JP2002234962A - 帯電防止性樹脂組成物とその成形方法及び帯電防止性成形体 - Google Patents

帯電防止性樹脂組成物とその成形方法及び帯電防止性成形体

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JP2002234962A
JP2002234962A JP2001032810A JP2001032810A JP2002234962A JP 2002234962 A JP2002234962 A JP 2002234962A JP 2001032810 A JP2001032810 A JP 2001032810A JP 2001032810 A JP2001032810 A JP 2001032810A JP 2002234962 A JP2002234962 A JP 2002234962A
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acid
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Toshimasa Tanaka
利昌 田中
Koji Tanaka
浩二 田中
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止効果の持続性、耐久性に優れた帯電
防止性樹脂組成物、その成形方法及び帯電防止性成形体
を得ること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と親水性樹脂及び発泡時に
水を発生する発泡剤を含有してなる帯電防止性樹脂組成
物、及び、上記の樹脂組成物を射出成形機で加熱溶融し
加圧下の成形金型キャビテイ内に射出充填する成形方
法、並びに上記の成形方法で得られた帯電防止性成形
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性樹脂組
成物に関し、特に持続性帯電防止性に優れた帯電防止性
樹脂組成物とその成形方法及び帯電防止性成形体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂の帯電防止もし
くは永久帯電防止に関する技術は多数知られている。こ
れらのうち、例えば熱可塑性樹脂に吸湿性物質を含有さ
せるものとして、特開昭64−26674号公報には、
樹脂にエチレンオキサイド共重合体を配合してなる樹脂
組成物が、特開平2−233741号公報には、スチレ
ン系樹脂にエチレンオキサイド及びスルホン酸塩を配合
してなる樹脂組成物が、また、特開平4−198250
号公報には、ゴム強化スチレン系樹脂にエチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドとの共重合体及び有機スル
ホン酸塩を配合してなる樹脂組成物が、開示されてい
る。
【0003】しかし、これらは熱可塑性樹脂に配合した
吸湿性物質が大気中の水分を吸収することにより、帯電
防止機能を発現させるものであることから、成形直後の
吸湿する前の状態や、乾燥した環境下などでは帯電防止
機能がなく、また、吸湿する成形体表面近傍のごく一部
分しか実質的に帯電防止機能に関与せず、結果的に得ら
れる帯電防止機能はあまり大きなものではなかった。ま
た、帯電防止剤として低分子量化合物である界面活性剤
を用いた場合、成形体内部での拡散移動により界面活性
剤が表面近傍に偏在する結果、小さな帯電防止効果しか
得られず、さらに、使用時の洗浄や払拭等で成形物表面
から界面活性剤が容易に除去される結果、帯電防止効果
の持続性、耐久性にも課題があった。
【0004】一方、発泡成形体の成形に当り、射出成形
用の金型キャビテイ内をあらかじめ加圧下に保持した状
態で、発泡剤含有の溶融樹脂を射出充填し発泡させるい
わゆるガスカウンタープレッシャー成形法を使用するこ
とは公知であり、広く一般に用いられている技術であ
る。しかし、この方法では、ヒケ、ソリ等を防止し、か
つ、いわゆるスワールマークにより外観を損ねないため
の成形技術、及びそれに使用する樹脂組成物に関する技
術に主眼が置かれ、発泡成形体の帯電防止機能に関して
は知られていない。また、発泡時に発生するガスについ
ても、その発生量、発泡性に主眼が置かれ、発生ガスを
発泡成形体の機能発現へ応用することは知られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の帯電防止性樹脂組成物に関する技術の欠点を克
服した帯電防止効果の持続性、耐久性に優れた帯電防止
性樹脂組成物、その成形方法及び帯電防止成形体を得る
ことを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)少なくとも熱可塑性樹脂と親水性樹脂及び発泡時
に水を発生する発泡剤を含有してなることを特徴とする
帯電防止性樹脂組成物である。上記本発明の熱可塑性樹
脂としてはスチレン系樹脂が、親水性樹脂としてはポリ
エーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂からなる群から選ば
れた1種以上の樹脂が、発泡時に水を発生する発泡剤と
しては炭酸水素塩、スルホニルヒドラジド化合物からな
る群から選ばれた少なくとも一つの化合物がそれぞれ最
も好ましい。 (2)上記の帯電防止性樹脂組成物を射出成形機で加熱
溶融し成形金型キャビテイ内に射出充填することを特徴
とする成形方法である。上記金型キャビテイ内は、あら
かじめ加圧下に保持し溶融樹脂が金型キャビテイ内へ射
出充填が完了直前又は直後に金型キャビテイ内を減圧し
て溶融樹脂を内部発泡させつつ冷却するガスカウンター
プレッシャー法が好ましい。 (3)上記の成形方法で得られた成形体であって表面が
未発泡表皮層で内部が発泡したことを特徴とする帯電防
止性成形体である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の帯電防止性樹脂組成物における熱
可塑性樹脂としては、水に溶解あるいは膨潤しないもの
