JP2002240696A - 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法 - Google Patents

自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法

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JP2002240696A JP2001040601A JP2001040601A JP2002240696A JP 2002240696 A JP2002240696 A JP 2002240696A JP 2001040601 A JP2001040601 A JP 2001040601A JP 2001040601 A JP2001040601 A JP 2001040601A JP 2002240696 A JP2002240696 A JP 2002240696A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】前輪用および後輪用車輪ブレーキのアンチロッ
ク制御を独立して実行可能な自動二輪車のアンチロック
ブレーキ制御方法において、前輪の単独制動状態でのア
ンチロック制御を実行する際の制動フィーリングを向上
する。 【解決手段】前輪単独制動時の前輪用車輪ブレーキのア
ンチロック制御を実行するにあたり、前輪のスリップ率
が第1の閾値から第1の閾値よりも小さな第2の閾値以
下に変化するまでの時間T1を計測し、その計測時間T
1が第1の設定時間γ1以下のときには、前記スリップ
率が第2の閾値以下となった時点で前輪用車輪ブレーキ
の増圧制御を開始し、前記計測時間T1が第1の設定時
間γ1を超えるときには、前輪の車輪速度が加速状態か
ら減速状態に転じたことを少なくとも1つの要件として
前輪用車輪ブレーキの増圧制御開始のタイミングを定め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ液圧の増
減により前輪用および後輪用車輪ブレーキのアンチロッ
ク制御を独立して実行可能な自動二輪車のアンチロック
ブレーキ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような自動二輪車のアンチロックブ
レーキ制御方法は、たとえば特開平9−328065号
公報等で既に良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動二輪車
において前輪用車輪ブレーキをアンチロック制御するに
あたっては、車体安定性の向上のために低摩擦係数の路
面を考慮して、前輪用車輪ブレーキの減圧制御時の減圧
量を多めに設定するのが一般的である。ところが、高摩
擦係数の路面では過減圧状態となりがちであり、特に前
輪の単独制動時には必要以上の減圧により、制動に伴な
う減速度の「抜け感」が生じ、制動フィーリングの悪化
を招くことがある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、前輪の単独制動時における制動フィーリング
を向上した自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ブレーキ液圧の増減により
前輪用および後輪用車輪ブレーキのアンチロック制御を
独立して実行可能な自動二輪車のアンチロックブレーキ
制御方法において、前輪単独制動時の前輪用車輪ブレー
キのアンチロック制御を実行するにあたり、前輪および
後輪の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度センサの検
出値に基づいて前輪のスリップ率を算出するとともに、
該スリップ率が第1の閾値から第1の閾値よりも小さな
第2の閾値以下に変化するまでの時間を計測し、その計
測時間が予め設定した第1の設定時間以下のときには、
前記スリップ率が第2の閾値以下となった時点で前輪用
車輪ブレーキの増圧制御を開始し、前記計測時間が第1
の設定時間を超えるときには、前輪の車輪速度が加速状
態から減速状態に転じたことを少なくとも1つの要件と
して前輪用車輪ブレーキの増圧制御開始のタイミングを
定めることを特徴とする。
【0006】このような請求項1記載の発明によれば、
前輪の単独制動状態で前輪用車輪ブレーキのアンチロッ
ク制御を実行する際に、高摩擦係数の路面では、前輪用
車輪ブレーキの減圧制御によって前輪のスリップ率は比
較的早く低下するので、前輪のスリップ率が第1の閾値
から第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下に変化する
までの時間は比較的短くなり、その時間が第1の設定時
間以下のときに前輪のスリップ率が第2の閾値以下にな
