JP2002206904A - センサ - Google Patents

センサ

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JP2002206904A
JP2002206904A JP2001070457A JP2001070457A JP2002206904A JP 2002206904 A JP2002206904 A JP 2002206904A JP 2001070457 A JP2001070457 A JP 2001070457A JP 2001070457 A JP2001070457 A JP 2001070457A JP 2002206904 A JP2002206904 A JP 2002206904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・高感度の位置検出センサを提供するこ
と。 【解決手段】 このセンサ10は、永久磁石12〜15
と磁気センサ16とを備えている。検出対象物20は、
永久磁石12と永久磁石15の中央を通り、x軸方向に
伸びる線上であって、磁気センサ16のz軸方向上側に
配置され、x軸に平行な状態を維持しながらy軸方向に
振動する。これにより、磁気センサ16には、検出対象
物20がy軸正方向に変位するとx軸正方向の磁界が作
用し、同検出対象物20がy軸負方向に変位するとx軸
負方向の磁界が作用する。磁気センサ16は、かかる磁
界を検出する。このようにN極及びS極により磁場が形
成されるので、磁界の強さの勾配を高くすることがで
き、磁気センサ16に作用する磁界は検出対象物の位置
変化に対し大きく変化するため、同検出対象物の位置を
高い感度で検出することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配設された磁石の
磁極によりゼロ磁界領域を含む磁場を形成し、同磁場の
変化を検出することにより同磁場中を移動する検出対象
物の位置等を検出するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、2つの磁石の同極(例えば、
N極)同士を対向させて磁場を形成するとともに同磁場
中に形成されるゼロ磁界の領域にホール素子等の磁気感
応素子を配設し、検出対象物の移動に伴う同磁場の変化
を同磁気感応素子により検出することで同検出対象物の
位置等を検出するセンサが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のセンサにあっては、同極同士を対向させて磁場を形
成するため、一方の磁石が他方の磁石の発生する磁界と
逆向きの磁界を発生することになる。このため、両磁石
の磁荷の大きさを大きくしたり、又は、両磁石を近づけ
ても、両磁石により形成される磁場中に生じるゼロ磁界
領域近傍の磁界の強さの勾配(磁力線の密度)に自ずと
限界が生じ、結果として、センサの感度を良好にできな
いという問題がある。
【0004】
【本発明の概要】本発明の目的の一つは、磁場の変化を
検出するセンサであって、その感度が良好なセンサを提
供することにあり、その特徴は、少なくとも2つ以上の
N極と少なくとも2つ以上のS極とを非直線上に配設
し、前記N極及び前記S極によりゼロ磁界の領域を含む
磁場を形成するとともに同N極及び同S極とによって画
定される領域内に磁気感応素子を配設し、前記磁気感応
素子により前記磁場を変化させる検出対象物の位置に応
じた値を出力するようにセンサを構成したことにある。
この場合、各磁極の磁荷の大きさは同一であってもよい
し、異なっていてもよい。
【0005】これによれば、非直線上に配置された少な
くとも各2個のN極とS極とにより磁場が形成されるの
で、同極同士を対向させた場合に比べて一の磁極から生
じる磁界が他の磁極から生じる磁界を弱め難く、これら
の磁極により形成される磁界ゼロ領域近傍の磁界の強さ
の勾配を大きくすることができる。この結果、磁気感応
素子に作用する磁界は、検出対象物の位置変化に対し大
きく変化するため、同検出対象物の位置、または変位量
(これら位置又は変位量に基づく物理量)を高い感度で
検出することが可能となる。
【0006】この場合において、前記N極は正方形の対
角線上の角部に配設され、前記S極は同正方形の前記対
角線とは異なる対角線上の角部に配設され、同N極及び
同S極の磁荷の絶対値は互いに略等しくされてなること
が好適である。
【0007】これによれば、4つの磁石を使用するのみ
で、上記センサを構成することができる。また、磁石が
2つ(一対)であっても、ヨークを設けることで、4つ
の磁石を用いた場合と同様の位置関係で磁極を配置し、
上記センサを構成することもできる。上記磁気センサ
は、磁極が正方形の4つの角部に配置されるので、形成
する磁場が安定したものとなる。
【0008】上記の各場合において、前記磁気感応素子
は、前記ゼロ磁界の領域に配設してもよく、前記ゼロ磁
界の領域外に配設してもよい。特に、前記磁気感応素子
をゼロ磁界の領域外に配設した場合には、磁極により形
成(画定)される磁場内の広い範囲における前記検出対
象部の変位に対し、向きが同一で強さのみが変化する磁
界を同磁気感応素子に作用させることができる。これに
より、磁気感応素子が、強さが等しく向きが反対の磁界
に対して同一の物理量(例えば、抵抗値、電圧、電流値
等)を呈する素子であっても、前記検出対象物の位置を
前記広い範囲において検出することが可能となる。
【0009】また、前記磁気感応素子は、強さが等しく
向きが反対の磁界に対して異なる物理量(例えば、抵抗
