JP2015095630A - 磁気センサ - Google Patents

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克也 平野
Katsuya Hirano
克也 平野
康彦 関本
Yasuhiko Sekimoto
康彦 関本
典弘 川岸
Norihiro Kawagishi
典弘 川岸
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Abstract

【課題】ピンド層の磁化の方位ばらつきに起因する外部磁場の検出精度の低下を軽減することができる。
【解決手段】磁気センサ1は、ピンド層と、フリー層と、を含む積層をそれぞれ有する第1の磁気抵抗効果素子10a及び第2の磁気抵抗効果素子10bを備え、第1の磁気抵抗効果素子10aは、外部磁場がない場合におけるフリー層の磁化の方位が特定方位(+Yの方位)を向いており、第2の磁気抵抗効果素子10bは、第1の磁気抵抗効果素子10aに隣接して配されるとともに、外部磁場がない場合におけるフリー層の磁化の方位が、上記特定方位と逆方向の成分を有する方位(‐Yの方位)を向いている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサに関する。
従来、磁気センサに使用される素子として、巨大磁気抵抗効果素子(GMR(Giant Magneto Resistive effect)素子)が知られている。この磁気抵抗効果素子は、磁化の向きが所定の方位に固定(ピン)されたピンド層と、磁化の向きが外部磁場に応じて変化するフリー層とを備え、ピンド層の磁化の向きと、フリー層の磁化の向きとの相対関係に応じた抵抗値を示す。
このような磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサに関連する技術として、強い磁界が加わった場合におけるオフセットの動きを抑制し、高い磁場耐性を向上させる磁気センサが考案されている(特許文献1参照)。
なお、上述した磁気センサは、ブリッジ回路をなす複数の磁気抵抗効果素子で構成されるのが一般的である。このような磁気センサは、自身を構成する全ての磁気抵抗効果素子におけるピンド層の磁化の向きが、設計時において所望する特定の方位を向いていることを前提として、外部磁場の方位を特定するものである。
特開2004−193540号公報
しかしながら、磁気センサの実際の製造工程において、全ての磁気抵抗効果素子におけるピンド層の磁化の向きを、設計時において所望する方位と完全に一致するように製造することは困難である。具体的には、同一基板上に生成される複数の磁気抵抗効果素子のピンド層の磁化の向きは、例えば、製造工程における面内ばらつきに起因して、所望する特定の方位から一定の誤差を含んでばらついたものとなる。
そうすると、複数の磁気抵抗効果素子からなる磁気センサは、当該複数の磁気抵抗効果素子におけるピンド層の磁化の方位ばらつきにより一定のオフセットを含有した特性を示し、外部磁場の検出精度が低下するという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、製造工程時におけるピンド層の磁化の方位ばらつきに起因する外部磁場の検出精度の低下を軽減することができる磁気センサを提供することを目的としている。
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、磁化の方位が固定されたピンド層と、磁化の方位が外部磁場に応じて変化するフリー層と、を含む積層をそれぞれ有する第1の磁気抵抗効果素子及び第2の磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサであって、前記第1の磁気抵抗効果素子は、前記外部磁場がない場合におけるフリー層の磁化の方位が特定方位を向いており、前記第2の磁気抵抗効果素子は、前記第1の磁気抵抗効果素子に隣接して配されるとともに、前記外部磁場がない場合における前記フリー層の磁化の方位が、前記特定方位と逆方向の成分を有する方位を向いていることを特徴とする磁気センサである。
本発明によれば、第1の磁気抵抗効果素子と、第2の磁気抵抗効果素子と、のピンド層の磁化の方位が所望する方位からずれていた場合であっても、第1の磁気抵抗効果素子が検出する外部磁場と、第2の磁気抵抗効果素子が検出する外部磁場と、を加算することで、上記ずれに起因する計測誤差をキャンセルすることができる。
