JP2002229239A - 電子写真感光体とその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体とその製造方法

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JP2002229239A JP2001022489A JP2001022489A JP2002229239A JP 2002229239 A JP2002229239 A JP 2002229239A JP 2001022489 A JP2001022489 A JP 2001022489A JP 2001022489 A JP2001022489 A JP 2001022489A JP 2002229239 A JP2002229239 A JP 2002229239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層上にバインダー樹脂とフィラー、ある
いはバインダー樹脂とフィラーと電荷輸送物質からなる
表面層の積層で構成される高耐久電子写真感光体の製造
方法、その製造方法を用いた高耐久電子写真感光体を提
供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層と、
バインダー樹脂およびフィラーを含有する表面層の積層
で構成される電子写真感光体の製造方法において、バイ
ンダー樹脂を加えないでフィラーを溶媒に分散する工程
の後、バインダー樹脂の溶解液と混合することにより該
表面層を形成する塗工液を作成することを特徴とする電
子写真感光体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体の表
面層中にフィラーを含有させた電子写真感光体の製造方
法、電子写真感光体及びこの電子写真感光体を搭載した
電子写真装置に関し、より詳しくは長寿命、高耐久電子
写真感光体及びこの電子写真感光体を搭載した電子写真
装置に関する。本発明の電子写真感光体およびそれを用
いた電子写真プロセスは、複写機、ファクシミリ、レー
ザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特開平07−1105
87号公報には、アゾ顔料の分散に脂環式ケトンを用
い、分散後にバインダーを加えることで、分散安定性に
優れた電荷発生層用塗布液が得られることが記載され、
特開平11−038652号公報には、有機電荷発生顔
料の分散にバインダーを加えず、分散後にバインダーを
加えることで、分散安定性を優れた電荷発生層用塗布液
が得られることが記載され、特開平08−006271
号公報には、電荷発生物質を疎水性分散剤とバインダー
樹脂中に分散することで、分散安定性に優れた電荷発生
層用塗布液が得られることが記載され、特開平06−3
32219号公報には、フッ素樹脂粉体と溶剤を高圧の
液衝突を用いて粉砕、分散することで表面層用塗布液が
得られることが記載されている。
【0003】近年、電子写真複写機、電子写真プリンタ
ーなどの高速化、小型化、高画質化に伴い感光体の高耐
久化が要求されている。感光体は電子写真プロセスにお
いて、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの反復過
程で機械的、化学的作用を受け劣化する。機械的劣化は
感光体の摩耗、傷、化学的劣化は発生するオゾンによる
バインダー樹脂、電荷移動材の酸化劣化、及び堆積物な
どによる画質低下が発生する。また、前記したように高
速化、小型化に伴い感光体が小径化され電子写真プロセ
スでの使用条件は厳しくなり、特にクリーニング部では
ゴムブレードが使用され、十分にクリーニングするため
にはゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、
そのために感光体の摩耗が促進され、電位変動、感度変
動が生じ、それによる異常画像、カラー画像の色バラン
スがくずれ色再現性に問題が発生するなどの不具合が生
じる。このために感光体の最表面にフィラーを添加する
技術が発案されている。
【0004】表面層にフィラーを添加する方法として
は、バインダー樹脂と溶剤にフィラーを分散させた塗工
液、あるいはバインダー樹脂と電荷移動物質と溶剤にフ
ィラーを分散させた塗工液を作成し、浸漬塗工法、リン
グ塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法等の塗工法を
用いて電荷輸送層上に塗布、乾燥して形成するのが一般
的である。このように形成されたフィラーを含む表面層
は均一な膜厚や均一なフィラー濃度が要求され、複写
機、プリンター等に搭載した場合に不均一な膜ではハー
フトーン画像に膜厚ムラに対応する濃淡ムラが発生する
という問題が発生する。また、膜中のフィラー粒子径が
2μm以上のものが増えると、塗膜がざらつき光の透過
率が減少するため、十分な感度が得られなくなり、画像
の階調性の低下、地汚れ等の問題が発生する。このよう
な塗膜の不均一性やフィラー粒子の凝集等の問題は、塗
布液中のフィラー分散状態の不良が原因であり、塗布液
中のフィラーの分散性を向上させることにより解決する
ことができる。
【0005】前述の特開平07−110587号公報、
特開平11−038652号公報に記載の方法は、有機
電荷発生顔料を溶媒に分散した後、バインダー樹脂の溶
解液を加えるというものである。これらは特定の有機電
荷発生顔料の分散に範囲が規定されており、本発明のよ
うな表面層に添加するフィラーの分散を対象にした発明
とは異なるものである。また、特開平08−00627
1号公報に記載の方法は、分散剤を電荷発生物質の粒子
表面に吸着することで分散安定性を高めることを目的と
しており、本発明のような表面層に添加するフィラーに
吸着させる分散剤とは組成や構造が全く異なるものであ
る。また、特開平06−332219号公報に記載の方
法は、フィラーを含む表面層用塗工液の分散に関するも
のであるが、表面層にバインダー樹脂を加える場合には
フィラーとバインダー樹脂を混合して分散するものであ
り、バインダー樹脂がフィラー粒子の粉砕を妨げるクッ
ションのように働くため粉砕効率が極めて悪く、バイン
ダー樹脂を加えないで分散を行なう本発明とは異なるも
のである。
【0006】一方、特開平08−044086号公報に
は、ボールミルの粉砕効率を向上させることで、分散性
に優れる感光層用塗工液を得ることが記載され、特開平
11−249324号公報には、ビーズミルにおいてプ
レ分散をなくすことで、分散性に優れる電荷発生層用塗
工液を得ることが記載され、特開2000−12663
8号公報には、ビーズミルに2mm以下のメディアを用
いることで、分散性に優れる電荷発生層用塗工液を得る
ことが記載され、特開平06−043672号公報に
は、0.4〜0.8mmのボールを用いて粉砕すること
で、分散性に優れる電荷発生層用塗工液を得ることが記
載され、特開平07−289870号公報には、湿式の
高圧霧化による分散方法が記載され、特開平06−33
2219号公報には高圧衝突による粉砕方法を用いるこ
とで、分散性に優れる表面層用塗工液を得ることが記載
されている。
【0007】前述の特開平08−044086号公報に
記載の方法はボールミルを用いて粉砕効率を向上させる
ものであり、特開平11−249324号公報に記載の
方法はビーズミルを用いて粉砕効率を向上させるもので
あり、特開2000−126638号公報に記載の方法
はビーズミルに2mm以下のボールを用いることで粉砕
効率を向上させるものであり、特開平06−04367
2号公報に記載の方法はボールミルに0.4〜0.8m
mのボールを用いることで粉砕効率を向上させるもので
ある。しかし、本発明は粉砕効率を抑えることで、衝撃
や摩擦による発熱を20℃以下に抑えるものであり、全
く逆の視点に立つ発明である。さらに、これらの発明は
共に特定の有機電荷発生顔料の分散に範囲が規定されて
おり、本発明のような表面層に添加するフィラーの分散
を対象にした発明とは全く異なるものである。
【0008】また、特開平07−289870号公報に
記載の方法は高圧の霧化により粉砕を行なうものであ
り、特開平06−332219号公報に記載の方法は高
圧の液衝突により粉砕を行なうものである。しかし、こ
れらの方法を用いた場合、衝撃や摩擦等による発熱量は
非常に大きく、温度上昇により分散剤がフィラー表面に
吸着できないことによる分散不良等の問題を生じる。更
に、前記特開平07−289870号公報に記載の方法
は、特定の有機電荷発生顔料の分散に範囲が規定されて
おり、本発明のような表面層に添加するフィラーの分散
を対象にした発明とは全く異なるものである。
【0009】さらに、特許登録第2946174号公報
には、表面層に遷移金属原子を0.1〜10ppm含有
する電子写真感光体が記載され、特開平08−1466
42号公報には、最表層にシリカ粒子を含み、シリカ粒
子中のAl、Ca、Fe濃度を1000ppm以下に規
定する電子写真感光体が記載され、特開平09−179
316号公報及び特開平09−265202号公報に
は、電荷発生層のバインダー樹脂に残存するNaイオン
が500ppm以下である電子写真感光体が記載され、
特開平11−194520号公報には、下引き層のバイ
ンダー樹脂に残存するNaイオンが40ppm以下であ
る電子写真感光体が記載され、特開2000−0030
49号公報には、電荷輸送層用塗工液から吸着材を用い
て有機酸を除去する方法が記載されている。
【0010】前述の特許登録02946174号公報に
記載のものは、表面層に遷移金属原子を0.1〜10p
pm含有するというものであり、特開平08−1466
42号公報に記載のものは最表層にシリカ粒子を含み、
シリカ粒子中のAl、Ca、Fe濃度を1000ppm
以下に規定するというものであり、同じ表面層内の元素
濃度を規定してはいるものの、対象としている元素が本
発明とは全く異なる。
【0011】また、特開平09−179316号公報、
特開平09−265202号公報に記載のものは電荷発
生層のバインダー樹脂に残存するNaイオンを500p
pm以下に規定するものであり、特開平11−1945
20号公報に記載のものは下引層のバインダー樹脂に残
存するNaイオンを40ppm以下に規定するものであ
り、対象とする層および元素が本発明とは全く異なる。
また、特開2000−003049号公報に記載のもの
は電荷輸送層用塗工液から吸着材を用いて有機酸を除去
するという方法であり、対象とする層も、除去対象とす
るイオンも本発明とは異なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、感光
層上にバインダー樹脂とフィラー、あるいはバインダー
樹脂とフィラーと電荷輸送物質からなる表面層の積層で
構成される高耐久電子写真感光体の製造方法、その製造
方法を用いた高耐久電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1群の本発明によれ
ば、導電性支持体上に直接または中間層を介して感光層
が積層され、この感光層上に少なくともバインダー樹脂
とフィラー、あるいはバインダー樹脂とフィラーと電荷
輸送物質を含有する表面層が積層される感光体の製造方
法において、バインダー樹脂を加えないでフィラーを溶
媒に分散することで、分散機内での粉砕力をバインダー
樹脂がクッションのように和らげることがなくなる。こ
のため粉砕効率が高くなり、短時間でフィラーを小粒径
化することが可能となるため、分散安定性を向上させる
ことが可能となる。加えて、バインダー樹脂を除いた量
だけ分散時のフィラー濃度を高くすることができるた
め、粉砕効率はさらに向上し、生産性のアップも可能と
なる。特に分散溶媒として、ケトン類、エーテル類を用
いることで、フィラーとの濡れ性が良くなるため、フィ
ラーのさらなる小粒径化が可能となり、分散安定性をよ
り向上させることができる。
【0014】フィラー含む表面層中に電荷輸送物質を含
有させることで、電荷輸送性の不良に起因すると考えら
