JP4255225B2 - 電子写真感光体、その製造方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、その製造方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、その製造方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真複写機、電子写真プリンター等における高速化、小型化、高画質化に伴い、感光体の高耐久化が要求されている。
感光体は、電子写真プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの反復過程で機械的、化学的作用を受け劣化する。
機械的劣化は、感光体の摩耗、傷、化学的劣化は、発生するオゾン、Noxによるバインダー樹脂、電荷移動材の酸化劣化及び堆積物等による画質低下に起因する。
また上記したように、高速化、小型化に伴い感光体が小径化され、加えてローラー帯電方式の採用による高エネルギーのアーク放電による感光体表面の損傷がひどく、機械的特性劣化を増長させる。
特に高画質化の要求からトナー粒子の微細化に伴い、電子写真プロセスでの使用条件は厳しくなり、殊にクリーニング部では、ゴムブレードが使用され、十分にクリーニングするためにはゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、そのために感光体の摩耗が促進され、電位変動、感度変動が生じ、それによる異常画像、カラー画像の色バランスがくずれ、色再現性に問題が発生する等の不具合が生じる。
【0003】
このために、感光体にフィラーを添加する技術が、特開平1−205171号公報、特開平7−333881号公報、特開平8−15887号公報、特開平8−123053号公報、特開平8−146641号公報等に提案されている。
しかし、これらは耐摩耗性の向上にはなるものの、長期連続繰り返し使用により明部電位上昇となり、画像濃度低下等の画像劣化が発生した。
特開平8−179542号公報に提案されている保護層は、機械的強度が高く、耐摩耗性向上するものの画像解像力が低下し、文字の太りが観察されるというものであった。
【0004】
また、感光層の表層は、一般に低分子電荷輸送材とバインダー樹脂からなり、機械的強度の点からポリカーボネート樹脂が一般的に使用されている。
円筒状支持体上への形成方法としては、ハロゲン系、芳香族系、エステル系、ケトン系、環状エーテル系溶媒等に溶解し、生産性、膜厚の均一性から浸漬法が一般的に採用されている。
浸漬法は、生産性、膜厚分布の均一性、塗工液消費量、工程管理等優れた点が多い。
【0005】
ここで、感光層上にフィラーを含有させた電荷輸送層を設けるには、スプレー法、ノズル法、リング法等の工法が適用されるが、電荷輸送物質の溶解性、バインダー樹脂の溶解性又はバインダー樹脂と電荷輸送物質の相溶性から、上記した溶媒系で塗工しているのが現状である。
しかし、これら工法では、膜厚分布が大きく、感光体内の電気特性がバラツキ、画像不均一が発生するものであった。
これは、塗工溶媒が下層を溶解、浸食し流動化するためと考えられる。
このために、下層を溶解しないアルコール系溶剤を用いた浸漬塗工が望ましい。
アルコール可溶性樹脂及びフィラー混合系での塗工するものが、特開平2−151870号公報、特開平2−207268号公報に開示されている。
これによれば、感光層の浸食、クラックを防止して表面層が形成されるとしている。しかし、これら表面層中には電荷輸送材が添加されておらず、残留電位上昇が余儀なくされる。
また、特開2000−330313号公報には、アルコール溶剤と水酸基をする電荷輸送材、バインダー樹脂からなる表面微粒子層が開示されている。
また、特開2000−310870号公報には、水酸基を有する電荷輸送材とバインダーをアルコールに溶解、塗工する方法が開示されている。
しかしながら、いずれの場合も、塗工液の経時的変化が著しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題を解消し、耐摩耗性の向上を図り、繰り返し使用に対して電位変動がなく、高感度であって高画質の画像を維持することのできる電子写真感光体、その製造方法、この電子写真感光体を用いた画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することをその課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、バインダー樹脂及び電荷輸送物質の特性に着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち、本発明によれば、第1に、導電性基体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、フィラー含有電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体において、前記フィラー含有電荷輸送層がアルコール可溶性バインダー樹脂、アルコール可溶性電荷輸送物質及びアルミナフィラーを含有したものであることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0009】
この第1の発明には、該フィラー含有電荷輸送層が、メラミン樹脂を含有するものである電子写真感光体含まれる。
【0010】
また、フィラー含有電荷輸送層、ポリビニルブチラールを含有するものである電子写真感光体が含まれる。
【0013】
本発明によれば、第に、導電性基体上に感光層を有し、低分子電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送層と、アルコール可溶性低分子電荷輸送物質、アルコール可溶性バインダー樹脂及びアルミナフィラーからなる層とを有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0014】
第1、2の発明には、該導電性基体と該感光層との間に下引き層を設けたものである電子写真感光体、該感光層の形状が、ベルト状、シート状又はドラム状である電子写真感光体及び該アルコール可溶性電荷輸送物質が、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種である電子写真感光体が含まれる。
【0015】
【化4】
Figure 0004255225
【0016】
【化5】
Figure 0004255225
【0017】
【化6】
Figure 0004255225
〔式(1)、(2)及び(3)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar6、Ar7は置換又は無置換アリーレン基を示し、Ar4、Ar5、Ar8、Ar9は置換又は無置換アリール基を示し、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。mは1〜4の整数、nは0又は1である。Zは置換アルキレン基、置換アリーレン基又は置換ビニレン基を示す。Xは置換又は無置換アルキレン基、置換又は無置換シクロアルキレン基、置換又は無置換アルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子又はビニレン基を示す。〕
【0018】