値、電圧、電流値等)を呈する素子であることが好適で
ある。
【0010】これによれば、前記磁気感応素子に作用す
る磁界が検出対象物の位置により反対向きとなる場合、
同検出対象物と同磁気感応素子との距離のみでなく、同
検出対象物が磁気感応素子に対していずれの側にあるの
かを特定することが可能となる。
【0011】これらのセンサは、弦楽器の弦を前記検出
対象物とするセンサとして使用することができ、また、
回転体と一体に回転するセンサロータに形成された歯を
前記検出対象物とすることで前記回転体の回転に関する
物理量(回転速度、回転角度、回転加速度等)を検出す
るセンサとして使用することができる。
【0012】また、上記センサにおいて、前記検出対象
物がパーマロイ、フェライト、電磁軟鉄、又はケイ素鋼
等の軟磁性材料(磁気ヒステリシスの小さい材料)を含
んでなることが好適である。この場合、検出対象物が軟
磁性材料のみから構成されてもよく、軟磁性以外の材料
からなる物を軟磁性材料で被覆してなるものでもよい。
更に、検出対象物が、軟質磁性材料からなる物を磁気遮
蔽しない他の材料で被覆してなるものであってもよい。
【0013】上記センサは、検出対象物が前記N極及び
前記S極により形成された磁場内を移動してその位置を
検出するものであるから、同検出対象物が残留磁化の大
きい(磁気ヒステリシスが大きい)材質からなると、同
残留磁化により前記磁場が乱されて、正確な位置検出が
困難となる。従って、上記のように、検出対象物に残留
磁化の小さい(磁気ヒステリシスの小さい)軟質磁性材
料を用いることにより、このような検出精度の低下を防
止することができる。
【0014】また、上記センサにおいて、前記検出対象
物の形状が球状、板状、又は棒状のいずれかであること
が望ましい。
【0015】このような形状であれば、検出対象物の変
位に対する上記磁場の変化が制御しやすいので、上記磁
気センサの出力の検出対象物の変位に対する線形性を良
好に維持することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるセンサの各実
施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】(第1実施形態)図1に斜視図を示した本
発明の第1実施形態に係るセンサ10は、基体11、永
久磁石12〜15、磁気感応素子を含む磁気センサ16
とを備えている。
【0018】基体11は、パーマロイ等の高透磁率材料
からなり、センサ10の正面図である図2、平面図であ
る図3、及び側面図である図4に示したように、互いに
直交するx軸及びy軸に沿う辺を有する正方形状をな
し、x軸及びy軸に直交するz軸方向に厚みを有する薄
板体である。
【0019】永久磁石12〜15の各々は、z軸方向に
高さを有する同一の円柱形状をなしていて、その底面が
基体11の上面内に収まるように同基体11の上面の4
つの角部に固着されている。永久磁石12,14は、そ
の上面がN極となるように配設され、永久磁石13,1
5はその上面がS極となるように配設されている。各磁
石の磁極の大きさは同一であり、永久磁石12,14の
なす磁極は正方形の対角線上の角部に配設され、永久磁
石13,15のなす磁極は同正方形の同対角線とは異な
る対角線上の角部に配設されている。
【0020】磁気感応素子からなる磁気センサ16は、
永久磁石12〜15の中心(重心、以下、中心点Oと云
う。)に配設されている。この位置は、永久磁石12〜
15の各磁極間を直線にて結んで形成される領域(即
ち、4つの磁極により画定される領域)内であって、後
述するように磁界ゼロの領域である。この磁気センサ1
6は、図5に等価回路を示したように、電子のスピンの
向きに依存した散乱を利用して巨大磁気抵抗効果を得る
一対の磁気抵抗素子(以下、スピンバルブ型GMR素
子、又は、単にGMR素子と云う。)16a,16bを
含んでいる。GMR素子16a,16bの各々は、磁化
の向きが固定された固着層と、磁化の向きが外部磁界に
応じて変化する自由層と、固着層及び自由層に挟まれた
導電性のスペーサ層とを有する周知のものであって、図
6に示したように固着層の磁化の向きと自由層の磁化の
向きのなす角θに応じて異なる抵抗値Rを呈するように
なっている。このGMR素子16a,16bは、図7に
示したように、基板Sの上面に所定のパターン形状を有
する薄膜として形成され、外部磁界が加わらない状態に
おいて互いに同一の抵抗値を呈するようになっている。
【0021】GMR素子16a,16bの固着層の磁化
の向きは、図5及び図7に矢印にて示したように、それ
ぞれx軸負方向及びx軸正方向とされていて、互いに逆
向きとなっている。GMR素子16a,16bの自由層
の磁化の向きは、外部磁界が加わっていない状態におい
て、y軸負方向であって、前記固着層の磁化の向きと直
交する向きとなっている。
【0022】また、磁気センサ16は、第1〜第3の3
つの端子16c〜16eを有している。図5に示したよ
うに、定電圧源18の正極が接続される第1端子16c
はGMR素子16aの一端と接続されている。第2端子
16dは、GMR素子16aの他端とGMR素子16b
の一端とに接続されている。前記定電圧源21の負極と
接続される第3端子16eはGMR素子16bの他端と
接続されている。これにより、所謂ハーフブリッヂ回路
が構成され、第2端子16dと第3端子16eの電位差
が、磁気センサ16の出力として取出されるようになっ
ている。
【0023】上記のように構成されたセンサ10は、磁
性体又は導体等の磁場に影響を与え得る材質からなる検
出対象物20の近傍に配置される。本例においては、検
