JP2002200629A - 溶液製膜方法及び偏光板等 - Google Patents

溶液製膜方法及び偏光板等

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JP2002200629A JP2001059833A JP2001059833A JP2002200629A JP 2002200629 A JP2002200629 A JP 2002200629A JP 2001059833 A JP2001059833 A JP 2001059833A JP 2001059833 A JP2001059833 A JP 2001059833A JP 2002200629 A JP2002200629 A JP 2002200629A
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弘志 大西
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忠久 佐藤
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一義 山川
Mitsuyuki Matsuoka
光進 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンを含有しない溶媒を使用した、セル
ローストリアセテートフイルムの製造を行う。 【解決手段】 セルローストリアセテート粒子を、酢酸
メチルなどのハロゲンを含有しない溶媒に膨潤させ、1
0〜15重量%のドープを製造する。次に、このドープ
を均一にするため、130℃〜250℃の温度範囲で、
20秒以上4時間以下で加熱処理する。均一なドープか
ら製造されるセルローストリエステルフイルムは、その
表面にスジ状ムラが無く、光学特性に優れている。この
フイルムは偏光板保護膜に適し、液晶表示装置等に用い
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液製膜方法並び
にこの方法により製膜したフイルムを用いた偏光板等に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロースエステル、特に59.0〜6
2.5%の平均酢化度を有するセルロースアセテート
(一般にセルローストリアセテートに分類されるもの)
は、その強靭性と難燃性から、フイルムの形状にして写
真感光材料の支持体として利用されている。セルロース
トリアセテートフイルムは、光学的等方性に優れている
ことから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光
板の保護フイルムおよびカラーフィルターの用途に適し
ている。
【0003】一般に、セルロースアセテートフイルムの
製造方法は、溶液製膜法により行なわれている。溶液製
膜法は、メルトキャスト法などの他の製造方法と比較し
て、光学的性質や物性が優れたフイルムを製造すること
ができる。溶液製膜法は、セルロースアセテートを溶媒
中に溶解した溶液(以下、ドープと称する)をドラムや
スチールバンドなどの支持体上に流延した後、溶媒を蒸
発させて、フイルムを形成する方法である。特に、セル
ローストリアセテートを原料に使用した場合、そのドー
プの調製には、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素
などが溶媒として用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
塩化メチレンなどハロゲン化炭化水素は、その揮発性有
機物として環境上大きな問題となっており、それら溶媒
は、使用の減少が求められている。このため、環状エー
テルなどの代替溶剤で製膜することも提案されている
が、これら環状エーテルなどの代替溶剤の場合にはその
引火性や分解性のために、実用プロセスとしては問題が
多い。
【0005】そこで、酢酸メチル、アセトンなどのハロ
ゲンを含まない溶媒を用いて、極低温でセルローストリ
アセテートのドープを調製して、フイルムを製造する冷
却溶解法が提案されている。しかし、冷却溶解法は、プ
ロセスの初期投資が多額になる点が問題になる。このよ
うに、従来のセルローストリアセテートフイルムの製造
は、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素を溶剤とし
て用いずに、そのドープの調製を行うことが困難であっ
た。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために、ハ
ロゲンを含まない溶媒を用いて、セルローストリアセテ
ートを効率よく溶解させるようにした溶液製膜方法並び
この方法により製膜したフイルムを用いた偏光板保護
膜、偏光板、光機能性膜、液晶表示装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、溶剤にセルローストリアセテートを接
触させて分散または溶解させたのち、温度を130℃以
上で処理する。高温処理することにより、常温で溶解し
がたい溶媒、例えば酢酸メチル、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、ジオキソランのうち1つ
以上を含む溶媒にセルローストリアセテートを溶解でき
る。この場合において、溶媒の温度は130℃以上、望
ましくは160℃以上、最も望ましくは180℃以上で
行う。しかしながら、250℃を超えるとセルロースト
リアセテートの分解が生じ、生成されるフイルムの品質
を損なう。
【0008】溶液の加熱は、オートクレープ方式、多管
式熱交換器、スクリュー押し出し機、スタチックミキサ
ーなどの方法を用いることができる。この溶液の加熱時
において、伝熱効率を高めフイルムの品質を良好に保つ
ために加熱中に蒸気圧による発泡を防止することが好ま
しい。通常は、溶液内の最高温度における飽和蒸気圧よ
り高い圧力に保つことで発泡を抑制できる。
【0009】また、前記セルローストリアセテート分散
物またはその溶液を130℃以上に保つ時間は、20秒
以上且つ4時間以下であることが好ましい。また、前記
加熱処理の前又は後に−100℃から−10℃の温度範
囲で冷却処理することも好ましく、この場合には溶解性
を高めることができる。
【0010】本発明のセルローストリアセテートの分散
物または溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法におい
て、前記セルローストリアセテートの分散物またはその
溶液を冷却する際に、前記セルローストリアセテート分
散物またはその溶液の伝熱距離を8mm以下とすること
が好ましい。この場合に、前記セルローストリアセテー
ト分散物またはその溶液を壁面よりかきとる機構を具備
した熱交換装置により冷却する方法も好ましい。さら
に、前記セルローストリアセテート分散物またはその溶
液を壁面を隔てた冷媒との温度差が100℃以であるこ
とも好ましい。さらには、前記セルローストリアセテー
ト分散物またはその溶液をフラッシュさせることにより
冷却する方法も好ましい。これらの冷却方法は、単独ま
たは組み合せて使用しても良く、さらには、前述した溶
液製膜の加熱処理において、その前段または後段に前記
冷却方法を実施しても良い。
【0011】前記セルローストリアセテートを分散また
は溶解させる溶媒が、酢酸メチル、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、ジオキソランのうち少
なくとも1つを含むことが好ましい。また、前記セルロ
ーストリアセテートの酢化度が59〜62.5%である
ことが好ましい。さらに、前記セルローストリアセテー
トの6位のアセチル基置換度Xが残余の置換度Yとの関
係において、X≧0.7、X+Y≧2.71の関係を満
たすことが好ましい。
【0012】前記ドープの粘度が、例えば落球式粘度5
50秒を超えたり、流延時の剪断速度1000(1/
秒)での剪断粘度が1000P(ポアズ)を超えると、
このドープによる流延ビードを安定に維持することが困
難となり、高速流延適性に欠け問題となる。そこで、流
延時のドープを、剪断速度500(1/秒)での剪断粘
度を500P以下にすることが好ましい。このようなド
ープの粘度とすることにより、流延ビードを安定に維持
することができ、効率よく製膜することができる。
【0013】前記セルローストリアセテート分散物また
はその溶液には、添加剤を付与することが好ましく、こ
の場合には、製膜されるフイルムの光学的特性または物
性を向上させることができる。添加剤としては、可塑剤
を付与することができる。好ましい添加量は、1〜20
重量%である。さらに、剥離促進剤、紫外線吸収剤、劣
化防止剤などの添加剤も付与できる。これらの添加剤の
好ましい添加量は、0.001〜5重量%の範囲であ
る。
【0014】前記セルローストリアセテート分散物また
はその溶液は、少なくとも一種の微粒子粉体をセルロー
ストリアセテートに対して0.001〜5重量%含有さ
せることが好ましい。また、前記セルローストリアセテ
ート分散物またはその溶液は、少なくとも一種の離型剤
をセルローストリアセテートに対して0.001〜2重
量%含有させることが好ましい。さらに、前記セルロー
ストリアセテート分散物またはその溶液は、少なくとも
一種のフッ素系界面活性剤をセルローストリアセテート
に対して0.002〜2重量%含有させることが好まし
い。
【0015】また、本発明の溶液製膜法には、流延工程
で少なくとも1種類のセルローストリアセテートを含む
2種類以上のセルローストリアセテート分散物またはそ
の溶液を共流延する方法も含まれる。
【0016】本発明の溶液製膜方法により製膜したフイ
ルムを、偏光板保護膜、偏光板、光学機能性膜、液晶表
示装置として用いることが好ましく、この場合には、耐
久性に優れたものが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】[セルローストリアセテート]本
発明に用いるセルローストリアセテートは、平均酢化度
が59.0〜62.5%である。この場合において、酢
化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味
する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロ
ースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の
