JP2002316331A - 溶液製膜方法及び偏光板等 - Google Patents

溶液製膜方法及び偏光板等

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JP2002316331A
JP2002316331A JP2001120817A JP2001120817A JP2002316331A JP 2002316331 A JP2002316331 A JP 2002316331A JP 2001120817 A JP2001120817 A JP 2001120817A JP 2001120817 A JP2001120817 A JP 2001120817A JP 2002316331 A JP2002316331 A JP 2002316331A
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JP
Japan
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solution
dope
casting method
film
cellulose acylate
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Application number
JP2001120817A
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English (en)
Inventor
Tadahiro Tsujimoto
忠宏 辻本
Mitsuyuki Matsuoka
光進 松岡
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波照射により均一なドープを効率良
く調製し、そのドープを用いて溶液製膜方法によりフイ
ルムを製造する。 【解決手段】 セルローストリアセテートと酢酸メチル
を主溶剤とした溶媒と添加剤からなる混合物12をタン
ク11に入れる。ポンプ14により加熱用タンク16に
混合物12を送液する。混合物12を撹拌翼17で攪拌
しつつ、2450MHzのマイクロ波発生装置により、
500Wで20分照射する。混合物12からセルロース
トリアセテートが溶媒中に均一に溶解したドープが得ら
れる。ドープを冷却後、製膜ラインによりフイルムを製
造し、このフイルムから偏光板等を製造すると良好な光
学的特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液製膜方法並び
にこの方法により製膜したフイルムを用いた偏光板等に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリマーの成形には主として溶融法と溶
液法が用いられる。溶液法に用いるポリマー溶液を作成
するには、ポリマーをそのポリマーに対して高い溶解性
を有する溶媒に溶解させる方法が一般的である。例え
ば、光学機能材料などに用いられる高酢化度(酢化度5
8%以上)のセルローストリアセテートフイルムを例に
挙げると、これまでは塩化メチレンを主溶剤とした溶媒
に溶解し、これを流延してフイルムとしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら最近では
環境に有害な塩化メチレンを用いた溶液製膜法は大きな
問題となりつつある。さらに、溶剤中の水分濃度が大き
いと、フイルムの乾燥負荷が増大する上、ポリマーの経
時安定性、寸度安定性が低下する事が知られている。
【0004】そこで、酢酸メチル、アセトンなどの炭素
数4以下のアルコール類、エステル類、ケトン類、エー
テル類、カルボン酸類を主溶媒とする溶剤を用いてセル
ローストリアセテートを溶解する方法が特開平9−95
538号,同11−21379号,同11−60752
号,同11−60807号,同11−71463号の各
公報及び公開技報2001−1745などに記載されて
いる。しかし、塩化メチレンに比べこれら溶媒は溶解性
が低く、これらの溶媒とセルローストリアセテート粒子
とを混合しただけでは高濃度(10%以上)の溶液を作
成することは困難である。
【0005】この問題を解決するため、特開平9−95
544号、同9−95557号、同9−95538号の
各公報には、セルローストリアセテートと溶剤との混合
物を冷却後に加温することで溶解することが開示されて
いる。しかし本方法では組成物を−70℃という低温に
冷却する必要があり、実用上問題点が多い。
【0006】また、溶剤の沸点を超える高温で溶解する
ことも特開昭61−106628号、特開昭61−12
9031号の各公報などに記載されている。一般的にポ
リマーは、溶媒の温度が高い温度ほど溶解しやすい事が
知られている。しかしながらその加熱方法について工業
的にはタンク内の溶液をジャケットに熱媒を流通し、内
部を攪拌して伝熱させる方法や多管式熱交換器により伝
熱する方法が主流であった。そのため高温で長時間の処
理をすることにより溶媒やポリマーの分解または劣化が
生ずる恐れがある。
【0007】これらの方法においては壁面を通じての伝
導伝熱による伝熱が主体であるために効率的に伝熱する
ためには熱媒の温度は流体の到達温度よりも通常高く設
定され、その結果、必然的に壁面部にある被加熱流体
と、これより内部の被加熱流体との間には温度差が生ず
る。多管式熱交換器のような流通状態で加熱する際も壁
面部分の被加熱流体は平均以上の加熱温度、処理時間に
さらされることとなる。また、滞留部においても同様な
現象が生じ過剰な熱処理を受けた被加熱流体は分解、変
質などの劣化を生ずることが避けられなかった。
【0008】伝熱効率を高めるために回転薄膜蒸発器な
どを使う例が特開平4−302798号公報に記載され
ているが、装置が大規模になり現実的ではない。
【0009】本発明は、溶液製膜法により高品質な溶液
製膜フイルムを得るための高濃度溶液を効率的に得る方
法および装置を提供することを目的とする。また、その
溶液を用いて製膜した高品質な溶液製膜フイルムおよび
製造方法を提供することを目的とする。さらに、その溶
液製膜フイルムから偏光板等を製造することを目的とす
る、
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を検討した結
果、本発明者らは、マイクロ波の照射によって高濃度の
ポリマー溶液が作成でき、さらにこのポリマー溶液を溶
液製膜する事で高品質のポリマーフイルムを作成しうる
事を見出した。
【0011】本発明の溶液製膜方法は、ポリマーを溶媒
に溶解または分散させたドープを流延ダイから流延支持
体上に流延してフイルムを製造する溶液製膜方法におい
て、マイクロ波を照射して前記ドープを作成する。ま
た、周波数が900〜3000MHzの範囲であるマイ
クロ波を照射して、前記ドープを作成することが好まし
い。さらに、マイクロ波を直接及び/または導波管を通
じて20秒〜120分間マイクロ波を照射して前記ドー
プを作成することが好ましい。より好ましくは、30秒
〜60分間、最も好ましくは、30秒〜30分間であ
る。
【0012】また、本発明の溶液製膜方法は、前記溶媒
とポリマーとの混合物を圧力制御手段を有する配管内に
連続して流通させながら、前記マイクロ波を照射して前
記ドープを作成することが好ましい。また、前記溶媒と
ポリマーとの混合物を圧力制御手段を有する容器に入れ
て、前記マイクロ波を照射してバッチ式に前記ドープを
作成する方法でも良い。
【0013】前記ドープが、セルロースアシレート溶液
または分散物であり、かつ前記セルロースアシレートの
6位のアシル基置換度Xが残余の置換度Yとの関係にお
いて、X≧0.7,X+Y≧2.71の関係を満たすこ
とが好ましい。また、前記セルロースアシレートが、セ
ルローストリアセテートであることが好ましい。さら
に、前記セルローストリアセテートの酢化度が、59.
