JP2002231224A - リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池

Info

Publication number
JP2002231224A
JP2002231224A JP2001021728A JP2001021728A JP2002231224A JP 2002231224 A JP2002231224 A JP 2002231224A JP 2001021728 A JP2001021728 A JP 2001021728A JP 2001021728 A JP2001021728 A JP 2001021728A JP 2002231224 A JP2002231224 A JP 2002231224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
layer
thin film
current collector
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001021728A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Endo
浩二 遠藤
Hiroshi Okano
寛 岡野
Ryuji Oshita
竜司 大下
Hisaki Tarui
久樹 樽井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2001021728A priority Critical patent/JP2002231224A/ja
Publication of JP2002231224A publication Critical patent/JP2002231224A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性に
優れたリチウム二次電池用電極及びその製造方法を得
る。 【解決手段】 集電体1上に活物質薄膜2を堆積して形
成したリチウム二次電池用電極であって、活物質薄膜2
がシリコンと銅の固溶体からなる薄膜であり、かつ銅原
子の密度が相対的に高い層2aと相対的に低い層2bと
が交互に繰り返し堆積して形成された薄膜であることを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、研究開発が盛んに行われているリ
チウム二次電池は、用いられる電極により充放電電圧、
充放電サイクル寿命特性、保存特性などの電池特性が大
きく左右される。このことから、電極活物質を改善する
ことにより、電池特性の向上が図られている。
【0003】負極活物質としてリチウム金属を用いる
と、重量当り及び体積当りともに高いエネルギー密度の
電池を構成することができるが、充電時にリチウムがデ
ンドライト状に析出し、内部短絡を引き起こすという問
題があった。
【0004】これに対し、充電の際に電気化学的にリチ
ウムと合金化するアルミニウム、シリコン、錫などを電
極として用いるリチウム二次電池が報告されている(Sol
id State Ionics, 113-115, p57(1998)) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のリチウム(Li)と合金化する金属を負極材料として
用いると、リチウムの吸蔵及び放出に伴い、大きな体積
膨張及び収縮が生じ、電極活物質が微粉化し、集電体か
ら脱離するため、十分なサイクル特性が得られないとい
う問題がある。
【0006】本発明の目的は、放電容量が高く、かつ充
放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用電極及び
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池用電極は、集電体上に活物質薄膜を堆積して形成した
リチウム二次電池用電極であり、活物質薄膜がシリコン
と銅の固溶体からなる薄膜であり、かつ銅原子の密度が
相対的に高い層と相対的に低い層とが交互に繰り返し堆
積して形成された薄膜であることを特徴としている。
【0008】本発明における活物質薄膜は、シリコンと
銅の固溶体からなる薄膜である。シリコンと銅は、金属
間化合物を形成して合金化することが知られているが、
本発明における活物質薄膜はこのような金属間化合物で
はなく、固溶体を形成している。シリコンは、リチウム
と合金化する金属元素であり、銅はリチウムと合金化し
ない金属元素である。従って、シリコンと銅の固溶体
は、シリコン単体に比べ、リチウムの吸蔵量が制限され
るため、リチウムを吸蔵した際の体積膨張が抑制され
る。
【0009】本発明における活物質薄膜は、シリコンと
銅の固溶体からなる薄膜であり、さらに銅原子の密度が
相対的に高い層と、相対的に低い層とが交互に繰り返し
堆積して形成された薄膜であることを特徴としている。
銅原子の密度が相対的に高い層においては、上述のよう
に銅がリチウムと合金化しないため、リチウムの吸蔵量
が制限され、体積膨張が相対的に抑制される。これに対
し、銅原子の密度が相対的に低い層では、リチウムの吸
蔵量が大きいため、相対的に大きな体積膨張を示す。本
発明では、銅原子の密度が相対的に高い層と相対的に低
い層とが繰り返し交互に堆積されているので、充電反応
の際の膨張率の大きな層と小さな層とが交互に繰り返し
て堆積されている。このため、体積膨張率の大きな層で
発生した歪みを、体積膨張率の小さな層で緩和すること
ができる。従って、本発明によれば、充放電反応の際の
体積膨張・収縮による応力を緩和することができるの
で、活物質薄膜の崩壊や、活物質薄膜の集電体からの剥
離を抑制することができ、良好な充放電サイクル特性を
得ることができる。
【0010】銅原子の密度が相対的に高い層と相対的に
低い層の繰り返し周期、すなわち各層の厚みは、0.1
〜3μmの範囲内であることが好ましい。また、銅原子
