JP4773066B2 - 歯車センサ - Google Patents

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Description

本発明は磁性体の近接センサに関し、特に、磁性体歯車の回転量の検出に用いる歯車センサに関する。
従来、歯車センサとしては、半導体を使用した磁気抵抗素子(以下、「MR素子」という)と磁石の組み合わせによるものが一般的に実施されている。即ち、検出対象である歯車のピッチをPとすれば、半導体MR素子を少なくとも2個使用し(形状的には1個の半導体MR素子の中に、2つの磁気抵抗パターン要素(以下、「MRパターン要素」という)を所定の間隔で作り込んでも同じである)、この2個を1/2Pで配置し、その後方に歯車との相対位置関係を、歯車、MR素子、永久磁石の順となるように永久磁石を配置する。半導体MR素子に使用する半導体は、磁気抵抗効果の高いインジウムアンチモン化合物半導体の単結晶または蒸着薄膜を結晶成長させたものをフォトリソグラフィーでパターン加工して作るが、半導体MR素子の性能を決める磁気抵抗変化率を大きくするには、単結晶に近い電子移動度を有するものが要求され、価格的に高価になるのは避けられない。
また、半導体MR素子としての性能を決める他の要素は、半導体MR素子と組み合わせる永久磁石である。半導体MRセンサは、通常印加磁束密度が大きい程、磁気抵抗変化率が大きく取れる為、半導体MR素子と組み合わせる永久磁石はエネルギー積の大きい希土類系(例えば、サマリウムコバルト)の磁石が使用されることが多く、コスト的に不利となっている。
MR素子としては、半導体を使用したものと、強磁性薄膜を使用したものがあり、半導体MR素子は歯車センサやポテンショメータおよび紙幣の磁気インク読み取りセンサに利用され、強磁性MR素子は家電製品やOA機器のモータ用FGセンサやシリンダセンサ、近接センサというように、それぞれ異なった分野で使い分けされてきた。
しかし、近年、性能を維持しつつ低価格が益々要求されるようになり、半導体MRセンサがほぼ独占してきた分野においても、より低価格な強磁性MRセンサの利用が検討されるべきである。
従来、強磁性MR素子を利用したものとして、予め45度の角度方向からバイアス磁石により磁界を与えておき、主磁石が作用する磁界との合成磁界により、傾斜角度センサや、地磁気センサ、磁気式エンコーダ等の提案がされている(特許文献1:地磁気センサ装置、特許文献2:磁気式エンコーダ)。
特開平3−248009号公報 特開平5−172504号公報
上記のうち、歯車センサに応用できそうな技術としては、特許文献2に開示されたものが挙げられるが、特許文献2に開示された技術においても、従来の着磁ピッチの1/4にMRパターン要素を配置する(1相出力用としては1/2ピッチにMRパターン要素を配置する)という考えを基本にしており、DC用(直流レベルから使用速度範囲の全域においてほぼ周波数特性がフラットなもの)の歯車センサとして、強磁性MRセンサを利用したものは未だ実用化に至っていない。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、DC用の歯車センサとして、強磁性MR素子を用いた安価な歯車センサを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明では、強磁性薄膜からなる磁気抵抗パターン要素を備え、プリント基板上に配置される磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を作用させる永久磁石とを有し、検出対象である歯車の半径方向であって、前記プリント基板における前記磁気抵抗素子の配置面が歯先に対峙するように設けられる歯車センサにおいて、
前記プリント基板上に、前記磁気抵抗素子が2つ設けられていると共に、
前記各磁気抵抗素子が、互いに略直交するように配置される2つの磁気抵抗パターン要素を備え、各磁気抵抗パターン要素の一方の端子同士が接続され、該一方の端子同士の交点と各磁気抵抗パターン要素の他の2つの端子とからなる3端子構造で形成されていると共に、一方の磁気抵抗素子の前記磁気抵抗パターン要素が挟む角度の2等分線及び他方の磁気抵抗素子の前記磁気抵抗パターン要素が挟む角度の2等分線同士が同一直線上に位置するように設けられ、
