JP2002228923A - 結像光学装置 - Google Patents
結像光学装置Info
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Abstract
ための最適な屈折率分布を有する結像光学装置を実現す
る。 【解決手段】 ロッドレンズの光軸から測った径方向の
距離をr、ロッドレンズの光軸上での屈折率をn0 、屈
折率分布係数をg、h4 、h6 、h8 として、ロッドレ
ンズの屈折率分布を下記(数45)のように表記する。
そして、屈折率分布係数h4 、h6 、h8 を、h4 をx
軸、h6 をy軸、h8 をz軸とする直交座標における回
転楕円体上に設定する。直交座標の原点から回転楕円体
の中心に至るベクトルをO* 、回転楕円体の長軸方向、
中軸方向、短軸方向のベクトルをそれぞれA* 、B* 、
C* として、回転楕円体を下記(数46)によって表記
されるベクトルX* で規定する。 [数45] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +h4 ・(g・r)4 +h6 ・(g・r)6 +h8 ・(g・r)8 } [数46] X* =(x,y,z)=O* +kA A* +kB B* +kC C* kA 2+kB 2+kC 2≦1
Description
や複写機などの画像伝送部に用いられる結像光学装置に
関し、特に、複数本のロッドレンズがアレイ状に配列さ
れたロッドレンズアレイを備えた結像光学装置に関す
る。
ロッドレンズがアレイ状に配列されたロッドレンズアレ
イを備えた結像光学装置は、ファクシミリ装置や複写機
などの画像転送部に広く用いられている。
ば、下記(数6)によって表記される。 [数6] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +h4 ・(g・
r)4+h6 ・(g・r)6 +h8 ・(g・r)8 } 但し、上記(数6)において、rはロッドレンズの光軸
から測った径方向の距離、n(r)はロッドレンズの光
軸から測った径方向の距離rの位置での屈折率、n0 は
ロッドレンズの光軸上での屈折率(中心屈折率)、g、
h4 、h6 、h 8 は屈折率分布係数である。
る解像力は、4〜6Line-pair/mm(略200 dpi〜30
0 dpi)のパターンを結像させて60%以上のMTF
(Modulation Transfer Function :解像度)値を確保
する、といったレベルのものであった。そして、上記解
像力仕様を満たすためには、ロッドレンズの屈折率分布
係数のうちgのみ、あるいはgとh4 の双方を制御すれ
ば十分であった。
リンタやスキャナの高画質化に伴って、12Line-pair/
mm(略600 dpi)以上の解像力が上記ロッドレンズア
レイに要求されるようになってきている。そして、この
ような高い解像力を有するロッドレンズアレイを実現す
るためには、ロッドレンズアレイの設計及び製造の段階
でh6 、h8 を含めた屈折率分布係数をより正確に制御
することが必要である。
補正するのであれば、最適な屈折率分布係数を一意的に
求めることができる。しかし、複数本のロッドレンズが
アレイ状に配列されたロッドレンズアレイの場合には、
単レンズの球面収差、像面湾曲、非点収差を初めとし
て、周辺の単レンズによる像との重なり方によっても解
像力が変化する。
適な屈折率分布は変化する。例えば、開口角の大きい明
るいロッドレンズの場合には、軸上球面収差が小さくな
る屈折率分布係数と像面湾曲が小さくなる屈折率分布係
数とが大きく異なり、両者のバランスが取れたところで
最も良好な解像力が得られる。
ンズであっても、レンズ長の取り方によって下記(数
7)で規定される重なり度mが変化し、解像力も変化し
てしまう。 [数7] m=X0 /2r0 但し、上記(数7)において、r0 は有効なレンズ部分
