JPH11184106A - 電子写真感光体、および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、および画像形成装置

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JPH11184106A
JPH11184106A JP34985397A JP34985397A JPH11184106A JP H11184106 A JPH11184106 A JP H11184106A JP 34985397 A JP34985397 A JP 34985397A JP 34985397 A JP34985397 A JP 34985397A JP H11184106 A JPH11184106 A JP H11184106A
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友純 上坂
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一浩 小関
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文夫 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境依存性がなく、および光電特性、機械的
強度、酸化性ガスに対する耐性、及び紙粉などの付着物
に対する耐性等が高く、かつ高品質の画像を長期に渡り
得ることができる耐刷性に優れた電子写真感光体、並び
にそれを用いた画像形成装置を提供。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、感光層が下記一般式(I)で表され
る化合物を含有しており、さらに、フッ素原子含有化合
物および酸化防止剤を含有していることを特徴とする電
子写真感光体である。下記式中、Gは無機ガラス質ネッ
トワークサブグループ、Dは可とう性有機サブユニッ
ト、Fは光電特性サブユニットを示す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリなど、広い分野に適用される電子写真
感光体、その製造方法、およびそれを用いた電子写真画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置例えば普通紙複写機
(PPC)、レーザープリンター、LEDプリンター、
液晶プリンター等は、回転ドラム型等の感光体に帯電、
露光、現像の作像プロセスを適用して像形成し、転写材
に転写後定着して複写物を得る。これらに用いられる感
光体としてはセレニウム、ヒ素−セレニウム、硫化カド
ミウム、酸化亜鉛、a−Si等の無機系感光体が用いら
れているが、安価で製造性および廃棄性の点で優れた有
機感光体(OPC)の研究開発も活発化しており、中で
も電荷発生層と電荷輸送層を積層した、いわゆる機能分
離型積層感光体が、感度、帯電性およびその繰り返し安
定性等の電子写真特性の点で優れており種々の提案がな
され、実用化されている。
【0003】しかしながら、電子写真感光体に要求され
る耐久性は年々厳しいものとなっており、繰り返し使用
による表面層の摩耗および傷、特に接触帯電下の使用で
著しく増長される表面層の摩耗および傷、コロナ帯電器
から発生するオゾンなどの酸化性ガスによる表面層の酸
化劣化、等の問題に対して、耐久性向上に必要な技術の
検討が続けられている。
【0004】最近になり、酸化性ガスの発生が少なくな
る、および電源コストが抑えられるなどの理由から、接
触帯電方式を用いた複写機やプリンタが増えている。し
かし、感光体の帯電電位を安定させるために交流成分を
有する印加電圧を用いた場合、感光体表面の摩耗が大き
くなってしまうという問題があった。この原因として
は、感光体表面と接触帯電器の間に発生する放電によ
り、感光体表面の結着樹脂の結合が切断されて低分子量
化すること、などが考えられている。感光体表面の結着
樹脂が低分子量化すると、クリーニングブレードなどの
機械的クリーニングを行っている場合、摩耗が著しく増
大してしまうことがわかっている。
【0005】感光体の摩耗を低減させる方法として、感
光体表面に機械的強度の高い表面保護層を施すというも
のがある。機械的強度の面からは架橋硬化性樹脂が優れ
ているが、架橋性樹脂のみで構成すると表面保護層は絶
縁層となってしまうため、感光体としての光電特性が犠
牲になっていた。具体的には、露光時の明部電位が上昇
することにより、現像電位マージンが狭くなる問題、お
よび除電後の残留電位が上昇することにより、特に長期
の繰り返し印刷を行なった場合に画像濃度が低下する問
題、などがあった。
【0006】光電特性を付与する手法として、導電性の
金属酸化物微粉末を抵抗制御材として表面保護層中に分
散する方法が報告されている(特開昭57−12834
4号公報)。この方法による感光体光電特性の低下は小
さく、上記にあげた問題は顕著に改善される。しかし、
一般に導電性微粉末として用いる金属酸化物の抵抗値
は、環境の湿度に大きく依存するという問題がある。そ
のため、特に高温高湿下において感光体表面抵抗が低下
し、静電潜像がぼやけることによって画像品位が大きく
低下してしまうという本質的な問題があった。
【0007】光電特性を改良する他の手法として、結着
樹脂中に電荷輸送物質を分散し、その後結着樹脂を硬化
させて表面保護層を形成するという方法が報告されてい
る(特開平4−15659号公報)。この方法では感光
体表面抵抗が湿度依存を示すことも無く、画像品位上の
問題はなかった。しかし、電荷輸送物質という低分子量
成分の添加は硬化反応を阻害し、表面保護層の機械的強
度を低下させる。よって、単独では機械的強度の高い架
橋硬化性樹脂を用いたとしても、光電特性の改良に必須
の電荷輸送物質という低分子成分を添加することで表面
保護層の機械強度は大きく低下してしまうという問題点
があった。
【0008】このような観点から、官能基を有する電荷
輸送物質を用いて、これを熱可塑性の結着樹脂と反応さ
せることにより表面層の機械的強度の向上を計るという
報告がされている (特開平6−202354号公報、
特開平5−323630号公報)。この方法によれば、
感光体の光電特性を低下させずに、十分な機械的強度を
初期的には得ることができる。しかし、これらの表面層
構成では、接触帯電下で長期間使用された場合、機械的
強度の急激な低下が起こるという問題点があった。この
原因はやはり、接触帯電における交流電圧印加による熱
可塑性結着樹脂の結合の切断、といった強い外的ストレ
スによるものであると考えられており、クリーニングブ
レードなどの機械的クリーニングを用いていると摩耗が
非常に増大してしまう。
【0009】感光体の磨耗の問題に加え、酸化性ガスに
対する耐性も要求される。すなわち、接触帯電方式を用
いるとスコロトロン放電に比べて発生するオゾンやNO
x の量ははるかに少ないとはいえ、交流成分を有する印
加電圧を用いる場合には必ずこれらの酸化性ガスが発生
する。感光体表面の機械的強度を向上させることで寿命
を延ばそうとすると、発生した酸化性ガスが長い時間感
光体に影響を及ぼすことになるため、従来以上の酸化性
ガスに対する耐性が求められる。
【0010】さらに、これらの問題点に加えて、単に表
面保護層の機械的強度のみを高めようとすると、感光体
表面に紙粉やトナーが付着しやすくなり、その結果画像
品質を低下させてしまうという問題も起こる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環境
依存性がなく、光電特性、機械的強度、酸化性ガスに対
する耐性、および紙粉などの付着物に対する耐性等が高
く、かつ高品質の画像を長期にわたり得ることができる
耐刷性に優れた電子写真感光体、ならびにそれを用いた
画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、感光層中
に下記一般式(I)で表される化合物、フッ素原子含有
化合物および酸化防止剤を含有させることにより、上記
問題が解決できることを見出した。特に、この感光体を
接触帯電方式と機械的クリーニング手段を有する電子写
真画像形成装置に用いた場合、耐刷性を飛躍的に向上さ
せることができる。
【0013】
【化6】
【0014】(式中、Gは無機ガラス質ネットワークサ
ブグループ、Dは可とう性有機サブユニット、Fは光電
特性サブユニットである)
【0015】一般式(I)で表される化合物が、下記一
般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0016】
