JP2002224944A - 研磨材の接着方法 - Google Patents

研磨材の接着方法

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久也 甲斐
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正夫 丹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】研磨パッドに、再はく離性のプラスチックフィ
ルム基材の粘着シートを、強固にかつ温度条件などを厳
密なコントロールを必要とせずに貼り合わせ接着する研
磨材の接着方法を提供する。 【解決手段】片面に粘着剤層を設けたプラスチックフィ
ルムの他方の面と、研磨パッドの接着において、プラス
チックフィルムに粘着性を有する反応性ホットメルト接
着剤を塗付し、該粘着ホットメルト接着剤層と研磨パッ
ドを接着することを特徴とする、研磨材の接着方法、お
よび、該接着方法により接着された、研磨パッドが硬質
ウレタン発泡体である研磨材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ガラス、レンズな
どの研磨に用いられる研磨材の接着方法と、該方法によ
り製造された研磨材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ガラス、レンズ、などを研磨
するための材料としては、アスファルトピッチ、木ター
ルピッチが用いられてきたが、近年硬質のウレタン発泡
体が用いられるようになり、以前はこれを研磨機の定盤
に溶液型のゴム系接着剤や2液型のエポキシ樹脂系接着
剤で接着し使用していた。
【0003】しかし、この方法では、硬質ウレタン発泡
体と、定盤に接着剤を塗付し、溶剤を乾燥させてから貼
合わせなければならず、溶剤系接着剤では、溶剤塗付に
よるウレタン発泡体の膨潤変形、乾燥に要する大型設備
等の問題があり、またエマルジョン系接着剤を用いると
乾燥性は更に低下し、更にエポキシ系接着剤や液状ウレ
タン系接着剤では、硬化に長時間を要するなど工程に時
間がかかるといった問題があり、また研磨材が摩耗し貼
替えるとき、研磨材をはがすと接着剤が定盤側に残り、
これを除去するのに大変な手間がかかるという欠点があ
った。
【0004】またこれに代わり、定盤側粘着剤を再はく
離性にした両面テープを使う方法が用いられて来てお
り、この様なテープにはポリエステルフィルムにアクリ
ル酸エステル系ポリマーを主とした粘着剤や、スチレン
イソプレンスチレンまたはスチレンブタジエンスチレ
ン、スチレンエチレンブタジエンスチレンなど、スチレ
ンブロックポリマーと称するゴム系ホットメルト形の粘
着剤層を設けたものが一部で使用されている。
【0005】さらに、本発明者らは、上記再はく離性両
面テープに代わり、反応性ホットメルト接着剤を用いて
研磨パッドと不織布またはプラスチックフィルムの基材
を貼り、該基材の反対面に粘着剤を設ける方法を提案し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホット
メルト接着剤や粘着剤は、研磨パッドへの接着性が必ず
しも充分でなく、液晶ガラス、レンズなどの研磨におい
ては、研磨砥粒液等による、PH9〜13にも及ぶ強ア
ルカリ存在下で研磨機の定盤回転の応力、圧力、温度
が、研磨パッドとそれを接着しているホットメルト接着
剤または両面テープにかかるため、回転研磨中に研磨パ
ッドがテープからはがれ、研磨中のワークや定盤、その
他の部品が破損するといったトラブルが絶えなかった。
特に、ラッピング工程における両面研磨方式の場合、そ
の傾向が著しく見られた。こうしたトラブルは、ワーク
やキャリヤ等に高価な材料を用いている精密研磨工程に
おいては、きわめて大きな損失にいたるものであり、こ
の問題を解決することは永年の大きな課題であった。
【0007】また、本発明者が提案した、反応性ホット
メルト接着剤を用いる方法は、極めて強力な接着力を得
ることができ、生産性も優れる方法であるが、該接着剤
をプラスチックフィルム等基材側に塗付した後、余熱で
接着剤をラミネートする場合には、外気温の影響などで
オープンタイムが変わるため、接着剤が冷却して接着し
づらくなることがあり、これを避けるため再加熱して接
