JPH10283614A - 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置

Info

Publication number
JPH10283614A
JPH10283614A JP8980597A JP8980597A JPH10283614A JP H10283614 A JPH10283614 A JP H10283614A JP 8980597 A JP8980597 A JP 8980597A JP 8980597 A JP8980597 A JP 8980597A JP H10283614 A JPH10283614 A JP H10283614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
head
wafer
offset
evaluating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8980597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3717628B2 (ja
Inventor
Keisuke Fukamachi
啓介 深町
Chiharu Mitsumata
千春 三俣
Osamu Shimoe
治 下江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP08980597A priority Critical patent/JP3717628B2/ja
Publication of JPH10283614A publication Critical patent/JPH10283614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3717628B2 publication Critical patent/JP3717628B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程の途中であっても、磁気抵抗効果型
ヘッドの再生特性を検査でき、製造工程中で製品不良を
発見して適正な工程管理を行うことができ、製造効率を
著しく向上させる事のできる磁気抵抗効果型ヘッドの評
価装置を提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果素子の縦バイアス磁界を打
ち消す方向に外部からオフセット磁界を印加しながら、
横方向の磁界変化に対する磁気抵抗効果素子の抵抗変化
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装
置、VTRなどの磁気記録装置に使用される磁気ヘッド
に係り、特に磁気ヘッドの信号検出部に磁気抵抗効果素
子を用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドの評価方法および
評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置、VTR等の磁気記
録装置の小型大容量化は急激な勢いで進展している。こ
のような動向に呼応して磁気ヘッドの高性能化が進めら
れ、電磁誘導方式である薄膜磁気ヘッドに代わるものと
して、強磁性体の薄膜による磁気抵抗効果現象を利用し
た磁気抵抗効果型磁気ヘッド(agnetoesi
stive head 以下、MRヘッドと称す。)へ
と進化してきた。MRヘッドはパーマロイなどの強磁性
体薄膜の磁気抵抗効果を利用したもので、磁気ディスク
との相対速度に依らず、大きな再生出力が得られる。し
かし、バルクハウゼンノイズ等による再生出力変動やピ
ーク非対称性と呼ばれるバイアス状態のズレが問題とな
る。ピーク非対称性とは、再生動作時の出力波形に見ら
れるプラスの振幅強度 V+とマイナスの振幅強度V-
の非対称性であり、(V+−V-)/(V++V-)の計算
式で与えられる。再生出力とはプラスとマイナスの出力
波形の振幅(V++V-)であり、記録再生動作を繰り返
した時にこの再生出力が変動してハードディスク装置の
エラーレートに悪影響を及ぼす。MRヘッドを用いたハ
ードディスク装置ではPRMLと呼ばれる信号検出方法
が採用されており、より一層の高記録密度を実現してい
る。しかし、PRMLは再生波形の形状が直接ドライブ
のエラーレートに影響を与えるため、MRヘッドの再生
出力変動の低減やピーク非対称性の低減が重要になる。
従って、MRヘッドの製造時の検査として、再生出力変
動やピーク非対称性などの再生特性を検出して選別する
ことが必要になり、種々の評価方法、評価装置が提案さ
れている。
【0003】従来、この様な再生特性の評価方法として
は、ギャップデプス加工後のMRヘッドにサスペンショ
ンを取り付けた組立体(MR ead imbal
ssembly以下、MR HGAと称す。)を実