0〜62.5%であることがより好ましい。
【0014】前記ドープが、セルロースアシレート溶液
または分散物であって、その溶媒が酢酸メチル、ケトン
類及びアルコール類からなり、その溶媒比率が、酢酸メ
チルが20〜90重量%、ケトン類が0〜60重量%、
アルコール類が5〜30重量%であることが好ましい。
【0015】前記ドープが、セルロースアシレート溶液
または分散物であり、かつ、少なくとも一種の可塑剤を
前記セルロースアシレートに対して0.1〜20重量%
含有していることが好ましい。また、前記ドープが、セ
ルロースアシレート溶液または分散物であり、かつ、少
なくとも一種の紫外線吸収剤を前記セルロースアシレー
トに対して0.001〜5重量%含有していることが好
ましい。さらに、前記ドープが、セルロースアシレート
溶液または分散物であり、かつ、少なくとも一種の微粒
子粉体を前記セルロースアシレートに対して0.001
〜5重量%含有していることが好ましい。
【0016】前記ドープが、セルロースアシレート溶液
または分散物であり、かつ少なくとも一種の離型剤を前
記セルロースアシレートに対して0.001〜2重量%
単位含有していることが好ましい。また、前記ドープ
が、セルロールアシレート溶液または分散物であり、か
つ、少なくとも一種のフッ素系界面活性剤を前記セルロ
ースアシレートに対して0.002〜2重量%含有して
いることが好ましい。さらに、前記ドープが、セルロー
スアシレート溶液または分散物であり、かつ、少なくと
も一種の劣化防止剤を前記セルロースアシレートに対し
て0.001重量%〜5重量%含有していることが好ま
しい。
【0017】セルロースアシレート溶液または分散物を
120℃以上の温度で処理することが好ましい。この場
合に、120℃以上に保つ時間が20秒以上かつ4時間
以下であることが好ましい。また、セルロースアシレー
ト溶液または分散物をその到達最高温度において発泡さ
せないように加圧することが好ましい。さらに、セルロ
ースアシレート溶液または分散物を加熱前または加熱後
に−100〜−10℃に冷却することがより好ましい。
また、前記ドープに含まれる酢酸量が20ppm以下で
あることが好ましい。さらには、前記フイルムの6%溶
液の粘度が950cP以下であることが好ましい。
【0018】前記流延ダイから流延支持体に流延する際
に、剪断速度500(sec-1)における剪断粘度が5
00ポイズ以下であることが好ましい。また、前記流延
ダイから流延支持体に流延する際に、前記ドープの温度
が前記溶液の沸点よりも3℃以上低いことが好ましい。
さらに、前記流延支持体の表面温度が、前記溶液の沸点
よりも10℃以上低いことが好ましい。
【0019】本発明の溶液製膜方法には、前記ドープを
流延する際に、2種類以上のドープを共流延すること方
法も含まれる。また、前記フイルムを乾燥する際に、周
波数900〜3000MHzのマイクロ波を照射する溶
液製膜方法も本発明には含まれる。
【0020】前述したいずれかの溶液製膜方法で製造さ
れたフイルムも本発明には含まれる。また、そのフイル
ムを用いて構成された偏光板、偏光板保護膜、光学機能
性膜、液晶表示装置も本発明には含まれる。
【0021】
【発明の実施の形態】[ポリマー]本発明に用いるポリ
マーは、セルロースアシレートが好ましい。特に、セル
ロースアセテートが好ましく、最も好ましくは、平均酢
化度が59.0〜62.5%であるセルローストリアセ
テートである。この場合において、酢化度とは、セルロ
ース単位重量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、
ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等
の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に
従う。本発明では、セルロースアシレート粒子を使用
し、使用する粒子の90重量%以上が0.1〜4mmの
粒子径、好ましくは1〜4mmを有する。また、好まし
くは95重量%以上、より好ましくは97重量%以上、
さらに好ましくは98重量%以上、最も好ましくは99
重量%以上の粒子が0.1〜4mmの粒子径を有する。
さらに、使用する粒子の50重量%以上が2〜3mmの
粒子径を有することが好ましい。より好ましくは70重
量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ま
しくは90重量%以上の粒子が2〜3mmの粒子径を有
する。セルロースアシレートの粒子形状は、なるべく球
形に近い形状を有することが好ましい。
【0022】セルロースのモノマー単位においては、3
箇所の水酸基が酢酸とエステル化されて、アセテートを
形成する。しかしながら、セルロースアセテートは、エ
ステル化された位置によってドープ調製用の溶媒への溶
解性が異なる。セルロースの6員環に結合している2,
3位の水酸基がエステル化される場合より、6位(−C
2 OH)の水酸基がエステル化された方が溶媒への溶
解性が向上する。本発明において6位の水酸基の置換度
をX、2,3位の水酸基の置換度の合計をYとした場
合、X≧0.7,X+Y≧2.71が好ましい。より好
ましくは、X≧0.8,X+Y≧2.73である。
【0023】[溶媒]本発明に用いることができる溶媒
は、ハロゲンを含有しないものであって、ポリマーを溶
解するものであれば良い。代表的には、酢酸メチルであ
る。その酢酸メチルは、市販品の純度であれば、特に制
限される要因はない。溶媒は、酢酸メチルのみ(100
重量%)であっても良いし、他の溶媒を混合して使用す
るものでもよい。他の溶媒と酢酸メチルとを併用するこ
とで、調製するドープの性質(例えば、粘度)を調節す
ることができる。酢酸メチルと併用できる溶媒の例に
は、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなど)、酢酸メチル以外のエステ
ル類(例えば、メチルホルメート、エチルアセテート、
アミルアセテート、ブチルアセテートなど)、エーテル
類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロ
フラン(以下、THFと略する)、ジエチルエーテル、
メチル−t−ブチルエーテルなど)、炭化水素(例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンなど)お
よびアルコール類(例えば、メタノール、エタノールな
ど)が含まれる。この場合において、ケトン類およびア
ルコール類が特に好ましい。また、二種類以上の溶媒
を、酢酸メチルと併用してもよい。さらに、本発明にお
いて、溶媒に酢酸メチルを使用せず、前記溶媒のうち少
なくとも1つを含むものであっても良い。
【0024】ドープ調製用の溶媒に酢酸メチル、ケトン
類及びアルコール類を用いる場合、それらの溶媒比率
が、酢酸メチルが20〜90重量%、ケトン類が5〜6
0重量%、アルコール類が5〜30重量%であること
が、セルロースアシレートの溶解性の点から好ましい。
【0025】[添加剤]本発明で用いることのできる添
加剤としては特に限定はなく、可塑剤、紫外線吸収剤、
微粒子粉体、離型剤、フッ素系界面活性剤、劣化防止剤
などをドープに添加することができる。また、ドープの
調製時のいずれかの段階で添加しても良いし、ドープを
流延する際に添加してもよい。例えば、セルロースアシ
レートを溶媒中で膨潤させる時に添加しても良いし、後
述する製膜ラインにおいて流延ダイから流延バンド上に
流延する直前に、ドープ中に添加してスタティックミキ
サで混合する方法などでも良い。
【0026】(可塑剤)可塑剤として、リン酸エステル
系(例えば、トリフェニルフォスフェート、トリクレジ
ルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェー
ト、オクチルジフェニルフォスフェート、ジフェニルビ
フェニルフォスフェート、トリオクチルフォスフェー
ト、トリブチルフォスフェートなど)、フタル酸エステ
ル系(例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチル
フタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレー
トなど)、グリコール酸エステル系(例えば、トリアセ
チン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリ
ルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレ
ートなど)およびその他の可塑剤を用いることができ
る。これら添加剤は単独使用または併用してよい。セル
ロースアシレート溶液またはセルロースアシレート分散
物(以下の説明において、セルロースアシレート溶液と
は、セルロースアシレート溶液とセルロースアシレート
分散物の両方を含む用語として用いる)中において、可
塑剤をセルロースアシレートに対して0.1〜20重量
%含むように調製することが望ましい。さらに、特開平
11−80381号公報、同11−124445号公
報、同11−248940号公報に記載されている可塑
剤も添加することができる。
【0027】(紫外線吸収剤)ドープには、紫外線吸収
剤を添加することもできる。特に、好ましくは一種また
は二種以上の紫外線吸収剤を含有することである。液晶
用紫外線吸収剤は、液晶の劣化防止の観点から、波長3
70nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、液晶表示
性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少
ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系
化合物,ベンゾトリアゾール系化合物,サリチル酸エス
テル系化合物,ベンゾフェノン系化合物,シアノアクリ
レート系化合物,ニッケル錯塩系化合物などが挙げられ
る。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール
系化合物やベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベ
ンゾトリアゾール系化合物は、セルロースエステルに対
する不要な着色が少ないことから、好ましい。さらに
は、特開平8−29619号公報に記載されているベン
ゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、あるいは同8−23