の半径、すなわち、レンズ作用をなす部分の半径、X0
は単一のロッドレンズが像面に張る画像半径(視野半
径)である。ここで、視野半径X0 は、ロッドレンズの
長さをZ0 、ロッドレンズの周期長をPとしたとき、X
0 =−r0 /cos(Z0 π/P)で定義される。
係数は、少なくとも各ロッドレンズの明るさ、重なり度
の別に定めることが必要である。
であり、複数本のロッドレンズがアレイ状に配列された
ロッドレンズアレイを備え、高解像力を得るための最適
な屈折率分布を有する結像光学装置を提供することを目
的とする。
め、本発明に係る結像光学装置の構成は、半径方向に屈
折率分布を有するロッドレンズを、その光軸が互いに平
行となるように2列に複数本配列したロッドレンズアレ
イと、前記ロッドレンズアレイの両側に配置された原稿
面及び像面とを備えた結像光学装置であって、前記ロッ
ドレンズの光軸から測った径方向の距離をr、前記ロッ
ドレンズの光軸上での屈折率をn0 、屈折率分布係数を
g、h4 、h6 、h8 としたとき、前記ロッドレンズの
屈折率分布が下記(数8)によって表記され、かつ、前
記屈折率分布係数h4 、h6 、h8が、h4 をx軸、h6
をy軸、h8 をz軸とする直交座標における回転楕円
体上にあり、前記直交座標の原点から前記回転楕円体の
中心に至るベクトルをO* 、前記回転楕円体の長軸方
向、中軸方向、短軸方向のベクトルをそれぞれA* 、B
* 、C* としたとき、前記回転楕円体が下記(数9)に
よって表記されるベクトルX* で規定されることを特徴
とする結像光学装置。 [数8] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +h4 ・(g・
r)4+h6 ・(g・r)6 +h8 ・(g・r)8 } [数9] X* =(x,y,z)=O* +kA A* +kB B* +k
C C*kA 2+kB 2+kC 2≦1 この結像光学装置の構成によれば、複数本のロッドレン
ズがアレイ状に配列されたロッドレンズアレイを備え、
レンズ外径0.6mmの場合で12Line-pair/mm(略6
00 dpi)以上の高い解像力を得るための最適な屈折率
分布を有する結像光学装置を実現することができる。
おいては、下記(数10)を満たすのが好ましい。 [数10] kA 2+kB 2+kC 2≦0.7 この好ましい例によれば、さらに良好な屈折率分布を有
する結像光学装置を実現することができる。
おいては、ロッドレンズの光軸上での屈折率n0 が、
1.4≦n0 ≦1.8の範囲にあるのが好ましい。
おいては、屈折率分布係数gとロッドレンズのレンズ作
用をなす部分の半径r0 との積g・r0 が、0.04≦
g・r0 ≦0.27の範囲にあるのが好ましい。g・r
0 が0.04未満の場合には、像が暗くなって、スキャ
ニング等に時間がかかり、また、g・r0 が0.27を
超えると、像面湾曲と非点収差の影響が大きくなって、
解像力が低下してしまうからである。
おいては、f(r)をrの関数としたとき、ロッドレン
ズの屈折率分布が下記(数11)によって表記され、上
記(数9)によって規定される範囲にある2種類の屈折
率分布係数の組(n0 、g、h4A、h6A、h8A)、(n
0 、g、h4B、h6B、h8B)に対し、前記f(r)が0
≦r≦r0 (r0 :ロッドレンズのレンズ作用をなす部
分の半径)の範囲にわたって下記(数12)の関係を満
たすのが好ましい。 [数11] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +f(r)} [数12] h4A・(g・r)4 +h6A・(g・r)6 +h8A・(g
・r)8≦f(r)≦h4B・(g・r)4 +h6B・(g
・r)6 +h8B・(g・r)8 また、前記本発明の結像光学装置の構成においては、ロ
ッドレンズのレンズ作用をなす部分の半径r0 が、0.
