JP2002103357A - 溶液製膜方法及び偏光板等 - Google Patents

溶液製膜方法及び偏光板等

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JP2002103357A
JP2002103357A JP2001067038A JP2001067038A JP2002103357A JP 2002103357 A JP2002103357 A JP 2002103357A JP 2001067038 A JP2001067038 A JP 2001067038A JP 2001067038 A JP2001067038 A JP 2001067038A JP 2002103357 A JP2002103357 A JP 2002103357A
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casting
solution
dope
film
cellulose acylate
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JP2001067038A
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Inventor
Tadahiro Tsujimoto
忠宏 辻本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光板の保護膜等を製造する溶液製膜方法に
おいて、ドープが発泡することなく、乾燥膜の流延支持
体からの剥離性が良好で、かつ、平面性も良好できるよ
うにする。 【解決手段】 ミキシングタンク11は、送液ポンプ1
2及びフィルタ13を介して流延ダイ14に連結されて
いる。流延バンド15は流延部側回転ドラム16及び非
流延部側回転ドラム17に巻き掛けられており、また、
流延部側回転ドラム16と非流延部側回転ドラム17と
の間にはガイドロール18が複数設けられている。流延
ダイ14と流延バンド15とは、その距離の変動幅が5
00μm以下になるように取り付けられているため、ド
ープが均一に流延されて平面性が良好なフイルム23が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液製膜方法並び
にこの方法により製膜したフイルムを用いた偏光板等に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロースエステル(セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート及びセルロース
アセテートプロピオネートが含まれ)フイルムは、透明
性がよく、機械的強度が大きく、かつ、湿度の変化及び
熱にともなう寸法変動が小さい(寸法安定性がよい)の
で、写真感光材料、偏光板の保護膜などに広く用いられ
ている。
【0003】このようなセルロースエステルフイルム
は、溶液製膜方法により製造されており、この溶液製膜
方法は、ドープ(有機溶媒に溶かしたポリマー溶液)を
流延ダイから、鏡面仕上げを施した金属から成る流延支
持体、例えば、流延バンド、流延ドラム上に流延し、そ
の後乾燥固化して剥ぎ取ることにより製膜するものであ
る。
【0004】このような溶液製膜方法においては、流延
支持体上のドープの乾燥時間を短縮することが、流延速
度を上げるために必要である。流延支持体上のドープの
乾燥時間を短縮する方法として、従来、乾燥風量を増加
させたり、乾燥風温度を上昇させたりすることが行われ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾燥風
量を増加させたり、乾燥風温度を上昇させたりすると、
支持体温度が上昇し、流延ドープの端部に発泡が起こ
り、結果的に流延支持体からの剥離不良が発生するもの
であった。
【0006】また、極度に乾燥風量を増加させると、流
延直後の面状が悪化し、その結果、製品として平面性が
悪化するものであった。
【0007】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたもので、ドープが発泡することなく、乾燥膜の
流延支持体からの剥離性が良好で、かつ、平面性も良好
な溶液製膜方法及び溶液製膜装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究し、ドープ端部の蒸気圧が上昇
することにより、ドープ端部に発泡が発生することを見
出した。そして、さらに鋭意研究し、ドープ端部の蒸気
圧が上昇しない方法を見出し、本発明を完成させたもの
である。
【0009】すなわち、本発明による溶液製膜方法は、
流延ダイより流延支持体上にドープを流延してフイルム
を製造する方法において、該流延支持体温度の幅方向分
布を均一にすることを特徴として構成されている。
【0010】本発明の溶液製膜方法においては、流延支
持体の幅方向の温度を均一にしており、ドープが流延さ
れた部分と流延されていない部分との温度差を小さくす
ることにより、ドープ端部における蒸発を防止してい
る。
【0011】また、流延ダイの先端と流延支持体との間
の距離の変動が500μm以下であることが好ましい。
【0012】流延ダイの先端と流延支持体との間の距離
の変動率、流延ドープの送液量の変動率、流延支持体の
移動速度の変動率、および流延リボン前後の圧力差の変
動率がいずれも2%以下であることが好ましい。また、
前記ドープの流延後からフイルム巻取りまでの間に、流
延ダイの先端と流延支持体との間の距離の変動値、流延
ドープの送液量の変動値、流延支持体の移動速度の変動
値、および流延リボン前後の圧力差の変動値の少なくと
も1つの変動値を検出し、この変動値に基づき変動を抑
えることが好ましい。
【0013】本発明は、前記ドープがセルロースアシレ
ート溶液であり、該セルロースアシレートの6位のアシ
ル基置換度Xが残余の置換度Yとの関係において、X≧
0.7,X+Y≧2.71の関係を満たすことが好まし
い。また、前記セルロースアシレートが、セルロースト
リアセテートであることが好ましい。
【0014】前記ドープがセルロースアシレート溶液で
あり。その溶媒が酢酸メチル、ケトン類及びアルコール
類からなり、その溶媒比率が酢酸メチルが20〜90重
量%、ケトン類が5〜60重量%、アルコール類が5〜
30重量%であることが好ましい。
【0015】前記ドープがセルロースアシレート溶液で
あり、かつ、少なくとも一種の可塑剤をセルロースアシ
レートに対して0.1〜20重量%含有していることが
好ましい。また、少なくとも一種の紫外線吸収剤をセル
ロースアシレートに対して0.001〜5重量%含有し
ていることが好ましい。さらに、少なくとも一種の微粒
子粉体をセルロースアシレートに対して0.001〜5
重量%含有していることが好ましい。さらには、少なく
とも一種の離型剤をセルロースアシレートに対して0.
