JP2002218743A - コンデンサの充電装置 - Google Patents

コンデンサの充電装置

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JP2002218743A
JP2002218743A JP2001014014A JP2001014014A JP2002218743A JP 2002218743 A JP2002218743 A JP 2002218743A JP 2001014014 A JP2001014014 A JP 2001014014A JP 2001014014 A JP2001014014 A JP 2001014014A JP 2002218743 A JP2002218743 A JP 2002218743A
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charging
power supply
voltage
power
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Yasuo Kataoka
康夫 片岡
Takehisa Koganezawa
竹久 小金澤
Masao Azuma
征男 東
Toshihiro Osada
俊宏 長田
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期充電用インバータや微調整充電用インバ
ータによって電力用コンデンサを目標電圧まで充電する
のでは、充電速度や充電精度に問題があるし、装置の大
型化やコストアップになる。 【解決手段】 従来の充電装置からインバータを省き、
整流器RFと平滑コンデンサCFにより交流電源から直
接に整流した直流電源を得、これを電源としてリアクト
ルL、スイッチQ2、ダイオードD1,D2からなる昇圧
チョッパ回路の1回のチョッパ動作でコンデンサを充電
する。充電電圧制御は、スイッチQ2のターンオフまで
の時間として求める。スイッチQ1は、チョッパ動作後
に直流電源からコンデンサC0側への漏れ電流を抑止す
ること、およびコンデンサ電圧からターンオフ時間をフ
ィードバック制御することも含む。さらに、微調整用イ
ンバータ回路を設けることも含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス電源などに
備える電力用コンデンサを設定電圧まで繰り返し充電す
るコンデンサの充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パルスレーザ励起やパルスプラズマ発
生、パルス脱硝装置等のパルス電源には、半導体スイッ
チと磁気スイッチになる可飽和トランスや可飽和リアク
トルを組み合わせたものがある。
【0003】このパルス電源は、例えば、図5に示す構
成にされる。高圧充電装置HDCによってコンデンサC
0を初期充電しておき、半導体スイッチSWのオンによ
ってコンデンサC0の電圧を可飽和リアクトルSI0を通
してパルストランスPTの一次側に印加し、可飽和リア
クトルSI0の飽和動作(磁気スイッチ動作)によりパ
ルス圧縮した放電電流をトランスPTに一次電流を供給
し、トランスPTの二次側に昇圧したパルス電流を発生
させる。このパルス電流でコンデンサC1を充電し、可
飽和リアクトルSI1の飽和動作によりパルス圧縮した
放電電流で次段のコンデンサC2を充電し、さらに可飽
和リアクトルSI2の飽和動作でパルス圧縮する。最終
段のコンデンサCn(ピーキングコンデンサ)が高圧充
電され、最終段の可飽和リアクトルSInの飽和動作に
より負荷となるレーザ発振器LHへ超短パルスを発生さ
せる。
【0004】ここで、負荷に供給するエネルギーは、1
0数kVで数十ns〜200nsのパルスエネルギーが
必要となる。そして、スイッチSWの長寿命化や信頼性
の向上(ミスファイアーの撲滅)を図るため、サイラト
ロンに代わってGTOサイリスタやIGBT等の電力用
半導体素子を用いる場合、そのパルス通電能力(耐電圧
や高いdi/dt)不足を補うため、図5のように磁気
回路を併用して昇圧やパルス幅圧縮を行う。
【0005】この場合、コンデンサC0の充電電圧とし
