共晶組織を含むめっき皮膜を得るこ
とができる。上記合金元素を含有しないめっき浴では、
めっき後に気水冷却等の強制冷却が必要となる。従っ
て、上記群のうちの1種あるいは2種以上を、2種以上
の場合はその合計で、0.001%以上含有させるのが
望ましい。
【0044】めっき浴における上記元素の濃度が合計で
0.05%を超えると、三元共晶組織の形成促進作用が
飽和すると共にめっき浴面においてドロスが増加する。
これを避けるために、上記群の元素を添加する場合の濃
度は合計で0.05%以下とするのが望ましい。より望
ましくは0.02%以下である。
0.05%を超えると、三元共晶組織の形成促進作用が
飽和すると共にめっき浴面においてドロスが増加する。
これを避けるために、上記群の元素を添加する場合の濃
度は合計で0.05%以下とするのが望ましい。より望
ましくは0.02%以下である。
【0045】これらの元素は、めっき皮膜にはめっき浴
の濃度とほぼ同一の量が含有されるので、めっき皮膜に
おける上記群の含有量は0.001%以上とするのが望
ましい。より望ましくは0.005%以上である。ま
た、その上限は合計で0.05%、より望ましくは0.
02%である。
の濃度とほぼ同一の量が含有されるので、めっき皮膜に
おける上記群の含有量は0.001%以上とするのが望
ましい。より望ましくは0.005%以上である。ま
た、その上限は合計で0.05%、より望ましくは0.
02%である。
【0046】上記以外はZn および不可避的不純物であ
る。なお、気水スプレーなどの急冷処理を施す場合に
は、粒界腐食の発生を防止するため、不可避的不純物と
してのPb、Sn、Bi、Cdなどは少なくするのがよ
く、合計で200ppm以下が望ましい。さらには10
0ppm以下が望ましい。また、その他の不可避的不純
物として、Ni、Cr、Mo、W、Si、B、Be等の
元素がそれぞれ0.1%以下含有されていても、上述し
た本発明の効果は得られるので何ら問題はない。
る。なお、気水スプレーなどの急冷処理を施す場合に
は、粒界腐食の発生を防止するため、不可避的不純物と
してのPb、Sn、Bi、Cdなどは少なくするのがよ
く、合計で200ppm以下が望ましい。さらには10
0ppm以下が望ましい。また、その他の不可避的不純
物として、Ni、Cr、Mo、W、Si、B、Be等の
元素がそれぞれ0.1%以下含有されていても、上述し
た本発明の効果は得られるので何ら問題はない。
【0047】めっき皮膜構造:めっき皮膜のZn-Al-M
g 三元共晶組織が増すと接着面の剥離起点の発生が抑制
され、接着耐久性が向上する。特に上記組織を体積比率
で60%以上含む場合に顕著な接着耐久性改善効果が得
られる。このため、めっき皮膜におけるZn-Al-Mg 三
元共晶組織の存在割合は体積比率で60%以上とする。
望ましくは70%以上、さらに望ましくは80%以上で
ある。
g 三元共晶組織が増すと接着面の剥離起点の発生が抑制
され、接着耐久性が向上する。特に上記組織を体積比率
で60%以上含む場合に顕著な接着耐久性改善効果が得
られる。このため、めっき皮膜におけるZn-Al-Mg 三
元共晶組織の存在割合は体積比率で60%以上とする。
望ましくは70%以上、さらに望ましくは80%以上で
ある。
【0048】残りは、Zn 富化相および/またはAl 富
化相である。三元共晶組織としては、Zn-Al-Zn2Mg
とZn-Al-Zn11Mg2 が知られているが、いずれの場合
でも同様の効果が得られる。
化相である。三元共晶組織としては、Zn-Al-Zn2Mg
とZn-Al-Zn11Mg2 が知られているが、いずれの場合
でも同様の効果が得られる。
【0049】Zn-Al-Mg 合金の共晶点はAl 含有量が
5.5%前後であるが、めっき浴での成分偏析などの影
響を考慮すると、めっき皮膜のAl 含有量が6%以下の
場合には、三元共晶組織とZn 初晶相が共存し、めっき
皮膜のAl 含有量が5%の以上場合にはAl 初晶相が共
存する可能性がある。
5.5%前後であるが、めっき浴での成分偏析などの影
響を考慮すると、めっき皮膜のAl 含有量が6%以下の
場合には、三元共晶組織とZn 初晶相が共存し、めっき
皮膜のAl 含有量が5%の以上場合にはAl 初晶相が共
存する可能性がある。
【0050】Al 冨化相では接着部の剥離起点が生じる