るのに応じて増圧制御に移行することにより、高摩擦係
数の路面で前輪用車輪ブレーキが過減圧状態となるのを
防止し、制動時における減速度の「抜け感」が生じるこ
とを回避して、制動フィーリングを向上することができ
る。一方、低摩擦係数の路面では、前輪用車輪ブレーキ
の減圧制御によって前輪のスリップ率が低下する時間は
長くなるので、前輪の車輪速度が加速状態から減速状態
に転じたことを少なくとも1つの要件として増圧制御開
始のタイミングを定めることで、必要以上に早く増圧制
御に移行することはなく、前輪用車輪ブレーキの減圧制
御時の減圧量を多めにし、車体安定性を向上することが
可能である。
【0007】また上記目的を達成するために、請求項2
記載の発明は、ブレーキ液圧の増減により前輪用および
後輪用車輪ブレーキのアンチロック制御を独立して実行
可能な自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法にお
いて、前輪単独制動時の前輪用車輪ブレーキのアンチロ
ック制御を実行するにあたり、前輪および後輪の車輪速
度をそれぞれ検出する車輪速度センサの検出値に基づい
て前輪のスリップ率を算出するとともに、前輪の車輪速
度が減速状態から加速状態に転じた時点から前記スリッ
プ率が予め設定した閾値以下になるまでの時間を計測
し、その計測時間が予め設定した第2の設定時間以下の
ときには、スリップ率が閾値以下となった時点で前輪用
車輪ブレーキの増圧制御を開始し、前記計測時間が第2
の設定時間を超えるときには、前輪の車輪速度が加速状
態から減速状態に転じたことを少なくとも1つの要件と
して前輪用車輪ブレーキの増圧制御開始のタイミングを
定めることを特徴とする。
【0008】このような請求項2記載の発明によれば、
前輪の単独制動状態で前輪用車輪ブレーキのアンチロッ
ク制御を実行する際に、高摩擦係数の路面では、前輪用
車輪ブレーキの減圧制御によって前輪のスリップ率は比
較的早く低下するので、前輪の車輪速度が減速状態から
加速状態に転じた時点から前輪のスリップ率が予め設定
した閾値以下となるまでの時間は比較的短くなり、その
時間が第2の設定時間よりも小さいときに前輪のスリッ
プ率が閾値以下になるのに応じて増圧制御に移行するこ
とにより、高摩擦係数の路面で前輪用車輪ブレーキが過
減圧状態となるのを防止し、制動時における減速度の
「抜け感」が生じることを回避して、制動フィーリング
を向上することができる。一方、低摩擦係数の路面で
は、前輪用車輪ブレーキの減圧制御によって前輪のスリ
ップ率が低下する時間は長くなるので、前輪の車輪速度
が加速状態から減速状態に転じたことを少なくとも1つ
の要件として増圧制御開始のタイミングを定めること
で、必要以上に早く増圧制御に移行することはなく、前
輪用車輪ブレーキの減圧制御時の減圧量を多めにし、車
体安定性を向上することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】図1および図2は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は自動二輪車用ブレーキ装置の液圧
回路図、図2はタイミングチャートである。
【0011】先ず図1において、スクータ型である自動
二輪車には、乗員が右手で操作する右ブレーキレバー1
の操作に応じて液圧を出力する第1マスタシリンダMA
と、乗員が左手で操作する左ブレーキレバー2の操作に
応じて液圧を出力する第2マスタシリンダMBとが搭載
される。一方、自動二輪車の前輪には、一対のポッド
3,4を有する前輪用車輪ブレーキBFが搭載されてお
り、この前輪用車輪ブレーキBFには、第1マスタシリ
ンダMAが制御弁手段6Aを介して接続されるとともに
第2マスタシリンダMBが制御弁手段6B1および遅延
弁5を介して接続される。また後輪に装着された後輪用
車輪ブレーキBRには第2マスタシリンダMBが制御弁
手段6B2を介して接続される。
【0012】制御弁手段6Aは、前輪用車輪ブレーキB
Fのポッド3および第1マスタシリンダMA間に設けら
れる常開型電磁弁7と、該常開型電磁弁7に並列に接続
されるチェック弁8と、前輪用車輪ブレーキBFのポッ
ド3およびリザーバ10A間に設けられる常閉型電磁弁
9とで構成されるものであり、第1マスタシリンダMA
および前輪用車輪ブレーキBFのポッド3間の連通・遮
断と、前輪用車輪ブレーキBFのポッド3およびリザー
バ10A間の連通・遮断とを切換え可能である。
【0013】リザーバ10Aには、該リザーバ10Aの
ブレーキ液を汲上げて第1マスタシリンダMA側に圧送
する戻しポンプ11Aの吸入側が吸入弁12Aを介して
接続されており、この戻しポンプ11Aの吐出側は、吐
出弁13Aを介して第1マスタシリンダMAに接続され
る。
【0014】制御弁手段6B1は、上記制御弁手段6A