着する場合、パッド自体の耐熱性が高くないため、高温
高圧にすると「ヘタリ」を起こすことがあった。また、
パッドの研磨精度を求めるためには、接着剤を直接パッ
ドに塗付する方法は、接着剤がパッドの発泡孔を浸透し
て入り込み、ワークと触れることがあり得るため好まし
くないことも判明しているので、高温で低粘度化させる
ことも好ましくないなど、各種条件設定の幅が狭いとい
う問題を有していた。
【0008】本発明の目的は、前記の如く研磨パッドを
強固に接着し、アルカリ性の研磨砥粒液存在下での加
熱、加圧、特に両面研磨方式においてもはがれを生ずる
ことがなく、研磨パッドに悪影響を及ぼさない接着剤を
用いた接着方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、片面に粘着剤
層を設けたプラスチックフィルムの他方の面と、研磨パ
ッドの接着において、プラスチックフィルムに粘着性を
有する反応性ホットメルト接着剤を塗付し、該粘着ホッ
トメルト接着剤層と研磨パッドを低温加熱接着してなる
ことを特徴とする、研磨材の接着方法、および研磨パッ
ドが硬質ウレタン発泡体である研磨材を提供することに
より前記課題を解決するものである。
【作用】
【0010】すなわち本発明は、粘着性のある反応性ホ
ットメルト接着剤を用いて、粘着剤付きのプラスチック
フィルム(以下粘着シート)と、研磨パッドを貼り合わ
せることによって、研磨パッドを温度や圧力のダメージ
なく、また研磨時に接着剤の剥がれの要因となる温度な
どの接着条件を広く取ることのできる研磨材の製造方法
である。
【実施の形態】
【0011】以下本発明について詳細に説明する。本発
明において、粘着性のある反応性ホットメルト接着剤と
は、反応性ホットメルト接着剤に粘着性を付与したもの
で、塗付後常温で圧力をかけるかまたは30〜70℃程
度の低温加熱圧着により、被接着物を一旦接着させた
後、冷却固化し一定の凝集力をもつとともに、空気中の
水分または被着体の吸着成分、含水分と反応し、自ら高
分子反応、架橋反応して硬化し接着強度、耐久性を増大
させるものである。
【0012】このような粘着性を有する反応性ホットメ
ルト接着剤としては、水分で硬化する湿気硬化形ウレタ
ンプレポリマーを主成分とする接着剤が挙げられる。主
成分となるウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネー
ト化合物(ジフェニルメタンジイソシネート、ジメチル
ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート、P−フェニレンジイソシアネートなど)と1分子
中に1個以上、好ましくは2〜3個の活性水素を有する
ポリオールの1種または2種以上を設定する物性値が得
られるように適宣選択するとともに配合比を決定して、
これらを60℃〜130℃の加熱下で数時間反応させて
得られる。ウレタンプレポリマーの合成においてポリイ
ソシアネート化合物とポリオールをNCO基/OH基が
1.5より大、好ましくは2.1〜2.5の割合で反応
させ、その結果得られたウレタンプレポリマー中のNC
O基が、通常0.5〜10重量%となるように設計す
る。
【0013】粘着性のある反応性ホットメルト接着剤と
するには、前記ポリオール成分が非晶性であることが好
ましく、この非晶性は、ジカルボン酸にイソフタル酸や
トリメリット酸を用い、ポリオールにネオペンチルグリ
コールやトリメチロールプロパンを用いてランダム共縮
合するなど、分子内に側鎖を持つポリエステルポリオー
ルなどを用いることで得られる。また、一般的な直鎖の
ジカルボン酸と直鎖のポリオールを主成分とするポリエ
ステルポリオールでも、こうした側鎖のあるジカルボン
酸やポリオールを共縮合すれば、非晶性になり粘着性が
得やすくなる。ポリエーテルポリオール、ポリアルキレ
ンポリオール、ポリオレフィンポリオールなども同様で
ある。
【0014】これに、熱可塑性ポリマー(ポリウレタ
ン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、塩化
ビニル系共重合体、各種ゴム、アクリル共重合体)な
ど、タッキファイヤー樹脂(クマロン樹脂、ケトン樹
脂、変性スチレン樹脂、テルペン樹脂、変性テルペン樹