測定および計算に従う。本発明では、セルローストリア
セテート粒子を使用し、使用する粒子の90重量%以上
が0.1〜4mmの粒子径、好ましくは1〜4mmを有
する。また、好ましくは95重量%以上、より好ましく
は97重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、
最も好ましくは99重量%以上の粒子が0.1〜4mm
の粒子径を有する。さらに、使用する粒子の50重量%
以上が2〜3mmの粒子径を有することが好ましい。よ
り好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重
量%以上、最も好ましくは90重量%以上の粒子が2〜
3mmの粒子径を有する。セルローストリアセテートの
粒子形状は、なるべく球形に近い形状を有することが好
ましい。
【0018】セルロースのモノマー単位においては、3
箇所の水酸基が酢酸とエステル化されて、アセテートを
形成する。しかしながら、セルロースアセテートは、エ
ステル化された位置によってドープ調整用の溶媒への溶
解性が異なる。セルロースの6員環に結合している2,
3位の水酸基がエステル化される場合より、6位(−C
2 OH)の水酸基がエステル化された方が溶媒への溶
解性が向上する。本発明において6位の水酸基の置換度
をX、2,3位の水酸基の置換度の合計をYとした場
合、X≧0.7,X+Y≧2.71が好ましい。より好
ましくは、X≧0.8,X+Y≧2.73である。
【0019】[溶媒]本発明に用いることができる溶媒
は、ハロゲンを含有しないものであれば良い。代表的に
は、酢酸メチルである。その酢酸メチルは、市販品の純
度であれば、特に制限される要因はない。溶媒は、酢酸
メチルのみ(100重量%)であっても良いし、他の溶
媒を混合して使用するものでもよい。他の溶媒と酢酸メ
チルとを併用することで、調製するドープの性質(例え
ば、粘度)を調節することができる。酢酸メチルと併用
できる溶媒の例には、ケトン類(例えば、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン)、酢酸メチル以
外のエステル類(例えば、メチルホルメート、エチルア
セテート、アミルアセテート、ブチルアセテート)、エ
ーテル類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、テトラ
ヒドロフラン(以下、THFと略する)、ジエチルエー
テル、メチル−t−ブチルエーテル)、炭化水素(例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン)および
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール)が含
まれる。この場合において、炭化水素およびアルコール
類が特に好ましい。また、二種類以上の溶媒を、酢酸メ
チルと併用してもよい。さらに、本発明において、溶媒
に酢酸メチルを使用せず、前記溶媒のうち少なくとも一
つを含むものであっても良い。
【0020】[添加剤]本発明で用いることのできる添
加剤としては特に限定はない。例えば、可塑剤として、
リン酸エステル系(例えば、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホ
スフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェ
ニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート)、フタル酸エステル系
(例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタ
レート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト)、グリコール酸エステル系(例えば、トリアセチ
ン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリ
ルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレ
ート)およびその他の可塑剤を用いることができる。こ
れら添加剤は単独使用または併用してよい。望ましく
は、疎水性可塑剤を、1〜20重量%をフイルム中に含
むように調製することが望ましい。さらに、特開平11
−80381号公報、同11−124445号公報、同
11−248940号公報に記載されている可塑剤も添
加することができる。
【0021】また、ドープには、紫外線吸収剤を添加す
ることもできる。特に、好ましくは一種または二種以上
の紫外線吸収剤を含有することである。液晶用紫外線吸
収剤は、液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以
下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、液晶表示性の観点か
ら、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが
好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物,ベ
ンゾトリアゾール系化合物,サリチル酸エステル系化合
物,ベンゾフェノン系化合物,シアノアクリレート系化
合物,ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好
ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物や
ベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリア
ゾール系化合物は、セルロースエステルに対する不要な
着色が少ないことから、好ましい。さらには、特開平8
−29619号公報に記載されているベンゾトリアゾー
ル系の紫外線吸収剤、あるいは同8−239509号公
報に記載されている紫外線吸収剤も添加することができ
る。その他、公知の紫外線吸収剤を添加しても良い。こ
れら紫外線吸収剤は、フイルム中に0.001〜5重量
%を含むようにドープ中に混合することが望ましい。
【0022】好ましい紫外線防止剤として、2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール,ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリ
エチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ―tert―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−
ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−
チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N´−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ―tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5―ジ―tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス
−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に、
2,6―ジ―tert−ブチル−p−クレゾール、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5―ジ―te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−te
rt−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]が最も好ましい。また例えば、N,N
´−ビス[3−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどの
ヒドラジン系化合物の金属不活性剤やトリス(2,4−
ジ―tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどの
リン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の
添加量は、セルローストリアセテートに対して重量割合
で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000pp
mが更に好ましい。
【0023】さらに、剥離時の荷重を小さくするための
剥離促進剤も、ドープに添加してもよい。それらは、界
面活性剤が有効であり、リン酸系,スルフォン酸系,カ
ルボン酸系,ノニオン系,カチオン系などがあるが、こ
れらに特に限定されない。これらの剥離促進剤は、例え
ば特開昭61−243837号などに記載されている。
特開昭57−500833号にはポリエトキシル化リン
酸エステルが剥離促進剤として開示されている。特開昭
61−69845号には非エステル化ヒドロキシ基が遊
離酸の形であるモノまたはジリン酸アルキルエステルを
セルロースエステルに添加することにより迅速に剥離で
きることが開示されている。また、特開平1−2998
47号には非エステル化ヒドロキシル基およびプロピレ
ンオキシド鎖を含むリン酸エステル化合物と無機物粒子
を添加することにより剥離荷重が低減できることが開示
されている。
【0024】また、ドープには、離型操作を容易にする
ための離型剤を添加することもできる。離型剤には、高
融点のワックス類、高級脂肪酸およびその塩やエステル
類、シリコーン油、ポリビニルアルコール、低分子量ポ
リエチレン、植物性タンパク質誘導体などが挙げられる
が、これらに限定されない。離型剤の添加量は、フイル
ムの表面の光沢や平滑性に影響を及ぼすため、セルロー
ストリアセテートに対して0.001〜2重量%含有し
ていることが好ましい。
【0025】ドープには、フッ素系界面活性剤を添加す
ることもできる。フッ素系界面活性剤は、フルオロカー
ボン鎖を疎水基とする界面活性剤であり、表面張力を著
しく低下させるため有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止