【化7】
【0017】一般式(II)中、Ar1 〜Ar4 は、そ
れぞれ独立に置換あるいは未置換のアリール基を表し、
Ar5 は、置換あるいは未置換のアリール基あるいはア
リーレン基を表し、かつAr1 〜Ar5 のうち1〜4個
は、G−D−で表される置換基を有し、kは0または1
を表す。
【0018】また、好ましい形態として、前記一般式
(I)の化合物が感光層中で架橋構造を形成しているこ
とが好適であり、また、前記フッ素含有化合物が一般式
(I)の化合物とGで表される無機ガラス質ネットワー
クサブグループを介して結合可能なものであり、一般式
(I)で表される化合物とフッ素含有化合物とが感光層
中で架橋構造を形成していることが好ましい。
【0019】さらに、前記一般式(I)で表される化合
物、フッ素原子含有化合物および酸化防止剤を含有する
層が、感光層の最表面にある層であることが好ましく、
前記酸化防止剤が、一般式(I)で表さられる化合物を
含有しない層にも含有されることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体に
ついて詳細に説明する。本発明の電子写真感光体は、導
電性支持体上に少なくとも感光層を有し、必要に応じ
て、下引き層、保護層等のその他の層を有する。
【0021】(導電性支持体)本発明に用いうる導電性
支持体としては、一般に電子写真感光体の導電性支持体
として用いられているものであれば特に制限はなく、例
えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼
等の金属類、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化イン
ジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィル
ム、導電性付与剤を塗布乃至は含浸させた紙及びプラス
チックフィルムなどが挙げられる。
【0022】前記導電性支持体には、画質に影響のない
範囲で必要に応じて各種の処理等を行うことができる。
このような処理としては、例えば、前記導電性支持体の
表面の陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理、着
色処理、砂目立てなどの乱反射処理などが挙げられる。
前記導電性支持体の形状としては、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム
状、シート状、プレート状等が挙げられる。
【0023】(下引き層)前記導電性支持体の一方の表
面には感光層が設けられるが、本発明においては、該導
電性支持体と該感光層との間に下引き層を好適に設ける
ことができる。電子写真感光体に前記下引き層が設けら
れていると、該下引層が、前記感光層の帯電時におい
て、前記導電性支持体から前記感光層への電荷の注入を
阻止すると伴に、該感光層を該導電性支持体に対して一
体的に接着させ、保持させる接着層としての作用乃至
は、場合によっては該導電性支持体の光の反射光防止作
用等を示すことができる点で有利である。
【0024】前記下引層としては、一般に電子写真感光
体の下引き層に用いられている材質で形成することがで
き、例えば、少なくとも結着樹脂を含んでなり、更に必
要に応じて微粒子等を含んでなる。前記結着樹脂として
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できるが、例えば、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、
メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水
溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、
ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテー
ト、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキレート化
合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合
物、シランカップリング剤などが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。前記微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、チタン
酸バリウム、シリコーン樹脂などが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0025】前記下引層を形成する際の塗布方法として
は、特に制限はないが、例えば、ブレードコーティング
法、マイヤーバーコティング法、スプレーコーティング
法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エア
ーナイフコーティング法、カーテンコーティング法など
の通常の塗布方法が挙げられる。前記下引層の厚みとし
ては、通常、0.01〜10μmであり、0.05〜2
μmが好ましい。
【0026】(感光層)本発明の電子写真感光体は、導
電性支持体上に感光層を設けてなり、該感光層が、下記
一般式(I)で表される化合物、フッ素原子含有化合物
及び酸化防止剤を含有している。該感光層は 単層型で
あってもよいし、電荷発生層と電荷輸送層等とに機能分
離された積層型であってもよい。
【0027】
【化8】
【0028】一般式(I)中、Gは無機ガラス質ネット
ワークサブグループを表す。無機ガラス質ネットワーク
サブグループとは、金属酸化物の結合を有するものであ
り、末端の反応基によって、他の無機ガラス質ネットワ
ークサブグループと結合を繰り返し、無機ガラス質ネッ
トワークを形成しうるものである。具体的には、アルコ
キシド、酸、塩化物のように加水分解および縮合を受け
得る任意の無機物質から得ることができが、好ましく
は、Si、Al、Ti、Cu、Fe、As、Se、Te
などの原子に炭素数1〜20程度のアルコキシドまたは
アリールオキシド基を有する化合物を用いることで導入
することができる。また、一般式(I)で表される化合
物中のGで表される無機ガラス質ネットワークサブグル
ープを介して結合しうる化合物は、別の、結合する化合
物と同じでも異なっていてもよい一般式(I)で表され
る化合物から選択されたものであってもよいし、単に、
一般式(I)で表される化合物中のGで表される無機ガ
ラス質ネットワークサブグループと結合しうる、他の化
合物であってもよい。ここで結合しうる他の化合物とし
ては、公知の有機金属化合物を用いることができ、ジル
コニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化
合物、ジルコニウムカップリング剤、等の有機ジルコニ
ウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシ
ド化合物、チタネートカップリング剤、等の有機チタン
化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカ
ップリング剤、等の有機アルミニウム化合物、アルミニ
ウムシリコンアルコキシド、アルミニウムチタンアルコ
キシド、等が挙げられる。また、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス−2−メ
トキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
γ−グリシドシキプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、等のシランカップリング
剤も好ましく使用でき、これらは所望の感光層の特性を
得るために適宜選択しうる。
【0029】一般式(I)で表される化合物同士がGで
表される無機ガラス質ネットワークサブグループを介し
て感光層中で架橋構造の少なくとも一部を形成している
ことにより、単位体積中の結合エネルギーが大きくな
り、放電や機械的接触などの強いストレスに対する耐性
が高くなる。さらに、万一これらのストレスにより結合
の一部が切断されたとしても、架橋構造を形成している
ため直ちに低分子量化することはなく、よって機械的強
度がすぐに失われることもなくなる。
【0030】一般式(I)中、Dは可とう性有機サブユ
ニットを表す。可とう性有機サブユニットとは、架橋構
造を形成するGで表される無機ガラス質ネットワークサ