ては、半導体スイッチSWの耐電圧の範囲内でできるだ
け高くしたほうが初段のパルス幅が短くなり有利であ
る。電力用半導体素子の耐電圧は、各種あるが、通常パ
ルス電源に適用する場合は1200V以上のものを使用
する。したがって、コンデンサC0の定格充電電圧とし
ては、800V以上に設計するのが普通である。
【0006】しかるに、高圧充電装置HDCは、その電
源になる交流電源電圧は3相200Vrmsが一般的な
ため、その小型・軽量化のためにトランスレス化しよう
として、交流電源からダイレクトに全波整流したものか
ら昇圧した直流を得る構成とすることになる。この他、
高圧充電装置HDCとして要求される性能は、以下の項
目がある。
【0007】(1)所定の時間内にコンデンサC0の充
電動作が完了すること。例えば、KHZオーダーの高い
繰り返しパルス電源用では、許容される充電時間も極端
に短いものが要求される。
【0008】(2)同一の充電電圧指令値に対して充電
電圧の再現性は、例えば±0.1〜±0.5%以内が好ま
しく、高い分解能が要求される。
【0009】(3)コンデンサC0の充電電圧は、広い
範囲(例えば60〜100%)に対して優れた直線性を
もつこと。
【0010】(4)交流電源の電圧変動などの外乱に対
して、出力電圧等の特性が影響されないこと。
【0011】(5)電力変換効率が高いこと。
【0012】(6)装置が小型、軽量であること。
【0013】以上までの事情を考慮した高圧充電装置に
は、図6に示す主回路構成のものがある。交流電源を電
源とする整流器と直流リアクトルとコンデンサ等により
直流電源1が構成され、電圧形にされるインバータ2、
3の直流電源にされる。
【0014】インバータ2、3は、パワートランジスタ
やIGBT、GTOなどの半導体素子とダイオードの組
みをスイッチS1〜S4、S5〜S8としてブリッジ接
続した主回路構成にされ、パルス幅制御(又はパルス幅
変調)した交流電力を共振用コンデンサ5、6と共振用
リアクトル7、8の直列接続になるLC共振回路で決ま
る共振周波数を持って出力する共振形インバータにされ
る。
【0015】出力トランス9、10は、それぞれインバ
ータ2、3からの交流出力を一定の昇圧比で取り出す。
整流回路11、12は、ダイオードブリッジ接続で構成
され、トランス9、10の出力をそれぞれ交流入力と
し、その全波整流を行い、整流出力を並列接続してコン
デンサC0の充電出力を得る。
【0016】インバータ2はコンデンサC0の初期充電
用であり、インバータ3は充電電圧微調整用である。こ
れらインバータ2、3は、図7に示すように、コンデン
サC0の初期充電にはインバータ2と3が同時に運転さ
れてコンデンサC0を設定電圧近くまで充電し、この後
はインバータ2を止めて微調整用インバータ3の運転に
より設定電圧まで徐々に精度良く充電して行く。
【0017】なお、微調整用インバータ3は、初期充電
用インバータ2に比べ、スイッチング周波数を高くし、
1サイクル当たりの充電電圧が小さくなるように設計さ
れる。
【0018】図8は、図6の変形例を示し、2つのトラ
ンス9、10に代えて、3巻線構成の1つのトランス1
3を設け、その出力巻線には初期充電用インバータ2の
出力に微調整用インバータ3の出力を重畳させ、1つの
整流回路14の出力によりコンデンサC0の充電を行
う。
【0019】以上に示した図6と図8の構成において、
インバータ2、3を高周波化するのは、前記の(2)と
(3)および(6)項への対策である。また、インバー
タ2、3を共振型としたのは、前記の(5)項への対策
である。また、前記の(4)項についてはインバータ3
の制御に際して、コンデンサC0の充電電圧を検出値と
するフィードバック制御を行う。
【0020】また、前記の(1)、(2)項に対しては
充電初期には低い分解能で高出力かつ高速充電を行い、
充電末期には高い分解能にするために低出力の低速充電
に切換るなど充電速度を可変にする制御方式とする。こ
の制御は、図6では共振周波数が低く1サイクル当たり
の出力エネルギーが大きいインバータ2と、共振周波数
が高く1サイクル当たりの出力エネルギーが小さいイン
バータ3とからなる2台のインバータを切換え、図7に