剤として用いられる。フッ素系界面活性剤としては、C
8 17CH2 CH2 O― (CH2 CH2 O)10 −OSO
3 Na、C8 17SO2 N(C3 7 )(CH2 CH2
O)16−H、C8 17SO2 N(C3 7 )CH2 CO
OK、C7 15COONH4 、C8 17SO2N(C3
7 )(CH2 CH2 O)4 −(CH2 4 −SO3
a、C8 17SO2 N(C3 7 )−(CH2 3 −N
+ (CH3 3 ・I- 、C8 17SO2N(C3 7
CH2 CH2 CH2 + (CH3 2 −CH2 CO
- 、C8 17CH2 CH2 O(CH2 CH2 O)16
H、C8 17CH2 CH2 O(CH23 −N+ (CH
3 3 ・I- 、H(CF2 8 −CH2 CH2 OCOC
2 CH(SO3 )COOCH2 CH2 CH2 CH2
(CF2 8 −H、H(CF26 CH2 CH2 O(C
2 CH2 O)16−H、H(CF2 8 CH2 CH2
(CH2 3 −N+ (CH3 3 ・I- 、H(CF2
8 CH2 CH2 OCOCH2 CH(SO3 )COOCH
2 CH2 CH2 CH2 8 17、C9 17−C64
SO2 N(C3 7 )(CH2 CH2 O)16−H、C9
17−C6 4 −CSO2 N(C3 7 )−(CH2
3 −N+ (CH3 3 ・I- などが挙げられるが、これ
らに限定される訳ではない。フッ素系界面活性剤の添加
量は、セルローストリアセテートに対して0.002〜
2重量%含有していることが好ましい。
【0026】さらに、劣化防止剤(例えば、酸化防止
剤, 過酸化物分解剤, ラジカル禁止剤,金属不活性化
剤,酸捕獲剤,アミンなど)や紫外線防止剤をドープに
添加してもよい。これらの劣化防止剤や紫外線防止剤に
ついては、特開昭60−235852号、特開平3−1
99201号、同5−1907073号、同5−194
789号、同5−271471号、同6−107854
号、同6−118233号、同6−148430号、同
7−11056号、同7−11055号、同7−110
56号、同8−29619号、同8−239509号、
特開2000−204173号の各公報に記載がある。
これらの添加量は、調整する溶液(ドープ)の0.01
〜1重量%であることが好ましく、0.01〜0.2重
量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01重
量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認めら
れない。添加量が1重量%を超えると、フイルム表面へ
の劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められ
る場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、
ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることが
できる。
【0027】また、光学異方性をコントロールするため
のレターデーション上昇剤も、ドープに添加してもよ
い。それらは、セルローストリアセテートフイルムのレ
ターデーションを調整するため、少なくとも二つの芳香
族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤と
して使用することが好ましい。芳香族化合物は、セルロ
ーストリアセテート100重量部に対して、0.01乃
至20重量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セル
ローストリアセテート100重量部に対して、0.05
乃至15重量部の範囲で使用することが好ましく、0.
1乃至10重量部の範囲で使用することがさらに好まし
い。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香
族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、
芳香族性ヘテロ環を含む。
【0028】芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘ
テロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子
が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ
環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オ
キサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イ
ソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラ
ザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリ
ダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5
−トリアジン環が含まれる。
【0029】ドープには、フイルムの易滑性や高湿度下
での耐接着性の改良のために微粒子粉体であるマット剤
を使用することができる。マット剤の表面の突起物の平
均高さが0.005〜10μmが好ましく、より好まし
くは0.01〜5μmである。また、その突起物は表面
に多数ある程良いが、必要以上に多いとへイズとなり問
題である。使用されるマット剤としては、無機化合物、
有機化合物ともに使用可能である。無機化合物として
は、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化チタン、
硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウムなどの無機
物の微粉末があるが、さらに例えば湿式法やケイ酸のゲ
ル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタン
スラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル型
やアナタース型)等が挙げられる。また、粒径の比較的
大きい、例えば20μm以上の無機物から粉砕した後、
分級(振動ろ過、風力分級など)することによっても得
られる。有機化合物としては、ポリテトラフルオロエチ
レン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメ
チルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリ
ルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポ
リオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いはポリ弗化エチレン系
樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物もあげら
れる。あるいは又懸濁重合法で合成した高分子化合物、
スプレードライ法あるいは分散法等により球型にした高
分子化合物、または無機化合物を用いることができる。
また、微粒子粉体は、あまり多量に添加するとフイルム
の柔軟性が損なわれるなどの弊害も生じるため、セルロ
ーストリアセテートに対して0.001〜5重量%含有
していることが好ましい。
【0030】また、ドープには、必要に応じて更に種々
の添加剤を溶液の調整前から調整後のいずれかの段階で
添加してもよい。カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤などである。
【0031】[膨潤工程]始めに、前記セルローストリ
アセテート粒子と溶媒とを混合し、セルローストリアセ
テート粒子を溶媒により膨潤させる膨潤工程をおこな
う。膨潤工程の温度は、−10〜55℃であることが好
ましい。通常は室温で実施する。セルローストリアセテ
ートと溶媒との比率は、最終的に得られる溶液の濃度に
応じて決定する。一般に、混合物中のセルローストリア
セテートの量は、5〜30重量%であることが好まし
く、8〜20重量%であることがさらに好ましく、10
〜15重量%であることが最も好ましい。溶媒とセルロ
ーストリアセテートとの混合物は、セルローストリアセ
テートが充分に膨潤するまで攪拌することが好ましい。
また、膨潤工程において、溶媒とセルローストリアセテ
ート以外の成分、例えば、可塑剤、劣化防止剤、染料や
紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0032】[加熱工程]次に、上記ドープを130℃
以上に加熱する加熱工程を行う。加熱は、図1に示した
ドープ調製ラインにより行なわれる。タンク10には、
セルローストリアセテートが溶媒中で膨潤したドープが
注入されている。このドープをスクリュー押出機12に
より加熱用熱交換器13に送液する。スクリュー押出機
12には、ジャケット11が設けられており、このジャ
ケット11中には冷媒が送られ、ドープが冷却される。
次に、静止型混合器24を有する加熱用熱交換器13に
ドープが送られる。加熱用熱交換器13は、ジャケット
13aを備えており、このジャケット13a中には熱媒
が循環され、ドープは高温高圧状態にされる。この熱交
換器13での加熱温度は、130℃以上、望ましくは1
60℃以上、最も望ましくは180℃以上である。しか
しながら、250℃を超えると、ドープ中のセルロース
トリアセテートの分解が生じるため、フイルムの品質が
損なわれ、好ましくはない。この場合において、加熱速
度は、1℃/分以上であることが好ましく、2℃/分以
上であることがより好ましく、4℃/分以上であること
がさらに好ましく、8℃/分以上であることが最も好ま
しい。加熱速度は、速いほど好ましいが、10000℃
/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な
上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限であ
る。なお、加熱速度とは、加熱を開始する時の温度と最
終的な加熱温度との差を、加熱開始時から最終的な加熱
温度に達するまでの時間で割った値である。加熱は、図
示した熱交換器13以外のオートクレーブ方式、多管式