ブグループとFで表される光電特性サブユニットとを結
合させるための連結部であり、具体的には、−Cn 2n
−(nは1〜15の整数を表す。)、−Cn'2n'-2
(n’は2〜15の整数を表す。)、−Cn''
2n''-4− (n”は2〜15の整数を表す。)、−CO
O−、−S−、−O−、−CH2 −C6 4 −、−CH
=N−、−(C6 4 )−(C6 4 )−、またはこれ
らの組み合わせや置換基を導入したもの等を表す。
【0031】一般式(I)中、Fは光電特性サブユニッ
トを表す。光電特性サブユニットとは、前述のように光
キャリア輸送特性を有するユニットであり、従来、電荷
輸送物質として知られている構造をそのまま用いること
ができる。具体的には、トリアリールアミン系化合物、
ベンジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリー
ル置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アント
ラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、等の正孔輸送性
を有する化合物の骨格、及びキノン系化合物、フルオレ
ノン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系
化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物、等
の電子輸送性を有する化合物の骨格を用いることができ
る。本発明の感光体においては、一般式(I)で表され
る化合物がFで表される光電特性サブユニットを有して
おり、且つ、好ましくはこれがGで表される無機ガラス
質ネットワークサブグループを介して、架橋構造の少な
くとも1部に直接結合しているため、架橋構造の機械的
強度特性を失うことなく、光電特性を付与することが可
能となる。つまり、一般式(I)で表される化合物を含
む層は、その機械的特性から感光体表面の表面保護層と
して使用可能なだけでなく、積層型感光体の電荷輸送層
としても機能することができる。
【0032】本発明は、上記一般式(I)で表される化
合物の特性に加えて、酸化防止剤を添加することによ
り、酸化防止剤の酸化防止効果で耐酸化性を向上させる
ことができる。また、フッ素含有化合物の添加により、
フッ素含有化合物の持つ潤滑性、低付着性等により、感
光体の耐付着性を向上させることができる。
【0033】本発明において、無機ガラス質ネットワー
クサブグループ、可とう性有機サブユニットおよび光電
特性サブユニットの「サブ」とは、一般式(I)で表さ
れる化合物を構成するグループもしくはユニット、と言
う意味で用いる。
【0034】本発明において、感光層に用いられる一般
式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表
される化合物であることが好ましい。
【0035】
【化9】
【0036】一般式(II)中、Ar1 〜Ar5 は、そ
れぞれ独立に置換あるいは無置換のアリール基を表し、
Ar5 は、置換あるいは未置換のアリール基あるいはア
リーレン基を表し、且つ、Ar1 〜Ar5 のうち1〜4
個は、G−D−で表される置換基を有しており、kは、
0または1を表す。
【0037】一般式 (II) 中、Ar1 〜Ar
4 は、それぞれ独立に置換または未置換のアリール基を
示し、具体的には、下記構造群1に示す基が挙げられ
る。
【0038】
【化10】
【0039】構造群1の構造式中、R3 は、水素、炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もし
くは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル
基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラ
ルキル基を表し、R4 は、水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲンを
表し、mおよびsは0または1を表し、tは1から3の
整数を表す。Z’は、下記構造群2に示す基から選択さ
れる。
【0040】
【化11】
【0041】構造群1の構造式中、Xは、G−D−で表
される置換基であり、下記一般式(III)で表される
置換基が好ましい。
【0042】
【化12】
【0043】一般式(III)中、R1 は水素、アルキ
ル基、置換あるいは未置換のアリール基を表し、R2
水素、アルキル基、トリアルキルシリル基を表し、aは
1〜3の整数を表し、Yはヘテロ原子に直接結合した水
素原子を含まない2価の基を表す。Yの具体例として
は、下記構造群3に示す基が挙げられる。
【0044】
【化13】
【0045】構造群3の構造式中、xは1〜10の整
数、x’およびx”はそれぞれ2〜15の整数、yおよ
びzはそれぞれ1〜5の整数を表す。この中でも特に、
下記構造式4に示す基が好ましい。
【0046】
【化14】
【0047】一般式(II)中、Ar5 は、置換もしく
は未置換のアリール基または、アリーレン基を表し、k
=0のときの具体的には、下記構造式5に示す基が挙げ
られる。
【0048】
【化15】
【0049】また、一般式 (II)中、k=1のとき
のAr5 の具体的には、下記構造群6に示す基が挙げら
れる。
【0050】
【化16】
【0051】構造群5及び6の構造式中、Arは下記構
造式7に示す基から選択される。
【0052】
【化17】
【0053】また、Zは下記構造群8に示す基から選択
される。
【0054】
【化18】
【0055】構造群8の構造式中、R5 は、水素、炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、
ハロゲンから選択される。またqおよびrはそれぞれ1
〜10の整数、t’は1または2の整数を示し、Wは下
記構造群9に示す基から選択される。
【0056】
【化19】
【0057】構造群9の構造式中、s’は0〜3の整数
を表す。
【0058】以下の表1〜25に、一般式(I)の例示
化合物、「化合物1〜化合物256」を一般式(I)に
おける具体的な官能基を示すことにより挙げるが、しか
し、本発明は、これらに限られるものではない。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
【表13】
【0072】
【表14】
【0073】
【表15】
【0074】
【表16】
【0075】
【表17】
【0076】
【表18】
【0077】
【表19】
【0078】
【表20】
【0079】
【表21】
【0080】
【表22】
【0081】
【表23】
【0082】
【表24】
【0083】
【表25】
【0084】本発明の感光層に用いられる一般式(I)
表される化合物の含有量は1〜100重量%の範囲で使
用できるが、好ましくは10〜90重量%、さらに好ま
しくは40〜60重量%とするのが好ましい。
【0085】本発明において、感光層に用いられるフッ
素含有化合物は、感光体表面に対するトナーや紙粉など
の付着を防止する効果を有するものであり、トリフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、
フッ化ブニリデン等のフッ素含有樹脂またはその微粒子
を用いることができる。
【0086】本発明の感光層に用いられるフッ素含有化
合物のなかでも特に好適なのは、アルコキシシラン基や
シラノール基等を有する、一般式(I)で表される化合
物におけるGで表される無機ガラス質ネットワークサブ
グループを介して架橋反応可能な化合物であるり、これ
らを用いることで、フッ素含有化合物と一般式(I)で
表される化合物とが感光層中で架橋構造の少なくとも一
部を形成し、フッ素含有化合物を含有させることによる
機械的強度の低下が少なくなるため好適である。アルコ
キシシラン基やシラノール基等を有するフッ素含有化合
物としては、(トリデカフルオロ −1,1,2,2−
テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、
3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエ
トキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
アルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H
