JP2002238842A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2002238842A JP2001041966A JP2001041966A JP2002238842A JP 2002238842 A JP2002238842 A JP 2002238842A JP 2001041966 A JP2001041966 A JP 2001041966A JP 2001041966 A JP2001041966 A JP 2001041966A JP 2002238842 A JP2002238842 A JP 2002238842A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 副送水流通管路の大径化や副送水注入口突起
の大型化を伴わずに、該副送水用管部の清掃及び組立の
作業性に優れる内視鏡を得る。 【解決手段】 挿入部と該挿入部に接続する連結筒部3
0;この連結筒部から外方に突出し、該連結筒部の内外
を貫通させる中空筒状の副送水注入口突起21;及び、
この副送水注入口突起と挿入部に開口する副送水出口部
とを連通する副送水流通管路61;を備えた内視鏡にお
いて、副送水注入口突起を、連結筒部と直交する平面方
向に対し、該連結筒部側の基部から突出端部へ向かうに
つれて徐々に挿入部から離間する方向に傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内視鏡に関し、特に副送水注入
用の入口部を有する内視鏡に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】内視鏡では、例えば臨床検
査において、挿入部の先端から浄液液を噴出させて視野
内にある汚物を除去したり、染色液を噴出させて所望位
置を染色することが可能なタイプがある。このような洗
浄液や染色液は、挿入部先端の対物窓や照明窓等を洗浄
するために送られる液体と区別するために、一般に副送
水と呼ばれている。この副送水流通用管路の入口部に
は、内視鏡の挿入部と操作部の間に位置する連結筒部
(挿入部-操作部連結筒部)から径方向外方に突出する
副送水注入用の突起が形成され、この副送水注入口突起
を介して内視鏡外部の送水手段と内視鏡内部の副送水流
通用管路が接続される。
【0003】従来、副送水注入口突起は、その軸線が上
述した連結筒部の軸線と直交するような方向で、該連結
筒部の外周面から突設されていた。一方、内視鏡内に配
される副送水流通管路は、副送水注入口突起内のシリン
ダへの装着部分(連結アダプタ)付近が金属等からなる
硬性管として形成されており、連結筒部の長手方向に概
ね沿って配設されてきた副送水流通管路は、当該硬性管
部分で副送水注入口突起側に方向を変えるために直角に
近い角度で曲げられていた。しかし、この硬性管の湾曲
部分の曲率が大きいと、清掃用のブラシが通りにくいと
いう問題があった。また、当該湾曲部分の曲率が大きい
と、副送水流通管路を副送水注入口突起内のシリンダに
装着させる際に管路を取り回しにくく、組立性が悪い場
合があった。
【0004】副送水流通管路の湾曲部分(硬性管部分)
の内径を大きくすれば清掃用ブラシは通りやすくなる。
しかし、内視鏡の挿入部や連結筒部内には副送水流通管
路以外にも、画像観察用のイメージファイババンドルや
CCDケーブル、照明配光用のライトガイド等様々な部
材が配されているので、これら各部材との干渉を避ける
ため副送水流通管路はできるだけ小径であることが好ま
しい。また、副送水流通管路が小径であると内視鏡自体
も小型化できるので好ましい。一方、副送水注入口突起
の内径サイズ等の大きさを大きくすれば、副送水流通管
路は内径サイズを拡げることなくその湾曲部分の曲率を
緩やかにすることができるが、この場合、副送水注入口
突起が大きくなってしまうというデメリットがある。つ
まり、副送水流通管路の大径化や副送水注入口突起の大
型化を伴わずに、副送水流通管路の清掃作業性や副送水
流通管路周りの組立作業性を良好にすることは難しかっ
た。
【0005】
【発明の目的】本発明は、副送水流通管路の大径化や副
送水注入口突起の大型化を避けつつ、該副送水用管部の