際に磁気ディスク上に浮上動作させ、その結果得られる
出力電圧波形から再生特性の不良なヘッドを取り除くと
いう方法が採られてきた。しかしながら、このような評
価方法では、MR HGAに組み立てないと測定評価が
実施できないため、MR HGAを組み立てる工数と経
費がかかること、ヘッド当たりの評価に長時間要すこ
と、不良品となったMR HGAは廃棄処分し、再生が
不可能であること、などの課題があり、効率の良い評価
方法ではなかった。
【0004】更に、特開平6-150264号公報に記載された
技術は、ヘッドブロック上に配列されたギャップデプス
加工後の複数のMRヘッドに対し、エアベアリング面に
垂直な方向に正弦波状に変化する交番外部磁界を印加
し、この交番外部磁界の変化に対するMRヘッドの電磁
変換特性を得るようにしたものである。しかしながら、
そこで開示された内容は、外部磁界に対する抵抗変化の
状況を見るだけで、バルクハウゼンノイズに対する定量
化の具体的な方法について一切触れられていない。ま
た、この評価結果と磁気ディスク上に浮上させて得られ
た実際の結果との対応を取るのが非常に困難であり、M
Rヘッドのバルクハウゼンノイズによる再生特性の不安
定性を的確に検出できない。更に、MRヘッドではMR
素子を不要な磁界から遮蔽するため、上部及び下部シー
ルド磁性層がMR素子を覆うように配置されている。こ
のシールド磁性層の影響により、ギャップデプス加工前
のMRヘッドでは、外部磁界の変化がMR素子に充分に
印加されないため、この方法ではギャップデプス加工前
のMRヘッドの再生特性の検出は困難であった。
【0005】また、特開昭60-105286号公報に記載され
た技術では、少なくとも片側にシールド磁性層の無い評
価用のテスト素子をウェハ上に配置し、ウェハのバイア
ス状態の良否を判定する手段として用いる技術が開示さ
れている。この技術は、少なくとも片側にシールド磁性
層が無いことで外部磁界の変化がMR層に十分に印加さ
れるため、バイアス状態をある程度検出できる。しか
し、シールドの有無によりMR素子のバイアス状態が変
化するため、実際のシールド磁性層付きのMRヘッドの
バイアス状態を判定できず、しかもバルクハウゼンノイ
ズなどによる再生出力変動を的確に検出できないことも
あり、ウェハの再生特性の良否を判定することは困難で
あった。
【0006】本発明は、かかる従来例の問題点に鑑み創
作されたものであり、製造工程の途中であっても、MR
ヘッドのバイアス状態や再生出力変動などの再生特性の
検査を行うことができ、製造工程途中でも製品不良を発
見して適切な工程管理を行うことができ、製造効率を著
しく向上させることができる磁気抵抗効果素子または磁
気抵抗効果素子用ウェハの評価装置およびそれらの評価
方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の磁気抵抗効果
素子(以下 MR素子と称す)の第1の評価装置は図1
に示すように、ウェハ評価用に配置された少なくとも片
側にシールド磁性層のないテスト素子に対して、前記テ
スト素子の縦バイアス磁界を打ち消す方向に外部から静
磁界(以下 オフセット磁界と称す)を発生する手段
と、前記テスト素子の横方向に交番磁界を発生する手段
と、前記オフセット磁界を印加しながら前記交番磁界の
変化に対する前記テスト素子の抵抗変化を測定する測定
手段とを備え、同一ウェハ上に形成されたシールド磁性
層付きMR素子のギャップデプス加工後のバイアス状態
を正確に評価することを特徴とする。
【0008】本発明の第1の評価方法は、ウェハ評価用
のテスト素子に対して、シールド磁性膜の影響を補正す
るオフセット磁界を印加しながら、前記テスト素子の横
方向の交番磁界の変化に対する前記テスト素子の抵抗変
化を測定することにより、同一ウェハ上に形成されたシ
ールド磁性層付きMR素子のギャップデプス加工後のバ
イアス状態を正確に評価することを特徴とする。
【0009】本発明の第2の評価装置は、MR素子の縦
バイアス磁界を打ち消す方向に外部からオフセット磁界
を印加しながら、横方向の交番磁界の変化に対する前記
MR素子の抵抗変化を求め、前記抵抗変化の前記オフセ
ット磁界依存性より、前記MR素子の良否判定を行う判
定手段を設けていることを特徴とする。
【0010】本発明の第2の評価方法は、MR素子にオ
フセット磁界を印加しながら、前記MR素子の横方向の
交番磁界の変化に対するMR素子の抵抗変化を測定し、
前記抵抗変化の前記オフセット磁界依存性から前記MR
素子の良否を判定することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施形態】 (実施例1)以下図を用いて本発明の構成とその原理を
説明する。永久磁石バイアス型MRヘッドの再生部分
は、図14に示すように磁気抵抗効果を発揮するMR層