であれば、各種のものが使用できる。このような樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、
ポリブタジエン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−塩化ビニル共重
合樹脂、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
等のハロゲン化ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル
等の変性ポリビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリメチ
ルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリ
ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これ
らは1種だけでもよく、或いは2種以上を混合したもの
でもよい。これらの中でも、スチレン系樹脂が、最終的
な樹脂物性、取り扱い性、成形性、価格の点で好適であ
る。
【0008】本発明の熱可塑性樹脂の1つとして好まし
いスチレン系樹脂としては、樹脂中にスチレン残基また
は置換スチレン残基(以下、合わせてスチレン系残基と
称する)を必須構成成分として10質量%以上含有する
ものであり、好ましくは50質量%以上含有するもので
ある。該スチレン系残基を形成するスチレン系単量体と
しては、スチレン、またはα−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、3,4−ジメ
チルスチレン等の置換スチレンが挙げられ、これらは1
種のみならず、2種以上を併用することもできる。ま
た、該スチレン系樹脂は、スチレンまたは置換スチレン
と共重合可能な1種以上の他のビニル系不飽和単量体と
共重合されていてもよい。
【0009】該スチレンまたは置換スチレンと共重合可
能なビニル系不飽和単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、ア
クリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル(アル
キル基としてはC1〜C8のメチル、エチル、プロピ
ル、n−ブチル、i−ブチル、ヘキシル、2ーエチルヘ
キシル、ドデシル、オクタデシル等)及びエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどと
のエステル、酢酸、プロピオン酸等のC1〜C6のカルボ
ン酸のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸等の不
飽和ジカルボン酸無水物、
【0010】アクリルアミド、メタクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ド類、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキ
シルマレイミド等のN置換マレイミド、及びブタジエン
などの共役ジエン類が好ましく挙げられ、なかでもアク
リロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸及びブタ
ジエン等が好ましい。これらのビニル系不飽和単量体は
1種のみならず、2種以上を併用してもよい。
【0011】スチレン系樹脂の好ましい例は、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸
ブチル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
等のスチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−
アクリロニトリル−エチレン共重合体、スチレン−メタ
クリル酸メチル−ブタジエン共重合体、及びそれらの水
添物、ならびにこれらにさらにゴム質重合体を含有せし
めたゴム含有スチレン系樹脂等が挙げられる。これらの
樹脂は1種のみならず、2種以上組み合わせて使用して
もよい。
【0012】ここで、ゴム質重合体とは、ガラス転移温
度が好ましくは0℃以下、より好ましくは−20℃以下
のものであり、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン
共重合体、30質量%までの(メタ)アクリル酸低級ア
ルキルエステルを含むスチレン−ブタジエン系共重合
体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴ
ムが好ましいものとして挙げられる。他の適当なゴム質
重合体の例としては、アクリル酸C1〜C8アルキル、特に
アクリル酸エチル、ブチル及びエチルヘキシルをベース
とするアクリル酸アルキルゴムが挙げられる。該アクリ
ル酸アルキルゴムは、30質量%までの酢酸ビニル、メ
タクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、ビニ
ルエーテル等が共重合されていてもよく、さらに5質量
%以下のアルキレンジオール(メタ)アクリレート、ジ
ビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの架橋性不
飽和単量体が共重合されていてもよい。
【0013】アクリル酸アルキルゴムは、コアとして1
種または2種以上の架橋ジエンゴム、例えばポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体を含むコアーシェル型ゴムであ
ってもよい。その他の好ましいゴム質重合体としては、
エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体等のエチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合