−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1
H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシ
ラン、等が挙げられる。
【0087】本発明の感光層に用いられるフッ素含有化
合物の添加量は、添加する層において15重量%以下と
することが望ましいが、一般式(I)で表される化合物
と架橋可能なものである場合、40重量%程度添加する
ことも可能である。
【0088】本発明において、感光層に用いられる酸化
防止剤は、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによ
る劣化を防止する目的で添加される。感光体表面の機械
的強度を高めると感光体が酸化性ガスにより長い間接触
することになるため、従来より強い耐性が要求される。
そこで、本発明の電子写真感光体では、一般式(I)で
表される化合物におけるFで表される光電特性サブユニ
ットの構造として耐酸化性のあるものを用いることに加
えて、酸化防止剤を添加することによって高い耐酸化性
を持つものとなる。酸化防止剤としては、ヒンダードフ
ェノール系あるいはヒンダードアミン系が好ましいが、
有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止
剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系
酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの
公知の酸化防止剤を用いてもよい。ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフ
ォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチ
ルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−
ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒ
ドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−
ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニ
ルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、などが挙げられる。
【0089】本発明に感光層に用いられる酸化防止剤
は、一般式(I)で表される化合物およびフッ素含有化
合物を含有する表面保護層に、同時に含有するのが、最
も好ましい形態である。しかし、帯電部材で発生するオ
ゾンやNOx ガスは、感光体の表面のみだけではなく、
量は少ないものの、下層の電荷発生層や電荷輸送層とい
った感光層まで浸透して、酸化劣化を引き起こす。よっ
て、感光体全体の耐酸化性を向上させるため、一般式
(I)で表される化合物を含有しない層にも酸化防止剤
を添加することが好ましい。
【0090】本発明の感光層に用いられる酸化防止剤の
添加量としては、いずれの層に添加する場合でも、各層
の15重量%以下が好ましく、10重量%以下がさらに
好ましい。15重量%を超えると、機械的強度の低下、
光電特性の低下等の弊害が生じてしまう。
【0091】一般式(I)表される化合物、フッ素含有
化合物及び酸化防止剤を含有する架橋膜を形成する場
合、一般式(I)表される化合物は単独で架橋反応可能
であり、架橋硬化膜を形成することができる。しかし、
表面性や強度などの膜特性を良好にするためには、一般
式(I)表される化合物におけるGで表される無機ガラ
ス質ネットワークサブグループを介して結合しうる他の
硬化性化合物を同時に用いることが望ましい。
【0092】一般式(I)で表される化合物の具体例と
して、一般式(II)で表される化合物を選んだ場合
に、膜形成のために併用する硬化性化合物としては、シ
リコンハードコートなどとして公知の硬化性シロキサン
樹脂を用いることができる。具体的には、複数のシラノ
ール基を有する有機系シロキサン樹脂、アルコキシシラ
ン、シランカップリング剤、およびそれらの混合物、な
どを用いることができる。
【0093】本発明においては、必要に応じてこの感光
層中に、所望の特性を得るために、前記必須成分の他、
公知の添加剤、例えば、シリコンオイル等のレベリング
剤等を感光層に含有させてもよい。
【0094】本発明において、感光層に用いられる一般
式(I)表される化合物、フッ素含有化合物及び酸化防
止剤は、感光体表面の傷や摩耗による劣化の防止、感光
体表面に対するトナーや紙粉の付着を防止、および感光
体表面の帯電プロセスで発生するオゾン等の酸化性ガス
による劣化の防止する観点から、感光層の最表面にある
層に含有されるのが好ましい。例えば、感光層の最表面
に表面保護層を有する構造の場合、その表面保護層にこ
れらの化合物を含有させるのが好ましく、その下地とな
る感光層としては従来から公知のものを用いることがで
きる。この感光層を有する感光体の層構造は任意であ
り、電荷発生層と電荷輸送層を積層した積層型でもよい
し、電荷発生材料を含有する単層型でもよい。また、感
光層が積層型である場合で、電荷輸送層が最表面層であ
るときには電荷輸送層に、電荷発生層が最表面層である
時には電荷発生層に、一般式(I)で表される化合物、
フッ素含有化合物及び酸化防止剤を含有させるのが好ま
しい。さらにまた、感光層が単層型の場合、その中に電
荷発生材料等と共に、一般式(I)で表される化合物、
フッ素含有化合物及び酸化防止剤を含有させて用いるこ
とができる。
【0095】本発明において、感光層に表面保護層を設
ける場合、一般式(I)で表される化合物、フッ素含有
化合物及び酸化防止剤は表面保護層に含有するのが好ま
しいのは前述の通りであるが、表面保護層を形成するに
は、一般式(I)で表される化合物、フッ素含有化合物
及び酸化防止剤と共に、必用に応じて、前記記載の硬化
性化合物である硬化性シロキサン樹脂等に、溶剤等を必
要に応じて混合した塗液を調製し、感光層上に塗布した
後、加熱することにより架橋硬化させるのが、表面強度
の観点から好ましい。
【0096】本発明において表面保護層の形成に用いら
れる溶剤は、液粘度調整等のために添加されるものであ
り、用いうる溶剤としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、
酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メ
チレンクロライド、クロロホルム等の通常の有機溶剤が
挙げられ、これらを単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。
【0097】本発明の表面保護層の形成において、架橋
硬化反応を行う際には、無触媒で行なってもよいが、適
切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、
蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニ
ア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有
機錫化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライ
ソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カル
ボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジル
コニウム塩等が挙げられる。また、硬化反応の際の温度
は特に制限はないが、好ましくは、室温〜150度に設
定する。
【0098】本発明において、一般式(I)で表される
化合物、フッ素含有化合物及び酸化防止剤を含有する表
面保護層の塗布方法としては、ブレードコーティング
法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法を用いることができる。表面保護層の膜厚
は、1〜10μm程度とするのが好ましい。
【0099】本発明において、積層型感光層を採用する
場合、それを構成する電荷発生層は、電荷発生材料およ
び結着樹脂を含有し、電荷発生層には、必用に応じて、
レベリング剤(表面の平滑化)、カップリング剤(密着
性向上)、等公知の添加剤を添加してもよい。
【0100】本発明の電荷発生層に用いられる電荷発生