本発明によれば、第に、導電性基体上に感光層を形成し、アルコール可溶性バインダー樹脂とアルコール可溶性電荷輸送物質とのアルコール溶液及びアルミナフィラーにより最表層を形成することを特徴とするとする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0019】
この第の発明には、該アルコール可溶性電荷輸送物質が、上記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種である電子写真感光体の製造方法が含まれる。
【0020】
また、本発明によれば、第に、少なくとも感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段及び写手段を備えた画像形成装置であって、該感光体が第1、2のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0021】
さらに本発明によれば、第に、感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの手段とを一体的に支持してなり、画像形成装置に着脱自在とした画像形成装置用プロセスカートリッジであって、該感光体が第1、2のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる無機フィラーとしては、酸化チタン、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられるが、特に良好なものとして、アルミナ、酸化チタン、シリカ、酸化ジルコニウムが挙げられる。
これら無機フィラーは分散性向上等の理由から、無機物、有機物により表面処理されてもよい。
一般に撥水性処理としてシランカップリング剤で処理したもの又はフッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したもの、無機物処理としては、フィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものが知られている。
有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂等の球形架橋体等が挙げられる。
【0023】
アルコール可溶性バインダー樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、MMA−BMA−HEMA等の共重合体、MMA−フッ素基置メタクリルエステル共重合体等のアクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体ハーフエステル、シリコーン樹脂等が挙げられる。
アルコール溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、3−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、フルフリルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、メトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エトキシエタノール、エトキシプロパノール、ブトキシエタノール等が挙げられる。
【0024】
アルコール可溶性電荷輸送物質としては、一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
【0025】
【化7】
Figure 0004255225
【0026】
【化8】
Figure 0004255225
【0027】
【化9】
Figure 0004255225
〔式(1)、(2)及び(3)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar6、Ar7は置換又は無置換アリーレン基を示し、Ar4、Ar5、Ar8、Ar9は置換又は無置換アリール基を示し、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。mは1〜4の整数、nは0又は1である。Zは置換アルキレン基、置換アリーレン基又は置換ビニレン基を示す。Xは置換又は無置換アルキレン基、置換又は無置換シクロアルキレン基、置換又は無置換アルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子又はビニレン基を示す。〕
【0028】
上記一般式(1)〜(3)において、Ar4、Ar5、Ar8、Ar9はアリール基であり、具体例としては、縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭素水素基及び複素環基が挙げられる。
【0029】
縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基及びナフタセニル基等が挙げられる。
【0030】
非縮合環式炭素水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、又はビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基又は9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
【0031】
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、上記Ar4、Ar5、Ar8、Ar9で表されるアリール基は、例えば、以下に示すような置換基を有してもよい。
【0032】
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等、
【0033】
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基には、さらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基又はC1〜C4のアルコキシ基で、置換されたフェニル基を含有してもよい。
具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
【0034】
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表す。
具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0035】
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。
具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
【0036】
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
【0037】
(6)下記一般式(4)
【化10】
Figure 0004255225
〔式(4)中、R3及びR4は各々独立に水素原子、(2)で定義したアルキル基又は上記アリール基の説明におけるアリール基を表す。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R3及びR4は共同で環を形成してもよい。〕
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