と同様に常開型電磁弁7、チェック弁8および常閉型電
磁弁9で構成されるものであり、前輪用車輪ブレーキB
Fのポッド4に接続される遅延弁5および第2マスタシ
リンダMB間の連通・遮断と、前記遅延弁5およびリザ
ーバ10B間の連通・遮断とを切換え可能である。
【0015】また制御弁手段6B2は、上記制御弁手段
6A,6B1と同様に常開型電磁弁7、チェック弁8お
よび常閉型電磁弁9で構成されるものであり、後輪用車
輪ブレーキBRおよび第2マスタシリンダMB間の連通
・遮断と、後輪用車輪ブレーキBRおよびリザーバ10
B間の連通・遮断とを切換え可能である。
【0016】リザーバ10Bには、該リザーバ10Bの
ブレーキ液を汲上げて第2マスタシリンダMB側に圧送
する戻しポンプ11Bの吸入側が吸入弁12Bを介して
接続されており、この戻しポンプ11Bの吐出側は、吐
出弁13Bを介して第2マスタシリンダMBに接続され
る。
【0017】前記両戻しポンプ11A,11Bには共通
な単一のモータ16が連結されており、該モータ16に
より両戻しポンプ11A,11Bが駆動される。
【0018】このような制御弁手段6A,6B1,6B
2において、右および左ブレーキレバー1,2によるブ
レーキ操作時に車輪がロック状態に入りそうになったと
きのアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁7
…のうちロック状態に入りそうである車輪に対応する常
開型電磁弁を通電により閉弁するとともに常閉型電磁弁
9…のうち上記車輪に対応する常閉型電磁弁を通電によ
り開弁する。そうすると、ブレーキ液圧の一部がリザー
バ10Aあるいは10Bに逃がされて減圧されることに
なる。またブレーキ液圧を保持する際には、常開型電磁
弁7…を通電により閉弁するとともに常閉型電磁弁9…
を非通電により閉弁状態に保持すればよく、ブレーキ液
圧を増圧する際には、常開型電磁弁7…を非通電により
開弁するとともに常閉型電磁弁9…を非通電により閉弁
状態に保持すればよい。
【0019】一対の戻しポンプ11A,11Bを共通に
駆動するモータ16は、上記アンチロックブレーキ制御
の開始に応じて作動を開始するものであり、リザーバ1
0A,10Bに逃がされたブレーキ液が戻しポンプ11
A,11Bから第1および第2マスタシリンダMA,M
B側に戻される。したがってリザーバ10A,10Bに
逃がした分だけ第1および第2マスタシリンダMA,M
Bにおけるブレーキレバー1,2の操作量が増加するこ
とはない。
【0020】各制御弁手段6A,6B1,6B2におけ
る常開型電磁弁7…および常閉型電磁弁9…の非通電・
通電、ならびにモータ16の作動は、前輪および後輪の
車輪速度を個別に検出する車輪速度センサ19F,19
Rの検出信号が入力される制御ユニット18により制御
されるものであり、制御ユニット18は、前記車輪速度
センサ19F,19Rの検出信号に基づいて車輪がロッ
ク状態に入りそうであると判断したときには、ブレーキ
液圧の減・増圧サイクルを繰返すように各制御弁手段6
A,6B1,6B2の作動を制御することで、前輪用お
よび後輪用車輪ブレーキBF,BRのアンチロック制御
を実行する。
【0021】また制御ユニット18は、前記各制御弁手
段6A,6B1,6B2のいずれか1つによるアンチロ
ックブレーキ制御の開始に伴ってモータ16の作動を開
始する。
【0022】ところで、制御ユニット18は、前輪の単
独制動時における前輪用車輪ブレーキBFのアンチロッ
ク制御時において、前輪のスリップ率Sが第1の閾値
(たとえば50%)から第1の閾値よりも小さな第2の
閾値(たとえば5%)以下に変化するまでの時間T1を
計測し、その計測時間T1が予め設定した第1の設定時
間γ1以下であったときには、スリップ率Sが第2の閾
値以下となった時点で前輪用車輪ブレーキBFの増圧制
御を開始し、前記計測時間T1が第1の設定時間γ1を
超えるときには、前輪の車輪速度が加速状態から減速状
態に転じたことを少なくとも1つの要件として前輪用車
輪ブレーキBFの増圧制御開始のタイミングを定めるも
のであり、この実施例では、前輪の車輪速度が加速状態
から減速状態に転じたときに前輪用車輪ブレーキBFの
増圧制御を開始する。
【0023】ここで、前輪のスリップ率Sは、自動二輪
車の推定車体速度をVR、前輪の車輪速度をVWとした
ときに、 S=(VR−VW)/VR に基づいて演算することができ、推定車体速度VRは前
輪および後輪の車輪速度を個別に検出する車輪速度セン
サ19F,19Rの検出値に基づいて演算することがで
き、前輪の車輪速度VWは、前輪の車輪速度を検出する
車輪速度センサ19Fの検出値に基づいて得ることがで
きる。
【0024】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、前輪の単独制動時に前輪がロック状態に陥ること