前記各磁気抵抗素子において略直交して配置される前記磁気抵抗パターン要素の長さ方向中心点同士を結んだ線と前記2等分線との交点を基準点としたときに、一方の磁気抵抗素子の基準点と他方の磁気抵抗素子の基準点との間隔の1/2の位置に、前記永久磁石による磁化方向の中心軸を向けると共に、前記永久磁石の磁極面を各磁気抵抗素子の配置面と平行に配置し、前記永久磁石を、各磁気抵抗素子を構成する各磁気抵抗パターン要素の何れにも、各磁気抵抗素子の配置面方向に絶対値5mT以上の磁束密度を付与可能に設けられており、
かつ、同一直線上に位置する前記2等分線が、歯車の歯先の歯幅方向エッジラインに略平行となる位置関係で配置されることを特徴とする歯車センサを提供する。
XY平面に配置された強磁性MR素子はZ方向(MRパターン要素配置面に垂直な方向)の感度を有せず、XY方向の磁界成分の比率によってMRパターン要素の抵抗値が変化することを利用したものである。この為、強磁性MR素子は基本的にXY平面に直交配置したMRパターン要素で形成される。従って、歯車を検出しようとする場合、歯車の山谷に対して前記XY平面に直交配置したMRパターン要素に作用する磁界の方向が変化すれば、検出できることになる。
従って、請求項1において、XY平面に略直交させて配置したMRパターン要素に対してZ方向から永久磁石によるバイアス磁界を与えると、歯車がない場合は前記XY平面に略直交配置して配置されたMRパターン要素は、原理上出力を生じない(実際には、前記Z方向からの永久磁石による磁界の印加は、永久磁石が有限の大きさである為、XY方向の磁界成分を有するが、歯車がない場合は前記磁界成分が変化しない為、初期値として前記XY方向の磁界成分に相当する出力電圧分をオフセット電圧補正すれば、出力を生じない)。
しかし、歯車近傍に請求項1の構成を有する歯車センサを取り付けた場合は、歯車の山(歯の部分)が3端子構造の磁気抵抗素子(以下、「3端子MR素子」という)に接近すると、前記MRパターン要素に作用する磁界の方向が、歯車の山の方向に多く向くことになる。
磁極面を3端子MR素子配置面と平行な方向に向けた永久磁石によって、3端子MR素子を構成する2つのMRパターン要素の何れにも前記3端子MR素子の配置面方向に絶対値5mT以上の磁束密度を与えることは、強磁性MR素子の基本的な磁束密度に対する出力電圧特性から判断して、安定な出力の得られる条件である。
更に、請求項1において、歯車センサを構成する互いに略直交配置したMRパターン要素が挟む角度の2等分線が、歯車歯先の歯幅方向エッジラインに略平行となるように、歯車に対して配置した歯車センサとすることにより、歯車が存在しない場合、永久磁石によるバイアス磁界の中心は、MRパターン要素が挟む角度の2等分線上にある為、2つのMRパターン要素は磁気的にバランスしており、この為、3端子MR素子は出力を生じない。
しかし、歯車の山が例えば前記2等分線の左側のMRパターン要素直前に接近した場合、前記2等分線左側のMRパターン要素に、より多く磁束が集中する為、前記3端子MR素子は磁気的バランスがくずれ出力を生ずることになる。更に歯車の回転により、歯車の山が前記2等分線上に位置すると、前記3端子MR素子は磁気的にバランスした状態となり出力はゼロとなる。更に歯車が回転し、歯車の山が前記2等分線右側のMRパターン要素を通過した直後の状態では、前記2等分線右側のMRパターン要素に磁束が集中し、前記3端子MR素子は再び磁気的なバランスがくずれ出力を生ずることになる。但し、歯車の位置により出力の変化する方向は特定され、例えば前記2等分線の左側のMRパターン要素に歯車の山が接近した時の出力変化を正とすれば、前記2等分線の右側のMRパターン要素に歯車の山が接近した時の出力変化は負となる(なお、この正負は3端子MR素子に接続する印加電圧の極性で決定される。)。
請求項記載の発明は、3端子MR素子を2個使用しているため、差動的に動作させて差動出力が得られる。