清掃及び組立の作業性に優れる内視鏡を得ることを目的
とする。
【0006】
【発明の概要】上記目的を達成するための本発明は、挿
入部と該挿入部に接続する連結筒部;この連結筒部から
外方に突出し、該連結筒部の内外を貫通させる中空筒状
の副送水注入口突起;及び、この副送水注入口突起と上
記挿入部に開口する副送水出口部とを連通する副送水流
通管路;を備えた内視鏡において、副送水注入口突起
が、連結筒部と直交する平面方向に対し、該連結筒部側
の基部から突出端部へ向かうにつれて徐々に挿入部から
離間する方向に傾斜していることを特徴としている。
【0007】この本発明は、副送水流通管路の入口側端
部が着脱可能なシリンダが副送水注入口突起内に設けら
れ、副送水流通管路は、この入口側端部から所定の長さ
領域が硬性管により構成され、この硬性管部に、副送水
流通管路を副送水注入口突起内へ方向付ける湾曲部が形
成されている態様の内視鏡に特に好適である。
【0008】この態様の内視鏡では、さらに、副送水流
通管路の入口側端部内への流体流入を許し、該入口側端
部からの流体流出を阻止する逆流防止弁を備えた逆流防
止弁アダプタが、シリンダ内に着脱可能であることが好
ましい。この場合、副送水用の流体を供給する外部の送
水手段は、この逆流防止弁アダプタに対し外部から着脱
可能とすることが可能である。
【0009】連結筒部は、径方向内側に位置する金属製
の芯材と、該芯材の外側を覆い該芯材に対して上記挿入
部側から挿脱可能な合成樹脂製のカバー材とを備え、副
送水注入口突起は該カバー材に形成されることが好まし
い。
【0010】本発明の内視鏡ではさらに、副送水流通管
路とは別に、挿入部に開口する出口部と連結筒部に開口
する入口部とを連通する第二の管路を備え、該第二の管
路の入口部と副送水注入口突起は、連結筒部の長手方向
には略同位置で、該連結筒部の周方向には位置を異なら
せて位置していてもよい。この場合、第二の管路の入口
部は、副送水注入口突起と同様に、連結筒部と直交する
平面方向に対し、該連結筒部側の基部から突出端部へ向
かうにつれて徐々に挿入部から離間する方向に傾斜して
いることが好ましい。第二の管路とは、例えば鉗子など
の処置具を挿通可能な処置具挿通チャンネルである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態であ
る医療用の内視鏡10を示している。内視鏡10は、柔
軟な管状の挿入部11と、操作者または術者が把持する
把持操作部12とを有しており、挿入部11と把持操作
部12は連結筒部(挿入部-操作部連結筒部)30によ
って接続されている。なお、挿入部11の先端部近傍に
設けた湾曲部19と連結筒部30との間の領域は、柔軟
な可撓管部23となっている。図6に示すように、挿入
部11の先端部には、対物レンズ13、配光レンズ1
4、処置具挿通チャンネル出口部15、副送水出口部
(開口)16等が配置されている。対物レンズ13によ
る観察対象の像は、挿入部11から把持操作部12に至
る光学ファイバ及び接眼レンズ17によって観察され
る。配光レンズ14には、ユニバーサルチューブ18か
ら把持操作部12及び挿入部11内を通るライトガイド
を介して、不図示の照明装置からの照明光が与えられ
る。ユニバーサルチューブ18の先端部には、該照明装
置に接続される着脱部が設けられている。挿入部11の
先端部近傍の湾曲部19は、把持操作部12に設けた湾
曲操作ノブ20の回動操作に応じて、図示しない湾曲操
作用ワイヤを介して湾曲操作される。
【0012】連結筒部30には、副送水出口部16に対
応する副送水入口部を構成する副送水注入口突起21
と、処置具挿通チャンネル出口部15に対応する入口部
を構成する処置具挿通チャンネル入口突起22が設けら
れている。副送水注入口突起21と処置具挿通チャンネ
ル入口突起22はいずれも、連結筒部30の外方に向け
て突出された中空筒状の突起である。本実施形態の内視
鏡は、特に副送水注入口突起21に特徴を有するもので
あり、図2ないし図5を参照して副送水注入口突起21
及びその周辺の構造を説明する。
【0013】連結筒部30は、挿入部11の基部と把持
操作部12の間に設けた筒状部であり、その軸線X1は
挿入部11と把持操作部12を結ぶ長手方向に向いてい