9509号公報に記載されている紫外線吸収剤も添加す
ることができる。その他、公知の紫外線吸収剤を添加し
ても良い。これら紫外線吸収剤は、セルロースアシレー
ト溶液中にセルロースアシレートに対して0.001〜
5重量%を含むように調製することが望ましい。
【0028】好ましい紫外線防止剤として、2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール,ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリ
エチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−
ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−
チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N´−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に、
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−te
rt−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]が最も好ましい。また例えば、N,N
´−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどの
ヒドラジン系化合物の金属不活性剤やトリス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどの
リン系加工安定剤を併用してもよい。
【0029】(微粒子粉体)ドープには、フイルムの易
滑性や高湿度下での耐接着性の改良のために微粒子粉体
であるマット剤を使用することができる。マット剤の表
面の突起物の平均高さは0.005〜10μmが好まし
く、より好ましくは0.01〜5μmである。また、そ
の突起物は表面に多数ある程良いが、必要以上に多いと
へイズとなり問題である。使用されるマット剤として
は、無機化合物、有機化合物ともに使用可能である。無
機化合物としては、硫酸バリウム、マンガンコロイド、
二酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシ
ウムなどの無機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式
法やケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化
ケイ素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チ
タン(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。ま
た、粒径の比較的大きい、例えば20μm以上の無機物
から粉砕した後、分級(振動濾過、風力分級など)する
ことによっても得られる。有機化合物としては、ポリテ
トラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリス
チレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタク
リレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカー
ボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、
メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるい
はポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物
の粉砕分級物もあげられる。あるいは懸濁重合法で合成
した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等
により球型にした高分子化合物、または無機化合物を用
いることができる。また、微粒子粉体は、あまり多量に
添加するとフイルムの柔軟性が損なわれるなどの弊害も
生じるため、セルロースアシレート溶液中において、セ
ルロースアシレートに対して0.001〜5重量%含有
するように調製することが好ましい。
【0030】(離型剤)また、ドープには、離型操作を
容易にするための離型剤を添加することもできる。離型
剤には、高融点のワックス類、高級脂肪酸およびその塩
やエステル類、シリコーン油、ポリビニルアルコール、
低分子量ポリエチレン、植物性タンパク質誘導体などが
挙げられるが、これらに限定されない。離型剤の添加量
は、フイルムの表面の光沢や平滑性に影響を及ぼすた
め、セルロースアシレート溶液中において、セルロース
アシレートに対して0.001〜2重量%含有している
ことが好ましい。
【0031】(フッ素系界面活性剤)ドープには、フッ
素系界面活性剤を添加することもできる。フッ素系界面
活性剤は、フルオロカーボン鎖を疎水基とする界面活性
剤であり、表面張力を著しく低下させるため有機溶媒中
での塗布剤や、帯電防止剤として用いられる。フッ素系
界面活性剤としては、C8 17CH2 CH2 O−(CH
2 CH2 O)10−OSO3 Na、C8 17SO2 N(C
3 7 )(CH2 CH2 O)16−H、C8 17SO2
(C3 7 )CH2 COOK、C7 15COONH4
8 17SO2N(C3 7 )(CH2 CH2 O)4
(CH2 4 −SO3 Na、C8 17SO2 N(C3
7 )−(CH2 3 −N+ (CH3 3 ・I- 、C8
17SO2N(C3 7 )CH2 CH2 CH2 + (CH
3 2 −CH2 COO- 、C8 17CH2 CH2 O(C
2 CH2 O)16−H、C8 17CH2 CH2 O(CH
23 −N+ (CH3 3 ・I- 、H(CF2 8 −C
2 CH2 OCOCH2 CH(SO3 )COOCH2
2 CH2 CH2 −(CF2 8 −H、H(CF26
CH2 CH2 O(CH2 CH2 O)16−H、H(C
2 8 CH2 CH2 O(CH2 3 −N+ (CH3
3 ・I- 、H(CF2 8 CH2 CH2 OCOCH2
H(SO3 )COOCH2 CH2 CH2 CH2
8 17、C9 17−C64 −SO2 N(C3 7
(CH2 CH2 O)16−H、C9 17−C6 4 −CS
2 N(C3 7 )−(CH2 3 −N+ (CH3 3
・I- などが挙げられるが、これらに限定される訳では
ない。セルロースアシレート溶液中において、フッ素系
界面活性剤は、セルロースアシレートに対して0.00
2〜2重量%含有するように調製することが好ましい。
【0032】(剥離促進剤)さらに、剥離時の荷重を小
さくするための剥離促進剤も、ドープに添加してもよ
い。それらは、界面活性剤が有効であり、リン酸系,ス
ルフォン酸系,カルボン酸系,ノニオン系,カチオン系
などがあるが、これらに特に限定されない。これらの剥
離促進剤は、例えば特開昭61−243837号などに
記載されている。特開昭57−500833号にはポリ
エトキシル化リン酸エステルが剥離促進剤として開示さ
れている。特開昭61−69845号には非エステル化
ヒドロキシ基が遊離酸の形であるモノまたはジリン酸ア
ルキルエステルをセルロースエステルに添加することに
より迅速に剥離できることが開示されている。また、特
開平1−299847号には非エステル化ヒドロキシル
基およびプロピレンオキシド鎖を含むリン酸エステル化
合物と無機物粒子を添加することにより剥離荷重が低減
できることが開示されている。
【0033】(劣化防止剤)さらに、劣化防止剤(例え
ば、酸化防止剤, 過酸化物分解剤, ラジカル禁止剤,金
属不活性化剤,酸捕獲剤,アミンなど)や紫外線防止剤
をドープに添加してもよい。これらの劣化防止剤や紫外
線防止剤については、特開昭60−235852号、特
開平3−199201号、同5−1907073号、同
5−194789号、同5−271471号、同6−1
07854号、同6−118233号、同6−1484
30号、同7−11056号、同7−11055号、同
7−11056号、同8−29619号、同8−239
509号、特開2000−204173号の各公報に記
載がある。これらの添加量は、セルロースアシレート溶
液中において、セルロースアシレートに対して0.00
1〜5重量%含有するように調製することが好ましい。
添加量が0.001重量%未満であると、劣化防止剤の
効果がほとんど認められない。添加量が5重量%を超え
ると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト
(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣
化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン
(BHT)を挙げることができる。
【0034】(レターデーション上昇剤)また、光学異
方性をコントロールするためのレターデーション上昇剤
も、ドープに添加してもよい。それらは、セルロースア
シレートフイルムのレターデーションを調整するため、
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレタ
ーデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳
香族化合物は、セルロースアシレート100重量部に対
して、0.01〜20重量部の範囲で使用する。芳香族
化合物は、セルロースアシレート100重量部に対し
て、0.05〜15重量部の範囲で使用することが好ま
しく、0.1〜10重量部の範囲で使用することがさら
に好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよ
い。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に
加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
【0035】芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘ
テロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子
が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ
環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オ
キサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イ
ソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラ
ザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリ
ダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5
−トリアジン環が含まれる。
【0036】[ドープの調製] (膨潤工程)ドープ調製ラインを図1に示す。ドープの
調製は、前記セルロースアシレート粒子と溶媒とをタン
ク11に注入した後に混合し、セルロースアシレート粒
子を溶媒により膨潤させる膨潤工程を始めに行う。膨潤
工程の温度は、−10〜55℃であることが好ましい。
通常は室温で実施する。セルロースアシレートと溶媒と
の比率は、最終的に得られる溶液の濃度に応じて決定す
る。一般に、混合物中のセルロースアシレートの量は、
5〜30重量%であることが好ましく、8〜20重量%
であることがさらに好ましく、10〜15重量%である
ことが最も好ましい。溶媒とセルロースアシレートとの
混合物(以下、この混合物をドープ12と称する)は、
セルロースアシレートが充分に膨潤するまで撹拌翼13
で攪拌することが好ましい。また、膨潤工程において、
溶媒とセルロースアシレート以外の成分、例えば、前述
した添加剤、例えば可塑剤、劣化防止剤、染料や紫外線
吸収剤などを添加してもよい。そして、ドープ12は、
ポンプ14によりバルブ15を介して加熱用タンク16
に送液される。
【0037】(加熱工程)次に、上記ドープ12を加熱
用タンク16において120℃以上に加熱する加熱工程
を行う。加熱温度は、130℃以上が好ましく、より好
ましくは160℃以上、最も好ましくは180℃以上で
ある。しかしながら、250℃を超えると、ドープ中の
セルロースアシレートの分解が生じるため、フイルムの
品質が損なわれ、好ましくない。この場合において、加
熱速度は、1℃/分以上であることが好ましく、2℃/
分以上であることがより好ましく、4℃/分以上である
ことがさらに好ましく、8℃/分以上であることが最も
好ましい。加熱速度は、速いほど好ましいが、1000
0℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術
的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限で
ある。なお、加熱速度とは、加熱を開始する時の温度と
最終的な加熱温度との差を、加熱開始時から最終的な加
熱温度に達するまでの時間で割った値である。加熱方法
は、オートクレーブ方式、多管式熱交換器、スクリュー
押し出し機、スタティックミキサなどのいずれの方法で
あっても良い。
【0038】また、加熱時間は、20秒以上4時間以下
が好ましい。加熱時間が20秒に満たない場合、加熱溶
解したドープに不溶解物が残存して高品質なフイルムを
作成することができない。また、この不溶解物を濾過に
より取り除く場合でも、濾過寿命が極端に短くなること
により不利である。加熱時間の始期は、目的温度に達し
たときから測定するものとし、終期は、目的温度から冷
却を開始したときとする。なお、装置の冷却は、自然冷
却であっても良いし、強制的な冷却であっても良い。
【0039】(マイクロ波照射)本発明において、ドー
プ12の加熱をマイクロ波照射により行うことで、より
均一かつ効率良くドープを調製できる。この際に、ドー
プ12を撹拌翼17で撹拌しながらマイクロ波を照射す
ることが、より好ましい。マイクロ波とは、波長が非常
に短い周波数の電磁波を意味し、通常、300MHz〜
3GHzの周波数帯をいうが、はっきりと決まった周波
数帯ではない。一般にマイクロ波は、マグネトロン、ク
ライストロンなどの装置により発生させることができ
る。図1に示したマイクロ波発生装置17から発生され
るマイクロ波の周波数は、溶媒とセルロースアシレート
との両者の分子が運動しやすい周波数を選ぶことが必要
である。好ましくは、900〜3000MHzの周波数
のマイクロ波をドープに照射することである。しかしな
がら、通常は電波法やマイクロ波電子管の制約により2
450MHzの周波数のマイクロ波発生装置18が一般
的である。ただし、他の電子機器(例えば、通信装置)
などへの影響がなければ915MHzの周波数のマイク
ロ波を用いることもできる。
【0040】マイクロ波発生装置18で発生したマイク
ロ波は、導波管19を通り加熱用タンク16を照射す
る。マイクロ波の照射時間は、20秒〜120分である
ことが好ましい。20秒未満であると、加熱用タンク1
6の壁面のみが加熱されるだけで中に注入されているド
ープ12が加熱しないため好ましくない。また、120
分を超えると、フイルム製造において実用的でないばか
りでなく、ドープを構成している成分の変性を招く恐れ
があり好ましくない。また、マイクロ波の強度は、加熱
用タンク16のサイズ、ドープを構成している成分など
により決定される。なお、図1には、マイクロ波発生装
置18で発生したマイクロ波を導波管19を通して加熱
用タンク16に照射している実施形態を示したが、本発
明はこの形態に限定されない。例えば、加熱用タンク1
6とマイクロ波発生装置18とが一体として構成されて
いる加熱装置であれば、必ずしも導波管19は必要では
ない。
【0041】図1に示したドープ調製ラインでは、ドー
プの加熱をマイクロ波の照射のみで行っているが、前述
した従来の加熱方法とマイクロ波加熱法を併用すること
も可能である。この際には、従来の加熱法とマイクロ波
加熱法によるドープの加熱は、その順番はどちらでも良
い。すなわち、従来の加熱法で加熱した後にマイクロ波
加熱を行っても良いし、マイクロ波加熱の後に従来の加
熱法で加熱しても良い。さらには、従来の加熱法と同時
にマイクロ波加熱を行う方法であっても良い。
【0042】図1には、ドープ12を加熱用タンク16
に注入した後にマイクロ波を照射するいわゆるバッチ式
処理によって加熱する実施形態を示した。しかし、図2
に示すように加熱用配管24に連続的にドープ12を通
過させバルブ25で圧力を制御しながら、その加熱用配
管24に連続的にマイクロ波を照射する連続式(コンベ
アオーブン式)照射法を用いることも本発明では可能で
ある。
【0043】(加圧工程)加熱用タンク16には、ドー
プ12が発泡しないように圧力を調整する加圧装置20
が取り付けられていても良い。加圧することによって、
ドープの発泡を防止して、均一なドープを得ることがで
きる。この時、加圧する圧力は、加熱温度と溶媒の沸点
との関係で決定する。
【0044】(冷却工程)ドープ12は、加熱用タンク
16から冷却機21に送られ常温に戻される。この際、
バルブ22の開閉具合により、圧力を調整することも本
発明においてドープの調製に有効である。冷却機21で
は、光学的性質が良好なフイルムを得るためにドープ1
2を−100〜−10℃に冷却する。常温で容易に溶解
し得ない系と、不溶解物の多くなる系では、冷却または
加熱あるいは両者を組み合わせて用いると、冷却すると
セルロースアシレート中に溶媒を急速かつ有効に浸透せ
しめることができ溶解が促進されるため、良好なドープ
を調製できる。冷却工程においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器(図示しない)を用
いることが望ましい。また、冷却時に減圧すると、冷却
時間を短縮することができる。減圧を実施するために
は、耐圧性容器を用いることが望ましい。また、この冷
却工程は、加熱工程の前に実施することも本発明におい
て有効である。なお、溶解が不充分である場合は、冷却
工程から加熱工程までを繰り返して実施してもよい。溶
解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観
察して判断できる。
【0045】冷却機21の具体的な冷却手段としては、
様々な方法または装置が採用できる。例えば、冷却機2
1は、スクリュー押出し機と熱交換器とから構成されて
いるものが挙げられる。この場合、ドープ12をスクリ
ュー押出し機により冷却しつつ、熱交換器に送液する。
スクリュー押出し機は、ジャケットとフライトとスクリ
ューとを有しており、ジャケット内にはドープを冷却す
るために冷媒を流通させている。熱交換器ではドープ1
2がさらに冷却され、リザーブタンク23に溜まる。冷
却機21から送液されたドープ12をリザーブタンク2
3に溜める前に、濾過装置(図示しない)により、ドー
プ12中に残存した不純物を取り除いておくことは、以
下に説明するフイルム製膜において、良好な品質のフイ
ルムを得るために好ましい。濾過装置には、公知のいず
れの装置を利用することができる。
【0046】[フイルム製膜]図3は本発明に係る溶液
製膜方法を実施するためのセルロースアシレートフイル
ムの製膜ラインの一実施形態を示している。図1に示し
た方法により、調製されたドープ12がストックタンク
31内に供給されている。ストックタンク31内のドー
プ12は、定量ポンプ32によって一定の流量で流延ダ
イ33に送られる。この時、ドープ12は、定量ポンプ
32と流延ダイ33との間に設けられた濾過装置34に
よって不純物が除去される。なお、添加剤35が注入さ
れているタンク36から添加剤35がポンプ37により
ドープ12中に供給され、スタティックミキサ38によ
り均一化される装置を備えていても良い。
【0047】ドープ12は、流延ダイ33から流延ベル
ト39上に流延される。流延ベルト39は、ローラ4
0,41に掛け渡され、図示しない駆動装置により駆動
回転している。ドープ12は、流延時において剪断速度
500(sec-1)の剪断粘度が500ポイズ以下にな
るように調製されていることが好ましい。ドープ12の
剪断粘度が500ポイズ以下であると、ドープ12が流
延ダイ33から流延ベルト39に流延される際に形成す
る流延ビードを安定して維持できる。
【0048】また、この流延ビードを安定して維持する
ため、ドープ12の沸点より3℃以上低い温度のドープ
を流延することが、流延時に発生する皮張りの発生を抑
制する点から好ましい。さらに、流延ベルト39の温度
が、ドープ12の沸点より10℃以上低い温度に調整さ
れていると、流延ベルト39上でドープ12から溶媒が
急激に揮発して、フイルムの品質を劣化させる現象を抑
制できる。このため、流延ベルト39には、流延ベルト