1、非磁性層であるスペーサ層2、MR層1に静磁結合
によってバイアス磁界(横バイアス磁界と称す)を与え
るSAL(oft djacent ayer)
3の3層で構成されている。さらに、このMR素子の両
端に永久磁石を配置し、図14中の矢印の方向に着磁す
ることでMR層の磁化を縦方向にバイアスしている。ま
た、MR素子の上下には、リードギャップ層7と外部磁
界をシールドする上部シールド磁性層5と下部シールド
磁性層6が配されている。MRヘッドのバイアス状態
は、SALの静磁結合による図14中のy軸方向の横バ
イアスと永久磁石からのx軸方向の縦バイアスのバラン
スで決定する。以下の説明では図14中のx軸方向を縦
方向、y軸方向を横方向と称する。
【0012】MRヘッドのバイアス状態は、MR素子に
横方向の外部磁界を印加し、抵抗変化を測定することで
知ることができる。ウェハ段階でMR素子は、ギャップ
デプス加工が施されておらず、シールド磁性層により覆
われている。そのため、外部磁界の変化がMR素子に充
分に印加されず、かつギャップデプス加工前の状態では
MR素子形状も異なるため、MRヘッドの再生特性を正
しく測定できない。この問題を解決するために、ウェハ
上に配置された少なくとも片側にシールド磁性層が無い
テスト素子の磁気特性を評価することでウェハの再生特
性の良否を評価することが行われている。図4はMR素
子用ウェハに特性評価用のテスト素子を配置した一実施
例を示した。しかし、テスト素子の場合には永久磁石か
らの縦バイアス磁界のほとんどがMR素子に印加される
のに対し(図5(a))、シールド磁性層があるMR素
子では永久磁石からの磁束がシールド磁性層に吸収され
るために、MR素子に印加される実効的な縦バイアスが
減少する(図5(b))。MR層に加わっている横バイ
アスの大きさが一定の場合、縦バイアスが大きくなると
MR層の磁化が縦方向に向いてアンダーバイアスとな
り、縦バイアスが小さくなると磁化が横方向に向きオー
バーバイアスとなる。このため、テスト素子の評価結果
は同一ウェハ上に形成されたシールド磁性層付きのMR
素子のバイアス状態と必ずしも一致しないことになる。
【0013】そこで、シールド磁性層の影響を考慮に入
れ、永久磁石からの縦バイアスの一部をキャンセルする
逆方向(図5の負のx軸方向)のオフセット磁界を外部
から印加し、擬似的に実際のMR素子の動作状態に近づ
け、磁気特性を評価する方法が必要である。図6は永久
磁石からの磁束がMR層とシールド磁性層にどのように
分流するかを、リードギャップの膜厚の関数として数値
計算した結果である。テスト素子はリードギャップ膜厚
が無限大の状態と考えられるため、リードギャップ膜厚
が100nmの場合、MR層へ印加される縦バイアス磁
界はシールド磁性層により約半分に減少することにな
る。したがって、縦バイアス磁界強度の半分をオフセッ
ト磁界として着磁の方向と反対に印加して測定すれば、
同一ウェハ上に形成されたシールド磁性層付きのMR素
子の動作状態を再現できる。また片側にシールド磁性層
がある場合についても同様の計算により予算されるオフ
セット磁界を印加して測定すればの同一ウェハ上に形成
されたシールド磁性層付きのMRヘッドの動作状態を再
現できる。
【0014】図7にオフセット磁界により補正をかけな
い場合のテスト素子のピーク非対称性とのギャップデプ
ス加工後のシールド磁性層付きMR素子のピーク非対称
性の相関を示す。一次相関曲線のy軸切片が約プラス20
%であり、相関も弱い。次に、オフセット磁界により補
正をかけた場合のピーク非対称性の相関を図8に示す。
一次相関曲線のy軸切片がゼロに近く、相関も強くなっ
ている。よってウェハ評価用に設けられたテスト素子に
対して、シールドの影響を補正するオフセット磁界を印
加しながら外部磁界に対する抵抗変化を測定することで
ウェハの磁気特性を正確に測定でき、ギャップデプス加
工後のシールド磁性層付きのMR素子の特性を見積もる
事が可能である。
【0015】以上のように、本発明の第1の実施例によ
りウェハ評価に設けられたテスト素子に対して、シール
ドの影響を補正するオフセット磁界を印加しながら外部
磁界に対する抵抗変化を測定することでウェハの磁気特
性を正確に測定するMR素子用ウェハの評価方法が提供
できることが示された。
【0016】(実施例2)図1は本発明の第2の実施例
にかかるMR素子用ウェハの評価装置の構成図を示して
いる。図1において、横方向の交番磁界発生用コイル8
と、縦方向のオフセット磁界発生用コイル9の2対のコ
イルがMR素子10の面内で直交するように配置されて
いる。これらのコイルは、交番磁界コイル用電源11と
オフセット磁界用コイル電源12により制御され、MR
素子10に対し縦方向のオフセット磁界と横方向の交番
磁界を印加できるようになっている。センス電流は定電
流源13によりに設定される。MR素子の抵抗値は、セ
ンス電流と電圧計14により測定された電位差から計算