る。連結筒部30の内部には、該軸線X1方向に長い金
属製の一対の支持板(芯材)31が設けられている。一
対の支持板31は軸線X1を中心とする円筒面の一部を
構成するような形状であり、該軸線X1を挟んで対称に
位置する。各支持板31の先端部は、連結環33を介し
て、上述の可撓管部23を構成する軟性管(可撓管)3
2と固定される。連結環33と軟性管32の口金部32
bは、ビス32aで互いに固定されている。可撓管部2
3では、軟性管32のうち連結筒部30に隣接する一部
領域の外側が折れ止めゴム管34で覆われており、可撓
管部23全体として可撓性を有する。また、図示しない
が、支持板31の後端部は把持操作部12内の親板に固
定されており、実質的には支持板31と連結環33を介
して挿入部11(可撓管部23)と把持操作部12が連
結されている。
【0014】連結筒部30の外観は、支持板31の外側
を覆う合成樹脂製の筒状カラー(カバー材)35によっ
て構成されている。筒状カラー35は、把持操作部12
に近い側から第1カラー36、第2カラー37及び第3
カラー38の3つのパートに分割可能である。筒状カラ
ー35の各パートは、挿入部11側から把持操作部12
側へ挿入することで支持板31に装着され、第1カラー
36は、把持操作部12側の挿入規制面12a(図1)
に当て付く位置で挿入が規制される。また、第2カラー
37は第1カラー36に、第3カラー38に該第2カラ
ー37に当て付く位置でそれぞれ挿入が規制される。支
持板31の先端付近に固定された連結環33の外周面に
は雄ねじ33aが形成されており、上述の挿入規制位置
まで第1カラー36と第2カラー37を移動させた状態
で雄ねじ33aに押さえナット39を螺合させると、該
第1カラー36と第2カラー37が抜け止めされる。ま
た、第3カラー38は内周面に雌ねじ38aを備え、該
雌ねじ38aを連結環33の雄ねじ33aに螺合させる
ことで、第3カラー38も支持板31に対して固定され
る。
【0015】内視鏡10はその全体が非通水性及び非導
電性を有するゴムや合成樹脂材料で覆われており、各外
観構成部分の隙間などもシール材などによってシールさ
れている。図3に示すように、軟性管32の口金部32
bと連結環33の間に配したOリング40、連結環33
と第2カラー37の間に配したOリング41、第1カラ
ー36と第2カラー37の接続部分に支持環42を介し
て設けた2つのOリング43及び44などによって、連
結筒部30の内部が液密に保たれている。図示しない
が、把持操作部12と連結筒部30の接続部分などにも
シール材が設けられている。
【0016】第1カラー36には、連結筒部30の長手
方向(軸線X1に沿う方向)における略同位置に、軸線
X1を中心とする周方向に位置を異ならせて上述の副送
水注入口突起21と処置具挿通チャンネル入口突起22
が設けられている。副送水注入口突起21と処置具挿通
チャンネル入口突起22はそれぞれ、第1カラー36か
ら外方に向けて突設された筒状部であり、その内部には
連結筒部30の内部と外部を連通させる連通孔50、5
1が形成されている。
【0017】副送水注入口突起21は、その軸線X2
が、連結筒部30の軸線X1と非平行かつ非直交となる
ように、連結筒部30から傾斜して突出している。具体
的には、副送水注入口突起21は、連結筒部30の軸線
X1と直交する平面方向に対して、その基部(第1カラ
ー36の外周面と接する位置)から突出端部に向かうに
つれて徐々に挿入部11から離間し把持操作部12に接
近する方向に傾斜している。
【0018】図7及び図8は、副送水注入口突起21部
分の拡大断面図であり、図7は、副送水注入口突起21
の連通孔50内に逆流防止弁アダプタ55と副送水注入
シリンダ57を装着した状態、図8は、外部ポンプ65
から延出した外部送給チューブ66の先端部に設けた外
部チューブ着脱アダプタ67を、逆流防止弁アダプタ5
5に装着した状態を示している。
【0019】副送水注入口突起21と副送水注入シリン
ダ57の間には、副送水注入シリンダ57を副送水注入
口突起21に対して固定するリテーナリング58が設け
られている。リテーナリング58は、その外面に設けた
雄ねじ58aを連通孔50内に形成した雌ねじ50aに