【0038】
(7)メチレンジオキシ基又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
【0039】
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
上記Ar1、Ar2、Ar3、Ar6、Ar7で表されるアリーレン基としては、上記Ar4、Ar5Ar8、Ar9で表されるアリール基から誘導される2価基である。
【0040】
上記Xは、
【化11】
Figure 0004255225
又は
【0041】
【化12】
Figure 0004255225
で表される。
〔R5は水素、アルキル基(上記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(上記Ar4、Ar5Ar8、Ar9で表されるアリール基と同じ)、aは2〜4、bは1又は2を表す。〕
【0042】
Zは、置換基を有するアルキレン基で(2)で表されたアルキル基の2価基、置換基を有するAr1、Ar2、Ar3、Ar6、Ar7で表されるアリーレン基、置換基を有するビニレン基で表され、これら基は(1)〜(6)で表される置換基を有する。
【0043】
これら化合物は、特開平7−325409号公報、及び特開平9−31035号公報等に記載された方法で合成される。
また、ヒドロキシアルキル化合物は、フェノール性水酸基とヒドロキシハロゲン化アルキル化合物から誘導される。
【0044】
【化13】
Figure 0004255225
【0045】
以下、一般式(1)〜(3)で表される化合物の代表例を表1〜5に示すが、本発明においては、これらの化合物に限定されるものではない。
【0046】
【表1】
Figure 0004255225
【0047】
【表2】
Figure 0004255225
【0048】
【表3】
Figure 0004255225
【0049】
【表4】
Figure 0004255225
【0050】
【表5】
Figure 0004255225
【0051】
フィラー含有電荷輸送層は、一般式(1)〜(3)で表されるアルコール可溶性低分子電荷輸送物質とアルコール可溶性バインダー樹脂とを粉砕、分散し、塗工される。
フィラー層のフィラー含有量は、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%であり、10重量%未満であると耐摩耗性はあるものの十分でなく、40重量%を越えると感光層の透明性が損なわれる。
平均粒径は0.05〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.8μmに粉砕、分散するのが好ましい。
粒径が大きいと、表面に頭出し、クリーニングブレードを傷つけてクリーニング不良が発生する。
溶媒はアルコールを主にした混合溶媒でもよく、地質下層を溶解しないものであればよい。
【0052】
次に、本発明の電子写真感光体の層構成について説明する。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、又はアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等を使用することができる。
【0053】
本発明における感光層は、単層型であっても積層型であってもよいが、ここでは積層型について説明する。
まず、電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物やアモルファス・シリコン等が挙げられる。
アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものやホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0054】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。
例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。
これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0055】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド等が用いられる。
これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。さらに、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷輸送物質としては、電子供与性物質が挙げられ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0056】
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが挙げられる。
前者の真空薄膜作製法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上記した無機系材料、有機系材料により良好に形成できる。
また、後記のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上記した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。
塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法等を用いて行なうことができる。
【0057】
このようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
次に、電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶解、塗工し、形成する。電荷輸送層に使用できるバインダー樹脂としては、フィルム性の良好なポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、ビスフェノールCタイプ、又はこれら共重合体)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等が用いられる。
これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0058】
電荷輸送層に使用される低分子電荷輸送物質は、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、52−139066号公報に記載)イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特願平1−77839号公報に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号公報、55−156954号公報、55−52063号公報、56−81850号公報等に記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−10983公報号に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829公報号に記載)、スチリル誘導体(特開昭56−29245号公報、58−198043号公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(特願平2−94812号公報に記載)等を使用することができる。