体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添
スチレン−イソプレンブロック共重合体等が挙げられ
る。これらのゴムのうち、特に好ましいものとして、ポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリア
クリル酸ブチル系ゴム、及びエチレン−プロピレン−非
共役ジエン系共重合体が挙げられる。これらのゴムは、
必要に応じて2種類以上を併用してもよい。また、これ
らのゴムは、各種の不飽和単量体がグラフト(共)重合
されていてもよい。グラフト共重合される不飽和単量体
としては、既に述べたスチレン系樹脂を形成する不飽和
単量体が挙げられる。
【0014】本発明におけるゴム含有スチレン系樹脂の
好ましい例としては、ポリスチレンに、スチレン系不飽
和単量体がグラフトされていてもよいポリブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−イソプ
レンブロック共重合体及びスチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のゴム質重
合体を含有せしめてなる樹脂または樹脂組成物、及び、
スチレン−アクリロニトリル共重合体に、スチレン系不
飽和単量体及び共重合可能な他の不飽和単量体がグラフ
トされていてもよいポリブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエンランダム共重合体、ポリアクリル酸ブチル系ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体か
ら選ばれる少なくとも1種以上のゴム質重合体を含有せ
しめてなる樹脂または樹脂組成物が代表的である。
【0015】特に、ポリスチレンとスチレンがグラフト
されたポリブタジエンゴムからなる耐衝撃性ポリスチレ
ン(HIPS)、及び、スチレン−アクリロニトリル共
重合体とスチレン−アクリロニトリルがグラフト共重合
されたポリブタジエンゴムよりなるアクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)が、各種の物
性バランスの面から最も好ましい。ゴム含有スチレン系
樹脂中のゴムの含有量は、1〜50質量%、さらには3
〜30質量%であることがより好ましい。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂には、本発明の目的
を妨げない範囲で、該樹脂と相溶性の比較的良い他の熱
可塑性樹脂を配合し、マトリックス樹脂としての性能を
改良することができる。この場合、本発明ではこれらの
樹脂の混合物を熱可塑性樹脂とする。このような混合物
は、発明の目的を妨げなければ、組成物中で完全相溶し
て1相系になっていても、部分相溶して2相系となって
いてもよい。
【0017】熱可塑性樹脂の好適な分子量範囲は、用い
る樹脂の種類により大きく異なる。溶融混練や成形が可
能で、かつ混練後の組成物から得られる成形物の強度や
剛性、耐衝撃性、耐熱性等の基本物性レベルが通常の使
用に耐える程度となる分子量範囲であればよい。熱可塑
性樹脂がスチレン系樹脂の場合、質量平均分子量は通常
5万〜500万、好ましくは7万〜200万の範囲の範
囲に入るものが好ましい。該スチレン系樹脂の質量平均
分子量がこの範囲より小さいの場合、その基本物性レベ
ルが低く通常の使用に耐える樹脂成形物が得られない。
また、この範囲より大きい場合、剪断粘度が高く、溶融
混練や溶融成形が困難となる。
【0018】本発明では、熱可塑性樹脂と共に親水性樹
脂を必須成分として使用する。本発明における親水性樹
脂は、前記熱可塑性樹脂とは異なり、水に溶解、あるい
は水で膨潤する樹脂であり、エーテル基、アミド基等の
非イオン性の親水基、あるいは4級アンモニウム塩基、
スルホン酸塩基のような解離基を持っているものであ
る。
【0019】このような親水性樹脂としては、ポリエチ
レンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレン
オキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のポリエ
ーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂
がある。さらに、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系親
水性樹脂が取り扱い性、帯電防止機能、最終的な物性の
点から好適である。エーテル基、アミド基等の非イオン
性の親水基を持っている樹脂を例示すれば、 ・ポリアルキレンオキサイドおよびその誘導体、 ・ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエ
ーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド等の
ポリアルキレンオキサイドと他のポリマーとのブロック
共重合体、 ・アルキレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、
ポリアルキレングリコール−(メタ)アクリレート共重
合体、
【0020】・ポリアルキレングリコールをペンダント
鎖として有するポリアルキレングリコール−ポリエチレ
ングラフト共重合体等のポリアルキレンオキサイドをペ
ンダント鎖とするグラフト共重合体等のポリエーテル
類、 ・及びこれらのポリエーテル類とアルカリ金属塩との複
合体が挙げられる。また、4級アンモニウム塩基のよう
な解離基を持っているものを例示すれば、 ・4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重
合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミ
ド共重合体、4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重