示すように充電初期には2台で運転し、充電末期には微
調整用インバータ3のみを運転する。また、図8に示す
構成の場合、両インバータ2、3は同じ共振周波数と出
力エネルギーを有する2台のインバータ2、3を組み合
わせ、充電初期には共振周波数の同期をとって同位相で
運転し、充電が進むに伴って双方の位相をずらして充電
末期にはほとんど逆位相による運転をすることで充電速
度を可変にする。この位相制御方式のベクトル図を図9
に示す。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】マイクロプロセッサや
メモリなどの超LSI素子の製造に用いられるリソグラ
フィ機器においては、生産性のスループットを上げるた
め、その光源であるエキシマレーザの高い繰り返し運転
が要求されてきている。この繰り返し周波数とコンデン
サC0の充電可能時間の関係は、単純に反比例しない。
それは図10に示す模式図のようになり、コンデンサC
0の繰り返し周波数を2kHZから4kHZに倍増させる
と、充電禁止期間(次ぎサイクルの充電電圧設定値の演
算等に必要な時間)の存在により充電可能期間は1/3
程度まで短縮されてしまい、充電装置に責務は厳しくな
ってくる。このため、従来の充電装置構成では、高い繰
り返し動作を可能とするには、装置が大型化する。
【0022】この対策として、本願出願人は、高周波イ
ンバータと昇圧チョッパで構成した充電装置を既に提案
している(特願2000−8177)。この提案では、
図11に例を示すように、1台のインバータ2の出力を
トランス9で昇圧し、この出力を整流回路11で全波整
流し、この整流出力でコンデンサC0を充電するのに、
チョッパ回路13の制御でコンデンサ充電電圧を連続的
に制御する。
【0023】しかし、この提案方式においても、電力変
換のステージがインバータとチョッパ回路の2段縦列接
続構成となるため、小型化には限界があった。
【0024】本発明の目的は、コンデンサの充電速度や
充電精度を高めることができ、しかも装置の小型化及び
コストダウンを図ることができるコンデンサの充電装置
を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、図5に示すよ
うに、制御スイッチSWに半導体素子を用いたパルス電
源では、(a)充電装置HDCから見て負荷となる電力
用コンデンサC0の電圧はスイッチSWの耐圧によって
制限されて高々数kVであればよいこと。
【0026】(b)パルス電源回路中に昇圧のパルスト
ランスが介挿されて絶縁されているため、出力側の一方
を接地する必要があるにもかかわらず電力用コンデンサ
0の両電極とも接地する必要がないこと。に着目し、
従来の充電装置からインバータを省き、交流電源から直
接に整流した直流電源と、これを直流電源とした昇圧チ
ョッパ回路で電力用コンデンサを充電するようにしたも
ので、以下の構成を特徴とする。
【0027】(1)電力用コンデンサを設定電圧まで繰
り返し充電するためのコンデンサの充電装置であって、
交流電源から整流器と平滑コンデンサで整流・平滑した
直流電力を得る直流電源と、前記直流電源と電力用コン
デンサとの間に介挿され、第1の半導体スイッチの1回
のチョッパ動作により前記直流電源からの直流電力をリ
アクトルに電磁エネルギーとして蓄積し、この電磁エネ
ルギーで逆流防止用ダイオードを通して前記電力用コン
デンサを目標電圧まで充電する昇圧チョッパ回路とを備
えたことを特徴とする。
【0028】(2)前記チョッパ回路の制御回路は、前
記電力用コンデンサの充電電圧設定値E*COと残留電圧
検出値EC00から該コンデンサに充電すべきエネルギー
量を求め、このエネルギー量と前記リアクトルのインダ
クタンスLと前記電力用コンデンサの容量C0から該リ
アクトルに流す電流指令ILを求め、この電流指令IL
前記直流電源電圧EINおよびインダクタンスLから求め
るIL×L/EINを前記第1の半導体スイッチのオン時
間とする演算手段を備えたことを特徴とする。
【0029】(3)前記チョッパ回路は、前記電力用コ
ンデンサの充電動作後に前記直流電源との間を遮断する
第2の半導体スイッチを備えたことを特徴とする。
【0030】(4)前記チョッパ回路の制御回路は、前