【0059】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。
これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は、耐摩耗性に優れたものである。
高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。
【0060】
この高分子電荷輸送物質は、バインダー樹脂としての役割をもつことから被膜形成能を有していることが必要である。
そのため、分子量は、GPCによる測定において、ポリスチレン換算分子量Mwとして1〜50万が適当で、好ましくは5〜40万である。
これら高分子輸送物質は、特開平8−269183号公報、特開平9−71642号公報、特開平9−104746号公報、特開平9−272735号公報、特開平11−29634号公報、特開平9−235367号公報、特開平9−87376号公報、特開平9−110976号公報、特開平9−268226号公報、特開平9−221544号公報、特開平9−227669号公報、特開平9−157378号公報、特開平9−302084号公報、特開平9−302085号公報、特開2000−26590号公報に開示されている。
電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0061】
また、本発明においては、電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般に樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0062】
次に、感光層が単層構成の場合について説明する。
キャスティング法等で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質、電荷輸送物質及びにバインダー樹脂よりなる機能分離型のものが挙げられる。
すなわち、電荷発生物質及びに電荷輸送物質には、上記の材料を用いることができる。
また、必要により、可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
さらに、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、電荷輸送層の説明で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層の説明で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
【0063】
単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0064】
本発明の電子写真感光体には、導電性支持体と感光層(積層タイプの場合には、電荷発生層)との間に下引き層を設けることができる。
この下引き層の膜厚は0〜8μmが適当である。
下引き層は、接着性を向上する、モワレ等を防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減する等の目的で設けられるものである。
【0065】
下引き層は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
【0066】
また、この下引き層には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、又は金属硫化物、金属窒化物等の微粉末を加えてもよい。
これらの下引き層は、上記の感光層に用いられる適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0067】
さらに、本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものやポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法により設けたものも良好に使用できる。
【0068】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤は、有機物を含む層であればいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
【0069】
本発明に用いることができる酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系化合物として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
【0070】
また、ビスフェノール系化合物として、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0071】
さらに、高分子フェノール系化合物として、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類等が挙げられる。
【0072】
また、パラフェニレンジアミン類として、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0073】
さらに、ハイドロキノン類として、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等が挙げられる。
【0074】
また、有機硫黄化合物類として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0075】
さらに、有機燐化合物類として、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等が挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0076】
次に図面に基づいて、本発明の画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0077】
図1において、感光体1は導電性支持体上に、少なくとも感光層とフィラーを含有する表面層が設けられてなる。
感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラをはじめとする公知の手段が用いられる。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0078】
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
【0079】
このような光源等は、図1に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、又は前露光等の工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0080】
そして、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。
このようなトナーは、ファーブラシ14及びブレード15により、感光体より除去される。
クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシをはじめとする公知のものが用いられる。