001〜2重量%含有していることが好ましい。また、
少なくとも一種のフッ素系界面活性剤をセルロースアシ
レートに対して0.002〜2重量%含有していること
が好ましい。
【0016】また本発明の溶液製膜法は、流延工程で2
種類以上のセルロースアシレート溶液を共流延する製造
工程も含まれる。
【0017】前記溶液製膜方法において、流延工程で1
種類以上のセルロースアシレート溶液を逐次重層流延
し、流延乾燥されたドープの残留溶剤の量が10〜15
0重量%であるときに次の溶液を重層して流延すること
が好ましい。また、前記溶液製膜方法において、流延工
程で1種類以上のセルロースアシレート溶液を逐次重層
流延し、流延乾燥されたセルロースアシレート溶液の温
度が0〜40℃であるときに引き続いて次のセルロース
アシレート溶液を重層して流延することが好ましい。さ
らに、前記溶液製膜方法において、流延支持体上および
支持体から剥離後のセルロースアシレートフイルムを乾
燥する際に前記セルロースアシレートフイルムに伝達さ
れる熱エネルギーが総括伝熱が5〜200kcal/m
2 ・hr・℃の範囲の伝熱速度で伝達されることが好ま
しい。
【0018】本発明の溶液製膜法により製膜されたフイ
ルムを、偏光板保護膜、偏光板、光学機能性膜、液晶表
示装置として用いることが好ましい。この場合には、耐
久性に優れたものが得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】[セルロースエステル]本発明の
溶液製膜方法は、セルロースエステルフイルム等の製膜
に用いることができ、このセルロースエステルとして
は、セルロースの低級脂肪酸エステル(例:セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレートおよびセ
ルロースアセテートプロピオネート)が代表的である。
低級脂肪酸は、炭素原子数6以下の脂肪酸を意味する。
セルロースアセテートには、セルローストリアセテート
(TAC)やセルロースジアセテート(DAC)が含ま
れる。
【0020】セルロースのモノマー単位においては、3
箇所の水酸基が酢酸とエステル化されて、アセテートを
形成する。しかしながら、セルロースアセテートは、エ
ステル化された位置によってドープ調整用の溶媒への溶
解性が異なる。セルロースの6員環に結合している2,
3位の水酸基がエステル化される場合より、6位(−C
2 OH)の水酸基がエステル化された方が溶媒への溶
解性が向上する。本発明において6位の水酸基の置換度
をX、2,3位の水酸基の置換度の合計をYとした場
合、X≧0.7,X+Y≧2.71が好ましい。より好
ましくは、X≧0.8,X+Y≧2.73である。
【0021】[溶媒]ドープに用いる溶媒としては、低
級脂肪族炭化水素の塩化物や低級脂肪族アルコールが一
般に使用される。低級脂肪族炭化水素の塩化物の例とし
ては、メチレンクロライドを挙げることができる。低級
脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールおよ
びn−ブタノールが含まれる。その他の溶剤の例として
は、ハロゲン化炭化水素を実質的に含まない、アセト
ン、炭素原子数4から12までのケトンとしては、例え
ばメチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノン
が含まれ、炭素原子数3から12までのエステルとして
は、例えばギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、
酢酸ペンチル及び2−エトキシ−エチルアセテート等が
含まれ、炭素原子数1から6までのアルコールとして
は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソ−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール、
2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシエタノール
及び2−ブトキシエタノール等が含まれ、炭素原子数が
3から12までのエーテルとしては、例えばジイソプロ
ピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒ
ドロフラン、アニソール及びフェネトール等が含まれ、
また炭素原子数が5から8までの環状炭化水素類として
はシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及
びシクロオクタン等が含まれる。本発明においては、以
上のような溶媒の中で、塩化メチレン、アセトン、酢酸
メチル及びジオキソランの内から選ばれる溶媒又はこれ
らの混合物を主溶媒とすることが好ましい。
【0022】また、溶媒には、酢酸メチルを主溶媒に用
いて、さらにケトン類、アルコール類を添加した混合溶
媒をドープ調製溶媒に用いることが、セルロースアシレ
ートの溶解性の点から好ましい。この場合、酢酸メチル
を20〜90重量%、ケトン類を5〜60重量%、アル
コール類を5〜30重量%の混合比で用いることが好ま
しい。
【0023】[可塑剤]本発明で用いることのできる添
加剤としては特に限定はない。本発明で用いることので
きる可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エステル
