JP2004359865A - 湿気硬化型ホットメルト接着剤及び化粧材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離するので基材の再利用が可能であり、且つ湿気硬化反応後は基材と被覆材の接着性が良好な化粧材を得る湿気硬化型ホットメルト接着剤、及び化粧材の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られる常温で非粘着性の湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなり、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤、該湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせる化粧材の製造方法であって、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用される化粧材の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られる常温で非粘着性の湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなり、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤、該湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせる化粧材の製造方法であって、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用される化粧材の製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材に被覆材を貼り合わせて得られる化粧材の製造に有用な湿気硬化型ホットメルト接着剤、及びこの接着剤を用いた化粧材の製造方法に関する。
具体的には、前記化粧材は、家具前板、家具天板のエッジ材、巾木、ドア枠、システムキッチン扉の廻り縁、窓枠、敷居等、各種家具表面材や建材内外装材に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
溶剤系接着剤を用いた化粧材の製造に関して、プロフィールラッピング加工により基材に被覆材を接着させて化粧シートを製造する方法については、以前より広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、各種産業においては、昨今の環境問題等より脱溶剤化を目的とし、溶剤型の接着剤から固形分100%のホットメルト接着剤や溶剤を含まない水系接着剤への切り替えが検討されている。
【0003】
他方、湿気硬化型ホットメルト接着剤用ラッピング機の塗布ヘッドには、ダイコーター、ナイフコーター、ロールコーター、スロットスプレー等、各種の方法が適用され、塗布部(コーターの反対側)に金属製又はシリコンゴム製のバックアップ材(具体的にはロールや板等)を設置したり、又は、被覆材自体にテンションを持たせて、被覆材に接着剤を均一に塗布した後直ちにピンチロールで基材と被覆材を圧締し、接着させたりする製造方法が用いられている。
【0004】
上記製造方法においては、製造ライン稼働の初期段階では、各種製造条件の確認(接着剤塗布条件、部材加熱条件、圧締条件等)のため、基材と被覆材を用いて条件設定を行う必要があり、また、製造中においても、何らかの理由により、塗布、接着不良を起こしたり、圧締不良、外観不良を起こしたりして、一部貼り合わせ不良品が発生することがある。
【0005】
従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用した場合、基材や被覆材の温度が高いと、貼り合わせ直後から良好な接着力を発現し、そのために、一旦接着工程が終了してしまうと、人の手によって基材から被覆材を剥離することが非常に困難となり、一方、剥離した際には基材が材料破壊してしまったり、あるいは基材に接着剤が一部付着した状態で剥離したりするために、基材を再利用した場合、再度接着した接着物の外観不良を起こす原因となっていた。
【0006】
また、逆に基材や被覆材の温度が低いと、貼り合わせ直後は基材から被覆材を容易に剥離することが可能であり、その破壊形態は基材と接着剤層の界面の界面破壊となるため、基材の再利用が可能である。
しかしながら、この場合、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、湿気硬化反応した後も、その接着力は大幅に向上せず、最終的に所望の接着強度を得ることはできなかった。
【0007】
従って、発生した不良品に関しては、最終的に製品として使用できないものであり、且つ使用した部材は再利用が困難であるため、製造時の歩留まりを低下させる原因となっていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−256736号公報(第2頁特許請求の範囲、産業上の利用分野、従来の技術等)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、湿気硬化型接着剤により被覆材を基材に貼り合わせて化粧材を得る際の、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離するので基材の再利用が可能であり、且つ、湿気硬化反応後は十分な接着強度を発現して、基材と被覆材の接着性が良好な化粧材を得るための、湿気硬化型ホットメルト接着剤、及びこの接着剤を用いた化粧材の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られる常温で非粘着性の湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなり、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、上記樹脂成分がポリオール化合物であり、樹脂成分結合剤がポリイソシアネート化合物である請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせる化粧材の製造方法であって、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用される化粧材の製造方法を提供する。
【0013】
以下に本発明を詳述する。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られ、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなることが必要である。
本発明における常温で固体成分としては特に限定されるものではないが、例えば、結晶性を有し結晶融解温度が室温以上の成分、又は室温以上のガラス転移点を有する成分等が挙げられる。
また、常温で液体成分としては特に限定されるものではないが、例えば、室温にて液体又は粘調液体の成分等が挙げられ、そのガラス転移点は0℃以下であることが必要である。
【0014】