請求項記載の発明では、前記一方の磁気抵抗素子の基準点と他方の磁気抵抗素子の基準点との間隔を1mm以上に設定したことを特徴とする請求項記載の歯車センサを提供する。
本発明により、従来からDC用(直流レベルから使用速度範囲の全域において、ほぼ周波数特性がフラットなもの)の歯車センサとして、半導体MRセンサが使用されてきた分野に、強磁性MR素子を用いた安価な歯車センサを提供することができる。また、永久磁石として、フェライト磁石を用いることができるため、より安価な歯車センサを提供できる。また、3端子MR素子を2つ用いて差動的に動作させる構成とすることにより、外乱磁界に対して差動出力が相殺する動作となるため、外乱磁界の影響を小さくすることができる。
以下、本発明の歯車センサについて、図面に示した実施形態に基づきさらに詳細に説明する。図1〜図4は本発明の第1の実施形態に係る歯車センサを示し、図1は3端子MR素子とプリント基板と永久磁石の配置を示す平面透視図であり、図2は前記同配置の正面透視図を示す。なお、それぞれ歯車センサの磁気的動作に影響しない部品は、一部を除き省略している。図3は前記同配置の永久磁石から3端子MR素子配置面に作用する磁力線の平面透視概念図であり、図4は前記同配置の永久磁石から3端子MR素子配置面に作用する磁力線の正面透視概念図をそれぞれ示す。
図1及び図2において、120は歯車センサを示し、3端子MR素子100は、互いに略直交配置した2つのMRパターン要素101,102を備え、各MRパターン要素101,102の一方の端子同士が接続され、該一方の端子同士の交点と各MRパターン要素101,102の他の2つの端子とからなる3端子構造で形成されている。また、3端子MR素子100の2つのMRパターン要素101,102が挟む角度の2等分線と、前記2つのMRパターン要素各々の中心点P1,P2を結んだ線との交点がプリント基板103上に想定したXYZ座標の原点P10と一致するように前記3端子MR素子100の2等分線を前記Y座標に合わせて配置する。また、前記プリント基板103の後方に、前記3端子MR素子配置面1031と平行な方向に磁極面1041,1042を向けた永久磁石104が、磁極軸をZ軸と平行にして、磁極軸の延長線がY軸上の点P3と交差するように配置してある。
永久磁石104は、前記3端子MR素子100を構成する2つのMRパターン要素101,102の何れにも前記3端子MR素子100の配置面方向に、絶対値5mT以上の磁束密度を与えることができるように、前記永久磁石104のプリント基板103に近い側の磁極面1041と、前記3端子MR素子配置面1031との間隔Z1を設定してある。
ここで前記3端子MR素子100の配置面方向に絶対値5mT以上の磁束密度を与えるとした根拠について図15のグラフ1及び図16のグラフ2に基づき説明する。
図15に示したグラフ1は、強磁性MR素子を3端子接続で使用した場合の磁束密度に対する出力電圧特性である。データを取る為に用いた強磁性MR素子が4端子MR素子であった為、グラフ1中のMR素子パターン図において、出力端子Vo2は接続せず、Vcc,Vo1,Gndの3端子を使用した。
出力電圧Voは、変化をわかりやすくする為、印加電圧Vccの1/2をVo1より差し引き、即ち、Vo=Vo1−1/2×Vccにより読み取った。また、印加磁界は、空芯コイルに電流を流す方式で加えた。
グラフ1より、絶対値5mT程度から印加磁束密度の増加率に出力電圧は対応せず、飽和しつつあり、このことから磁界の方向の変化による出力変化を効率よく読み取ろうとすれば、ほぼ飽和に近い印加磁束密度を与える必要があることが判る。
また、グラフ1によりMR素子の飽和磁束密度を絶対値5mT以上としたが、この絶対値5mT以上は実際の永久磁石の磁極面近傍で、MR素子配置面方向に対して得られる範囲を知る必要がある。
図16に示したグラフ2は、異方性ストロンチウムフェライト磁石の磁極面近傍における磁極軸と直交する方向の磁束密度を示すものである。