材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物およびセレ
ン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電性材
料、フタロシアニン系、スクアリリウム系、アントアン
トロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピ
レン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料
および染料が用いられる。その中でもフタロシアニン系
化合物は光感度が高いので特に適しており、無金属フタ
ロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニン、ハロゲ
ン化ガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン、ハロゲン化錫フタロシアニンが好ましい。
特に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角 (2θ
±0.2°) が、7.4°、16.6°、25.5
°、28.3°に強い回折ピークを持つ特定の結晶形を
有するクロロガリウムフタロシアニン、あるいはX線回
折スペクトルにおけるブラッグ角 (2θ±0.2°)
が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、
18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピーク
を持つ特定の結晶形を有するヒドロキシガリウムフタロ
シアニンは、可視光から近赤外光の広い領域の光に対し
て高い電荷発生効率を有しており、特に好ましいもので
ある。
【0101】本発明の電荷発生層に用いられる結着樹脂
としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホル
マール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、シリ
コン樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール樹脂等であるがこららに限定されるものではない。
これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用
いることができる。本発明の電荷発生層に用いられる電
荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)は、10:
1〜1:10の範囲が好ましい。
【0102】本発明の電荷発生層を塗布するのに用いる
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロラ
イド、クロロホルム等の通常の有機溶剤が挙げられ、こ
れらを単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。本発明において、電荷発生層の膜厚は、一般的に
は、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが
適当である。
【0103】本発明において、電荷発生層の塗布方法と
しては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング
法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング
法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いるこ
とができる。
【0104】本発明において、積層型感光層における電
荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有し、あるい
は高分子電荷輸送材料を含有する。
【0105】本発明の電荷輸送層に用いられる電荷輸送
材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマ
ニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシア
ノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフル
オレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合
物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、
エチレン系化合物等の電子吸引性物質、トリアリールア
ミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン
系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン
系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物
などがあげられる。これらの電荷輸送材料は単独または
2種以上混合して用いることができる。特に、下記一般
式(IV)で表されるベンジジン系化合物、および下記
一般式(V)で表されるトリアリールアミン系化合物
は、高い電荷(ホール)輸送能と優れた安定性を有して
いるため、特に好ましく用いることができる。それぞれ
の化合物例を表に示す。これらは、単独または2種以上
混合して用いることができる。
【0106】
【化20】
【0107】一般式(IV)中、R6 およびR6'は、水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、ま
たは炭素数が1〜5のアルコキシ基を表し、同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。R7 、R7'、R8 およ
びR8'は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のア
ルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、または炭素
数1〜2のアルキル基で置換された置換アミノ基を表
し、同一であってもよく、異なっていてもよい。mおよ
びnは0〜2の整数を表す。
【0108】
【化21】
【0109】一般式(V)中、R9 は、水素原子または
メチル基を表し、nは1または2を表す。Ar6 および
Ar7 は、置換あるいは無置換のアリール基を表し、該
置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜5のアルコキシ基、または炭素数
1〜2のアルキル基で置換された置換アミノ基を表す。
【0110】下記表26に、一般式(IV)で表される
ベンジジン系化合物の例示化合物「IV−1〜IV−5
4」を、一般式(IV)における具体的な官能基を示す
ことにより挙げるが、本発明は、これらに限られるもの
ではない。
【0111】
【表26】
【0112】下記表27〜31に、一般式(V)で表さ
れるトリアリールアミン系化合物の例示化合物「V−1
〜V−62」を、一般式(V)における具体的な官能基
を示すことにより挙げるが、本発明は、これらに限られ
るものではない。
【0113】
【表27】
【0114】
【表28】
【0115】
【表29】
【0116】
【表30】
【0117】
【表31】
【0118】本発明の電荷輸送層に用いられる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩
化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水
マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキ
ッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレ
ン−アクリル樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの公知の樹脂
を用いることができる。
【0119】本発明の電荷輸送層に用いられる高分子電
荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用い
ることができる。特に、特開平8−176293号公報
や特開平8−208820号公報に示されているポリエ
ステル系高分子電荷輸送材料は、高い電荷輸送性を有し
