JP2002230738A - 転写型磁気記録シート - Google Patents
転写型磁気記録シートInfo
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- JP2002230738A JP2002230738A JP2001025500A JP2001025500A JP2002230738A JP 2002230738 A JP2002230738 A JP 2002230738A JP 2001025500 A JP2001025500 A JP 2001025500A JP 2001025500 A JP2001025500 A JP 2001025500A JP 2002230738 A JP2002230738 A JP 2002230738A
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 既設のロール・オン転写機での使用におい
て、生産効率向上のために、その転写・剥離加工速度を
最大にすることが可能な剥離性保護層を有した転写型磁
気記録シートの提供。 【解決手段】 剥離性保護層を構成する樹脂であるアク
リル樹脂と塩−酢ビ共重合体樹脂に関して、アクリル樹
脂としては、特定のガラス転移点範囲に有るものを選択
し、そのアクリル樹脂と塩−酢ビ共重合体樹脂との樹脂
組成比を特定の比率とし、かつ、あらかじめ硝化綿樹脂
で分散したポリエチレンワックスの所定量を添加した、
保護層樹脂組成物とする。
て、生産効率向上のために、その転写・剥離加工速度を
最大にすることが可能な剥離性保護層を有した転写型磁
気記録シートの提供。 【解決手段】 剥離性保護層を構成する樹脂であるアク
リル樹脂と塩−酢ビ共重合体樹脂に関して、アクリル樹
脂としては、特定のガラス転移点範囲に有るものを選択
し、そのアクリル樹脂と塩−酢ビ共重合体樹脂との樹脂
組成比を特定の比率とし、かつ、あらかじめ硝化綿樹脂
で分散したポリエチレンワックスの所定量を添加した、
保護層樹脂組成物とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカード
や預貯金カードなどの磁気を媒体とする情報交換用カー
ド等に使用される磁気記録媒体に関し、なかでも、その
磁気記録媒体の構成部品であり、転写用支持体、剥離性
保護層、磁性層および接着剤層などからなる転写型磁気
記録シートの技術に関する。さらには、該転写型磁気記
録シートの保護層における、保護層材質による剥離の難
易に係る技術に関する。
や預貯金カードなどの磁気を媒体とする情報交換用カー
ド等に使用される磁気記録媒体に関し、なかでも、その
磁気記録媒体の構成部品であり、転写用支持体、剥離性
保護層、磁性層および接着剤層などからなる転写型磁気
記録シートの技術に関する。さらには、該転写型磁気記
録シートの保護層における、保護層材質による剥離の難
易に係る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】転写型磁気記録シートを原料に使用し、
その機能部分を磁気記録媒体基体へ熱転写加工する装置
としては、通称、ロール・オン転写機と呼ばれる加工機
があり、一般的に使用されている。ロール・オン転写機
では、転写型磁気記録シートを接着剤層側で磁気記録媒
体基体に熱溶融圧着することにより磁性層および保護層
等の機能部分を磁気記録媒体基体上に残す一方、転写用
支持体は連続したテープ状形態のまま、必要部分のみが
引き剥がされた形で移動するという熱転写加工方式を採
っている。すなわち、転写型磁気記録シートの転写用支
持体から、磁性層および保護層等の機能部分のみをアイ
ランド状に引き剥がし、それを磁気記録媒体基体上に写
すという加工形態を採る。このようなロール・オン転写
機で使用する転写型磁気記録シートの保護層組成は従来
より研究・提案され、例えば、特願平5-214545公報で
は、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂との樹脂組成物にイソシアネート化合物を添加して硬
化させた樹脂組成物が好ましい、と開示している。
その機能部分を磁気記録媒体基体へ熱転写加工する装置
としては、通称、ロール・オン転写機と呼ばれる加工機
があり、一般的に使用されている。ロール・オン転写機
では、転写型磁気記録シートを接着剤層側で磁気記録媒
体基体に熱溶融圧着することにより磁性層および保護層
等の機能部分を磁気記録媒体基体上に残す一方、転写用
支持体は連続したテープ状形態のまま、必要部分のみが
引き剥がされた形で移動するという熱転写加工方式を採
っている。すなわち、転写型磁気記録シートの転写用支
持体から、磁性層および保護層等の機能部分のみをアイ
ランド状に引き剥がし、それを磁気記録媒体基体上に写
すという加工形態を採る。このようなロール・オン転写
機で使用する転写型磁気記録シートの保護層組成は従来
より研究・提案され、例えば、特願平5-214545公報で
は、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂との樹脂組成物にイソシアネート化合物を添加して硬
化させた樹脂組成物が好ましい、と開示している。
【0003】しかしながら、上記公報で開示の樹脂組成
物では、未だ、剥離強度が大きく、現行のロール・オン
転写機の性能をフルに発揮させるまでには至っていない
のが実状である。すなわち、安定した剥離状態を維持す
るためには、剥離加工速度を制限せざるを得ないのであ
る。そのため、このことがボトルネックとなり、近年、
特に要請が強まっている生産性の向上が進展しないとい
う問題点を生じさせてきていた。また、剥離強度が大き
いということは、熱転写する機能層部分の抜き特性を劣
悪にしたり転写用支持体の破断を起こすなどして、製品
不良や工程トラブルを発生させる原因となる欠点であっ
た。
物では、未だ、剥離強度が大きく、現行のロール・オン
転写機の性能をフルに発揮させるまでには至っていない
のが実状である。すなわち、安定した剥離状態を維持す
るためには、剥離加工速度を制限せざるを得ないのであ
る。そのため、このことがボトルネックとなり、近年、
特に要請が強まっている生産性の向上が進展しないとい
う問題点を生じさせてきていた。また、剥離強度が大き