熱交換器、スクリュー押し出し機、スタチックミキサー
などを用いたいずれの方法であっても良い。
【0033】また、加熱時間は、20秒以上4時間以下
が好ましい。加熱時間が20秒に満たない場合、加熱溶
解したドープに不溶解物が残存して高品質なフイルムを
作製することができない。また、この不溶解物を濾過に
より取り除く場合でも、濾過寿命が極端に短くなること
により不利である。加熱時間の始期は、目的温度に達し
たときから測定するものとし、終期は、目的温度から冷
却を開始したときとする。なお、装置の冷却は、自然冷
却であっても良いし、強制的な冷却であっても良い。
【0034】[加圧工程]上記加熱工程において、溶液
が沸騰しないように調整された圧力下で、溶媒の大気圧
における沸点以上の温度までドープを加熱することが好
ましい。例えば、図1に示した熱交換器13に具備され
ている静止型混合器(図示しない)によって、ドープを
高温高圧状態にする。加圧することによって、ドープの
発泡を防止して、均一なドープを得ることができる。こ
の時、加圧する圧力は、加熱温度と溶媒の沸点との関係
で決定する。
【0035】[冷却工程]上記ドープを、加熱工程の前
に、−100〜−10℃に冷却する冷却工程を行うこと
も、光学的性質が良好なフイルムを得るために有効であ
る。常温で容易に溶解し得ない系と、不溶解物の多くな
る系では、冷却または加熱あるいは両者を組み合わせて
用いると、良好なドープを調製できる。冷却することに
より、セルローストリアセテート中に溶媒を急速かつ有
効に浸透せしめることができ溶解が促進される。有効な
温度条件は−100〜−10℃である。冷却工程におい
ては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉
容器を用いることが望ましい。また、冷却時に減圧する
と、冷却時間を短縮することができる。減圧を実施する
ためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。また、
この冷却工程は、上記加熱工程の後に実施することも本
発明において有効である。なお、溶解が不充分である場
合は、冷却工程から加熱工程までを繰り返して実施して
もよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液
の外観を観察して判断できる。
【0036】前記冷却工程において具体的な冷却手段と
しては、様々な方法または装置が採用できる。図1に示
したドープ調製ラインでは、熱交換器13から送り出さ
れたドープをスクリュー押出機14により冷却しつつ、
熱交換器15に送液する。スクリュー押出機14は、ジ
ャケット16とフライト17とスクリュー18とを有し
ており、ジャケット16内にはドープを冷却するために
冷媒を流通させている。熱交換器15ではドープがさら
に冷却されて、このドープ19はストックタンク20に
溜まる。
【0037】なお、図1に示したドープ調製ラインで
は、冷却工程の前に加熱工程が行なわれていたが、本発
明はその実施形態に限定されない。図2には、他の実施
形態のドープ調製ラインを示した、なお、図1と同じ部
材には同一の符号を付してある。図2に示したドープ調
製ラインでは、スクリュー押し出し器14により冷却し
たドープ19を静止型混合器24を設置した加熱用熱交
換器21に導いて高圧化で高温加熱を行なう。加熱され
たドープ19は、フラッシュバルブ22を通して大気圧
に近い圧力のフラッシュタンク23内にフラッシュされ
ることで、ドープ19の蒸発潜熱によりドープ19自身
の温度が下がり、フラッシュタンク23内にドープ19
を溜めることができる。また、ドープを冷却する際にフ
ライト17とスクリュー18との距離は、8mm以下で
あることが好ましい。また、冷却用熱交換器15内には
固体状態になったドープをかきとるためのかきとり機2
5を設けることが好ましい。かきとり機25は、1軸ス
クリュー、2軸混練機などを用いることができる。ま
た、スクリュー押出機12,14の効率を上げるため
に、スクリュー軸内にも冷媒を流通させても良い。ま
た、スクリュー押出機14や熱交換器15では、冷媒に
よりドープを冷却するが、ドープと冷媒との温度差が1
00℃以下であることが好ましく、100℃を超える温
度差がある場合には、ドープが急激に冷却されて流動性
がなくなり、液面からの伝熱速度が著しく低下する。
【0038】[溶液製造後の処理]前記加熱工程によっ
て調製されたドープは、必要に応じて濃度の調整(濃縮
または希釈)、濾過、温度調整、成分添加などの処理を
実施することができる。添加する成分は、製造されるセ
ルローストリアセテートフイルムの用途に応じて決定す
る。代表的な添加剤は、可塑剤、剥離促進剤、劣化防止
剤(例、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性
化剤、酸捕獲剤)、染料および紫外線吸収剤である。
【0039】[セルローストリアセテートフイルムの製
造]前記ドープから、溶液製膜法によって所望のセルロ
ーストリアセテートフイルムを製造する。ドープを支持
体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。
流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるよう
に濃度を調製することが好ましい。支持体表面は、鏡面
状態に仕上げておくことが好ましい。支持体としては、
ドラムまたはバンドが用いられる。ドープは、バンド支
持体上に乾燥後の厚さが80μmになるように流延す
る。この時、剪断速度500(1/秒)の剪断粘度が5
00ポアズ以下になるようにドープが調製されているこ
とが、流延ビードを安定に維持することができる観点か
ら好ましい。また、表面温度が10℃以下の支持体上に
流延することが好ましい。
【0040】最後に、支持体上のドープを乾燥するとフ
イルムが得られる。この場合において、乾燥は、2秒以
上風に当てることが好ましい。得られたフイルムを支持
体から剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温
度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させる。こ
の場合において、得られたフイルムは、エタノールと塩
化メチレンの混合溶液(混合比は、エタノール:塩化メ
チレンが10:90の重量比)に、フイルムが6重量%
となるように(以下、6%溶液と称する)調製した。こ
の6%溶液の粘度を、25℃の条件下で、オストワルド
粘度計によって測定した。この6%溶液の粘度は、通
常、落下式などの低剪断速度で測定されるために、濾過
工程などの流動性の評価指標として用いられている。粘
度が高いと濾過初期圧が高くなり結果的に濾過寿命が短
くなることを意味する。一方、高剪断粘度はダイなどの
内部流動の評価指標となる。
【0041】得られたフイルムは、偏光板保護膜として
用いることができる。この偏光板保護膜をポリビニルア
ルコールなどから形成された偏光膜の両面に貼付するこ
とで偏光板を形成することができる。さらに、フイルム
上に光学補償シートを貼付した光学補償フイルム、防眩
層をフイルム上に積層させた反射防止膜などの光機能性
膜として用いることもできる。これら製品からは、液晶
表示装置の一部を構成することも可能である。
【0042】また、本発明の溶液製膜方法は、2種類以
上のドープを調製して同時重層塗布による溶液製膜法に
も適用可能である。例えば、同時3層塗布においてフイ
ルムを形成する場合、内層用のドープにはセルロースト
リアセテートを多めに含有させ、内層の表面と裏面に形
成される外層用のドープには、比較的セルローストリア
セテートを少なめに含有させる。これらドープを同時に
3層を共流延法により塗布して形成されたフイルムは平
面性、透明性または成型加工性が良好になる。しかしな
がら本発明の溶液製膜法における共流延法は、この態様
に限定される訳ではない。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
また、各実施例および比較例において、フイルム中の不
溶解物の有無、ドープの透明度、6%溶液の粘度及び剪
断粘度についてを確認し、実施例の後に表1にまとめて
示した。
【0044】[実施例1]酢酸メチル90重量%、エタ
ノール10重量%の混合溶液を作成した。この溶液に、
セルローストリアセテート粒子(酢化度61%、80重
量%以上の粒子が0.5〜4mmの粒子径)18.5重
量部(以下、溶液に対する重量百分率を重量部と称す
る)を、トリフェニルホスフェート(以下、TPPと称
する)1.5重量部と共に、攪拌混合機に投入し、5分
間攪拌した。その後、20℃にて15分間静置したとこ
ろ、粒子の全てが膨潤した。この溶液を、窒素雰囲気に
置換されたオートクレープ内に導入した。140℃、
0.98MPaで10分間加熱した後、セルローストリ
アセテートが溶解したドープを得た。次に、このドープ
をバンド支持体上に、乾燥後の厚みが80μmになるよ
うに流延した。流延は、剪断速度が500(1/秒)に
なるように行い、この時の剪断粘度を測定した。最後
に、ドープを支持体で乾燥した後に、剥ぎ取り、さらに
130℃で30分乾燥して、サンプルフイルムを得た。
また、得られたフイルムは、エタノールと塩化メチレン
の混合溶液(エタノール:塩化メチレンが10:90の
重量比)に、フイルムが6重量%となるように(以下、
6%溶液)調製した。この溶液の粘度を、25℃の条件
下で、オストワルド粘度計によって測定した。
【0045】[比較例1] 実施例1と同様に、セルロー
ストリアセテートを膨潤させた後、加熱は120℃、
0.8MPaで10分間行った。得られたドープは、実
施例1と同様の処理を行った。
【0046】[実施例2]混合溶媒は、酢酸メチル85
重量%、エタノール5重量%、シクロヘキサノン10重
量%になるように調製した。この混合溶媒に、実施例1
と同様にセルローストリアセテートを膨潤させた後、加
熱は、170℃、2.0MPaで20分間行った。得ら
れたドープは、実施例1と同様の処理を行った。
【0047】[比較例2]実施例1と同様に、セルロー
ストリアセテートを膨潤させた後、加熱は180℃、
1.5MPaで5時間行った。得られたドープは、実施
例1と同様の処理を行った。
【0048】[実施例3]混合溶媒は、アセトン90重
量%、エタノール10重量%になるように調製した。膨
潤させる際に、TPPと共に、t−ブチルアミンを0.