上記常温で液体成分の湿気硬化型ホットメルト接着剤への含有比率は、1〜50重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。含有比率が、1重量%未満であると、湿気硬化反応後に十分な接着強度を得ることが困難であり、50重量%を越えると、初期凝集力が低下するため、ラッピング工程での収まり性が著しく低下する。
【0015】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有することが必要である。
非相溶状態の内容について、以下に述べる。
上記常温で固体成分と液体成分を混合し、混合する際は、固体成分が溶融する温度、具体的には90〜150℃に加熱して混合することが好ましく、相溶性の判断を行う際は、混合物を常温雰囲気下に冷却した後に行う。上記の混合物を目視観察行った結果、両成分が分離する状態を非相溶状態と判断し、それ以外の状態を相溶状態と判断する。
【0016】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、常温で非粘着性であることが必要である。
【0017】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られるものであり、樹脂成分としてはポリオール化合物が好ましく、樹脂成分結合剤としてはポリイソシアネート化合物が好ましい。すなわち、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、具体的には、ポリオール化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて得られるものが好ましく、より好ましくは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである。この反応は通常、ポリオール化合物中の水酸基とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル比がイソシアネート基/水酸基=1.5〜2.5の範囲で行われている。
【0018】
上記ポリオール化合物としては、ポリウレタンの製造に通常用いられている、従来より公知のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0019】
上記ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸等の多価カルボン酸と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、またその他にε−カプロラクタムを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオールが挙げられる。
【0020】
上記ポリエステルポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、テレフタル酸とネオペンチルグリコール、イソフタル酸とネオペンチルグリコール、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオール、セバシン酸と1,6−ヘキサンジオール、デカメチレンジカルボン酸と1,6−ヘキサンジオールのそれぞれの縮合体等が挙げられ、常温で液体成分のものとしては、アゼライン酸とネオペンチルグリコールの縮合体等が挙げられる。
【0021】
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体等が挙げられる。
上記ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体としては、ビスフェノールA骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールであり、付加反応方法はランダム共重合体、ブロック共重合体いずれでもよく、ビスフェノールA骨格の両末端に、単独又は2種以上のアルキレンオキシドが、各々モノマー単位にて1〜10モル修飾されていることが好ましい。
【0022】
上記ポリエーテルポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体等が挙げられ、常温で液体成分のものとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0023】
上記ポリアルキレンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
【0024】
上記ポリアルキレンポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、水素化ポリブタジエンポリオール等が挙げられ、常温で液体成分のものとしては、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
【0025】
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0026】
上記ポリカーボネートポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0027】
上述したこれらのポリオール化合物は、必要に応じて2種以上を混合して用いることができる。
【0028】
本発明における樹脂成分結合剤とは、ポリオール化合物に代表される樹脂成分と反応して樹脂(ポリマー)を形成するもので、鎖延長剤と呼ばれる場合もあり、上述の如くポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの液状変性物、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物のうち、蒸気圧や毒性、扱いやすさの面からジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性物が好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物は単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いられてもよい。
【0029】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、接着性を高めるために、粘着付与樹脂、オイル、熱可塑性樹脂等を添加することができる。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂等が挙げられる。好ましくは、環球式軟化点が90〜150℃のものが用いられる。
上記粘着付与樹脂は他の成分との相溶性や被着体の種類により、単独で用いられてもよく、2種類以上を混合して用いられてもよい。
【0030】
上記オイルとしては、一般にゴムの軟化剤としてプロセスオイル、エクステンダーオイル、ソフナー等と呼ばれて広く知られているオイルの内の芳香族成分、芳香族以外のオイルのナフテン系オイル、パラフィン系オイル等が挙げられる。
【0031】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0032】
また、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気反応性を高めるために、三級アミン系やスズ系等の触媒を添加することができる。