螺合させることで副送水注入口突起21に固定され、副
送水注入シリンダ57を抜け止める。また、リテーナリ
ング58の内面には雌ねじ58bが形成され、該雌ねじ
58bに雄ねじ部55aを螺合させることで逆流防止弁
アダプタ55が固定される。さらに、逆流防止弁アダプ
タ55の外観側は、樹脂製の絶縁キャップ59で覆われ
ている。逆流防止弁アダプタ55と副送水注入シリンダ
57の間にはOリング60a、副送水注入シリンダ57
とリテーナリング58の間にはOリング60b、リテー
ナリング58と副送水注入口突起21(連通孔50)の
間にはOリング60cがそれぞれ設けられ、これら各部
材の間を液密に塞いでいる。
【0020】副送水注入シリンダ57の一端部(図7に
おける下端部)の内周面には雌ねじ57aが形成されて
いて、該雌ねじ57aに対し、副送水流通管路61に設
けた流通管路連結アダプタ62の雄ねじ62aが螺合し
ている。副送水流通管路61は、図示しない一端部が上
述の副送水出口部16に連通する副送水の出口側端部と
なっており、この出口側端部と反対側の入口側端部に流
通管路連結アダプタ62が設けられている。流通管路連
結アダプタ62の先端付近の外周面には雄ねじ62aが
形成されており、該雄ねじ62aを副送水注入シリンダ
57の内周面に形成した雌ねじ57aに螺合させること
によって、副送水流通管路61の入口側端部が副送水注
入シリンダ57に固定される。副送水注入シリンダ57
と流通管路連結アダプタ62の間の液密は、Oリング6
0dによって保たれる。
【0021】副送水流通管路61は、流通管路連結アダ
プタ62に固定された入口側端部から一定の長さ領域が
金属製の硬性管63として形成されており、該硬性管6
3の他端部側(挿入部11、可撓管部23側)には、可
撓管部23の変形時に対応して変形可能な軟性管64が
接続している。軟性管64は概ね連結筒部30の長手方
向に向けて配設されている。一方、硬性管63には、副
送水流通管路61を副送水注入口突起21の連通孔50
内へ導くために、該連結筒部30の軸線X1から徐々に
離れる方向に向けて湾曲された湾曲部63aが形成され
ている。
【0022】副送水流通管路61の入口側端部は、流通
管路連結アダプタ62を介して副送水注入シリンダ57
に接続された状態で、逆流防止弁アダプタ55の底部
(図7の下端部)に対向して位置される。副送水注入シ
リンダ57と略同心の逆流防止弁アダプタ55は、その
底部にゴム等の弾性材料からなる逆流防止弁56を保持
しており、さらに、内視鏡外部側と連通する軸方向液流
路55bと、この軸方向液流路55bに連通する径方向
流路55cとが内部に形成されている。また図7から分
かるように、副送水注入シリンダ57の内周面と逆流防
止弁アダプタ55の外周面の間には、径方向流路55c
と連通する環状液流路55dが設けられている。
【0023】逆流防止弁56は薄肉の環状脚部56aを
有し、環状脚部56aは、副送水注入シリンダ57の環
状テーパ底部57bに接触している。この接触時には、
環状脚部56aは、環状テーパ底部57bの傾斜に沿っ
て内方に(先端部の径を小さくするように)弾性的に変
形する。この状態で仮に副送水流通管路61を介して逆
流圧力が逆流防止弁56に加わったとしても、環状脚部
56aの外周部は外側が高い環状テーパ底部57bに当
接しているために、環状脚部56aが反転してしまうお
それがない。逆に、軸方向液流路55b、径方向流路5
5c及び環状液流路55dを介して加わる流体圧力に対
しては、環状脚部56aの内周部は内側が低い環状テー
パ底部57bに当接しているため、該環状脚部56aが
容易に内方へ開いて、副送水流通管路61側への流体流
通を許す。つまり、逆流防止弁56は、副送水流通管路
61の入口部に入る(副送水流通管路61の入口部から
出口部側への)流体流通は許すが、副送水流通管路61
の入口側から連通孔50内への(副送水流通管路61の
出口部から入口部側への)流体流出は許さない一方向弁
として作用する。
【0024】副送水注入口突起21から副送水出口部1
6に向けて各種液体を送給する副送水作業時には、図8
に示すように、外部チューブ着脱アダプタ67の挿入部
68を逆流防止弁アダプタ55に挿入し、そのスナップ
リング69を押し縮めて逆流防止弁アダプタ55の内径