5重量部を加えた後、実施例1と同様の方法により、セ
ルローストリアセテートを膨潤させた。加熱は、180
℃、2.5MPaで40分間行った。得られたドープ
は、実施例1と同様の処理を行った。
【0049】[実施例4]混合溶媒は、酢酸メチル90
重量%、メチルエチルケトン10重量%となるように調
製した。膨潤させる際に、TPPと共に、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤を0.2重量部を加え、実施例1
と同様の方法によりセルローストリアセテートを膨潤さ
せた。次に、加熱は、180℃、2.5MPaで30分
間行った。得られたドープは、実施例1と同様の処理を
行った。
【0050】[比較例3]溶媒には、酢酸メチルのみを
使用した。セルローストリアセテート24.0重量部
を、TPP1.5重量部と共に、実施例1と同様の方法
により膨潤させた。加熱は180℃、2.5MPaで5
0分間行った。得られたドープを、バンド上に流延した
が流延ビードが安定に形成できず連続流延はできなかっ
た。
【0051】[実施例5]本実施例は、コア層の両面に
外層を同時に塗布する、多層塗布を行った。混合溶媒
は、酢酸メチル80重量%、シクロヘキサノン20重量
%となるように調製した。コア層のドープは、実施例1
と同様のセルローストリアセテート粒子18.5重量部
と、TPP1.5重量部と、t−ブチルアミンを0.5
重量部を加え、実施例1と同様の方法により膨潤させ
た。コア層の両面に形成される外層のドープは、コア層
と同様のセルローストリアセテート粒子18.5重量部
と、TPP1.5重量部と、t−ブチルアミン0.5重
量部に、さらに、平均粒径0.2μmの無機粒子0.5
重量部を加え、コア層と同様の方法により膨潤させた。
加熱は、それぞれ180℃、2.5MPaで40分間お
こなった。流延は、両面外層(乾燥後それぞれ5μm)
とコア層(乾燥後70μm相当)を同時に、多層塗布を
行った。剪断粘度の測定および6%粘度の測定は、コア
層について行った。
【0052】
【表1】
【0053】表1は、上記フイルムの製造工程におけ
る、フイルム中の不溶解物、ドープの透明度、6%溶液
の粘度および剪断粘度をまとめて示した。比較例1の加
熱温度(120℃)は、実施例1の加熱温度(130
℃)より低いため、透明なドープが得られなかった。こ
れは、セルローストリアセテートが、混合溶媒中に均一
に溶解または分散する温度に達しなかったからである。
また、実施例2は、混合溶媒に、酢酸メチル、エタノー
ルおよびシクロヘキサノンを混合したものを使用した。
この場合、実施例1と同様なフイルムが得られたことが
表1から分かる。このことは、本発明の適用溶媒は、シ
クロヘキサノンなどのケトン類を複数混合したものにも
適用可能であることがわかる。
【0054】比較例2は、加熱時間を5時間まで延長し
て行っている。ドープは、褐色に着色した。これは、ド
ープの加熱時間が長いために、セルローストリアセテー
トが、徐々に変性したためである。本発明の加熱時間
は、4時間を超えるとセルローストリアセテートが変性
するため好ましくない。
【0055】実施例3は、溶媒に、酢酸メチルを使用せ
ず、溶媒に、アセトンとエタノールを重量比で90:1
0のものを使用している。また、溶液を加熱する際に、
添加剤であるt−ブチルアミンを付与している。この場
合においても、透明なドープが得られ、また製膜後のフ
イルムには不溶解物は認められなかった。すなわち、本
発明において、溶媒は、酢酸メチルに限定されず、ケト
ン類とアルコール類の混合溶媒であっても良い。また、
ドープの調製およびフイルムの製膜において、添加剤が
付与されていることは、何ら影響しないことが分かる。
また、実施例4は、溶媒には、酢酸メチルとメチルエチ
ルケトンを使用し、添加剤は、紫外線吸収剤であるベン
ゾトリアゾール系を付与した。本例においても、実施例
1と同様に、透明なドープが得られ、また、製膜後のフ
イルムには不溶解物が認められなかった。このように、
本発明の溶媒は、エステル類、アルコール類およびケト
ン類を組み合わせて使用しても良い。また、添加剤も、
可塑剤であるTPPに限定されず、t−ブチルアミンお
よび紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール類であって
も適用できる。
【0056】比較例3は、セルローストリアセテート粒
子の量を変更している。すなわち、他の例においては、
セルローストリアセテート粒子18.5重量部からドー
プを調製したが、本例では、セルローストリアセテート
粒子24.0重量部からドープの調製を試みた。しかし
ながら、本例においては、得られたドープが白濁して、
良好なフイルムが得られなかった。
【0057】実施例5は、本発明を多層塗布法に適用し
た例である。表1には、コア層の剪断粘度および6%溶
液の粘度を示した。本例においても、透明なドープが得
られ、また、製膜されたフイルム中には不溶解物は認め
られなかった。このように、本発明は、従来から行なわ
れている多層塗布法に、何ら装置を変えることなく適用
が可能である。
【0058】表1において、実施例1〜5は透明なドー
プが得られ、また、形成されたフイルム中に不溶解物が
認められなかった。この時、剪断粘度が210〜265
Pの範囲であり、かつ、6%溶液の粘度が423〜51
2cPの範囲であった。この範囲の粘性を有するドープ
は、セルローストリアセテートを溶解または分散するた
め、透明になり、かつ製膜のための流延が安定化でき
る。このドープから製膜されたフイルムには不溶解物が
存在しない。
【0059】実施例1〜5の方法で製膜したフイルム
を、偏光板保護膜とする偏光板を作成し、耐久性を評価
した。偏光板サンプルは、ポリビニルアルコールを延伸
してヨウ素を吸着させた偏光素子の両面に、ポリビニル
アルコール系接着剤により貼合して、作製した。この偏
光板サンプルを60℃、湿度90%RHの雰囲気下で5
00時間暴露した。
【0060】偏光度の評価方法は、分光光度計により可
視領域における偏光透過率Yp、直行透過率Ycを求
め、次式に基づき偏光度Pを決定する。 P=√((Yp−Yc)/(Yp+Yc))×100
(%) いずれの偏光板サンプルも、偏光度は99.6%以上で
あり、十分な耐久性が認められた。
【0061】次に、ドープを冷却溶解する際における条
件の検討実験を実施例6及び比較例4として行なった。
また、実施例7においては共流延による重層流延の実験
を行なった。これら各実験からフイルムを作成し、偏光
板を作成した。さらに、フイルムから反射防止膜を作製
してその評価も行なった。なお、以降の実験において
は、特に明記していない点は上述した実施例1と同じ方
法で実験した。
【0062】[ドープの調製]攪拌羽根を有するステン
レス性溶解タンクに、混合溶媒(酢酸メチル58重量
部、シクロペンタノン10重量部、アセトン5重量部、
メタノール5重量部、エタノール5重量部)によく攪拌
しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2
mm、置換度2.83、6位のアセチル化の置換度0.