確率が高いので、Al 初晶相およびAl 単相の体積比率
は合計で10%以下とするのが望ましい。より望ましく
は5%以下である。また、Zn 冨化相も接着部の剥離起
点を生じるので、Zn 初晶相およびZn 単相の体積比率
は合計で30%未満とするのが望ましい。より望ましく
は20%未満である。
確率が高いので、Al 初晶相およびAl 単相の体積比率
は合計で10%以下とするのが望ましい。より望ましく
は5%以下である。また、Zn 冨化相も接着部の剥離起
点を生じるので、Zn 初晶相およびZn 単相の体積比率
は合計で30%未満とするのが望ましい。より望ましく
は20%未満である。
【0051】本発明のめっき皮膜金属組織の体積比率
は、一つのサンプルについて20箇所の断面それぞれを
2000倍のSEMにて写真撮影し、金属相毎の面積率
を求め、その平均値を当該サンプルの体積比率とする。
は、一つのサンプルについて20箇所の断面それぞれを
2000倍のSEMにて写真撮影し、金属相毎の面積率
を求め、その平均値を当該サンプルの体積比率とする。
【0052】本発明におけるめっき皮膜の組織別の体積
比率は、各組織の面積率を求め、これらの平均値を当該
鋼板の体積比率として定義する。本発明のめっき鋼板に
おいては、耐食性を向上させるためにクロメート処理を
施す。その付着量が金属クロム換算で10mg/m2 に満た
ない場合には、接着部端部から水が侵入して接着界面の
めっきが腐食され、長期に及ぶ接着強度維持が困難とな
る。これを避けるためにその付着量は金属クロム換算で
10mg/m2 以上とするのが望ましい。より望ましくは2
0mg/m2 以上である。
比率は、各組織の面積率を求め、これらの平均値を当該
鋼板の体積比率として定義する。本発明のめっき鋼板に
おいては、耐食性を向上させるためにクロメート処理を
施す。その付着量が金属クロム換算で10mg/m2 に満た
ない場合には、接着部端部から水が侵入して接着界面の
めっきが腐食され、長期に及ぶ接着強度維持が困難とな
る。これを避けるためにその付着量は金属クロム換算で
10mg/m2 以上とするのが望ましい。より望ましくは2
0mg/m2 以上である。
【0053】クロメート処理層を過度に厚くすると、ク
ロメート処理層内部で破断が起きやすくなり、接合強度
が低下する。従ってその付着量は金属クロム換算で15
0mg/m2 以下とするのが望ましい。より望ましくは10
0mg/m2 以下である。
ロメート処理層内部で破断が起きやすくなり、接合強度
が低下する。従ってその付着量は金属クロム換算で15
0mg/m2 以下とするのが望ましい。より望ましくは10
0mg/m2 以下である。
【0054】クロメート処理層の6価クロム含有量が増
すと、めっき皮膜から拡散してきたAl イオンやZn イ
オンを酸化し、界面にめっき金属酸化物が形成されて接
着強度が低下する。これを避けるためにクロメート処理
層の6価クロムの含有量は金属クロム換算で25mg/m2
以下とするのが望ましい。
すと、めっき皮膜から拡散してきたAl イオンやZn イ
オンを酸化し、界面にめっき金属酸化物が形成されて接
着強度が低下する。これを避けるためにクロメート処理
層の6価クロムの含有量は金属クロム換算で25mg/m2
以下とするのが望ましい。
【0055】本発明に係る接着性に優れた溶融Zn-Al-
Mg 合金めっき鋼板の好適な製造方法を以下に述べる。
なお、以下に示すのは1例であり、本発明に係るめっき
鋼板の製造方法がこれに限定されるものではない。
Mg 合金めっき鋼板の好適な製造方法を以下に述べる。
なお、以下に示すのは1例であり、本発明に係るめっき
鋼板の製造方法がこれに限定されるものではない。
【0056】母材は、熱間圧延板、冷間圧延板のいずれ
を用いてもよい。鋼種は低炭素鋼、Si 、Mn その他の
合金を含有する合金鋼を用いることができ、絞り用の軟
鋼板や、種々の特性の高張力鋼板を用いることができ
る。
を用いてもよい。鋼種は低炭素鋼、Si 、Mn その他の
合金を含有する合金鋼を用いることができ、絞り用の軟
鋼板や、種々の特性の高張力鋼板を用いることができ
る。
【0057】めっきの方法は公知の方法でよい。まず、
母材には、その表面を溶融めっきに適する状態にするた
めの、アルカリ水溶液等での洗浄や、ナイロンブラシ等
での表面研削等、公知の前処理を施す。次いで母材を還