れる明部電位上昇を抑えることができるため、地汚れの
ない画像を得ることが可能となる。さらに、高分子電荷
輸送物質を用いると膜の強度が向上するため、耐摩耗性
を向上させることができる。
【0015】フィラーとしては、有機顔料よりも無機顔
料のほうが硬度は高く耐摩耗性に優れている。無機顔料
の中でもシリカ、アルミナ、酸化チタンは特に耐摩耗性
に優れる材料であり、表面層に含有させることで高耐久
な感光体を得ることができる。
【0016】分散安定性を向上させる方法として分散剤
を添加する方法が知られているが、なかでも、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、あるいはそれらの構造を含む
共重合体、モノカルボン酸、有機脂肪酸は分散安定性に
優れ、しかも帯電不良や明部電位上昇等の不具合が発生
しないことを本発明者らは見い出した。これらの物質を
添加して分散することにより画像ムラや画像欠陥のない
高感度で高耐久な感光体を得ることができる。
【0017】以上の構成用件を満足させることにより、
高耐久性を有し、かつ繰り返し使用に対しても高画質画
像を安定に得られる電子写真感光体の製造方法、及びそ
れらの感光体を長期に渡って安定に製造することを可能
とするフィラー含有表面層用塗工液を提供することによ
って、高耐久化と高画質化を両立させる電子写真感光体
の製造方法として、第1群の本発明を完成させるに至っ
た。
【0018】また、第2群の本発明によれば、導電性基
体上に直接または中間層を介して感光層が積層され、こ
の感光層上に少なくともバインダー樹脂とフィラー、あ
るいはバインダー樹脂とフィラーと電荷輸送物質を含有
する表面層が積層される感光体の製造方法において、フ
ィラーを粉砕して溶媒中に分散する方法としてボールミ
ルやビーズミル、サンドミル、振動ミル、超音波等の分
散機を用いるのが一般的な方法である。フィラーは小粒
径化するほど分散安定性が向上するため、より大きな衝
撃力や摩擦力を加えて小さく砕くことが要求される。
【0019】しかし、分散剤を粉砕、分散工程に加える
場合には、フィラー表面への分散剤吸着による再凝集防
止が分散の進行する主要因となるため、粉砕力を大きく
するとかえって吸着した分散剤が離脱したり、吸着が阻
害されるような状況が起こってしまう。そして、余分に
加えられたエネルギーは熱となり分散液の温度上昇を招
くこととなる。
【0020】特に、感光体上に積層される表面層は分散
剤を加えることで帯電性が劣化したり、逆に電荷の残留
が起こることが多いため、分散剤の添加量は必要最小限
に抑える必要がある。したがって、フィラー粒子の表面
積に対する分散剤の量が少ないため、フィラー表面に効
率良く分散剤を吸着させることが要求されるわけであ
る。そこで、フィラー粉砕時の温度上昇と分散安定性の
関連性を基に本発明者らが鋭意検討した結果、粉砕時の
温度上昇が20℃以下となるように粉砕エネルギーを抑
えることで、分散安定性に優れたフィラー含有表面層用
塗工液が得られることを見い出した。
【0021】分散剤のなかでも、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、あるいはそれらの構造を含む共重合体、モ
ノカルボン酸、有機脂肪酸は分散安定性に優れ、しかも
帯電不良や明部電位上昇等の不具合が発生しないことも
本発明者らは見い出した。特に分散溶媒として、ケトン
類、エーテル類を用いることで、フィラーと分散剤の溶
解バランスが良くなるため、フィラーのさらなる小粒径
化が可能となり、分散安定性をより向上させることがで
きる。フィラーとしては、有機顔料よりも、無機顔料の
ほうが硬度は高く耐摩耗性に優れている。無機顔料の中
でもシリカ、アルミナ、酸化チタンは特に耐摩耗性に優
れる材料であり、表面層に含有させることで高耐久な感
光体を得ることができる。
【0022】分散方法としてはボールミルが最も優れて
おり、過剰な衝撃が少なく、温度上昇も少ないため、よ
り分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液の作
成が可能となる。ボールミルを用いる場合、ボール径が
10mmを越えると衝撃力が強すぎるため、分散安定性
が悪化するし、1mmよりも小さなボールを用いた場合
は、逆に衝撃力が弱すぎて小粒径化が困難となるため、
φ1mm以上10mm以下のボールを用いることで分散
安定性に優れた分散液の作成が可能となる。
【0023】フィラー含む表面層中に電荷輸送物質を含
有させることで、電荷輸送性の不良に起因すると考えら
れる明部電位上昇を抑えることができるため、地汚れの
ない画像を得ることが可能となる。さらに、高分子電荷
輸送物質を用いると膜の強度が向上するため、耐摩耗性
を向上させることができる。
【0024】以上の構成要項を満足することにより、高
耐久性を有し、かつ繰り返し使用に対しても高画質画像
を安定に得られる電子写真感光体の製造方法、及びそれ
らの感光体を長期に渡って安定に製造することを可能と
するフィラー含有表面層用塗工液を提供することによっ
て、高耐久化と高画質化を両立させる電子写真感光体の
製造方法として、第2群の本発明を完成させるに至っ
た。
【0025】更に、第3群の本発明においては、導電性
基体上に直接または中間層を介して感光層が積層され、
この感光層上に少なくともバインダー樹脂とフィラー、
あるいはバインダー樹脂とフィラーと電荷輸送物質を含
有する表面層が積層される感光体の製造方法において、
該表面層用塗工液中のフィラー分散状態は、負イオン、
特に塩素イオンにより大きく左右され、塩素イオン濃度
が増加するほどフィラーの分散粒径は大きくなり、沈降
性も悪化する傾向がある。このような分散安定性の悪化
する度合いは、該表面層用塗工液中のフィラーやバイン
ダー樹脂の濃度、溶媒の種類等によって差はあるもの
の、塩素イオン濃度が1ppm以下であれば沈降性に悪
化はみられず、このような塗工液を用いて作成した表面
層は、膜厚ムラやざらつきのない良好な塗膜が得られる
ことを見い出し、第3群の本発明に至った。
【0026】塩素イオンは溶媒に少量含有されている場
合があり、塩素イオン濃度が1ppmを越えるような溶
媒を使用すると、分散安定性の悪い表面層用塗工液がで
きあがってしまう。このような状況が発生しないため
に、あらかじめ溶媒から塩素イオンを除去する方法とし
て、イオン吸着材を用いることを考案した。
【0027】イオン吸着材として、活性白土、フロリジ
ル、塩基性アルミナは、塩素イオンの吸着力が高く、し
かも感光体の帯電特性に影響するような成分の溶出がな
いため、良好に使用することができる。
【0028】分散安定性を向上させる方法として、分散
剤を添加するという方法があるが、分散剤は表面層に含
有させた場合、帯電不良や明部電位上昇等の不具合が発
生することがあるため、必要最低限の添加量に制限され
る場合が多い。このように分散剤を表面層用塗工液に使
用した場合も同様に、塩素イオンの濃度が増加するほど
フィラーの分散粒径は大きくなり、沈降性も悪化する傾
向が現われるが、塩素イオン濃度が1ppm以下であれ
ば沈降性に悪化はみられない。
【0029】分散剤のなかでも、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、あるいはそれらの構造を含む共重合体、モ
ノカルボン酸、有機脂肪酸は分散安定性に優れ、しかも
帯電不良や明部電位上昇等の不具合が発生しないことも
本発明者らは見い出した。
【0030】フィラーとしては、有機顔料よりも、無機
顔料のほうが硬度は高く耐摩耗性に優れている。無機顔
料の中でもシリカ、アルミナ、酸化チタンは特に耐摩耗
性に優れる材料であり、表面層に含有させることで高耐
久な感光体を得ることができる。
【0031】フィラー含む表面層中に電荷輸送物質を含
有させることで、電荷輸送性の不良に起因すると考えら
れる明部電位上昇を抑えることができるため、地汚れの
ない画像を得ることが可能となる。さらに、高分子電荷
輸送物質を用いると膜の強度が向上するため、耐摩耗性
を向上させることができる。
【0032】以上の構成要項を満足することにより、高
耐久性を有し、かつ繰り返し使用に対しても高画質画像
を安定に得られる電子写真感光体の製造方法、及びそれ
らの感光体を長期に渡って安定に製造することを可能と
するフィラー含有表面層用塗工液を提供することによっ
て、高耐久化と高画質化を両立させる電子写真感光体の
製造方法として、第3群の本発明を完成させるに至っ
た。
【0033】即ち、上記課題は、本発明の(1)「導電
性支持体上に少なくとも感光層と、バインダー樹脂およ
びフィラーを含有する表面層の積層で構成される電子写
真感光体の製造方法において、バインダー樹脂を加えな
いでフィラーを溶媒に分散する工程の後、バインダー樹
脂の溶解液と混合することにより該表面層を形成する塗
工液を作成することを特徴とする電子写真感光体の製造
方法」、(2)「導電性支持体上に少なくとも感光層
と、バインダー樹脂およびフィラーを含有する表面層の
積層で構成される電子写真感光体の製造方法において、
分散剤を用いてフィラーを溶媒及びバインダー樹脂に分
散する粉砕工程、あるいは分散剤を用いてフィラーを溶
媒に分散する粉砕工程での液温度上昇量が20℃以下で
あることを特徴とする電子写真感光体の製造方法」、
(3)「導電性支持体上に少なくとも感光層と、バイン
ダー樹脂およびフィラーを含有する表面層の積層で構成
される電子写真感光体の製造方法において、前記表面層
を形成するための塗工液が、少なくともバインダー樹脂
とフィラーと溶媒を含み、該表面層用塗工液中の塩素イ
オン濃度が1ppm以下であることを特徴とする電子写
真感光体の製造方法」、(4)「あらかじめイオン吸着
材により塩素イオンを除去処理した溶媒を、前記表面層
用塗工液に用いることを特徴とする請求項3に記載の電
子写真感光体の製造方法」、(5)「前記イオン吸着材
として、活性白土、フロリジル、塩基性アルミナを用い
ることを特徴とする前記第(4)項に記載の電子写真感
光体の製造方法」、(6)「前記表面層用塗工液が分散
剤を含むことを特徴とする前記第(3)項乃至第(5)
項のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法」、
(7)「前記フィラー分散の工程に用いる分散剤とし
て、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはそれら
の構造を含む共重合体、モノカルボン酸、有機脂肪酸を
単独であるいは2種類以上を混合して添加することを特
徴とする前記第(1)項、第(2)項、第(6)項のい
ずれか1に記載の電子写真感光体の製造方法」、(8)
「前記フィラー分散の工程に、少なくともケトン類、エ
ーテル類から選ばれる溶媒を用いることを特徴とする前
記第(1)項乃至第(7)項のいずれか1に記載の電子
写真感光体の製造方法」、(9)「前記表面層用塗工液
に電荷輸送物質を含有させることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真感
光体の製造方法」、(10)「前記表面層用塗工液に含
有させた電荷輸送物質が、高分子電荷輸送物質であるこ
とを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真感光体
の製造方法」、(11)「前記表面層用塗工液に分散し
たフィラーが無機顔料であることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(10)項のいずれか1に記載の電子写
真感光体の製造方法」、(12)「前記表面層用の塗工
液に分散させた無機顔料が、シリカ、アルミナ、酸化チ
タンの中から選ばれる1種であることを特徴とする前記
第(11)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
(13)「前記フィラーの分散に、ボールミルを用いる
ことを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真感光