また本発明は、上述の磁気センサにおいて、さらに、前記第1の磁気抵抗効果素子が有するフリー層の磁化の方位を、前記特定方位に初期化するとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子が有するフリー層の磁化の方位を、前記特定方位と逆方向の成分を有する方位に初期化する初期化手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の磁気抵抗効果素子及び第2の磁気抵抗効果素子が直列に接続されているので、それぞれが検出する外部磁場の和を、第1の磁気抵抗効果素子と、第2の磁気抵抗効果素子と、を直列接続した素子全体の抵抗値の変化成分として、直接的に取得することができる。
また本発明は、上述の磁気センサにおいて、前記初期化手段が、通電により、前記第1の磁気抵抗効果素子に対して前記特定方位の磁場を発生させるとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子に対して前記特定方位と逆方向の成分を有する方位の磁場を発生させるコイルであることを特徴とする。
本発明によれば、第1の磁気抵抗効果素子及び第2の磁気抵抗効果素子のフリー層の磁化の方位が互いに逆方向を向くように、任意のタイミングで初期化することができる。
本発明によれば、ピンド層の磁化の方位ばらつきに起因する外部磁場の検出精度の低下を軽減することができる。
第1の実施形態に係る磁気センサの構造を示す第1の図である。 第1の実施形態に係る磁気センサの構造を示す第2の図である。 第1の実施形態に係る磁気センサの動作原理を説明する図である。 第1の実施形態に係る初期化手段の例を示す図である。 第1の実施形態に係る磁気センサの効果を説明する第1の図である。 第1の実施形態に係る磁気センサの効果を説明する第2の図である。
以下、第1の実施形態に係る磁気センサを、図面を参照して説明する。
図1、図2は、第1の実施形態に係る磁気センサの構造を示す第1の図、第2の図である。これらの図において、符号1は磁気センサである。
図1は、磁気センサ1を上面から平面視した場合の模式図であり、図2は、図1におけるA−A’の断面模式図である。
図1、図2に示すように、磁気センサ1は、磁気抵抗効果素子10a(第1の磁気抵抗効果素子)、磁気抵抗効果素子10b(第2の磁気抵抗効果素子)と、配線層110、111、112を備えている。
図1に示すように、磁気抵抗効果素子10a、10bは、平面視で長方形を成し、その長手方向が±Yの方位に沿うように配される。そして、磁気抵抗効果素子10aと磁気抵抗効果素子10bは、配線層111を介して電気的に直列接続される。また、配線層110、112には、図示しない定電圧源の正極または負極等が接続される。この定電圧源による所定の電圧(例えば+5V)の印加に応じて、例えば、配線層110から磁気抵抗効果素子10a、10bを介して配線層112へと電流が流れる。
図2に示すように、磁気抵抗効果素子10aは、反強磁性材料からなるピニング層100a、ピニング層100aにより磁化の向きが固定されたピンド層101a、非磁性材料からなるスペーサ層102a、および、磁化の向きが外部磁場に応じて変化するフリー層103a、を含む積層を有して、スピンバルブ構造をなしている。
同様に、磁気抵抗効果素子10bは、ピニング層100b、ピンド層101b、スペーサ層102bおよびフリー層103bを含む積層を有して、スピンバルブ構造をなしている。
このスピンバルブ構造により、磁気センサ1は、外部磁場に応じて配線層110と配線層112間の抵抗値が変化し、外部磁場を検出することができる。
なお、図1、図2に示した磁気抵抗効果素子10a、磁気抵抗効果素子10bの構造は一例であって、その構造は、スピンバルブの機能を発揮できる限度において適宜変更可能である。例えば、フリー層103a、103bと、ピンド層101a、101b及びピニング層100a、100bの成膜順序は入れ替え可能であり、さらに、磁気抵抗効果素子としての特性改善のため、上記以外の層が挿入されていてもよい。
また、磁気抵抗効果素子10a、10bの製造プロセスについては、従来の成膜・パターニング技術を適用可能であるため、詳細な説明を省略する。
また、磁気センサ1は、磁気抵抗効果素子10a、10bのピンド層101a、101bの磁化の向きが同一の所定の方位(+Xの方位)を向いて固定されるように作製される(図1)。具体的には、ピンド層101a、101bの向きが+Xの方位を向くように、ピニング層100a、100bの製造工程条件を決定する。
ここで、図1に示したピンド層101a、101bの磁化の向きは、製作者が設計時において所望する理想的な方位を示すものであって、後述するように、実際の製造工程を経て作製されたピンド層101a、101bの磁化の向きは、一定の方位ばらつきを有するものとなる。
また、磁気センサ1は、外部磁場が存在しない状態(以下、「初期状態」とも記載する。)において、フリー層103aの磁化の向きが特定方位(+Yの方位)を向くとともに、フリー層103bの磁化の向きが、特定方位と逆方向の成分を有する方位(−Yの方位)を向くように初期化される。この初期化を行う初期化手段については後述する。