いということは、熱転写する機能層部分の抜き特性を劣
悪にしたり転写用支持体の破断を起こすなどして、製品
不良や工程トラブルを発生させる原因となる欠点であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため本発明では、
現行のロール・オン転写機使用において、その剥離加工
速度を最大限に取って運転・稼動することが可能な剥離
特性を持つ転写型磁気記録シートの提供、並びに、剥離
不良に伴う製品不良や工程トラブルの発生を防止するこ
とが可能な剥離特性を持つ転写型磁気記録シートの提
供、それはすなわち、両者を満足させる剥離特性として
の、転写用支持体と剥離性保護層との剥離強度が50〜
150g/10mmであって、かつ、抜き特性の良い剥離
性保護層組成の提供を目的とする。
現行のロール・オン転写機使用において、その剥離加工
速度を最大限に取って運転・稼動することが可能な剥離
特性を持つ転写型磁気記録シートの提供、並びに、剥離
不良に伴う製品不良や工程トラブルの発生を防止するこ
とが可能な剥離特性を持つ転写型磁気記録シートの提
供、それはすなわち、両者を満足させる剥離特性として
の、転写用支持体と剥離性保護層との剥離強度が50〜
150g/10mmであって、かつ、抜き特性の良い剥離
性保護層組成の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、剥離性保
護層の結着剤樹脂として使用するアクリル樹脂と塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合系に関して鋭意検
討の結果、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の種類
を固定したとき、アクリル樹脂として、特定のガラス
転移点温度・Tg(℃)にあるアクリル樹脂を使用する、
アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
との樹脂組成比を特定の比率とする、またそれらおよ
びの構成に加えて、特定の調製法による剥離性向上
剤を添加することにより、目的の剥離強度を有した剥離
性保護層組成を得ることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
護層の結着剤樹脂として使用するアクリル樹脂と塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合系に関して鋭意検
討の結果、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の種類
を固定したとき、アクリル樹脂として、特定のガラス
転移点温度・Tg(℃)にあるアクリル樹脂を使用する、
アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
との樹脂組成比を特定の比率とする、またそれらおよ
びの構成に加えて、特定の調製法による剥離性向上
剤を添加することにより、目的の剥離強度を有した剥離
性保護層組成を得ることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】剥離性保護層の主要結着剤樹脂構成は、ア
クリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂であ
る。そして、このうちの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂は、剥離性保護層と隣接して磁気記録機能におけ
る実質的機能層である磁性層の主要結着剤樹脂でもあ
る。ところで、剥離性保護層と磁性層との間では、転写
用支持体と剥離性保護層との間における剥離性とは逆
に、強固な接着力を必要とする。同種の樹脂であれば、
親和力が大きく、強い接着力を確保することが可能であ
る。そのため、保護層用の結着剤樹脂から塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体樹脂を削除したり、種類を変更する
ことは困難であると考え、もう一方の保護層構成樹脂で
あるアクリル樹脂の物性を変更することで、剥離性の改
良ができないかを検討した。その結果、アクリル樹脂の
ガラス転移点・Tgの相違によって、剥離性および抜き特
性に効果があることを見出した。ここで、剥離性とは、
剥離性保護層からの転写用支持体の引き剥がしの難易、
すなわち、剥離強度測定値の大小から評価する特性であ
り、それに対し、抜き特性とは、熱転写物自体の形状な
いしは輪郭部などの鮮鋭性から官能的に評価する特性で
ある。供試したアクリル樹脂では、ガラス転移点・Tgが
50℃以下、または、100℃以上の双方で剥離性が大きく
低下し、所望の剥離性、すなわち、剥離強度値が50〜15
0g/10mmが得られるのは、60≦Tg≦80の範囲で
あった。このように、Tgに最適範囲が存在するというこ
とから、剥離性が変動する原因は、剥離性保護層がロー
ル・オン転写機から受ける熱量に関係していると判断で
きた。すなわち、Tgが高過ぎると固着力が強いままのた
めに、逆に、Tgが低過ぎると粘着性が出るために、両者
のいずれでも、剥離強度が増加したり抜き特性が悪化し
たりする結果となって、剥離性が不良になるものであ
る。
クリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂であ
る。そして、このうちの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂は、剥離性保護層と隣接して磁気記録機能におけ
る実質的機能層である磁性層の主要結着剤樹脂でもあ
る。ところで、剥離性保護層と磁性層との間では、転写
用支持体と剥離性保護層との間における剥離性とは逆
に、強固な接着力を必要とする。同種の樹脂であれば、
親和力が大きく、強い接着力を確保することが可能であ
る。そのため、保護層用の結着剤樹脂から塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体樹脂を削除したり、種類を変更する
ことは困難であると考え、もう一方の保護層構成樹脂で
あるアクリル樹脂の物性を変更することで、剥離性の改