密度が高い層と銅原子密度が低い層における銅原子密度
の変動幅は、活物質薄膜全体における銅原子密度(原子
%)の平均値の±5%以上であることが好ましく、さら
に好ましくは平均値の±50%以上である。
【0011】本発明において、活物質薄膜中の集電体と
接している層は、銅原子の密度が相対的に高い層である
ことが好ましい。これは、銅原子の密度が高い層は、充
放電反応の際の体積膨張率が小さいため、このような層
を集電体と接するように設けることにより、集電体との
密着性を高めることができる。
【0012】本発明において、活物質薄膜を集電体上に
堆積する方法としては、スパッタリング法、CVD法、
真空蒸着法、溶射法、メッキ法等の方法を挙げることが
できる。これらの中でも、後述するようにスパッタリン
グ法が特に好ましく用いられる。
【0013】本発明で用いられる集電体は、リチウム二
次電池用電極に用いることができる集電体であれば特に
限定されるものではなく、例えば、銅、ニッケル、ステ
ンレス、タンタル、モリブデン、及びタングステン並び
にこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属箔を
用いることができる。
【0014】本発明の製造方法は、集電体上に活物質薄
膜を堆積して形成するリチウム二次電池用電極の製造方
法であり、シリコンと銅の固溶体からなり銅原子の密度
が相対的に高い層と、シリコンと銅の固溶体からなり銅
原子の密度が相対的に低い層を交互に繰り返して堆積さ
せて活物質薄膜を形成することを特徴としている。
【0015】本発明の製造方法に従う好ましい局面にお
いては、プラズマを発生させて活物質薄膜を集電体上に
堆積する。また、活物質薄膜形成の間集電体を相対的に
移動させ、銅原子が多く含まれるプラズマ領域と、銅原
子が少ないプラズマ領域とを交互に実現させて、活物質
薄膜を形成する。具体的には、銅原子が多く含まれるプ
ラズマ領域で銅原子の密度が相対的に高い層を形成し、
銅原子が少ないプラズ領域で銅原子の密度が相対的に低
い層を形成する。
【0016】本発明においては、好ましくはスパッタリ
ング法により活物質薄膜を集電体の上に形成する。この
場合、シリコンターゲットと銅ターゲットを並べて配置
し、これらのターゲット上を通過するように集電体を相
対的に移動させながら、これらのターゲットと集電体と
の間でプラズマを発生させてスパッタリングし、活物質
薄膜を形成することが好ましい。具体的には、集電体が
銅ターゲットに近づいている間銅原子の密度が相対的に
高い層を形成し、集電体が銅ターゲットから離れている
間銅原子の密度が相対的に低い層を形成する。
【0017】上記のスパッタリングによる薄膜形成方法
では、シリコンターゲットと銅ターゲットとの間を集電
体が往復運動するように集電体を移動させてもよいし、
シリコンターゲット及び銅ターゲットをそれぞれ複数並
べて配置し、これらのターゲットの上を集電体が一方向
に順次通過するように移動するようにしてもよい。な
お、この場合、並べて配置したターゲットの一方端と他
方端の間で往復運動するように集電体を移動させてもよ
い。
【0018】本発明のリチウム二次電池は、上記本発明
のリチウム二次電池用電極または上記本発明の方法によ
り製造されたリチウム二次電池用電極からなる負極と、
正極と、非水電解質とを備えることを特徴としている。
【0019】本発明のリチウム二次電池に用いる電解質
の溶媒は、特に限定されるものではないが、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネートなどの環状カーボネートと、ジメチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート
などの鎖状カーボネートとの混合溶媒が例示される。ま
た、前記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒と
の混合溶媒も例示される。また、電解質の溶質として
は、LiPF6 、LiBF4 、LiCF3SO3 、Li
N(CF3SO2)2、LiN(C25SO2)2 、LiN
(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF 3
2)3 、LiC(C25SO2)3 など及びそれらの混合
物が例示される。さらに電解質として、ポリエチレンオ
キシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン
などのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマ
ー電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質が
例示される。本発明のリチウム二次電池の電解質は、イ
オン導電性を発現させる溶質としてのLi化合物とこれ
を溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時あるいは
保存時の電圧で分解しない限り、制約なく用いることが
できる。
【0020】本発明のリチウム二次電池の正極活物質と
しては、LiCoO2 、LiNiO 2 、LiMn
24 、LiMnO2 、LiCo0.5Ni0.52 、Li
Ni0.7Co 0.2Mn0.12 などのリチウム含有遷移金
属酸化物や、MnO2 などのリチウムを含有していない
金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウム
を電気化学的に挿入・脱離する物質であれば、制限なく
用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲に
おいて適宜変更して実施することが可能なものである。
【0022】(実験1) [負極の作製]図1は、スパッタリング法により集電体
1の上に活物質薄膜を形成するためのDCマグネトロン