85、2,3位の置換度1.98、粘度平均重合度32
0、含水率0.4重量%、メチレンクロライド溶液中6
重量%の粘度305mPa・s)16重量部を徐々に添
加してドープを調製した。この時、適宜添加剤も加え
た。添加剤には、可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘ
キサアセテート)3重量部、可塑剤B(トリフェニルフ
ォスフェート)3重量部、微粒子粉体(シリカ(粒径2
0nm))0.1重量部、紫外線吸収剤a:(2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5
−トリアジン0.1重量部、紫外線吸収剤b:2(2'
−ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert- ブチルフェ
ニル)−5−クロルベンゾトリアゾール0.1重量部、
紫外線吸収剤c:2(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −
ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾト
リアゾール0.1重量部、モノ(ドデシルオキシエチ
ル)リン酸エステルジカリウム塩(C1225OCH2
2 O−P(=O)−(OK)2 )0.05重量部を用
いた。粉体と添加剤とを添加した後に室温(25℃)に
て3時間、25℃で放置しセルローストリアセテートを
膨潤させた。なお、溶媒である酢酸メチルとシクロペン
タノン、アセトン、メタノール及びエタノールは、すべ
てその含水率が0.2重量%以下のものを利用した。
【0063】[実施例6]前述したドープを180℃に
加熱した後にスクリュー押し出し機で送液して、−70
℃で1.5分間となるように冷却部分を通過させた。冷
却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒(3M社製フロリ
ナート)を用いて実施した。そして、冷却により得られ
た溶液は静止型混合器(ケニックス社製スタティックミ
キサー)を設置した熱交換器により3MPaの加圧下で
180℃まで温度を上昇させ、2分間保持したのち冷媒
を流通したジャケットを設置したスクリュー型の冷却装
置により均一に冷却した。冷却条件としては、スクリュ
ーとフライトとの間隔を0.3mmとし、冷媒温度を1
00℃した。さらに静止型混合器(ケニックス社製スタ
ティックミキサー)を具備した2重管型の熱交換器に導
入し、40℃の冷媒により冷却し50℃としてステンレ
ス製タンクに移送し、50℃で30分攪拌し脱泡を行っ
た。
【0064】[比較例4]実施例6と同じく180℃に
加熱したドープを2重管式の熱交換器に導き、ジャケッ
ト部に40℃の冷媒を流通させて冷却を試みたところ、
管壁での急激な冷却のために壁面近傍のドープの粘度が
増加して流動性が著しく低下した。このためにジャケッ
トからの伝熱は著しく損なわれ配管内の中央部のみ高温
のドープが冷却されないままに通過したため、製膜可能
なドープは得られなかった。
【0065】[フイルムの作成]実施例6で調製したド
ープを絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙
(株)製、#63)で濾過した後に、さらに絶対濾過精
度0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)
にて濾過した。この濾過されたドープを50℃に加熱
し、流延ギーサーを通して鏡面ステンレス支持体上に流
延した。流延条件は特に明記しない点以外は実施例1と
同じである。支持体温度を25℃とし、流延スピードは
4 0m/minで、その塗布幅は100cmとした。乾
燥は120℃の乾燥風を送風した。2分後に鏡面ステン
レス支持体から剥ぎ取った後に110℃、10分、更に
150℃で30分乾燥して、膜厚40μmのセルロース
トリアセテートフイルムを得た。
【0066】[実施例7]実施例7においては、共流延
による重層流延法によりフイルムを製膜した。始めに、
内層用のドープの調製を行なった。内層用ドープは、攪
拌羽根を有するステンレス性溶解タンクに、混合溶媒
(酢酸メチル53重量部、シクロペンタン10重量部、
アセトン5重量部、メタノール5重量部、エタノール5
重量部)によく攪拌しつつ、セルローストリアセテート
粉体(平均サイズ2mm、置換度2.83、6位の置換
度0.90、2,3位の置換度の合計1.93、粘度平
均重合度320、含水率0.4重量%、メチレンクロラ
イド溶液中6重量%の粘度305mPa・s)6重量部
を徐々に添加して調製した。この時適宜、添加剤(可塑
剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート)3重
量部、可塑剤B(トリフェニルフォスフェート)3重量
部、微粒子粉体(シリカ(粒径20nm)0.1重量
部、紫外線吸収剤a:(2,4−ビス−(n−オクチル
チオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert
−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン0.1重
量部、紫外線吸収剤b:2(2' −ヒドロキシ−3' ,
5' −ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベ
ンゾトリアゾール0.1重量部、紫外線吸収剤c:2
(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−アミ
ルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール0.1重
量部、モノ(ドデシルオキシエチル)リン酸エステルジ
カリウム塩(C1225OCH2 CH2 O−P(=O)−
(OK)2 )0.05重量部を添加した。添加後、室温
(25℃)にて3時間、25℃にて放置しセルロースト
リアセテートを膨潤させた。なお、溶媒である酢酸メチ
ルとシクロペンタノン、アセトン、メタノール及びエタ
ノールは、すべてその含水率が0.2重量%以下のもの
を利用した。なお、後述する冷却溶解法で得られたこの
溶液の粘度は60Pa・s(45℃)であった。
【0067】次に、外層用ドープの調製を行なった。前
述した内層用ドープの組成比をセルローストリアセテー
トを13重量部、酢酸メチルを56重量部に変更した以
外は内層用ドープと同じ組成比で調製した。
【0068】さらに、内層用ドープの冷却溶解を行なっ
た。内層用ドープをスクリュー押し出し機で送液して、
−70℃で3分間となるように冷却部分を通過させた。
冷却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒(3M社製フロ
リナート)を用いて実施した。そして、冷却により得ら
れた溶液は静止型混合器を設置した熱交換器により3M
Paの加圧下で180℃まで温度を上昇させ、2分間保
持したのち冷媒を流通したジャケットを設置したスクリ
ュー型の冷却装置により均一に冷却した。冷却条件とし
ては、スクリューとフライトとの間隔が0.3mmと
し、冷媒温度を100℃した。このドープを加圧状態か
ら大気圧に急速に開放することでフラッシュさせ、54
℃としてステンレス製タンクに移送し、50℃で180
分攪拌し脱泡を行った。このように調製したポリマー溶
液を絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)
製、#63)で濾過した。さらに絶対濾過精度0.00
25mmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾過し
た。
【0069】これらのドープを、三層共流延ダイを用い
て、内層用ドープが内側に、外層用ドープが両外側にな
るように配置してハードクロム鍍金を施した金属ドラム
支持体上に同時に吐出させて重層流延した後、流延膜を
支持体から剥ぎ取り、乾燥して、本発明の三層構造のセ
ルロースアセテートフイルム積層体(内層の厚さ:76
μm、各表面層の厚さ:2μm)を製造した。
【0070】[偏光板の作製]延伸したポリビニルアル
コールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例6およ
び実施例7で作成したセルローストリアセテートフイル
ムを、その遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になるように
両側に貼り付けた。この偏光板サンプルを80℃、90
%RHの雰囲気下で500時間暴露した。
【0071】[偏光度の評価方法]分光光度計により可
視領域における並行透過率Yp、直行透過率Ycを求め
次式に基づき偏光度Pを決定した。 P=√((Yp−Yc)/(Yp+Yc))×100
(%) いずれの実施例においても偏光度は99.6%以上であ
り、十分な耐久性が認められた。
【0072】[光学補償フイルムの作製]延伸したポリ
ビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜
を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実
施例6のセルローストリアセテートフイルムを、その遅
相軸が偏光膜の透過軸と平行になるように片側に貼り付
けた。さらに実施例6のセルローストリアセテートフイ
ルムにケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着
剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。更に、光学
補償シート(富士写真フイルム(株)製WVフィル)を
同偏光板のセルロールアセテートフイルム側にその遅相
軸が互いに平行となるように粘着剤を介して貼り合わせ
た。このようにして光学補償膜を貼合した光学補償フイ
ルムを作製した。また、実施例7から作成されたセルロ
ーストリアセテートフイルムからも同じ条件で光学補償
フイルムを作成した。
【0073】実施例6のフイルムから作成した光学補償
フイルム1組をTFT(薄膜トラジスター)方式の液晶
表示装置に実装した結果、良好な視野角およびコントラ
ストを達成することができた。また、実施例7のフイル
ムから作成した光学補償フイルムについても同じ実験を
行なったところ、良好な視野角およびコントラストが達
成された。
【0074】[反射防止膜の作製]実施例6および実施
例7の条件にて製造した各フイルムを使って塗工による
反射防止膜を下記の手順により作製した。
【0075】(防眩層用塗布液Aの調製)ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフ
ェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)
125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘ
キサノン=50/50重量%の混合溶媒に溶解した。得
られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメ
チルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を
塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60
であった。さらに、この溶液に平均粒径2μmの架橋ポ
リスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて500
0rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポ
リプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液A
を調製した。
【0076】(防眩層用塗布液Bの調製)シクロヘキサ
ノン104.1g、メチルエチルケトン61.3gの混
合溶媒に、エアディスパで攪拌しながら酸化ジルコニウ
ム分散物含有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7
886A、JSR(株)製)217.0gを添加した。
この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率
は1.61であった。さらに、この溶液に平均粒径2μ
mの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、
綜研化学(株)製)5gを添加して、高速ディスパにて
5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μ
mのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗
布液Bを調製した。
【0077】(防眩層用塗布液Cの調製)ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)91g、酸化ジルコニウム分散物含有ハード
コート塗布液(デソライトKZ−7115、JSR
(株)製)199g、および酸化ジルコニウム分散物含
有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7161、J
SR(株)製)19gを、52gのメチルエチルケトン
/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶
解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)10gを加えた。この溶液
を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.6
1であった。さらに、この溶液に平均粒径2μmの架橋
ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディ
スパにて5000rpmで1時間攪拌分散した分散液2
9gを添加、攪拌した後に孔径30μmのポリプロピレ
ン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液Cを調製し
た。
【0078】(ハードコート層用塗布液Dの調製)紫外
線硬化性ハードコート組成物(デソライトKZ−768
9、72重量%、JSR(株)製)250gを62gの
メチルエチルケトンおよび88gのシクロヘキサノンに
溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化し
て得られた塗膜の屈折率は1.53であった。さらに、
この溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルター
でろ過してハードコート層の塗布液Dを調製した。
【0079】(低屈折率層用塗布液の調製)屈折率1.
42の熱架橋性含フッ素ポリマー(TN−049、JS
R(株)製)20093gにMEK−ST(平均粒径1
0〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルの
MEK分散物、日産化学(株)製)8g、およびメチル
エチルケトン100gを添加、攪拌の後に径1μmのポ
リプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗
布液を調製した。
【0080】実施例6で作製した80μmの厚さのセル
ローストリアセテートフイルム上に前記ハードコート層
用塗布液Dをバーコーターを用いて塗布し、120℃で
乾燥の後に160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400
mW/cm2 、照射量300mJ/cm2 の紫外線を照
射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコー
ト層を形成した。その上に、前記防眩層用塗布液Aをバ
ーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同条
件にて乾燥した後に紫外線硬化して、厚さ約1.5μm
の防眩層Aを形成した。さらに、その上に前記低屈折率
層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾
燥の後に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096
μmの低屈折率層を形成した。
【0081】次に実施例6のフイルムを用いて、防眩層
用塗布液Aを防眩層用塗布液Bに代え、その他の条件は
同じにした反射防止膜を作成した。さらに、防眩層用塗
布液Aを防眩層用塗布液Cに代え、その他の条件は同じ
にした反射防止膜も作成した。
【0082】実施例7のフイルムからも、防眩層用塗布
液A,B,Cを1つずつ用いて前述した反射防止膜の作
成条件を同じにしてそれぞれの反射防止膜を作成した。
【0083】[反射防止膜の評価]前述した作成方法
で、実施例6のフイルム(防眩層A,B,C)及び実施
例7のフイルム(防眩層A,B,C)から形成された6
種類の反射防止膜について以下の項目の評価を行った。
また、実施例1のフイルムからも前述した方法により反
射防止膜を作成した。なお、この反射防止膜の防眩層に
は防眩層用塗布液Aを用いた。以下の評価方法から得ら
れた結果については後に表2にまとめて示す。
【0084】(1)鏡面反射率及び色味 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーARV−474を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡
面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を
算出し、反射防止性を評価した。さらに、測定された反
射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光
に対する正反射光の色味を表わすCIE1976L*a
*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射
光の色味を評価した。
【0085】(2)積分反射率 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーILV−471を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5°における積分反射率を測定
し、450〜650nmの平均反射率を算出した。
【0086】(3)ヘイズ 得られたフイルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定
した。
【0087】(4)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60
%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規
定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて、
n=5の評価において傷が全く認められない(○)、n
=5の評価において傷が1または2つ(△)、n=5の
評価において傷が3つ以上(×)の基準で評価をして表
2中に示した。
【0088】(5)接触角測定 表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、
湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角
を測定し、指紋付着性の指標とした。
【0089】(6)動摩擦係数測定 表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩
擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿し
た後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφ
ステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/min
にて測定した値を用いた。
【0090】(7)防眩性評価 作成した防眩性フイルムにルーバーなしのむき出し蛍光
灯(8000cd/m 2 )を映し、その反射像のボケの
程度を、蛍光灯の輪郭が全くわからない(◎)、蛍光灯
の輪郭がわずかにわかる(○)、蛍光灯はぼけている
が、輪郭は識別できる(△)、蛍光灯がほとんどぼけな
い(×)の基準で評価して表2中に示した。
【0091】
【表2】
【0092】実施例6及び実施例7のフイルムから形成
された反射防止膜は、いずれも防眩性、反射防止性に優
れ、且つ色味が弱く、また、鉛筆硬度、指紋付着性、動
摩擦係数のような膜物性を反映する評価の結果も良好で
あった。また、実施例1のフイルムを用いて形成された
反射防止膜を最表層に配置した液晶表示装置を作成した
ところ、外光の映り込みがないために優れたコントラス
トが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認
性を有し、指紋付も良好であった。
【0093】
【発明の効果】本発明により、ハロゲンを含まない溶媒
を用いて、130℃以上の温度で、膨潤したセルロース
トリアセテートを処理するので、常温では溶解しがた
い、酢酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、ジオキソランなどの溶剤にセルロースト
リアセテートを効率良く溶解することができる。また、
得られたドープから形成されるセルロースアセテートフ
イルムは、優れた光学的性質や物性を有する。
【0094】さらに、このフイルムから作成される偏光
板保護膜、偏光板、光学性機能膜、液晶表示装置は、十
分な耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶液製膜方法のドープ調製ライン
の概略図である。
【図2】本発明に係る溶液製膜方法のドープ調製ライン
の他の実施形態の概略図である。
【符号の説明】