良ができないかを検討した。その結果、アクリル樹脂の
ガラス転移点・Tgの相違によって、剥離性および抜き特
性に効果があることを見出した。ここで、剥離性とは、
剥離性保護層からの転写用支持体の引き剥がしの難易、
すなわち、剥離強度測定値の大小から評価する特性であ
り、それに対し、抜き特性とは、熱転写物自体の形状な
いしは輪郭部などの鮮鋭性から官能的に評価する特性で
ある。供試したアクリル樹脂では、ガラス転移点・Tgが
50℃以下、または、100℃以上の双方で剥離性が大きく
低下し、所望の剥離性、すなわち、剥離強度値が50〜15
0g/10mmが得られるのは、60≦Tg≦80の範囲で
あった。このように、Tgに最適範囲が存在するというこ
とから、剥離性が変動する原因は、剥離性保護層がロー
ル・オン転写機から受ける熱量に関係していると判断で
きた。すなわち、Tgが高過ぎると固着力が強いままのた
めに、逆に、Tgが低過ぎると粘着性が出るために、両者
のいずれでも、剥離強度が増加したり抜き特性が悪化し
たりする結果となって、剥離性が不良になるものであ
る。
【0007】また、Tg(℃)が60≦Tg≦80である特
定のアクリル樹脂を使用するという条件に加えて、アク
リル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との樹
脂組成比を変化させた場合は、アクリル樹脂の組成比・
RAC(質量%)が40≦RAC≦80の範囲、特に好まし
くは、55≦RAC≦65で、剥離性の良い所望の剥離性
保護層を得ることが可能であった。この挙動の根拠も上
記同様の原因によるものと推定できるが、詳細は不明で
ある。
定のアクリル樹脂を使用するという条件に加えて、アク
リル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との樹
脂組成比を変化させた場合は、アクリル樹脂の組成比・
RAC(質量%)が40≦RAC≦80の範囲、特に好まし
くは、55≦RAC≦65で、剥離性の良い所望の剥離性
保護層を得ることが可能であった。この挙動の根拠も上
記同様の原因によるものと推定できるが、詳細は不明で
ある。
【0008】さらに、Tg(℃)が60≦Tg≦80であっ
て、かつ、RAC(質量%)が40≦RAC≦80とすると
いう2種の条件に加えて、剥離性向上剤として、硝化綿
樹脂を用いて分散したポリエチレンワックスを添加する
ことにより、一層顕著な剥離性向上の効果を発揮するこ
とを確認した。しかし、この原因については、現段階で
は、詳細不明である。
て、かつ、RAC(質量%)が40≦RAC≦80とすると
いう2種の条件に加えて、剥離性向上剤として、硝化綿
樹脂を用いて分散したポリエチレンワックスを添加する
ことにより、一層顕著な剥離性向上の効果を発揮するこ
とを確認した。しかし、この原因については、現段階で
は、詳細不明である。
【0009】なお当然のことながら、上記の各事項は、
剥離性保護層に要求される他の特性、すなわち、磁性層
との強接着性、耐熱性、耐薬品性および耐擦過性などの
機械的特性等を損うことがない保護層組成であることは
確認済みである。
剥離性保護層に要求される他の特性、すなわち、磁性層
との強接着性、耐熱性、耐薬品性および耐擦過性などの
機械的特性等を損うことがない保護層組成であることは
確認済みである。
【0010】
【発明の実施の形態】先ず、図面により、本発明の転写
型磁気記録シートとそれを磁気記録媒体の基体上に転写
する方式について説明する。図1は、本発明の転写型磁
気記録シート積層構造を示す縦断面図である。1が転写
用支持体、2が剥離性保護層、3が磁性層、4が接着剤
層であって、図では上下が逆になっているが、1の表面
上に2〜4を、順次、各々調製した塗料組成物をもって
公知慣用の塗工機により塗設して積層体構造とし、転写
型磁気記録シートとしたものである。図2は、磁気記録
媒体:磁気カードの基体に、本発明の転写型磁気記録シ
ートを転写加工する方式を示していて、ロール・オン方
式と呼ぶ本方式による、ロール・オン転写機と称する装
置の概略図である。この転写機では、転写幅の凸部を持
った熱ロール5の下に抑えロール6があり、この間を本
発明の転写型磁気記録シート7と被転写体である磁気カ
ード基体8を、7の接着剤層面と8の表面とが密着する
形で通過させることにより、両者を熱圧着する。この
後、図1に示した転写用支持体1を、連続した形態のま
ま前進方向・上方に移動させることにより、基体上に熱
圧着している剥離性保護層2との層間で、物理的・機械
的に剥離する。この剥離操作により、剥離性保護層以下
の磁気記録機能層部分は熱圧着されたままでカード基体
上に止まる。一方、熱圧着されなかった部分は、剥離が
行われず転写型磁気記録シート構造のままで、不要とな
った転写用支持体と共に、回収または廃棄処分に回され
る。この一連の転写工程により、図2の熱ロール5にお
ける転写幅凸部領域での熱転写部分のみがストライプ状
の磁気記録機能層部分となり、磁気記録カード9を形成
する。
型磁気記録シートとそれを磁気記録媒体の基体上に転写
する方式について説明する。図1は、本発明の転写型磁
気記録シート積層構造を示す縦断面図である。1が転写
用支持体、2が剥離性保護層、3が磁性層、4が接着剤
層であって、図では上下が逆になっているが、1の表面
上に2〜4を、順次、各々調製した塗料組成物をもって
公知慣用の塗工機により塗設して積層体構造とし、転写
型磁気記録シートとしたものである。図2は、磁気記録
媒体:磁気カードの基体に、本発明の転写型磁気記録シ
ートを転写加工する方式を示していて、ロール・オン方
式と呼ぶ本方式による、ロール・オン転写機と称する装
置の概略図である。この転写機では、転写幅の凸部を持
った熱ロール5の下に抑えロール6があり、この間を本
発明の転写型磁気記録シート7と被転写体である磁気カ
ード基体8を、7の接着剤層面と8の表面とが密着する
形で通過させることにより、両者を熱圧着する。この
後、図1に示した転写用支持体1を、連続した形態のま
ま前進方向・上方に移動させることにより、基体上に熱
圧着している剥離性保護層2との層間で、物理的・機械
的に剥離する。この剥離操作により、剥離性保護層以下
の磁気記録機能層部分は熱圧着されたままでカード基体