合体、4級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重
合体等の4級アンモニウム塩基含有(共)重合体類が挙
げられる。
【0021】・さらにポリスチレンスルホン酸塩等のス
ルホン酸塩基含有(共)重合体類、 ・上記ポリエーテル類と4級アンモニウム塩基含有
(共)重合体またはスルホン酸塩基含有(共)重合体と
の混合物も挙げられる。さらに、カルボベタイングラフ
ト共重合体等のベタイン含有(共)重合体類、高分子電
荷移動型結合体等も挙げられる。上記ポリエーテル類、
4級アンモニウム塩基含有(共)、スルホン酸塩基含有
(共)重合体類、ベタイン含有(共)重合体類等は、2
種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
【0022】ポリアルキレンオキサイドと他のポリマー
とのブロック共重合体の中で、ポリエーテルアミドは、
ポリアルキレンオキサイドジアミンとポリアミド形成成
分から、ポリエーテルエステルは、ポリアルキレングリ
コールとポリエステル形成成分から、ポリエーテルエス
テルアミドは、ポリアルキレングリコールとポリアミド
形成成分およびジカルボン酸類から、ポリエーテルアミ
ドイミドは、ポリアルキレングリコールとポリアミド形
成成分および3価または4価の芳香族カルボン酸または
その酸無水物から、それぞれ好ましくは形成される。
【0023】ここで、該ブロック共重合体におけるポリ
アミド形成成分としては、ω−アミノカプロン酸、ω−
アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノ
ペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸及び11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン
酸、あるいはカプロラクタム、エナントラクタム、カプ
リルラクタム及びラウロラクタム等のラクタム、及びヘ
キサメチレンジアミンーアジピン酸塩、ヘキサメチレン
ジアミン−セバシン酸塩及びヘキサメチレンジアミン−
イソフタル酸塩等のジアミン−ジカルボン酸の塩等、及
びそれらの混合物が挙げられる。特に好ましくは、カプ
ロラクタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジ
アミン−アジピン酸塩が用いられる。
【0024】またポリエステル形成成分としては、ジカ
ルボン酸として、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル
酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペン
タンジカルボン酸、1,3−ジカルボキシメチルシクロヘ
キサン、1,4−ジカルボキシメチルシクロヘキサン、及
びジシクロヘキシル−4,4'−ジカルボン酸等の脂環式ジ
カルボン酸、
【0025】及びコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セ
パシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸
等、及びそれらの混合物と、脂肪族ジオールとして、エ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−または1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール等、及びそれらの混合物が挙げられる。
特に好ましくは、ジカルボン酸としてテレフタル酸、イ
ソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、セバ
シン酸、また脂肪族ジオールとして、エチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオールが用いられる。
【0026】ポリエーテルエステルアミド形成成分とし
てのジカルボン酸類は、上記のポリエステル形成成分と
して例示したものが用いられる。ポリエーテルアミドイ
ミド形成成分としての3価または4価の芳香族カルボン
酸、あるいはこれらカルボン酸の無水物としては、アミ
ノ基と反応して少なくとも1つのイミド環を形成しうる
ものであり、具体的には、3価のトリカルボン酸とし
て、1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−ナフタレントリカ
ルボン酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3',4
−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3',4
−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3',4−トリ
カルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3',4−トリカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0027】またこのような4価のカルボン酸として
は、ピロメリット酸、ジフェニル−2,2',3,3'−テトラ
カルボン酸、ベンゾフェノン−2,2',3,3'−テトラカル
ボン酸、ジフェニルスルホン−2,2',3,3'−テトラカル
ボン酸、ジフェニルエーテル−2,2',3,3'−テトラカル
ボン酸等が挙げられる。4級アンモニウム塩基を含有す
る(共)重合体を構成する4級アンモニウム塩基構造単
位の例としては、下記の一般式(1)
【0028】
【化1】 (式中のR1は水素原子またはメチル基であり、R2〜R
4は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1
〜9のアルキル基、Nは1〜10の整数、Xは酸素原子
またはイミノ基(=N−H基)、Y- は一価の無機ある
いは有機の酸基、または無機酸あるいは有機酸の相応す