出対象物20は、永久磁石12と永久磁石15(永久磁
石13と永久磁石14)の中央を通り、x軸方向に伸び
る線上であって、磁気センサ16のz軸方向上側に配置
され(以下、この位置を初期位置と云う。)、x軸に略
平行な状態を維持しながらy軸方向に振動するものであ
る。
【0024】次に、上記のように構成されたセンサ10
の作動について説明する。図8(A)は、検出対象物2
0が上記初期位置にある場合の磁場の様子を磁力線を用
いて示したものである。同図から明らかなように、永久
磁石12〜15の中心(中心点O)、即ち、磁気センサ
16が配設されている部分は、永久磁石12,14から
永久磁石13,15に向う磁力線同士が打ち消し合って
ゼロ磁界の領域となる。従って、磁気センサ16のGM
R素子16a,16bの各自由層の磁化の向きは、y軸
負方向を向き、固着層の磁化の向きと自由層の磁化の向
きのなす角θは90°となる。この結果、GMR素子1
6a,16bの呈する抵抗値Ra,Rbは共に値R0と
等しくなり、磁気センサ16の出力電圧Voutは、入力
電圧Vinの1/2の値V0(=Vin/2)となる。
【0025】この初期状態から、図8(B)に示したよ
うに、検出対象物20がy軸正方向に変位すると、永久
磁石14から永久磁石15に向う磁束が同検出対象物2
0の内部を通過し、これらの永久磁石14,15により
中心点Oの付近に形成されるx軸負方向の磁界の強さが
低下するため、永久磁石12から永久磁石13に向う磁
束が中心点Oを通るようになる。これにより、磁気セン
サ16にはx軸正方向に向う磁界が作用し、GMR素子
16a,16bの各自由層の磁化の向きは、x軸正方向
の成分を有する向きとなる。従って、GMR素子16a
の固着層の磁化の向きと自由層の磁化の向きのなす角θ
は90〜180°の間の所定の角度となり、GMR素子
16bの固着層の磁化の向きと自由層の磁化の向きのな
す角θは0〜90°の間の所定の角度となる。この結
果、GMR素子16a,16bの呈する抵抗値Ra,R
bは、それぞれR0+Δr、R0−Δr(図6参照)とな
り、磁気センサ16の出力電圧Voutは、入力電圧の1
/2(=Vin/2)より小さい所定の値V1となる。
【0026】この状態から、図8(C)に示したよう
に、検出対象物20がy軸正方向に更に変位すると、永
久磁石14,15により中心点O付近に形成されるx軸
負方向の磁界の強さが一層低下し、中心点O付近におい
ては永久磁石12,13によるx軸正方向に向う磁界の
強さが増大する。これにより、GMR素子16a,16
bの各自由層の磁化の向きはx軸正方向に略等しくな
り、GMR素子16aの固着層の磁化の向きと自由層の
磁化の向きのなす角θは約180°、GMR素子16b
の固着層の磁化の向きと自由層の磁化の向きのなす角θ
は約0°となる。この結果、GMR素子16a,16b
の呈する抵抗値Ra,Rbは、それぞれR0+ΔR、R0
−ΔR(図6参照)となり、磁気センサ16の出力電圧
Voutは、前記所定の値V1より更に小さい値V2とな
る。
【0027】一方、前記初期状態から、図8(D)に示
したように、検出対象物20がy軸負方向に変位する
と、永久磁石12から永久磁石13に向う磁束が同検出
対象物20の内部を通過し、これらの永久磁石12,1
3により中心点Oの付近に形成されるx軸正方向の磁界
の強さが低下するため、永久磁石14から永久磁石15
に向う磁束が中心点Oを通るようになる。これにより、
磁気センサ16にはx軸負方向に向う磁界が作用し、G
MR素子16a,16bの各自由層の磁化の向きはx軸
負方向の成分を有する向きとなり、GMR素子16aの
固着層の磁化の向きと自由層の磁化の向きのなす角θは
0〜90°の間の所定の角度、GMR素子16bの固着
層の磁化の向きと自由層の磁化の向きのなす角θは90
°〜180°の間の所定の角度となる。この結果、GM
R素子16a,16bの呈する抵抗値Ra,Rbは、そ
れぞれR0−Δr、R0+Δr(図6参照)となり、磁気
センサ16の出力電圧Voutは、入力電圧の1/2(=
Vin/2)より大きい所定の値V3となる。
【0028】この状態から、図8(E)に示したよう
に、検出対象物20がy軸負方向に更に変位すると、永
久磁石12,13により中心点O付近に形成されるx軸
正方向の磁界の強さが一層低下し、中心点O付近におい
ては永久磁石14,15によりx軸負方向に向う磁界の
強さが増大する。これにより、GMR素子16a,16
bの各自由層の磁化の向きは、x軸負方向に略等しくな
り、GMR素子16aの固着層の磁化の向きと自由層の
磁化の向きのなす角θは約0°、GMR素子16bの固
着層の磁化の向きと自由層の磁化の向きのなす角θは約
180°となる。この結果、GMR素子16a,16b
の呈する抵抗値Ra,Rbは、それぞれR0−ΔR、R0
+ΔR(図6参照)となり、磁気センサ16の出力電圧
Voutは、前記所定の値V3より更に大きい値V4とな
る。以上から理解されるように、検出対象物20がy軸
負方向に変位するほど磁気センサ16の出力電圧Vout
は大きくなる(V2<V1<V0<V3<V4)。
【0029】以上、説明したように、本実施形態のセン
サ10によれば、非直線上(この例においては、正方形
の4つの角部)に配置した2つのN極と2つのS極とに
より所謂4重極を形成しているので、同極同士を対向さ
せた場合に比べて、ゼロ磁界(中心点O)近傍の磁界の
大きさ(強さ)の勾配を大きくとることができ、その結
果、検出対象物20の位置を精度良く(高感度にて)検
出することができる。換言すると、本実施形態によれ
ば、永久磁石12〜15の間の距離を小さくするほど感