脂、水添石油樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、各種
エステル化ロジンなど)、可塑剤(ジオクチールフタレ
ート、ブチルベンジルフタレート、アルキル多環芳香族
炭化水素類、塩素化パラフィンなど)等を適宜選択して
配合することで、粘着性を高めることが可能である。そ
の他にも、反応触媒(ジブチルチンジラウレート、ジブ
チルチンジオクテート、ジメチルベンジルアミンな
ど)、密着性付与剤(シラン化合物など)、チキソトロ
ピー性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を配合して
用いるのが一般的である。
【0015】粘着性を有する反応性ホットメルト接着剤
としては、上記ウレタン系の組成物が一般的であるが、
アモルファスポリオレフィン、ポリイソブチレンなどの
ポリオレフィンの末端に、アルコキシシリル基を持たせ
たプレポリマーも湿気硬化し得るものであって、配合剤
によって容易に粘着性を得ることができる。
【0016】粘着性を有する反応性ホットメルト接着剤
の具体的な例としては、イソフタル酸とネオペンチルグ
リコールを主として共縮合した、非晶質のポリエステル
系イソシアネートプレポリマーを主成分とする、ハイボ
ン4812(日立化成ポリマー(株)製)などが適して
おり、こうした粘着性のある反応性ホットメルト接着剤
は水分を遮断できる構造の溶融槽内で溶融され、しかる
のちにロールコーターやスプレーによりポリエステルフ
ィルム等の所定の面に容易に塗付することができ、この
面の温度が少々低下しても、圧力をかけて研磨パッド面
に貼りつけることができる。
【0017】本発明において、粘着シートのプラスチッ
クフィルム面に予め設けられる粘着剤としては、天然ゴ
ム系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、ポリイソブチレン系
粘着剤、スチレン系ブロックポリマー粘着剤、アクリル
酸エステル系粘着剤などが挙げられる。
【0018】これらの粘着剤ゴムまたはポリマーに対
し、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、スチレン系樹
脂、キシレン系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂などの
粘着付与樹脂を添加または添加せずに用い、この粘着剤
組成物に対し、架橋剤としてポリイソシアネート、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等が必要に応じ適宣添加され混
合されて用いられる。
【0019】この粘着剤は、研磨機の定盤に圧力で貼付
けられ、不要となった際に再はく離し、できる限り糊残
りのないことが要求されるため、必要最低限の架橋を行
うことが望ましい。また粘着剤層としては、前記粘着剤
を用いてあらかじめ両面テープ状に製造されているもの
を貼って用いても差し支えはない。
【0020】このプラスチックフィルムとしては、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなどが挙げられ
るが、粘着性のある反応性ホットメルト接着剤を塗付す
る際の温度としては100℃以上が必要であることや、
ウレタンプレポリマーを主成分とするものはポリオレフ
ィン系フィルムには接着しづらいことなどから、ポリエ
ステルフィルムが最も適している。
【0021】なおこのプラスチックフィルムは、単一層
である必要はなく、2種以上のプラスチックや金属など
の多層ラミネートフィルムであっても差し支えはない。
この場合同様に、ポリエステルフィルム層を有すること
が好ましい。これらのフィルムによる支持体の厚みは、
20〜200μ程度が好適である。
【0022】本発明に用いられる研磨パッドは、ポリエ
ステルポリオールとポリイソシアネートよりなる合成樹
脂原料に、研磨剤砥粒と発泡剤を添加して金型内で注型
発泡したのちスライシングして作られるものが主として
用いられ、被研磨物の化学組成や配合組成、または要求
される研磨レートなどによりウレタンの組成や研磨剤砥
粒の種類、量、発泡倍率を様々に変えて用いられる。さ
らに、近年広く用いられてきている半導体デバイス配線
微細化のための酸化膜・層間絶縁膜平担化をおこなうC