される。測定した磁界変化に対するMR素子の抵抗変化
は表示部15に表示され、抵抗変化から計算されたピー
ク非対称性などの測定データはデータ保存部16に格納
される。最後に良否判定部17によりMR素子の良否を
判定する。制御部18はこれらのすべての測定手順を管
理する機能をもつ。
【0017】図2は本発明の第2の実施例にかかわる評
価装置の測定手順を表すフローチャートである。まず、
ステップS1において、有効に外部磁場が印加されるよ
うにMRヘッドの位置合わせを行い、MRヘッドの電流
端子および出力端子にプローブ電極を接続させる。次に
ステップS2で、設定したセンス電流をMR素子に流
し、ステップS3でシールド磁性層の影響を補正するオ
フセット磁界を印加する。ステップS4で、横方向の交
番磁界を印加し、MR素子の抵抗変化を測定する。この
時の交番磁界の振幅は、実際にディスク上で動作させた
時のディスクからMR素子に印加される磁界に相当する
値が好ましいが、本実施例では±50Oeを採用した。
ステップS5でオフセット磁界、交番磁界およびセンス
電流をオフし、ステップ6で測定したMR素子の抵抗変
化を表示する。次に、ステップS7において、測定した
抵抗変化からバイアス状態、再生出力、バルクハウゼン
ノイズなどの再生特性を定量化し、良否判定基準と比較
して特性の良否を判定する。最後にステップS8におい
て、測定データおよび良否判定結果を保存し測定は終了
する。
【0018】このようにして、本発明の第2の実施例に
よりウェハ評価用のテスト素子にシールドの影響を補正
するオフセット磁界を印加しながら、横方向の交番磁界
に対する抵抗変化を測定することにより、ウェハ製造工
程において予めギャップデプス加工後のMR素子のバイ
アス状態を精度良く測定するMR素子用ウェハの評価装
置が提供できることが示された。
【0019】(実施例3)図9にウェハ評価用のテスト
素子にオフセット磁界を印加しながら、±250Oeの
交番磁界の変化に対するMR素子の抵抗変化を示す。オ
フセット磁界の増加に伴いゼロ磁界近傍の抵抗変化量が
増大し、磁場感度が大きくなっていることが確認でき
る。図10に±50Oeの交番磁界で測定したピーク非
対称性、再生出力のオフセット磁界依存性を示す。オフ
セット磁界が増加するに従って、ピーク非対称性が増加
しており、縦バイアス磁界が実際に打ち消されているこ
とがわかる。また、再生出力のオフセット磁界依存性か
ら、縦バイアス磁界の減少によりMR素子の磁場感度が
増大していることも明らかである。更にオフセット磁界
を大きくすると約90Oe付近でピーク非対称性、出力
が急激に減少する。これは、オフセット磁界が永久磁石
からのバイアス磁界より大きくなり、MR層の磁化が反
対側に回転した結果と考えられる。これらピーク非対称
性、再生出力の変曲点に対応するオフセット磁界の大き
さは、縦バイアス磁界の大きさ、もしくは磁区制御の強
さに関する指標になる。図11は再生特性の不安定なM
Rヘッドを含んだウェハについて、ウェハ上のテスト素
子のピーク非対称性、再生出力のオフセット磁界依存性
を測定した結果である。オフセット磁界が50Oeのと
きに編曲点が生じており図10と比較して小さいオフセ
ット磁界に対してMR層の磁化が反転したことを示して
いる。この結果から再生特性の不安定なMRヘッドで
は、永久磁石による縦バイアス磁界が不足している事が
判断できる。
【0020】このように本発明の第3の実施例によれ
ば、MR素子の抵抗変化のオフセット磁界依存性を測定
することで、MR素子の磁区制御の強さを評価でき、ウ
ェハ製造工程において再生特性の不安定性を測定するM
R素子用ウェハの評価方法が提供できることが示され
た。
【0021】(実施例4)図3は本発明の第4の実施例
にかかわるMRヘッド評価装置の評価装置の測定手順を
表すフローチャートである。まず、ステップS1におい
て、有効に外部磁場が印加されるようにMRヘッドの位
置合わせを行い、MRヘッドの電流端子および出力端子
にプローブ電極を接続させる。次にステップS2で、設
定したセンス電流をMR素子に流し、ステップS3でオ
フセット磁界をゼロに設定する。ステップS4で、横方
向の交番磁界を印加し、MR素子の抵抗変化を測定す
る。この時の交番磁界の振幅は、実際にディスク上で動
作させた場合にディスクからMR素子に印加される磁界
に相当する値が好ましいが、本実施例では±50Oeを
採用した。ステップS5でオフセット磁界を増加する。
ステップS4〜5を指定のオフセット磁界に達するまで
繰り返し(ステップS6で判定)、磁気特性のオフセッ
ト磁界依存性を測定する。その後ステップS7でオフセ
ット磁界、交番磁界およびセンス電流をオフし、ステッ
プS8で測定したMR素子の抵抗変化を表示する。次
に、ステップS9において、測定した抵抗変化からバイ
アス状態、再生出力、バルクハウゼンノイズなどの再生