温度調節装置43が取り付けられ、流延ベルト39の温
度を調整できることが好ましい。流延ベルト温度調節装
置43には、公知の装置のいずれをも利用出来るが、例
えば、ローラ40,41にヒータが内蔵されているもの
などが挙げられる。
【0049】流延ベルト39上で、徐々に溶媒が揮発す
るとフイルム44が形成される。フイルム44は、剥ぎ
取りローラ45により剥ぎ取られ、テンタ乾燥機46に
導入され、両端が保持され張力が与えられつつ乾燥す
る。さらにフイルム44は、多数のローラ47が備えら
れた乾燥ゾーン48でさらに乾燥された後に冷却ゾーン
49を通過して常温まで冷却される。その後に耳切装置
50で製品フイルム幅になるようにフイルム44の耳切
りが行われる。最後に、ナーリング付与装置51により
ナーリングとマーキングが施され、巻き取り機52でフ
イルム44は巻き取られる。
【0050】得られたフイルム44から、エタノールと
塩化メチレンの混合溶液(混合比は、エタノール:塩化
メチレン10:90の重量比)にフイルムが6重量%含
まれるような溶液(以下、6%溶液)を作成する。本発
明において、この6%溶液の25℃での粘度が950c
P以下になるように、前述したドープ調製及びフイルム
製膜を行うことが、このフイルムから後述する偏光板等
の各種製品を製造した際に、それら各製品の品質の点か
ら好ましい。
【0051】また、図3に示した実施形態においては、
テンタ乾燥機46及び多数のローラ47が備えられた乾
燥ゾーン48によってフイルム44を乾燥する製膜ライ
ンを示して説明した。しかしながら、本発明において
は、フイルム44の乾燥にマイクロ波を用いた乾燥方法
を適用することも可能である。照射するマイクロ波は、
先にドープ調製における加熱工程で説明したと同様に、
フイルム44に含まれるポリマーと溶媒との両分子が運
動しやすい周波数を選択することが必要である。本発明
においては、周波数900〜3000MHzのマイクロ
波をフイルムに照射し、フイルム中の溶媒を揮発させる
ことが好ましい。マイクロ波の強度及び照射時間は、フ
イルム表面の劣化などが生じない範囲から選択する必要
がある。
【0052】[製品]上記製膜方法で得られたフイルム
は、偏光板保護膜として用いることができる。この偏光
板保護膜をポリビニルアルコールなどから形成された偏
光膜の両面に貼付することで偏光板を形成できる。さら
に、上記フイルム上に光学補償シートを貼付した光学補
償フイルム、防眩層をフイルム上に形成した反射防止膜
などの光機能性膜として用いることもできる。これら製
品からは、液晶表示装置の一部を構成することも可能で
ある。
【0053】また、本発明の溶液製膜方法は、2種類以
上のドープを調製して同時重層塗布する共流延法にも適
用が可能である。例えば、同時3層塗布においてフイル
ムを形成する場合、内層用のドープにはセルロースアシ
レートを多めに含有させ、内層の表面と裏面に形成され
る外層用のドープには、内層用のドープと比較してセル
ロースアシレートを少なめに含有させる。これらドープ
を共流延法により塗布して形成されたフイルムは平面
性、透明性、成形加工性が良好になる。しかしながら本
発明の溶液製膜法における共流延法は、この態様に限定
されず、同時2層塗布等にも適用可能である。
【0054】
【実施例】以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。各実施例及び比較例における
セルローストリアセテート溶液(ドープ)、セルロース
トリアセテート及び得られたフイルムの化学的性質およ
び物理的性質は、以下のように測定および算出した。測
定結果については、後に表1(溶液)、表2(セルロー
ストリアセテート)及び表3(フイルム)にまとめて示
す。
【0055】[溶液の測定] (1)溶液の安定性 得られた溶液またはスラリーの状態を常温(23℃)で
静置保存したまま観察し、以下のA、B、C、Dの4段
階に評価した。 A:20日間経時でも透明性と液均一性を示す。 B:10日間経時まで透明性と液均一性を保持している
が、20日で少し白濁が見られる。 C:液作成終了時では透明性と均一な液であるが、一日
経時するとゲル化し不均一な液となる。 D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液
状態である。
【0056】(2)溶液粘度の測定方法 得られた溶液を25℃の条件下でオストワルド粘度計に
より測定した。
【0057】(3)6%粘度の測定方法 エタノールと塩化メチレンとの混合溶液(混合比は、エ
タノール:塩化メチレンを重量比で10:90に調製す
る)に、フイルムを6重量%溶解した(以下、この溶液
を6%溶液と称する)。この6%溶液の粘度を、25℃
の条件下でオストワルド粘度計によって測定した値を6
%粘度と規定する。
【0058】(4)酢酸量の測定方法 フイルムを塩化メチレンに溶解し、さらにメタノールを
加えて再沈殿を行った。上澄み液をろ過し、その上澄み
液をガスクロマトグラフィーにて測定し、酢酸量を算出
した。
【0059】[セルローストリアセテートの測定] (5)セルローストリアセテートの酢化度(%)の測定
方法 酸化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロース
トリアセテートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキ
シドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後に、所
定量の1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃
で2時間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬と
して添加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰
の水酸化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方
法により、ブランクテストを行った。そして、下記式に
従って酢化度(%)を算出した。 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、
Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、F
は1N−硫酸のファクター、Wは試料重量(g)を示
す。
【0060】(6)セルローストリアセテートの平均分
子量の測定方法 ゲル濾過カラムに、屈折率、光散乱を検出する検出器を
接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GPC
−LALLS)を用い、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)を測定した。測定条件は以下にまとめ
て示す。 溶媒:メチレンクロリド カラム:GMH×1(東ソー(株)製) 試料濃度:0.1w/v% 流量:1ml/min 試料注入量:300μl 標準試料:ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,2
00) 温度:23℃
【0061】(7)セルローストリアセテートの粘度平
均重合度(DP)の測定方法 絶乾したセルローストリアセテート約0.2gを精秤
し、メチレンクロリド:エタノール=9:1(重量比)
の混合溶媒100mlに溶解した。これをオストワルド
粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、平均重合度(D
P)を以下の式により求めた。 ηrel =T/T0 [η]=ln(ηrel )/C DP=[η]/Km 上記式中で、Tは測定試料の落下秒数、T0は溶剤単独
の落下秒数、Cは試料濃度(g/l)、Kmは定数(6
×10-4)をそれぞれ示している。
【0062】[フイルムの測定] (8)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の4段階に評
価した。 A:フイルム表面は平滑である。 B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られ
る。 C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がは
っきり観察される。 D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0063】(9)フイルムの耐湿熱性 試料1gを折り畳んで15ml容量のガラス瓶に入れ、
温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密
閉した。これを90℃で経時して10日後に取り出し
た。フイルムの状態を目視で確認し、以下の4段階に判
定をした。 A:特に異常が認められない B:かすかな分解臭が認められる C:かなりな分解臭が認められる D:分解臭と分解による形状の変化が認められる
【0064】(10)フイルムのレターデーション(R
e)値の測定方法 エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製
作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける
フイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーショ
ン値を求めた。
【0065】(11)フイルムのヘイズの測定方法 ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0066】[実施例1] (1−1)セルローストリアセテート溶液の作成 下記の組成でセルローストリアセテート溶液を作成し
た。下記の溶媒をあらかじめ混合した溶液に、よく攪拌
しつつセルローストリアセテート粉体(平均サイズ2m
m)を徐々に添加した。添加後、室温(25℃)で3時
間放置したところ不均一なゲル状物が得られた。 セルローストリアセテート(平均酢化度59.7%、粘度平均重合度300) 13重量部 酢酸メチル 68重量部 エタノール 12.8重量部 ブタノール 4.3重量部 トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェニルフォスフェートの1:2混 合物 1.6重量部 シリカ(粒径20nm) 0.1重量部 2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t ert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン 0.2重量部 溶剤として用いた酢酸メチル、エタノール、ブタノール