部に嵌める。挿入部68と逆流防止弁アダプタ55の間
の液密は、Oリング60eによって保持される。する
と、外部送給チューブ66と流防止弁アダプタ55の内
部(軸方向液流路55b)が、外部チューブ着脱アダプ
タ67内の流路67aによって連通される。なお、外部
チューブ着脱アダプタ67の外観部は樹脂製の絶縁外装
体67b、67cによって覆われている。
【0025】以上のように逆流防止弁アダプタ55に外
部チューブ着脱アダプタ67を装着した状態において、
外部ポンプ65を動作させて外部送給チューブ66から
洗浄液や染色液等の流体を供給すると、逆流防止弁アダ
プタ55の軸方向液流路55b、径方向液流路55cを
介して環状液流路55dに流出し、この流体が逆流防止
弁56の環状脚部56aの外周に至る。上述のように、
一方向弁として作用する逆流防止弁56(環状脚部56
a)は、環状液流路55d側からの流体圧力を受けたと
きには内方に弾性変形して流路を開くので、硬性管63
から副送水出口部16にこの流体を供給することができ
る。
【0026】以上の副送水注入口突起21と同様に、処
置具挿通チャンネル入口突起22は、その軸線X3が、
連結筒部30の軸線X1と非平行かつ非直交となるよう
に、連結筒部30から傾斜して突出している。具体的に
は、処置具挿通チャンネル入口突起22は、連結筒部3
0の軸線X1と直交する平面方向に対して、その基部
(第1カラー36の外周面と接する位置)から突出端部
に向かうにつれて徐々に挿入部11から離間し把持操作
部12に接近する方向に傾斜している。
【0027】処置具挿通チャンネル入口突起22の連通
孔51の内周面には雌ねじ51aが形成されており、こ
の雌ねじ51aに雄ねじ70aを螺合させることによっ
て、連通孔51内に中空筒状の処置具挿入シリンダ(口
金)70が固定される。該固定状態で連結筒部30の内
側に位置する処置具挿入シリンダ70の端部には、内部
を中空状とした中継部材72が固定され、中継部材72
の中空内部には処置具ガイド管路(処置具挿通チャンネ
ル)73の入口側端部が連通している。処置具ガイド管
路73はその出口側端部が処置具挿通チャンネル出口部
15と連通しており、処置具挿入シリンダ70から挿入
した鉗子などの処置具を、処置具ガイド管路73を通し
て処置具挿通チャンネル出口部15から延出させること
が可能である。処置具ガイド管路73は、中継部材72
との接続部分から一定の長さ領域が金属製の硬性管74
として形成されており、該硬性管74の他端部側(挿入
部11、可撓管部23側)に、可撓管部23の変形時に
対応して変形可能な軟性管75が接続している。軟性管
75は概ね連結筒部30の長手方向に向けて配設されて
いる。一方、硬性管74は、処置具ガイド管路73を処
置具挿通チャンネル入口突起22の連通孔51内へ導く
ために、該連結筒部30の軸線X1から徐々に離れる方
向に向けて湾曲された湾曲部74aが形成されている。
【0028】中継部材72には、処置具ガイド管路73
とは別に吸引用チューブ80の一端部が連通しており、
吸引用チューブ80の他端部は、把持操作部12に設け
た吸引ボタン81を構成する中空筒状のガイドシリンダ
内に連通している。内視鏡10はさらに、吸引ボタン8
1のガイドシリンダ内と外部の吸引ポンプ(不図示)を
連通する流体流通管路を有しており、吸引ポンプ側の流
体流通管路と吸引用チューブ80は、吸引ボタン81の
押圧操作によって連通され、吸引ボタン81の押圧を解
除すると該連通状態が解除されて流体流通不能になる。
吸引ポンプ側の流体流通管路と吸引用チューブ80が連
通された状態、すなわち吸引ボタン81を押し込んだ状
態で吸引ポンプを動作させると、吸引用チューブ80と
処置具ガイド管路73を介して吸引力が作用し、処置具
挿通チャンネル出口部15から体液などを吸引すること
ができる。つまり、処置具挿通チャンネル出口部15は
処置具突出用の開口と吸引用の開口を兼ねている。な
お、吸引用チューブ80のうち、中継部材72に接続す
る一部の領域は金属製の硬性管82として形成されてい
る。
【0029】副送水注入口突起21と処置具挿通チャン
ネル入口突起22は、連結筒部30の長手方向において
は略同位置にあり、該連結筒部30の軸線X1を中心と