なお、磁気抵抗効果素子10a、10bは、一般的な磁気抵抗効果素子と同様、平面視で長方形に成形することで、形状異方性を利用して、初期化処理(後述)直後の初期状態におけるフリー層103a、103bの磁化の向きが、その長手方向(+Yまたは−Yの方位)に揃うようにしている(図1)。
図3は、第1の実施形態に係る磁気センサの動作原理を説明する図である。
以上のような構成を有する磁気センサ1は、±Xの方位を向く外部磁場Hが印加された場合に、フリー層103a、103bの磁化の向きが、当該外部磁場Hの強度に応じて変化する。
例えば、図3(a)に示すように、初期状態において、フリー層103a、103bの磁化の向きは、それぞれ+Y、−Yの方位を向いている。この状態において、フリー層103a、103bの磁化の向きと、ピンド層101a、101bの磁化の向きとのなす角度は共に“θ”(=90°)となっており、また、このときの磁気センサ1の電気的な抵抗値は“R”である。
この初期状態から、図3(b)に示すような+Xの方位を向く外部磁場Hが印加されると、フリー層103a、103bの磁化の向きは、外部磁場Hの影響により共に+Xに傾いて、ピンド層101a、101bの磁化の向きとのなす角度がθからθ’に変化する。そうすると、上記角度がθからθ’に変化したことに対応して、磁気センサ1の電気的な抵抗値は、RからR’へと変化する。
なお、磁気センサ1は、磁気抵抗効果素子10a、10bに接続される計測処理部(図示せず)を別途備えている。計測処理部は、磁気抵抗効果素子10a、10bにおけるそれぞれの抵抗値の変化(RからR’への変化量ΔR)を、例えばA/D(Analog/Digital)変換部電圧を介した電圧の変化で読み取ることで、+Xの方位を向く外部磁場Hの強度を特定する処理を行う。
図4は、第1の実施形態に係る初期化手段の例を示す図である。
次に、図4を参照しながら、磁気センサ1の初期化手段について説明する。
本実施形態に係る磁気センサ1は、フリー層103a、103bの初期化手段として、図4に示すようなコイル30a、30bを備えている。具体的には、コイル30a、30bは、図4に示すように、磁気抵抗効果素子10a、10bの下層に埋設され、導電性を有する層により形成される。
ここで、フリー層103a、103bの磁化の向きの変位量が、外部磁場Hに対して安定的な線形性を有するためには、初期状態における磁化の向きが安定して、それぞれ+Y、−Yの方位(図1に示す方位)を向いている必要がある。
したがって、磁気センサ1は、フリー層103a、103bの外部磁場Hに対する線形性を確保して高精度な磁場検出を可能とするため、定期的にコイル30a、30bに電流Iを流し、フリー層103a、103bの磁化の向きを初期化する処理を行う。
具体的には、磁気センサ1は、コイル30a、30bそれぞれの両端子に接続された図示しない初期化処理部を備えている。そしてこの初期化処理部が、初期化処理として、コイル30a、30bに、図4に示す方向に所定の電流Iを通電し、磁気抵抗効果素子10aに対して特定方位(+Yの方位)を向く磁場Ha(図4)を発生させるとともに、磁気抵抗効果素子10bに対して特定方位と逆方向の成分を有する方位(−Yの方位)を向く磁場Hb(図4)を発生させる。
初期化処理部による初期化処理後(電流Iの印加を停止した後)は、フリー層103a、103bの磁化の向きは、その形状異方性により、それぞれ、その長手方向に沿った+Yまたは−Yの方位に固定されて安定する。
なお、上記初期化手段は、図4に示すようなコイル30a、30bの態様に限定されない。例えば、コイル30a、30bは、磁気抵抗効果素子10a、10bの下層ではなく上層に設置されるものであってもよい。また、初期化手段は、磁気抵抗効果素子10aに対して+Yの方位を向く磁場Haを発生させるとともに、磁気抵抗効果素子10bに対して−Yの方位を向く磁場Hbを発生させる単一のコイルで構成されるものであってもよい。
その他、初期化手段は、フリー層103a、103bの磁化の向きを、互いに逆の方向成分を有する方位へ揃えることが可能な態様であれば、いかなる態様であってもよい。
図5、図6は、第1の実施形態に係る磁気センサの効果を説明する第1の図、第2の図である。
次に、本実施形態に係る磁気センサ1の構成に基づく効果について、図5、図6を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る磁気センサ1の対比として、単一の磁気抵抗効果素子90からなる磁気センサ9の特性を説明する図である。なお、磁気抵抗効果素子90の構造は、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子10aまたは磁気抵抗効果素子10bと同一の構造を有している(図1、図2)。