体の製造方法」、(14)「分散メディアとして、φ1
mm以上10mm以下のボールを用いることを特徴とす
る前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方
法」により達成される。
【0034】また、上記課題は、本発明の(15)「前
記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載の製造
方法で製造されたことを特徴とする電子写真感光体」に
より達成される。また、上記課題は、本発明の(16)
「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写
手段、クリーニング手段、除電手段及び電子写真感光体
を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光
体として前記第(15)項に記載の電子写真感光体を用
いることを特徴とする電子写真装置」により達成され
る。
【0035】上記のように、これら本発明は、第1群の
発明、第2群の発明、第3群の発明に分けて把握するこ
とができ、第1群の本発明によれば、小粒径にフィラー
を分散することができ、第2群の本発明によれば、粉砕
工程での温度上昇を20℃以下に抑えることで、分散安
定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液を作成でき、
第3群の本発明によれば、塩素イオン濃度を1ppm以
下に規定することで分散安定性に優れたフィラー含有表
面層用塗工液が作成できるため、高耐久で繰返し使用に
対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提供が可能
となる。
【0036】以下、これら本発明を詳細に説明する。本
発明に用いられるフィラーとしてはメラミン樹脂粒子、
シリコーン樹脂粒子等の有機顔料、酸化チタン、シリ
カ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジ
ウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機顔料が挙げられる
が、特に良好なものとしてシリカ、アルミナ、酸化チタ
ンが挙げられる。
【0037】また、上記フィラーは表面を疎水化処理し
たものも良好に用いられ、一般に疎水化処理としてシラ
ンカップリング剤で処理したもの、あるいはフッ素系シ
ランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理した
もの、無機物処理としてはフィラー表面をアルミナ、ジ
ルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものが知られてい
る。
【0038】バインダー樹脂としてはアクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が挙げられ、特に
好ましいバインダー樹脂としては下記一般式(1)、及
び一般式(2)で示されるポリカーボネートである。
【0039】
【化1】
【0040】
【化2】
【0041】R4、R5、R6、R7は、それぞれ独立して
水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲ
ン原子を表わし、又は置換もしくは無置換のアリール基
を表わす。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を
表わし、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分
岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−
SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−
CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0042】
【化3】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R8、R9は置換または無置換のアルキル基又はアリ
ール基を表わす。)を表わす。ここで、R6とR7、R8
とR9は、それぞれ同一でも異なってもよい。p、qは
組成を表わし、0.1≦p≦1、0≦q≦0.9、nは
繰り返し単位数を表わし、5〜5000の整数である。
【0043】これらポリカーボネートは強靱性が高く、
フィルム性が良いことが挙げられ、またこのフィラー層
は電荷輸送機能をもたせるため電荷輸送物質との相溶性
が良いことが重要な条件であることから前記一般式
(1)、及び一般式(2)で示されるポリカーボネート
が好適である。
【0044】フィラーを含む表面層には電荷輸送機能を
付与するために電荷輸送物質を添加する。添加する電荷
輸送物質としてはオキサゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘
導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセ
ン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニ
ル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾ
リン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン
誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェ
ナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導
体、ベンズイミダゾ−ル誘導体、チオフェン誘導体など
が挙げられる。これらの電荷輸送物質は、単独または2
種以上の混合物として用いることができる。
【0045】特に、下記一般式(3)で示される電荷輸
送物質は移動度が速く、上記バインダー樹脂との相溶性
が良く、好ましい。
【0046】
【化4】 1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又は
ハロゲン原子を表わし、又は置換もしくは無置換のアリ
ール基を表わす。R2、R3は置換もしくは無置換のアリ
ール基を表わす。R1は水素原子、それぞれ独立して置
換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わ
すが、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。
【0047】アルキル基として好ましくは、C1〜C12
とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基は
さらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアル
コキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4
アルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換され
たフェニル基を含有しても良い。
【0048】具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2
−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル
基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4
−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙
げられる。
【0049】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R2、R3
置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体
例としては以下のものを挙げることができ、同一であっ
ても異なってもよい。
【0050】芳香族炭化水素基としては、スチリル基、
フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル
基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フル
オレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニ
レニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル
基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフ
ェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフ
ェニリル基などが挙げられる。
【0051】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0052】上述のアリール基は、以下に示す基を置環
基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、上記のR1、R2、R3と同
様のものが挙げられる。 (3)アルコキシ基としては、アルキル基は(2)で定
義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t
−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−
ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエ
トキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキ
シ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−
プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙
げられる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0053】フィラー含む表面層中の電荷輸送物質
(D)、バインダー樹脂(R)及びフィラー(F)の含
有量比率はD:R:F=10〜40:35〜55:5〜
40である。電荷輸送物質が10重量%以下になると電
荷輸送性の低下に起因すると考えられる明部電位上昇が
起き、40重量%以上であると膜強度低下が発生する。
バインダー樹脂は電荷輸送物質、及びフィラーを固定さ
せるために用いられ、35重量%以下であるとフィラー
層の脆化が発生し、55重量%以上であると電荷輸送物
質、及びフィラー量とのバランスの点で電気特性、膜強
度で好ましくない。フィラー量は5重量%以下であると
耐摩耗性の点で好ましくなく、40重量%以上であると
膜の不透明化による地汚れなど画像劣化が発生する。
【0054】分散溶媒としてはメチルエチルケトン、ア
セトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
シクロペンタノン等のケトン類、ジオキサン、1,3−
ジオキソラン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ
などのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族
類、クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロゲン
類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用さ
れ、ボールミル、サンドミル、振動ミルなどを用いて分
散、粉砕する。
【0055】フィラーの分散状態は体積平均粒径が0.