中の水分含量はいずれも0.5%以下であった。
【0067】溶解方法は、得られた不均一なゲル状物を
ガラス製耐圧容器に入れ、良く攪拌しつつ、2450M
Hzのマイクロ波発生装置により、500Wで20分照
射した。マイクロ波照射停止後、攪拌を継続しつつ内温
を50℃とした。このような方法で50℃のポリマー溶
液(S−1)を得た。
【0068】次に得られたポリマー溶液を50℃で、絶
対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#
63)で濾過し、さらに絶対濾過精度0.0025mm
の濾紙(ポール社製、FH025)で濾過した。
【0069】(1−2)セルローストリアセテートフイ
ルムの作成 (1−1)で作成したセルローストリアセテート溶液
を、ガラス板上に乾燥膜厚が80μmになるように流延
した。乾燥は70℃で3分、130℃で5分した後に、
ガラス板からフイルムを剥ぎ取り、そして140℃、3
0分で段階的に乾燥して溶剤を蒸発させセルローストリ
アセテートフイルム(F−1)を得た。
【0070】[実施例2]酢酸メチルを同重量のアセト
ンに変更した以外は実施例1と同一条件でポリマー溶液
(S−2)を作成した。さらにこのポリマー溶液から実
施例1と同一条件でフイルム(F−2)を作成した。
【0071】[実施例3]サンプルを−70℃の冷凍庫
に12時間保冷した後に、マイクロ波を照射して50℃
に加温して溶液(S−3)を作成した。他の条件は実施
例1と同一条件で行った。さらにこの溶液から実施例1
と同一条件でフイルム(F−3)を作成した。
【0072】[実施例4]サンプルを−70℃の冷凍庫
に12時間保冷した後に、マイクロ波を照射して50℃
に加温して溶液(S−4)を作成した。他の条件は実施
例2と同一条件で行った。さらにこの溶液から実施例2
と同一条件でフイルム(F−4)を作成した。
【0073】[比較例1−1]マイクロ波照射をしない
以外は実施例1と同一条件でポリマー溶液の作成を試み
たが、ゲル状物であり溶液は得られなかった。
【0074】[比較例1−2]マイクロ波照射をしない
以外は実施例2と同一条件でポリマー溶液の作成を試み
たが、ゲル状物であり溶液は得られなかった。
【0075】フイルム(F−1)を用いてWVフイルム
(ワイドビューフィルム:視野角拡大を可能としたフィ
ルム)を作成した。このWVフイルムをLCDに組み込
んだところ、視野角の拡大が確認できた。
【0076】[実施例5]下記の組成比でセルロースト
リアセテート溶液を作成した。下記の溶媒をあらかじめ
混合した溶液に、よく攪拌しつつセルローストリアセテ
ート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加した。添加
後、室温(25℃)で3時間放置したところ、ゲル状物
が得られた。 セルローストリアセテート(平均酢化度60.9%、粘度平均重合度300) 13重量部 酢酸メチル 68重量部 アセトン 7.6重量部 メタノール 5重量部 ブタノール 4.3重量部 トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェニルフォスフェートの1:2混 合物 1.6重量部 シリカ(粒径20nm) 0.1重量部 2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t ert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン 0.2重量部 ベンゾトリアゾール系UV吸収剤 0.2重量部
【0077】溶解方法は、得られた不均一なゲル状物を
ガラス製耐圧容器に入れ、窒素ガスにより容器内の圧力
が常時2Mpaに保ちつつ良く攪拌しつつ、2450M
Hzのマイクロ波発生装置により、2500Wで40分
照射した。マイクロ波照射停止後、攪拌を継続しつつ内
温を170℃とした。このような方法で50℃のポリマ
ー溶液(T−1)を得た。このポリマー溶液(T−1)
から実施例1と同一の条件で製膜し、サンプルフイルム
(F−5)を得た。ポリマー溶液(T−1)中の酢酸濃
度は20ppm以下であった。
【0078】[比較例2]加熱方法がマイクロ波を照射
する代わりに容器の外部に設けられた電気ヒータにより
加熱する以外は実施例5と同一条件でポリマー溶液(T
−2)を得た。容器を加熱して内部の溶液の温度を短時
間で170℃にするためには容器の壁面温度を200℃
まで上昇させる必要があった。ポリマー溶液(T−2)
からは150ppmの酢酸が検出されポリマー溶液中の
成分の劣化が生じたことが判った。
【0079】[比較例3]実施例1と同条件の組成によ
り、マイクロ波を用いずに比較例2と同様な加熱方法に
より溶解した。その結果、ポリマー溶液から120pp
mの酢酸が検出された。
【0080】[比較例4]実施例2と同条件の組成によ
り、マイクロ波を用いずに比較例2と同様な加熱方法に
より溶解した。その結果、ポリマー溶液から180pp
mの酢酸が検出された。
【0081】[実施例6]実施例2と同一組成の成分を
溶媒中に分散させた後に、ガラス製耐圧容器に入れる代
わりにガラス製の耐圧配管に流通させながら2450M
Hzのマイクロ波発生装置により、マイクロ波を20分
間照射した。この際、配管内の圧力を2Mpaに保持し
た。このように加熱溶解したポリマー溶液をジャケット
配管により連続的に冷却して50℃の溶液を得た。この
ポリマー溶液(T−3)を用いて、実施例1と同一条件
で製膜し、サンプルフイルム(F−6)を得た。ポリマ
ー溶液(T−3)の酢酸の量は20ppm以下であっ
た。
【0082】[実施例7]実施例5の実験で得られたポ
リマー溶液(T−3)を温度120℃でフラッシュ法に
より、固形分濃度を20重量%まで濃縮した。この溶液
をポリマー溶液(T−4)とした。ポリマー溶液(T−
4)の50℃における6%粘度は450cPであり、剪
断速度500(sec-1)における粘度は250ポイズ
であった。また、ポリマー溶液(T−4)の酢酸量は2
0ppm以下であった。このポリマー溶液(T−4)を
35℃の支持体上に流延製膜して剥ぎ取り、実施例1と
同一条件で乾燥を行いフイルムサンプル(F−7)を得
た。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】上記の各表に示したように、本発明の実施
例1から7によれば、安定性の高いセルローストリアセ
テート溶液が製造でき、この溶液中のセルローストリア
セテートは問題のない物性を有していた。また、これら
溶液より作成したフイルムは、良好な性能を有している
ことがわかった。一方、比較例1−1,1−2の組成物
はゲル状物であり、フイルムを作成できなかった。ま
た、比較例2から4の溶液中のセルローストリアセテー
トは、酢化度,分子量,重合度の低下が認めら、さらに
は、酢酸量が100ppmを超えていた。これより製造
したフイルムには、面状,耐湿熱性に問題があった。ま
た、Re値やヘイズもやや高めであり、透過度の低下も
認められた。
【0087】[偏光板の作成方法]偏光板サンプルはポ
リビニルアルコールを延伸してヨウ素を吸着させた偏光
素子の両面に、各実施例で得られたフイルムをポリビニ
ルアルコール系接着剤により貼合し作成した。この偏光
板サンプルを60℃、90%RHの雰囲気下で500時
間暴露した。
【0088】[偏光度の評価方法]分光光度計により可
視領域における並行透過率Yp、直行透過率Ycを求め
次式に基づき偏光度Pを決定した。 P=√((Yp−Yc)/(Yp+Yc))×100 (%) フイルムサンプル(F−1)〜(F−7)のいずれにお
いても偏光度は99.6%以上であり、十分な耐久性が
認められた。
【0089】[反射防止膜の作成方法]さらに、フイル
ム(F−6)及び(F−7)を使って塗工による反射防
止膜を下記の手順により作成した。
【0090】(防眩層用塗布液Aの調製)ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフ
ェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)
125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘ
キサノン=50/50重量%の混合溶媒に溶解した。得
られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメ
チルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を
塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60
であった。
【0091】さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポ
リスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)10gを添加して、高速ディスパで5000
rpm、1時間攪拌および分散した後に、孔径30μm
のポリプロピレン製フィルターで濾過して防眩層の塗布
液Aを調製した。
【0092】(防眩層用塗布液Bの調製)シクロヘキサ
ノン104.1g、メチルエチルケトン61.3gの混
合溶媒に、エアディスパで攪拌しながら酸化ジルコニウ
ム分散物含有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7
886A、JSR(株)製)217.0g、を添加し
た。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈
折率は1.61であった。さらにこの溶液に平均粒径2
μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200
H、綜研化学(株)製)5gを添加して、高速ディスパ
で5000rpm、1時間攪拌および分散した後に、孔
径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して防
眩層の塗布液Bを調製した。
【0093】(防眩層用塗布液Cの調製)ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)91g、酸化ジルコニウム分散物含有ハード
コート塗布液(デソライトKZ−7115、JSR