ており、とくに好ましいものである。
【0120】本発明の電荷輸送層を塗布するのに用いら
れる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブ
タノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩
化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒ
ドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等の環状もし
くは直鎖状のエーテル類、等の通常の有機溶剤が挙げら
れ、単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
【0121】本発明の電荷輸送層の塗布方法は、表面保
護層や電荷発生層であげたものと同じ公知の方法を用い
ることができる。電荷輸送層の膜厚は5〜50μmであ
り、好ましくは10〜40μmである。
【0122】本発明において、電荷発生層および/また
は電荷輸送層には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性
ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加し
てもよい。たとえ前記表面保護層があったとしても、酸
化性ガスが表面保護層を透過して電荷発生層および/ま
たは電荷輸送層まで浸入するこがあり、これによる酸化
劣化を防止するためのものである。酸化防止剤として
は、前記に挙げたものと同様のものを用いることができ
る。酸化防止剤の添加量としては電荷発生層および/ま
たは電荷輸送層の15重量%以下が望ましく、10重量
%以下がさらに望ましい。
【0123】本発明において、単層型感光層は、電荷発
生材料と結着樹脂とを含有し、必用に応じて、電荷輸送
材料も含有させて形成される。電荷発生材料としては、
前記電荷発生層に用いられる電荷発生材料と同様のもの
を用いることができる。結着樹脂としては、前記電荷発
生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のも
のを用いることができる。また、溶剤としては、電荷発
生層および電荷輸送層に用いられる溶剤と同様のものを
用いることができる。
【0124】本発明の単層型感光層中の電荷発生材料の
含有量は、10〜85重量%程度、好ましくは20〜5
0重量%とする。
【0125】本発明において、単層型感光層には、必要
に応じて電荷輸送材料を添加してもよい。電荷輸送材料
としては、電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料と同様
のものを用いることができが、その添加量は5〜50重
量%とすることが好ましい。さらに単層型感光層には、
必要に応じて電荷輸送層の場合と同様の理由から酸化防
止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、前記に挙
げたものと同様なもの用いることができるが、その添加
量は15重量%以下、好ましくは10重量%以下が良
い。
【0126】本発明の単層型感光層の塗布方法は、電荷
発生層や電荷輸送層のところで述べたものと同様のもの
を用いることができる。膜厚は5〜50μm程度であ
り、10〜40μmとするのがさらに好ましい。
【0127】本発明において、感光層に表面保護層をも
うけない場合、一般式(I)で表される化合物、フッ素
含有化合物及び酸化防止剤は、前記積層型および単層型
の最表面にある層に含有させるのが好ましい。具体的に
は、積層型の場合、電荷輸送層が表面であれば電荷輸送
層に、電荷発生層が表面であれば電荷発生層に一般式
(I)表される化合物、フッ素含有化合物及び酸化防止
剤を含有させるのが好ましい。また、単層型の場合に
は、その中に電荷発生材料等と共に、一般式(I)で表
される化合物、フッ素含有化合物及び酸化防止剤を含有
させることができる。一般式(I)で表される化合物、
フッ素含有化合物及び酸化防止剤を含有させた各々の層
の塗布方法は、前記の各々の層の塗布方法と同様であ
る。また、いずれの場合にも架橋硬化させるのが好まし
く、架橋硬化反応は、前記保護層の場合と同様にして行
なうことができる。
【0128】(画像形成装置)本発明において、画像形
成装置は、少なくとも、前述した電子写真感光体、およ
びその帯電手段ならびに機械的なクリーニング手段を有
する電子写真方式の画像形成装置であり、かつ帯電手段
が接触帯電方式であることを特徴とするものである。レ
ーザー光学系やLEDアレイなどの露光手段、トナーな
どを用いて像を形成する現像手段、トナー像を紙などの
媒体に写し取る転写手段、トナー像を紙などの媒体に定
着させる定着手段、感光体表面に残留している静電潜像
を除去する除電手段、機械的なクリーニング手段なども
必要に応じて公知の方法で有してよい。機械的なクリー
ニング手段とは、感光体表面に直接接触し、表面に付着
しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去するものであ
り、ブレード、ブラシ、ロールなど公知のものを用いる
ことができる。
【0129】図1は本発明の画像形成装置の一例を示す
概略構成図である。本発明の画像形成装置は、感光体1
0、帯電ロール12による接触帯電器、レーザー露光光
学系14、粉体トナーを用いた現像器16、転写用ロー
ル18、クリーニングブレード20、定着ロール22を
有している。また、「転写用ロール18とクリーニング
ブレード20との間には、除電用の光源19が配置され
ている。
【0130】本発明の画像形成装置において、接触帯電
方式は、感光体表面に接触させた導電性部材に電圧を印
加することにより感光体表面を帯電させるものである。
導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極
状、あるいはローラー状等何れでもよいが、特にローラ
ー状部材が好ましい。通常、ローラー状部材は外側から
抵抗層とそれらを支持する弾性層と芯材から構成され
る。さらに必要に応じて抵抗層の外側に保護層を設ける
ことができる。
【0131】本発明の導電性部材において、芯材の材質
としては、導電性を有するもので、一般には鉄、銅、真
鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられ
る。またその他導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を
用いることができる。
【0132】本発明の導電性部材において、弾性層の材
質としては、導電性あるいは半導電性を有するもので、
一般にはゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分
散したものである。ゴム材としてはEPDM、ポリブタ
ジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、
NBR、シリコンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒド
リンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネ
ンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム
等が用いられる。
【0133】本発明の導電性部材において、導電性粒子
あるいは半導電性粒子としては、カーボンブラック、亜
鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニ
ウム等の金属、ZnO−Al2 3 、SnO2 −Sb2
3 、In2 3 −SnO2、ZnO−TiO2 、Mg
O−Al2 3 、FeO−TiO2 、TiO2 、SnO
2 、Sb2 3 、In2 3 、ZnO、MgO等の金属
酸化物が用いることができ、これらの材料は単独あるい
は2種以上混合して用いても良い。
【0134】本発明の導電性部材において、抵抗層およ
び保護層の材質としては結着樹脂に導電性粒子あるいは
半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したもので、抵
抗率としては103 〜1014Ωcm、好ましくは105
〜1012Ωcm、さらに好ましくは107 〜1012Ωc
mがよい。また膜厚としては0.01〜1000μm、
好ましくは0.1〜500μm、さらに好ましくは0.