記オン時間で前記第1の半導体スイッチをターンオフさ
せ、この後に前記電力用コンデンサの充電電圧がその設
定値E*COに達したときに前記第2の半導体スイッチを
ターンオフさせるフィードバック制御手段を備えたこと
を特徴とする。
【0031】(5)前記リアクトルは、主巻線の他に副
巻線を設け、前記第2の半導体スイッチのターンオフ時
に該リアクトルの残留エネルギーを該副巻線を通して前
記直流電源に回生する手段を備えたことを特徴とする。
【0032】(6)前記直流電源を電源とし、共振周波
数が高くかつ1サイクル当たりの出力エネルギーが小さ
い共振型インバータと、このインバータの出力を前記チ
ョッパ回路による前記電力用コンデンサの充電後に微調
整充電する微調整用インバータ回路を備えたことを特徴
とする。
【0033】(7)前記チョッパ回路の第1の半導体ス
イッチと逆流防止用ダイオードは、前記電力用コンデン
サと近接配置し、該コンデンサとダイオードを該半導体
スイッチのターンオフ時のスナバ回路とした構成を特徴
とする。
【0034】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は、本発明の
実施形態を示す充電装置の主回路構成図であり、電力用
コンデンサC0を目標電圧まで高速充電するものであ
る。
【0035】整流器RFは交流電源から整流電圧出力を
得る。平滑用コンデンサCFは整流電圧出力を平滑す
る。これら整流器RFとコンデンサCFは直流電源を構
成する。
【0036】半導体スイッチQ1はコンデンサC0の充電
時にオン制御されて直流電源を昇圧チョッパ回路に接続
し、コンデンサC0の放電時にオフ制御されて直流電源
からコンデンサC0側への電流漏れを抑止する。
【0037】昇圧チョッパ回路は、リアクトルLと半導
体スイッチQ2とフライホイール用ダイオードD1と逆流
防止用ダイオードD2で構成される。なお、スイッチQ2
とダイオードD2は、コンデンサC0にできるだけ近接配
置とし、ダイオードD2とコンデンサC0をスイッチQ2
のターンオフ時のスナバ回路として利用する。
【0038】昇圧チョッパ回路のチョッパ動作は、スイ
ッチQ2のオン期間にリアクトルLに直流電源電圧を印
加してリアクトルLに短絡電流を流す。そして、スイッ
チQ 2のオフによりリアクトルLに蓄積された電磁エネ
ルギーを整流器RF・コンデンサCF→リアクトルL→
ダイオードD2→コンデンサC0の経路で循環させ、コン
デンサC0を充電する。このチョッパ回路によるコンデ
ンサC0の充電電圧はスイッチQ2のオン期間で制御され
るものであり、この電圧制御を以下に詳細に説明する。
【0039】スイッチQ1,Q2をオンにしてリアクトル
Lに電流を流した後、スイッチQ2をオフしたとき、リ
アクトルLに流れる電流iLとコンデンサC0の電圧VC0
は、回路損失を無視できるとき次式で表される。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、LはリアクトルLのインダクタン
ス、C0はコンデンサC0の容量、電圧EC00は電圧VC0
の初期電圧、電圧EINはコンデンサCFの電圧(直流電
源電圧)である。
【0042】また、電流ILは、VC0が設定値の電圧E
C0に達したとき、電流iLを0、すなわちリアクトルL
に蓄積された電磁エネルギーを完全に放出するための電
流iLの初期値である。換言すれば、電流ILは、スイッ
チQ2をオフさせるときにリアクトルLに流しておくべ
き電流である。電流iLを0にするための時間(スイッ
チQ2をオフさせる時間)をt1とすると、上記の(1)
式から初期電流ILは、次式で表される。
【0043】
【数2】
【0044】この(3)式を(2)式に代入して整理す
ると、次式になる。但し、E*C0はコンデンサC0の充
電電圧設定値(目標値)である。
【0045】
【数3】
【0046】したがって、設定電圧EC0に達する時間t
1は、上式を解いて、次式で表される。
【0047】
【数4】
【0048】上記の(3)式から、初期電流ILを求め
れば、リアクトルLの電流を計測することなくスイッチ
2のオフのタイミングはIL×L/EINから求めること
ができる。
【0049】以上までの式は、回路損失分を無視したも