(株)製)199g、および酸化ジルコニウム分散物含
有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7161、J
SR(株)製)19gを、52gのメチルエチルケトン
/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶
解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)10gを加えた。この溶液
を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.6
1であった。さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポ
リスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディ
スパで5000rpm、1時間攪拌および分散した後に
分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリ
プロピレン製フィルターで濾過して防眩層の塗布液Cを
調製した。
【0094】(ハードコート層用塗布液Dの調製)紫外
線硬化性ハードコート組成物(デソライトKZ−768
9、72重量%、JSR(株)製)250gを62gの
メチルエチルケトンおよび88gのシクロヘキサノンに
溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化し
て得られた塗膜の屈折率は1.53であった。さらにこ
の溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで
濾過してハードコート層の塗布液Dを調製した。
【0095】(低屈折率層用塗布液の調製)屈折率1.
42の熱架橋性含フッ素ポリマー(TN−049、JS
R(株)製)20093gにMEK−ST(平均粒径1
0〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルの
MEK分散物、日産化学(株)製)8g、およびメチル
エチルケトン100gを添加、攪拌の後、孔径1μmの
ポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用
塗布液を調製した。
【0096】実施例6で作成した80μmの厚さのセル
ローストリアセテートフイルム(F−6)に上記のハー
ドコート層用塗布液Dをバーコーターを用いて塗布し、
120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハラ
イドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、
照度400mW/cm2 、照射量300mJ/cm2
紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmの
ハードコート層を形成した。その上に上記防眩層用塗布
液Aをバーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート
層と同一条件で乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μ
mの防眩層を形成した。さらに、その上に上記低屈折率
層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾
燥の後、さらに120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.
096μmの低屈折率層を形成した。
【0097】次に実施例6のフイルム(F−6)を用い
て、防眩層用塗布液Aを防眩層用塗布液Bに代え、その
他の条件は同じにした反射防止膜を作成した。さらに、
防眩層用塗布液Aを防眩層用塗布液Cに代え、その他の
条件は同じにした反射防止膜も作成した。
【0098】実施例7のフイルム(F−7)からも、防
眩層用塗布液A,B,Cを1つずつ用いて前述した反射
防止膜の作成条件を同じにしてそれぞれの反射防止膜を
作成した。
【0099】[反射防止膜の評価方法]前述した作成方
法で、実施例6のフイルム(F−6)に防眩層A,B,
Cをそれぞれ塗工した反射防止膜及び実施例7のフイル
ム(F−7)に防眩層A,B,Cをそれぞれ塗工した反
射防止膜、合計6種類の反射防止膜について以下の項目
の評価を行った。以下の評価方法から得られた結果につ
いては後に表4にまとめて示す。
【0100】(1)鏡面反射率及び積分反射率 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーARV−474を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡
面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を
算出し、反射防止性を評価した。鏡面反射率は、1.5
%以下であれば、実用上問題がない。また、積分反射率
は、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダ
プターILV−471を装着して、380〜780nm
の波長領域において、入射角5°における積分反射率を
測定し、450〜650nmの平均反射率を算出した。
積分反射率は、1.5%以下であれば、実用上問題がな
い。
【0101】(2)色味 さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光
源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表わす
CIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、
b*値を算出し、反射光の色味を評価した。色味は、そ
れぞれの空間においてL*が0〜15、a*が0〜+2
0、b*が−30〜0であれば、実用上問題がない。
【0102】(3)ヘイズ 得られたフイルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定
した。ヘイズは、15%以下であれば実用上問題はな
い。
【0103】(4)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60
%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規
定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重で、n
=5の評価において傷が全く認められない(○)、n=
5の評価において傷が1または2つ(△)、n=5の評
価において傷が3つ以上(×)と評価を行った。
【0104】(5)接触角測定 表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、
湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角
を測定し、指紋付着性の指標とした。接触角は、90〜
180°であれば実用上問題がない。
【0105】(6)動摩擦係数測定 表面滑り性の指標として動摩擦係数で評価した。動摩擦
係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した
後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφス
テンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minで
測定した値を用いた。動摩擦係数は、0.15以下であ
れば実用上問題が生じない。
【0106】(7)防眩性評価 作成した防眩性フイルムにルーバーなしのむき出し蛍光
灯(8000cd/m 2 )を映し、その反射像のボケの
程度を、蛍光灯の輪郭が全くわからない(◎)、蛍光灯
の輪郭がわずかにわかる(○)、蛍光灯はぼけている
が、輪郭は識別できる(△)、蛍光灯がほとんどぼけな
い(×)の基準で評価した。
【0107】
【表4】
【0108】反射防止膜の評価の結果を示した表4から
実施例6のフイルム(F−6)、実施例7のフイルム
(F−7)を用いて作成した反射防止膜は、防眩性、反
射防止性に優れ、かつ色味が弱く、また、鉛筆硬度、指
紋付着性、動摩擦係数のような膜物性を反映する評価の
結果も良好であった。
【0109】次に、実施例1のフイルム(F−1)を用
いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用
いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作成
したところ、外光の映り込みがないために優れたコント
ラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた
視認性を有し、指紋付も良好であった。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明の溶液製膜方法に
よれば、ドープを作成する際にマイクロ波を照射して溶
液を作成するので、均一かつ効率よくポリマーと溶媒と
の混合物の加熱が可能となり、作成した溶液は均一で透
明になり、濾過性も向上する。このドープをから溶液製
膜方法で製造されたフイルムを用いて構成された偏光
板、偏光板保護膜、光学機能性膜、液晶表示装置は、光
学機能材料として高品質のものが得られる。さらには、
これら光学機能材料を用いたフラットパネルディスプレ
イが高い有用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドープ調製ラインの実施形態を示
した図である。
【図2】本発明に係るドープ調製ラインの他の実施形態
の要部を示した図である。
【図3】本発明に係るフイルム製造ラインを示した図で
ある。
【符号の説明】
11 タンク 12 ドープ 13,17 撹拌翼 14,32,37 ポンプ 15,22,25 バルブ 16 加熱用タンク 18 マイクロ波発生装置 19 導波管 20 加圧装置 21 冷却機 23 リザーブタンク 24 加熱用配管 31,36 タンク 33 流延ダイ 34 濾過装置 35 添加剤溶液 38 スタティックミキサ 39 流延ベルト 40,41 ローラ 43 流延ベルト温度調節装置 44 フイルム 45 剥ぎ取りローラ 46 テンタ乾燥機 47 ローラ 48 乾燥ゾーン 49 冷却ゾーン 50 耳切装置 51 ナーリング付与装置 52 巻き取り機