上記アミン系の触媒としては、モルフォリン系化合物が好ましく、具体的には2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチル)アミン等が挙げられる。
【0033】
また、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、その他の添加剤として、安定剤、老化防止剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、充填剤、軟化剤等を添加してもよい。
上記安定剤としては、各種化合物を添加することができるが、なかでも有機燐系化合物が好ましく、具体的には、トリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられ、より好ましくは常温で固体状の結晶性可塑剤が好ましい。このような例としては、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0034】
本発明の化粧材の製造方法は、上述の湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせられるものである。
上記化粧材に用いる基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂、天然木材、合板、パーティクルボード、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、集成材等の木材、アルミニューム、鉄、ステンレス等の金属が挙げられ、横断面が曲面又は凹凸面を有している、若しくは平面のみで構成されている成形体が用いられる。
【0035】
また、上記化粧材に用いる被覆材としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂からなる無地又は文字や模様が印刷された被覆材、木材のつき板シート、合成樹脂を含浸させたつき板シート、アルミ箔等の金属箔、紙、布等が挙げられ、それぞれ単品あるいは2種以上の積層された被覆材が用いられる。
【0036】
本発明の化粧材の製造方法は、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用されるものである。
本発明の化粧材の製造方法は、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いるので、貼り合わされた化粧材は、接着剤の湿気硬化反応が進行する前は、例えば人の手による作業等、容易に基材から被覆材を剥離することができ、且つ破壊形態が基材と接着剤層の界面破壊となることができる。また、上記基材は、接着剤層との界面破壊となるため、基材の再利用が可能である。
更に、湿気硬化反応した後は、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、基材と被覆材との接着において強力な接着力が発現される。
【0037】
本発明の化粧材の製造方法を以下、更に詳しく述べる。
通常、先ず、被覆材が供給され、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤が被覆材の裏面に塗布される。接着剤の塗布は、ギヤーポンプ式アプリケーター、プランジャー式アプリケーター等にて接着剤を加熱溶融し、ナイフコーター、ロールコーター、スプレー等で、溶融温度が90℃〜130℃で行われることが好ましい。溶融温度が90℃未満では、粘度が高くなるため塗工性が低下することがあり、溶融温度が130℃を越えると、被覆材の素材によっては熱変形、又は接着剤の熱安定性の低下を引き起こす恐れがある。
【0038】
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗布皮膜は、10〜100μmが好ましく、30〜70μmがより好ましい。塗布皮膜が10μm未満であれば、塗布後の接着性が低くなる恐れがあり、100μmを越えると生産可能だがコスト上好ましくない。
【0039】
上記基材と上記被覆材の温度については、特に限定されるものではないが、上述のように湿気硬化反応前に基材から被覆材の剥離を行うためには、被覆材裏面のバックアップロール又はバックアップ板が100℃以下であり、且つ、基材温度が60℃以下であることが好ましい。これらを越える温度で接着を行うと、基材と被覆材が強固に接着するため、湿気硬化反応前でも基材から被覆材を剥離することが困難となる。
【0040】
また、上記被覆材に加熱溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を塗布する際、被覆材裏面のバックアップロール又はバックアップ板の温度は、使用する湿気硬化型ホットメルト接着剤の特性やライン速度、基材の形状等により適宜設定されるが、20〜120℃であることが好ましく、被覆材が塩化ビニル樹脂等の熱変形し易い素材の場合は40℃以下にするのがより好ましく、被覆材が紙や耐熱性のあるプラスチック素材の場合は60℃以上にするのがより好ましい。
【0041】
更に、必要に応じて基材を加熱することができ、加熱方法としては、例えば、ライスターによる温風加熱、遠赤外線加熱装置による加熱等が行われる。基材の表面温度は20〜100℃であることが好ましく、より好ましくは、20〜60℃である。
【0042】
次いで、上記被覆材は上記基材の表面に沿って被覆され、ロール等で圧着される。圧力は一般に0.1〜10Kg/cm(線圧)程度で瞬時に行われ、化粧材が製造される。
【0043】
(作用)
本発明の接着剤が、湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離するので基材の再利用が可能であり、且つ、湿気硬化反応後は十分な接着強度を発現する理由については、必ずしも十分に解明できていない部分もあるが、本発明者等は以下の如く考えている。
すなわち、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、例えば、常温で非相溶の固体成分と液体成分のポリオール化合物を含むものとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるものであり、固体成分と液体成分はポリイソシアネート化合物と反応後も常温で非相溶となっていると考えられるため、湿気硬化反応する前には、液体成分が滲みだし接着力が弱められるので、貼り合わせ直後の剥離時に、基材と接着剤層の界面破壊とさせることができる。
【0044】
このため、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用した化粧材は、接着剤が湿気硬化反応する前には、容易に基材から被覆材の剥離を行うことが可能であり、その破壊形態が基材と接着剤層の界面破壊となるため、剥離した後の基材を外観不良を起こすことなく、再利用することができる。
【0045】