グラフ2より、磁極面に近い(例えば、磁極面から磁極軸方向にZ=1.5mm離れた点)位置の場合は、磁極中心軸からおよそ0.25mm以上離れた点で前記絶対値5mT以上の条件を満たし、磁極面から遠い(例えば、磁極面から磁極軸方向にZ=10.5mm離れた点)位置の場合は、磁極中心軸からおよそ4.5mm以上10.0mm以下の範囲で前記絶対値5mT以上の条件を満たしている。
従って、実用的にはグラフ2において5mT以上の磁束密度が作用する条件で3端子MR素子100と永久磁石104の位置関係を設定する。即ち、上記した間隔Z1は、グラフ2に示したようにZ=1.5mm〜10.5mmの範囲とし、磁極中心軸から0.5mm≦r≦5.0mmの範囲に、各MRパターン要素の中心点と磁極中心軸との最短距離rを定めるのが望ましい。
図3及び図4に示す永久磁石104の磁極面のあらゆる所から発した磁束は、磁束密度の濃度勾配により、あたかも磁極中心点P3から発したように放射状に、永久磁石104の周辺部へ向かう。プリント基板103に配置された3端子MR素子100の、互いに略直交配置されたMRパターン要素101,102には、前記それぞれのMRパターン要素101,102の長手方向に対して、鎖交する磁束方向がほぼ等しく、且つ、前記磁束を変化させる要因となる磁性体がない為、3端子MR素子100の出力端子電圧Voは変化せず、歯車に接近していない状態では出力を生じない。
図5及び図6は上記第1の実施形態において、歯車センサ120を歯車110の歯先に対峙させて近接固定し、前記歯車110の歯111が前記歯車センサ120に内蔵した永久磁石104により、3端子MR素子100の略直交配置した2つのMRパターン要素101,102に均等でない鎖交磁束を与える場合の動作を説明するものである。具体的には、歯車センサ120は、3端子MR素子100において、略直交して配置される前記MRパターン要素101,102が挟む角度の2等分線が、歯車110の歯111の歯先の歯幅方向に沿ったエッジラインに略平行となるように、対峙して配置される。これにより、歯車110の歯111が前記MRパターン要素102の左側に接近した場合の例において、歯車110があることにより、磁束が歯車110の歯111へ引き寄せられる結果、前記2つの略直交配置したMRパターン要素101,102には鎖交する磁束の差が生ずる。
より具体的には、前記一方のMRパターン要素102は長手方向と直交する磁束が増加し、前記の他方のMRパターン要素101は長手方向と直交する磁束が減少する。この結果として、前記一方のMRパターン要素102の電気抵抗は減少し、前記他方のMRパターン要素101の電気抵抗は増加するので、前記3端子MR素子100の出力電圧Voは増加する、即ち、出力が生ずることとなる。
図7〜図10は、本発明の第2の実施形態に係る歯車センサを説明するための図である。図7は2個の3端子MR素子と、プリント基板と、永久磁石の配置を示す平面透視図であり、図8は前記同配置の正面透視図であるが、図7、図8ともそれぞれ歯車センサの磁気的動作に影響しない部品は、一部を除き省略している。また、図9は前記同配置の永久磁石から、2個の3端子MR素子配置面に作用する磁力線の平面透視概念図であり、図10は前記同配置の永久磁石から、2個の3端子MR素子配置面に作用する磁力線の正面透視概念図を示す。
図7,図8において、1200は歯車センサを示し、701,702及び801,802はプリント基板900上に配置された3端子MR素子700及び800を構成する互いに略直交配置したMRパターン要素である。前記MRパターン要素701,702が挟む角度の2等分線は、同じく前記MRパターン要素801,802が挟む角度の2等分線と同一直線上に一致させてあり、これをY座標とする。