図5(a)に示すように、磁気抵抗効果素子90からなる磁気センサ9は、固定されたピンド層901の磁化の向き(+Xの方位)と、外部磁場Hにより方位が変化するフリー層903の磁化の向きと、の成す角度θに応じて抵抗値が変化する。磁気センサ9は、この抵抗値の変化量ΔRを読み取って、これに応じた外部磁場Hの強度を算出する。
具体的には、磁気センサ9における角度θに応じた抵抗値の変化量ΔR[Ω]は、所定の係数R0[Ω]を用いて、式(1)で表される。
Figure 2015095630
つまり、式(1)に示す通り、磁気センサ9の抵抗値の変化量ΔRは、cosθに比例して増減する。
ここで、図5(b)に示すように、製造ばらつきにより、ピンド層901の磁化の向きが、設計段階で想定していた方位(+Xの方位)よりも−Yに角度αだけずれて固定された磁気抵抗効果素子90が作製された場合を考える。
図5(b)に示す磁気センサ9の場合、ピンド層901とフリー層903の磁化の向きの成す角度は、初期状態において、角度θ(=90°)に加え、さらに+αの角度がついている。
具体的には、ピンド層901の磁化の向きに角度αの誤差を生じた磁気抵抗効果素子90(図5(b))における角度θに応じた抵抗値の変化量ΔR[Ω]は、式(2)で表される。
Figure 2015095630
そうすると、磁気センサ9は、実際には外部磁場Hが存在しない状態(θ=90°)にもかかわらず、角度αに応じた外部磁場Hの存在を検出してしまい、外部磁場Hの検出量にオフセットが生じることとなる。
このように、単一の磁気抵抗効果素子90で構成される磁気センサ9は、製造される個体によって、ピンド層901の磁化の向きが図5(a)、(b)のようにばらついた場合、これに起因して生じる固有のオフセットにより、外部磁場Hの検出精度が低下するという問題を有している。
一方、図6は、本実施形態に係る磁気センサ1の特性を説明する図である。
図6(a)に示すように、磁気抵抗効果素子10a、10bからなる磁気センサ1は、固定されたピンド層101a、101bの磁化の向き(+Xの方位)と、外部磁場Hにより方位が変化するフリー層103a、103bの磁化の向きと、の成す角度θに応じて抵抗値が変化する(図3参照)。磁気センサ1は、この抵抗値の変化量ΔRを読み取って、これに応じた外部磁場Hの強度を算出する。
具体的には、磁気センサ1における角度θに応じた抵抗値の変化量ΔR[Ω]は、磁気抵抗効果素子10aにおける抵抗値の変化量ΔRaと、磁気抵抗効果素子10bにおける抵抗値の変化量ΔRbとの和で求められる。
ここで、上述した磁気センサ9と同様に、図6(b)に示すように、製造ばらつきにより、ピンド層101a、101bの磁化の向きが、設計段階で想定していた方位(+Xの方位)よりも−Yに角度αだけずれて固定された磁気センサ1が作製された場合を考える。
なお、ピンド層の磁化の向きに誤差が生じる要因としては、製造工程時におけるピニング層の特性の面内ばらつきが主要であるため、隣接して配されるピンド層101a、101b間に生じる磁化の方位ばらつきは無視できるほど小さい。したがって、図6(b)のように、製造ばらつきを含んだ磁気センサ1におけるピンド層101a、101bの磁化の向きは、共に同じ角度αだけずれたものとなる。
図6(b)に示す磁気センサ1の場合、磁気抵抗効果素子10aにおけるピンド層101aとフリー層103aの磁化の向きの成す角度は、初期状態において、角度θ(90°)+αとなっている。一方、磁気抵抗効果素子10bにおけるピンド層101bとフリー層103bの磁化の向きの成す角度は、初期状態において、角度θ(90°)−αとなる。
したがって、ピンド層101a、101bの磁化の向きに角度αの誤差を生じた磁気センサ1(図6(b))における、角度θに応じた磁気抵抗効果素子10a、10bそれぞれの抵抗値の変化量ΔRa、ΔRb[Ω]は、式(3)で表される。
Figure 2015095630
そして、磁気センサ1全体としての抵抗値の変化量ΔRは、式(4)のように表される。
Figure 2015095630
式(4)に示すように、磁気センサ1の抵抗値の変化量ΔRは、cosθのみに比例して増減することとなり、誤差角度αによるオフセット成分が消去される。したがって、磁気センサ1の抵抗値は、製造ばらつきにより生じる誤差角度αに依存せず、印加される外部磁場Hに応じて変化する角度θのみに依存して変化する。
以上、第1の実施形態に係る磁気センサ1によれば、ピンド層の磁化の方位ばらつきに起因する外部磁場の検出精度の低下を軽減することができる。
なお、上述した第1の実施形態に係る磁気センサ1は、二つの磁気抵抗効果素子10a、10bの長手方向が±Yの方位に沿って隣接して配される構造としているが、他の実施形態に係る磁気センサ1は、この態様に限定されない。