また、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化反応した後には、強力な接着力を発現する。このため、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用した化粧材は、基材と被覆材が強固に接着したものとなる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びバイロン220(ポリエステルポリオール、東洋紡社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)46重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0048】
〔試験片作製〕
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤をギヤーポンプ式アプリケーターにて加熱溶融し、スリットコーターを使用してオレフィンシート(0.17μm)に接着剤塗布(約50μm厚)した。(アプリケーター:100℃、ホース:110℃、スリットコーター:120℃に設定)
塗布後のオレフィンシートを、予め調温(40、80℃)した基材であるMDF(Medium Density Fiberboard)に、直ちに重ね合わせて、シリコンゴムロールにて貼り合わせ、試験片を得た。
【0049】
〔相溶性評価〕
接着剤作製で用いた、常温で固体成分及び常温で液体成分を、各10gずつ配合し、130℃に加熱し、溶融混合した。
その後、常温雰囲気下に24時間静置し、常温での液体成分の分離の有無を目視にて確認した。
結果を表1に示した。
【0050】
〔接着性評価〕
得られた試験片を25mmにカットし、貼り合わせ15分後(湿気硬化反応前)と72時間後(湿気硬化反応後)に接着力を測定した。なお、試験片は23℃、55%RH雰囲気下にて養生し、湿気硬化反応をおこさせた。
接着力の測定方法は、オレフィンシートを180°方向に剥離し、オートグラフにて剥離強度を測定した。(剥離スピードは200mm/分)
また、剥離強度測定後の試験片について、破壊形態を目視にて観察した。
結果を表2に示した。
【0051】
(実施例2)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びUE3350(ポリエステルポリオール、ユニチカ社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)37重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0052】
(実施例3)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びバイロン220(ポリエステルポリオール、東洋紡社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)30重量部及びBPX−55(ポリエーテルポリオール、旭電化社製)30重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)59重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0053】
(実施例4)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びUE3350(ポリエステルポリオール、ユニチカ社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)30重量部及びBPX−55(ポリエーテルポリオール、旭電化社製)30重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)51重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0054】
(比較例1)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びバイロン220(ポリエステルポリオール、東洋紡社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるニッポランN−165(ポリエステルポリオール、日本ポリウレタン社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)49重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0055】
(比較例2)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びUE3350(ポリエステルポリオール、ユニチカ社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるニッポランN−165(ポリエステルポリオール、日本ポリウレタン社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)40重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
表1より、実施例1〜4は、常温で固体成分と常温で液体成分とは、常温で非相溶であり、比較例1、2は相溶する樹脂成分であることがわかる。
【0058】
【表2】
【0059】
表2より、実施例1〜4は、MDF温度が40℃の比較的低い温度で、しかも、貼り合わせからの経過時間が15分後の湿気硬化反応前では、接着力が低く破壊形態が界面破壊となっており、湿気硬化反応後(72時間後)では、接着力が優れたものとなっていることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上述の構成からなるので、湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離することができ、その破壊形態が基材と接着剤層の界面破壊となるため、基材の再利用が可能であり、且つ湿気硬化反応後は基材と被覆材が、十分な接着強度を発現することにより、接着性の良好な化粧材を得ることができる。
また、本発明の化粧材の製造方法は、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせているので、製造ライン稼働初期時の条件設定時や、製造中に発生した、貼り合わせ不良の際、被覆材を剥離し、基材を再利用することができ、製造工程の歩留まりを大きく向上させることができる。更に、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤が湿気硬化反応後は、基材と被覆材が強固に接着し、その剥離強度も高いものとなるため、信頼性の高い化粧材を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材に被覆材を貼り合わせて得られる化粧材の製造に有用な湿気硬化型ホットメルト接着剤、及びこの接着剤を用いた化粧材の製造方法に関する。
具体的には、前記化粧材は、家具前板、家具天板のエッジ材、巾木、ドア枠、システムキッチン扉の廻り縁、窓枠、敷居等、各種家具表面材や建材内外装材に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