特性を定量化し、良否判定基準と比較して特性の良否を
判定する。最後にステップS10において、測定データ
および良否判定結果を保存し測定は終了する。
【0022】このように本発明の第4の実施例によれ
ば、MR素子の抵抗変化のオフセット磁界依存性を測定
することでMR素子の磁区制御の強さを評価でき、ウェ
ハ製造工程において再生特性の不安定性を測定するMR
素子用ウェハの評価方法が提供できることが示された。
【0023】(実施例5)実施例3、4で示した永久磁
石によるMR素子の磁区制御の強さの評価方法および評
価装置は、ウェハ評価用のテスト素子に限られるもので
はなく、ギャップデプス加工後の実素子であっても同様
である。図12は再生特性の安定なMRヘッドと不安定
なMRヘッドのピーク非対称性と再生出力のオフセット
磁界依存性を示したものである。再生特性の安定なヘッ
ドではピーク非対称性や再生出力が急激に変化するオフ
セット磁界が60Oeであるのに対し、安定なヘッドで
は120Oeである。図13は再生特性の不良ないくつ
かのヘッドについてオフセット磁界を印加した後の抵抗
変化を示す。図13(c)のようなバルクハウゼンノイ
ズと思われる抵抗が急激に変化するものや、図13
(d)のような抵抗変化にヒステリシスを持つもの、等
が確認できる。オフセット磁界はこのようなバルクハウ
ゼンノイズやヒステリシスの発生する頻度を高める効果
があると考えられるため、MR素子の抵抗変化に見られ
るバルクハウゼンノイズや、ヒステリシスを定量化し、
これが増大するオフセット磁界の臨界値を指標とし、例
えばある一定以下の臨界値を示したヘッドを不良とする
ことで、再生特性の不良なヘッドを選別できる。
【0024】このように本発明の第5の実施例によれ
ば、ギャップデプス加工後のMR素子に対してオフセッ
ト磁界を印加しながら交番磁界に対するMR素子の抵抗
変化を測定することで、再生特性の不良なヘッドを選別
できるMR素子の評価方法が提供できることが示され
た。
【0025】(実施例6)本実施例では本発明の第1〜
5の実施例にかかるMR素子用の評価装置および評価方
法におけるMR素子の良否判定について述べる。図13
のようなMR素子のR−H特性を有するものは不良とし
て判断する。図13(a)は交番磁界に対するMR素子
の抵抗変化が直線にならず途中で折れ曲がっており直線
性が悪い例である。例えば、図13(a)の直線性を定
量化するには磁界をゼロからプラスに変化させた時の抵
抗変化量と、磁界をゼロからマイナスに変化させた時の
抵抗変化量との差を全体の抵抗変化量で割ることで、M
R素子の良否が判定できる。その時の計算式は、 |(最大抵抗値−磁界ゼロ時の抵抗値)−(磁界ゼロの
抵抗値−最小抵抗値)|/(最大抵抗値−最小抵抗値) となる。この値がゼロに近いほど素子性能は良好であ
る。ウェハ評価用のテスト素子においてシールド磁性層
の影響を補正するオフセット磁界を印加したときの抵抗
変化または、ギャップデプス加工後のMR素子にオフセ
ット磁界を印加しないときの抵抗変化からこの値を計算
し、基準値を越えた場合は不良とする。
【0026】図13(b)に示すようにMR素子の直線
性は良好であるが、全体の抵抗変化量が小さい(再生出
力が小さい)場合もハードディスクト゛ライブのエラーレ
ートを悪化させる。よって、ウェハ評価用のテスト素子
においてシールド磁性層の影響を補正するオフセット磁
界を印加したときの抵抗変化または、ギャップデプス加
工後のMR素子にオフセット磁界を印加しないときの抵
抗変化から再生出力(最大抵抗値−最小抵抗値)の値を
計算し、基準値を下回った場合は不良とする。
【0027】図13(c)に示したようなバルクハウゼ
ンノイズに起因した抵抗の不連続な変化を示すヘッドも
再生出力変動の原因になるため不良と判断する。例えば
このようなバルクハウゼンノイズを定量化するには、抵
抗の不連続な変化を定量化すれば良く、抵抗値の外部磁
界に対する微分をおこない、全体の抵抗変化の傾き(d
R/dH)avgに対する前記微分値(dR/dH)のズ
レの測定データ内での最大値を指標とすることでMR素
子の良否の判定ができる。その時の計算式は max[(dR/dH)−(dR/dH)avg|]2 となる。この値がゼロに近いほど素子性能は良好であ
る。このため、ウェハ評価用のテスト素子においてシー
ルド磁性層の影響を補正するオフセット磁界を印加した
ときの抵抗変化または、ギャップデプス加工後のMR素
子にオフセット磁界を印加しないときの抵抗変化からこ
の値を計算し、基準値を越えた場合は不良とする。
【0028】図13(d)に示したような抵抗変化にヒ
ステリシスと持つヘッドも再生出力変動の原因になるた
め不良と判断する。例えばこのようなヒステリシスを定
量化するには、磁界を増加させたときの経路と減少させ
たときの経路の抵抗値の差を定量化すれば良く、磁界増
加時の抵抗値と磁界減少時の抵抗値の差を測定データ内