元性雰囲気中で600℃以上、または再結晶温度以上に
加熱して所要の時間保持した後、めっき浴温近傍まで冷
却する。還元性雰囲気としては公知のものでよいが、水
素:5〜30体積%、残部が窒素からなり、露点:−6
0〜−0℃の雰囲気が好適である。
母材には、その表面を溶融めっきに適する状態にするた
めの、アルカリ水溶液等での洗浄や、ナイロンブラシ等
での表面研削等、公知の前処理を施す。次いで母材を還
元性雰囲気中で600℃以上、または再結晶温度以上に
加熱して所要の時間保持した後、めっき浴温近傍まで冷
却する。還元性雰囲気としては公知のものでよいが、水
素:5〜30体積%、残部が窒素からなり、露点:−6
0〜−0℃の雰囲気が好適である。
【0058】冷却後は、所定のめっき皮膜組成が得られ
るように化学組成を調整した溶融めっき浴に浸漬し、次
いでめっき付着量を調整する。めっき浴温度は、めっき
浴の融点よりも30〜60℃高めるのが望ましい。60
℃を超えて高めると、めっき浴に浸漬したときの合金層
の発達が著しくなる。めっき付着量は、気体絞り法等通
常用いられている方法で片面当たり40〜150g/m2の
範囲に調整するのが好適である。
るように化学組成を調整した溶融めっき浴に浸漬し、次
いでめっき付着量を調整する。めっき浴温度は、めっき
浴の融点よりも30〜60℃高めるのが望ましい。60
℃を超えて高めると、めっき浴に浸漬したときの合金層
の発達が著しくなる。めっき付着量は、気体絞り法等通
常用いられている方法で片面当たり40〜150g/m2の
範囲に調整するのが好適である。
【0059】付着量調整後は、凝固時に生じる初晶を細
分化してAl 初晶相やZn 初晶相の出現率を低くするた
めに、15℃/秒以上の冷却速度でめっき皮膜が完全凝
固するまで急速冷却するのが望ましい。めっき浴がTi
、Nb 、VおよびSr からなる群の内の1種あるいは
2種以上を0.001〜0.05%含有する場合には、
上記冷却速度は特に限定する必要はないが、めっき皮膜
が完全凝固するまでは10℃/秒以上で冷却するのが望
ましい。
分化してAl 初晶相やZn 初晶相の出現率を低くするた
めに、15℃/秒以上の冷却速度でめっき皮膜が完全凝
固するまで急速冷却するのが望ましい。めっき浴がTi
、Nb 、VおよびSr からなる群の内の1種あるいは
2種以上を0.001〜0.05%含有する場合には、
上記冷却速度は特に限定する必要はないが、めっき皮膜
が完全凝固するまでは10℃/秒以上で冷却するのが望
ましい。
【0060】次いでクロメート処理を施すが、クロメー
ト処理層の6価クロム含有量を25mg/m2 以下とするに
は、クロメート処理液への還元剤の添加量などで調整す
ればよい。その他の成分は特に限定されないが、コロイ
ダルシリカ等のゾル成分を含有させると耐食性や接着耐
久性を向上させることができる。ただし、ゾル成分の含
有比率はクロメート処理層中の体積分率で75%以下と
するのがよい。75%を超えると、クロメート処理層の
凝集強度が著しく低下し、初期接着性が悪化する。
ト処理層の6価クロム含有量を25mg/m2 以下とするに
は、クロメート処理液への還元剤の添加量などで調整す
ればよい。その他の成分は特に限定されないが、コロイ
ダルシリカ等のゾル成分を含有させると耐食性や接着耐
久性を向上させることができる。ただし、ゾル成分の含
有比率はクロメート処理層中の体積分率で75%以下と
するのがよい。75%を超えると、クロメート処理層の
凝集強度が著しく低下し、初期接着性が悪化する。
【0061】クロメート処理方法は特に限定されない。
塗布型クロメート処理、反応型クロメート処理、電解ク
ロメート処理の何れも、上記条件を満たせば、使用可能
である。ただし、洗浄水廃液問題、処理設備、および浴
管理の簡便さを考慮すると、塗布型クロメート処理が望
ましい。この場合、塗布型クロメート薬液は、6価クロ
ム低減の目的で、予め、部分還元されていることが望ま
しい。
塗布型クロメート処理、反応型クロメート処理、電解ク
ロメート処理の何れも、上記条件を満たせば、使用可能
である。ただし、洗浄水廃液問題、処理設備、および浴
管理の簡便さを考慮すると、塗布型クロメート処理が望
ましい。この場合、塗布型クロメート薬液は、6価クロ
ム低減の目的で、予め、部分還元されていることが望ま
しい。