5〜100μmがよい。結着樹脂としてはアクリル樹
脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル
化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、
ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリ
オレフィン樹脂、スチレンブタジエン 樹脂等が用いら
れる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としては弾性層
と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物が用いら
れる。また必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダ
ードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填
剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することがで
きる。
【0135】本発明の導電性部材において、これらの層
を形成する手段としてはブレードコーティング法、マイ
ヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸
漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイ
フコーティング法、カーテンコーティング法等を用いる
ことができる。
【0136】これらの導電性部材を用いて感光体を帯電
させる方法としては、導電性部材に電圧を印加するが、
印加電圧は直流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧を重
畳したものが好ましい。電圧の範囲としては、直流電圧
は要求される感光体帯電電位に応じて正または負の50
〜2000Vが好ましく、特に100〜1500Vが好
ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が4
00〜1800V、好ましくは800〜1600V、さ
らに好ましくは1200〜1600Vが好ましい。交流
電圧の周波数は50〜20,000Hz、好ましくは
100〜5,000Hzである。
【0137】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以
下の実施例及び比較例における「部」は、重量部を意味
する。
【0138】(実施例1) −下引層の形成− ホーニング処理を施したアルミニウムパイプ(外径30
mm)基体上に、ジルコニウム化合物(商品名:「オル
ガノチックスZC540」、マツモト製薬社製)10部
およびシラン化合物(商品名:「A1110」、日本ユ
ニカー社製)1部とイソプロパノール40部およびブタ
ノール20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布
し、150℃において10分間加熱乾燥し膜厚0.1μ
mの下引層を形成した。
【0139】−電荷発生層の形成− X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2
°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3
°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニ
ンの1部をポリビニルブチラール(商品名:「エスレッ
クBM−S」、積水化学社製)1部、および酢酸n−ブ
チル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイント
シェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布
液を前記下引き層上にディップコートし、100℃で1
0分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を
形成した。
【0140】−電荷輸送層の形成− 例示化合物(IV−27)のベンジジン化合物2部、下
記基本単位(VI)で示される高分子化合物(粘度平均
分子量 39,000)3部をクロロベンゼン20部に
溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティン
グ法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0141】
【化22】
【0142】−表面保護層の形成− 例示化合物(化合物145)10部、硬化性シロキサン
樹脂(信越シリコン、X−40−2239)20部、フ
ェニルトリエトキシシラン3部、フッ素含有シランカッ
プリング剤(商品名:「KBM−7803」、信越シリ
コン社製)2部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(商品名:「MDP−S」、スミライザー社製)1部、
酢酸1部、を混合して得られた塗布液を、前記電荷輸送
層上にスプレー塗布し、30分の指触乾燥の後、120
℃、60分の加熱処理を行ない、膜厚5μmの表面保護
層を形成した。以上のようにして、実施例1の電子写真
感光体を作製した。
【0143】(実施例2〜7)実施例1の表面保護層に
おいて、例示化合物(化合物145)の代わりに、それ
ぞれ、(化合物3)、(化合物13)、(化合物3
1)、(化合物155)、(化合物178)、(化合物
255)、を用いた他は実施例1と全く同様にして電子
写真感光体を作製し、それぞれ実施例2、3、4、5、
6、及び7とした。
【0144】(実施例8) −下引層の形成− 実施例1と同様にしてアルミパイプ (30mm) 上
に下引層を形成した。
【0145】−電荷発生層の形成− 実施例1におけるクロロガリウムフタロシアニンのかわ
りに、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角 (2θ
±0.2°) が7.5°、9.9°、12.5°、1
6.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い
回折ピークを持つ特定の結晶形を有するヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンを用いた以外は同様にして電荷発生
層を形成した。
【0146】−電荷輸送層の形成− 例示化合物(IV−27)2部、例示化合物(V−2
8)1部、前記基本単位(VI)で示される高分子化合
物(粘度平均分子量39,000)3部をクロロベンゼ
ン24部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬
コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行
なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0147】−表面保護層の形成− 実施例1と同様にして表面保護層を形成した。以上のよ
うに実施例8の電子写真感光体を作製した。
【0148】(実施例9〜12)実施例8の表面保護層
において、例示化合物(化合物145)の代わりに、
(化合物9)、(化合物10)、(化合物149)、
(化合物150)を用いた以外は実施例8と同様にして
電子写真感光体を作製し、それぞれ実施例9〜12とし
【0149】(実施例13) −下引層の形成− 実施例1と同様にしてアルミパイプ(30mm)上に下
引層を形成した。 −電荷発生層の形成− 実施例1におけるクロロガリウムフタロシアニンのかわ
りに、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角 (2θ
±0.2°) が7.5°、9.9°、12.5°、1
6.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い
回折ピークを持つ特定の結晶形を有するヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンを用いた以外は同様にして電荷発生
層を形成した。
【0150】−電荷輸送層の形成− ビンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:「MDP
−S」、スミライザー社製)0.3部、例示化合物(I
V−27)2部、例示化合物(V−28)1部、前記基
本単位(VI)で示される高分子化合物(粘度平均分子
量39,000)3部をクロロベンゼン24部に溶解さ
せた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で
塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成した。
【0151】−表面保護層の形成− 実施例1と同様にして表面保護層を形成した。以上のよ
うに実施例13の電子写真感光体を作製した。
【0152】(実施例14)実施例13の表面保護層に
おいて、例示化合物(化合物145)の代わりに、(化
合物225)を用いた以外は、実施例13と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
【0153】(比較例1)実施例1の電子写真感光体の
表面保護層の形成において、酸化防止剤を添加しないこ