度が良好になるので、コンパクトな位置センサを得るこ
とができる。また、本実施形態のセンサ10は、検出対
象物20と磁気センサ16との距離(検出対象物の変位
量)のみでなく、検出対象物20が前記初期位置からy
軸方向のどちら側に変位したかを検出することができる
という利点を有している。更に、基体11は高透磁率材
料からなっているため、永久磁石12〜15の形成する
磁束の漏れが少なくなり、検出面(基体11のz軸正方
向におけるx−y平面)における磁界の強さの傾きを大
きくすることができる。
【0030】(変形例)次に、図9(A)に平面図、図
9(B)に正面図、及び図9(C)に側面図を示した第
1実施形態の変形例について説明する。この変形例に係
るセンサ10−1は、磁気センサ16−1が永久磁石1
2〜15の中心点Oからy軸正方向に変位した点Pに配
設されている点、及び同磁気センサ16−1を構成する
素子が加わる磁界の強さのみに応じて(磁界の向きとは
無関係に)抵抗値が変化する単一の素子(MR素子等)
とされている点のみにおいて第1実施形態に係るセンサ
10と異なっている。点Pは、永久磁石14の平面視に
おける中心と永久磁石15の平面視における中心とを結
んだ直線よりもy軸負方向側に位置している。
【0031】次に、上記変形例の作用について説明する
と、図8(A)〜(E)から明らかなように、点Pに
は、x軸負方向の向きを有するとともに、検出対象物2
0が同点Pの直上位置からy軸負方向に移動するに伴な
って強さが増大する磁界が作用する。このため、磁気セ
ンサ16−1は、検出対象物20が移動するにつれて抵
抗値が変化し、これに応じた出力を発生する。
【0032】このように、上記変形例のセンサ10−1
は、永久磁石12〜15が作る磁場中におけるゼロ磁界
の領域(中心点O)から変位した位置(点P)に磁気セ
ンサ16−1を配置することで、検出対象物20のy軸
方向の位置を検出することができる。ここで、注目すべ
き点は、強さが同一で向きが異なる磁界に対し同一の出
力を発生する磁気感応素子を用いた磁気センサ16−1
を利用しても、検出対象物20の位置を検出することが
できる点である。
【0033】(第2実施形態)図10に正面図、図11
に平面図、図12に側面図を示した本発明の第2実施形
態に係るセンサ30は、基体31、ヨーク32〜35、
永久磁石36,37、及び磁気センサ38を有してい
る。
【0034】基体31は、互いに直交するx軸及びy軸
に沿う辺を有する正方形状をなし、x軸及びy軸に直交
するz軸方向に厚みを有する薄板体である。基体31
は、第1実施形態の基体11とは異なり、非磁性材料で
形成されている。
【0035】ヨーク32〜35の各々は、軟質磁性体か
らなり、z軸方向に高さを有する同一の円柱形状をなし
ていて、その底面が基体31の上面内に収まるように同
基体31の上面の4つの角部に固着されている。
【0036】永久磁石36は、略四角柱形状であってヨ
ーク32,33の間に配置され、基体31の上面に固定
されている。この永久磁石36は、ヨーク32及びヨー
ク33と磁気的に結合され、これにより同ヨーク32及
び同ヨーク33の上面にN極及びS極がそれぞれ出現す
るようになっている。これらN極,S極は第1実施形態
と同様に正方形の角部に位置している。
【0037】同様に、永久磁石37は、略四角柱形状で
あってヨーク34,35の間に配置され、基体31の上
面に固定されている。この永久磁石37は、ヨーク34
及びヨーク35と磁気的に結合され、これにより同ヨー
ク34及び同ヨーク35の上面にN極及びS極がそれぞ
れ出現するようになっている。これらの出現した2つの
N極と2つのS極は、正方形の各角部に位置している。
【0038】ヨーク32〜35は、軟質磁性の磁性体か
らなるポールピース32a〜35aをそれぞれ上部に備
えている。ポールピース32a〜35aは、略円盤形状
を有する上部と、同上部から下方に伸びる支柱部とをそ
れぞれ備えている。各支柱部の外周にはネジが形成さ
れ、同ネジはヨーク32〜35の内周に形成された図示
しないネジと螺合している。これにより、ポールピース
32a〜35aは、基体31に対する高さが変更され得
るようになっている。
【0039】磁気センサ38は、第1実施形態の磁気セ
ンサ16と同一である。検出対象物20とセンサ30と
の位置関係も、第1実施形態における検出対象物20と
センサ10との位置関係と同一である。
【0040】このように構成された第2実施形態に係る
センサ30は、第1実施形態に係るセンサ10と同様に
作用し、検出対象物20の位置に応じた出力を発生す
る。このセンサ30は、永久磁石を2個だけ必要とする
ので安価に製造され得る。また、ポールピース32a〜
35aの高さを調節することで、感度の調整を行うこと
ができるという利点も有している。
【0041】(磁気センサの変形例)上記第1実施形態
における磁気センサ16は、図5に示したように、一対
のGMR素子16a,16bによりハーフブリッヂ回路
を構成したものであったが、単一のGMR素子のみによ
り構成してもよい。また、磁気センサ16は、図13に
示したように、4つのGMR素子17a〜17dにより
フルブリッヂ回路を作り、図示した出力Voutを取出す
ように構成した磁気センサ17に置き換えることもでき
る。この場合、各GMR素子17a〜17dの各固着層
の磁化の向きは、図13中に矢印にて示したとおりであ
る。
【0042】また、磁気センサ16に換え、図14に示
したように、GMR素子16a,16bの何れか一方を
磁気遮蔽したハーフブリッヂ回路からなる磁気センサ1
6−2(図14の例では、GMR素子16aが磁気遮蔽