【0062】なお、本発明の溶融Zn-Al-Mg 合金めっ
き鋼板の用途は接着により組み立てられる用途に限定さ
れる必要はない。例えば、接着接合と溶接組み立てと併
用して施せば、双方の接合方式の長所を備えた組み立て
製品が得られる。従ってこのような用途にも好適であ
る。
き鋼板の用途は接着により組み立てられる用途に限定さ
れる必要はない。例えば、接着接合と溶接組み立てと併
用して施せば、双方の接合方式の長所を備えた組み立て
製品が得られる。従ってこのような用途にも好適であ
る。
【0063】
【実施例】C:0.04%、Mn :0.25%を含有す
るJIS−G3141に規定される厚さ:0.70mmの
低炭素冷間圧延鋼板をめっき母材とし、これを75℃の
NaOH 水溶液で脱脂洗浄し、水素:20体積%、残部
が窒素からなり、露点が−40℃である雰囲気中で80
0℃に加熱し、60秒間保持して再結晶焼鈍を施し、め
っき浴温度近傍まで冷却し、種々の化学組成の溶融Zn-
Al-Mg 合金めっき浴に浸漬した。めっき浴温度は融点
+40℃とした。
るJIS−G3141に規定される厚さ:0.70mmの
低炭素冷間圧延鋼板をめっき母材とし、これを75℃の
NaOH 水溶液で脱脂洗浄し、水素:20体積%、残部
が窒素からなり、露点が−40℃である雰囲気中で80
0℃に加熱し、60秒間保持して再結晶焼鈍を施し、め
っき浴温度近傍まで冷却し、種々の化学組成の溶融Zn-
Al-Mg 合金めっき浴に浸漬した。めっき浴温度は融点
+40℃とした。
【0064】次いで気体絞り方式により片面当たりの付
着量を100g/m2に調整し、その後、気水スプレーでそ
の含有される水分量を変化させた気水冷却法、大気を吹
き付ける風冷法、または放冷により冷却して、めっき皮
膜構造を種々調整した。冷却速度は、気水冷却では15
℃/秒以上、風冷では10〜12℃/秒、放冷では5℃
/秒前後であった。
着量を100g/m2に調整し、その後、気水スプレーでそ
の含有される水分量を変化させた気水冷却法、大気を吹
き付ける風冷法、または放冷により冷却して、めっき皮
膜構造を種々調整した。冷却速度は、気水冷却では15
℃/秒以上、風冷では10〜12℃/秒、放冷では5℃
/秒前後であった。
【0065】得られためっき鋼板には以下の方法で塗布
型クロメート処理を施した。無水クロム酸水溶液に還元
剤としてエチレングリコールを添加し、Cr 濃度が25
g/リットルの部分還元クロメート溶液とし、これにコロイダ
ルシリカを200g/リットル含有する溶液を添加し、Cr 濃
度が12.5g/リットル、SiO2濃度が25g/リットルであるク
ロメート処理液を調製した。このクロメート処理液をバ
ーコーティングにより試験片に塗布し、最高到達板温が
50℃となるように熱風オーブンを用いて乾燥した。C
r 付着量は、前記のクロメート処理液をさらに希釈しそ
の希釈倍率を変更して調整した。クロメート処理層の6
価クロム量は、還元剤の添加量で調整した。
型クロメート処理を施した。無水クロム酸水溶液に還元
剤としてエチレングリコールを添加し、Cr 濃度が25
g/リットルの部分還元クロメート溶液とし、これにコロイダ
ルシリカを200g/リットル含有する溶液を添加し、Cr 濃
度が12.5g/リットル、SiO2濃度が25g/リットルであるク
ロメート処理液を調製した。このクロメート処理液をバ
ーコーティングにより試験片に塗布し、最高到達板温が
50℃となるように熱風オーブンを用いて乾燥した。C
r 付着量は、前記のクロメート処理液をさらに希釈しそ
の希釈倍率を変更して調整した。クロメート処理層の6
価クロム量は、還元剤の添加量で調整した。
【0066】得られた試験片の性能を以下の方法で評価
した。 クロメート処理層:Cr 付着量は蛍光X線にて測定し
た。6価クロム付着量は、クロメート処理材を沸騰水に
1時間浸漬して6価クロムイオンを溶出させ、浸漬前後
のCr 付着量を測定して、その減少分を測定する方法に
よりおこなった。
した。 クロメート処理層:Cr 付着量は蛍光X線にて測定し
た。6価クロム付着量は、クロメート処理材を沸騰水に
1時間浸漬して6価クロムイオンを溶出させ、浸漬前後
のCr 付着量を測定して、その減少分を測定する方法に
よりおこなった。
【0067】めっき皮膜構造:めっき皮膜断面を0.0
5%ナイタール液でエッチングして2000倍のSEM