上に止まる。一方、熱圧着されなかった部分は、剥離が
行われず転写型磁気記録シート構造のままで、不要とな
った転写用支持体と共に、回収または廃棄処分に回され
る。この一連の転写工程により、図2の熱ロール5にお
ける転写幅凸部領域での熱転写部分のみがストライプ状
の磁気記録機能層部分となり、磁気記録カード9を形成
する。
【0011】転写用支持体の材料としては、離型性の良
い合成紙や合成樹脂フィルムを使用し、中でも、厚さが
15〜100μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムが好ましい。
い合成紙や合成樹脂フィルムを使用し、中でも、厚さが
15〜100μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムが好ましい。
【0012】剥離性保護層は、結着剤樹脂としてアクリ
ル樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、剥
離性向上剤としてポリエチレンコンパウンド、さらに硬
化剤としてイソシアネート化合物を配合することにより
形成する。
ル樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、剥
離性向上剤としてポリエチレンコンパウンド、さらに硬
化剤としてイソシアネート化合物を配合することにより
形成する。
【0013】剥離性保護層用のアクリル樹脂としては、
コーティング用として市販されている有機溶剤系の熱可
塑性アクリル樹脂を用いることが出来る。一例としては
ローム&ハース社製パラロイドAー11、A−21、B
−60,B−66、三菱レーヨン社製ダイヤナールBR
ー50BR−80、BR−85等が挙げられる。
コーティング用として市販されている有機溶剤系の熱可
塑性アクリル樹脂を用いることが出来る。一例としては
ローム&ハース社製パラロイドAー11、A−21、B
−60,B−66、三菱レーヨン社製ダイヤナールBR
ー50BR−80、BR−85等が挙げられる。
【0014】塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体としては
積水化学社製エスレックA、UCC社製VAGH、日本
ゼオン社製MRー1110等が挙げられが、中でもエス
レックAが良・剥離性を有し、ロール・オン転写機用に
適している。
積水化学社製エスレックA、UCC社製VAGH、日本
ゼオン社製MRー1110等が挙げられが、中でもエス
レックAが良・剥離性を有し、ロール・オン転写機用に
適している。
【0015】アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体の組成比は、アクリル樹脂の比率=40〜80質
量%がロール・オン転写機を使用する際には適してお
り、中でもアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂の比率が60/40、すなわち、RAC=60の
場合に、剥離性、抜き特性とも良かった。
重合体の組成比は、アクリル樹脂の比率=40〜80質
量%がロール・オン転写機を使用する際には適してお
り、中でもアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂の比率が60/40、すなわち、RAC=60の
場合に、剥離性、抜き特性とも良かった。
【0016】転写型磁気シートの剥離性保護層には、転
写用支持体との層間剥離性をより向上させるためや磁気
ヘッドによる書き込み、読みとり時における機械的特性
の向上化などのために、ポリオレフィンワックス、天然
ワックス、シリコンワックス等を添加することができ
る。このうち、ポリエチレンワックスが好ましい。また
ここで、ポリエチレンワックスを硝化綿樹脂で練肉・ペ
ースト化して添加した場合は、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体樹脂で同様に調製した場合(後述した比較例
4)に比較して、一段と優れた剥離性と抜き特性を示し
た。
写用支持体との層間剥離性をより向上させるためや磁気
ヘッドによる書き込み、読みとり時における機械的特性
の向上化などのために、ポリオレフィンワックス、天然
ワックス、シリコンワックス等を添加することができ
る。このうち、ポリエチレンワックスが好ましい。また
ここで、ポリエチレンワックスを硝化綿樹脂で練肉・ペ
ースト化して添加した場合は、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体樹脂で同様に調製した場合(後述した比較例
4)に比較して、一段と優れた剥離性と抜き特性を示し
た。
【0017】剥離性保護層には、イソシアネート化合物
を硬化剤として添加することができる。その添加量割合
は、剥離性保護層樹脂の総量に対して、2〜30質量%
の範囲が好ましい。
を硬化剤として添加することができる。その添加量割合
は、剥離性保護層樹脂の総量に対して、2〜30質量%
の範囲が好ましい。
【0018】剥離性保護層は、樹脂、添加剤、硬化剤、
溶剤からなる剥離性保護層用塗料組成物を調製し、それ
を転写用支持体上に乾燥塗膜が0.4〜2.0μmの範
囲になるように塗布・乾燥した後、40℃・5日間エー
ジングして形成する。
溶剤からなる剥離性保護層用塗料組成物を調製し、それ
を転写用支持体上に乾燥塗膜が0.4〜2.0μmの範
囲になるように塗布・乾燥した後、40℃・5日間エー
ジングして形成する。
【0019】磁性層は、公知慣用の方法にて磁性層用塗
料組成物を調製し、上記剥離性保護層上に、乾燥塗膜厚
が2〜20μmの範囲になるように塗布して乾燥させる
ことにより形成する。
料組成物を調製し、上記剥離性保護層上に、乾燥塗膜厚
が2〜20μmの範囲になるように塗布して乾燥させる
ことにより形成する。
【0020】磁性層を構成する結着剤樹脂としては、例
えば、塩化ビニルおよび酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、無水マレイン酸あるいはアクリル酸との共重合体等
の如き塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース樹脂の如き