されている。)を採用することもできる。更に、図15
に示したように、上記磁気センサ17を構成するGMR
素子17b,17cを磁気遮蔽した磁気センサ17−1
を磁気センサ16に換えて採用することもできる。ま
た、これに代え、GMR素子17a,17dを磁気遮蔽
してもよい。これらの、ハーフブリッヂ回路又はフルブ
リッヂ回路を構成した磁気センサ16,16−2,1
7,17−1は、単一のGMR素子のみを使用した場合
に比較して、大きな出力が得られるとともに、同出力の
温度特性が優れたもの(温度変化に対して出力が変化し
難いもの)となる。なお、GMR素子16a,16b
は、同一基板S上に形成されたものであったが、同GM
R素子16a,16bを別個の基板上に、且つ各基板内
において固着層の磁化の向きが同一となるように形成
し、これらを磁気センサ16のように配置してもよい。
他の磁気センサ16−2,17,17−1についても、
同様に、個別の基板上にGMR素子を各々形成し、これ
らを上述のように配置して構成してもよい。更に、一つ
の基板内の固着層の磁化の向きを一定として形成した2
以上のGMR素子を、その固着層の磁化の向きが対向す
るように配置させて一つの磁気センサを構成し、これら
の素子の出力を合成等して取出すようにしてもよい。
【0043】(第1適用例)次に、本発明によるセンサ
の第1適用例について説明する。第1適用例は、上記セ
ンサ10を電気弦楽器(エレクトリックギター)のピッ
クアップ装置として使用したものである。
【0044】より具体的に述べると、図16に示したよ
うに、電気弦楽器40は、木製ソリッド状のボディ41
と、同ボディ41に固着されたネック42とを備えてい
る。このネック42の端部にはヘッド43が一体的に設
けられるとともに、前記ボディ41上にはブリッヂ44
が固定され、前記ヘッド43と前記ブリッヂ44との間
には、図示しない6本のスティール製の弦が張られてい
る。
【0045】この電気弦楽器40は、互いに同一構成の
弦振動検出装置45,46を備えている。この弦振動検
出装置45,46は、図17に示したように、上記第1
実施形態のセンサ10が6個、互いに同一の向きをもっ
てy軸方向に並列的に接合されたものである。また、弦
振動検出装置45,46は、非演奏状態における弦ST1
〜ST6の各々が各センサ10の前記中心点Oの直上に位
置するように前記ボディ41の上面に固定されている。
【0046】上記構成により、弦振動検出装置45,4
6は、弦ST1〜ST6の位置を検出し、これにより同弦ST
1〜ST6に生じる機械的振動を電気的な出力信号に変換
する。弦振動検出装置45,46は、センサ10を採用
しているため小型且つ高感度であり、演奏の障害となり
難く、且つ弦振動を忠実に検出し得るため、特に振幅の
大きな基音の検出に優れるという利点を有している。
【0047】(第2適用例)次に、本発明によるセンサ
の第2適用例について説明する。第2適用例は、上記セ
ンサ10を回転体の回転速度検出装置として使用したも
のである。
【0048】より具体的に述べると、図18に示したよ
うに、この回転速度検出装置50は、回転体(車輪、モ
ータ等)と共に回転中心Qの回りを回転するセンサロー
タ51と、上記センサ10とからなっている。センサロ
ータ51は、磁性体又は導体からなり、外周部に図18
の紙面に垂直方向(x軸方向)に伸びる複数の歯51a
を周方向に等間隔に備えている。センサ10は、基体1
1の平面がx−y平面上となるように配設される。これ
により、歯51aは、センサロータ51の回転に伴なっ
て、上記検出対象物20と同様にセンサ10の形成して
いる磁場を変化させるようになっている。
【0049】上記構成により、回転速度検出装置50
は、センサ10の出力に基づいてセンサロータ51の位
置を検出し、これにより所定時間内においてセンサ10
上部を通過した歯51aの数を測定し、以って回転体の
回転速度を検出する。かかる回転速度検出装置50は、
センサ10を採用しているため小型且つ高感度であり、
またセンサロータ51の回転方向を検出することができ
るという利点を有している。
【0050】(第3実施形態)次に本発明によるセンサ
の第3実施形態について、図19及び図20を参照しな
がら説明する。図19は、このセンサ60の斜視図、図
20(A)は正面図、図20(B)は平面図、及び図2
0(C)は側面図であり、これらの図に示したように、
センサ60は第1実施形態における検出対象物20を検
出対象物21とした点を除き同第1実施形態と同一構造
を有している。従って、以下においては、係る相違点に
ついて説明する。
【0051】検出対象物21は、非磁性材料からなる棒
状の支持部21aと同支持部21aの先端に固定された
被検出部21bとを備えている。被検出部21bは、軟
質磁性材料のパーマロイ(Fe−Ni合金)からなる球
状体であり、各磁石12〜15の上面のなす面から所定
の距離だけz軸方向に離れたx−y平面に平行な面内で
あってy軸に略平行な方向内で移動するようになってい
る。
【0052】このように構成されたセンサ60において
は、被検出部21bの移動に伴なって永久磁石12〜1
5の形成する磁界(以下、「四重極磁界」という。)が
変化し、磁気センサ16の配設位置における磁界が第1
実施形態と同様に変化する。この場合、被検出部21b
は、軟質磁性材料からなるため、四重極磁界中を移動し
ても残留磁化(磁気ヒステリシス)が小さく、従って、
同被検出部21bの残留磁化が同四重極磁界に影響を及
ぼすことがない。この結果、被検出部21bの同一変位
に対する磁気センサ16の出力が常に略同一の値とな
り、センサ60は検出対象物21の位置をより精度良く