05〜1.5μm、好ましくは0.2〜1.0μmに粉
砕、分散するのが好ましい。体積平均粒径が0.2μm
よりも小さいと、耐摩耗性が低下するという欠点があ
り、体積平均粒径が1.0μmよりも大きいと書き込み
光の散乱による解像度低下が発生したり、表面に突出し
てクリーニングブレードを傷つけクリーニング不良が発
生してしまう。
【0056】フィラーを含む最表面層の膜厚は0.5〜
10μmで、好ましくは1〜6μmである。塗工方法と
しては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロー
ルコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリ
ーン印刷法等が採用される。電荷輸送物質とバインダー
樹脂から構成される電荷輸送層上にフィラーを含む表面
層を設ける場合、電荷輸送層に用いられたバインダー樹
脂とフィラー層に用いられるバインダー樹脂の構造は同
じでも異なっていても構わない。
【0057】以下に、本発明の電子写真感光体を図面に
沿って説明する。図1は、本発明に使用する電子写真感
光体の構成例を表わす断面図であり、導電性支持体
(1)上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする
単層感光層(2)が設けられ、その上にフィラーを含む
表面層(3)が設けられている。図2は、本発明の電子
写真感光体の他の構成例を表わす断面図であり、導電性
支持体(1)上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生
層(4)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層
(5)とが積層され、そらにその上にフィラーを含む表
面層(3)が設けられている。
【0058】上記フィラーを含む表面層は下記の層上に
設けられる。導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω
以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケ
ル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金
属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着ま
たはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状の
プラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニ
ウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの
板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、引き抜
きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで
表面処理した管などを使用することができる。
【0059】本発明における感光層は、単層型でも積層
型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型につ
いて述べる。はじめに、電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要
に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生
物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることが
できる。
【0060】無機系材料には、結晶セレン、アモルファ
ス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲ
ン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等
が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダ
ングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネ
ートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープした
ものが良好に用いられる。
【0061】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0062】電荷発生層に必要に応じて用いられるバイ
ンダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネ−ト、シリコーン
樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが
用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2
種以上の混合物として用いることができる。更に、必要
に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。
【0063】電荷輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物と
して用いることができる。
【0064】電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜
作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく
挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電
分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述
した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0065】また、後述のキャスティング法によって電
荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系
電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラ
ヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロ
ロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アト
ライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に
希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸
漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用い
て行なうことができる。以上のようにして設けられる電
荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であ
り、好ましくは0.05〜2μmである。
【0066】次に、電荷輸送層について説明する。電荷
輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂とを共に溶
解、塗工し電荷輸送層として使用できる。バインダー樹
脂としてはフィルム性の良いポリカーボネート(ビスフ
ェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、ビスフェ
ノールCタイプ、あるいはこれら共重合体)、ポリアリ
レート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹
脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノ
キシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単
独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0067】電荷輸送層に使用される電荷輸送物質は、
オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭
52−139065号公報、52−139066号公報
に記載)、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘
導体(特願平1−77839号明細書に記載)、ベンジ
ジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、
α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−7307
5号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−1
54955号公報、55−156954号公報、55−
52063号公報、56−81850号公報等に記
載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−109
83号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51
−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭
56−29245号公報、58−198043号公報に
記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552
号公報に記載)、ピレン誘導体(特願平2−94812
号明細書に記載)などを使用することができる。
【0068】また、電荷輸送層には電荷輸送物質として
の機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送
物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質か
ら構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものであ
る。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用で
きるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/
または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられ
る。中でも、下記(I)式〜(X)式で表わされる高分
子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示
し、具体例を示す。
【0069】
【化5】 式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは
無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子
又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R 6は置換
もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独
立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦
k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし
5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状
脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基
を表わす。
【0070】
【化6】 式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わ
す。l,mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1
〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、
−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−
CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を
表わす。)または、
【0071】
【化7】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R103,R104は置換または無置換のアルキル基又は
アリール基を表わす。)を表わす。ここで、R10 1とR
102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよ
い。
【0072】
【化8】 式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、A
1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わ
す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じであ
る。
【0073】
【化9】 式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表
わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じで
ある。
【0074】
【化10】 式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、p
は1〜5の整数を表わす。X,k,jおよびnは、
(I)式の場合と同じである。
【0075】
【化11】 式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar10,Ar11,Ar 12は同一又は異なるアリレン基、
1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換
もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよ
びnは、(I)式の場合と同じである。
【0076】
【化12】 式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又
は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換も
しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシ
クロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエ
ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同
一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、
(I)式の場合と同じである。
【0077】
【化13】 式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のア
リール基を表わし,R 19とR20は環を形成していてもよ
い。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン
基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と
同じである。
【0078】
【化14】 式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、A
20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレ
ン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合
と同じである。
【0079】
【化15】 式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28
は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよ
びnは、(I)式の場合と同じである。
【0080】
【化16】 式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar29,Ar30,Ar 31は同一又は異なるアリレン基を
表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じ
である。
【0081】電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度
が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当
である。また、本発明において電荷輸送層中に可塑剤や
レベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般に樹脂
の可塑剤として使用されているものがそのまま使用で
き、その使用量は、バインダ−樹脂100重量部に対し
て0〜30重量部程度が適当である。
【0082】次に、感光層が単層構成の場合について述
べる。キャスティング法等で単層感光層を設ける場合、
多くは電荷発生物質と電荷輸送物質ならびにバインダー
樹脂よりなる機能分離型のものが挙げられる。即ち、電
荷発生物質ならびに電荷輸送物質には、前述の材料を用
いることができる。また、必要により可塑剤やレベリン
グ剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用い
ることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送
層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷
発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよ
い。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当で
あり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0083】本発明に用いられる電子写真感光体には、
導電性支持体と感光層(積層タイプの場合には、電荷発
生層)との間に下引き層を設けることができる。下引き
層は、接着性を向上する、モワレなどを防止する、上層
の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で