例えば磁気センサ1は、平面視で、磁気抵抗効果素子10aの長手方向に対し、磁気抵抗効果素子10bの長手方向が斜めに配される構造であってもよい。このような場合であっても、初期状態におけるフリー層103bの磁化の向きが、フリー層103aの磁化の向き(+Yの方位)に対する逆方向(−Yの方位)の成分を有していれば、ピンド層101a、101bの磁化の方位ばらつきに起因する外部磁場の検出精度の低下を軽減する効果を得ることができる。また、磁気センサ1の磁気抵抗効果素子10a、10bは、長手方向に隣接して配される態様のみならず、短辺方向に隣接して配されるものであってもよい。
また、他の実施形態に係る磁気センサ1は、一対の磁気抵抗効果素子10a、10bを複数組み合わせて構成されるものであってもよい。例えば、磁気センサ1は、複数の磁気抵抗効果素子10a、10bの対を組み合わせたブリッジ回路で構成されてもよい。
また、磁気センサ1は、例えば一対の磁気抵抗効果素子10a、10bをメアンダ状に接続して外部磁場の検出感度を向上させたものであってもよい。
また、上述の実施形態に係る初期化手段は、磁気抵抗効果素子10a、10bに対して逆方向に磁場を発生させるコイル30a、30bであると説明したが、他の実施形態に係る初期化手段は、これに限定されない。例えば、初期化手段は、磁気抵抗効果素子10a、10bと異なる層に埋設された永久磁石であってもよい。
さらに、上述した磁気センサ1は、磁気抵抗効果素子10a、10bが配線層111を介して直列に接続されており、それぞれの抵抗値の変化成分ΔR1、ΔR2が合成された変化成分を、配線層110、112間の電圧変化を直接的に読み取ることで外部磁場の強度を算出するものとして説明した。
しかし、他の実施形態に係る磁気センサ1は、例えば、磁気抵抗効果素子10a、10bのそれぞれに接続された計測処理部が、磁気抵抗効果素子10aにおける抵抗値変化成分ΔR1と、磁気抵抗効果素子10bにおける抵抗値変化成分ΔR2と、をそれぞれ別個に取得する態様であってもよい。この場合において、上記計測処理部は、取得したΔR1、ΔR2に基づいて論理演算により、ΔR1とΔR2の合算値(平均値)に基づく外部磁場の強度を算出する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
1・・・磁気センサ 10a、10b・・・磁気抵抗効果素子 100a、100b・・・ピニング層 101a、101b・・・ピンド層 102a、102b・・・スペーサ層 103a、103b・・・フリー層 110、111、112・・・配線層 30a、30b・・・コイル 9・・・磁気センサ 90・・・磁気抵抗効果素子 901・・・ピンド層 903・・・フリー層

Claims (4)

  1. 磁化の方位が固定されたピンド層と、磁化の方位が外部磁場に応じて変化するフリー層と、を含む積層をそれぞれ有する第1の磁気抵抗効果素子及び第2の磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサであって、
    前記第1の磁気抵抗効果素子は、前記外部磁場がない場合におけるフリー層の磁化の方位が特定方位を向いており、
    前記第2の磁気抵抗効果素子は、前記第1の磁気抵抗効果素子に隣接して配されるとともに、前記外部磁場がない場合における前記フリー層の磁化の方位が、前記特定方位と逆方向の成分を有する方位を向いている
    ことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記第1の磁気抵抗効果素子と、前記第2の磁気抵抗効果素子と、が直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記第1の磁気抵抗効果素子が有するフリー層の磁化の方位を、前記特定方位に初期化するとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子が有するフリー層の磁化の方位を、前記特定方位と逆方向の成分を有する方位に初期化する初期化手段を
    備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 前記初期化手段は、
    通電により、前記第1の磁気抵抗効果素子に対して前記特定方位の磁場を発生させるとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子に対して前記特定方位と逆方向の成分を有する方位の磁場を発生させるコイルである
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ。
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