を回避するために前輪用車輪ブレーキBFのアンチロッ
ク制御を実行する場合、前輪用車輪ブレーキBFのブレ
ーキ液圧制御モード、前輪の車輪速度および前輪用車輪
ブレーキBFのブレーキ液圧は、図2(a),(b),
(c)でそれぞれ示すようになり、減圧制御に応じて低
下した前輪の車輪速度が減速から加速に転じた後、スリ
ップ率Sが第1の閾値から第1の閾値よりも小さな第2
の閾値以下に変化するまでの時間T1を計測する。すな
わち第1の閾値のスリップ率に対応した車輪速度V1
と、第2の閾値のスリップ率に対応した車輪速度V2と
を予め設定しておくことにより、前輪の車輪速度が車輪
速度V1を超えてから車輪速度V2以上となるまでの時
間T1を計測する。
【0025】而して計測時間T1が、予め設定した第1
の設定時間γ1以下のときには、スリップ率Sが第2の
閾値以下となった時点すなわち前輪の車輪速度が車輪速
度V2以上となった時点で前輪用車輪ブレーキBFの増
圧制御を開始する。
【0026】一方、前記計測時間T1が第1の設定時間
γ1を超えるときには、前輪の車輪速度が加速状態から
減速状態に転じたことを少なくとも1つの要件として前
輪用車輪ブレーキBFの増圧制御開始のタイミングを定
めるものであり、この実施例では、前輪の車輪速度が加
速状態から減速状態に転じたときに前輪用車輪ブレーキ
BFの増圧制御を開始する。
【0027】前輪の単独制動時における上述のようなア
ンチロック制御を実行すると、高摩擦係数の路面では、
前輪用車輪ブレーキBFの減圧制御によって前輪のスリ
ップ率Sは比較的早く低下するので、前輪のスリップ率
Sが第1の閾値から第2の閾値以下に変化するまでを計
測した計測時間T1は比較的短くなり、比較的早く増圧
制御が開始されることになる。したがって高摩擦係数の
路面で前輪用車輪ブレーキBFのブレーキ液圧が過減圧
状態となるのを防止し、制動時における減速度の「抜け
感」が生じることを回避して、制動フィーリングを向上
することができる。
【0028】ここで、前記計測時間T1にかかわらず、
前輪の車輪速度が加速状態から減速状態に転じたときに
前輪用車輪ブレーキBFの増圧制御を開始するようにし
た場合を想定すると、図2の鎖線で示すように、前輪用
車輪ブレーキBFのブレーキ液圧制御モード、前輪の車
輪速度および前輪用車輪ブレーキBFのブレーキ液圧が
変化することになり、前輪用車輪ブレーキBFのブレー
キ液圧が過減圧状態となり、減速度の「抜け感」が生じ
てしまうのである。
【0029】一方、低摩擦係数の路面では、前輪用車輪
ブレーキBFの減圧制御によって前輪のスリップ率Sが
低下する時間は長くなるので、前輪の車輪速度が加速状
態から減速状態に転じたことを少なくとも1つの要件と
して増圧制御開始のタイミングを定めることで、必要以
上に早く増圧制御に移行することはなく、前輪用車輪ブ
レーキBFの減圧制御時の減圧量を多めにし、車体安定
性を向上することが可能である。
【0030】図3は本発明の第2実施例を示すものであ
り、制御ユニット18は、前輪の単独制動時における前
輪用車輪ブレーキBFのアンチロック制御時において、
減圧制御に応じて低下した前輪の車輪速度が減速状態か
ら加速状態に転じた時点から前輪のスリップ率Sが予め
設定した閾値以下になるまでの時間T2を計測する。す
なわち閾値のスリップ率に対応した車輪速度V′を予め
設定しておくことにより、前輪の車輪速度が加速状態に
転じた時点から車輪速度V′以上となるまでの時間T2
を計測する。
【0031】而して計測時間T2が予め設定した第2の
設定時間γ2以下のときには、前輪のスリップ率Sが閾
値以下となった時点すなわち前輪の車輪速度が車輪速度
V′以上となった時点で前輪用車輪ブレーキBFの増圧
制御を開始し、前記計測時間T2が第2の設定時間γ2
を超えるときには、前輪の車輪速度が加速状態から減速
状態に転じたことを少なくとも1つの要件として前輪用
車輪ブレーキBFの増圧制御開始のタイミングを定める
ものであり、この第2実施例では、前輪の車輪速度が加
速状態から減速状態に転じたときに前輪用車輪ブレーキ
BFの増圧制御を開始する。
【0032】このような第2実施例によれば、前輪の単
独制動状態で前輪用車輪ブレーキBFのアンチロック制
御を実行する際に、高摩擦係数の路面では、前輪用車輪
ブレーキBFの減圧制御によって前輪のスリップ率Sは
比較的早く低下するので、前輪の車輪速度が減速状態か
ら加速状態に転じた時点から前輪のスリップ率Sが予め
設定した閾値以下となるまでの時間T2は比較的短くな
り、その時間T2が第2の設定時間γ2よりも小さいと
きに前輪のスリップ率Sが閾値以下になるのに応じて増
圧制御に移行することにより、高摩擦係数の路面で前輪
用車輪ブレーキが過減圧状態となるのを防止し、制動時
における減速度の「抜け感」が生じることを回避して、