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02B 5/30 // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BB13 BB33 BB49 BB65 BC09 4F205 AA01 AB06 AB07 AB10 AB11 AC05 AH73 AR17 GA07 GB02 GB26 GC07 GE24 GE25 GF02 GF24 4J002 AB021 AB022 AD003 AE033 BB012 BB033 BC032 BC072 BD122 BD152 BE023 BG042 BG052 BG062 CC182 CC192 CF002 CG002 CL002 CM042 CP032 CP033 DE097 DE137 DG047 DG057 DJ017 DJ037 DJ047 EE036 EF058 EH018 EH076 EH126 EU176 EZ006 FD012 FD017 FD030 FD056 FD163 FD168 FD319 GQ00

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーを溶媒に溶解または分散させた
    ドープを流延ダイから流延支持体上に流延してフイルム
    を製造する溶液製膜方法において、 マイクロ波を照射して前記ドープを作成することを特徴
    とする溶液製膜方法。
  2. 【請求項2】 周波数が900〜3000MHzの範囲
    であるマイクロ波を照射して、前記ドープを作成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶液製膜方法。
  3. 【請求項3】 マイクロ波を直接及び/または導波管を
    通じて20秒〜120分間マイクロ波を照射して前記ド
    ープを作成することを特徴とする請求項1または2に記
    載の溶液製膜方法。
  4. 【請求項4】 前記溶媒とポリマーとの混合物を圧力制
    御手段を有する配管内に連続して流通させながら、前記
    マイクロ波を照射して前記ドープを作成することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の溶液製
    膜方法。
  5. 【請求項5】 前記溶媒とポリマーとの混合物を圧力制
    御手段を有する容器に入れて、前記マイクロ波を照射し
    てバッチ式に前記ドープを作成することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  6. 【請求項6】 前記ドープが、セルロースアシレート溶
    液または分散物であり、かつ前記セルロースアシレート
    の6位のアシル基置換度Xが残余の置換度Yとの関係に
    おいて下記(1)の関係を満たすことを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。 X≧0.7,X+Y≧2.71 (1)
  7. 【請求項7】 前記セルロースアシレートが、セルロー
    ストリアセテートであることを特徴とする請求項6に記
    載の溶液製膜方法。
  8. 【請求項8】 前記セルローストリアセテートの酢化度
    が、59.0〜62.5%であることを特徴とする請求
    項7に記載の溶液製膜方法。
  9. 【請求項9】 前記ドープが、セルロースアシレート溶
    液または分散物であって、その溶媒が酢酸メチル、ケト
    ン類及びアルコール類からなり、その溶媒比率が、酢酸
    メチルが20〜90重量%、ケトン類が0〜60重量
    %、アルコール類が5〜30重量%であることを特徴と
    する請求項6ないし8のいずれか1つに記載の溶液製膜
    方法。
  10. 【請求項10】 前記ドープが、セルロースアシレート
    溶液または分散物であり、かつ、少なくとも一種の可塑
    剤を前記セルロースアシレートに対して0.1〜20重
    量%含有していることを特徴とする請求項6ないし9の
    いずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  11. 【請求項11】 前記ドープが、セルロースアシレート
    溶液または分散物であり、かつ、少なくとも一種の紫外
    線吸収剤を前記セルロースアシレートに対して0.00
    1〜5重量%含有していることを特徴とする請求項6な
    いし10のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  12. 【請求項12】 前記ドープが、セルロースアシレート
    溶液または分散物であり、かつ、少なくとも一種の微粒
    子粉体を前記セルロースアシレートに対して0.001
    〜5重量%含有していることを特徴とする請求項6ない
    し11のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  13. 【請求項13】 前記ドープが、セルロースアシレート
    溶液または分散物であり、かつ少なくとも一種の離型剤
    を前記セルロースアシレートに対して0.001〜2重
    量%含有していることを特徴とする請求項6ないし12
    のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  14. 【請求項14】 前記ドープが、セルロールアシレート
    溶液または分散物であり、かつ、少なくとも一種のフッ
    素系界面活性剤を前記セルロースアシレートに対して
    0.002〜2重量%含有していることを特徴とする請
    求項6ないし13のいずれか1つに記載の溶液製膜方
    法。
  15. 【請求項15】 前記ドープが、セルロースアシレート
    溶液または分散物であり、かつ、少なくとも一種の劣化
    防止剤を前記セルロースアシレートに対して0.001
    重量%〜5重量%含有していることを特徴とする請求項
    6ないし14のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  16. 【請求項16】 セルロースアシレート溶液または分散
    物を120℃以上の温度で処理することを特徴とする請
    求項6ないし15のいずれか1つに記載の溶液製膜方
    法。
  17. 【請求項17】 120℃以上に保つ時間が20秒以上
    かつ4時間以下であることを特徴とする請求項16に記
    載の溶液製膜方法。
  18. 【請求項18】 セルロースアシレート溶液または分散
    物をその到達最高温度において発泡させないように加圧
    することを特徴とする請求項6ないし17のいずれか1
    つに記載の溶液製膜方法。
  19. 【請求項19】 セルロースアシレート溶液または分散
    物を加熱前または加熱後に−100〜−10℃に冷却す
    ることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1
    つに記載の溶液製膜方法。
  20. 【請求項20】 前記ドープに含まれる酢酸量が20p
    pm以下であることを特徴とする請求項1ないし19の
    いずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  21. 【請求項21】 前記フイルムの6%溶液の粘度が95
    0cP以下であることを特徴とする請求項1ないし20
    のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  22. 【請求項22】 前記流延ダイから流延支持体に流延す
    る際に、剪断速度500(sec-1)における剪断粘度
    が500ポイズ以下であることを特徴とする請求項1な
    いし21のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  23. 【請求項23】 前記流延ダイから流延支持体に流延す
    る際に、前記ドープの温度が前記溶液の沸点よりも3℃
    以上低いことを特徴とする請求項1ないし22のいずれ
    か1つに記載の溶液製膜方法。
  24. 【請求項24】 前記流延支持体の表面温度が、前記溶
    液の沸点よりも10℃以上低いことを特徴とする請求項
    1ないし23のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  25. 【請求項25】 前記ドープを流延する際に、2種類以
    上のドープを共流延することを特徴とする請求項1ない
    し24のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  26. 【請求項26】 前記フイルムを乾燥する際に、周波数
    900〜3000MHzのマイクロ波を照射することを
    特徴とする請求項1ないし25のいずれか1つに記載の
    溶液製膜方法。
  27. 【請求項27】 請求項1ないし26のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法で製造されたフイルム。
  28. 【請求項28】 請求項1ないし26のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法で製造されたフイルムを用いて構成
    されたことを特徴とする偏光板。
  29. 【請求項29】 請求項1ないし26のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法で製造されたフイルムを用いて構成
    されたことを特徴とする偏光板保護膜。
  30. 【請求項30】 請求項1ないし26のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法で製造されたフイルムを用いて構成
    されたことを特徴とする光学機能性膜。
  31. 【請求項31】 請求項1ないし26のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法で製造されたフイルムを用いて構成
    されたことを特徴とする液晶表示装置。
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