する周方向には位置を異ならせて設けられている。図2
に示すように、副送水注入口突起21と処置具挿通チャ
ンネル入口突起22はそれぞれ、一対の支持板31とは
重ならない周方向位置にあるため、副送水流通管路61
や処置具ガイド管路73の入口側端部は、支持板31に
干渉されることなく副送水注入口突起21の連通孔50
や処置具挿通チャンネル入口突起22の連通孔51に挿
入することができる。
【0030】上述のように、副送水流通管路61は、挿
入部11から接続筒部30に向けて、概ね接続筒部13
の長手方向に沿う方向に配設され、その入口側端部を副
送水注入口突起21(連通孔50)へ挿入させるために
硬性管63が湾曲されている。副送水流通管路61は、
硬性管63側から内部にブラシを挿入して清掃を行う
が、湾曲部63aは金属製の硬性管63に形成されてい
るため、仮にその曲率が大きければ、当該湾曲部63a
より先へブラシを通すことが難しくなり、清掃作業性が
損なわれる可能性がある。
【0031】また、図4に示すように、内視鏡組立の際
には、副送水流通管路61や処置具ガイド管路73を支
持板31の周面位置よりも内径方向に収まるように押し
込みつつ、該支持板31に対して筒状カラー35などの
外装部材を挿入させている。そのため、仮に副送水流通
管路61や処置具ガイド管路73の湾曲部63a、74
aの曲率が大きければ、これら管部を内径方向に押し込
むときに当該湾曲部分が互いに干渉して作業性が悪くな
るおそれがある。さらに連結筒部30内には副送水流通
管路61や処置具ガイド管路73以外にも、上述した光
学ファイバやライトガイド、あるいは湾曲操作用のワイ
ヤなどが配設されており、仮に副送水流通管路61や処
置具ガイド管路73の湾曲部分の曲率が大きければ、組
立時にこれらの各要素と副送水流通管路61や処置具ガ
イド管路73の湾曲部が干渉する可能性も高くなる。
【0032】以上の本実施形態の内視鏡10では、連結
筒部30から外方への突出量が増大するほど挿入部11
から離間する方向に傾斜させて副送水注入口突起21を
設けたことにより、以上のような不具合を避けることが
できる。すなわち、副送水注入口突起21がこのように
傾斜して設けられていると、副送水流通管路61の大部
分の配設方向に対応する連結筒部30の長手方向(軸線
X1)と、副送水流通管路61の入口側端部を挿入させ
る連通孔50の形成方向(軸線X2)との間の角度差が
比較的小さくなり、結果として硬性管63の湾曲部63
aの曲率を小さく抑えることができる。湾曲部63aの
曲率が小さければ、清掃用のブラシを挿入させやすくな
り、また組立時に、該湾曲部63aが連結筒部30内の
処置具ガイド管路73や他の構成要素と干渉するおそれ
が少なくなる。
【0033】本実施形態では特に、副送水流通管路61
の入口部である副送水注入口突起21と、処置具ガイド
管路73の入口部である処置具挿通チャンネル入口突起
22とが、連結筒部30の長手方向において略同位置に
あるため、それぞれの管路の湾曲部分の曲率を小さく抑
えて互いに干渉しないようにすることが好ましい。この
点に関し、副送水注入口突起21と同様に処置具挿通チ
ャンネル入口突起22も、その軸線X3と連結筒部30
の軸線X1の角度差が小さくなるように傾斜させて連結
筒部30から突設されているため、処置具ガイド管路7
3の湾曲部74aの曲率も小さく抑えられている。よっ
て、副送水流通管路61の湾曲部63aの曲率を小さく
抑えたことと相まって、組立時に副送水流通管路61と
処置具ガイド管路73が干渉しにくくなっている。
【0034】以上のように、本発明の実施形態に係る内
視鏡10では、副送水流通管路61に関する清掃作業性
や組立作業性が優れたものとなる。本実施形態との比較
のため、従来タイプの副送水注入口突起21’を備えた
内視鏡の例を図9に示す。同図の副送水注入口突起2
1’は、その軸線X4が連結筒部30’の軸線X1に対
して直交するように突設されており、連通孔50’の内
部には副送水注入シリンダ57’と逆流防止弁アダプタ
55’が装着されている。副送水注入口突起21’は、
これらの逆流防止弁アダプタ55’や副送水注入シリン
ダ57’を装着する部分の内径サイズよりも、基部側
(連結筒部30’の軸線X1に近い側)の内径サイズの