系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチル
ジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレー
ト、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート等、グリコール酸エステル系
では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブ
チルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレー
ト、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリ
ルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好
ましい。さらに、特開平11−80381号公報、同1
1−124445号公報、同11−248940号公報
に記載されている可塑剤も添加することができる。これ
ら可塑剤は、セルロースアシレートに対して0.1〜2
0重量%を含むようにドープ中に混合することが望まし
い。
【0024】[紫外線吸収剤]また、ドープには、紫外
線吸収剤を添加することもできる。特に、好ましくは一
種または二種以上の紫外線吸収剤を含有することであ
る。液晶用紫外線吸収剤は、液晶の劣化防止の観点か
ら、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、か
つ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視
光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベン
ゾフェノン系化合物,ベンゾトリアゾール系化合物,サ
リチル酸エステル系化合物,ベンゾフェノン系化合物,
シアノアクリレート系化合物,ニッケル錯塩系化合物な
どが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾ
トリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物であ
る。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、セルロー
スエステルに対する不要な着色が少ないことから、好ま
しい。さらには、特開平8−29619号公報に記載さ
れているベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、あるい
は同8−239509号公報に記載されている紫外線吸
収剤も添加することができる。その他、公知の紫外線吸
収剤を添加しても良い。これら紫外線吸収剤は、セルロ
ースアシレートに対して0.001〜5重量%を含むよ
うにドープ中に混合することが望ましい。例えば、特開
平8−29619号公報に記載されているベンゾトリア
ゾール系の紫外線吸収剤、あるいは同8−239509
号公報に記載されている紫外線吸収剤も添加することが
できる。
【0025】好ましい紫外線防止剤として、2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール,ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリ
エチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ―tert―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−
ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−
チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N´−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ―tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5―ジ―tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス
−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に、
2,6―ジ―tert−ブチル−p−クレゾール、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5―ジ―te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−te
rt−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]が最も好ましい。また例えば、N,N
´−ビス[3−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどの
ヒドラジン系化合物の金属不活性剤やトリス(2,4−
ジ―tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどの
リン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の
添加量は、セルローストリアセテートに対して重量割合