スパッタリング装置を示す模式図である。ターゲットし
ては、シリコンターゲット3と銅ターゲット4とを並べ
て配置している。シリコンターゲット3としては、単結
晶シリコン(P型、1Ωcm以下)を用いている。銅タ
ーゲット4としては、銅板を用いている。
【0023】活物質薄膜を形成する際、集電体1は、シ
リコンターゲット3及び銅ターゲット4の上を矢印で示
すように往復して移動する。集電体1の移動方向におけ
るシリコンターゲット3の幅W1は12.5cmであ
り、銅ターゲット4の幅W2は2cmである。集電体1
の移動速度は5cm/分としている。
【0024】集電体1としては、電解銅箔(厚み約18
μm)を用い、これを上記のように往復運動するホルダ
ーに取付け、移動させている。スパッタリング装置の内
部を1×10-3Pa以下になるまで真空引きした後、ア
ルゴンガスを導入口から圧力が0.5Paになるまで導
入する。この状態で、シリコンターゲット3及び銅ター
ゲット4と、集電体1との間でプラズマ5及び6を発生
させ、スパッタリングにより、集電体1の上にシリコン
と銅の固溶体からなる薄膜を堆積させる。スパッタリン
グ条件としては、パワー密度:3W/cm2とし、ター
ゲットと集電体との間の垂直方向の距離は10cmとな
るように設定した。
【0025】シリコンターゲット3に近い側で発生する
プラズマ5中においては、シリコン原子の密度が相対的
に高く、銅原子の密度が相対的に低くなっている。ま
た、銅ターゲット4に近い側で発生するプラズマ6中で
は、銅原子の密度が相対的に高く、シリコン原子の密度
が相対的に低くなっている。このため、集電体1がシリ
コンターゲット3に近づいている間、すなわち銅ターゲ
ット4から離れている間、銅原子の密度が相対的に低
く、シリコン原子の密度が相対的に高い層が形成され
る。集電体1が、銅ターゲット4に近づいている間、す
なわちシリコンターゲット3から離れている間は、銅原
子の密度が相対的に高く、シリコン原子の密度が相対的
に低い層が形成される。従って、集電体1をシリコンタ
ーゲット3と銅ターゲット4との間で往復するように移
動させることにより、銅原子の密度が相対的に低く、シ
リコン原子の密度が相対的に高い層と、銅原子の密度が
相対的に高く、シリコン原子の密度が相対的に低い層と
が交互に繰り返して堆積される。
【0026】図2は、以上のようにして形成した活物質
薄膜を示す模式的断面図である。図2に示すように、集
電体1の上には、銅原子の密度が相対的に高い層2a
と、銅原子の密度が相対的に低い層2bが交互に堆積し
て、活物質薄膜2が形成されている。銅原子の密度が相
対的に高い層2a及び銅原子の密度が相対的に低い層2
bは、いずれもシリコンと銅の固溶体からなる層であ
る。従って、活物質薄膜2は、シリコンと銅の固溶体か
らなる薄膜である。なお、活物質薄膜2の厚みは約6μ
mであった。
【0027】次に、二次イオン質量分析(SIMS)用
の試料として、単結晶シリコンウェハーの上に、上記と
同様の薄膜形成条件で、約1μmの厚みの活物質薄膜を
形成した。形成した活物質薄膜の厚み方向の銅濃度分布
を、二次イオン質量分析により測定した。図3は、この
結果を示す図である。図3から明らかなように、銅濃度
の高い領域と銅濃度の低い領域が厚み方向に交互に繰り
返されていることがわかる。銅濃度の高い領域では、銅
濃度は、1×1022cm-3となっており、銅濃度の低い
領域では、2.5×1021cm-3となっており、薄膜全
体における銅濃度の平均値は5×1021cm-3となって
いる。これを原子%に換算すると、銅濃度の高い領域で
は銅濃度が20原子%となっており、銅濃度の低い領域
では銅濃度が5原子%となっており、薄膜全体における
銅濃度の平均値は10原子%となっている。従って、原
子%で表わした銅濃度の平均値の−50%から+100
%の範囲で銅濃度が変動していることがわかる。
【0028】以上のようにして電解銅箔の上に活物質薄
膜を形成した電極板を2.5cm×2.5cmの大きさ
に切り出し、これを150℃で2時間真空熱処理して負
極とした。
【0029】[正極の作製]平均粒径10μmのLiC
oO2 粉末90重量%と、導電剤としての炭素粉末5重
量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン粉末5重
量%とを混合し、得られた混合物にN−メチルピロリド
ンを加えて混練してスラリーを作製した。このスラリー
を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にドクターブレ
ード法により塗布し乾燥した後、2.0cm×2.0c
mの大きさに切り取り、これを150℃で2時間真空熱
処理して正極とした。
【0030】[電解液の調製]エチレンカーボネート
(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比
3:7で混合した溶媒に対し、LiPF6を1モル/リ
ットル溶解して電解液を調製した。
【0031】[電池の作製]アルゴンの不活性ガス雰囲
気中で、上記の負極と上記の正極とをポリエチレン製微
多孔膜を介して貼り合わせ、アルミニウム製ラミネート
材からなる外装体に挿入した。これに上記の電解液50
0μlを注入し、リチウム二次電池を作製した。電池の
設計容量は14mAhであった。
【0032】図4は、作製したリチウム二次電池を示す
平面図である。図4に示すように、ポリエチレン製微多
孔膜からなるセパレータ12を介して、正極11と負極
13とが組み合わされて外装体14内に挿入されてい
る。外装体14に挿入した後に、電解液を注入し、外装
体14の封止部14aで封止することにより、リチウム
二次電池が作製されている。
【0033】図5は、電池内部における電極の組み合わ
せ状態を示すための断面図である。図5に示すように、
セパレータ12を介して正極11と負極13が対向する
ように組み合わせられている。正極11においてはアル
ミニウムからなる正極集電体11bの上に、正極活物質