MP(化学的機械研磨)用のパッドは、樹脂バインダー
で強化した不織布や発泡硬質ウレタンパッドを何層も積
層して硬さを調節したものが用いられており、これらは
非常に高い精度を求められるため、接着工程などでの高
熱高圧を嫌うので、本発明の方法は、こうした研磨パッ
ドにも好適に用いられる。
【0023】プラスチックフィルムに粘着剤を塗付する
方法は一般の粘着シートの製造方法と同様であり、プラ
スチックフィルムに直接粘着剤溶液を塗付乾燥しても、
或は離型紙紙上に粘着剤フィルムを形成してプラスチッ
クフィルム面に転写してもどちらでもよいが、粘着剤面
は、後工程となる研磨パッドとのラミネート、及びその
後の研磨機定盤への接着までの保管のため保護されてい
なければならないので、はく離ライナーを貼合せておく
必要がある。
【0024】粘着シートのフィルム面に、粘着性を有す
る反応性ホットメルト接着剤を塗付する方法としては、
一般的な加熱ロールコーターや、Tダイ等の押出し法が
挙げられる。これらは、反応性ホットメルト接着剤に用
いる密閉型アプリケーターから溶融されてロールやダイ
に供給され、巻き出されたフィルム面に一定厚みで塗付
される。一般的には、こののちただちに研磨パッドと貼
り合わせるが、本発明では一旦はく離ライナーで接着剤
面を保護し、後工程でライナーをはがして研磨パッドと
ラミネートすることも可能である。しかし湿気硬化の接
着剤であるため、そのまま長期間保管することはでき
ず、およそ1日以内には用いなければならないが、従来
の非粘着の反応性ホットメルト接着剤でははく離ライナ
ーを用いることが難しいので本方式は適用できなかっ
た。
【0025】研磨パッドに対し、該反応性ホットメルト
接着剤層をラミネートする工程は、接着剤がまだ余熱を
有する範囲内で行なってもよいし、常温でも差し支えは
ないが、外気温が低い時などに余り温度が低下すると、
粘着性が消失するので好ましくない。また、前記の如
く、一旦はく離ライナーを貼っておいた接着剤面のライ
ナーを剥がし、後でラミネートすることも可能である
が、30〜70℃程度の再加熱をすれば接着はさらに良
好になるので、より好ましい。加圧は、連続ラミネート
による方法が好ましいので線圧1〜50N/cmの範囲
が良好であるがこれに限定されるものではない。また、
枚葉にしてプレス接着しても一向に差し支えはなく、そ
の際の圧力は0.01〜1MPa程度の範囲が好まし
い。ラミネート後は、通常反応性ホットメルト接着剤は
常温常湿1日程度で硬化が完了するが、冬季など低湿下
では完全硬化まで2〜3日かかることもなくはない。こ
うした場合には、若干の加湿をおこなえば、1日以内に
十分な硬化が得られる。
【実施例】以下本発明の実施例を示し、具体的に説明す
る。なお、本発明がこの実施例により限定されるもので
ないことは言うまでもない。例中、部とは重量部を表
す。
【0026】 (参考例1) 粘着シートA クインタック3421 30部 (SIS:日本ゼオン(株)製) アサプレンT−420 10部 (SBS:旭化成(株)製) スーパーエステルA100 20部 (不均化ロジンエステル樹脂;荒川化学(株)製) クリアロンP125 30部 (水添テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製) トルエン 140部 上記組成の混合物を室温で攪拌溶解し、粘着剤溶液
(固形分42%)を得た。この粘着剤を、50μmポリ
エステルフィルム(エンブレット;ユニチカ(株)製)
にドライ厚40μmになるように塗付乾燥し、シリコー
ン離型剤のはく離ライナーを貼合せて粘着シートAを得
た。
【0027】 (参考例2) 粘着シートB BPS5248 100部 (アクリル系粘着剤;東洋インキ製造(株)製) コロネートL 1.2部 (三官能ポリイソシアネート;日本ポリウレタン(株)製) 上記組成の混合物を室温で攪拌し、粘着剤溶液を得
た。この粘着剤をドライ厚50μmになるよう参考例1
と同じはく離ライナー上に塗付乾燥したものを、50μ
mのポリエステルフィルム(前出)に転写して粘着シー
トBを得た。
【0028】
【実施例1,2】粘着シートA、Bのポリエステルフィ
ルム面に、ロールコーターを用いて粘着性のある反応性
ホットメルト接着剤ハイボン4812(日立化成ポリマ
ー(株)製)を、120℃の加熱溶融状態で塗付量70