で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000pp
mが更に好ましい。
【0026】[微粒子粉体]ドープには、フイルムの易
滑性や高湿度下での耐接着性の改良のために微粒子粉体
であるマット剤を使用することができる。マット剤の表
面の突起物の平均高さが0.005〜10μmが好まし
く、より好ましくは0.01〜5μmである。また、そ
の突起物は表面に多数ある程良いが、必要以上に多いと
へイズとなり問題である。使用されるマット剤として
は、無機化合物、有機化合物ともに使用可能である。無
機化合物としては、硫酸バリウム、マンガンコロイド、
二酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシ
ウムなどの無機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式
法やケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化
ケイ素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チ
タン(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。ま
た、粒径の比較的大きい、例えば20μm以上の無機物
から粉砕した後、分級(振動ろ過、風力分級など)する
ことによっても得られる。有機化合物としては、ポリテ
トラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリス
チレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタク
リレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカー
ボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、
メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いは
ポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の
粉砕分級物もあげられる。あるいは又懸濁重合法で合成
した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等
により球型にした高分子化合物、または無機化合物を用
いることができる。また、微粒子粉体は、あまり多量に
添加するとフイルムの柔軟性が損なわれるなどの弊害も
生じるため、セルローストリアセテートに対して0.0
01〜5重量%含有していることが好ましい。
【0027】また、ドープには、離型操作を容易にする
ための離型剤を添加することもできる。離型剤には、高
融点のワックス類、高級脂肪酸およびその塩やエステル
類、シリコーン油、ポリビニルアルコール、低分子量ポ
リエチレン、植物性タンパク質誘導体などが挙げられる
が、これらに限定されない。離型剤の添加量は、フイル
ムの表面の光沢や平滑性に影響を及ぼすため、セルロー
ストリアセテートに対して0.001〜2重量%含有し
ていることが好ましい。
【0028】ドープには、フッ素系界面活性剤を添加す
ることもできる。フッ素系界面活性剤は、フルオロカー
ボン鎖を疎水基とする界面活性剤であり、表面張力を著
しく低下させるため有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止
剤として用いられる。フッ素系界面活性剤としては、C
8 17CH2 CH2 O― (CH2 CH2 O)10 −OSO
3 Na、C8 17SO2 N(C3 7 )(CH2 CH2
O)16−H、C8 17SO2 N(C3 7 )CH2 CO
OK、C7 15COONH4 、C8 17SO2N(C3
7 )(CH2 CH2 O)4 −(CH2 4 −SO3
a、C8 17SO2 N(C3 7 )−(CH2 3 −N
+ (CH3 3 ・I- 、C8 17SO2N(C3 7
CH2 CH2 CH2 + (CH3 2 −CH2 CO
- 、C8 17CH2 CH2 O(CH2 CH2 O)16
H、C8 17CH2 CH2 O(CH23 −N+ (CH
3 3 ・I- 、H(CF2 8 −CH2 CH2 OCOC
2 CH(SO3 )COOCH2 CH2 CH2 CH2
(CF2 8 −H、H(CF26 CH2 CH2 O(C
2 CH2 O)16−H、H(CF2 8 CH2 CH2
(CH2 3 −N+ (CH3 3 ・I- 、H(CF2
8 CH2 CH2 OCOCH2 CH(SO3 )COOCH
2 CH2 CH2 CH2 8 17、C9 17−C64
SO2 N(C3 7 )(CH2 CH2 O)16−H、C9
17−C6 4 −CSO2 N(C3 7 )−(CH2
3 −N+ (CH3 3 ・I- などが挙げられるが、これ
らに限定される訳ではない。フッ素系界面活性剤の添加
量は、セルローストリアセテートに対して0.002〜
2重量%含有していることが好ましい。
【0029】また、ドープには、必要に応じて更に種々
の添加剤を溶液の調整前から調整後のいずれかの段階で
添加してもよい。カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤などである。
【0030】[膨潤工程]始めに、前記セルローストリ
アセテート粒子と溶媒とを混合し、セルローストリアセ
テート粒子を溶媒により膨潤させる膨潤工程をおこな
う。膨潤工程の温度は、−10〜55℃であることが好
ましい。通常は室温で実施する。セルローストリアセテ
ートと溶媒との比率は、最終的に得られる溶液の濃度に
応じて決定する。一般に、混合物中のセルローストリア
セテートの量は、5〜30重量%であることが好まし
く、8〜20重量%であることがさらに好ましく、10
〜15重量%であることが最も好ましい。溶媒とセルロ
ーストリアセテートとの混合物は、セルローストリアセ
テートが充分に膨潤するまで攪拌することが好ましい。
また、膨潤工程において、溶媒とセルローストリアセテ
ート以外の成分、例えば、可塑剤、劣化防止剤、染料や
紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0031】[加熱工程]次に、上記ドープを130℃
以上に加熱する加熱工程を行う。加熱温度は、130℃
以上、望ましくは160℃以上、最も望ましくは180
℃以上である。しかしながら、250℃を超えると、ド
ープ中のセルローストリアセテートの分解が生じるた
め、フイルムの品質が損なわれ、好ましくはない。この
場合において、加熱速度は、1℃/分以上であることが
好ましく、2℃/分以上であることがより好ましく、4
℃/分以上であることがさらに好ましく、8℃/分以上
であることが最も好ましい。加熱速度は、速いほど好ま
しいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、10
00℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒
が実用的な上限である。なお、加熱速度とは、加熱を開
始する時の温度と最終的な加熱温度との差を、加熱開始
時から最終的な加熱温度に達するまでの時間で割った値
である。加熱方法は、オートクレーブ方式、多管式熱交
換器、スクリュー押し出し機、スタチックミキサーなど
の何れの方法であっても良い。
【0032】また、加熱時間は、20秒以上4時間以下
が好ましい。加熱時間が20秒に満たない場合、加熱溶
解したドープに不溶解物が残存して高品質なフイルムを
作製することができない。また、この不溶解物を濾過に
より取り除く場合でも、濾過寿命が極端に短くなること
により不利である。加熱時間の始期は、目的温度に達し
たときから測定するものとし、終期は、目的温度から冷
却を開始したときとする。なお、装置の冷却は、自然冷
却であっても良いし、強制的な冷却であっても良い。
【0033】[加圧工程]上記加熱工程において、溶液
が沸騰しないように調整された圧力下で、溶媒の大気圧
における沸点以上の温度までドープを加熱することが好
ましい。加圧することによって、ドープの発泡を防止し
て、均一なドープを得ることができる。この時、加圧す
る圧力は、加熱温度と溶媒の沸点との関係で決定する。
【0034】[冷却工程]上記ドープを、加熱工程の前
に、−100〜−10℃に冷却する冷却工程を行うこと
も、光学的性質が良好なフイルムを得るために有効であ
る。常温で容易に溶解し得ない系と、不溶解物の多くな
る系では、冷却または加熱あるいは両者を組み合わせて
用いると、良好なドープを調製できる。冷却することに
より、セルローストリアセテート中に溶媒を急速かつ有
効に浸透せしめることができ溶解が促進される。有効な
温度条件は−100〜−10℃である。冷却工程におい
ては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉
容器を用いることが望ましい。また、冷却時に減圧する
と、冷却時間を短縮することができる。減圧を実施する
ためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。また、
この冷却工程は、上記加熱工程の後に実施することも本
発明において有効である。なお、溶解が不充分である場
合は、冷却工程から加熱工程までを繰り返して実施して
もよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液
の外観を観察して判断できる。
【0035】本発明の溶液製膜方法を実施する溶液製膜
装置の一実施形態を図面を参照して説明する。図1は流
延支持体として流延バンドを用いた溶液製膜ラインの概
略図である。
【0036】図1において、ミキシングタンク11にセ
ルローストリアセテート、添加剤及び溶剤などを投入し
てドープを調製する。このミキシングタンク11は、送
液ポンプ12及びフィルタ13を介して流延ダイ14に
連結されている。流延ダイ14の下方には、ステンレス
スチール製の流延バンド15が配置されており、流延バ
ンド15は流延部側回転ドラム16及び非流延部側回転
ドラム17に巻き掛けられており、また、流延部側回転
ドラム16と非流延部側回転ドラム17との間にはガイ
ドロール18が複数設けられている。さらに、流延バン
ド15の上方及び下方には、流延バンド15上に流延さ
れたドープに熱風を吹付けて乾燥させるための、乾燥風
吹付け手段(図示せず)が設けられている。
【0037】ドープを流延させる際に、流延ダイ14と
流延バンド15との間隔が変動すると均一なフイルムを
得ることが困難になる。そこで、本発明において流延ダ
イ14と流延バンド15との距離の変動が500μm以