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。結着
剤樹脂の使用量は、磁性粉末に対し20〜30質量%の
範囲が好ましい。但し磁性粉としてバリウムフェライト
磁性粉末を用いる場合は、結着剤樹脂の使用量は5〜1
5重量%の範囲が好ましい。
えば、塩化ビニルおよび酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、無水マレイン酸あるいはアクリル酸との共重合体等
の如き塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース樹脂の如き
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。結着
剤樹脂の使用量は、磁性粉末に対し20〜30質量%の
範囲が好ましい。但し磁性粉としてバリウムフェライト
磁性粉末を用いる場合は、結着剤樹脂の使用量は5〜1
5重量%の範囲が好ましい。
【0021】磁性層用塗料組成物には、磁性粉の分散安
定化のために公知慣用の分散安定剤や界面活性剤等を添
加することができる。また、磁性層用塗料組成物の調製
は、公知慣用の混練機で行うことができ、混練機として
は、例えば2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミ
ル、バブルミル、トロンミル、サンドグラインドミル、
セグバリアトライタ、高速インペラ分散機、高速ストー
ンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ、加圧ニーダ、高速
ミキサ、ホモジナイザ等が挙げられる。
定化のために公知慣用の分散安定剤や界面活性剤等を添
加することができる。また、磁性層用塗料組成物の調製
は、公知慣用の混練機で行うことができ、混練機として
は、例えば2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミ
ル、バブルミル、トロンミル、サンドグラインドミル、
セグバリアトライタ、高速インペラ分散機、高速ストー
ンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ、加圧ニーダ、高速
ミキサ、ホモジナイザ等が挙げられる。
【0022】接着剤層は、例えば、熱可塑性樹脂と樹脂
フィラー及び有機溶剤を含有する塗料を上記磁性層上に
乾燥塗膜厚が0.4〜8.0μmの範囲となるように塗
布し、乾燥することにより形成する。また、使用する結
着剤樹脂としては、積層に当たって上記磁性層と良好に
接着し、さらに転写された際、被転写体である磁気記録
媒体基体にも良好な強度で接着するものである必要性が
ある。それらとしては、例えば塩化ビニルおよび酢酸ビ
ニルとビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアク
リル酸との共重合体等の塩化ビニル系樹脂、アクリル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ
る。とくに常温でタックフリーであるが、加熱により粘
接着性を発現するホットメルト型接着剤となりうる結着
剤樹脂を用いることが好ましい。
フィラー及び有機溶剤を含有する塗料を上記磁性層上に
乾燥塗膜厚が0.4〜8.0μmの範囲となるように塗
布し、乾燥することにより形成する。また、使用する結
着剤樹脂としては、積層に当たって上記磁性層と良好に
接着し、さらに転写された際、被転写体である磁気記録
媒体基体にも良好な強度で接着するものである必要性が
ある。それらとしては、例えば塩化ビニルおよび酢酸ビ
ニルとビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアク
リル酸との共重合体等の塩化ビニル系樹脂、アクリル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ
る。とくに常温でタックフリーであるが、加熱により粘
接着性を発現するホットメルト型接着剤となりうる結着
剤樹脂を用いることが好ましい。
【0023】上記各々塗料組成物の塗布方式としては、
例えばエアードクターコート、ブレードコート、ロッド
コート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイ
ズコート、含心コート、リバースロールコート、トラン
スファーコート、スプレイコート等が挙げられる。
例えばエアードクターコート、ブレードコート、ロッド
コート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイ
ズコート、含心コート、リバースロールコート、トラン
スファーコート、スプレイコート等が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定される
ものではない。なお、以下で、部は質量部を表す。 (実施例1)転写用支持体として厚み24μmのPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用い、この
フィルムの片面上に下記a、b、cの各塗料組成物を用
いて、厚さ1μmの剥離性保護層、厚さ10μmの磁性
層、厚さ2μmの接着剤層を、順次、塗布・乾燥して転
写型磁気記録シートを形成した後、それを所定幅でテー
プ状に裁断して、転写型磁気テープを作成した。
さらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定される
ものではない。なお、以下で、部は質量部を表す。 (実施例1)転写用支持体として厚み24μmのPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用い、この
フィルムの片面上に下記a、b、cの各塗料組成物を用
いて、厚さ1μmの剥離性保護層、厚さ10μmの磁性
層、厚さ2μmの接着剤層を、順次、塗布・乾燥して転
写型磁気記録シートを形成した後、それを所定幅でテー
プ状に裁断して、転写型磁気テープを作成した。