層11aが設けられており、この正極活物質層11aが
セパレータ12と接している。また、負極13において
は、銅からなる負極集電体13bの上に、負極活物質層
13aが設けられており、この負極活物質層13aがセ
パレータ12に接している。本実施例において、負極活
物質層13aは、シリコンと銅の固溶体薄膜から形成さ
れた層である。
【0034】図4に示すように、正極集電体11bに
は、外部取り出しのためのアルミニウムからなる正極タ
ブ11cが取り付けられている。また、負極集電体13
bにも、外部取り出しのためのニッケルからなる負極タ
ブ13cが取り付けられている。以上のようにして、本
発明電池1を作製した。
【0035】[比較電池の作製]上記の負極の作製にお
いて、シリコンターゲットのみを用いる以外は上記と同
様にして負極を作製し、上記と同様にしてリチウム二次
電池を作製した。これを比較電池1とする。負極の活物
質薄膜としては、非晶質シリコン薄膜が形成されてい
る。
【0036】[充放電試験]以上のようにして作製した
本発明電池1及び比較電池1について充放電試験を行っ
た。充電は14mAの定電流で4.20Vまで行い、さ
らに4.20V低電圧充電を0.7mAまで行った。放
電は14mAの定電流で2.75Vまで行い、これを1
サイクルとした。50サイクル後の容量維持率を以下の
計算式より求めた。なお、測定は25℃で行った。
【0037】容量維持率(%)=(50サイクル目の放
電容量/1サイクル目の放電容量)×100 表1には、このようにして求めた容量維持率と初期放電
容量を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように、本発明電池1は、比較
電池1によりも初期放電容量において若干低くなってい
るが、容量維持率が比較電池1よりも高くなっており、
良好な充放電サイクルを示すことがわかる。
【0040】(実験2) [負極の作製]集電体として電解銅箔に代えて、電解ニ
ッケル箔(厚み約15μm)を用いる以外は、上記実験
1の負極の作製と同様にして、集電体上に活物質薄膜を
形成し、負極とした。
【0041】[正極の作製]実験1の正極の作製と同様
にして、正極を作製した。
【0042】[電解液の作製]エチレンカーボネート
(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比
1:1で混合した溶媒に対して、LiPF6を1モル/
リットルに溶解させて電解液を作製した。
【0043】[電池の作製]以上のようにして作製した
正極及び負極を用いて、図6に示すようなリチウム二次
電池を作製した。
【0044】図6に示すように、正極21と負極22の
間にセパレータ23を配置し、さらに正極21の上にセ
パレータ23を配置した状態で、これを巻き付け扁平状
態にした後、外装体20内に挿入した。次に外装体20
内に上記の電解液を注入し、注入後外装体20の開口部
20aを封口して、本発明電池2を完成した。
【0045】[比較電池の作製]ターゲットとしてシリ
コンターゲットを用いる以外は、上記と同様にして負極
を作製し、比較電池2を作製した。負極の活物質薄膜と
しては、非晶質シリコン薄膜が形成されている。
【0046】[充放電試験]以上のようにして作製した
本発明電池2及び比較電池2について充放電試験を行っ
た。充放電の条件は、充放電ともに140mAの定電流
で、4.2Vとなるまで充電した後、2.75Vとなる
まで放電し、これを1サイクルとした。以下に示す式よ
り求められる、20サイクル後の容量維持率を求めた。
なお、測定は25℃で行った。
【0047】20サイクル後の容量維持率(%)=(2
0サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×
100 表2には、20サイクル後の容量維持率とともに初期放
電容量を示した。
【0048】
【表2】
【0049】表2から明らかなように、本発明電池2
は、比較電池2に比べ、はるかに良好な容量維持率を示
しており、充放電サイクル特性において優れていること
がわかる。実験1では、電解銅箔を集電体として用いて
いるので、この電解銅箔からの活物質薄膜への銅の拡散
があり、比較電池1においても比較的良好なサイクル特
性が得られているものと思われる。実験2では、電解ニ
ッケル箔を用いているで、集電体からの銅の拡散の影響
がなく、このため本発明電池2と比較電池2の間でサイ
クル特性において大きな差が認められたものと思われ
る。
【0050】図7は、実験2において作製した負極の活
物質薄膜を示す走査型電子顕微鏡写真である。下方の白
い部分は電解ニッケル箔の表面を示しており、その上に
シリコンと銅の固溶体からなる薄膜が形成されている。
薄膜においてやや白い部分が銅原子密度が相対的に高い
層を示している。図7から明らかなように銅原子密度が
相対的に高い層と相対的に低い層とが交互に繰り返し堆
積されている。
【0051】図8は、電解ニッケル箔の上に、厚み0.
4μmの銅層を形成した後、この上に上記実験2と同様
にして、シリコンと銅の固溶体からなる薄膜を形成した
場合の走査型電極顕微鏡写真である。図8においても、
やや白い部分が銅原子の密度が相対的に高い層である。
銅原子密度が相対的に高い層と相対的に低い層とが交互
に繰り返し堆積されて薄膜が形成されていることがわか
る。なお、図7及び図8の倍率は、20000倍であ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、放電容量が高く、かつ
充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いた薄膜形成装置内
の構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施例において作製した活物質薄膜を
模式的に示す断面図。
【図3】単結晶シリコンウェハー上に形成した活物質薄