05mm≦r0 ≦0.60mmの範囲にあるのが好まし
い。この好ましい例によれば、ロッドレンズの製造及び
その組立てが容易になると共に、ロッドレンズアレイの
収差量を小さく抑えることができる。
計値から大きくずれるため、レンズとして使用すること
ができない場合が多く、また、レンズ側面での全反射に
よる迷光を防止するために、光吸収層が設けられる場合
もある。さらに、ロッドレンズアレイを製造する際の都
合により、ロッドレンズ同士がある程度離れて配列され
る場合もある。このため、前記本発明の結像光学装置の
構成においては、ロッドレンズのレンズ作用をなす部分
の半径をr0 、隣接する前記ロッドレンズの光軸間距離
を2Rとしたとき、r0 /Rが、0.5≦r0 /R≦
1.0の範囲にあるのが好ましい。
おいては、ロッドレンズの長さをZ 0 、前記ロッドレン
ズの周期長をP=2π/gとしたとき、Z0 /Pが、
0.5≦Z0 /P≦1.0の範囲にあるのが好ましい。
この好ましい例によれば、正立結像させることができ
る。
おいては、ロッドレンズのレンズ作用をなす部分の半径
r0 と前記ロッドレンズが像面に張る画像半径X0 とに
よって規定される重なり度m=X0 /2r0 が、0.9
≦m≦5.0の範囲にあるのが好ましい。重なり度mが
5.0を超えると、像が暗くなって、スキャニング等に
時間がかかリ、また、重なり度mが0.9未満の場合に
は、像面の明るさの周期的ムラが大きくなるからであ
る。
おいては、ロッドレンズアレイの前焦点位置に原稿面が
位置するように平行平面の透明基板が配置されているの
が好ましい。この好ましい例によれば、透明基板の表面
に原稿を押し当てるだけで原稿面を前焦点位置にセット
することができる。また、この場合には、平行平面の透
明基板がロッドレンズアレイのレンズ面に当接している
のが好ましい。これは、透明基板の厚さを調整すること
により、容易に実現することができ、この好ましい例に
よれば、結像光学装置の組立て工程時におけるロッドレ
ンズアレイと前焦点位置との間隔調整作業を簡略化する
ことができるので、コストダウンを図ることができる。
をさらに具体的に説明する。
すように、半径方向に屈折率分布を有する円柱状のロッ
ドレンズ1を、その光軸1aが互いに平行となるように
2列に複数本配列した等倍結像のロッドレンズアレイ2
を用い、このロッドレンズアレイ2の両側に原稿面3と
像面4とを配置して、結像光学装置を作製した。
率nは、半径方向に分布しており、その屈折率分布は、
下記(数13)によって表記される。 [数13] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +h4 ・(g・
r)4+h6 ・(g・r)6 +h8 ・(g・r)8 } 但し、上記(数13)において、rはロッドレンズ1の
光軸1aから測った径方向の距離、n(r)はロッドレ
ンズ1の光軸1aから測った径方向の距離rの位置での
屈折率、n0 はロッドレンズ1の光軸1a上での屈折率
(中心屈折率)、g、h4 、h6 、h8 は屈折率分布係
数である。
ロッドレンズ1の長さをZ0 、ロッドレンズ1の周期長
をP(=2π/g)としたとき、Z0 /Pが、0.5<
Z0/P<1.0の範囲にあることが必要である。
と原稿面3との間隔、及びロッドレンズアレイ2の端面
(レンズ面)と像面4との間隔L0 (図2参照)は、下
記(数14)によって表記される。 [数14] L0 =−{1/(n0 ・g)}・tan(Z0 π/P) ロッドレンズ1の有効なレンズ部分の半径、すなわち、
レンズ作用をなす部分の半径r0 は、0.05mm≦r
0 ≦0.60mmの範囲にあるのが望ましい。
はレンズ全体の大きさに比例して大きくなるため、r0
が小さいレンズの方が高解像を実現し易い。しかし、r
0 が0.05mm未満のロッドレンズ1は、製造及びそ
の組立てが困難であり、また、各ロッドレンズ1の有効
なレンズ部分の半径r0 が0.60mmを超えるロッド
レンズアレイ2の場合には、収差量が大きくなり過ぎて
しまう。
(中心屈折率)n0 の実現可能な値は、ロッドレンズの
材料(ガラスあるいは合成樹脂)によって決まり、1.