下であることが好ましい。より好ましくは、200μm
以下である。距離の変動が500μmを越えるとドープ
の流延が不均一になり、ドープ乾燥後のフイルムの平面
性が悪化する。また、この距離の変動は、流延ダイ14
と流延バンド15との間にセンサー(図示しない)を設
けるなどの公知のいずれの方法で測定しても良い。セン
サーが計測した値が、500μmを超えた場合には、以
降に形成されるフイルムは不良品であるので製膜ライン
を停止し、再度流延ダイ14と流延バンド15との設置
方法を変更する必要がある。
【0038】高速で流延される際、流延ダイ14の吐出
口から流延バンド15に着地するまでドープの膜(以
下、リボンと称する)はわずかな外乱によっても振動し
たり、大きな外乱があれば場合によっては破断すること
がある。リボンの振動は流延ダイの先端と流延支持体と
の間の距離の変動値、流延ドープの送液量の変動値、流
延支持体の移動速度の変動値、および流延リボン前後の
圧力差の変動値などにより生ずる。このリボンの振動は
流延製膜したフイルムに段状ムラと呼ばれる周期的な厚
みムラを生じせしめフイルムの品質上問題となる。この
ような品質上の問題を生じせしめないためにはが流延ダ
イの先端と流延支持体との間の距離の変動値、流延ドー
プの送液量の変動値、流延支持体の移動速度の変動値、
および流延リボン前後の圧力差の変動値がいずれも2%
以下とすることがのぞましい。さらに好ましくは1%以
下とすることにより高品質なフイルムの製造が可能とな
る。
【0039】流延ドープの流量変動は流量計もしくは圧
力計により検出し、その変動量あるいはその変動値をフ
ーリエ変換したパワースペクトルのように演算した結果
が基準値内に入っているかどうかを監視することが品質
管理上、のぞましい。流量、圧力変動値を計測する機器
は十分な領域までの周波数応答特性を有していることが
のぞましく、その周波数範囲は1ヘルツから1000ヘ
ルツである。流量変動値が2%を超える場合には流量変
動を吸収するバッファータンクなどを設置する必要があ
る。
【0040】流延リボン前後の圧力変動値も同様に圧力
計により検出し、その変動量あるいはその変動値をフー
リエ変換したパワースペクトルのように演算した結果が
基準値内に入っているかどうかを監視することが品質管
理上、のぞましい。圧力変動値を計測する機器は十分な
領域までの周波数応答特性を有していることがのぞまし
く、その周波数範囲は1ヘルツから1000ヘルツであ
る。圧力変動値が2%を超える場合には乾燥風の風量を
低下させたり、送風機と吹き出し口との間にバッファー
タンクを設置したダクトにすることが必要になる。
【0041】流延支持体の移動速度の変動についても速
度検出装置、例えばロータリーエンコーダーなどの装置
により検出し、その変動量あるいはその変動値をフーリ
エ変換したパワースペクトルのように演算した結果が基
準値内に入っているかどうかを監視することが品質管理
上のぞましい。流量、圧力変動値を計測する機器は十分
な領域までの周波数応答特性を有していることがのぞま
しく、その周波数範囲は1ヘルツから1000ヘルツで
ある。流延支持体の移動速度の変動値が2%を超える場合
には、モーター減速比などを変更することが必要にな
る。
【0042】流延部側回転ドラム16及び非流延部側回
転ドラム17の内部には、熱媒体を流通させる流路(図
示せず)が形成されており、この流路に熱媒体を流通さ
せることにより、流延バンド15の幅方向の温度を均一
にするようになっている。
【0043】前記流延ダイ14側の流延部側回転ドラム
16に隣接して剥ぎ取りロール19が設けられ、さらに
多数のガイドロール20が設けられた乾燥部22が配置
されている。乾燥部22で乾燥されたフイルム23は、
巻取りロール21によって巻き取られる。
【0044】流延バンド15上の乾燥、流延バンド15
から剥離されて搬送されながら乾燥する過程においてフ
イルム中の溶剤を揮発せしめるための熱エネルギーの供
給が必要である。熱エネルギーを供給する手段としては
高温のガスによる対流伝熱、ドラム、ロールなどを介し
た直接伝熱、遠赤外線やマイクロ波などの輻射伝熱など
がある。
【0045】流延バンド15上の乾燥においては流延バ
ンド15自体からの伝導伝熱が効率および均一性の観点
から最も望ましいが、乾燥した溶剤ガスを系外に運び去
るためには乾燥ガスを流通して対流伝熱も同時に行うこ
とが行われる。
【0046】特に流延バンド15からの剥離後にテンタ
ーを用いて実質的に非接触で搬送する場合には乾燥の均
一性と効率および揮発溶剤ガスの輸送のために乾燥ガス
による対流伝熱を用いる。場合によっては輻射伝熱も併
用することもある。これらの方法でフイルムに熱エネル
ギーを供給する場合、その熱エネルギーの供給速度は総
括伝熱係数が5〜200kcal・m2 ・hr・ ℃の範
囲の伝熱速度で伝達されることがのぞましい。さらにの
ぞましくは総括伝熱係数が10〜100kcal・m2
・hr・℃の範囲の伝熱速度で伝達する。総括伝熱係数
が200kcal・m2 ・hr・℃をこえるとフイルム
の加熱が急速すぎて発泡が生じたり、フイルムが軟化し
て搬送困難となる。一方総括伝熱係数が10kcal・
2 ・hr・℃未満であるとフイルムの温度変化が遅
く、乾燥効率が低下する。
【0047】前記流延支持体のドープ流延部分(流延さ
れたドープが載っている部分)と非流延部分(流延され
たドープが載っていない部分、すなわち、表面が露出し