にて写真撮影し、各金属相の面積率を求めた。一つの鋼
板について20箇所測定し、これらの平均値を当該鋼板
の結晶組織とした。
5%ナイタール液でエッチングして2000倍のSEM
にて写真撮影し、各金属相の面積率を求めた。一つの鋼
板について20箇所測定し、これらの平均値を当該鋼板
の結晶組織とした。
【0068】平板部の耐食性:幅:70mm、長さ:15
0mmの四周端面をテープでシールした試験片を、塩水噴
霧(35℃×6時間)→乾燥(60℃×12時間)→湿
潤(50℃×6時間)を1サイクルとする腐食試験に供
し、平板部に赤錆が発生するまでの試験日数を測定し、
赤錆発生までのサイクル数(日数)が50以上(50日
以上)である場合を良好と判断した。
0mmの四周端面をテープでシールした試験片を、塩水噴
霧(35℃×6時間)→乾燥(60℃×12時間)→湿
潤(50℃×6時間)を1サイクルとする腐食試験に供
し、平板部に赤錆が発生するまでの試験日数を測定し、
赤錆発生までのサイクル数(日数)が50以上(50日
以上)である場合を良好と判断した。
【0069】めっき皮膜の曲げ加工性:試験片に内側曲
げ半径を板厚相当とする2T曲げ加工を施し、曲げ部の
めっき皮膜断面を写真撮影し、めっき皮膜の亀裂発生状
況を下記の5段階で評価し、○以上を良好とした。 ◎:亀裂が全く認められない。 ○:小さな亀裂が一部に認められる。 △:小さな亀裂が全面に認められる。 ×:大小の亀裂が混在し、全面に認められる。 ××:大きな亀裂が全面に認められる。
げ半径を板厚相当とする2T曲げ加工を施し、曲げ部の
めっき皮膜断面を写真撮影し、めっき皮膜の亀裂発生状
況を下記の5段階で評価し、○以上を良好とした。 ◎:亀裂が全く認められない。 ○:小さな亀裂が一部に認められる。 △:小さな亀裂が全面に認められる。 ×:大小の亀裂が混在し、全面に認められる。 ××:大きな亀裂が全面に認められる。
【0070】接着耐久性:幅2.5cm、長さ10cmの試
験片2枚をアルカリ脱脂した後、一液型加熱硬化性のエ
ポキシ−アミン系接着剤を用い、接着層の厚みを0.2
mmとしてめっき面同士を張り合わせ、JIS−K685
0に準じた単純重ね合わせ継手試験体を作製した。重ね
合わせ部の寸法は2.5cm×1.25cm、その面積は
3.125cm2 とした。この試験片を上記平板部の耐食
性に記したのと同一の腐食試験に10日間供し、次いで
60℃で24時間乾燥した後、25℃で引張速度50mm
/分 で引張り試験をおこない、剥離荷重を重ね合わせ部
の接合面積で除して接着強度を測定した。接着強度が8
MPa 以上である場合を接着耐久性が良好と判断した。
験片2枚をアルカリ脱脂した後、一液型加熱硬化性のエ
ポキシ−アミン系接着剤を用い、接着層の厚みを0.2
mmとしてめっき面同士を張り合わせ、JIS−K685
0に準じた単純重ね合わせ継手試験体を作製した。重ね
合わせ部の寸法は2.5cm×1.25cm、その面積は
3.125cm2 とした。この試験片を上記平板部の耐食
性に記したのと同一の腐食試験に10日間供し、次いで
60℃で24時間乾燥した後、25℃で引張速度50mm
/分 で引張り試験をおこない、剥離荷重を重ね合わせ部
の接合面積で除して接着強度を測定した。接着強度が8
MPa 以上である場合を接着耐久性が良好と判断した。
【0071】めっき後の冷却速度、めっき皮膜とクロメ
ート処理層の化学組成と金属組織、および鋼板の性能評
価結果を表1に示す。
ート処理層の化学組成と金属組織、および鋼板の性能評
価結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】図2は、表1の三元共晶組織の体積比率と
接着強度との関係を示すグラフである。表1または図2
からわかるように、接着強度は三元共晶組織の体積比率
(V m )が増すにつれて向上し、特にVm が60%以上
となる領域で急激に改善されていた。また、本発明の規
定する条件を満足する試験番号1〜21は平板部の耐食
性、めっき皮膜の加工性および接着耐久性が共に良好で
あった。微量元素を含有するめっき浴を用いてめっき
し、次いで気水冷却して急速冷却した試験番号15およ
び17の接着耐久性は特に優れていた。クロメート処理
層が好適範囲でなかった試験番号19〜21の接着耐久
性は合格範囲ではあったが、他の鋼板に比較するとやや
劣った結果となった。