4≦n 0 ≦1.8の範囲にある。
r0 、あるいはレンズが光を取り込むことのできる範囲
を示す開口角によって規定される。ここで、開口角θ
(°)は、下記(数15)によって表記される。 [数15] θ=(n0 ・g・r0 )/(π/180) 無次元数g・r0 は、0.04≦g・r0 ≦0.27の
範囲にあるのが望ましい。g・r0 が0.04未満の場
合には、像が暗くなって、スキャニング等に時間がかか
り、また、g・r0 が0.27を超えると、像面湾曲と
非点収差の影響が大きくなって、解像力が低下してしま
うからである。
心屈折率をn0 =1.60と置いた場合、4°≦θ≦2
4°に相当する。
た結像光学装置においては、図5に示すように、像面4
に複数のロッドレンズ1による合成像が形成されるた
め、その重なり具合、つまり『重なり度』という無次元
量を用いると便利である。この重なり度mは、下記(数
16)によって表記される。 [数16] m=X0 /2r0 但し、上記(数16)において、X0 は単一のロッドレ
ンズ1が像面4に張る画像半径(視野半径)であり、X
0 =−r0 /cos(Z0 π/P)で定義される。
0.9≦m≦5.0の範囲にあるのが望ましい。重なり
度mが5.0を超えると、像が暗くなって、スキャニン
グ等に時間がかかリ、また、重なり度mが0.9未満の
場合には、像面4の明るさの周期的ムラが大きくなるか
らである。
は、2r0 (ロッドレンズ1の有効なレンズ部分の直
径)に一致させるのが、像の光量を最大にすることがで
きるため、最も望ましい。しかし、ロッドレンズ1の周
辺部分は屈折率分布が設計値から大きくずれるため、レ
ンズとして使用することができない場合が多く、また、
レンズ側面での全反射による迷光を防止するために、光
吸収層が設けられる場合もある。さらに、ロッドレンズ
アレイ2を製造する際の都合により、ロッドレンズ1同
士がある程度離れて配列される場合もある。以上のこと
を考慮し、r0 /Rは、0.5≦r0 /R≦1.0を満
たす範囲に設定されている。
効なレンズ部分の半径r0 が0.15mmのロッドレン
ズ1を、その光軸1aが互いに平行となるように2列に
複数本配列した構成のロッドレンズアレイ2の中心線上
で、24Line-pair/mmパターンのMTF値が50%以
上』とし、この基準を満たす屈折率分布係数h4 、
h6、h8 の範囲を求めた。
イ2を設計し、図6に示すA点から物体面に下ろした垂
線の足を光源とする像について光線追跡を行ない、24
Line-pair/mmパターンのMTF値をX方向とY方向につ
いて計算して、小さい方の値をそのロッドレンズアレイ
2のMTF値とした。光線追跡には、米国Sinclair Opt
ics 社製の光学設計ソフトウェア『Oslo Six』を使用し
た。下記(表1)に、計算に使用した24種類のロッド
レンズアレイ2の仕様を示す。開口角θは7〜20゜、
ロッドレンズ1の中心屈折率n0 は1.5〜1.8、重
なり度mは1.0〜2.5の範囲に設定し、ロッドレン
ズ1のレンズ作用をなす部分の半径r0は0.3mmに
設定した。これらのロッドレンズアレイ2について、2
4Line-pair/mmパターンのMTF値が50%以上となる
屈折率分布係数h4 、h6 、h8の範囲を求めた。以
下、この範囲を屈折率分布係数h4 、h6 、h8 の『良
像範囲』と呼ぶ。
も、h4 をx軸、h6 をy軸、h8をz軸とする直交座
標上において、良像範囲を示すベクトルX* (以下、ベ
クトルを示すときは『* 』を付すものとする)は、図7
に示すような細長い回転楕円体状となる。尚、図7は模
式図であって、各軸の寸法や回転楕円体の位置、形状等
は以下に示す具体的な良像範囲の数値に対応するもので
はない。
表記される。 [数17] X* =(x,y,z)=O* +kA A* +kB B* +k
C C* 上記(数17)中、kA 、kB 、kC は、下記(数1
8)のような関係を満たす定数である。 [数18] kA 2+kB 2+kC 2≦1 また、上記(数17)中、O* は直交座標の原点から回
転楕円体の中心に至るベクトルである。以下、このO*