で積算した値を指標とすることでMR素子の良否の判定
ができる。その時の計算式は Σ|R(H)+ − R(H)-| となる。この値がゼロに近いほど素子性能は良好であ
る。このため、ウェハ評価用のテスト素子においてシー
ルド磁性層の影響を補正するオフセット磁界を印加した
ときの抵抗変化または、ギャップデプス加工後のMR素
子にオフセット磁界を印加しないときの抵抗変化からこ
の値を計算し、基準値を越えた場合は不良とする。
【0029】以上のように本発明の第6の実施例によれ
ば、図13のような再生特性の不良なMRヘッドの良否
判定を定量的に行え、実施例1〜5の評価装置および評
価方法と組み合わせることにより、製造工程の途中であ
っても、MRヘッドの再生特性を検査できるMR素子の
評価装置が提供できることが示された。
【0030】
【発明の効果】本発明の評価方法および評価装置によれ
ば、MR素子のヘッドチップおよびウェハ評価用のテス
ト素子が形成されたウェハが製造された段階で、前記テ
スト素子を評価することにより、実際のシールド付きの
MR素子のバイアス状態やバルクハウゼンノイズによる
再生不安定性を定量的に検出できる。前記テスト素子の
良否に応じて、製造工程の適切な管理を行うことがで
き、かつ品質を良くすることが可能になる。また、ギャ
ップデプス加工後のMR素子に対して同様の評価を行う
ことにより、バルクハウゼンノイズに起因する再生不安
定性を定量的に検出でき選別をかけることにより、再生
特性不良品に伴うHGA組立工数およびコストが低減で
きる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2および第4の実施例に係るMR素
子の評価装置の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るMR素子の評価装
置の制御フローチャートである。
【図3】本発明の第4の実施例に係るMR素子の評価装
置の制御フローチャートである。
【図4】MR素子用ウェハの素子配置の一例を示す。
【図5】シールド磁性層の有無による縦バイアスの状態
の違いを示す模式図である。
【図6】縦バイアスのリードギャップ膜厚依存性を示
す。
【図7】シールド磁性層の影響を補正しない場合のシー
ルド磁性層付きMR素子とテスト素子のピーク非対称性
の相関を示す。
【図8】シールド磁性層の影響を補正した場合のシール
ド磁性層付きMR素子とテスト素子のピーク非対称性の
相関を示す。
【図9】交番磁界の変化に対するMR素子の抵抗変化の
オフセット磁界依存性を示す。
【図10】再生特性の安定なMRヘッドのピーク非対称
性、再生出力のオフセット磁界依存性を示す。
【図11】再生特性の不安定なMRヘッドのピーク非対
称性、再生出力のオフセット磁界依存性を示す。
【図12】再生特性が安定および不安定なギャップデプ
ス加工後のシールド磁性層付きMRヘッドのピーク非対
称性、再生出力のオフセット磁界依存性を示す。
【図13】再生特性が不良なMR素子の外部磁界の変化
に対する抵抗変化の代表例である。
【図14】永久磁石バイアス型MRヘッドの再生部分を
示す。
【符号の説明】
1 MR層、2 スペーサ層、3 SAL、4 永久磁
石、5 上部シールド磁性層、6 下部シールド磁性
層、7 リードギャップ層、8 交番磁界印加用コイ
ル、9 オフセット磁界印加用コイル、10 MR素
子、11 交番磁界コイル用電源、12 オフセット磁
界コイル用電源、13 定電流源、14 電圧計、15
表示部、16 データ保存部、17 良否判定部、1
8 制御部、19 特性評価用テスト素子、20 製品
となるMR素子の形成領域、21 非磁性基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦および横バイアス磁界が感磁部である
    磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と省略)に印加され
    ると共に、シールド磁性層に挟まれる構成の磁気抵抗効
    果型ヘッド(以下、MRヘッドと省略)の評価装置であ
    り、縦バイアス磁界を打ち消すオフセット磁界発生手段
    と、横バイアス磁界と同方向の交番磁界発生手段と、前
    記シールド層がないかあるいは一方が形成されたテスト
    用ヘッドをウェハに形成配置し、このテスト用ヘッドの
    MR素子の電気抵抗を測定する手段とを備えたことを特
    徴とするMRヘッドの評価装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記テスト用MR素
    子の電気抵抗の測定値から変化分を算出して前記MRヘ
    ッドの良否判定を行う判定手段を備えたことを特徴とす
    るMRヘッドの評価装置。
  3. 【請求項3】 縦および横バイアス磁界が感磁部である