のであり、実際の装置に存在する回路損失によりコンデ
ンサC0の充電電圧が目標値を下回ることが予想され
る。この損失分を考慮した補正には、補正分ΔILを初
期電流ILに重畳させることで済む。補正分ΔILは、次
式により設定することで、直流電源電圧EINとコンデン
サC0の残留電圧EC00の変動に対して極めてロバストな
制御を実現できる。
【0050】
【数5】
【0051】但し、ECOは定格充電電圧である。k1
2,k3は比例定数であり、実際のリアクトルLやコン
デンサC0の定数に応じて調節される。
【0052】以上のことから、スイッチQ1,Q2のオン
・オフ制御は、図2に示すフィードフォワード構成の制
御回路で実現できる。同図において、減算部11、12
及び割算部13により前記(5)式中の比率mを求め、
関数演算部14により(5)式を変形したωt1を求
め、関数演算部15と符号反転演算部16及び乗算部1
7により(3)式の演算をして初期電流ILを求める。
そして、加算部18において電流ILに回路損失の補正
分ΔILを加算し、乗算部19と割算部20により前記
のIL×L/EINを求めてスイッチQ2のオフタイミング
信号を得る。
【0053】なお、これら演算要素は、アナログ演算回
路による構成、またはマイクロプロセッサによるソフト
ウェア構成で実現できるし、さらにはROM等によるデ
ータテーブルを参照するハードウェア構成で実現でき
る。
【0054】本実施形態によれば、コンデンサC0の充
電は、従来のインバータを用いることなく、昇圧チョッ
パによる昇圧と充電電圧制御を行うため、装置のサイズ
を従来比で約40%以下に減縮でき、その小型・軽量化
になるばかりでなく、コスト低減を図ることができる。
【0055】また、昇圧チョッパの制御スイッチQ
2は、大きな電流を遮断することから、スナバ回路を設
けて過電圧防止やターンオフ損失低減を図る必要がある
が、それをコンデンサC0の近傍に設けることで専用の
スナバ回路が不要または小型化することができ、装置の
小型・軽量化とコンデンサC0の充電に使用した電力の
有効利用を図ることができる。
【0056】また、コンデンサC0の充電電圧制御に
は、フィードフォワード方式の制御回路で行うため、電
圧EINや電圧EC00が充電サイクル毎の変動(外乱)が
小さければ、同一の充電電圧目標値に対して電圧再現性
を極めて高くすることができ、高精度の充電が可能とな
る。
【0057】(実施形態2)図3は、本発明の他の実施
形態を示す主回路構成図である。同図が図1と異なる部
分は、図2に示す制御回路によるスイッチQ2のターン
オフ後、スイッチQ1のターンオフタイミングをコンデ
ンサC0の充電電圧を基にフィードバック制御で行う点
にある。
【0058】このフィードバック制御によるコンデンサ
0の充電は、まず、スイッチQ1,Q2を共にオン制御
することでリアクトルLに電磁エネルギーを蓄積し、次
にスイッチQ2をオフ制御することでリアクトルLに蓄
積された電磁エネルギーをスイッチQ1→リアクトルL
→ダイオードD2→コンデンサC0の経路でコンデンサC
0を充電し、この後にフィードバック制御によりコンデ
ンサC0の充電電圧が目標値に達したときにスイッチQ1
をオフ制御する。
【0059】なお、リアクトルLは主巻線の他に副巻線
を設け、リアクトルLに残留エネルギーがあるときにダ
イオードD1及び整流回路RFを通してコンデンサCF
充電電力として回生する。
【0060】本実施形態においても、実施形態1と同様
に、インバータを用いることなく、昇圧チョッパによる
昇圧と充電電圧制御を行うため、装置の小型・軽量化お
よびコスト低減を図ることができる。また、スイッチQ
2をコンデンサC0の近傍に設けることで専用のスナバ回
路が不要または小型化することができる。
【0061】また、本実施形態は、コンデンサC0の充
電電圧制御をフィードバック方式で行うため、実施形態
1に比べてフィードバック信号に重畳されるノイズの影
響を受け易いが、外乱に対して安定した電圧再現性が得
られる。
【0062】(実施形態3)図4は、本発明の他の実施
形態を示す主回路構成図である。同図が図1と異なる部
分は、微調整用インバータ回路を設けた点にある。
【0063】この微調整用インバータ回路は、図6にお