る等価物を表わす。)で表されるものであり、これはア
ミンを有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アク
リルアミドが四級化剤によって四級化されたものであ
る。
【0029】ここでアミンを有するアクリレートまたは
メタクリレートの具体例としては、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタク
リレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジプ
ロピルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエ
チルメタクリレート、ジヒドロキシエチルアミノエチル
メタクリレート等が挙げられる。
【0030】またアミンを有するアクリルアミドまたは
メタクリルアミドの具体例としてはジメチルアミノエチ
ルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジエチル
アミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミド、ジメチルアミノブチルメタクリル
アミド、ジプロピルアミノエチルメタクリルアミド、ジ
ブチルアミノエチルメタクリルアミド、ジヒドロキシエ
チルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0031】さらに四級化剤としてはジメチル硫酸、ジ
エチル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−
トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル
等のスルホン酸エステル類、ジメチル亜硫酸等のアルキ
ル亜硫酸類、トリメチルホスフェイト等のアルキルリン
酸類、アルキルベンジルクロリド、ベンジルクロリド、
アルキルクロリド、アルキルブロミド等の各種ハライド
特に、アルキル硫酸類およびスルホン酸エステル類が耐
熱安定性の点より好ましい。
【0032】上記一般式(1)中のnは1〜10である
が、2〜6が特に好ましい。本発明における4級アンモ
ニウム塩基を含有する(共)重合体は、上記一般式
(1)で例示されるような4級アンモニウム塩基構造単
位のみから成っていてもよいが、該4級アンモニウム塩
基構造単位を30質量%以上含有していれば、その他の
構造単位を含むことも差し支えない。このような構造単
位としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、3,4−
ジメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物や、既述のス
チレン系樹脂の項にて説明したスチレン系不飽和単量体
と共重合可能なビニル系不飽和単量体と同様の単量体か
ら誘導される構造単位が挙げられる。
【0033】これらの構造単位のうち、スチレン、アク
リロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ドデシル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、β−
ヒドロキシエチルメタクリレート等が好ましい。
【0034】また本発明の帯電防止性樹脂組成物から得
られる成形体の帯電防止性、耐洗浄性、耐層状剥離性や
その他の物性を保持あるいは高めるという目的等のた
め、その他の構造単位も好適に選ばれる。例えば、アク
リロニトリルのような極性の高い構造単位またはスルホ
ン酸基、リン酸基、カルボン酸基等のようなイオン性置
換基を含む構造単位を選択すると、帯電防止性が更に向
上する。また、マトリックス相を形成する熱可塑性樹脂
を構成する繰返し構造単位と同一か、または該樹脂と適
度な相溶性を有する樹脂を構成する繰返し構造単位と同
一のものを用いると、本発明の樹脂組成物から得られる
成形体の帯電防止性を持続的に保つ上で特に有利であ
る。
【0035】親水性樹脂の分子量は特に制限はないが、
通常2千〜200万、好ましくは1万〜100万の範囲
である。この範囲より大きいと、組成物を得る際の取り
扱い性が劣る。この範囲より小さいと、最終的に得られ
る樹脂物性を損ねる。さらに、成形後、親水性樹脂が成
形体内部を拡散移動し表面近傍に偏在することから、帯
電防止機能が小さくなる、もしくは、拭き取り等により
親水性樹脂が失われ、帯電防止機能が発現しなくなると
いう不都合を生じる。
【0036】本発明の帯電防止性樹脂組成物における親
水性樹脂配合量は、特に制限はないが、熱可塑性樹脂1
00質量部に対し、2〜30質量部、好ましくは5〜2
5質量部であり、さらに好ましくは10〜20質量部の
範囲である。この範囲の30質量部より多いと前記熱可
塑性樹脂の物性が損なわれ、2質量部より少ないと十分
な親水効果が得られない。
【0037】本発明の帯電防止性樹脂組成物には、成形
時に水を発生する発泡剤を用いる。成形時に水を発生す
る分解型発泡剤なら無機系、有機系等特に制限はない。
このような発泡剤としては、炭酸水素リチウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素マグネシウム等の炭酸水素塩、硫酸水素ナ
トリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素カルシウム、硫
酸水素マグネシウム等の硫酸水素塩、亜硫酸水素ナトリ
ウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カルシウム、亜
硫酸水素マグネシウム等の亜硫酸水素塩、チオ硫酸カリ
ウム水和物、チオ硫酸リチウム水和物、チオ硫酸カルシ
ウム水和物、チオ硫酸マグネシウム水和物等のチオ硫酸
塩水和物、
【0038】N,N’−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン等のニトロソ化合物、p−トルエンスルホニルヒ