溶剤系接着剤を用いた化粧材の製造に関して、プロフィールラッピング加工により基材に被覆材を接着させて化粧シートを製造する方法については、以前より広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、各種産業においては、昨今の環境問題等より脱溶剤化を目的とし、溶剤型の接着剤から固形分100%のホットメルト接着剤や溶剤を含まない水系接着剤への切り替えが検討されている。
【0003】
他方、湿気硬化型ホットメルト接着剤用ラッピング機の塗布ヘッドには、ダイコーター、ナイフコーター、ロールコーター、スロットスプレー等、各種の方法が適用され、塗布部(コーターの反対側)に金属製又はシリコンゴム製のバックアップ材(具体的にはロールや板等)を設置したり、又は、被覆材自体にテンションを持たせて、被覆材に接着剤を均一に塗布した後直ちにピンチロールで基材と被覆材を圧締し、接着させたりする製造方法が用いられている。
【0004】
上記製造方法においては、製造ライン稼働の初期段階では、各種製造条件の確認(接着剤塗布条件、部材加熱条件、圧締条件等)のため、基材と被覆材を用いて条件設定を行う必要があり、また、製造中においても、何らかの理由により、塗布、接着不良を起こしたり、圧締不良、外観不良を起こしたりして、一部貼り合わせ不良品が発生することがある。
【0005】
従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用した場合、基材や被覆材の温度が高いと、貼り合わせ直後から良好な接着力を発現し、そのために、一旦接着工程が終了してしまうと、人の手によって基材から被覆材を剥離することが非常に困難となり、一方、剥離した際には基材が材料破壊してしまったり、あるいは基材に接着剤が一部付着した状態で剥離したりするために、基材を再利用した場合、再度接着した接着物の外観不良を起こす原因となっていた。
【0006】
また、逆に基材や被覆材の温度が低いと、貼り合わせ直後は基材から被覆材を容易に剥離することが可能であり、その破壊形態は基材と接着剤層の界面の界面破壊となるため、基材の再利用が可能である。
しかしながら、この場合、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤では、湿気硬化反応した後も、その接着力は大幅に向上せず、最終的に所望の接着強度を得ることはできなかった。
【0007】
従って、発生した不良品に関しては、最終的に製品として使用できないものであり、且つ使用した部材は再利用が困難であるため、製造時の歩留まりを低下させる原因となっていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−256736号公報(第2頁特許請求の範囲、産業上の利用分野、従来の技術等)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、湿気硬化型接着剤により被覆材を基材に貼り合わせて化粧材を得る際の、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離するので基材の再利用が可能であり、且つ、湿気硬化反応後は十分な接着強度を発現して、基材と被覆材の接着性が良好な化粧材を得るための、湿気硬化型ホットメルト接着剤、及びこの接着剤を用いた化粧材の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られる常温で非粘着性の湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなり、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、上記樹脂成分がポリオール化合物であり、樹脂成分結合剤がポリイソシアネート化合物である請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせる化粧材の製造方法であって、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用される化粧材の製造方法を提供する。
【0013】
以下に本発明を詳述する。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られ、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなることが必要である。
本発明における常温で固体成分としては特に限定されるものではないが、例えば、結晶性を有し結晶融解温度が室温以上の成分、又は室温以上のガラス転移点を有する成分等が挙げられる。
また、常温で液体成分としては特に限定されるものではないが、例えば、室温にて液体又は粘調液体の成分等が挙げられ、そのガラス転移点は0℃以下であることが必要である。
【0014】
上記常温で液体成分の湿気硬化型ホットメルト接着剤への含有比率は、1〜50重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。含有比率が、1重量%未満であると、湿気硬化反応後に十分な接着強度を得ることが困難であり、50重量%を越えると、初期凝集力が低下するため、ラッピング工程での収まり性が著しく低下する。
【0015】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有することが必要である。
非相溶状態の内容について、以下に述べる。
上記常温で固体成分と液体成分を混合し、混合する際は、固体成分が溶融する温度、具体的には90〜150℃に加熱して混合することが好ましく、相溶性の判断を行う際は、混合物を常温雰囲気下に冷却した後に行う。上記の混合物を目視観察行った結果、両成分が分離する状態を非相溶状態と判断し、それ以外の状態を相溶状態と判断する。
【0016】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、常温で非粘着性であることが必要である。
【0017】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られるものであり、樹脂成分としてはポリオール化合物が好ましく、樹脂成分結合剤としてはポリイソシアネート化合物が好ましい。すなわち、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、具体的には、ポリオール化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて得られるものが好ましく、より好ましくは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである。この反応は通常、ポリオール化合物中の水酸基とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル比がイソシアネート基/水酸基=1.5〜2.5の範囲で行われている。
【0018】
上記ポリオール化合物としては、ポリウレタンの製造に通常用いられている、従来より公知のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0019】