【0025】 <剥離性保護層用のアクリル樹脂として、Tg=75℃のアクリル樹脂を使用した例 を示す。> a.剥離性保護層用塗料組成物 熱可塑性アクリル樹脂 4.5部 (パラロイドBー60;ローム&ハース社) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 3.0部 (エスレックA;積水化学社製) ポリエチレンワックス 0.5部 (三井ハイワックス200PF;三井化学社製) ポリエチレン分散用硝化綿樹脂 0.7部 (MNC−27;昭永化学工業社製) メチルエチルケトン(MEK) 43.1部 トルエン 43.1部 イソプロピルアルコール(IPA) 4.0部 ポリイソシアネート 1.1部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0026】 b.磁性層用塗料組成物 CO含有γ−Fe2O3酸化鉄 40.0部 (MCー127;戸田工業社製) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒ゛ニルアルコール共重合体 4.0部 (エスレックA;積水化学社製) ポリウレタン樹脂 2.0部 (TS−03;大日本インキ化学工業社製) メチルエチルケトン(MEK) 22.0部 トルエン 22.0部 シクロヘキサノン 10.0部 ポリイソシアネート 1.2部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0027】 c.接着剤層 塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒ゛ニルアルコール共重合体 4.0部 (VMCH;UCC社製) ポリウレタン樹脂 31.0部 (TS−03;大日本インキ化学工業社製) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 11.0部 メチルエチルケトン(MEK) 9.0部 トルエン 42.0部
【0028】 (実施例2) <実施例1のa.剥離性保護層用塗料組成物の配合において、アクリル樹脂成分 と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の配合比率を変更した例を示す。> 熱可塑性アクリル樹脂 3.8部 (パラロイドBー60;ローム&ハース社) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 3.8部 (エスレックA;積水化学社製) ポリエチレンワックス 0.5部 (三井ハイワックス200PF;三井化学社製) ポリエチレン分散用硝化綿樹脂 0.7部 (MNC−27;昭永化学工業社製) メチルエチルケトン(MEK) 43.1部 トルエン 43.1部 イソプロピルアルコール(IPA) 4.0部 ポリイソシアネート 1.1部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0029】 (比較例1) <特願平5−214545号に示されている、ロール・オン転写機用磁気記録シ ートを、上記の実施例と比較検討した例を示す。> 熱可塑性アクリル樹脂 2.0部 (パラロイドAー11;ローム&ハース社) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 8.0部 (エスレックA;積水化学社製) メチルエチルケトン(MEK) 45.0部 トルエン 45.0部 ポリイソシアネート 0.8部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0030】 (比較例2) <実施例1のa.剥離性保護層用組成物の配合において、アクリル樹脂成分とし て、ガラス転移点の高い、パラロイドA−21(Tg=105℃)を用いた場合の 例を示す。> なお、以下におけるb、cの各塗料組成物は、実施例1と同配合である。 熱可塑性アクリル樹脂 4.5部 (パラロイドAー21;ローム&ハース社) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 3.0部 (エスレックA;積水化学社製) ポリエチレンワックス 0.5部 (三井ハイワックス200PF;三井化学社製) ポリエチレン分散用硝化綿樹脂 0.7部 (MNC−27;昭永化学工業社製) メチルエチルケトン(MEK) 43.1部 トルエン 43.1部 イソプロピルアルコール(IPA) 4.0部 ポリイソシアネート 1.1部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0031】 (比較例3) <実施例1のa.剥離性保護層用塗料組成物の配合において、アクリル樹脂とし て、ガラス転移点の低い、パラロイドBー66(Tg=50℃)を用いた場合の例 を示す。> 熱可塑性アクリル樹脂 4.5部 (パラロイドB−66;ローム&ハース社) 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 3.0部 (エスレックA;積水化学社製) ポリエチレンワックス 0.5部 (三井ハイワックス200PF;三井化学社製) ポリエチレン分散用硝化綿樹脂 0.7部 (MNC−27;昭永化学工業社製) メチルエチルケトン(MEK) 43.1部 トルエン 43.1部 イソプロピルアルコール(IPA) 4.0部 ポリイソシアネート 1.1部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0032】 (比較例4) <実施例1のa.剥離性保護層用塗料組成物の配合において、ポリエチレンワッ クスの種類と分散用樹脂の種類を変えた例を示す。> 熱可塑性アクリル樹脂 3.8部 (パラロイドBー60;ローム&ハース社) 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 3.8部 (エスレックA;積水化学社製) 低分子量ポリエチレン 1.7部 (VGDポリコン;大日本インキ化学工業社製) ポリエチレン分散用ビニル系樹脂 0.7部 メチルエチルケトン(MEK) 43.1部 トルエン 43.1部 イソプロピルアルコール(IPA) 4.0部 ポリイソシアネート 1.1部 (コロネートL;日本ポリウレタン社製)
【0033】(試験項目および試験方法) <剥離性試験(剥離強度測定)>上記実施例1〜2、比