膜における厚み方向の銅濃度分布を示す図。
【図4】本発明の実施例において作製したリチウム二次
電池を示す平面図。
【図5】図4に示すリチウム二次電池における電極の組
み合わせ構造を示す断面図。
【図6】本発明の実施例において作製したリチウム二次
電池を示す分解斜視図。
【図7】本発明の実施例において作製した活物質薄膜を
示す走査型電子顕微鏡写真。
【図8】本発明の実施例において作製した活物質薄膜を
示す走査型電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1…集電体 2…シリコンと銅の固溶体からなる活物質薄膜 2a…銅原子密度が相対的に高い層 2b…銅原子密度が相対的に低い層 3…シリコンターゲット 4…銅ターゲット 5,6…プラズマ 11…正極 11a…正極活物質層 11b…正極集電体 11c…正極タブ 12…セパレータ 13…負極 13a…負極活物質層 13b…負極集電体 13c…負極タブ 14…外装体 14a…外装体の封止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/38 H01M 4/38 Z 4/66 4/66 A 10/40 10/40 Z (72)発明者 大下 竜司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 樽井 久樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA02 BA08 BA35 BB02 BD00 CA05 DC03 DC16 DC34 DC39 5H017 AA03 AS10 CC01 EE01 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL11 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ04 BJ12 BJ14 CJ24 DJ07 DJ12 EJ01 HJ12 5H050 AA07 AA08 BA17 CA08 CA09 CB11 DA03 DA04 FA08 GA24 GA26 GA29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体上に活物質薄膜を堆積して形成し
    たリチウム二次電池用電極であって、 前記活物質薄膜がシリコンと銅の固溶体からなる薄膜で
    あり、かつ銅原子の密度が相対的に高い層と相対的に低
    い層とが交互に繰り返し堆積して形成された薄膜である
    ことを特徴とするリチウム二次電池用電極。
  2. 【請求項2】 前記活物質薄膜中の前記集電体と接して
    いる層が、銅原子の密度が相対的に高い層であることを
    特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
  3. 【請求項3】 前記集電体が、銅、ニッケル、ステンレ
    ス、タンタル、モリブデン、及びタングステン並びにこ
    れらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属箔である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二
    次電池用電極。
  4. 【請求項4】 集電体上に活物質薄膜を堆積して形成す
    るリチウム二次電池用電極の製造方法であって、 シリコンと銅の固溶体からなり銅原子の密度が相対的に
    高い層と、シリコンと銅の固溶体からなり銅原子の密度
    が相対的に低い層を交互に繰り返して堆積させて前記活
    物質薄膜を形成することを特徴とするリチウム二次電池
    用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記活物質薄膜形成の間前記集電体を相
    対的に移動させ、銅原子が多く含まれるプラズマ領域で
    銅原子の密度が相対的に高い層を形成し、銅原子が少な
    いプラズマ領域で銅原子の密度が相対的に低い層を形成
    することを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電
    池用電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコンターゲットと銅ターゲットを並
    べて配置し、これらのターゲット上を通過するように前
    記集電体を相対的に移動させながら、これらのターゲッ
    トと集電体との間でプラズマを発生させてスパタッリン
    グし、集電体が銅ターゲットに近づいている間銅原子の
    密度が相対的に高い層を形成し、集電体が銅ターゲット
    から離れている間銅原子の密度が相対的に低い層を形成
    することを特徴とする請求項4または5に記載のリチウ
    ム二次電池用電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載され
    た電極または請求項4〜6のいずれか1項に記載された
    方法により製造された電極からなる負極と、正極と、非
    水電解質とを備えることを特徴とするリチウム二次電
    池。
JP2001021728A 2001-01-30 2001-01-30 リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池 Withdrawn JP2002231224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021728A JP2002231224A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021728A JP2002231224A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002231224A true JP2002231224A (ja) 2002-08-16