上記ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸等の多価カルボン酸と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、またその他にε−カプロラクタムを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオールが挙げられる。
【0020】
上記ポリエステルポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、テレフタル酸とネオペンチルグリコール、イソフタル酸とネオペンチルグリコール、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオール、セバシン酸と1,6−ヘキサンジオール、デカメチレンジカルボン酸と1,6−ヘキサンジオールのそれぞれの縮合体等が挙げられ、常温で液体成分のものとしては、アゼライン酸とネオペンチルグリコールの縮合体等が挙げられる。
【0021】
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体等が挙げられる。
上記ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体としては、ビスフェノールA骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールであり、付加反応方法はランダム共重合体、ブロック共重合体いずれでもよく、ビスフェノールA骨格の両末端に、単独又は2種以上のアルキレンオキシドが、各々モノマー単位にて1〜10モル修飾されていることが好ましい。
【0022】
上記ポリエーテルポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体等が挙げられ、常温で液体成分のものとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0023】
上記ポリアルキレンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
【0024】
上記ポリアルキレンポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、水素化ポリブタジエンポリオール等が挙げられ、常温で液体成分のものとしては、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
【0025】
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0026】
上記ポリカーボネートポリオールのうち、常温で固体成分のものとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0027】
上述したこれらのポリオール化合物は、必要に応じて2種以上を混合して用いることができる。
【0028】
本発明における樹脂成分結合剤とは、ポリオール化合物に代表される樹脂成分と反応して樹脂(ポリマー)を形成するもので、鎖延長剤と呼ばれる場合もあり、上述の如くポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの液状変性物、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物のうち、蒸気圧や毒性、扱いやすさの面からジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性物が好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物は単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いられてもよい。
【0029】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、接着性を高めるために、粘着付与樹脂、オイル、熱可塑性樹脂等を添加することができる。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂等が挙げられる。好ましくは、環球式軟化点が90〜150℃のものが用いられる。
上記粘着付与樹脂は他の成分との相溶性や被着体の種類により、単独で用いられてもよく、2種類以上を混合して用いられてもよい。
【0030】
上記オイルとしては、一般にゴムの軟化剤としてプロセスオイル、エクステンダーオイル、ソフナー等と呼ばれて広く知られているオイルの内の芳香族成分、芳香族以外のオイルのナフテン系オイル、パラフィン系オイル等が挙げられる。
【0031】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0032】
また、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気反応性を高めるために、三級アミン系やスズ系等の触媒を添加することができる。
上記アミン系の触媒としては、モルフォリン系化合物が好ましく、具体的には2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチル)アミン等が挙げられる。
【0033】
また、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、その他の添加剤として、安定剤、老化防止剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、充填剤、軟化剤等を添加してもよい。
上記安定剤としては、各種化合物を添加することができるが、なかでも有機燐系化合物が好ましく、具体的には、トリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられ、より好ましくは常温で固体状の結晶性可塑剤が好ましい。このような例としては、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0034】
本発明の化粧材の製造方法は、上述の湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせられるものである。
上記化粧材に用いる基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂、天然木材、合板、パーティクルボード、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、集成材等の木材、アルミニューム、鉄、ステンレス等の金属が挙げられ、横断面が曲面又は凹凸面を有している、若しくは平面のみで構成されている成形体が用いられる。
【0035】
また、上記化粧材に用いる被覆材としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂からなる無地又は文字や模様が印刷された被覆材、木材のつき板シート、合成樹脂を含浸させたつき板シート、アルミ箔等の金属箔、紙、布等が挙げられ、それぞれ単品あるいは2種以上の積層された被覆材が用いられる。
【0036】
本発明の化粧材の製造方法は、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用されるものである。