設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、
これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布する
ことを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高
い樹脂であることが望ましい。このような樹脂として
は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸
ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシ
メチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウ
レタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂な
どが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミ
ナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で
例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化
物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、
前述の感光層のごとく適当な溶媒、塗工法を用いて形成
することができる。
【0084】更に本発明の下引き層として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成し
た金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引
き層にはAl23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパ
ラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、Sn
2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜
作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の
膜厚は0〜8μmが適当である。
【0085】また、本発明においては、耐環境性の改善
のため、とりわけ感度低下、残留電位の上昇を防止する
目的で酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤
は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、
電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られ
る。
【0086】本発明に用いることができる酸化防止剤と
して、下記のものが挙げられる。 モノフェノール系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートな
ど。
【0087】ビスフェノール系化合物 2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)など。
【0088】高分子フェノール系化合物 1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス
[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステ
ル、トコフェロール類など。
【0089】パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0090】ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0091】有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステ
アリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデ
シル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0092】有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0093】これら化合物は、ゴム、プラスチック、油
脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容
易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量
は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100
重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0094】本発明は次に、上記の電子写真感光体を用
い、帯電、像露光及び転写を行なうことを特徴とする電
子写真方法を提供する。そしてまた、上記の電子写真感
光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段及び転写手
段を備えたことを特徴とする電子写真装置を提供する。
さらに、上記の電子写真感光体と帯電手段、像露光手
段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段から選ば
れた少なくとも一つの手段とを一体的に形成し、電子写
真装置本体に着脱自在としたことを特徴とする電子写真
装置用プロセスカートリッジを提供する。図面に基づい
て、この電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置
用プロセスカートリッジについて説明する。
【0095】図3は、本発明の電子写真装置及び電子写
真装置用プロセスカートリッジの概略図である。感光体
(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、
エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電チャー
ジャ(13)、転写前チャージャ(17)、転写チャー
ジャ(20)、分離チャージャ(21)、クリーニング
前チャージャ(23)には、コロトロン、スコロトロ
ン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ
ー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられ
る。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できる
が、図に示されるように転写チャージャーと分離チャー
ジャーを併用したものが効果的である。
【0096】画像露光部(15)にはLDもしくはLE
Dが用いられる。また、除電ランプ(12)等の光源に
は、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水
銀灯、ナトリウム灯、LED、LD、エレクトロルミネ
ッセンス素子(EL)などの発光物全般を用いることが
できる。そして、所望の波長域の光のみを照射するため
に、シャープカットフィルター、バンドパスフィルタ
ー、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルタ
ー、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種
フィルターを用いることもできる。この時像露光部、書
込光源のビーム系は1200〜2400dpi相当の高
解像度を達成するために10〜30μmであることが好
ましい。かかる光源等は、図3に示される工程の他に、
光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工
程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感
光体に光が照射される。
【0097】現像ユニット(16)により感光体(1
1)上に現像されたトナーは、転写紙(19)に転写さ
れるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1
1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナー
は、ファーブラシ(24)およびブレード(25)によ
り、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニ
ングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニング
ブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとす
る公知のものが用いられる。
【0098】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜
像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微
粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られ
る。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、
また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0099】図4は、本発明の他の電子写真装置の概略
図である。感光体(31)は本発明の感光体であり、駆
動ローラ(32a),(32b)により駆動され、帯電
器(33)による帯電、光源(34)による像露光、現
像(図示せず)、帯電器(35)を用いる転写、光源
(36)によるクリーニング前露光、ブラシ(37)に
よるクリーニング、光源(38)による除電が繰返し行
なわれる。図5においては、感光体(21)(勿論この
場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニ
ング前露光の光照射が行なわれる。
【0100】上記に図示した電子写真方法及び電子写真
装置は、本発明における実施様態を例示したものであっ
て、他の実施様態も可能である。例えば、図4において
は、支持体側よりクリーニング前露光を行なっている
が、これは感光層側から行なってもよく、また、像露
光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。ま
た、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電
露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプ
レ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光
体に光照射を行なうこともできる。
【0101】このようにして行なう画像形成手段は、複
写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込
まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態によ
りそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカート
リッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手
段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段
を含んだ1つの装置であり、また部品である。プロセス
カートリッジの形状等については数多く挙げられるが、
ここでは、図5にその1例を示す。このプロセスカート
リッジは、本発明の電子写真感光体(26)、帯電チャ
ージャ(27)、クリーニングブラシ(28)、画像露
光部(29)、現像ローラ(30)からなるものであ
る。
【0102】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明が実施例により制限されるものではない。なお、
部はすべて重量部である。 [第1群の本発明について] 実施例1 φ30mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下
引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗
工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下
引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送
層を形成した。その上に、アルミナボールを入れたボー
ルミルを用いてキシレンと下記有機フィラーを12時間
分散し、そこに下記バインダー樹脂をトルエンに溶解し
て上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液1を作成
した。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面
層を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得た。表
面層用塗工液の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層
を設けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後
の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表1に示す。
【0103】 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製) 酸化チタン(CREL、石原産業社製) 40部 メチルエチルケトン 200部
【0104】 〔電荷発生層用塗工液〕 オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部 テトラヒドロフラン 50部
【0105】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成社製、Mv5万) 10部 ジクロルメタン 100部 1%シリコーンオイル (KF50、信越シリコーン社製)ジクロルメタン溶液 1部 下記構造式(XI)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0106】
【化17】
【0107】 〔表面層用塗工液1〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 キシレン 60部 トルエン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0108】実施例2 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、アルミナボールを入れたボールミルを用い
てシクロヘキサノンと下記有機フィラーを12時間分散
し、そこに下記バインダー樹脂をテトラヒドロフランに
溶解し、上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液2
を作成した。この液をスプレーで塗工して約3.0μm
の表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得
た。実施例1と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、
沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び
1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗
減量を表1に示す。
【0109】 〔表面層用塗工液2〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0110】実施例3 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、アルミナボールを入れたボールミルを用い
てシクロペンタノンと下記有機フィラーを12時間分散
し、そこに下記バインダー樹脂と電荷輸送物質(XI)
式をテトラヒドロフランに溶解し、上記分散液に添加、
混合して表面層用塗工液3を作成した。この液をスプレ
ーで塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本
発明の電子写真感光体を得た。実施例1と同様に表面層
用塗工液の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設
けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画
像評価結果、表面層の摩耗減量を表1に示す。
【0111】 〔表面層用塗工液3〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 シクロペンタノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部 構造式(XI)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0112】実施例4 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、アルミナボールを入れたボールミルを用い
てテトラヒドロフラン60部と下記有機フィラーを12
時間分散し、そこに構造式(XII)の高分子電荷輸送物
質をテトラヒドロフラン120部とキシレン60部に溶
解し、上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液4を
作成した。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの
表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得
た。実施例1と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、
沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び
1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗
減量を表1に示す。
【0113】 〔表面層用塗工液4〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 テトラヒドロフラン 180部 キシレン 60部 下記構造式(XII)の高分子電荷輸送物質 8部
【0114】
【化18】
【0115】実施例5 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、アルミナボールを入れたボールミルを用い
てシクロヘキサノンと下記無機顔料を12時間分散し、
そこに下記バインダー樹脂と電荷輸送物質(XI)をテ
トラヒドロフランに溶解し、上記分散液に添加、混合し
て表面層用塗工液5を作成した。この液をスプレーで塗
工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の
電子写真感光体を得た。実施例1と同様に表面層用塗工
液の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感
光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価
結果、表面層の摩耗減量を表1に示す。
【0116】 〔表面層用塗工液5〕 酸化亜鉛(Sazex4000、堺化学製) 2部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部 構造式(XI)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0117】実施例6 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、アルミナボールを入れたボールミルを用い
てシクロペンタノンと下記シリカを12時間分散し、そ
こに下記バインダー樹脂と電荷輸送物質(XI)を1,
3−ジオキソランに溶解し、上記分散液に添加、混合し
て表面層用塗工液6を作成し、この液をスプレーで塗工
して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の電
子写真感光体を得た。実施例1と同様に表面層用塗工液
の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光
体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結
果、表面層の摩耗減量を表1に示す。
【0118】 〔表面層用塗工液6〕 シリカ(KMPX−100、信越化学工業製) 2部 シクロペンタノン 60部 1,3−ジオキソラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部 構造式(XI)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0119】実施例7 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、アルミナボールを入れたボールミルを用い
てシクロヘキサノンと下記アルミナと下記ポリカルボン
酸を12時間分散し、そこに下記バインダー樹脂と電荷
輸送物質(XI)をテトラヒドロフランに溶解して、上
記分散液に添加、混合して表面層用塗工液7を作成し
た。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層
を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得た。実施
例1と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、沈降試験
結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通
紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表
1に示す。
【0120】 〔表面層用塗工液7〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 オレイン酸 0.05部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部 構造式(XI)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0121】
【表1】
【0122】体積平均粒径は堀場製作所製CAPA70
0で計測した。 沈降性評価基準 ◎:2日静置して分散粒子の沈降なし ○:1日静置して分散粒子の沈降なし △:1日静置して分散粒子が一部沈降 ×:1日静置して分散粒子が全部沈降
【0123】感光体を(株)リコー製複写機イマジオM
F200に装着し、暗部電位800V、明部電位100
Vに設定し画像(初期)を出し、次に1万枚の通紙試験
を行なった後、同様の方法で画像(1万枚)と摩耗量
(1万枚通紙前後の膜厚差)を計測した。膜厚は渦電流
式膜厚計フィシャー社製フィシャーコープMMSで測定
した。
【0124】比較例1 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、実施例1と同様の有機顔料とキシレンおよ
び、実施例1と同様のバインダー樹脂とトルエンを加え
て分散を行ない、表面層用塗工液(比1)を作成した。
この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層を設
け、乾燥後、電子写真感光体を得た。実施例1と同様に
表面層用塗工液の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面
層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング
後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表2に示す。
【0125】比較例2 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、実施例5と同様の無機顔料とシクロヘキサ
ノンおよび、実施例5と同様のバインダー樹脂、電荷輸
送物質とテトラヒドロフランを加えて分散を行ない、表
面層用塗工液(比2)を作成した。この液をスプレーで
塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、電子写
真感光体を得た。実施例1と同様に表面層用塗工液の体
積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の
初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、
表面層の摩耗減量を表2に示す。
【0126】比較例3 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、実施例7と同様のアルミナ、ポリカルボン
酸、シクロヘキサノンおよび、実施例7と同様のバイン
ダー樹脂、電荷輸送物質と1,3−ジオキソランを加え
て分散を行ない、表面層用塗工液(比3)を作成した。
この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層を設
け、乾燥後、電子写真感光体を得た。実施例1と同様に
表面層用塗工液の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面
層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング
後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表2に示す。
【0127】比較例4 実施例1と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設け、表面層を積層しない電子写真感光体を得た。実施
例1と同様に感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニン
グ後の画像評価結果、表面層(電荷輸送層)の摩耗減量
を表2に示す。
【0128】
【表2】
【0129】体積平均粒径は堀場製作所製CAPA70
0で計測した。 沈降性評価基準 ◎:2日静置して分散粒子の沈降なし ○:1日静置して分散粒子の沈降なし △:1日静置して分散粒子が一部沈降 ×:1日静置して分散粒子が全部沈降…× 感光体を(株)リコー製複写機イマジオMF200に装
着し、暗部電位800V、明部電位100Vに設定し画
像(初期)を出し、次に1万枚の通紙試験を行なった
後、同様の方法で画像(1万枚)と摩耗量(1万枚通紙
前後の膜厚差)を計測する。膜厚は渦電流式膜厚計フィ
シャー社製フィシャーコープMMSで測定した。
【0130】[第2群の本発明について] 実施例8 φ30mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下
引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗
工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下
引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送
層を形成した。その上に、キシレンと下記有機フィラー
と分散剤(メタクリロキシ変性シリコーン)をφ0.2
mmのアルミナボールを入れたガラス容器を用いてペイ
ントシェーカーで2時間粉砕して分散した。粉砕前の液
温度は20℃、粉砕終了後の液温度は35℃で、粉砕工
程で15℃の温度上昇があった。そこに下記バインダー
樹脂をトルエンに溶解して上記分散液に添加、混合して
表面層用塗工液8を作成した。この液をスプレーで塗工
して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の電
子写真感光体を得た。表面層用塗工液の体積平均粒径、
沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び
1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗
減量を表3に示す。
【0131】 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製) 酸化チタン(CREL、石原産業社製) 40部 メチルエチルケトン 200部
【0132】 〔電荷発生層用塗工液〕 オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部 テトラヒドロフラン 50部
【0133】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成社製、Mv5万) 10部 ジクロルメタン 100部 1%シリコーンオイル (KF50、信越シリコーン社製)ジクロルメタン溶液 1部 下記構造式(XIII)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0134】
【化19】
【0135】 〔表面層用塗工液8〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 メタクリロキシ変性シリコーン (サイラープレーンFM0725、チッソ社製) 0.1部 キシレン 60部 トルエン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0136】実施例9 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、キシレンと下記有機フィラーと分散剤(ポ
リエステル樹脂)をφ0.2mmのアルミナボールを入
れたガラス容器を用いてペイントシェーカーで2時間粉
砕して分散した。粉砕前の液温度は25℃、粉砕終了後
の液温度は38℃で、粉砕工程で13℃の温度上昇があ
った。そこに下記バインダー樹脂をトルエンに溶解して
上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液9を作成し
た。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層
を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得た。実施
例8と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、沈降試験
結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通
紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表
3に示す。
【0137】 〔表面層用塗工液9〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 キシレン 60部 トルエン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0138】実施例10 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、シクロヘキサノンと下記有機フィラーと分
散剤(ポリエステル樹脂)をφ0.2mmのアルミナボ
ールを入れたガラス容器を用いてペイントシェーカーで
2時間粉砕して分散した。粉砕前の液温度は20℃、粉
砕終了後の液温度は33℃で、粉砕工程で13℃の温度
上昇があった。そこに下記バインダー樹脂をテトラヒド
ロフランに溶解して上記分散液に添加、混合して表面層
用塗工液10を作成した。この液をスプレーで塗工して
約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写
真感光体を得た。実施例8と同様に表面層用塗工液の体
積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の
初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、
表面層の摩耗減量を表3に示す。
【0139】 〔表面層用塗工液10〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0140】実施例11 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、シクロペンタノンと下記無機顔料と分散剤
(ポリエステル樹脂)をφ0.2mmのアルミナボール
を入れたガラス容器を用いてペイントシェーカーで2時
間粉砕して分散した。粉砕前の液温度は20℃、粉砕終
了後の液温度は35℃で、粉砕工程で15℃の温度上昇
があった。そこに下記バインダー樹脂をテトラヒドロフ
ランに溶解して上記分散液に添加、混合して表面層用塗
工液11を作成した。この液をスプレーで塗工して約
3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真
感光体を得た。実施例8と同様に表面層用塗工液の体積
平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初
期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表
面層の摩耗減量を表3に示す。
【0141】 〔表面層用塗工液11〕 酸化亜鉛(Sazex4000、堺化学製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロペンタノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0142】実施例12 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、シクロペンタノンとシリカと分散剤(オレ
イン酸)をφ0.2mmのアルミナボールを入れたガラ
ス容器を用いてペイントシェーカーで2時間粉砕して分
散した。粉砕前の液温度は20℃、粉砕終了後の液温度
は34℃で、粉砕工程で14℃の温度上昇があった。そ
こに下記バインダー樹脂を1,3−ジオキソランに溶解
して上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液12を
作成した。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの
表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得
た。実施例8と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、
沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び
1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗
減量を表3に示す。
【0143】 〔表面層用塗工液12〕 シリカ(KMPX−100、信越化学工業製) 2部 オレイン酸 0.05部 シクロペンタノン 60部 1,3−ジオキソラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0144】実施例13 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、φ20mmのアルミナボールを入れたボー
ルミルを用いてシクロヘキサノンと下記アルミナと分散
剤(ポリエステル樹脂)を12時間粉砕して分散した。
粉砕前の液温度は16℃、粉砕終了後の液温度は22℃
で、粉砕工程で6℃の温度上昇があった。そこに下記バ
インダー樹脂とテトラヒドロフランに溶解して、上記分
散液に添加、混合して表面層用塗工液13を作成した。
この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層を設
け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得た。実施例8
と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、沈降試験結果
と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ラ
ンニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表3に
示す。
【0145】 〔表面層用塗工液13〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0146】実施例14 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、φ5mmのアルミナボールを入れたボール
ミルを用いてシクロヘキサノンと下記アルミナ分散剤
(ポリエステル樹脂)を12時間粉砕して分散した。粉
砕前の液温度は25℃、粉砕終了後の液温度は28℃