検出することができる。
【0053】また、被検出部21bは、その形状が球状
体であるので、磁界に対して等方性を有している。従っ
て、被検出部21bの変位に対する四重極磁界の変化が
線形的(直線的)となるので、センサ60の出力も検出
対象物21の変位に対して線形となって、センサ60は
変位センサとして利用し易いものとなる。
【0054】図21は、被検出部21bの変位に対する
上記センサ60の出力を実際に測定した結果を示してい
る。なお、図21の横軸は磁石12〜15の重心(中
心)位置からのy軸方向の変位であり、縦軸は図5に示
した入力電圧Vinを5(V)としたときの出力電圧Vou
tである。この図21から明らかなように、上記センサ
60の出力電圧Voutは変位に対して直線的に変化し、
その線形性が良好なことが確認された。
【0055】(第4実施形態)次に本発明によるセンサ
の第4実施形態について、図22を参照しながら説明す
る。図22(A)は、このセンサ70の正面図、図22
(B)は平面図、及び図22(C)は側面図であり、こ
れらの図に示したように、第4実施形態は第3実施形態
における検出対象物21を検出対象物22に置き換えた
ものである。
【0056】検出対象物22は、軟質磁性材料のパーマ
ロイ(Fe−Ni合金)からなり、z−y平面に平行な
平面部を有する板状体である。この検出対象物22は、
各磁石12〜15の上面とz軸方向に所定の距離を維持
しながらy軸に略平行な方向内で同一姿勢を維持しつつ
移動するようになっている。
【0057】この第4実施形態においても、検出対象物
22の移動に伴なって四重極磁界が変化し、磁気センサ
16の配設位置における磁界は第1実施形態と同様に変
化する。また、検出対称物22は、第3実施形態と同様
に軟質磁性材料からなるため、四重極磁界中を移動して
も残留磁化が小さく、従って、同検出対象物22の残留
磁化が同四重極磁界に影響を及ぼすことがない。この結
果、検出対象物22の同一変位に対する磁気センサ16
の出力が常に略同一の値となり、センサ70は検出対象
物22の位置をより精度良く検出することができる。
【0058】また、検出対象物22は、その形状が板状
体であるので、その長手方向の磁界に対して等方性を有
している。従って、検出対象物22の変位に対する四重
極磁界の変化が線形的となるので、センサ60の出力も
検出対象物22の変位に対して線形となる。これによ
り、センサ60は変位センサとして利用し易いものとな
る。なお、検出対象物22の長手方向(x軸方向)の長
さは、磁極間距離(例えば、永久磁石12の中心と永久
磁石13の中心との距離)と同程度以上あることが望ま
しい。これは、検出対象物22の端部(特に、角部)に
磁束が集中しやすいことから、検出対象物22の長手方
向の長さが磁極間距離に対して短いと、四重極磁界に不
規則な変化をもたらして同四重極磁界の線形性が損なわ
れるからである。
【0059】(第5実施形態)次に本発明によるセンサ
の第5実施形態について、図23を参照しながら説明す
る。図23(A)は、このセンサ80の正面図、図23
(B)は平面図、及び図23(C)は側面図であり、こ
れらの図に示したように、第5実施形態は第3実施形態
における検出対象物21を検出対象物23に置換えたも
のである。
【0060】検出対象物23は、軟質磁性材料のパーマ
ロイ(Fe−Ni合金)からなり、円柱形状を有する棒
状体である。この検出対象物23は、各磁石12〜15
の上面とz軸方向に所定の距離を維持しながらy軸に略
平行な方向内で移動するようになっている。
【0061】この第5実施形態においても、検出対象物
23の移動に伴なって四重極磁界が変化し、磁気センサ
16の配設位置における磁界は第1実施形態と同様に変
化する。また、検出対称物23は、第3実施形態と同様
に軟質磁性材料からなるため、四重極磁界中を移動して
も残留磁化が小さく、従って、同検出対象物23の残留
磁化が同四重極磁界に影響を及ぼすことがない。この結
果、検出対象物22の同一変位に対する磁気センサ16
の出力が常に略同一の値となり、センサ70は検出対象
物23の位置をより精度良く検出することができる。
【0062】また、検出対象物23は、その形状が棒状
体であるので、その長手方向の磁界に対して等方性を有
している。従って、検出対象物23の変位に対する四重
極磁界の変化が線形的となるので、センサ80の出力も
検出対象物23の変位に対して線形となる。これによ
り、センサ80は変位センサとして利用し易いものとな
る。なお、検出対象物23の長手方向の長さは、第4実
施形態と同様の理由から、磁極間距離と同程度以上ある
ことが望ましい。
【0063】(他の適用例)次に、本発明によるセンサ
を電子鍵盤楽器に適用した例について、図24及び図2
5を参照しながら説明する。図24に示された電子鍵盤
楽器は、並列した鍵(白鍵及び黒鍵)Kの操作により基
板B上のキーボードスイッチSkが作動して発音をなす
ものであり、さらに音色変化のためのパネルスイッチS
p、音量設定のための音量コントローラCd、ピッチベ
ンドやモジュレーションデプスのためのホイールW、及
び本発明によるセンサ90を備えている。センサ90は
電子鍵盤楽器の本体の左側壁近傍に固定されていて、そ
の磁気センサ16の出力線は図示しない楽音制御部に接
続されている。
【0064】鍵Kは、押圧されることにより鍵後方(演
奏者から遠い側)の所定の箇所を中心に回動し、ストッ
パTに当接して回動を停止するようになっている。この
回動に伴って上記キーボードスイッチSkが押動され、
開状態から閉状態へと変化し、これにより発音がなされ
るようになっている。