g/mになるように塗付した。その5分後に、研磨パ
ッドLP66(ガラス用、James・H・Rohde
s社製)の2.0mm厚の板状物に対し、各粘着シート
の接着剤塗付面を重ね合せて、50℃のラミネートロー
ルの間を通過させて接着した。通過直後の粘着シート面
の温度を測定したところ、約30℃であった。
【0029】
【実施例3,4】研磨パッドに、LP77(ガラス用、
James・H・Rohdes社製)厚み1.2mmを
用いたほかは実施例1,2と同様にして接着を行い研磨
パッドとした。
【0030】
【比較例1】前記粘着剤溶液2を、50μmのポリエス
テルフィルムの両面に各々ドライ厚み50μmとなるよ
う設けたフィルム基材両面テープを作成した。これを研
磨パッドLP66(前出)3.0mmに、80℃のヒー
トラミネーターで貼り、接着を行った。
【0031】
【比較例2】反応性ホットメルト接着剤に、粘着性のな
いタイプ(ハイボン4832、日立化成ポリマー(株)
製)を用い、この接着剤を粘着シートA、Bのポリエス
テルフィルム面ではなく、研磨パッドLP66面にロー
ルコーターを用い、120℃の加熱溶融状態で塗付量7
0g/mになるように塗付した。実施例1,2同様、
5分後に、各粘着シートを重ね合せて、常温のラミネー
トロールの間を通過させて接着した。
【0032】
【比較例3】研磨パッドLP77(前出)2.0mmに
一般的なクロロプレン系接着剤ハイボン1420(日立
化成ポリマー(株)製)をロールコーターでウエット塗
付量約300g/mになるよう塗付し、放置乾燥を約
半日行った。このあと粘着剤溶液2を、50μmポリエ
ステルフィルムの両面に設けた両面テープを100℃の
ホットプレス3kgf/cmで20秒熱圧して接着し
た。
【0033】(はく離接着強さ)各作成試料を25mm
幅に裁断し、粘着シートのポリエステルフィルムと研磨
パッド間の接着剤部にレザー刃で切れ込みを入れ、持ち
手部を作成した。引張速度300mm/分で、Tはく離
を行い接着強さを測定した。
【0034】(実用性能)各実施例、比較例の研磨材
を、両面研磨機(スピードファム社製)にとりつけ、酸
化セリウムスラリー(ROX:昭和電工社製)を流しな
がらガラス研磨を行った。10時間及び100時間運転
後に、研磨パッドの状態を観察し、実用性を判断した。
尚、反応性ホットメルト接着剤は、接着作業完了後常温
で1日以上放置してから供試した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の研磨材の接着方法は、表1に示
すように、研磨パッドとプラスチックフィルムの間の接
着を粘着性のある反応性ホットメルト接着剤で行うこと
によって、パッドへの接着強度アップが得られ、該反応
性ホットメルト接着剤が粘着性であることによって、接
着の際の温度条件が広く常温まで取れるようになり、パ
ッドに対し、高温貼り合わせに起因するダメージを与え
ることなく高い接着の信頼性が得られる。また、予めプ
ラスチックフィルムの他方の面に設けておいた粘着剤で
ポリッシングマシンの定盤に容易に研磨材を固定できる
構成を得ることができた。これにより、これまで困難で
あったガラス類の研磨パッドを安定して接着することが
可能となった。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】に該研磨パッドと粘着シートを、粘着性のある
反応性ホットメルト接着剤でラミネート接着した実施例
の断面図を示す。
【符号の説明】
1 研磨パッド 2 粘着性を有する反応性ホットメルト接着剤層 3 プラスチックフィルム層 4 再はく離粘着剤層 5 はく離ライナー 6 粘着シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】片面に粘着剤層を設けたプラスチックフィ
    ルムの他方の面と、研磨パッドの接着において、プラス
    チックフィルムに粘着性を有する反応性ホットメルト接
    着剤を塗付し、該接着剤層と研磨パッドを接着してなる
    ことを特徴とする、研磨材の接着方法。
  2. 【請求項2】研磨パッドが硬質ウレタン発泡体である請
    求項1記載の方法により製造された研磨材。
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