で、粉砕工程で3℃の温度上昇があった。そこに下記バ
インダー樹脂をテトラヒドロフランに溶解して、上記分
散液に添加、混合して表面層用塗工液14−1を作成し
た。次に、下記バインダー樹脂と式(XIII)で表わさ
れる電荷輸送物質3部をテトラヒドロフランに溶解し
て、上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液14−
2を作成した。更に、式(XIV)で表わされる高分子電
荷輸送物質8部をテトラヒドロフランに溶解して、上記
分散液に添加、混合して表面層用塗工液14−3を作成
した。これらの液をスプレーで塗工して約3.0μmの
表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得
た。実施例8と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、
沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び
1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗
減量を表3に示す。
【0147】 〔表面層用塗工液14−1〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0148】 〔表面層用塗工液14−2〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部 構造式(XIII)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0149】 〔表面層用塗工液14−3〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 テトラヒドロフラン 180部 下記構造式(XIV)で表わされる電荷輸送物質 8部
【0150】
【化20】
【0151】
【表3】
【0152】体積平均粒径は堀場製作所製CAPA70
0で計測した。 沈降性評価基準 ◎:2日静置して分散粒子の沈降なし ○:1日静置して分散粒子の沈降なし △:1日静置して分散粒子が一部沈降 ×:1日静置して分散粒子が全部沈降
【0153】感光体を(株)リコー製複写機イマジオM
F200に装着し、暗部電位800V、明部電位100
Vに設定し画像(初期)を出し、次に1万枚の通紙試験
を行なった後、同様の方法で画像(1万枚)と摩耗量
(1万枚通紙前後の膜厚差)を計測した。膜厚は渦電流
式膜厚計フィシャー社製フィシャーコープMMSで測定
した。
【0154】比較例5 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設けた上に、実施例8と同様のキシレンと有機フィラー
と分散剤をφ0.2mmのアルミナボールを入れたガラ
ス容器を用いてペイントシェーカーで3時間粉砕して分
散した。粉砕前の液温度は20℃、粉砕終了後の液温度
は50℃で、粉砕工程で30℃の温度上昇があった。そ
こに実施例8と同様のバインダー樹脂をトルエンに溶解
して上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液(比
5)を作成した。この液をスプレーで塗工して約3.0
μmの表面層を設け、乾燥後、電子写真感光体を得た。
実施例8と同様に表面層用塗工液の体積平均粒径、沈降
試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万
枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量
を表4に示す。
【0155】比較例6 実施例11と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、実施例11と同様のシクロペンタノンと
無機顔料と分散剤をφ0.2mmのアルミナボールを入
れたビーズミルを用いて16℃の水で冷却しながら1時
間粉砕して分散した。粉砕前の液温度は16℃、粉砕終
了後の液温度は38℃で、粉砕工程で22℃の温度上昇
があった。そこに実施例11と同様のバインダー樹脂を
テトラヒドロフランに溶解して上記分散液に添加、混合
して表面層用塗工液(比6)を作成した。この液をスプ
レーで塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、
電子写真感光体を得た。実施例8と同様に表面層用塗工
液の体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感
光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価
結果、表面層の摩耗減量を表4に示す。
【0156】比較例7 実施例14と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、実施例14と同様のシクロヘキサノンと
アルミナと分散剤をガラス製三角フラスコに入れ、超音
波分散器を用いて水道水を流しながら2時間粉砕して分
散した。粉砕前の液温度は25℃、粉砕終了後の液温度
は62℃で、粉砕工程で38℃の温度上昇があった。そ
こに実施例14と同様のバインダー樹脂と式(XIII)
で表わされる電荷輸送物質3部をテトラヒドロフランに
溶解して、上記分散液に添加、混合して表面層用塗工液
(比7)を作成した。この液をスプレーで塗工して約
3.0μmの表面層を設け、乾燥後、電子写真感光体を
得た。実施例8と同様に表面層用塗工液の体積平均粒
径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像
及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の
摩耗減量を表4に示す。
【0157】比較例8 実施例8と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を
設け、表面層を積層しない電子写真感光体(比8)を得
た。実施例8と同様に感光体の初期画像及び1万枚通紙
ランニング後の画像評価結果、表面層(電荷輸送層)の
摩耗減量を表4に示す。
【0158】
【表4】
【0159】体積平均粒径は堀場製作所製CAPA70
0で計測した。 沈降性評価基準 ◎:2日静置して分散粒子の沈降なし ○:1日静置して分散粒子の沈降なし △:1日静置して分散粒子が一部沈降 ×:1日静置して分散粒子が全部沈降…× 感光体を(株)リコー製複写機イマジオMF200に装
着し、暗部電位800V、明部電位100Vに設定し画
像(初期)を出し、次に1万枚の通紙試験を行なった
後、同様の方法で画像(1万枚)と摩耗量(1万枚通紙
前後の膜厚差)を計測する。膜厚は渦電流式膜厚計フィ
シャー社製フィシャーコープMMSで測定した。
【0160】[第3群の本発明について] 実施例15 φ30mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下
引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗
工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下
引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送
層を形成した。その上に、下記有機フィラーとキシレン
をφ2mmのアルミナボールを入れたガラス容器を用い
て、ボールミルで12時間分散した。次に、下記バイン
ダー樹脂をトルエンに溶解して上記分散液に添加、混合
することで表面層用塗工液1を作成した。この液をスプ
レーで塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、
本発明の電子写真感光体を得た。表面層用塗工液の塩素
イオン濃度、体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を
設けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の
画像評価結果、表面層の摩耗減量を表5に示す。
【0161】 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製) 酸化チタン(CREL、石原産業社製) 40部 メチルエチルケトン 200部
【0162】 〔電荷発生層用塗工液〕 オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部 テトラヒドロフラン 50部
【0163】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成社製、Mv5万) 10部 ジクロルメタン 100部 1%シリコーンオイル (KF50、信越シリコーン社製)ジクロルメタン溶液 1部 下記構造式(XV)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0164】
【化21】
【0165】 〔表面層用塗工液15〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 キシレン 100部 トルエン 100部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0166】実施例16 トルエン100部に塩化亜鉛を0.0005部溶解し
て、塩素イオンを2ppm以上含有するトルエンを得
た。このトルエンにシリカゲルを20部加えて1時間撹
拌後、10μmのテフロン(登録商標)製フィルターを
用いて濾過することでイオン除去処理したトルエンを得
た。次に、実施例15と同様の下引き層、電荷発生層、
電荷輸送層を設け、その上に実施例15と同様の有機フ
ィラーとキシレンを実施例15と同様の方法で分散し
た。さらに、実施例15と同様のバインダー樹脂を上記
トルエンに溶解してフィラー分散液に添加、混合するこ
とで表面層用塗工液16を作成した。この液をスプレー
で塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発
明の電子写真感光体を得た。表面層用塗工液の塩素イオ
ン濃度、体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設け
た感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像
評価結果、表面層の摩耗減量を表5に示す。
【0167】実施例17 実施例16と同様の方法で塩素イオンを2ppm以上含
有するトルエンを作成した。このトルエンに、実施例2
のシリカゲルの代わりにフロリジル(関東化学製)を用
いて、実施例16と同様の方法でイオン除去処理を施し
たトルエンを得た。次に、実施例16と同様の方法で表
面層用塗工液17を作成し、この液をスプレーで塗工し
て約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の電子
写真感光体を得た。表面層用塗工液の塩素イオン濃度、
体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光体
の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結
果、表面層の摩耗減量を表5に示す。
【0168】実施例18 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、下記有機フィラーと分散剤(メタクリロ
キシ変性シリコーン)とキシレンを実施例15と同様の
方法で分散した。次に、下記バインダー樹脂をトルエン
に溶解して上記分散液に添加、混合することで表面層用
塗工液18を作成した。この液をスプレーで塗工して約
3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真
感光体を得た。表面層用塗工液の塩素イオン濃度、体積
平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初
期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表
面層の摩耗減量を表5に示す。
【0169】 〔表面層用塗工液18〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 メタクリロキシ変性シリコーン (サイラープレーンFM0725、チッソ社製) 0.05部 キシレン 100部 トルエン 100部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0170】実施例19 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、分散剤をメタクリロキシ変性シリコーン
からポリエステル樹脂に代えた以外は実施例18と同じ
方法で表面層用塗工液19を作成した。この液をスプレ
ーで塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本
発明の電子写真感光体を得た。表面層用塗工液の塩素イ
オン濃度、体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設
けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画
像評価結果、表面層の摩耗減量を表5に示す。
【0171】 〔表面層用塗工液19〕 球形メラミン(エポスターS、日本触媒製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 キシレン 100部 トルエン 100部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0172】実施例20 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、有機フィラーを無機顔料に代えた以外は
実施例19と同じ方法で表面層用塗工液20を作成し
た。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層
を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得た。表面
層用塗工液の塩素イオン濃度、体積平均粒径、沈降試験
結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通
紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表
5に示す。
【0173】 〔表面層用塗工液20〕 酸化亜鉛(Sazex4000、堺化学製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 キシレン 100部 トルエン 100部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0174】実施例21 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、下記アルミナと分散剤(ポリエステル樹
脂)とシクロヘキサノンを実施例15と同じ方法で分散
した。次に、下記バインダー樹脂をトルエンに溶解して
上記分散液に添加、混合することで表面層用塗工液21
を作成した。この液をスプレーで塗工して約3.0μm
の表面層を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得
た。表面層用塗工液の塩素イオン濃度、体積平均粒径、
沈降試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び
1万枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗
減量を表5に示す。
【0175】 〔表面層用塗工液21〕 酸化チタン(CR−EL、石原産業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 トルエン 140部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部
【0176】実施例22 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、下記アルミナと分散剤(ポリエステル樹
脂)とシクロヘキサノンを実施例15と同じ方法で分散
した。次に、下記バインダー樹脂と構造式(XVI)で表
わされる電荷輸送物質をトルエンに溶解して上記分散液
に添加、混合することで表面層用塗工液22を作成し
た。この液をスプレーで塗工して約3.0μmの表面層
を設け、乾燥後、本発明の電子写真感光体を得た。表面
層用塗工液の塩素イオン濃度、体積平均粒径、沈降試験
結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万枚通
紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量を表
5に示す。
【0177】 〔表面層用塗工液22〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 トルエン 140部 ポリカーボネート樹脂 (Zポリカ、帝人化成製、Mv5万) 5部 構造式(XVI)で表わされる電荷輸送物質 3部
【0178】実施例23 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設けた上に、下記アルミナと分散剤(ポリエステル樹
脂)とシクロヘキサノンを実施例15と同じ方法で分散
した。次に、構造式(XVI)で表される高分子電荷輸送
物質をトルエンに溶解して上記分散液に添加、混合する
ことで表面層用塗工液23を作成した。この液をスプレ
ーで塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、本
発明の電子写真感光体を得た。表面層用塗工液の塩素イ
オン濃度、体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設
けた感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画
像評価結果、表面層の摩耗減量を表5に示す。
【0179】 〔表面層用塗工液23〕 アルミナ(AKP−50、住友化学工業製) 2部 ポリエステル樹脂 0.05部 シクロヘキサノン 60部 トルエン 140部 下記構造式(XVI)で表わされる高分子電荷輸送物質 8部
【0180】
【化22】
【0181】
【表5】
【0182】塩素イオン濃度は、塗工液に等量のイオン
交換水を加え、振とう後、放置して、分離した水をイオ
ンクロマトグラフで半定量測定を行なった。体積平均粒