制動フィーリングを向上することができる。
【0033】また低摩擦係数の路面では、前輪用車輪ブ
レーキBFの減圧制御によって前輪のスリップ率Sが低
下する時間は長くなるので、前輪の車輪速度が加速状態
から減速状態に転じたことを少なくとも1つの要件とし
て増圧制御開始のタイミングを定めることで、必要以上
に早く増圧制御に移行することはなく、前輪用車輪ブレ
ーキBFの減圧制御時の減圧量を多めにし、車体安定性
を向上することが可能である。
【0034】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0035】
【発明の効果】以上のように請求項1および2記載の発
明によれば、高摩擦係数の路面で前輪用車輪ブレーキが
過減圧状態となるのを防止し、制動時の減速度に「抜け
感」が生じることを回避して制動フィーリングを向上す
ることができ、低摩擦係数の路面では前輪用車輪ブレー
キの減圧制御時の減圧量を多めにし、車体安定性を向上
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における自動二輪車用ブレーキ装置
の液圧回路図である。
【図2】タイミングチャートである。
【図3】第2実施例のタイミングチャートである。
【符号の説明】
19F,19R・・・車輪速度センサ BF・・・前輪用車輪ブレーキ BR・・・後輪用車輪ブレーキ T1,T2・・・計測時間 γ1・・・第1の設定時間 γ2・・・第2の設定時間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ液圧の増減により前輪用および
    後輪用車輪ブレーキ(BF,BR)のアンチロック制御
    を独立して実行可能な自動二輪車のアンチロックブレー
    キ制御方法において、前輪単独制動時の前輪用車輪ブレ
    ーキ(BF)のアンチロック制御を実行するにあたり、
    前輪および後輪の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度
    センサ(19F,19R)の検出値に基づいて前輪のス
    リップ率を算出するとともに、該スリップ率が第1の閾
    値から第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下に変化す
    るまでの時間(T1)を計測し、その計測時間(T1)
    が予め設定した第1の設定時間(γ1)以下のときに
    は、前記スリップ率が第2の閾値以下となった時点で前
    輪用車輪ブレーキ(BF)の増圧制御を開始し、前記計
    測時間(T1)が第1の設定時間(γ1)を超えるとき
    には、前輪の車輪速度が加速状態から減速状態に転じた
    ことを少なくとも1つの要件として前輪用車輪ブレーキ
    (BF)の増圧制御開始のタイミングを定めることを特
    徴とする自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法。
  2. 【請求項2】 ブレーキ液圧の増減により前輪用および
    後輪用車輪ブレーキ(BF,BR)のアンチロック制御
    を独立して実行可能な自動二輪車のアンチロックブレー
    キ制御方法において、前輪単独制動時の前輪用車輪ブレ
    ーキ(BF)のアンチロック制御を実行するにあたり、
    前輪および後輪の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度
    センサ(19F,19R)の検出値に基づいて前輪のス
    リップ率を算出するとともに、前輪の車輪速度が減速状
    態から加速状態に転じた時点から前記スリップ率が予め
    設定した閾値以下になるまでの時間(T2)を計測し、
    その計測時間(T2)が予め設定した第2の設定時間
    (γ2)以下のときには、スリップ率が閾値以下となっ
    た時点で前輪用車輪ブレーキ(BF)の増圧制御を開始
    し、前記計測時間(T2)が第2の設定時間(γ2)を
    超えるときには、前輪の車輪速度が加速状態から減速状
    態に転じたことを少なくとも1つの要件として前輪用車
    輪ブレーキ(BF)の増圧制御開始のタイミングを定め
    ることを特徴とする自動二輪車のアンチロックブレーキ
    制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008018807A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Advics:Kk アンチスキッド制御装置

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