本発明の化粧材の製造方法は、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いるので、貼り合わされた化粧材は、接着剤の湿気硬化反応が進行する前は、例えば人の手による作業等、容易に基材から被覆材を剥離することができ、且つ破壊形態が基材と接着剤層の界面破壊となることができる。また、上記基材は、接着剤層との界面破壊となるため、基材の再利用が可能である。
更に、湿気硬化反応した後は、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、基材と被覆材との接着において強力な接着力が発現される。
【0037】
本発明の化粧材の製造方法を以下、更に詳しく述べる。
通常、先ず、被覆材が供給され、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤が被覆材の裏面に塗布される。接着剤の塗布は、ギヤーポンプ式アプリケーター、プランジャー式アプリケーター等にて接着剤を加熱溶融し、ナイフコーター、ロールコーター、スプレー等で、溶融温度が90℃〜130℃で行われることが好ましい。溶融温度が90℃未満では、粘度が高くなるため塗工性が低下することがあり、溶融温度が130℃を越えると、被覆材の素材によっては熱変形、又は接着剤の熱安定性の低下を引き起こす恐れがある。
【0038】
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗布皮膜は、10〜100μmが好ましく、30〜70μmがより好ましい。塗布皮膜が10μm未満であれば、塗布後の接着性が低くなる恐れがあり、100μmを越えると生産可能だがコスト上好ましくない。
【0039】
上記基材と上記被覆材の温度については、特に限定されるものではないが、上述のように湿気硬化反応前に基材から被覆材の剥離を行うためには、被覆材裏面のバックアップロール又はバックアップ板が100℃以下であり、且つ、基材温度が60℃以下であることが好ましい。これらを越える温度で接着を行うと、基材と被覆材が強固に接着するため、湿気硬化反応前でも基材から被覆材を剥離することが困難となる。
【0040】
また、上記被覆材に加熱溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を塗布する際、被覆材裏面のバックアップロール又はバックアップ板の温度は、使用する湿気硬化型ホットメルト接着剤の特性やライン速度、基材の形状等により適宜設定されるが、20〜120℃であることが好ましく、被覆材が塩化ビニル樹脂等の熱変形し易い素材の場合は40℃以下にするのがより好ましく、被覆材が紙や耐熱性のあるプラスチック素材の場合は60℃以上にするのがより好ましい。
【0041】
更に、必要に応じて基材を加熱することができ、加熱方法としては、例えば、ライスターによる温風加熱、遠赤外線加熱装置による加熱等が行われる。基材の表面温度は20〜100℃であることが好ましく、より好ましくは、20〜60℃である。
【0042】
次いで、上記被覆材は上記基材の表面に沿って被覆され、ロール等で圧着される。圧力は一般に0.1〜10Kg/cm(線圧)程度で瞬時に行われ、化粧材が製造される。
【0043】
(作用)
本発明の接着剤が、湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離するので基材の再利用が可能であり、且つ、湿気硬化反応後は十分な接着強度を発現する理由については、必ずしも十分に解明できていない部分もあるが、本発明者等は以下の如く考えている。
すなわち、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、例えば、常温で非相溶の固体成分と液体成分のポリオール化合物を含むものとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるものであり、固体成分と液体成分はポリイソシアネート化合物と反応後も常温で非相溶となっていると考えられるため、湿気硬化反応する前には、液体成分が滲みだし接着力が弱められるので、貼り合わせ直後の剥離時に、基材と接着剤層の界面破壊とさせることができる。
【0044】
このため、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用した化粧材は、接着剤が湿気硬化反応する前には、容易に基材から被覆材の剥離を行うことが可能であり、その破壊形態が基材と接着剤層の界面破壊となるため、剥離した後の基材を外観不良を起こすことなく、再利用することができる。
【0045】
また、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化反応した後には、強力な接着力を発現する。このため、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用した化粧材は、基材と被覆材が強固に接着したものとなる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びバイロン220(ポリエステルポリオール、東洋紡社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)46重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
【0048】
〔試験片作製〕
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤をギヤーポンプ式アプリケーターにて加熱溶融し、スリットコーターを使用してオレフィンシート(0.17μm)に接着剤塗布(約50μm厚)した。(アプリケーター:100℃、ホース:110℃、スリットコーター:120℃に設定)
塗布後のオレフィンシートを、予め調温(40、80℃)した基材であるMDF(Medium Density Fiberboard)に、直ちに重ね合わせて、シリコンゴムロールにて貼り合わせ、試験片を得た。
【0049】
〔相溶性評価〕
接着剤作製で用いた、常温で固体成分及び常温で液体成分を、各10gずつ配合し、130℃に加熱し、溶融混合した。
その後、常温雰囲気下に24時間静置し、常温での液体成分の分離の有無を目視にて確認した。
結果を表1に示した。
【0050】
〔接着性評価〕
得られた試験片を25mmにカットし、貼り合わせ15分後(湿気硬化反応前)と72時間後(湿気硬化反応後)に接着力を測定した。なお、試験片は23℃、55%RH雰囲気下にて養生し、湿気硬化反応をおこさせた。
接着力の測定方法は、オレフィンシートを180°方向に剥離し、オートグラフにて剥離強度を測定した。(剥離スピードは200mm/分)
また、剥離強度測定後の試験片について、破壊形態を目視にて観察した。
結果を表2に示した。
【0051】
(実施例2)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びUE3350(ポリエステルポリオール、ユニチカ社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)37重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0052】