方が大きくなっており、副送水流通管路61’の硬性管
63’は、この大径に形成された基部内空間を通って逆
流防止弁アダプタ55’に接続している。
【0035】図3と図9の比較から分かる通り、この比
較例における副送水流通管路61’の湾曲部63a’の
曲率は、上述の本発明実施形態の湾曲部63aの曲率よ
りも大きくなっている。これは、概ね連結筒部30の長
手方向に沿う軟性管64’の配設方向に対し、副送水注
入口突起21’が直交する方向に突設されているためで
あり、結果として硬性管63’には直角に近い湾曲量が
必要となる。管路内の清掃性や組立時の他部材との干渉
回避を考慮した場合、図3に示す本実施形態の構成の方
が有利である。
【0036】なお図9の比較例では、副送水注入口突起
21’の基部側が大径とされ、この基部内空間を副送水
流通管路61’の湾曲部63a’が通っている。副送水
注入口突起21’が基部側を大径とせずに一様な内径サ
イズWに形成されていると仮定すると、連通孔50’の
内周面との干渉を避けるために、副送水流通管路61’
の湾曲部分の曲率は図9よりもさらに大きくしなければ
ならなくなる。逆に言えば、連結筒部30’の軸線X1
と直交する方向に向けて副送水注入口突起を突設した場
合でも、その突起内径サイズを大きくすれば、副送水流
通管路の湾曲部分の曲率をある程度小さくさせることが
可能である。しかしながら、副送水注入口突起の内径サ
イズを大きくすると、内視鏡を小型化するという要求に
は反することになる。例えば、図3の本発明実施形態と
図9の比較例では、本発明実施形態の副送水注入口突起
21の方が小型であるにも関わらず、副送水流通管路6
1の曲率は小さく抑えられている。図9の比較例を基に
して図3の副送水流通管路61と同等の湾曲率を得よう
とするには、副送水注入口突起21’をさらに大型化し
なければならない。つまり、本発明による内視鏡は、副
送水注入口突起の大型化を防ぐという点でも優れてい
る。
【0037】また、図9のような副送水注入口突起2
1’を採用した場合であっても、副送水流通管路61’
自体の内径を拡げれば清掃はしやすくなる。しかし、副
送水流通管路61’が大径化すれば、連結筒部30’内
に配された他の構成要素と干渉するおそれが生じ、場合
によっては連結筒部30’の大径化を伴うので好ましく
ない。これに対し、本実施形態の内視鏡では、副送水流
通管路の大径化を伴うことなく清掃作業性を向上させる
ことができる。
【0038】以上、図示実施形態を参照して本発明を説
明したが、本発明の内視鏡は図示実施形態に限定される
ものではない。例えば、本発明は、光学ファイバや接眼
レンズ17の代わりにCCD等を用いた電子内視鏡にも
適用可能である。
【0039】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、副送水流通管路の大径化や副送水注入口突起の大型
化を伴わずに、該副送水用管部の清掃及び組立の作業性
に優れる内視鏡を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の一実施形態を示す外観図であ
る。
【図2】図1の内視鏡の連結筒部を断面線II-IIに沿っ
て示した断面図である。
【図3】図2の断面線III-IIIに沿う、連結筒部の長手
方向への断面図である。
【図4】連結筒部の組立途中の状態を図3と同方向断面
で示した図である。
【図5】図4の断面線V-Vに沿う、カラーを外した状態
の連結筒部の断面図である。
【図6】図1の矢印VI方向から見た、挿入部先端の正面
図である。
【図7】副送水注入口突起付近の拡大断面図である。
【図8】図8の副送水注入口突起内の逆流防止弁アダプ
タに、外部送給チューブ側の着脱アダプタを接続した状
態を示す断面図である。