径は堀場製作所製CAPA700で計測した。 沈降性評価基準 ◎:2日静置して分散粒子の沈降なし ○:1日静置して分散粒子の沈降なし △:1日静置して分散粒子が一部沈降 ×:1日静置して分散粒子が全部沈降
【0183】感光体を(株)リコー製複写機イマジオM
F200に装着し、暗部電位800V、明部電位100
Vに設定し画像(初期)を出し、次に1万枚の通紙試験
を行なった後、同様の方法で画像(1万枚)と摩耗量
(1万枚通紙前後の膜厚差)を計測した。膜厚は渦電流
式膜厚計フィシャー社製フィシャーコープMMSで測定
した。
【0184】比較例9 実施例16と同様の方法で塩素イオンを2ppm以上含
有するトルエンを作成した。次に、実施例15と同様に
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、実施
例15と同様の有機フィラーと分散剤とキシレンを実施
例15と同様の方法で分散した。さらに、実施例15と
同様のバインダー樹脂を上記トルエンに溶解してフィラ
ー分散液に添加、混合することで表面層用塗工液(比
9)を作成した。この液をスプレーで塗工して約3.0
μmの表面層を設け、乾燥後、電子写真感光体を得た。
表面層用塗工液の塩素イオン濃度、体積平均粒径、沈降
試験結果と、表面層を設けた感光体の初期画像及び1万
枚通紙ランニング後の画像評価結果、表面層の摩耗減量
を表6に示す。
【0185】比較例10 実施例16と同様の方法で塩素イオンを2ppm以上含
有するトルエンを作成した。次に、実施例15と同様に
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、実施
例22と同様のアルミナと分散剤とシクロヘキサノンを
実施例22と同様の方法で分散した。さらに、実施例2
2と同様のバインダー樹脂と電荷輸送物質を上記トルエ
ンに溶解してフィラー分散液に添加、混合することで表
面層用塗工液(比較10)を作成した。この液をスプレ
ーで塗工して約3.0μmの表面層を設け、乾燥後、電
子写真感光体を得た。表面層用塗工液の塩素イオン濃
度、体積平均粒径、沈降試験結果と、表面層を設けた感
光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後の画像評価
結果、表面層の摩耗減量を表6に示す。
【0186】比較例11 実施例15と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層
を設け、表面層を積層しない電子写真感光体(比11)
を得た。感光体の初期画像及び1万枚通紙ランニング後
の画像評価結果、表面層(電荷輸送層)の摩耗減量を表
6に示す。
【0187】
【表6】
【0188】塩素イオン濃度は、塗工液に等量のイオン
交換水を加え、振とう後、放置して、分離した水をイオ
ンクロマトグラフで半定量測定を行なった。体積平均粒
径は堀場製作所製CAPA700で計測した。 沈降性評価基準 ◎:2日静置して分散粒子の沈降なし ○:1日静置して分散粒子の沈降なし △:1日静置して分散粒子が一部沈降 ×:1日静置して分散粒子が全部沈降
【0189】感光体を(株)リコー製複写機イマジオM
F200に装着し、暗部電位800V、明部電位100
Vに設定し画像(初期)を出し、次に1万枚の通紙試験
を行なった後、同様の方法で画像(1万枚)と摩耗量
(1万枚通紙前後の膜厚差)を計測した。膜厚は渦電流
式膜厚計フィシャー社製フィシャーコープMMSで測定
した。
【0190】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明より明らか
なように、第1群の本発明の電子写真感光体の製造方法
によれば、小粒径にフィラーを分散することができるた
め、分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液を
作成でき、これを用いることにより、高耐久で繰返し使
用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提供が
可能となる。また、ケトン類、エーテル類を用いること
でより分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液
を作成でき、これを用いることにより高耐久で繰返し使
用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提供が
可能となる。また、分散安定性に優れたフィラー含有表
面層用塗工液を作成でき、電荷輸送物質を用いること
で、高感度で耐久性に優れ、繰返し使用に対し安定な高
画質画像を作像できる感光体の提供が可能となる。ま
た、分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液を
作成でき、高分子電荷輸送物質を用いることで、高感度
でより耐久性に優れ、繰返し使用に対して安定な高画質
画像を作像できる感光体の提供が可能となる。また、分
散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液を作成で
き、無機顔料を用いることで耐摩耗性が向上するため、
より高耐久で繰返し使用に対し安定な高画質画像を作像
できる感光体の提供が可能となる。また、分散安定性に
優れたフィラー含有表面層用塗工液を作成でき、シリ
カ、アルミナ、酸化チタンを用いることでさらに耐摩耗
性が向上するため、より高耐久で繰返し使用に対し安定
な高画質画像を作像できる感光体の提供が可能となる。
また、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはそれ
らの構造を含む共重合体、ポリカルボン酸、有機脂肪酸
が分散剤として機能するため、より分散安定性に優れた
フィラー含有表面層用塗工液を作成でき、これを用いる
ことにより高耐久で繰返し使用に対し安定な高画質画像
を作像できる感光体の提供が可能となるという優れた効
果を奏する。また、第2群の本発明の電子写真感光体の
製造方法によれば、粉砕工程での温度上昇を20℃以下
に抑えることで、分散安定性に優れたフィラー含有表面
層用塗工液を作成でき、これを用いることにより、高耐
久で繰返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感
光体の提供が可能となる。また、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、あるいはそれらの構造を含む共重合体、ポ
リカルボン酸、有機脂肪酸が分散剤として良好に機能す
るため、より分散安定性に優れたフィラー含有表面層用
塗工液を作成でき、これを用いることにより高耐久で繰
返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の
提供が可能となる。また、ケトン類、エーテル類を用い
ることでより分散安定性に優れたフィラー含有表面層用
塗工液を作成でき、これを用いることにより高耐久で繰
返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の
提供が可能となる。また、分散安定性に優れたフィラー
含有表面層用塗工液を作成でき、無機顔料を用いること
で耐摩耗性が向上するため、より高耐久で繰返し使用に
対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提供が可能
となる。また、分散安定性に優れたフィラー含有表面層
用塗工液を作成でき、シリカ、アルミナ、酸化チタンを
用いることでさらに耐摩耗性が向上するため、より高耐
久で繰返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感
光体の提供が可能となる。また、ボールミルを用いるこ
とで粉砕時の温度上昇を小さく抑えることができるた
め、より分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工
液を作成でき、これを用いることにより高耐久で繰返し
使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提供
が可能となる。また、ボールミルにφ1mm以上φ10
mm以下のアルミナボールを用いることで粉砕時の温度
上昇をより小さく抑えることができるため、より分散安
定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液を作成でき、
これを用いることにより高耐久で繰返し使用に対し安定
な高画質画像を作像できる感光体の提供が可能となる。
また、分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液
を作成でき、電荷輸送物質を用いることで、高感度で耐
久性に優れ、繰返し使用に対し安定な高画質画像を作像
できる感光体の提供が可能となる。また、分散安定性に
優れたフィラー含有表面層用塗工液を作成でき、高分子
電荷輸送物質を用いることで、高感度でより耐久性に優
れ、繰返し使用に対して安定な高画質画像を作像できる
感光体の提供が可能となるという優れた効果を奏する。
さらに、第3群の本発明の電子写真感光体の製造方法に
よれば、塩素イオン濃度を1ppm以下に規定すること
で分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工液が作
成できるため、高耐久で繰返し使用に対し安定な高画質
画像を作像できる感光体の提供が可能となる。また、イ
オン吸着材を用いて溶媒中の塩素イオン濃度を1ppm
以下に低減することにより、分散安定性に優れたフィラ
ー含有表面層用塗工液が作成できるため、高耐久で繰返
し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提
供が可能となる。また、イオン吸着剤として、活性白
土、フロリジル、塩基性アルミナを用いることでより多
くの塩素イオンを除去することができ、分散安定性に優
れたフィラー含有表面層用塗工液が作成できるため、高
耐久で繰返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる
感光体の提供が可能となる。また、分散剤を添加するこ
とで、より分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗
工液を作成でき、これを用いることにより高耐久で繰返
し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提
供が可能となる。また、分散剤としてポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、あるいはそれらの構造を含む共重合
体、モノカルボン酸、有機脂肪酸は良好に機能するた
め、より分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗工
液を作成でき、これを用いることにより高耐久で繰返し
使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体の提供
が可能となる。また、分散安定性に優れたフィラー含有
表面層用塗工液を作成でき、無機顔料を用いることで耐
摩耗性が向上するため、より高耐久で繰返し使用に対し
安定な高画質画像を作像できる感光体の提供が可能とな
る。また、分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗
工液を作成でき、シリカ、アルミナ、酸化チタンを用い
ることでさらに耐摩耗性が向上するため、より高耐久で
繰返し使用に対し安定な高画質画像を作像できる感光体
の提供が可能となる。また、分散安定性に優れたフィラ
ー含有表面層用塗工液を作成でき、電荷輸送物質を用い
ることで、高感度で耐久性に優れ、繰返し使用に対し安
定な高画質画像を作像できる感光体の提供が可能とな
る。また、分散安定性に優れたフィラー含有表面層用塗
工液を作成でき、高分子電荷輸送物質を用いることで、
高感度でより耐久性に優れ、繰返し使用に対して安定な
高画質画像を作像できる感光体の提供が可能となるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を表わす断面
図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の他の構成例を表わす
断面図である。
【図3】本発明の電子写真装置及び電子写真装置用プロ
セスカートリッジの概略図である。
【図4】本発明の他の電子写真装置を示す概略図であ
る。
【図5】本発明の他のプロセスカートリッジを示す概略
図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 感光層 3 表面層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層 11 感光体 12 除電ランプ 13 帯電チャージャ 14 イレーサ 15 画像露光部 16 現像ユニット 17 転写前チャージャ 18 レジストローラ 19 転写紙 20 転写チャージャ 21 分離チャージャ 22 分離爪 23 クリーニングチャージャ 24 ファーブラシ 26 感光体 27 帯電チャージャ 28 クリーニングブラシ 29 画像露光部 30 現像ローラ 31 感光体 32a 駆動ローラ 32b 駆動ローラ 33 帯電チャージャ 34 像露光源 35 転写チャージャ 36 クリーニング前露光 37 クリーニングブラシ 38 除電光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生野 弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田村 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 BB06 BB23 CA06 CA29 CA33 EA05 EA13 EA14

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層と、
    バインダー樹脂およびフィラーを含有する表面層の積層
    で構成される電子写真感光体の製造方法において、バイ
    ンダー樹脂を加えないでフィラーを溶媒に分散する工程
    の後、バインダー樹脂の溶解液と混合することにより該
    表面層を形成する塗工液を作成することを特徴とする電
    子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも感光層と、
    バインダー樹脂およびフィラーを含有する表面層の積層
    で構成される電子写真感光体の製造方法において、分散
    剤を用いてフィラーを溶媒及びバインダー樹脂に分散す
    る粉砕工程、あるいは分散剤を用いてフィラーを溶媒に
    分散する粉砕工程での液温度上昇量が20℃以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に少なくとも感光層と、
    バインダー樹脂およびフィラーを含有する表面層の積層
    で構成される電子写真感光体の製造方法において、前記
    表面層を形成するための塗工液が、少なくともバインダ
    ー樹脂とフィラーと溶媒を含み、該表面層用塗工液中の
    塩素イオン濃度が1ppm以下であることを特徴とする
    電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 あらかじめイオン吸着材により塩素イオ
    ンを除去処理した溶媒を、前記表面層用塗工液に用いる
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記イオン吸着材として、活性白土、フ
    ロリジル、塩基性アルミナを用いることを特徴とする請
    求項4に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記表面層用塗工液が分散剤を含むこと
    を特徴とする請求項3乃至5のいずれか1に記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記フィラー分散の工程に用いる分散剤
    として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはそ
    れらの構造を含む共重合体、モノカルボン酸、有機脂肪
    酸を単独であるいは2種類以上を混合して添加すること
    を特徴とする請求項1、2、6のいずれか1に記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記フィラー分散の工程に、少なくとも
    ケトン類、エーテル類から選ばれる溶媒を用いることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記表面層用塗工液に電荷輸送物質を含
    有させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記表面層用塗工液に含有させた電荷
    輸送物質が、高分子電荷輸送物質であることを特徴とす
    る請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記表面層用塗工液に分散したフィラ
    ーが無機顔料であることを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれか1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記表面層用の塗工液に分散させた無
    機顔料が、シリカ、アルミナ、酸化チタンの中から選ば
    れる1種であることを特徴とする請求項11に記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記フィラーの分散に、ボールミルを
    用いることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光
    体の製造方法。
  14. 【請求項14】 分散メディアとして、φ1mm以上1
    0mm以下のボールを用いることを特徴とする請求項1
    3に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至14のいずれかに記載の
    製造方法で製造されたことを特徴とする電子写真感光
    体。
  16. 【請求項16】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び
    電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、
    該電子写真感光体として請求項15に記載の電子写真感
    光体を用いることを特徴とする電子写真装置。
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