を『中心ベクトル』と呼ぶ。また、A* 、B*、C*
は、それぞれ回転楕円体の長軸方向、中軸方向、短軸方
向のベクトルである。以下、これらA* 、B* 、C* を
それぞれ『長軸ベクトル』、『中軸ベクトル』、『短軸
ベクトル』と呼ぶ。
* 、B* 、C* によって与えられるが、これらは、ロッ
ドレンズ1の開口角θ、中心屈折率n0 、重なり度mな
どのレンズの特性パラメータと関係している。以下、こ
れらの関係について説明する。 (1)中心ベクトルO* 中心ベクトルO* の直交座標成分をx0 、y0 、z0 と
する。すなわち、中心ベクトルO* を下記(数19)の
ように表記し、各成分とレンズの特性パラメータとの関
係をシミュレーションによって求めた。 [数19] O* =(x0 ,y0 ,z0 ) 図8に、上記(表1)に示す24種類(以下、いずれも
一部を除く)のロッドレンズアレイ2に対して計算され
たx0 と重なり度mとの関係を示す。各点から近似直線
(図示)を求めると、下記(数20)のような関係が得
られる。 [数20] x0 =−1.3m+3.3 図9に、上記(表1)に示す24種類のロッドレンズア
レイ2に対して計算されたy0 とx0 との関係を示す。
直線関係からのずれを考慮に入れると、この関係は、下
記(数21)のような式で近似される。 [数21] y0 =−80x0 +16(m−2.6)(10−θ・n0 )
2 +100 上記(数20)のx0を上記(数21)の近似式に代入
して求めたy0 の近似値を、図9に白抜きの点で示す。
図9に示すように、この値はy0 の厳密計算値とよく一
致していることが分かる。
ロッドレンズアレイ2に対して計算されたz0 とy0 と
の関係を示す。両者の直線関係からのずれを考慮に入れ
ると、下記(数22)で示されるような関係で近似され
る。 [数22] z0 =−100y0 +15000m−150000n0
+230000 上記(数20)のx0を上記(数21)の近似式に代入
して求めたy0 の近似値を上記(数22)の近似式に代
入して求めたz0 の近似値を、図10に白抜きの点で示
す。図10に示すように、この値はz0 の厳密計算値と
よく一致していることが分かる。 (2)長軸ベクトルA* 長軸ベクトルA* の直交座標成分をAx 、Ay 、Az と
する。すなわち、長軸ベクトルA* を下記(数23)の
ように表記する。 [数23] A* =(Ax ,Ay ,Az ) 図11に、上記(表1)に示す24種類のロッドレンズ
アレイ2のうち、開口角θが8゜、12゜、18゜で重
なり度mの異なるそれぞれ3〜4種類のロッドレンズア
レイ2に対して計算されたAx とm/θとの関係を示
す。各開口角θに対して両者はそれぞれ直線で近似され
ることが分かる。近似式は、下記(数24)のように表
記される。 [数24] Ax =10(1.9-0.065θ)−45(m/θ) 図12に、上記(表1)に示す24種類のロッドレンズ
アレイ2に対して計算されたAx (厳密計算値)及び上
記(数24)の近似式から求めたAx (近似値)とθと
の関係を示す。図12に示すように、近似値は厳密計算
値とよく一致しているのが分かる。
ロッドレンズアレイ2に対して計算されたlog10(−
Ay )及びlog10Az と(Ax +2m)との関係を示
す。両者とも、それぞれ下記(数25)、(数26)で
示されるような直線関係で近似される(近似直線を図示
した)。 [数25] log10(−Ay )=2+0.1(Ax +2m) [数26] log10Az =2.8+0.16(Ax +2m) (3)中軸ベクトルB* 中軸ベクトルB* の直交座標成分をBx 、By 、Bz と
する。すなわち、中軸ベクトルB* を下記(数27)の
ように表記する。 [数27] B* =(Bx ,By ,Bz ) 長軸ベクトルA* と中軸ベクトルB* が直交すること、
また、別に求めたA*とB* を含む楕円上の点の座標な
どからB* を計算することができる。 図14〜16に
示すように、上記(表1)に示す24種類のロッドレン
ズアレイ2に対して計算されたB* の3成分は、いずれ
もAx と比例関係で近似することができる。近似式(図