と以外は同様にして電子写真感光体を作製した。
【0154】(比較例2)実施例1の電子写真感光体の
表面保護層の形成において、フッ素含有シランカップリ
ング剤を添加しないこと以外は同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0155】(比較例3)実施例1と同様にして、アル
ミパイプ上に下引層、電荷発生層、電荷輸送層、を順次
形成し、表面保護層は形成せずに電子写真感光体を作製
した。
【0156】こうして得られた実施例1〜14及び比較
例1〜3の電子写真感光体を、富士ゼロックス製「La
serPress 4160の改造機」に装着し、耐刷
性テストを行なった。この「LaserPress 4
160改造機」は、接触帯電用の帯電ロール、レーザー
露光光学系、トナー現像器、転写ロール、クリーニング
ブレード、定着ロールを有している。
【0157】耐刷性の評価は、5万枚の印刷前後におけ
る画質評価、および摩耗による感光体の膜厚減少量の評
価を行なった。なお、連続印刷の用紙としては酸性紙を
用い、常温常湿(約20℃、40%RH)環境で行なっ
た。さらに、画質評価は常温常湿に加え、高温高湿(約
28℃、85%RH)でも行なった。これらは、感光体
表面への紙粉の付着による画質劣化を検出しやすくする
ための加速評価方法である。結果を表32に示す。
【0158】
【表32】
【0159】表32より、実施例1〜14の電子写真感
光体を用いた場合は、全ての試験で良好な印字品質(解
像度、階調性)を有していた。比較例1の電子写真感光
体は、試験後の高温高湿の画質評価において画像濃度ム
ラが発生していた。これは、帯電により発生するわずか
なオゾンなどによって表面保護層が劣化を受けているこ
とが原因であると予想される。比較例2の電子写真感光
体を用いた場合、試験後の高温高湿の画質評価において
画像濃度ムラおよび画像ながれ、画像ボケなどの画像欠
陥が見られた。これは、タルクなどの紙粉が感光体表面
に付着することにより表面抵抗が部分的に低下し、静電
潜像に欠陥が生じたことによると考えられる。また、保
護層を有しない比較例3は常温常湿の試験後においても
画像欠陥が発生し、耐刷性におとることがわかった。
【0160】
【発明の効果】以上のように、本発明は、環境依存性が
なく、および光電特性、機械的強度、酸化性ガスに対す
る耐性、および紙粉などの付着物に対する耐性等が高
く、かつ高品質の画像を長期に渡り得ることができる耐
刷性に優れた電子写真感光体、ならびにそれを用いた画
像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光体を組み込んだ画像形成装置
の一態様を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 感光体 12 帯電ロール 14 レーザー露光光学系 16 現像器 18 転写用ロール 20 クリーニングブレード 22 定着用ロール

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子
    写真感光体において、感光層が下記一般式(I)で表さ
    れる化合物、フッ素原子含有化合物および酸化防止剤を
    含有していることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループ、
    Dは可とう性有機サブユニット、Fは光電特性サブユニ
    ットを示す)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)の化合物が感光層中で
    架橋構造を形成していることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記フッ素含有化合物が一般式(I)の
    化合物とGで表される無機ガラス質ネットワークサブグ
    ループを介して結合可能なものであり、一般式(I)で
    表される化合物とフッ素含有化合物とが感光層中で架橋
    構造を形成していることを特徴とする請求項1または2
    に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)で表される化合物、フ
    ッ素原子含有化合物および酸化防止剤を含有する層が、
    感光層の最表面にあることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記酸化防止剤が、一般式(I)で表さ
    られる化合物を含有しない層にも含まれることを特徴と
    する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】 前記一般式(I)で表される化合物が下
    記一般式(II)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子写真感
    光体。 【化2】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立に置換あるい
    は未置換のアリール基を表し、Ar5 は、置換あるいは
    未置換のアリール基あるいはアリーレン基を表し、かつ
    Ar1 〜Ar5 のうち1〜4個は、G−D−で表される
    置換基を有し、kは0または1を表す。)
  7. 【請求項7】 前記一般式(I)で表される化合物中の
    G−D−が、下記一般式(III)で表されることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写
    真感光体。 【化3】 (式中、R1 は、水素、アルキル基、置換あるいは未置
    換のアリール基を表し、R2 は、水素、アルキル基、ト
    リアルキルシリル基を表し、aは1〜3の整数を表し、
    Yは、ヘテロ原子に直接結合した水素原子を含まない2
    価の基を示す。)
  8. 【請求項8】 前記一般式(III)中のYが、−Cx
    2x−(xは1〜15の整数を表す。)、−Cx'
    2x'-2 − (x’は2〜15の整数を表す。)、−C
    x'' 2x''-4− (x”は2〜15の整数を表す。)、
    置換あるいは未置換の2価のアリール基、−CH=N
    −、−O−、および−COO−からなる群より選ばれる
    少なくとも1種以上を含有し、かつヘテロ原子に直接結
    合した水素原子を含まない2価の基であることを特徴と
    する請求項7の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記感光層が、ハロゲン化ガリウムフタ
    ロシアニン、あるいはヒドロキシガリウムフタロシアニ
    ン、オキシチタニウムフタロシアニン、およびハロゲン
    化錫フタロシアニン、から選ばれる群の中の少なくとも
    1種以上含有することを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記感光層が、下記一般式(IV)で
    表されるベンジジン系化合物および下記一般式(V)で
    表されるトリアリ−ルアミン系化合物から選ばれる1種
    以上を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れか1項に記載の電子写真感光体。 【化4】 (式中、R6 およびR6'は、水素原子、ハロゲン原子、
    炭素数1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のアルコキ
    シ基を表し、同一であってもよく、異なっていてもよ
    い。R7 、R7'、R8 およびR8'は、水素原子、ハロゲ
    ン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のア
    ルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換された置
    換アミノ基を表し、同一であってもよく、異なっていて
    もよい。mおよびnは0〜2の整数を表す。) 【化5】 (式中、R9 は、水素原子またはメチル基を表し、nは
    1または2を表す。Ar6 およびAr7 は、置換あるい
    は無置換のアリール基を表し、該置換基としては、ハロ
    ゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5
    のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換され
    た置換アミノ基を表す。)
  11. 【請求項11】 少なくとも電子写真感光体、およびそ
    の帯電手段ならびに機械的なクリーニング手段を有する
    電子写真画像形成装置において、該電子写真感光体が請
    求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真感光体
    であり、かつ帯電手段が接触帯電方式であることを特徴
    とする電子写真画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記接触帯電方式に用いる帯電電圧が
    交流成分を有することを特徴とする請求項11に記載の
    電子写真画像形成装置。
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