ている部分)との温度差が5℃以下であることが好まし
く、3℃以下であることがより好ましい。温度差が5℃
を超えると、ドープ端部において発泡や剥離ムラが発生
する恐れがある。
【0048】また、流延支持体の左右の温度差が5℃以
下であることが好ましく、3℃以下であることがより好
ましい。左右の温度差が5℃を超えると、発泡や剥離ム
ラを発生する恐れがある。
【0049】流延されたドープと流通する熱媒体との間
(すなわち、流延支持体に流延ドラムを用いた場合は、
ドープ、流延ドラム及び熱媒体間、流延支持体に流延バ
ンドを用いた場合は、ドープ、流延バンド、回転ドラム
及び熱媒体間)の総括伝熱係数が100〜3000kc
al/m2 ・hr・℃であることが好ましく、300〜
2000kcal/m2 ・hr・℃であることがより好
ましい。この総括伝熱係数を調整するには、熱媒体の流
量、流延支持体における熱媒体の流路から表面までの厚
さ等により行うことができる。総括伝熱係数が100k
cal/m2 ・hr・℃未満であると、流延支持体の幅
方向の温度分布が生じ、温度分布を均一にすることが困
難であり、また、3000kcal/m2 ・hr・℃を
超えると、ドラム内部の熱媒体の流速が極度に速くなる
ため、キャビティーションによる損傷が発生し好ましく
ない。
【0050】流延支持体に流延バンドを用いた場合、流
延部直前の流延バンドを幅方向に均一に冷却するととも
に、流延部直前以外の流延バンドを幅方向に均一に加熱
することが好ましい。このような構成とすることによ
り、発泡や剥離不良を抑制しつつ、乾燥の効率を上げる
ことが可能となる。
【0051】流延部直前の流延バンドを幅方向に冷却す
るとともに、流延部直前以外の流延バンドを幅方向に均
一に加熱するには、例えば、流延部側に配置した回転ド
ラムを冷却するとともに、非流延部側に配置した回転ド
ラムを加熱することにより行うことができる。この時、
冷却熱媒体温度は−10〜30℃が好ましく、0〜20
℃がより好ましく、加熱媒体温度は15〜80℃が好ま
しく、30〜50℃がより好ましい。冷却熱媒体温度が
−10℃未満であると、乾燥ゾーン中の溶剤ガスが凝縮
したり、水分が凝縮、氷結したりしてドラムまたはバン
ドが腐食したり、伝達の効率が低下する恐れがある。ま
た、30℃を超えると、冷却効果が十分でなく、発泡や
剥離不良の発生する恐れがある。加熱媒体温度が15℃
未満であると、加熱効果が十分でなく、乾燥効率を低下
させ剥離不良を発生する恐れがある。また、80℃を超
えると、流延されたドープの温度が上昇し、発泡や剥離
不良を発生する恐れがある。
【0052】前記流延ドラム又は流延バンドを駆動、支
持する回転ドラムの内部に形成された熱媒体の流路と表
面との間の厚さが5〜50mmであることが好ましく、
10〜40mmであることがより好ましい。厚さが5m
m未満では、十分な表面平滑性が得られないものであ
り、また、厚さが50mmを超えると、熱伝達が著しく
低下し幅方向の温度を均一にすることが困難である。
【0053】流延バンドの厚さは、0.5〜2.0mm
であることが好ましく、1.0〜1.6mmであること
がより好ましい。流延バンドの厚さが0.5mm未満で
あると、バンドにテンションをかけた際に、バンド面に
ツレシワ状の凹凸が発生してバンド面の平面性を損なう
恐れがある。また、厚さが2.0mmを超えると、平面
性を保ちつつ駆動するために、非常に高いテンションが
必要になり、バンドの耐久性を低下させる恐れがある。
【0054】流延バンドと回転ドラムとの接触時間(接
触距離)が非接触時間(非接触距離)の6%以上である
ことが好ましく、8%以上であることがより好ましい。
接触時間が非接触時間の6%未満であると、流延バンド
温度の幅方向分布を均一にすることが困難になる。
【0055】本発明の流延製膜方法は、流延支持体温度
の幅方向分布を均一にするものである。流延支持体とし
ては、流延ドラム、流延バンド等があり、流延ドラムに
おいて支持体温度の幅方向分布を均一にするには、流延
ドラムの内部に熱媒体を流通させることにより行うこと
ができ、流延バンドにおいて支持体温度の幅方向分布を
均一にするには、流延バンドを駆動する回転ドラムの内
部に熱媒体を流通させることにより行うことができる。
また、流延バンドにおいては、回転ドラムの間に配置さ
れたガイドロールの内部に熱媒体を流通させることもで
きる。
【0056】本発明による溶液製膜方法で製膜されたフ
イルムは、偏光板保護膜として用いることができる。こ
の偏光板保護膜をポリビニルアルコールなどから形成さ
れた偏光膜の両面に貼付することで偏光板を形成するこ
とができる。さらに、フイルム上に光学補償シートを貼
付した光学補償フイルム、防眩層をフイルム上に積層さ
せた反射防止膜などの光機能性膜として用いることもで
きる。これら製品からは、液晶表示装置の一部を構成す
ることも可能である。
【0057】また、本発明の溶液製膜方法は、2種類以
上のドープを調整して同時重層塗布による溶液製膜法に
も適用可能である。例えば、同時3層塗布においてフイ
ルムを形成する場合、内層用のドープにはセルロースト
リアセテートを多めに含有させ、内層の表面と裏面に形
成される外層用のドープには、比較的セルローストリア
セテートを少なめに含有させる。これらドープを同時に
3層を共流延法により塗布して形成されたフイルムは成
型加工性が良好になる。しかしながら本発明の溶液製膜
法における共流延法は、この態様に限定される訳ではな
い。