けるインバータ3と、共振用コンデンサ6と共振用リア
クトル8の直列接続になるLC共振回路と、トランス1
0および整流回路12と同様の構成にされ、昇圧チョッ
パ回路によるコンデンサC0の充電後の電圧低下を防止
する。
【0064】昇圧チョッパ回路によるコンデンサC0
充電電圧精度は、前記のように高い精度で得ることがで
きるため、コンデンサC0の充電直後にパルス発生回路
側に放電する場合は何ら問題とならないが、パルス発生
回路の動作開始が直ぐに始まらないときはコンデンサ電
圧が自然放電で漸減してしまう。そこで、本実施形態で
は、コンデンサC0がその充電後に所定のレベルを越え
て減少したとき、微調整用インバータを動作させること
で、コンデンサC0を目標電圧まで補充電しておく。
【0065】本実施形態によれば、実施形態1または2
と同様の作用効果を得ることができるのに加えて、コン
デンサC0の充電後の自然放電による電圧低下を防止で
きる。すなわち、実施形態1、2では昇圧チョッパ回路
によるコンデンサの充電は、微少量の補充電動作が難し
いため、充電直後にパルス発生回路側に放電されない場
合は自然放電によるコンデンサ電圧の低下が発生するの
に対して、本実施形態では共振周波数が高くかつサイク
ル当たりの出力エネルギーが小さい微調整用インバータ
回路をチョッパ回路と組み合わせることで、コンデンサ
の充電電圧精度を確保する。これにより、コンデンサの
充電からパルス発生回路への放電までの時限の制約を無
くすことができる。
【0066】なお、以上までの各実施形態においては、
交流電源側の1相が接地されていることが多いため、コ
ンデンサC0の電極は両方とも非接地としているが、も
し、交流電源側が非接地であれば、コンデンサC0の一
方の電極を接地する構成にできる。
【0067】また、ダイオードD1は、パルス発生回路
側の短絡故障時にリアクトルLの蓄積エネルギーによる
スイッチQ2の過電圧発生からそれを保護するためのも
のである。
【0068】例えば、パルス発生回路のスイッチSWま
たはコンデンサC0が短絡故障した場合、リアクトルL
に所定の電流を流した後にスイッチQ2をオフさせる
と、リアクトルLのエネルギーはコンデンサC0に移行
せず、整流器RF・コンデンサCF→スイッチQ1→リア
クトルL→ダイオードD2→短絡状態の負荷の経路で電
流が流れ、それが増大する。
【0069】したがって、ある時間経過しても、コンデ
ンサC0の電圧が上がらないときや過電流が発生したと
き、負荷側の故障と判断してスイッチQ1をオフさせ
る。このとき、ダイオードD1がない場合には、リアク
トルLのエネルギーを逃がす経路がないため、スイッチ
1が過電圧で破壊してしまう。そこで、ダイオードD1
を設けておけば、リアクトルLのエネルギーは、ダイオ
ードD1→リアクトルL→ダイオードD2→負荷の経路で
電流が流れ、回路に内在する抵抗分で消費されてやがて
は電流が0に収束する。
【0070】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、交流電
源から直接に整流した直流電圧源から昇圧チョッパ回路
のみで所期のコンデンサ充電電圧を得るようにしたた
め、インバータを省略して装置の小型化及びコストダウ
ンを図ることができ、しかもコンデンサの充電速度や充
電精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すコンデンサの充電装
置の主回路構成図。
【図2】実施形態1における制御回路構成図。
【図3】本発明の実施形態2を示す主回路構成図。
【図4】本発明の実施形態3を示す主回路構成図。
【図5】パルス電源の構成例。
【図6】従来のコンデンサ充電装置(その1)。
【図7】2台のインバータによる充電特性。
【図8】従来のコンデンサ充電装置(その2)。
【図9】従来装置の位相制御方式の動作説明図。
【図10】高繰り返しになるほど充電可能な時間が短く
なることの説明図。
【図11】従来のコンデンサ充電装置(その3)。
【符号の説明】
RF…整流器 CF…平滑コンデンサ Q1,Q2…半導体スイッチ L…リアクトル D1,D2…ダイオード C0…電力用コンデンサ