10 タンク 11,13a,16 ジャケット 12,14 スクリュー押出機 13,21 加熱用熱交換器 15 冷却用熱交換器 17 フライト 18 スクリュー 19 ドープ 20 タンク 22 フラッシュバルブ 23 フラッシュタンク 24 静止型混合器 25 かきとり機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 C08L 1/10 C08L 1/10 G02B 5/30 G02B 5/30 // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 佐藤 忠久 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 山川 一義 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 松岡 光進 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BB13 BB33 BC09 BC10 BC22 4F070 AA03 AC13 AC14 AC16 AC22 AC23 AC27 AC43 AC45 AC55 AC75 AC80 AC92 AC93 AC94 AE01 AE02 AE03 AE14 AE17 BA02 BA03 CA16 CB11 CB12 4F071 AA09 AB26 AB30 AC12 AC15 AE04 AE05 AH12 AH16 AH19 BA02 BB02 BC01 4F205 AA01 AB06 AB07 AB10 AB11 AB14 AC05 AG01 AG03 AH73 GA07 GB02 GB26 GC02 GC07 GE22 GE24 4J002 AB021 AB023 AB043 AD002 AE032 BB003 BB032 BB243 BC033 BD153 BE022 BG063 CC183 CF003 CG003 CL003 CM023 CM043 CP032 CP033 DA119 DE099 DE109 DE139 DE149 DE239 DG049 DG059 DJ019 DJ039 DJ049 EE037 EF058 EH038 EH046 EH127 EH146 ET007 EU177 EW046 EZ007 FA083 FD013 FD019 FD026 FD030 FD057 FD162 FD168 FD310 GP00 GQ00 HA05 HA07

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルローストリアセテートの分散物また
    は溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの分散物またはその溶液
    を130℃以上の温度で処理することを特徴とする溶液
    製膜方法。
  2. 【請求項2】 前記セルローストリアセテート分散物ま
    たはその溶液を、その到達最高温度において発泡させな
    いように加圧することを特徴とする請求項1に記載の溶
    液製膜方法。
  3. 【請求項3】 前記セルローストリアセテート分散物ま
    たはその溶液を130℃以上に保つ時間が20秒以上且
    つ4時間以下であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の溶液製膜方法。
  4. 【請求項4】 前記セルローストリアセテート分散物ま
    たはその溶液を、130℃以上に処理する前、または処
    理した後に、−100〜−10℃に冷却することを特徴
    とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の溶液製膜方
    法。
  5. 【請求項5】 セルローストリアセテートの分散物また
    は溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの分散物またはその溶液
    を冷却する際に、前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液の伝熱距離を8mm以下とすることを特
    徴とする溶液製膜方法。
  6. 【請求項6】 セルローストリアセテートの分散物また
    は溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの分散物またはその溶液
    を冷却する際に、前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液を壁面よりかきとる機構を具備した熱交
    換装置により冷却することを特徴とする溶液製膜方法。
  7. 【請求項7】 セルローストリアセテートの分散物また
    は溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの分散物またはその溶液
    を冷却する際に、前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液を静止型混合器を具備した熱交換装置に
    より冷却することを特徴とする溶液製膜方法。
  8. 【請求項8】 セルローストリアセテートの分散物また
    は溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの分散物またはその溶液
    を冷却する際に、前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液を壁面を隔てた冷媒との温度差が100
    ℃以下であることを特徴とする溶液製膜方法。
  9. 【請求項9】 セルローストリアセテートの分散物また
    は溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの分散物またはその溶液
    を冷却する際に、前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液をフラッシュさせることにより冷却する
    ことを特徴とする溶液製膜方法。
  10. 【請求項10】 前記セルローストリアセテートを分散
    または溶解させる溶媒が、酢酸メチル、アセトン、メチ
    ルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジオキソランのう
    ち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ない
    し9いずれか1つ記載の溶液製膜方法。
  11. 【請求項11】 前記セルローストリアセテートの酢化
    度が59.0〜62.5%であることを特徴とする請求
    項1ないし10いずれか1つ記載の溶液製膜方法。
  12. 【請求項12】 セルローストリアセテートの分散物ま
    たは溶液を用いて溶液製膜する溶液製膜方法において、 前記セルローストリアセテートの6位のアセチル基置換
    度Xが残余の置換度Yとの関係において下記(1)の関
    係を満たすことを特徴とする請求項1ないし11のいず
    れか1つに記載の溶液製膜方法。 X≧0.7、X+Y≧2.71....(1)
  13. 【請求項13】 製膜したフイルムの6%溶液の粘度が
    950センチポアズ以下であることを特徴とする請求項
    1ないし12いずれか1つ記載の溶液製膜方法。
  14. 【請求項14】 剪断速度が500(1/秒)の場合に
    おける流延時のドープの剪断粘度が500ポアズ以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし13いずれか1つ
    記載の溶液製膜方法。
  15. 【請求項15】 前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液は、疎水性可塑剤を1ないし20重量%
    含むことを特徴とする請求項1ないし14いずれか1つ
    記載の溶液製膜方法。
  16. 【請求項16】 前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液は、剥離促進剤または紫外線吸収剤のう
    ち少なくとも一つを0.001〜5重量%含むことを特
    徴とする請求項1ないし15いずれか1つ記載の溶液製
    膜方法。
  17. 【請求項17】 前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液は、劣化防止剤を0.001〜5重量%
    含むことを特徴とする請求項1ないし16いずれか1つ
    記載の溶液製膜方法。
  18. 【請求項18】 前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液は、少なくとも一種の微粒子粉体をセル
    ローストリアセテートに対して0.001〜5重量%含
    有していることを特徴とする請求項1〜17のいずれか
    1つに記載の溶液製膜方法。
  19. 【請求項19】 前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液は、少なくとも一種の離型剤をセルロー
    ストリアセテートに対して0.001〜2重量%含有し
    ていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つ
    に記載の溶液製膜方法。
  20. 【請求項20】 前記セルローストリアセテート分散物
    またはその溶液は、少なくとも一種のフッ素系界面活性
    剤をセルローストリアセテートに対して0.002〜2
    重量%含有していることを特徴とする請求項1〜19の
    いずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  21. 【請求項21】前記溶液製膜法において、流延工程で少
    なくとも1種類のセルローストリアセテートを含む2種
    類以上のセルローストリアセテート分散物またはその溶
    液を共流延することを特徴とする請求項1ないし20の
    いずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  22. 【請求項22】 請求項1ないし21のいずれか1つ記
    載の溶液製膜方法により製膜したフイルムを用いて構成
    したことを特徴とする偏光板保護膜。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし21のいずれか1つ記
    載の溶液製膜方法により製膜したフイルムを用いて構成
    したことを特徴とする偏光板。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし21のいずれか1つ記
    載の溶液製膜方法により製膜したフイルムを用いて構成
    したことを特徴とする光学機能性膜。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし21のいずれか1つ記
    載の溶液製膜方法により製膜したフイルムを用いて構成
    したことを特徴とする液晶表示装置。
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