JP4618678B2 - 新規シリル化合物及び、これを用いた電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
近年、電子写真感光体は、感度、安定性の面から、電荷発生層と電荷輸送層を分離したものが主流となっているが、この構成の電子写真感光体は、電荷発生物質を適当な樹脂を結着材として結着してなる層と、その上の電荷輸送材をバインダー樹脂中に分散或いは溶解させた層の2層からなっている。電荷輸送層のバインダーとしては、主に、正孔輸送材について検討がなされ、そのバインダーとしてポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂が検討されている。
従って、ポリシロキサン樹脂を、単独で電荷輸送層を構成するバインダーとして用いるためには、ポリシロキサン樹脂に可溶な電荷輸送物質を見いだすことが必要であった。
(1) 下記一般式1で示されるシリル化合物。
(4) 前記硬化物が、前記シリル化合物と下記一般式4で示される化合物を硬化させたものであることを特徴とする前記(3)記載の電子写真感光体。
(6) 前記電子写真感光体が、感光層上に保護層を有し、該保護層が前記シリル化合物及び/又はその硬化物を含有したことを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の電子写真感光体。
(7) 感光体の形状がベルト状、シート状またはドラム状であることを特徴とする前記(3)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(9) 前記(3)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体的に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
アルコキシ基は炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖のアルコシキ基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、等が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
更にまた、複素環基である場合、具体例としてカルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基
(2)アルキル基、好ましくは、炭素数1〜8、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基:アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基:具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換無置換のβ−フェニルスチリル基ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
また、本発明の一般式1で示されるシリル化合物は硬化反応し、硬度の高い、かつウレタン結合とメチレン鎖をもつ光機能性シリル化合物であって、ウレタン結合部位間の二次構造とメチレン鎖による硬化時の体積収縮による内部応力を緩和し、また外部応力を緩和した耐摩耗性と剥離のない層を形成することができる。
硬化する際は、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、あるいはシュウ酸、酢酸、トリフロロ酢酸などの有機酸、あるいはジブチル錫ジアセテート、アルミニウムIII2,4−ペンタンジオネートなどの触媒でアルコキシシランを加水分解しシラノールとして、50〜200℃、10〜60分間加熱することで脱水縮合させ硬化膜が得られる。
導電性基体としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することが出来る。
はじめに、電荷発生層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
本発明一般式1で示されるのシリル化合物は電荷輸送機能があり、それ自身で硬化して電荷輸送層を形成しても良く、また一般式4で示される化合物とともに硬化して電荷輸送層を形成してもよい。さらにバインダー樹脂とともに溶解、塗工し、電荷輸送層を形成することもできる。特に、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合は、硬化することにより耐摩耗性が向上するので硬化することが好ましい。
バインダー樹脂としてはポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、ビスフェノールCタイプ、あるいはこれら共重合体)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、アクリルポリオールなどなどが用いられる。これらのバインダーは、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷輸送物質としては、本発明の一般式1で示されるシリル化合物を、あるいは一般式1で示されるシリル化合物と一般式4で示される化合物を用い、電荷発生物質、バインダー樹脂とから構成された硬化層から形成される。電荷発生物質は層中2〜10重量%、一般式1のシリル化合物は30〜70重量%、一般式4シリル化合物は0〜50重量%、およびバインダー樹脂は20〜50重量%で添加される、この場合触媒として鉱酸、有機酸、有機金属化合物など使用される。
電荷発生物質としては、先に電荷発生層で挙げた電荷発生物質を用いることができる。
バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
また、必要により可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。
単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
この他に、本発明の下引き層には Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO,SnO2,TiO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
図1は、本発明の電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
図1において、感光体1は導電性基体上に少なくとも感光層が設けられ、前記一般式1で示される化合物及び/又はその硬化物を含有している。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラ等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、図1に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
トナーはカラー化が進み、シアン、マゼンタ、イエローからなる。これらトナーは一般にトナー補給時に流動性が要求されるため、シリカ、酸化チタンなどの流動化剤が添加される。
尚、ベルト感光体と駆動、支持ローラとが一体で、装置への脱着が自在にできるようにユニット化することも可能である。
感光体31の周辺には帯電手段として帯電ローラー33、感光体表面に現像材を適量供給する現像ユニット34、画像転写後に感光体表面をクリーニングする手段として、ブレードを備えたクリーニングユニット35が一体に組み込まれている。
このカートリッジは光書きこみ手段、転写手段、除電手段、定着手段、記録紙の搬送手段などの画像形成に必要な手段を具備した画像形成装置に着脱自在に取り扱い可能なように形成されている。
尚、該カートリッジに搭載される感光体31は、導電性基体上に少なくとも感光層が設けられ、前記一般式1で示される化合物及び/又はその硬化物を含有している。
図4に示す1H−NMRスペクトルにおける吸収ピーク
b:7.07−6.94ppm(m 12H)、
c:5.03ppm(1H)、
d:4.41ppm(2H)、
e:4.18ppm(2H)、
f:3.84−3.79ppm(6H)、
g:3.2−3.17(2H)
h:2.31(6H)、
i:1.61ppm(2H)、
j:1.24ppm(9H)、
k:0.65−0.61ppm(2H)
アルミ板上にポリアミド層(東レ社製 アミランCM8000)をメタノール溶液で0.5μの下引き層を設けた。
下記電荷発生物質 2部
テトラヒドロフラン(以後THF) 50部
の分散液をブレード塗工して0.2μの電荷発生層を設けた。
No.2のシリル化合物 1部
THF 2部
ジブチル錫ジアセテート 0.01部
この感光体を川口電気社製エレクトロニックペーパーアナライザーを用いて1000回転させ放電電流20μAで20秒間帯電(Vd)させ、20秒間暗中放置の電位(Dd)、白色光5.3Luxの光量で露光させ1/2電位になる感度(E1/2)を測定した結果、Vd:1100V、Dd:900V、E1/2:1.3lux・secであった。
実施例2と同様にして下引き層と電荷発生層を設けて、下記電荷輸送層を実施例2と同様にして設け、電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例2と同様に評価した。
No.1のシリル化合物 1部
THF 2部
ジブチル錫ジアセテート 0.01部
Vd:1000V、Dd:950V、E1/2:1.2lux・sec
実施例2と同様にして下引き層と電荷発生層を設けて、下記電荷輸送層を実施例2と同様にして設け、電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例2と同様に評価した。
No.7のシリル化合物 1部
THF 2部
ジブチル錫ジアセテート 0.01部
Vd:1200V、Dd:1050V、E1/2:1.5lux・sec
実施例2と同様にして下引き層と電荷発生層を設けて、下記電荷輸送層を実施例2と同様にして15μm設け、電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例2と同様に評価した。
下記電荷輸送物質 1部
THF 13部
Vd:1100V、Dd:990V、E1/2:1.1lux・sec
φ30mm、L340mmのアルミニウムシリンダーに、下記塗工液を浸漬法により塗工し、電子写真感光体を得た。
膜厚は、下引き層4μm/電荷発生層0.2μm/電荷輸送層20μmであった。
〔下引き層用塗工液〕
下記組成をボールミルで24時間分散して調製した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
4部
酸化チタン(CREL 石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
下記電荷輸送物質 0.5部
テトラヒドロフラン(THF) 2部
ジブチル錫ジアセテート 0.02部
の溶液を2時間攪拌し、リング塗工し、130℃で30分間乾燥、硬化させ、20μmの電荷輸送層を設けた。
実施例5と同様に下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層を20μm設け、次いで下記保護層塗工液をスプレー法で塗工し、130℃で30分間乾燥、硬化させ、5μmの保護層を設け、電子写真感光体を得た。
〔電荷輸送層用塗工液〕