フロントページの続き (72)発明者 東 征男 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 長田 俊宏 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 5H730 AA15 AS04 AS17 BB13 BB14 BB27 BB57 BB66 BB85 CC01 DD02 DD03 DD42 EE04 EE07 EE57 EE59 FD01 FD11 FF06 FF09 FG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力用コンデンサを設定電圧まで繰り返
    し充電するためのコンデンサの充電装置であって、 交流電源から整流器と平滑コンデンサで整流・平滑した
    直流電力を得る直流電源と、 前記直流電源と電力用コンデンサとの間に介挿され、第
    1の半導体スイッチの1回のチョッパ動作により前記直
    流電源からの直流電力をリアクトルに電磁エネルギーと
    して蓄積し、この電磁エネルギーで逆流防止用ダイオー
    ドを通して前記電力用コンデンサを目標電圧まで充電す
    る昇圧チョッパ回路とを備えたことを特徴とするコンデ
    ンサの充電装置。
  2. 【請求項2】 前記チョッパ回路の制御回路は、前記電
    力用コンデンサの充電電圧設定値E*COと残留電圧検出
    値EC00から該コンデンサに充電すべきエネルギー量を
    求め、このエネルギー量と前記リアクトルのインダクタ
    ンスLと前記電力用コンデンサの容量C0から該リアク
    トルに流す電流指令ILを求め、この電流指令ILと前記
    直流電源電圧EINおよびインダクタンスLから求めるI
    L×L/E INを前記第1の半導体スイッチのオン時間と
    する演算手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    のコンデンサの充電装置。
  3. 【請求項3】 前記チョッパ回路は、前記電力用コンデ
    ンサの充電動作後に前記直流電源との間を遮断する第2
    の半導体スイッチを備えたことを特徴とする特徴とする
    請求項1または2に記載のコンデンサの充電装置。
  4. 【請求項4】 前記チョッパ回路の制御回路は、前記オ
    ン時間で前記第1の半導体スイッチをターンオフさせ、
    この後に前記電力用コンデンサの充電電圧がその設定値
    E*COに達したときに前記第2の半導体スイッチをター
    ンオフさせるフィードバック制御手段を備えたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデン
    サの充電装置。
  5. 【請求項5】 前記リアクトルは、主巻線の他に副巻線
    を設け、前記第2の半導体スイッチのターンオフ時に該
    リアクトルの残留エネルギーを該副巻線を通して前記直
    流電源に回生する手段を備えたことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のコンデンサの充電装置。
  6. 【請求項6】 前記直流電源を電源とし、共振周波数が
    高くかつ1サイクル当たりの出力エネルギーが小さい共
    振型インバータと、このインバータの出力を前記チョッ
    パ回路による前記電力用コンデンサの充電後に微調整充
    電する微調整用インバータ回路を備えたことを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンデンサの充
    電装置。
  7. 【請求項7】 前記チョッパ回路の第1の半導体スイッ
    チと逆流防止用ダイオードは、前記電力用コンデンサと
    近接配置し、該コンデンサとダイオードを該半導体スイ
    ッチのターンオフ時のスナバ回路とした構成を特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンデンサの充
    電装置。
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