較例1〜4で作成した転写型磁気記録シートから、幅1
0mm、長さ20mmの短冊状テープピースを切り取
る。このテープピースを使用して、188μm厚・乳白
色ポリエステルフィルムの上に100μm厚・透明塩ビ
フィルム、さらにその上にテープピースと重ねて3層構
造の積層シートを作成する。次にこの積層シートに、ヒ
ートシラーを用い、ヒートバー300×25mm、14
0℃、2秒、0.4Mpaの条件で熱プレスして、剥離
強度測定用サンプルを作成する。剥離強度測定用サンプ
ルを供試し、剥離強度を測定する。測定方法および条件
は、高速剥離試験機(テスター産業株式会社製)を用
い、速度10m/秒、温度25℃での測定とする。
較例1〜4で作成した転写型磁気記録シートから、幅1
0mm、長さ20mmの短冊状テープピースを切り取
る。このテープピースを使用して、188μm厚・乳白
色ポリエステルフィルムの上に100μm厚・透明塩ビ
フィルム、さらにその上にテープピースと重ねて3層構
造の積層シートを作成する。次にこの積層シートに、ヒ
ートシラーを用い、ヒートバー300×25mm、14
0℃、2秒、0.4Mpaの条件で熱プレスして、剥離
強度測定用サンプルを作成する。剥離強度測定用サンプ
ルを供試し、剥離強度を測定する。測定方法および条件
は、高速剥離試験機(テスター産業株式会社製)を用
い、速度10m/秒、温度25℃での測定とする。
【0034】(試験結果)得られた結果は、「表1.高
速剥離試験評価結果」として、まとめて示した。
速剥離試験評価結果」として、まとめて示した。
【表1】表1.高速剥離試験評価結果 表1.に示した結果より、剥離性保護層に用いるアクリ
ル樹脂相互の比較で、そのガラス転移点・Tg(℃)が6
0〜80℃の範囲にある樹脂が、それ以外のTg=50℃
やTg=100または105℃の樹脂に比べて、剥離強度
が小さくなっているのが判る。また、剥離性保護層中の
アクリル樹脂の組成比・RACは、RAC=50〜60質量
%で所望の剥離強度になっていることも判る。さらに、
ポリエチレンワックスの分散用樹脂として硝化綿を用い
ると剥離強度の軽減に効果(剥離強度が260から13
0へ減少する)が見られた。以上の剥離性向上効果は、
現場型の実機である、ロール・オン転写機で確認するこ
とできた。現在、既設のロール・オン転写機が最大加工
性能を発揮するための条件としては、高速剥離試験機で
の剥離強度値が50〜150g/10mmの範囲内にある
こと、となっている。これに対し、従来技術である比較
例1.では300g/10mmであった。この点から、実
施例1と2、特に1の剥離性保護層の組成は、目的を十
分に達成するものであった。
ル樹脂相互の比較で、そのガラス転移点・Tg(℃)が6
0〜80℃の範囲にある樹脂が、それ以外のTg=50℃
やTg=100または105℃の樹脂に比べて、剥離強度
が小さくなっているのが判る。また、剥離性保護層中の
アクリル樹脂の組成比・RACは、RAC=50〜60質量
%で所望の剥離強度になっていることも判る。さらに、
ポリエチレンワックスの分散用樹脂として硝化綿を用い
ると剥離強度の軽減に効果(剥離強度が260から13
0へ減少する)が見られた。以上の剥離性向上効果は、
現場型の実機である、ロール・オン転写機で確認するこ
とできた。現在、既設のロール・オン転写機が最大加工
性能を発揮するための条件としては、高速剥離試験機で
の剥離強度値が50〜150g/10mmの範囲内にある
こと、となっている。これに対し、従来技術である比較
例1.では300g/10mmであった。この点から、実
施例1と2、特に1の剥離性保護層の組成は、目的を十
分に達成するものであった。
【発明の効果】本発明の転写型磁気記録シートは、既設
のロール・オン転写機で使用した場合、従来品に比較し
て、剥離性、抜き特性が著しく向上している。そのた
め、磁気記録媒体製造における転写・剥離加工工程で、
その加工速度を大きくすることが出来、大幅な、生産効
率の向上が可能となる。また、製品不良化の原因が減少
し、製品のコストダウン、資源の節約、廃棄物の低減
化、等にも著しい効果を奏する。
のロール・オン転写機で使用した場合、従来品に比較し
て、剥離性、抜き特性が著しく向上している。そのた
め、磁気記録媒体製造における転写・剥離加工工程で、
その加工速度を大きくすることが出来、大幅な、生産効
率の向上が可能となる。また、製品不良化の原因が減少
し、製品のコストダウン、資源の節約、廃棄物の低減
化、等にも著しい効果を奏する。
【図1】本発明の、転写型磁気記録シートの縦断面図で
ある。
ある。
【図2】転写・剥離工程を行なうロール・オン転写機の
概略図である。
概略図である。
1 転写用支持体 2 剥離性保護層 3 磁性層 4 接着剤層 5 熱転写ロール 6 押えロール 7 転写型磁気記録シート(テープ状形態への加工物) 8 磁気記録媒体基体(磁気記録カード基体) 9 磁気記録媒体(磁気記録カード)
Claims (3)
- 【請求項1】 転写用支持体上に、少なくとも、結着剤
樹脂としてのアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂とを含有する剥離性保護層、磁性粉を結着剤
樹脂中に分散してなる磁性層および熱可塑性樹脂を含ん
でなる接着剤層とをこの順に積層した転写型磁気記録シ
ートにおいて、該剥離性保護層に含有させるアクリル樹
脂のガラス転移点をTg(℃)とするとき、Tgが、60≦
Tg≦80であることを特徴とする転写型磁気記録シー
ト。 - 【請求項2】 剥離性保護層におけるアクリル樹脂と塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との樹脂組成におい
て、アクリル樹脂の樹脂組成比をRAC(質量%)とする
とき、RACが、40≦RAC≦80であることを特徴とす
る請求項1記載の転写型磁気記録シート。 - 【請求項3】 剥離性保護層中に、剥離性向上剤とし
て、硝化綿樹脂を用いて分散したポリエチレンワックス
を含有させたことを特徴とする請求項2記載の転写型磁