また、前記2等分線と前記MRパターン要素701,702各々の長さの中心点P71,P72を結んだ線との交点P73を、前記一方の3端子MR素子700の基準点とし、同じく前記2等分線と前記MRパターン要素801,802各々の長さの中心点P74,P75を結んだ線との交点P76を、前記他方の3端子MR素子800の基準点とするとき、前記4つのMRパターン要素701,702,801,802の何れもが、その配置面方向に絶対値5mT以上の磁束密度となるように、前記2つの基準点P73,P76の間隔2Y1を定め、前記基準点間隔2Y1の1/2の点P70に磁化方向の中心軸を向け、前記2個の3端子MR素子の配置面と平行な方向に磁極面1001を向けた永久磁石1000を配置してある。図7において、P70を原点としてXYZ座標を定めると、永久磁石1000の磁極軸はZ軸にある。なお、基準点P73,P76の間隔2Y1 は、永久磁石1000としてフェライト磁石を用いる場合に歯車センサとして実用可能な出力を得るために1mm以上とすることが好ましく、さらには、1mm〜5mmの範囲とすることが好ましい。
図9及び図10において、永久磁石1000の磁極面1001のあらゆる所から発した磁束は、磁束密度の濃度勾配により、あたかも磁極中心点P70から発したように放射状に、永久磁石1000の周辺部へ向かう。プリント基板900に配置された3端子MR素子700及び800の、互いに略直交配置されたMRパターン要素701,702及び801,802は前記各々のMRパターン要素の長手方向に対して、鎖交する磁束方向が等しく、且つ、前記磁束を変化させる要因となる磁性体がない為、前記3端子MR素子700,800の各出力端子間Vo1〜Vo2には電圧の変化が見られず、歯車に接近していない状態では出力は生じない。
図11及び図12は上記第2の実施形態において、歯車センサ1200を歯車1100の歯先に対峙させて近接固定し、前記歯車1100の歯1101が前記歯車センサ1200に内蔵した永久磁石1000により、2個の3端子MR素子700,800に略直交配置したそれぞれ2つのMRパターン要素701,702及び801,802に均等でない鎖交磁束を与える場合の動作を説明するものである。この際、歯車センサ1200は、上記第1の実施形態と同様に、MRパターン要素701,702が挟む角度の2等分線及びMRパターン要素801,802が挟む角度の2等分線が、歯車1100の歯1101の歯先の歯幅方向に沿ったエッジラインに略平行となるように配置される。これらの図に示したように、前記歯車1100の歯1101が前記MRパターン要素702,802の左側に接近した場合、歯車1100があることにより、磁束が歯車1100の歯1101へ引き寄せられる結果として、前記2組の略直交配置したMRパターン要素701,702及び801,802にはそれぞれ鎖交する磁束の差が生ずる。
上記したように、本実施形態おいては、歯車1100の歯1101に近いMRパターン要素702,802は、歯車1100の歯1101から遠いMRパターン要素701,801との比較で、鎖交磁束の差が生ずる。このように、2組の3端子MR素子700,800を使用する理由は、前記3端子MR素子700,800の出力電圧Vo1,Vo2を差動的に動作させ、前記歯車センサ1200の出力Voを、Vo=Vo1−Vo2として、出力変化を大きくする為である。従って、前記3端子MR素子700,800に印加する電圧の極性は、前記差動出力Voが正しく得られるように接続する必要がある(図11に一例を示す)。
差動出力を得るための2組の3端子MR素子の配置方法としては、図7及び図9に示したように、各3端子MR素子700,800を構成する各MRパターン要素701,702及び801,802の開口方向を対向させて配置する方法のほか、図13に示したように、3端子MR素子1301,1302を構成する各MRパターン要素1304,1305及び1306,1307を背中合わせにして配置する方法を採用してもよい。また、図14に示したように、3端子MR素子1401,1402を構成する各MRパターン要素1404,1405及び1406,1407の開口方向を同方向に揃えて配置することもできる。