【図9】本発明実施形態との比較例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 内視鏡 11 挿入部 12 把持操作部 12a 挿入規制面 15 処置具挿通チャンネル出口部 16 副送水出口部 21 副送水注入口突起 22 処置具挿通チャンネル入口突起 23 可撓管部 30 連結筒部 31 支持板(芯材) 32 軟性管 34 折れ止めゴム管 35 筒状カラー(カバー材) 36 第1カラー 37 第2カラー 38 第3カラー 39 押さえナット 40 41 43 44 Oリング 50 51 連通孔 55 逆流防止弁アダプタ 56 逆流防止弁 57 副送水注入シリンダ 58 リテーナリング 59 絶縁キャップ 60a 60b 60c 60d 60e Oリング 61 副送水流通管路 62 流通管路連結アダプタ 63 74 硬性管 63a 74a 湾曲部 64 75 軟性管 65 外部ポンプ 66 外部送給チューブ 67 外部チューブ着脱アダプタ 70 処置具挿入シリンダ 72 中継部材 73 処置具ガイド管路(処置具挿通チャンネル) 80 吸引用チューブ 81 吸引ボタン 82 硬性管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部と該挿入部に接続する連結筒部;
    この連結筒部から外方に突出し、該連結筒部の内外を貫
    通させる中空筒状の副送水注入口突起;及びこの副送水
    注入口突起と上記挿入部に開口する副送水出口部とを連
    通する副送水流通管路;を備えた内視鏡において、 上記副送水注入口突起は、上記連結筒部と直交する平面
    方向に対し、該連結筒部側の基部から突出端部へ向かう
    につれて徐々に上記挿入部から離間する方向に傾斜して
    いることを特徴とする内視鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内視鏡において、上記副
    送水注入口突起内には上記副送水流通管路の入口側端部
    が着脱可能なシリンダが設けられ、 副送水流通管路は、この入口側端部から所定の長さ領域
    が硬性管により構成され、該硬性管部に、副送水流通管
    路を副送水注入口突起内へ方向付ける湾曲部が形成され
    ている内視鏡。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の内視鏡において、さら
    に、上記シリンダ内に着脱可能な逆流防止弁アダプタを
    備え、 該逆流防止弁アダプタは、上記副送水流通管路の入口側
    端部内への流体流入を許し、該入口側端部からの流体流
    出を阻止する逆流防止弁を備える内視鏡。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の内視鏡において、上記副
    送水注入口突起内の上記逆流防止弁アダプタに外部から
    着脱可能な外部送水手段を有する内視鏡。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項記載の内
    視鏡において、上記連結筒部は、径方向内側に位置する
    金属製の芯材と、該芯材の外側を覆い該芯材に対して上
    記挿入部側から挿脱可能な合成樹脂製のカバー材とを備
    えており、上記副送水注入口突起は該カバー材に形成さ
    れている内視鏡。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項記載の内
    視鏡は、上記副送水流通管路とは別に、上記挿入部に開
    口する出口部と上記連結筒部に開口する入口部とを連通
    する第二の管路を備え、 該第二の管路の入口部と上記副送水注入口突起は、連結
    筒部の長手方向には略同位置で、該連結筒部の周方向に
    は位置を異ならせて位置している内視鏡。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の内視鏡において、上記第
    二の管路の入口部は、上記連結筒部と直交する平面方向
    に対し、該連結筒部側の基部から突出端部へ向かうにつ
    れて徐々に上記挿入部から離間する方向に傾斜している
    内視鏡。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の内視鏡におい
    て、上記第二の管路は、処置具を挿通可能な処置具挿通
    チャンネルである内視鏡。
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