気記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001025500A JP2002230738A (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 転写型磁気記録シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001025500A JP2002230738A (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 転写型磁気記録シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002230738A true JP2002230738A (ja) | 2002-08-16 |
Family
ID=18890479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001025500A Pending JP2002230738A (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 転写型磁気記録シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002230738A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009006656A (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-15 | Fujicopian Co Ltd | 熱転写磁気記録媒体 |
WO2016043236A1 (ja) * | 2014-09-16 | 2016-03-24 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
WO2016052243A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2016064651A (ja) * | 2014-09-16 | 2016-04-28 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
JP2016068561A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2017052278A (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2017056587A (ja) * | 2015-09-15 | 2017-03-23 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2020114668A (ja) * | 2020-02-14 | 2020-07-30 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
-
2001
- 2001-02-01 JP JP2001025500A patent/JP2002230738A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009006656A (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-15 | Fujicopian Co Ltd | 熱転写磁気記録媒体 |
EP3196041A4 (en) * | 2014-09-16 | 2018-04-25 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet |
WO2016043236A1 (ja) * | 2014-09-16 | 2016-03-24 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2016064651A (ja) * | 2014-09-16 | 2016-04-28 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
EP3527371A1 (en) * | 2014-09-16 | 2019-08-21 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet |
US9994056B2 (en) | 2014-09-16 | 2018-06-12 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet |
US10000081B2 (en) | 2014-09-30 | 2018-06-19 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet |
JP2016068562A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
WO2016052243A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2016068561A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
WO2017043650A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2017052278A (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
US10336115B2 (en) | 2015-09-11 | 2019-07-02 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet |
JP2017056587A (ja) * | 2015-09-15 | 2017-03-23 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2020114668A (ja) * | 2020-02-14 | 2020-07-30 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
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