ドラジド、p、p’−オキシビス(ベンゼンスルホヒド
ラジド)等のスルホニルヒドラジド化合物、しゅう酸カ
リウム水和物、しゅう酸リチウム水和物、しゅう酸カル
シウム水和物、しゅう酸マグネシウム水和物等のしゅう
酸塩水和物、しゅう酸水素ナトリウム、しゅう酸水素カ
リウム、しゅう酸水素リチウム、しゅう酸水素カルシウ
ム、しゅう酸水素マグネシウム等のしゅう酸水素塩、し
ゅう酸が好適である。これらの発泡剤の中でも、炭酸水
素塩、スルホニルヒドラジド化合物が、価格、発泡量、
水発生量の点から、特に好適である。
【0039】これらの水を発生する発泡剤はそのまま用
いてもいいし、いったん樹脂との組成物もしくは混合
物、いわゆるマスターバッチとしたものを用いてもよ
い。また、必要に応じて上記以外の例えば、通常使用さ
れることの多いアゾジカルボンアミド(ADCA)又はアゾ
ビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル等の有
機系の分解型発泡剤を上記の水を発生する発泡剤と併用
してもよい。更にまた、溶融樹脂温度に発泡剤の分解温
度を適合させるために発泡助剤を用いてもよい。
【0040】本発明の帯電防止性樹脂組成物における水
を発生する発泡剤の配合量は、特に制限はないが、前記
熱可塑性樹脂と親水性樹脂との総質量100質量部に対
し、通常0.005〜1.0質量部、好ましくは0.0
1〜0.5質量部の範囲である。この範囲より多いと前
記熱可塑性樹脂の物性が損なわれ、少ないと十分な帯電
防止効果が得られない。これら以外に、界面活性剤、離
型剤、酸化防止剤、着色剤、染顔料、紫外線吸収剤、水
を発生しない発泡剤、滑剤、難燃剤などの公知の各種添
加剤を含有してもよい。
【0041】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、少なく
とも熱可塑性樹脂と親水性樹脂及び発泡時に水を発生す
る発泡剤を任意の混合方法で配合して得られる。例え
ば、混練機を用いて溶融混練する方法などがある。使用
する混練機は、各種のロール、バンバリミキサー等の2
軸ローター付インターナルミキサー、スクリュー式押出
機、その他の混練機のいずれでもよいが、親水性樹脂を
効率良く分散させることができるスクリュー式押出機が
最も一般的に用いられる。また、これら熱可塑性樹脂、
親水性樹脂、及び発泡時に水を発生する発泡剤を同時に
混合し一度に組成物を得てもよいし、いったん熱可塑性
樹脂、親水性樹脂からなる混合組成物を得た後に、発泡
時に水を発生する発泡剤を加えてもよい。
【0042】本発明の帯電防止性樹脂組成物の成形に
は、射出成形機で加熱溶融し成形金型キャビテイ内に射
出充填する低発泡射出成形法を用いる。この場合成形金
型キャビテイ内は、あらかじめ溶融樹脂の発泡が生じな
いように加圧下に保持され、溶融樹脂が金型キャビテイ
内へ射出充填が完了直前又は直後に金型キャビテイ内を
脱圧(減圧)して溶融樹脂を内部発泡させてつつ冷却す
るいわゆるガスカウンタープレッシャー法が好ましい。
ガスカウンタープレッシャー法は、特にガス体で加圧さ
れた射出成形用金型キャビテイ内に本発明の帯電防止性
樹脂組成物を射出し、前記金型内の圧力により未発泡の
状態で表面近傍のみを固化させ、その後金型内を脱圧し
成形体内部の樹脂を発泡させる成形方法である。
【0043】通常、ガス体で加圧された射出成形用金型
キャビテイ内に本発明の帯電防止性樹脂組成物を射出す
るが、この場合の射出成形温度は、溶融樹脂が160℃
〜300℃、好ましくは180℃〜250℃であり、金
型キャビテイ内の加圧圧力は0.1MPa〜5.0MP
a、好ましくは0.5MPa〜2.0MPaである。か
かる成形方法によって得られる成形体は、均一に発泡し
た内部コア層の両面又は全表面に発泡しないスキン層を
持つ、いわゆるサンドイッチ構造のストラクチュラルフ
ォームであり特に好適である。この成形体の内部コア層
の樹脂を発泡させることにより、冷却時の樹脂体積収縮
に起因する、いわゆるヒケ、ソリ等の防止が可能であ
る。さらに、同時に発泡剤の発泡によって発生する水が
親水性樹脂により吸収される現象が成形体内部コア層の
全体で行われる。
【0044】従って、得られた成形体は、表面が未発泡
スキン層の表皮層で内部が均一に発泡したコア層の構造
を有し、かつ、持続性に優れた帯電防止性成形体であ
る。従って、本発明の帯電防止性樹脂組成物を、本発明
の成形方法で成形することにより、薄肉から厚肉の成形
品まで、ヒケ、ソリ等がなく、かつ、表面は平滑であり
外観上は通常の発泡剤を含まない樹脂成形品と同様の成
形品が得られる。さらに、成形工程における発泡時に発
生する水が、親水性樹脂に吸収されていることから、成
形直後から帯電防止機能が発現し、また、成形品内部全
体で水の発生、吸収が起るため、成形体全体が帯電防止
機能発現に寄与することから、大きな帯電防止機能が長
期間にわたり発揮される。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する
が、本発明は、これらの実施例により限定されるものでは
ない。なお、下記の実施例で使用した成形体の体積抵抗
率、表面抵抗率の評価方法は、JIS K6911に準
拠して、上記成形により得たプレートの体積抵抗率及び
表面抵抗率を測定した。また、水洗い後の表面抵抗率の
測定は、上記成形により得たプレートを成形後23℃、
50%RH中に30日間放置した後、洗剤(ライオン
(株)製ママローヤル)で洗浄し、続いて蒸留水で十分
洗浄してから表面の水分を取り除いた後、室温23℃、
湿度50%RH雰囲気下で実施した。ビカット軟化点の
評価方法は、JIS K7206に準拠した。
【0046】また、各実施例及び比較例に使用した樹
脂、発泡剤及び成形方法は表1〜4に示した通りであ
る。なお表中で示すこれらの記号は下記を意味する。 <熱可塑性樹脂の欄> ・HIPS:耐衝撃ポリスチレン(東洋スチレン(株)
製;東洋スチロールH650) ・ABS:アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重