    MR素子に印加されると共に、シールド磁性層に挟まれ
    る構成のMRヘッドの評価方法であり、少なくとも前記
    シールド層の一方を除去したテスト用ヘッドをウェハに
    形成配置し、縦バイアス磁界を打ち消すオフセット磁界
    を印加しながら、横バイアス磁界と同方向の交番磁界に
    対する前記テスト用ヘッドのMR素子の電気抵抗の変化
    を測定することによりMRヘッドの特性を判定すること
    を特徴とするMRヘッドの評価方法
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記テスト用ヘッド
    のMR素子の電気抵抗変化の測定結果と前記オフセット
    磁界との関係からMRヘッドの良否判定をすることを特
    徴とするMRヘッド評価方法。
JP08980597A 1997-04-08 1997-04-08 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置 Expired - Fee Related JP3717628B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08980597A JP3717628B2 (ja) 1997-04-08 1997-04-08 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08980597A JP3717628B2 (ja) 1997-04-08 1997-04-08 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10283614A true JPH10283614A (ja) 1998-10-23
JP3717628B2 JP3717628B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=13980945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08980597A Expired - Fee Related JP3717628B2 (ja) 1997-04-08 1997-04-08 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3717628B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002206904A (ja) * 2000-11-08 2002-07-26 Yamaha Corp センサ
US6515475B2 (en) 2001-02-16 2003-02-04 International Business Machines Corporation Determination of track width of magnetoresistive sensors during magnetic head fabrication using magnetic fields
JP2006245581A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Seagate Technology Llc スタック内バイアス付与構造を持つ磁気センサ
CN100403402C (zh) * 2005-02-07 2008-07-16 Tdk株式会社 薄膜磁头的评价方法
JP2015079551A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 株式会社日立情報通信エンジニアリング 磁界特性評価装置及び磁界特性評価方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002206904A (ja) * 2000-11-08 2002-07-26 Yamaha Corp センサ
US6515475B2 (en) 2001-02-16 2003-02-04 International Business Machines Corporation Determination of track width of magnetoresistive sensors during magnetic head fabrication using magnetic fields
CN100403402C (zh) * 2005-02-07 2008-07-16 Tdk株式会社 薄膜磁头的评价方法
JP2006245581A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Seagate Technology Llc スタック内バイアス付与構造を持つ磁気センサ