本発明により、強磁性MR素子を用いたDC用の歯車センサが安価に提供できる為、従来、半導体MRセンサを使用してきた速度センサ、パルスセンサの分野にも利用できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る歯車センサに用いた3端子MR素子とプリント基板と永久磁石の配置を示す平面透視図である。 図2は、上記第1の実施形態の正面透視図である。 図3は、第1の実施形態に係る歯車センサの永久磁石から3端子MR素子配置面に作用する磁力線を示す平面透視概念図である。 図4は、第1の実施形態に係る歯車センサの永久磁石から3端子MR素子配置面に作用する磁力線を示す正面透視概念図である。 図5は、上記第1の実施形態に係る歯車センサの作用を説明するための平面透視図である。 図6は、上記第1の実施形態に係る歯車センサの作用を説明するための正面透視図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る歯車センサに用いた2個の3端子MR素子と、プリント基板と、永久磁石の配置を示す平面透視図である。 図8は、上記第2の実施形態の正面透視図である。 図9は、上記第2の実施形態に係る歯車センサの永久磁石から、2個の3端子MR素子配置面に作用する磁力線を示す平面透視概念図である。 図10は、上記第2の実施形態に係る歯車センサの永久磁石から、2個の3端子MR素子配置面に作用する磁力線を示す正面透視概念図である。 図11は、上記第2の実施形態に係る歯車センサの作用を説明するための平面透視図である。 図12は、上記第2の実施形態に係る歯車センサの作用を説明するための正面透視図である。 図13は、2組の3端子MR素子の他の配置方法を示す図である。 図14は、2組の3端子MR素子のさらに他の配置方法を示す図である。 図15は、強磁性MR素子を3端子接続で使用した場合の磁束密度に対する出力電圧特性を示すグラフである。 図16は、異方性ストロンチウムフェライト磁石の磁極面近傍における磁極軸と直交する方向の磁束密度を示すグラフである。
符号の説明
100 3端子MR素子
101,102 MRパターン要素
103 プリント基板
104 永久磁石
110 歯車
120 歯車センサ
700,800 3端子MR素子
701,702,801,802 MRパターン要素
1000 永久磁石
1100 歯車
1200 歯車センサ
1301,1302,1401,1402 3端子MR素子
1304,1305,1306,1307 MRパターン要素
1404,1405,1406,1407 MRパターン要素

Claims (2)

  1. 強磁性薄膜からなる磁気抵抗パターン要素を備え、プリント基板上に配置される磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を作用させる永久磁石とを有し、検出対象である歯車の半径方向であって、前記プリント基板における前記磁気抵抗素子の配置面が歯先に対峙するように設けられる歯車センサにおいて、
    前記プリント基板上に、前記磁気抵抗素子が2つ設けられていると共に、
    前記各磁気抵抗素子が、互いに略直交するように配置される2つの磁気抵抗パターン要素を備え、各磁気抵抗パターン要素の一方の端子同士が接続され、該一方の端子同士の交点と各磁気抵抗パターン要素の他の2つの端子とからなる3端子構造で形成されていると共に、一方の磁気抵抗素子の前記磁気抵抗パターン要素が挟む角度の2等分線及び他方の磁気抵抗素子の前記磁気抵抗パターン要素が挟む角度の2等分線同士が同一直線上に位置するように設けられ、
    前記各磁気抵抗素子において略直交して配置される前記磁気抵抗パターン要素の長さ方向中心点同士を結んだ線と前記2等分線との交点を基準点としたときに、一方の磁気抵抗素子の基準点と他方の磁気抵抗素子の基準点との間隔の1/2の位置に、前記永久磁石による磁化方向の中心軸を向けると共に、前記永久磁石の磁極面を各磁気抵抗素子の配置面と平行に配置し、前記永久磁石を、各磁気抵抗素子を構成する各磁気抵抗パターン要素の何れにも、各磁気抵抗素子の配置面方向に絶対値5mT以上の磁束密度を付与可能に設けられており、
    かつ、同一直線上に位置する前記2等分線が、歯車の歯先の歯幅方向エッジラインに略平行となる位置関係で配置されることを特徴とする歯車センサ。
  2. 前記一方の磁気抵抗素子の基準点と他方の磁気抵抗素子の基準点との間隔を1mm以上に設定したことを特徴とする請求項記載の歯車センサ。
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