接着強度との関係を示すグラフである。表1または図2
からわかるように、接着強度は三元共晶組織の体積比率
(V m )が増すにつれて向上し、特にVm が60%以上
となる領域で急激に改善されていた。また、本発明の規
定する条件を満足する試験番号1〜21は平板部の耐食
性、めっき皮膜の加工性および接着耐久性が共に良好で
あった。微量元素を含有するめっき浴を用いてめっき
し、次いで気水冷却して急速冷却した試験番号15およ
び17の接着耐久性は特に優れていた。クロメート処理
層が好適範囲でなかった試験番号19〜21の接着耐久
性は合格範囲ではあったが、他の鋼板に比較するとやや
劣った結果となった。
【0074】これに対し、めっき皮膜のAl 含有量が少
なすぎた試験番号22、多すぎた試験番号23、Al 含
有量が多すぎたうえめっき後放冷した試験番号24、め
っき皮膜のMg 含有量が少なすぎたうえ、めっき後放冷
した試験番号25、およびめっき後放冷した試験番号3
0では三元共晶組織の体積比率(Vm )が60%に満た
ず、接着耐久性がよくなかった。めっき皮膜のMg 含有
量が多すぎた試験番号26、Fe 含有量が多すぎた試験
番号27〜29などはめっき皮膜の加工性が良くなかっ
た。Mg 含有量が少なすぎた試験番号25は耐食性も良
くなかった。
なすぎた試験番号22、多すぎた試験番号23、Al 含
有量が多すぎたうえめっき後放冷した試験番号24、め
っき皮膜のMg 含有量が少なすぎたうえ、めっき後放冷
した試験番号25、およびめっき後放冷した試験番号3
0では三元共晶組織の体積比率(Vm )が60%に満た
ず、接着耐久性がよくなかった。めっき皮膜のMg 含有
量が多すぎた試験番号26、Fe 含有量が多すぎた試験
番号27〜29などはめっき皮膜の加工性が良くなかっ
た。Mg 含有量が少なすぎた試験番号25は耐食性も良
くなかった。
【0075】
【発明の効果】本発明の溶融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼
板は、高い接着強度とその耐久性を備えているので、信
頼性の高い接着接合が可能である。このため、鋼板製品
の組立工程の大幅な生産性向上とコストダウンが実現で
きる。また、本発明の鋼板は従来の設備により製造でき
るので、本発明は極めて工業的価値が大きい。
板は、高い接着強度とその耐久性を備えているので、信
頼性の高い接着接合が可能である。このため、鋼板製品
の組立工程の大幅な生産性向上とコストダウンが実現で
きる。また、本発明の鋼板は従来の設備により製造でき
るので、本発明は極めて工業的価値が大きい。
【図1】 めっき皮膜の断面構造の例を示す模式図であ
る。
る。
【図2】 三元共晶組織の体積比率と接着強度との関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
1:Zn-Al-Mg 共晶組織、2:Zn 初晶部、3:Al
単相部、4:めっき皮膜、5:母材。
単相部、4:めっき皮膜、5:母材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/40 C23C 2/40 22/26 22/26 (72)発明者 石垣 一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 富安 健 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 松本 雅充 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 AA13 BA06 BB10 CA16 CA21 CA37 CA41 DA02 DA11 4K027 AA05 AA22 AB05 AB07 AB44 AC02 AC12 AC52 AC64 AC82 AE02 AE23 4K044 AA02 AB02 BA10 BA14 BA15 BB03 BB11 BC02 BC05 CA11 CA16 CA53 CA62
Claims (7)
- 【請求項1】 母材の少なくとも片面に、質量%で、A
l :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5%、残部
がZn および不可避的不純物よりなり、Zn-Al-Mg 三