示)は、それぞれ下記(数28)〜(数30)のように
表記される。 [数28] Bx =−0.8Ax [数29] By =100Ax [数30] Bz =1.5Ax (4)短軸ベクトルC* まず、長軸と中軸を含む平面を、下記(数31)のよう
に表記する。[数31]px+qy+sz=1 上記(数31)中、p、q、sは、それぞれ上記平面に
対する法線ベクトルのx、y、z成分である。
種類のロッドレンズアレイ2に対して計算されたp、
q、sとx0 との関係を示す。図17〜19に示すよう
に、pはx0 とほぼ直線関係で近似することができ、
q、sはばらつきがあるが、一定値で近似することがで
きる。近似式(図示)は、それぞれ下記(数32)〜
(数34)のように表記される。 [数32] p=0.2x0 +0.6 [数33] q=0.01 [数34] s=0.0002 短軸ベクトルC* は、長軸と中軸を含む平面に垂直な方
向を有するベクトルである。いま、短軸ベクトルC*
を、下記(数35)のように表記する。 [数35] C* =|C* |(p',q',s') 上記(数35)中、p'、q'、s'は、それぞれC* の
方向を有する単位ベクトルのx、y、z成分である。従
って、p'、q'、s'は、下記(数36)の関係を満足
する。 [数36] p'2+q'2+s'2=1 ベクトル(p',q',s')は、ベクトル(p,q,s)と
平行であるため、各成分はそれぞれ下記(数37)〜
(数39)のように表記される。 [数37] p'=p/(p2 +q2 +s2 )1/2 [数38] q'=q/(p2 +q2 +s2 )1/2 [数39] s'=s/(p2 +q2 +s2 )1/2 図20に、上記(表1)に示す24種類のロッドレンズ
アレイ2に対して計算された|C* |と|A* |・m2
との関係を示す。図20に示すように、|C*|と|A*
|・m2 は、直線関係で近似される。ここで、|A*
|は、下記(数40)のように表記される。 [数40] |A* |=(Ax 2+Ay 2+Az 2)1/2 従って、近似式は下記(数41)のように表記される。 [数41] |C* |=1.5×10-5|A* |・m2 ロッドレンズ1の有効なレンズ部分の半径r0 が0.1
5mm以外の値である場合には、ロッドレンズ1の諸収
差による像のボケ量がr0 の大きさに比例して大きくな
ることから、上記(数32)〜(数56)によって規定
される屈折率分布係数h4 、h6 、h8 の『良像範囲』
は、おおまかに、次の範囲を表すことになる。
r/mmパターンのMTF値が50%以上となる範囲 r0 =0.30mmの場合:12Line-pair/mmパターン
のMTF値が50%以上となる範囲 r0 =0.60mmの場合:6Line-pair/mmパターンの
MTF値が50%以上となる範囲 尚、上記構成においては、図21(a)に示すように、
ロッドレンズアレイ2の前焦点位置に原稿面3が位置す
るように平行平面の透明基板(カバーガラス)5を配置
するのが望ましい。この望ましい構成によれば、透明基
板5の表面に原稿を押し当てるだけで原稿面3を前焦点
位置にセットすることができる。また、この場合には、
図21(b)に示すように、平行平面の透明基板(カバ
ーガラス)5がロッドレンズアレイ2のレンズ面に当接
しているのが望ましい。これは、透明基板(カバーガラ
ス)5の厚さを調整することにより、容易に実現するこ
とができ、この望ましい構成によれば、結像光学装置の
組立て工程時におけるロッドレンズアレイ2と前焦点位
置との間隔調整作業を簡略化することができるので、コ
ストダウンを図ることができる。
囲を上記(数18)によって規定しているが、下記(数
42)によって規定すれば、さらに良好な『良像範囲』
を得ることができる。 [数42] kA 2+kB 2+kC 2≦0.7 また、上記実施の形態においては、ロッドレンズ1の屈
折率分布を上記(数29)によって表記しているが、必
ずしもこの表記の仕方に限定されるものではない。例え
ば、近軸の屈折力を意味する2次の屈折率分布係数gは
共通であるとすると、ロッドレンズ1の屈折率分布は、
一般に、下記(数43)によって表記することができ
る。 [数43] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +f(r)} 但し、上記(数43)において、f(r)はrの関数で
ある。
屈折率分布であっても、図22に示すように、上記(数
17)、(数18)によって規定される範囲にある2種
類の屈折率分布係数の組(n0 、g、h4A、h6A、
h8A)、(n0 、g、h4B、h6B、h8B)に対し、f
(r)が0≦r≦r0 の範囲にわたって下記(数44)
の関係を満たすものであれば、『良像範囲』の屈折率分
布とみなすことができる。 [数44] h4A・(g・r)4 +h6A・(g・r)6 +h8A・(g
・r)8 ≦f(r)≦h4B・(g・r)4 +h6B・(g
・r)6 +h8B・(g・r)8
複数本のロッドレンズがアレイ状に配列されたロッドレ
ンズアレイを備え、レンズ外径0.6mmの場合で12
Line-pair/mm(略600 dpi)以上の高い解像力を得る
ための最適な屈折率分布を有する結像光学装置を実現す
ることができる。
いられるロッドレンズを示す斜視図
す斜視図
いられるロッドレンズの屈折率分布曲線
いられるロッドレンズによる結像状態を示す模式図
いられる複数本のロッドレンズによる像の合成状態を示
す模式図
TF値の測定点を示す模式図
いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、h
8 の良像範囲を規定する図
いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、h
8 の良像範囲を規定するx0 と重なり度mとの関係を示
す図
いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、h
8 の良像範囲を規定するy0 とx0 との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定する定数z0 とy0 との関係を示
す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するAx とm/θとの関係を示す
図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するAx とθとの関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するlog10(−Ay )及びlo
g 10Az と(Ax +2m)との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するBx とAx との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するBy とAx との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するBz とAx との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するpとx0 との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するqとx0 との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定するsとx0 との関係を示す図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲を規定する|C* |と|A* |・m2 と
の関係を示す図
基板を備えた結像光学装置を示す断面図
用いられるロッドレンズの屈折率分布係数h4 、h6 、
h8 の良像範囲の他の規定の仕方を示す図
Claims (11)
- 【請求項1】 半径方向に屈折率分布を有するロッドレ
ンズを、その光軸が互いに平行となるように2列に複数
本配列したロッドレンズアレイと、前記ロッドレンズア
レイの両側に配置された原稿面及び像面とを備えた結像
光学装置であって、前記ロッドレンズの光軸から測った
径方向の距離をr、前記ロッドレンズの光軸上での屈折
率をn0 、屈折率分布係数をg、h4 、h6 、h8 とし
たとき、前記ロッドレンズの屈折率分布が下記(数1)
によって表記され、かつ、前記屈折率分布係数h4 、h
6 、h8 が、h4 をx軸、h6 をy軸、h8 をz軸とす
る直交座標における回転楕円体上にあり、前記直交座標
の原点から前記回転楕円体の中心に至るベクトルをO
* 、前記回転楕円体の長軸方向、中軸方向、短軸方向の
ベクトルをそれぞれA* 、B* 、C* としたとき、前記
回転楕円体が下記(数2)によって表記されるベクトル
X* で規定されることを特徴とする結像光学装置。 [数1] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +h4 ・(g・
r)4+h6 ・(g・r)6 +h8 ・(g・r)8 } [数2] X* =(x,y,z)=O* +kA A* +kB B* +k
C C*kA 2+kB 2+kC 2≦1 - 【請求項2】 下記(数3)を満たす請求項1に記載の
結像光学装置。[数3] kA 2+kB 2+kC 2≦0.7 - 【請求項3】 ロッドレンズの光軸上での屈折率n0
が、1.4≦n0 ≦1.8の範囲にある請求項1に記載
の結像光学装置。 - 【請求項4】 屈折率分布係数gとロッドレンズのレン
ズ作用をなす部分の半径r0 との積g・r0 が、0.0
4≦g・r0 ≦0.27の範囲にある請求項1に記載の
結像光学装置。 - 【請求項5】 f(r)をrの関数としたとき、ロッド
レンズの屈折率分布が下記(数4)によって表記され、
上記(数2)によって規定される範囲にある2種類の屈
折率分布係数の組(n0 、g、h4A、h6A、h8A)、
(n0 、g、h4B、h6B、h8B)に対し、前記f(r)
が0≦r≦r0 (r0 :ロッドレンズのレンズ作用をな
す部分の半径)の範囲にわたって下記(数5)の関係を
満たす請求項1に記載の結像光学装置。 [数4] n(r)2 =n0 2・{1−(g・r)2 +f(r)} [数5] h4A・(g・r)4 +h6A・(g・r)6 +h8A・(g
・r)8≦f(r)≦h4B・(g・r)4 +h6B・(g
・r)6 +h8B・(g・r)8 - 【請求項6】 ロッドレンズのレンズ作用をなす部分の
半径r0 が、0.05mm≦r0 ≦0.60mmの範囲
にある請求項1〜5のいずれかに記載の結像光学装置。 - 【請求項7】 ロッドレンズのレンズ作用をなす部分の
半径をr0 、隣接する前記ロッドレンズの光軸間距離を
2Rとしたとき、r0 /Rが、0.5≦r0 /R≦1.
0の範囲にある請求項1〜5のいずれかに記載の結像光
学装置。 - 【請求項8】 ロッドレンズの長さをZ0 、前記ロッド
レンズの周期長をP=2π/gとしたとき、Z0 /P
が、0.5≦Z0 /P≦1.0の範囲にある請求項1〜
5のいずれかに記載の結像光学装置。 - 【請求項9】 ロッドレンズのレンズ作用をなす部分の
半径r0 と前記ロッドレンズが像面に張る画像半径X0
とによって規定される重なり度m=X0 /2r 0 が、
0.9≦m≦5.0の範囲にある請求項1〜5のいずれ
かに記載の結像光学装置。 - 【請求項10】 ロッドレンズアレイの前焦点位置に原
稿面が位置するように平行平面の透明基板が配置された
請求項1〜9のいずれかに記載の結像光学装置。 - 【請求項11】 平行平面の透明基板がロッドレンズア
レイのレンズ面に当接している請求項10に記載の結像
光学装置。
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- 2002-02-07 CN CNB021045100A patent/CN1203326C/zh not_active Expired - Fee Related
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Patent Citations (1)
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