(実施例3)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びバイロン220(ポリエステルポリオール、東洋紡社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)30重量部及びBPX−55(ポリエーテルポリオール、旭電化社製)30重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)59重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0053】
(実施例4)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びUE3350(ポリエステルポリオール、ユニチカ社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるPP−3000(ポリエーテルポリオール、三洋化成社製)30重量部及びBPX−55(ポリエーテルポリオール、旭電化社製)30重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)51重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0054】
(比較例1)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びバイロン220(ポリエステルポリオール、東洋紡社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるニッポランN−165(ポリエステルポリオール、日本ポリウレタン社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)49重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0055】
(比較例2)
〔接着剤作製〕
常温で固体成分であるダイナコール7381(ポリエステルポリオール、ヒュルス社製)100重量部及びUE3350(ポリエステルポリオール、ユニチカ社製)100重量部、並びに常温で液体成分であるニッポランN−165(ポリエステルポリオール、日本ポリウレタン社製)60重量部を120℃にて加熱下で溶融混練し、133Pa以下に減圧し、脱水した。
次に、系を100℃に温度調節した後、窒素雰囲気下でIsonate125M(ジフェニルメタンジイソシアネート、三菱化学社製)40重量部を添加した。3時間反応させた後、常温で固体状の湿気硬化型ホットメルト接着剤を得た。
試験片作製は実施例1と同様に行った。また、相溶性評価を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。更に、接着性評価を実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
表1より、実施例1〜4は、常温で固体成分と常温で液体成分とは、常温で非相溶であり、比較例1、2は相溶する樹脂成分であることがわかる。
【0058】
【表2】
【0059】
表2より、実施例1〜4は、MDF温度が40℃の比較的低い温度で、しかも、貼り合わせからの経過時間が15分後の湿気硬化反応前では、接着力が低く破壊形態が界面破壊となっており、湿気硬化反応後(72時間後)では、接着力が優れたものとなっていることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上述の構成からなるので、湿気硬化反応前は接着剤層と基材の界面から容易に剥離することができ、その破壊形態が基材と接着剤層の界面破壊となるため、基材の再利用が可能であり、且つ湿気硬化反応後は基材と被覆材が、十分な接着強度を発現することにより、接着性の良好な化粧材を得ることができる。
また、本発明の化粧材の製造方法は、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせているので、製造ライン稼働初期時の条件設定時や、製造中に発生した、貼り合わせ不良の際、被覆材を剥離し、基材を再利用することができ、製造工程の歩留まりを大きく向上させることができる。更に、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤が湿気硬化反応後は、基材と被覆材が強固に接着し、その剥離強度も高いものとなるため、信頼性の高い化粧材を得ることができる。
Claims (3)
- 少なくとも2種以上の樹脂成分と樹脂成分結合剤とを反応させて得られる常温で非粘着性の湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、前記樹脂成分の一種が常温で固体成分とガラス転移点が0℃以下で常温で液体成分とからなり、反応前の固体成分と液体成分とが、常温で非相溶である関係を有することを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤。
- 上記樹脂成分がポリオール化合物であり、樹脂成分結合剤がポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
- 請求項1又は2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤を被覆材に塗布し、接着剤層を介して基材に被覆材を貼り合わせる化粧材の製造方法であって、被覆材貼り合わせ不良の際、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化反応前に、基材界面より被覆材を剥離し、基材は再利用されることを特徴とする化粧材の製造方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009234248A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-10-15 | Kotobuki Kogyo Kk | 複合化粧板 |
JP2013151676A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-08-08 | Sekisui Fuller Co Ltd | 湿気硬化型ホットメルト接着剤及びこれを用いてなる化粧材 |
JP2015196768A (ja) * | 2014-04-01 | 2015-11-09 | 積水フーラー株式会社 | 湿気硬化型ホットメルト接着剤 |
CN109575866A (zh) * | 2018-12-14 | 2019-04-05 | 昆山天洋热熔胶有限公司 | 一种湿固化聚氨酯热熔胶的制备方法 |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003161060A patent/JP2004359865A/ja not_active Withdrawn
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