Family

ID=18887239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001021728A Withdrawn JP2002231224A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002231224A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004042852A1 (ja) * 2002-11-08 2004-05-21 Sanyo Electric Co., Ltd. 非水電解質電池
JP2005183366A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd エネルギーデバイス及びその製造方法
JP2006324210A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法
JP2007005149A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2007019032A (ja) * 2006-08-09 2007-01-25 Sony Corp 電池
JP2007257868A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Sony Corp 負極および電池
WO2008001535A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. électrode négative pour une batterie secondaire à électrolyte non aqueux
WO2008001539A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Électrode négative pour accumulateur à électrolyte non aqueux
JP2008181763A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Nissan Motor Co Ltd 酸化タングステンウィスカーまたはファイバーを用いたリチウムイオン二次電池
KR100855842B1 (ko) * 2005-03-17 2008-09-01 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 리튬이온 이차전지용 음극, 그 제조 방법 및 이것을 이용한리튬이온 이차전지
JP2010147005A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Sony Corp 負極および二次電池
US7838147B2 (en) 2003-04-04 2010-11-23 Sony Corporation Electrode and battery using it
JP2011129532A (ja) * 2011-02-10 2011-06-30 Sony Corp リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
CN102148357A (zh) * 2010-02-05 2011-08-10 索尼公司 用于锂离子二次电池的负极、锂离子二次电池、电力工具、电动车辆、和电力存储系统

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004363078A (ja) * 2002-11-08 2004-12-24 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質電池
WO2004042852A1 (ja) * 2002-11-08 2004-05-21 Sanyo Electric Co., Ltd. 非水電解質電池
JP4508601B2 (ja) * 2002-11-08 2010-07-21 三洋電機株式会社 非水電解質電池
US7381499B2 (en) 2002-11-08 2008-06-03 Sanyo Electric Co., Ltd. Nonaqueous electrolyte battery
KR101164232B1 (ko) * 2003-04-04 2012-07-09 소니 주식회사 전극 및 그것을 사용한 전지
US7838147B2 (en) 2003-04-04 2010-11-23 Sony Corporation Electrode and battery using it
JP2005183366A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd エネルギーデバイス及びその製造方法
KR100855842B1 (ko) * 2005-03-17 2008-09-01 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 리튬이온 이차전지용 음극, 그 제조 방법 및 이것을 이용한리튬이온 이차전지
US7862930B2 (en) 2005-03-17 2011-01-04 Panasonic Corporation Negative electrode for lithium ion secondary battery, producing method therefor, and lithium ion secondary battery using the negative electrode
CN100463256C (zh) * 2005-03-17 2009-02-18 松下电器产业株式会社 用于锂离子二次电池的负极、其制备方法和使用该负极的锂离子二次电池