JP2015079551A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 株式会社日立情報通信エンジニアリング 磁界特性評価装置及び磁界特性評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3717628B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5514953A (en) Wafer level test structure for detecting multiple domains and magnetic instability in a permanent magnet stabilized MR head
US6680609B1 (en) Method and apparatus for determining the magnetic track width of a magnetic head
US9548083B2 (en) Read sensor testing using thermal magnetic fluctuation noise spectra
JP3334552B2 (ja) スピンバルブ磁気抵抗素子を備えた磁気ヘッドの検査方法及び装置
JP2870474B2 (ja) 磁気抵抗ヘッドの測定装置
JP2003296907A (ja) 磁気抵抗効果膜を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置
JP3717628B2 (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置
JP2008065898A (ja) 磁気抵抗効果型再生ヘッドの評価方法
JP3521755B2 (ja) 磁気抵抗効果素子の磁区制御バイアス磁界測定方法及び装置
US20050073300A1 (en) Method of inspecting thin-film magnetic head and method of making thin-film magnetic head
JP2001006128A (ja) 磁気変換素子の製造方法および装置、ならびに磁気ヘッドの製造方法および装置
JP2000260012A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッドの検査方法、および磁気抵抗効果型磁気ヘッドの検査装置
US20090237094A1 (en) Method for evaluating magnetoresistive element
JP2002133621A (ja) 磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドの検査方法及び装置
JPH10198924A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法およびその評価装置
JP2012234606A (ja) 垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ、それを用いた記録素子検査装置および記録素子検査方法
JP3134538B2 (ja) 磁気記録再生装置及び磁気ヘッドの検査装置
JP3868684B2 (ja) 磁気記憶装置用磁気ヘッドの評価方法
JP3877386B2 (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法および評価装置
JP2000353309A (ja) ヨークタイプ磁気抵抗効果型ヘッドの評価方法及びその装置
JP2000306222A (ja) 磁気抵抗効果素子再生評価装置
JP3756593B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JPH09180138A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドの検査工程を含む方法及び抵抗−磁界特性測定装置
JP2000322719A (ja) 磁気ヘッドの評価方法および評価装置ならびに磁気ヘッドの製造方法
JPH09180142A (ja) 磁気ヘッドの検査方法および磁気ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040223

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20040310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050609

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050831

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees