JP2002226714A - 高制電性ゴム組成物 - Google Patents

高制電性ゴム組成物

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JP2002226714A JP2001029869A JP2001029869A JP2002226714A JP 2002226714 A JP2002226714 A JP 2002226714A JP 2001029869 A JP2001029869 A JP 2001029869A JP 2001029869 A JP2001029869 A JP 2001029869A JP 2002226714 A JP2002226714 A JP 2002226714A
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Yoshiharu Tategami
義治 立上
Masaki Enomoto
正樹 榎本
Ikuo Ogoshi
郁夫 大越
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Sanko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた制電性を維持しつつ、熱的に安定で、
かつ、ブリードアウトなどの問題障害を防止することが
できる高制電性ゴム組成物を提供すること。 【解決手段】 特定のゴム状重合体(A)に、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属であるカチオンとイオン解
離可能なアニオンとによって構成されている金属塩類の
少なくとも1種(B)、および下記一般式(1)に示さ
れる化合物(C)を配合した高制電性ゴム組成物。 〔一般式(1)中、Xは炭素数2〜8からなるアルキレ
ン基、芳香族基を含む二価の炭化水素基、または二価の
脂環式炭化水素基、Rは同一または異なり炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基、Aは同一または異なり
炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは同一または異
なり1〜7の整数である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高制電性ゴム組成
物に関し、さらに詳しくは、高制電性を持続しつつ、か
つ、ブリードアウトなどの問題のない高制電性ゴム組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴムに制電性を付与することが重
要になってきており、これを達成するために、界面活性
剤などの帯電防止剤を成形品の表面に塗布したり、帯電
防止剤を練り込む方法が知られている。しかしながら、
前者の方法では、長期間経過すると制電性が著しく低下
するため、持続性を有する高制電性ゴムとしての実用に
は供し難い。一方、後者の方法では、帯電防止剤とゴム
との相溶性が悪いため、帯電防止剤が成形品の表面にブ
リードアウトしたり、制電効果が低下するという問題点
があった。
【0003】また、カーボンブラックやカーボンファイ
バーなどをゴムに練り込む方法も提案されている。この
方法であれば、帯電防止性や帯電防止の持続性があるの
で上記問題は解決できるが、自由に着色出来ないという
新たな問題を生じる他、ゴムの硬度が高くなり柔軟性を
損う問題もある。
【0004】ここで、制電性ゴム組成物の有するこれら
の問題点の内、分散性や相溶性を解決するものとして、
帯電防止性可塑剤をゴムに配合する方法が提案されてい
る。これは、塩素含有樹脂の各種加工に必須の成分であ
る可塑剤に、帯電防止性を与えたものである。例えば、
特開昭64−9258号公報および特開平2−2558
52号公報に示されるように、過塩素酸リチウムを配合
してなる帯電防止性可塑剤を添加した塩化ビニル系樹脂
組成物が例示されている。
【0005】しかしながら、過塩素酸リチウムなどの過
塩素酸化合物の添加は、塩化ビニル系樹脂の熱安定性を
損なうという問題点がある。さらに,クロロプレンゴム
のような塩素含有系ゴムに添加した場合は、熱安定性を
損う問題がある。
【0006】また、特開平9−227743号公報に
は、塩化ビニル系樹脂に可塑剤とビス(トリフルオロメ
タンスルホニル)イミドリチウムを配合することによ
り、透明な導電性樹脂組成物を提供する方法が提案され
ている。この樹脂組成物は透明な導電性樹脂組成物であ
るため、容易に着色することができるが、耐熱性が悪
く、120℃で90分間加熱すると、黒褐色になり透明
性や導電性が失われる問題点があった。さらに、この樹
脂組成物には、可塑剤がブリードアウトする問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の課題を考慮してなされたものであって、優れた制電性
を維持しつつ、熱的に安定で、かつ、ブリードアウトな
どの問題を防止することができる高制電性ゴム組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために種々検討を重ねた結果、下記高制電性ゴ
ム組成物が上記課題を解決できることを見出した。本発
明は、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合体(EPD
M)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、ブチルゴム、フッ素ゴ
ム、シリコンゴムおよびウレタンゴムの群から選ばれた
少なくとも1種の重合体(A)に、アルカリ金属または
アルカリ土類金属であるカチオンとイオン解離可能なア
ニオンとによって構成されている金属塩類の少なくとも
1種(B)、および下記一般式(1)に示される化合物
(C)を配合したことを特徴とする高制電性ゴム組成物
に関する。
【0009】 〔一般式(1)中、Xは炭素数2〜8からなるアルキレ
ン基、芳香族基を含む二価の炭化水素基、または二価の
脂環式炭化水素基、Rは同一または異なり炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基、Aは同一または異なり
炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは同一または異
なり1〜7の整数である。〕 上記(B)成分は、過塩素酸リチウム、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミドリチウムおよびトリス(トリフルオロ
メタンスルホニル)メタンリチウムの群から選ばれた少
なくとも1種のリチウム塩であることが好ましい。上記
(C)成分は、ビス〔2−(2ブトキシエトキシ)エチ
ル〕アジペート、またはビス(2−ブトキシエチル)フ
タレートであることが好ましい。上記重合体(A)10
0重量部に対する上記(B)成分および(C)成分の合
計の割合は、0.5〜25重量部であることが好まし
い。上記(B)成分と(C)成分との総量に対する
(B)成分の割合は、0.1〜50重量%であることが
好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する重合体(A)の
例としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(S
BR)、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合体(EP
DM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、ブチルゴム、フ
ッ素ゴム、シリコンゴムおよびウレタンゴムなどのガラ
ス転移温度(Tg)が室温以下のゴム状重合体が挙げら
れる。
【0011】上記重合体(A)100重量部に対する下
記(B)成分および(C)成分の合計の割合は、好まし
くは0.5〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重
量部である。下記(B)成分および(C)成分の合計の
割合が0.5重量部未満の場合は、本発明における高制
電性が得られず、一方、25重量部を超えるとコスト高
を招来する。
【0012】次に、本発明に用いられる(B)金属塩類
は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であるカチオ
ン、およびイオン解離可能なアニオンとによって構成さ
れている化合物である。 (B)金属塩類のカチオンであるアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属としては、例えば、Li,Na ,K,M
g,Caなどが挙げられる。カチオンとして、好ましく
はイオン半径の小さいLi+,Na+,K+、特に好まし
くは、リチウムLi+である。また、本発明の金属塩類
の構成要素であるイオン解離可能なアニオンとしては、
例えば、Cl-,Br-,F-,I-,NO3 -,SCN-
ClO4 -,CF3SO3 -,(CF3SO22-,(CF3
SO23-などが挙げられる。好ましくは、Cl
4 -,CF3SO3 -,(CF3SO22-,(CF3SO
23-であり、さらに好ましくはCF3SO3 -,(CF
3SO22-,(CF3SO23-である。
【0013】上記カチオンおよびアニオンによって構成
されている金属塩類は数多くあるが、中でも、過塩素酸
リチウムLiClO4,過塩素酸ナトリウムNaCl
4,過塩素酸マグネシウムMg(ClO42,過塩素
酸カリウムKClO4,トリフルオロメタンスルホン酸
リチウムLi(CF3SO3),ビス(トリフルオロメタ
ンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CF3SO2
2,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリ
ウムK・N(CF3SO22,ビス(トリフルオロメタ
ンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CF3
22,トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタ
ンリチウムLi・C(CF3SO23,トリス(トリフ
ルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムNa・C
(CF3SO23が好ましい。中でも、過塩素酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびト
リス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウム
がさらに好ましい。特に、トリフルオロメタンスルホン
酸リチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)
メタンリチウムが好ましく、これを少量添加するだけで
固有抵抗が低くなるので、上記効果が一層発揮されるこ
とになる。本発明の組成物は、これらの金属塩類を少な
くとも1種含有する。
【0014】本発明の(C)成分は、上記一般式(1)
に示される化合物である。(C)成分の製造方法は、炭
素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して
得られるアルコールと二塩基酸とを原料として、工業的
な回分製造法などを用いて製造される。具体的には、上
記アルコールと上記二塩基酸とを、酸触媒を用いて、温
度120〜210℃で20〜22時間反応させることに
より製造される。
【0015】ここで、上記アルコールの例としては、プ
ロパノールにエチレンオキシド1〜7モルまたはプロピ
レンオキシド1〜4モルまたはブチレンオキシド1〜3
モル、ブタノールにエチレンオキシド1〜6モルまたは
プロピレンオキシド1〜3モル、ヘキサノールにエチレ
ンオキシド1〜2モル、ペンタノールにエチレンオキシ
ド1〜5モルまたはプロピレンオキシド1〜3モルまた
はブチレンオキシド1〜2モル、ノナノールにエチレン
オキシド1〜4モルまたはプロピレンオキシド1〜2モ
ルまたはブチレンオキシド1〜2モルを付加させたヒド
ロキシル化合物が挙げられる。
【0016】なお、これらの化合物の中で、ブタノール
1モルにエチレンオキシド2モルを付加させた2−(2
−ブトキシエトキシ)エタノール、およびブタノール1
モルにエチレンオキシド1モルを付加させた2−ブトキ
シエタノールをエステル部位とする化合物が、上記
(B)成分を溶解する溶解性が特に良い。上記一般式
(1)に係わる二塩基酸としては、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸など
のカルボン酸およびこれらのカルボン酸無水物などが例
示される。
【0017】上記(C)成分として、好ましくは、、上
記一般式(1)において、Rが末端にヒドロキシル基を
有さないアルキル基であるものである。特に好ましく
は、下記化学式(2)に示されるビス〔2−(2ブトキ
シエトキシ)エチル〕アジペート(アジピン酸ジブトキ
シエトキシエチル)〔上記一般式(1)において、Xは
炭素数4のアルキレン基、Rは炭素数4の直鎖のアルキ
ル基、Aは炭素数2のアルキレン基、nは2をそれぞれ
示す。〕、または下記化学式(3)に示されるビス(2
−ブトキシエチル)フタレート〔上記一般式(1)にお
いて、Xはフェニル基、Rは炭素数4の直鎖のアルキル
基、Aは炭素数2のアルキレン基、nは1をそれぞれ示
す。〕である。
【0018】
【0019】
【0020】上記(B)成分は、上記化合物(C)に溶
解し、溶液とすることができる。溶解方法は、上記
(B)成分を(C)成分に添加し、常温〜加熱条件下
(75℃以下)で攪拌する常法によって行うことができ
る。上記(B)成分と(C)成分との総量に対する
(B)成分の割合は、好ましくは0.1〜50重量%で
あり、さらに好ましくは0.5〜40重量%である。割
合が、0.1重量%未満の場合は、制電性が充分に発揮
されない。一方、50重量%を超える場合は、制電性付
与効果が飽和するので経済的にも不利である。
【0021】本発明の高制電性ゴム組成物は、組成物中
で(B)成分のカチオンイオンが容易に移動することが
できるので、イオン伝導性が極めて高く、優れた制電性
を発揮する。また、(B)成分および(C)成分からな
る溶液は、分散性や相溶性に優れているので、成形品の
表面でブリードアウトが生じるのを抑制することがで
き、優れた制電性が長期間維持される。また、本発明の
高制電性ゴム組成物は、着色剤としての顔料を添加する
ことにより、容易に着色することもできる。なお、上記
顔料としては、タルク、酸化チタン、ベンガラ、クレ
ー、シリカ白、炭酸カルシウムなどの無機顔料や、アゾ
系顔料、フタロシアニン系顔料、カーボンブラックなど
の有機顔料などが例示される。さらに、本発明の構成で
あれば、熱的安定性に優れ、かつ基質の樹脂の物性を損
なうこともない。
【0022】さらに、上記(C)成分を、(A)成分へ
配合する場合、架橋剤、安定剤、充填剤、発泡剤、滑
剤、難燃剤、抗菌剤、紫外線防止剤、一般の帯電防止剤
などの各種の添加剤・加工助剤などを適宜配合すること
ができる。
【0023】また、本発明の高制電性ゴム組成物は、例
えば、プレス加工、射出成形、押出成形、カレンダー成
形など通常の成形加工法が適用できる。本発明の高制電
性ゴム組成物は、これらの加工法により、シート、フィ
ルムその他種々の形状の成形品に成形されて用いられる
ことができる。本発明の高制電性ゴム組成物の用途とし
ては、具体的には、電子機器部品、電子材料製造機器、
事務機器部品、自動車部品、建材、床材、タイヤ、ホ−
ス類、包装用フイルム、包装材、シ−リング材、手袋、
合成皮革などの高制電性を必要とするものが挙げられ
る。
【0024】
【実施例】以下により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例中における部および%は、特に断らない限り、重量
平均である。
【0025】参考例1〜5 (C)成分であるビス〔2−(2ブトキシエトキシ)エ
チル〕アジペートおよびビス(2−ブトキシエチル)フ
タレートに対して、(B)成分である、過塩素酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびト
リス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウム
を表1に示す配合割合で混合し、65℃で1.5時間攪
拌して、溶液C−1〜C−5を得た。なお、参考例4の
(C)成分中の、ビス[2−(2ブトキシエトキシ)エ
チル〕アジペートおよびビス(2−ブトキシエチル)フ
タレートの配合割合は、3:7である。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1〜5 重合体(A)として、アクリロニトリルブタジエンゴム
(NBR)(ジェイエスアール株式会社製、商品名N5
20(アクリロニトリル 40%含有)、Tg;−25
℃)100部に、酸化亜鉛3部、ステアリン酸1部、シ
リカ白75部および上記表1の溶液C−1〜C−5をそ
れぞれ10部を配合し、ロールにて混練した後、イオウ
2部と加硫促進剤2部を加えて、さらにロールにて混練
した。混練物をプレスにて160℃で成形し、厚さ1m
mのシートを作製した。なお、実施例、比較例において
は、加硫促進剤として、大内新興化学(株)製、テトラ
メチルチウラムサルファイド(TMTD)、商品名 N
OCCELER−TTを使用した。
【0028】実施例6〜8 重合体(A)として、クロロプレンゴム(CR)〔電気
化学工業(株)製、商品名M−41、Tg;−51℃〕
100部に、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、シリカ
白65部,ナフテン系プロセスオイル10部、および上
記表1の溶液C−1,C−3,C−4をそれぞれ10部
配合し、ロールにて混練した後、イオウ2部と加硫促進
剤2部を加えて、さらにロールにて混練した。混練物を
プレスにて160℃で成形し、厚さ1mmのシートを作
製した。
【0029】実施例9〜11 重合体(A)として、アクリルゴム(ANM)(ジェイ
エスアール株式会社製、商品名AR201、Tg;−4
1℃)100部に、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、
シリカ白75部および上記表1の溶液C−1,C−3,
C−4それぞれ10部を配合し、ロールにて混練した
後、イオウ2部と加硫促進剤2部を加えて、さらにロー
ルにて混練した。混練物をプレスにて170℃で成形
し、厚さ1mmのシートを作製した。
【0030】比較例1 (C)成分を使用しない以外は実施例1と同様に行い、
厚さ1mmのシートを作成した。 比較例2 (C)成分を使用しない以外は実施例6と同様に行い、
厚さ1mmのシートを作成した。
【0031】比較例3 (C)成分を使用しない以外は実施例9と同様に行い、
厚さ1mmのシートを作成した。 比較例4 溶液C−1の代わりに、ポリエチレングリコール(PE
G)(重合度600、アセトニトリル20%添加品)に
対し、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリ
チウム35%になるように溶解したPEG溶液を10部
使用した以外は実施例1と同様に行い、厚さ1mmのシ
ートを作成した。
【0032】ゴム組成物評価 実施例1〜11で作製したシートの表面固有抵抗(JI
S K6723)は、108〜109Ω/sq.であって
極めて低く、またブリードアウトの発生は認められなか
った。これに対し、比較例1〜3で作製した(C)成分
を使用しないゴム組成物は、表面固有抵抗は、1014
1015Ω/sq.と、制電性が認められなかった。ま
た、比較例4で作製したシートの表面固有抵抗は、10
8〜109Ω/sq.であるが、ブリードアウトの発生が
多く認められた。結果を表2〜4に示す。また、実施例
1〜11のゴム組成物の着色性は、シリカ白で着色した
結果、目視で白色を示し、着色可能であった。一方、比
較例1〜4は、白色を示し、着色可能であったが、制電
性機能は実用性に耐えないものであった。
【0033】制電持続性 実施例1〜11に示す試験片の表面を家庭用洗剤を含ま
せた布により20回拭き取りを行い、ヘアドライヤーで
乾燥後、再度、表面固有抵抗を測定した。その結果、全
て108〜109Ω/sq.と、優れた制電持続性を示す
ことが、確認された。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表2〜3より本発明の実施例のゴム組成物
は、いずれも優れた制電性を持続しつつ、熱的に安定
で、ブリードアウトなどの問題のないものであった。一
方、表4の比較例1〜3において、本発明の帯電防止剤
を添加しない場合は制電性に劣り、比較例4において、
従来の帯電防止剤を配合した場合は、ブリードアウトが
生じた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴム組成
物は、従来の帯電防止剤を配合して得られる制電性ゴム
組成物の欠点を解決し、飛躍的に制電性を向上し、か
つ、優れた制電性を持続しつつ、熱的に安定で、ブリー
ドアウトなどの問題のない高制電性のゴム組成物であ
る。なお、本発明の高制電性ゴム組成物は、例えば、電
子機器部品、電子材料製造機器、事務機器部品、自動車
部品、建材、床材、タイヤ、ホ−ス類、包装用フイル
ム、包装材、シ−リング材、手袋、合成皮革などの高制
電性を必要とするものに使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/22 H01B 1/22 Z (72)発明者 立上 義治 大阪府泉北郡忠岡町忠岡北3丁目10番6号 三光化学工業株式会社内 (72)発明者 榎本 正樹 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 理研ビニル工業株式会社内 (72)発明者 大越 郁夫 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 理研ビニル工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC061 AC071 AC081 AC091 BB151 BB181 BD121 BP011 CH041 CK021 CP031 DE186 EH087 EH137 EH147 EV216 EV256 5G301 DA22 DA42 DD08 DD10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム
    (SBR)、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴ
    ム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合体
    (EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
    BR)、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、
    スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブチルゴム、
    フッ素ゴム、シリコンゴムおよびウレタンゴムの群から
    選ばれた少なくとも1種の重合体(A)に、アルカリ金
    属またはアルカリ土類金属であるカチオンとイオン解離
    可能なアニオンとによって構成されている金属塩類の少
    なくとも1種(B)、および下記一般式(1)に示され
    る化合物(C)を配合したことを特徴とする高制電性ゴ
    ム組成物。 〔一般式(1)中、Xは炭素数2〜8からなるアルキレ
    ン基、芳香族基を含む二価の炭化水素基、または二価の
    脂環式炭化水素基、Rは同一または異なり炭素数1〜9
    の直鎖または分岐のアルキル基、Aは同一または異なり
    炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは同一または異
    なり1〜7の整数である。〕
  2. 【請求項2】 上記(B)成分が、過塩素酸リチウム、
    トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフ
    ルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびトリス
    (トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムの群
    から選ばれた少なくとも1種のリチウム塩である、請求
    項1記載の高制電性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記(C)成分が、ビス〔2−(2ブト
    キシエトキシ)エチル〕アジペート、またはビス(2−
    ブトキシエチル)フタレートである、請求項1または2
    記載の高制電性ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 上記重合体(A)100重量部に対する
    上記(B)成分および(C)成分の合計の割合が、0.
    5〜25重量部である請求項1〜3いずれか1項記載の
    高制電性ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 上記(B)成分と(C)成分との総量に
    対する(B)成分の割合が、0.1〜50重量%であ
    る、請求項1〜4いずれか1項記載の高制電性ゴム組成
    物。
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