合樹脂(新日鐵化学(株)製;エスチレンABS300) ・AS:アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(電気
化学工業(株)製東洋スチロールAS−41) ・MS:メタクリル酸メチル-スチレン共重合樹脂(新
日鐵化学(株)製;エスチレンMS−600) ・PP:ポリプロピレン樹脂(チッソ(株)製;ポリプロ
K1016) ・PC:ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリング
プラスチックス(株)製;NOVAREX 7020A)
【0047】<親水性樹脂の欄> ・B1:ポリエーテル系吸水性樹脂(日本ゼオン(株)
製;ゼオスパン8100(エチレンオキサイド/プロピレン
オキサイド=90/10共重合樹脂、融点42℃) ・B2:三洋化成(株)製;ペレスタットNC6321(ポリエ
ーテルエステルアミド、融点202℃) ・B3:ポリアミド系樹脂(チバガイギー社製;IRGAST
AT P22、融点212〜220℃、密度1.14g/cm3) ・B4:ポリエチレンオキサイド(粘度平均分子量65
万) ・B5:ポリプロピレンオキサイド(粘度平均分子量3
8万) ・SDB:非親水性の低分子界面活性剤(ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム)
【0048】<発泡剤の欄> (a)発泡時に水を発生する発泡剤 ・C1:永和化成工業(株)製;ポリスレンES207(NaHCO
3 20%のポリスチレンマスターバッチ) ・C2:永和化成工業(株)製;ネオセルボンN#100
0S(p,p'−オキシビス(ベンゼンンスルホニルヒド
ラジド)) ・C3:日本ベーリンガーインゲルハイム(株)製;ハイ
ドロセロールCF40S(NaHCO3 40%のポリスチレンマスタ
ーバッチ) ・C4:三菱化学(株)製;ファインブローNo.9(NaHCO3
10%、ADCA 10%のポリエチレン系マスターバッチ) ・C5:三菱化学(株)製;ファインブローV20N(NaHCO3
20%のポリエチレン系マスターバッチ) (b)発泡時に水を発生しない発泡剤 ・C6:永和化成工業(株)製;ポリスレンES106(ADCA
10%のポリスチレンマスターバッチ) ・C7:永和化成工業(株)製;ポリスレンEB201(バリ
ウムジカルボキシレート20%のABSマスターバッチ)
【0049】<成形方法の欄> ・GCP:ガスカウンタープレッシャー法 ・ソリッド:通常の射出成形法
【0050】実施例1 HIPS/B1を90/10の質量比でドライブレンド
し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM30、スクリ
ュ径30mm)を用い220℃で溶融混練してペレット
状の樹脂組成物を得た。このペレット状樹脂混合物10
0質量部に対して、発泡剤としてNaHCO3を20w
t%含有したポリスチレン系マスターバッチ:C1(永
和化成工業(株)製ポリスレンES207)を1.0質
量部の割合で添加しドライブレンドにより帯電防止性樹
脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のビカット軟化
点、引っ張り強度、曲げ弾性率、IZOD衝撃強度を表
1に示す。この帯電防止性樹脂組成物を射出成形機(日
本製鋼所(株)製J75E−D、型締力75トン)で2
00℃に加熱溶融し、金型キャビテイ内が窒素ガス圧力
にて1.0MPaに加圧保持された100mm×50m
m、厚さ6mmからなる成形体の金型キャビテイ内に射
出充填した。射出充填完了の直後に窒素ガス圧力を大気
圧に切り替えると同時に冷却下に保持した後金型キャビ
テイを開き成形体を取り出した。得られた成形体は全表
面にヒケ、ソリやスワールマーク等がなく発泡しないス
キン層を持っており、切断した断面から内部が均一発泡
したいわゆるサンドイッチ構造のストラクチュラルフォ
ームであることが確認された。この成形体の経時的な帯
電防止性能(体積抵抗率、表面抵抗率)を測定した結果
を表4に示す。
【0051】実施例2 実施例1のHIPS/B1をHIPS/B3に替えて8
5/15の質量比で配合し、発泡剤C2としてp,p'
−オキシビス(ベンゼンンスルホニルヒドラジド(永和
化成工業(株)製;ネオセルボンN#1000S)を
0.4質量部の割合で添加した他は、実施例1と同一条
件で帯電防止性樹脂組成物を得て、得られた樹脂組成物
の物性値を表1に示す。この帯電防止性樹脂組成物を射
出成形し成形体を取り出した。得られた成形体は全表面
にヒケ、ソリやスワールマーク等がなく発泡しないスキ
ン層を持っており、切断した断面から内部が均一発泡し
たいわゆるサンドイッチ構造のストラクチュラルフォー
ムであることが確認された。この成形体の経時的な帯電
防止性能を測定した結果を表4に示す。
【0052】実施例3〜11 表1に示す配合割合とした以外は実施例1と同一条件で
帯電防止性樹脂組成物を得、射出成形し成形体を取り出
した。ただし、実施例11では250℃で溶融混練し
た。得られた成形体は全表面にヒケ、ソリやスワールマ
ーク等がなく発泡しないスキン層を持っており、切断し
た断面から内部が均一発泡したいわゆるサンドイッチ構
造のストラクチュラルフォームであることが確認され
た。この成形体の経時的な帯電防止性能などを測定した
結果を表3に示す。
【0053】実施例12 実施例1と同一条件で得た帯電防止性樹脂組成物を、金
型キャビテイ内を加圧せずに成形した以外は実施例1と
同様に射出成形し成形体を取り出した。得られた成形体
は全表面にスワールマークが発生したが、ヒケやソリが
ない成形体が得られた。また、切断した断面から内部が
均一発泡したいわゆるサンドイッチ構造のストラクチュ
ラルフォームであることが確認された。この成形体の経
時的な帯電防止性能などを測定した結果を表3に示す。
【0054】比較例1〜3 表2に示した割合の熱可塑製樹脂、親水性樹脂(但し比
較例1と3では使用せず)及び発泡剤を使用した他は、
実施例1と同条件で帯電防止性樹脂組成物を得た。この