【0081】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
この現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0082】
図2に、本発明の画像形成装置の別の例を示す。
感光体21は導電性支持体上に、少なくとも感光層とフィラーを含有する表面層とが設けられてなる。
駆動ローラ22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。
図2においては、感光体21(この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0083】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、他の実施形態も可能である。
例えば、図2において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0084】
図3に、本発明に係る画像形成装置用プロセスカートリッジを示す。
ここにおいて、このプロセスカートリッジは、感光体16、現像部20、クリーニング部18及び帯電ローラ17を具備した一体化ユニットであり、感光体16は帯電ローラー17で帯電され、次いで、LED、LD、EL、蛍光灯、タングテンランプ等の光源19で露光され、さらに、現像部20で現像される。
現像されたトナー像は転写紙等に転写され(図示せず)、未転写トナーはクング部18によりクリーニングするプロセスである。
【0085】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。
なお、「部」とあるのは、重量部である。
【0086】
実施例1
φ30、340mmのアルミニウムシリンダーに、下記塗工液を全て浸漬法により塗工した。
膜厚は、4μm/0.2μm/20μm/5μmであった。
【0087】
〔下引き層用塗工液〕
下記組成をボールミルで24時間分散して調製した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,
大日本インキ化学工業製) 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,
大日本インキ化学工業製) 4部
酸化チタン(CREL 石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
【0088】
〔電荷発生層用塗工液〕
下記組成をボーリミルで72時間粉砕、分散した。
【0089】
【化14】
Figure 0004255225
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 1部
テトラヒドロフラン 50部
【0090】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記組成を溶解し調製した。
ポリスチレン(HRM デンカ社製) 12部
【0091】
【化15】
Figure 0004255225
テトラヒドロフラン
1%シリコーンオイル(KF50 信越シリコーン社製) 90部
テトラヒドフラン溶液 1部
【0092】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
電荷輸送物質No.1(表1) 15.4部
50%ポリ酢酸ビニル酢酸エチル溶液(関東化学) 44部
アルミナ(AA03 住友化学社) 12.5部
メタノール 116部
【0093】
実施例2
実施例1と同様に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0094】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
電荷輸送物質No.7(表1) 15.4部
50%ポリ酢酸ビニル酢酸エチル溶液(関東化学) 44部
アルミナ(AA03 住友化学社) 12.5部
メタノール 116部
【0095】
実施例3
実施例1と同様に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0096】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
電荷輸送物質No.7(表1) 7.2部
9%ポリビニルブチラール(BM2 積水化学社)
メタノール溶液 114.4部
アルミナ(AA03 住友化学社) 5部
【0097】
実施例4
実施例1と同様に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0098】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
電荷輸送物質No.22(表3) 13部
30%メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−
ヒドロキシエチルメタクリレート(3:2:4重量)
共重合体エタノール溶液 50部
60%メラミン樹脂溶液(ベッカミンG821−60 6.3部
大日本インキ社製)
アルミナ(AA03 住友化学社) 10.6部
メタノール 63.3部
【0099】
参考例1
実施例1と同様に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0100】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
電荷輸送物質No.22(表3) 40部
40%オクタフルオロペンチルメタクリレート−メチルメタ
クリレート−ヒドロキエチルメタクリレート
(3:1:2重量)共重合体エタノール溶液 142部
60%メラミン樹脂溶液(ベッカミンG821−60
大日本インキ社製) 11.36部
シリカ(KMPX100 信越化学社) 32部
メタノール 210部
【0101】
参考例2
実施例1と同様に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記塗工液を浸漬法により塗工して、3μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0102】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミル2時間行った。
電荷輸送物質No.35(表5) 14.4部
17%ポリビニルブチラール(BL1 積水化学社)
メタノール溶液 120部
酸化チタン(CR97 石原産業社) 11部
【0103】
参考例3
実施例1と同様に、下引き層、電荷発生層を設けた上に、下記電荷輸送層20μm設け、次いで、下記フィラー含有電荷輸送層塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0104】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記組成を溶解し調整した。
ポリカーボネート(K1300 帝人化成社製) 12部
【0105】
【化16】
Figure 0004255225
テトラヒドロフラン
1%シリコーンオイル(KF50 信越シリコーン社製) 90部
テトラヒドフラン溶液 1部