JP2006324210A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法
JP2007005149A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2007257868A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Sony Corp 負極および電池
US7943254B2 (en) 2006-03-20 2011-05-17 Sony Corportion Anode and battery
US8173299B2 (en) 2006-03-20 2012-05-08 Sony Corporation Anode and battery
KR101376413B1 (ko) 2006-03-20 2014-03-20 소니 주식회사 부극 및 전지
JP2008034348A (ja) * 2006-06-30 2008-02-14 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 非水電解液二次電池用負極
WO2008001539A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Électrode négative pour accumulateur à électrolyte non aqueux
WO2008001535A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. électrode négative pour une batterie secondaire à électrolyte non aqueux
JP2007019032A (ja) * 2006-08-09 2007-01-25 Sony Corp 電池
JP2008181763A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Nissan Motor Co Ltd 酸化タングステンウィスカーまたはファイバーを用いたリチウムイオン二次電池
JP2010147005A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Sony Corp 負極および二次電池
CN102148357A (zh) * 2010-02-05 2011-08-10 索尼公司 用于锂离子二次电池的负极、锂离子二次电池、电力工具、电动车辆、和电力存储系统
JP2011165402A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Sony Corp リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、電動工具、電気自動車および電力貯蔵システム
JP2011129532A (ja) * 2011-02-10 2011-06-30 Sony Corp リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10476070B2 (en) Anode and battery
KR101195672B1 (ko) 리튬 이차 전지
JP4027255B2 (ja) リチウム二次電池用負極及びその製造方法
JP4248240B2 (ja) リチウム二次電池
KR101191487B1 (ko) 전지
JP5084110B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP5219340B2 (ja) リチウム二次電池用負極及びその製造方法並びにリチウム二次電池
KR101071485B1 (ko) 리튬 이차 전지
JP2001283834A (ja) 二次電池
KR20060066756A (ko) 리튬 2차전지용 전극 및 리튬 2차전지
KR20080107286A (ko) 부극 및 전지
JP2004171877A (ja) 電池
JP4497899B2 (ja) リチウム二次電池
JP2002319408A (ja) リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP2006278104A (ja) リチウム二次電池
JP3670938B2 (ja) リチウム二次電池
JP2001283833A (ja) 二次電池
JP2002231224A (ja) リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池
JP4744076B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP2002289177A (ja) リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP4953557B2 (ja) リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JP2005235397A (ja) リチウム電池用電極並びにこれを用いたリチウム電池及びリチウム二次電池
JP5268223B2 (ja) リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JP4162457B2 (ja) リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JP2003017069A (ja) リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050118

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20061229