ポリスチレン(トーヨースチロール社製 MW−1 ) 10部
下記電荷輸送物質 10部
THF 100部
No.2のシリル化合物 1部
メチルトリメトキシシラン 1部
イソプロピルアルコール 5部
THF 5部
10%塩酸水溶液 0.1部
実施例5と同様に下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層を20μm設け、次いで下記保護層塗工液をスプレー法で塗工し、130℃で30分間乾燥、硬化させ、5μmの保護層を設け、電子写真感光体を得た。
〔電荷輸送層用塗工液〕
ポリカーボネートZ(帝人化成社製 TS−2050) 10部
下記電荷輸送物質 10部
THF 100部
No.9のシリル化合物 1部
メチルトリメトキシシラン 0.6部
トリエトキシシラン 0.3部
トリメチルメトキシシラン 0.1部
イソプロピルアルコール 5部
THF 5部
10%塩酸水溶液 0.1部
実施例5と同様にして下引き層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層25μmを設け、電子写真感光体を得た。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記電荷輸送物質 1部
1%THF溶液のシリコーンオイル(信越化学社製 KF50) 0.1部
THF 10部
実施例6で下引き層、電荷発生層を設け且つ電荷輸送層を25μmを設け、保護層を設けない以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を得た。
比較例4
実施例7で保護層を設けないで、電荷輸送層25μmを設けた以外は実施例7と同様にして電子写真感光体を得た。
[実機ランニング特性評価方法]
市販電子写真複写機イマジオNeo270[(株)リコー製]により、それぞれの感光体について1万枚までのランニング試験を行った。試験中及び試験後に感光体の、画像品質特性、感光層摩耗量の評価を適時行った。
暗部電位(VD):各感光体の表面電位を初期850Vになるように調整した。
明部電位(VL):各感光体の表面電位を初期80Vになるように調整した。
それぞれのVD、VLの変化量をみた。
画像品質:ベタ濃度、細線再現性、異常画像等総合的に評価
摩耗量 :実機ランニングによる感光層膜厚減少量
これら結果を表2に示した。
φ168mm、厚み30μmニッケル基体上に実施例5と同様に下引き層を設け、その上に下記電荷発生層液を塗工して80℃で乾燥して0.2μmの電荷発生層を設けた。
〔電荷発生層用塗工液〕
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部
テトラヒドロフラン 50部
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記電荷輸送物質 1部
テトラヒドロフラン(THF) 2部
1%THF溶液のシリコーンオイル(信越化学社製 KF50) 0.1部
No.1のシリル化合物 0.9部
ジメチルジメトキシシラン 0.1部
テトラヒドロフラン(THF) 5部
ジブチル錫ジアセテート 0.02部
この感光体の基体は30μmと薄いにもかかわらず、収縮による変形、及び表面の亀裂もなくクリアなものであった。
この感光体をリコー社製イマジオネオC270に装着して1万枚の通紙試験を行った。この装置は図2に示すベルト状感光体である。
この結果異常画像もなく、初期、1万枚後も鮮明な画像であった。また摩耗もなく、また亀裂、剥離もなく、高耐久な感光体であった。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 ブレード
21 感光体
22a、22b 駆動ローラ
23 帯電器
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
31 感光体
32 クリーニングブレード
33 帯電ローラ
34 現像ユニット
35 クリーニングユニット
36 搬送スクリュー
37 現像スリーブ
38 現像剤セットケース
39 ドクター
40 トナー搬送コイル
41 画像露光部
Claims (9)
- 導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、請求項1又は2記載のシリル化合物及び/又はその硬化物を含有したことを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層を積層した積層型感光層であり、該電荷輸送層が前記シリル化合物及び/又はその硬化物を含有したことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体が、感光層上に保護層を有し、該保護層が前記シリル化合物及び/又はその硬化物を含有したことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体の形状がベルト状、シート状またはドラム状であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備した画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項3〜6のいずれかに記載の電子写真感光体あることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項3〜6のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体的に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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