樹脂組成物の引張強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度及び
ビカット軟化温度は表2の通りであった。この帯電防止
性樹脂組成物を実施例1と同様に射出成形し成形体を取
り出した。得られた成形体は全表面にヒケ、ソリやスワ
ールマーク等がなく発泡しないスキン層を持っており、
切断した断面から内部が均一発泡したいわゆるサンドイ
ッチ構造のストラクチュラルフォームであることが確認
された。この成形体の経時的な帯電防止性能などを測定
した結果を表3に示す。
【0055】比較例4〜5 表2に示した割合の熱可塑製樹脂、親水性樹脂及び発泡
剤(但し比較例4では使用せず)を使用した他は、実施
例1と同条件で帯電防止性樹脂組成物を得た。この樹脂
組成物の引張強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度及びビカ
ット軟化温度は表2の通りであった。この帯電防止性樹
脂組成物を実施例1と同様に射出成形し成形体を取り出
した。得られた成形体は全表面にスワールマークはない
ものの、ヒケが激しいものであり、切断した断面から内
部での発泡跡はほとんど確認されなかった。これらの成
形体の経時的な帯電防止性能などを測定した結果を表3
に示す。
【0056】比較例6〜7 表2に示した割合の熱可塑製樹脂、親水性樹脂及び発泡
剤を使用した他は、実施例1と同条件で帯電防止性樹脂
組成物を得た。この樹脂組成物の引張強度、曲げ弾性
率、Izod衝撃強度及びビカット軟化温度は表2の通りで
あった。この帯電防止性樹脂を実施例1と同様に射出成
形し成形体を取り出した。得られた成形体は全表面にヒ
ケ、ソリやスワールマーク等がなく発泡しないスキン層
を持っており、切断した断面から内部が均一発泡したい
わゆるサンドイッチ構造のストラクチュラルフォームで
あることが確認された。この成形体の経時的な帯電防止
性能などを測定した結果を表3に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明では得られた成形体は、成形工程
における発泡時に発生する水が、親水性樹脂に吸収され
ていることから、成形直後から帯電防止機能が発現し、
また、成形品内部全体で水の発生、吸収が起るため、成
形体全体が帯電防止機能発現に寄与することから、大き
な帯電防止機能が長期間にわたり発揮される。また、薄
肉から厚肉の成形品まで、ヒケ、ソリ等を防止し、か
つ、いわゆるスワールマークにより外観を損なうことの
ない各種の事務機器、電子機器、玩具、日用品、自動車
部品等の成形材料、成形品として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 // B29K 25:00 B29K 25:00 71:00 71:00 77:00 77:00 105:04 105:04 Fターム(参考) 4F074 AA09D AA24 AA32 AA32C AA32D AA33C AA33D AA70 AA71 AA76 BA02 BA03 BA16 BA18 CA26 DA19 DA47 4F206 AA13 AA29 AA32 AB02 AG20 JA04 JF04 JL02 JM05 JN21 JN25 4J002 BC031 BC051 BC061 BC071 BC081 BC091 BH021 BN141 BN151 BN161 BN182 BP011 CF002 CF102 CH022 CL002 CL072 CL082 CM042 DE206 DG036 DG046 EG056 EU186 EV266 FD326 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性樹脂と親水性樹脂及
    び発泡時に水を発生する発泡剤を含有してなることを特
    徴とする帯電防止性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂である
    ことを特徴とする請求項1記載の帯電防止性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 親水性樹脂が、ポリエーテル系樹脂、ポ
    リアミド系樹脂からなる群から選ばれた1種以上の樹脂
    である請求項1又は2に記載の帯電防止性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 発泡時に水を発生する発泡剤が、炭酸水
    素塩、スルホニルヒドラジド化合物からなる群から選ば
    れた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 親水性樹脂の配合量が熱可塑性樹脂10
    0質量部に対し、2〜30質量部であり、発泡時に水を
    発生する発泡剤の配合量が熱可塑性樹脂と親水性樹脂と
    の総質量100質量部に対し、0.005〜1.0質量
    部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の帯電防止性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯
    電防止性樹脂組成物を射出成形機で加熱溶融し成形品の
    金型キャビテイ内に射出充填することを特徴とする成形
    方法。
  7. 【請求項7】 金型キャビテイ内は、あらかじめ溶融樹
    脂の発泡が生じないように加圧下に保持され、溶融樹脂
    が金型キャビテイ内へ射出充填が完了直前又は直後に金
    型キャビテイ内を減圧して溶融樹脂を内部発泡させつつ
    冷却する請求項6に記載の成形方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の成形方法で得ら
    れた成形体であって表面が未発泡表皮層で内部が発泡し
    た帯電防止性成形体。
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