元共晶組織を体積比率で60%以上含む結晶組織を有す
る溶融めっき皮膜と、その上のクロメート処理層とを備
えた溶融Zn-Al-Mg 合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 母材の少なくとも片面に、質量%で、A
l :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5%、Fe
:0.5g/m2以下、残部がZn および不可避的不純物
よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織を体積比率で60
%以上含む結晶組織を有する溶融めっき皮膜と、その上
のクロメート処理層とを備えた溶融Zn-Al-Mg 合金め
っき鋼板。 - 【請求項3】 母材の少なくとも片面に、質量%で、A
l :2.0〜7.0%、Mg :0.5〜3.5%、さら
に、Ti 、Nb 、VおよびSr からなる群の内の1種あ
るいは2種以上を0.001〜0.05%含有し、Fe
:0.5g/m2以下、残部がZn および不可避的不純物
よりなり、Zn-Al-Mg 三元共晶組織を体積比率で60
%以上含む結晶組織を有する溶融めっき皮膜と、その上
のクロメート処理層とを備えた溶融Zn-Al-Mg 合金め
っき鋼板。 - 【請求項4】 めっき皮膜のAl 初晶相およびAl 単相
の体積比率が10%以下であることを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載の溶融Zn-Al-Mg合金めっき
鋼板。 - 【請求項5】 上記めっき皮膜の上に、付着量が金属ク
ロム換算で10〜150mg/m2 、かつ、その内の6価ク
ロム量が金属クロム換算で25mg/m2 以下であるクロメ
ート処理層を備えたことを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板。 - 【請求項6】 母材を、質量%で、Al :2.0〜7.
0%、Mg :0.5〜3.5%、残部がZn および不可
避的不純物よりなる溶融めっき浴に浸漬し、引き上げて
めっき付着量を調整し、次いで15℃/秒以上の冷却速
度でめっき皮膜が完全凝固するまで冷却し、その後クロ
メート処理を施すことを特徴とする溶融Zn-Al-Mg系
合金めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 母材を、質量%で、Al :2.0〜7.
0%、Mg :0.5〜3.5%、さらに、Ti 、Nb 、
VおよびSr からなる群の内の1種あるいは2種以上を
0.001〜0.05%含有し、残部がZn および不可
避的不純物よりなる溶融めっき浴に浸漬し、引き上げて
めっき付着量を調整し、次いで冷却した後、クロメート
処理を施すことを特徴とする溶融Zn-Al-Mg 系合金め
っき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001035686A JP2002241962A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001035686A JP2002241962A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002241962A true JP2002241962A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18899101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001035686A Withdrawn JP2002241962A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002241962A (ja) |
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-
2001
- 2001-02-13 JP JP2001035686A patent/JP2002241962A/ja not_active Withdrawn
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