【0065】鍵Kの各々は、前側下方へ延びた延在部E
を有している。各鍵Kの延在部Eの下方には電子鍵盤楽
器の幅方向に渡り(鍵の並列方向に)張設部材91が延
設されている。この張設部材91は、非磁性材料からな
るひも、ワイヤー、テープ等であって容易に伸張するこ
とがない線状体であり、その一端は電子鍵盤楽器の本体
右側壁に設けられた固定部92に固定され、その他端は
センサ90の検出対象物24の端部にストッパ93よっ
て固定されている。
【0066】センサ90は、図25に拡大して示したよ
うに、検出対象物22が検出対象物24に置換えられた
点を除き、上記第4実施形態のセンサ70と同一構造を
有していて、正方形の各角部に配設された永久磁石12
〜15と上記磁気センサ16とを備えている。上記検出
対象物24は、検出対象物22と同様に、パーマロイ等
の軟質磁性材料からなる弾性を有する板状体であって、
図24に示したように、前記ストッパ93により張設部
材91を固定した箇所と反対側の端部が電子鍵盤楽器の
本体に設けられた固定部94に固定され、同固定された
箇所を基点として永久磁石12〜15の上面がなす平面
からz軸方向に所定の距離を維持しながら揺動するよう
になっている。
【0067】次に、このように構成された電子鍵盤楽器
の作動について説明すると、演奏者により鍵Kが押し下
げられると、キーボードスイッチSkが開状態から閉状
態へと変更されるとともに、各鍵の延在部Eが張設部材
91を撓ませ、これにより検出対象物24が弾性変形し
て変位する。センサ90は、この検出対象物24の変位
を上記各実施形態のセンサと同様に検出する。そして、
センサ90の出力は楽音制御部に伝達され、押鍵圧に応
じた音量、音色、その他の装飾的楽音が発せられる。鍵
Kが解放されると、張設部材91は復元し、検出対象物
24の変位はゼロになる。
【0068】以上のように、本適用例においては、電子
鍵盤楽器の鍵Kが発音のための操作子として機能するだ
けでなく、発音時又は発音開始後に楽音の音量や音色等
を制御するための操作子として使用され得る。なお、上
記適用例においては、張設部材91は鍵Kにより下方に
のみ撓まされいたが、同張設部材91を他の方向に撓ま
せるように操作子を配設すれば、種々の方向の変位をセ
ンサ90の出力として得ることができる。
【0069】以上、説明したように、本発明による各実
施形態のセンサは、小型且つ高感度であって、検出対象
物の位置を精度良く検出し得るものとなっている。ま
た、上記各実施形態においては、磁気センサ16,38
等を配設した位置における磁界が、検出対象物20の変
位方向と略直交する向きに変化するように、センサ1
0,30と同検出対象物20との位置関係を定めている
ので、センサ10,30の感度を高めることができる。
【0070】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内において種々の変形例
を含む。例えば、上記実施形態の磁気感応素子は、GM
R素子、ホール素子、MR素子の他、磁気トンネル効果
を利用したTMR素子、MI(Magnetic Impedance)セ
ンサ、又はピックアップコイルとしてもよい。また、各
実施形態において、他の永久磁石(バイアス磁石)を適
宜箇所に配置することで、ゼロ磁界位置を中心点Oから
積極的に変位させてもよい。
【0071】更に、上記各実施形態においては、2個の
N極と、2個のS極とによりゼロ磁界領域を含む磁界
(4重極による磁場)を形成していたが、例えば、3個
のN極と3個のS極とにより同様な磁場(即ち、所謂6
重極による磁場)を形成してもよい。なお、4重、6重
極等のように、本発明においては、平面視で時計回り
(又は反時計回り)に隣接する磁極の極性が互いに異な
るように配設されることが望ましい。また、このように
4個より多くの磁極を適当な位置に配置することによっ
て、ゼロ磁界を異なる位置に複数存在させることもで
き、この場合、センサ(磁気感応素子)を各ゼロ磁界位
置に適宜配置し得ることによる利点(例えば、上記4重
極センサを複数個配置したのと同等な検出機能が得られ
るという利点)がある。また、4個より多くの磁極を適
当に配置することにより、検出対象物の3次元的な位置
(変位)を検出することも可能となる。なお、上記各実
施形態においては、永久磁石により磁場を形成していた
が、電磁石により磁場を形成するように構成してもよ
い。
【0072】また、上記第1適用例では、本発明による
センサをエレクトリックギターに適用したが、バイオリ
ン、チェロ、ベース、マンドリン、ピアノ等の他の弦を
使用する楽器(弦楽器)の弦振動検出装置として使用す
ることもできる。更に、上記第2適用例では、本発明に
よるセンサを回転体の回転速度検出装置として使用した
が、回転体の回転角度検出装置、又は回転角加速度検出
装置として用いることもできる。また、本発明によるセ
ンサを検出対象物の位置、速度、加速度等の物理量の検
出のために用いることもできる。
【0073】更に、第3実施形態〜第5実施形態におい
ては、検出対象物にパーマロイが使用されていたが、フ
ェライト、電磁軟鉄、又はケイ素鋼等の他の軟磁性材料
(磁気ヒステリシスの小さい材料)を使用してもよい。
また、第3実施形態〜第5実施形態においては、検出対
象物が軟質磁性材料のみから構成されていたが、軟質磁
性以外の材料からなる物(例えば、球状体、板状体、棒
状体)を軟磁性材料で被覆したものであてもよく、更
に、軟質磁性材料からなる物(例えば、球状体、板状
体、棒状体)を磁気遮蔽しない他の材料で被覆したもの
であってもよい。
【0074】また、本発明によるセンサによって、片持