【0106】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
電荷輸送物質No.31(表4) 14.4部
30%メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−
ヒドロキシエチルメタクリレート(3:2:4重量)
共重合体エタノール溶液 50部
60%メラミン樹脂溶液(ベッカミンG821−60
大日本インキ社製) 6.3部
球形シリコーン樹脂(トスパール105 東芝シリコーン社)10.6部
エタノール:ブタノール(1:1混合) 63.3部
【0107】
参考例4
参考例3と同様に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層20μm設けた上に、下記フィラー含有電荷輸送層塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0108】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミル2時間行った。
電荷輸送物質No.11(表1) 30部
17%ポリビニルブチラール(BL1 積水化学社)
メタノール溶液 200部
60%メラミン樹脂溶液(ベッカミンG821−60
大日本インキ社製) 15部
球形メラミン樹脂(エポスターS 日本触媒社) 20部
メタノール 135部
【0109】
比較例1
実施例1と同様にして、下引き層、電荷発生層を設け、電荷輸送層の膜厚を25μmとした。
【0110】
比較例2
実施例1と同様にして、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記フィラー含有電荷輸送層塗工液を浸漬法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0111】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
6%ポリカーボネートZ(TS2050 帝人化成社)
テトラヒドロフラン溶液 100部
アルミナ(AA03 住友化学社) 3.4部
テトラヒドロフラン 20部
【0112】
比較例3
実施例1と同様にして、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に、下記フィラー含有電荷輸送層塗工液をスプレー法により塗工して、5μmのフィラー含有電荷輸送層を設けた。
【0113】
〔フィラー含有電荷輸送層塗工液〕
下記調合液をジルコニアメディアで振動ミルにより2時間行った。
【0114】
【化17】
Figure 0004255225
5%ポリカーボネートZ(TS2050 帝人化成社)
テトラヒドロフラン:シクロヘキサノン(7:2)
混合溶液 120部
アルミナ(AA03 住友化学社) 3.4部
テトラヒドロフラン:シクロヘキサノン(7:2)溶媒 213部
【0115】
実施例1〜4、参考例1〜4及び比較例1〜3の感光体をローラー帯電方式、655nmのレーザー露光、2成分現像方式、ウレタンゴムブレードカウンタークリーニング方式を具備したリコー製イマジオMF2200に装着し、5万枚のランニング試験を行った。摩耗量はフィッシャー製渦電流膜厚計で計測した。結果を表6に示す。
【0116】
【表6】
Figure 0004255225
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、耐摩耗性の向上を図り、繰り返し使用に対して電位変動がなく、高感度であって高画質の画像を維持することのできる電子写真感光体、その製造方法、この電子写真感光体を用いた画像形成装置及び画像形成用プロセスカートリッジが提供され、電子写真プロセス、殊に複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等の分野に寄与するところはきわめて大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置の別の例を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジを示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
16 感光体
17 帯電ローラ
18 クリーニング部
19 画像露光部
20 現像部
21 感光体
22 駆動ローラ
23 帯電チャージャ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源

Claims (6)

  1. 導電性基体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、フィラー含有電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体において、前記フィラー含有電荷輸送層がアルコール可溶性バインダー樹脂、アルコール可溶性電荷輸送物質及びアルミナフィラーを含有したものであることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記フィラー含有電荷輸送層が、メラミン樹脂を含有するものである請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記フィラー含有電荷輸送層に用いられるアルコール可溶性バインダー樹脂が、ポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項又はに記載の電子写真感光体。
  4. 前記アルコール可溶性電荷輸送物質が、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 0004255225
    Figure 0004255225
    Figure 0004255225
    〔式(1)、(2)及び(3)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar6、Ar7は置換又は無置換アリーレン基を示し、Ar4、Ar5、Ar8、Ar9は置換又は無置換アリール基を示し、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。mは1〜4の整数、nは0又は1である。Zは置換アルキレン基、置換アリーレン基又は置換ビニレン基を示す。Xは置換又は無置換アルキレン基、置換又は無置換シクロアルキレン基、置換又は無置換アルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子又はビニレン基を示す。〕
  5. 少なくとも感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段及び写手段を備えた画像形成装置であって、該感光体が請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの手段とを一体的に支持してなり、画像形成装置に着脱自在とした画像形成装置用プロセスカートリッジであって、該感光体が請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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