ち支持された板状物、または、糸等で支持された球状物
などの位置、変位を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第1実施形態に係るセンサの斜
視図である。
【図2】 図1に示したセンサの正面図である。
【図3】 図1に示したセンサの平面図である。
【図4】 図1に示したセンサの側面図である。
【図5】 図1に示したセンサの等価回路図である。
【図6】 図5に示した磁気感応素子(GMR素子)の
特性図である。
【図7】 図1に示した磁気センサの平面図である。
【図8】 図1に示したセンサの作動を説明するため、
検出対象物の位置を変化させた際の磁場の様子を磁力線
により示した図である。
【図9】 本発明による第1実施形態の変形例に係るセ
ンサを示す図であって、図9(A)は同センサの平面
図、図9(B)は同センサの正面図、図9(C)は同セ
ンサの側面図である。
【図10】 本発明による第2実施形態のセンサの正面
図である。
【図11】 図10に示したセンサの平面図である。
【図12】 図10に示したセンサの側面図である。
【図13】 図1に示した磁気センサの変形例の等価回
路図である。
【図14】 図1に示した磁気センサの他の変形例の等
価回路図である。
【図15】 図1に示した磁気センサの他の変形例の等
価回路図である。
【図16】 本発明によるセンサが適用された電気弦楽
器を示す図であり、図16(A)は同電気弦楽器の正面
図、図16(B)は同電気弦楽器の側面図である。
【図17】 図16に示した弦振動検出装置の斜視図で
ある。
【図18】 本発明によるセンサが適用された回転検出
装置の正面図である。
【図19】 本発明による第3実施形態のセンサの斜視
図である。
【図20】 (A)は図19に示したセンサの正面図、
(B)は同センサの平面図、(C)は同センサの側面図
である。
【図21】 図19に示したセンサの変位に対する出力
の測定結果を示すグラフである。
【図22】 (A)は本発明による第4実施形態のセン
サの正面図、(B)は同センサの平面図、(C)は同セ
ンサの側面図である。
【図23】 (A)は本発明による第5実施形態のセン
サの正面図、(B)は同センサの平面図、(C)は同セ
ンサの側面図である。
【図24】 本発明によるセンサを適用した電子鍵盤楽
器の概略斜視図である。
【図25】 図24に示したセンサの拡大斜視図であ
る。
【符号の説明】
10,60,70,80,90…センサ、11…基体、
12〜15…永久磁石、16…磁気センサ、16a,1
6b…GMR素子、20〜23…検出対象物、30…セ
ンサ、31…基体、32〜35…ヨーク、32a〜35
a…ポールピース、36,37…永久磁石、38…磁気
センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/06 H01L 43/06 Z // G01P 3/488 G01P 3/488 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2つ以上のN極と少なくとも2
    つ以上のS極とを非直線上に配設し、前記N極及び前記
    S極によりゼロ磁界の領域を含む磁場を形成するととも
    に同N極及び同S極とによって画定される領域内に磁気
    感応素子を配設し、前記磁気感応素子により前記磁場を
    変化させる検出対象物の位置に応じた値を出力するセン
    サ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のセンサにおいて、前記N
    極は正方形の対角線上の角部に配設され、前記S極は同
    正方形の前記対角線とは異なる対角線上の角部に配設さ
    れ、前記N極及び前記S極の磁荷の絶対値は互いに略等
    しくされてなるセンサ。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のセンサにお
    いて、 前記磁気感応素子は、前記ゼロ磁界の領域に配設されて
    なるセンサ。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2に記載のセンサにお
    いて、 前記磁気感応素子は、前記ゼロ磁界の領域外に配設され
    てなるセンサ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載
    のセンサにおいて、 前記磁気感応素子は、強さが等しく向きが反対の磁界に
    対して異なる物理量を呈する素子であることを特徴とす
    るセンサ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載
    のセンサにおいて、 弦楽器の弦を前記検出対象物とした弦楽器用のセンサ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載
    のセンサにおいて、 回転体と一体に回転するセンサロータに形成された歯を
    前記検出対象物とし、前記回転体の回転に関する物理量
    を検出するセンサ。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載
    のセンサにおいて、 前記検出対象物が軟磁性材料を含んでなるセンサ。
  9. 【請求項9】請求項9に記載のセンサにおいて、 前記検出対象物の形状が球状、板状、又は棒状のいずれ
    かであるセンサ。
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