【0058】さらに、本発明において特開昭52―50
078号あるいは同53―134869号の各公報など
に記載されているような逐次流延法も用いることができ
る。逐次流延法は2 つ以上の流延口を支持体上に配して
最初の流延口で全体の厚さよりも薄い膜厚さになるよう
に流延し、次の流延口で残余の厚さ相当分のドープを重
層して流延し、支持体上での乾燥速度を増加させて短時
間で剥離することで生産性の向上を図るものである。流
延口の数は2箇所以上であれば特に限定はない。
【0059】この逐次流延法による生産性の向上を安定
に達成するためには支持体上に流延されて乾燥したドー
プ上に流延する際に泡を巻き込まないように、また流延
後にドープ面が発泡しないように流延することが極めて
重要となる。これらの問題を起こさず、安定に流延を行
うためには支持体上に流延され乾燥されたフイルムの温
度が0〜40℃であるときに重層流延することがのぞま
しい。さらにのぞましくは10〜30℃である時に重層
流延する。また、逐次重層流延によって単層流延よりも
実質的に生産性を増加させるためには支持体上に流延さ
れ乾燥されたフイルムの残留溶剤の量が10〜150重
量%の範囲にあるときに重層流延をすることがのぞまし
い。さらにのぞましくは30〜120重量%の範囲にあ
るときに重層流延をする。
【0060】先に流延されたドープの温度が40℃以上
だとその後の重層流延時に流延リボンが不安定になり、
気泡を巻き込んだり、重層流延した層が発泡したりす
る。また、先に流延されたドープの残留溶剤量が10%
以下だったり、150重量%以上だったりするとほとん
ど単層流延に対して生産性の向上が認められない。
【0061】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
また、各実施例および比較例において、特に明記しない
点については実施例1と同じ実験条件である。
【0062】[実施例1〜5、比較例1〜9]図1に示
す溶液製膜ラインを用い、以下のドープを流延してフイ
ルムを製造した。
【0063】<ドープ処方1>塩化メチレン90重量
部、メタノール10重量部の混合溶剤に、セルロースト
リアセテート20重量部、TPP3重量部を加えて溶解
した。
【0064】<ドープ処方2>塩化メチレン85重量
部、メタノール15重量部の混合溶剤に、セルロースト
リアセテート20重量部、TPP3重量部を加えて溶解
した。
【0065】<ドープ処方3>酢酸メチル90重量部、
エタノール10重量部の混合溶剤に、セルローストリア
セテート20重量部、TPP3重量部を加え、膨潤させ
た後、−75℃に冷却して溶解し、さらに120℃に加
熱して調整した。
【0066】図1に示す溶液製膜ラインにおいて、流延
バンド15は、ステンレススチール製で厚さ1.2mm
のものを用いた。流延バンド15と回転ドラム16,1
7との接触時間が非接触時間の15%であった。乾燥風
は、120℃に設定し、流延バンド15の上下から吹き
付けた。ドープは、乾燥膜の厚さが80μmになるよう
に調整し、また、流延バンド15上での乾燥時間は3分
であった。また、実施例1ないし5において流延ダイ1
4の先端部と流延バンド15との距離の変動は120μ
m以下とした。そして、実験中で流延バンド上の発泡現
象とフイルムの剥ぎ取り状態について観察し、下記に示
す評価を行なった。
【0067】<発泡現象>流延バンド上で乾燥中の発泡
現象を観察した。 ○:流延バンド上で発泡現象がなかった。 ×:流延バンド上で発泡現象が認められた。
【0068】<剥離状態>流延バンドから剥ぎ取った後
の状態を観察した。 ○:流延バンド上にドープの剥ぎ残りがなかった。 △:流延バンドのエッジ部にドープの付着物がわずかに
認められたが成長しない状態であった。 ×:剥ぎ残りが成長した状態であった。
【0069】各種条件を変更して実施した、実施例2な
いし実施例5および比較例1ないし比較例9の各実験に
ついて実験条件と評価結果について表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】また、実施例1、3及び5で得たフイルム
を偏光板保護膜とする偏光板サンプルを作製し、耐久性
を評価した。偏光板サンプルは、ポリビニルアルコール
を延伸してヨウ素を吸着させた偏光素子の両面に、ポリ
ビニルアルコール系接着剤により実施例1、3及び5で
得たフイルムを貼合して作製した。
【0072】この偏光板サンプルを60℃、90%RH
の雰囲気下で500時間暴露した後、偏光度を測定し
た。その結果、いずれの実施例においても、偏光度は9
9.6%以上であり、十分な耐久性が認められた。
【0073】<偏光度の測定方法>分光光度計により可
視領域における並行透過率Yp、直行透過率Ycを求
め、次式に基づき偏光度Pを決定した。 P=√((Yp−Yc)/(Yp+Yc))×100
(%)
【0074】[比較例10]厚さ0.4mmの流延バン
ドを用いた他は、実施例2と同一条件で流延した。この
時、流延バンドのドープ流延部とドープのない部分との
温度差は7℃であった。なお、実施例2は、ドープ流延
部とドープのない部分との温度差は4℃である。この比
較例においては、流延バンド上で発泡現象が認められ
た。
【0075】[比較例11]1.2mm厚さの流延バン
ドを用い、流延バンドと回転ドラムとの接触時間が非接
触時間の5%とした他は、実施例2と同一条件で流延し
た。この時、流延バンドのドープ流延部とドープのない
部分との温度差は8℃であった。この比較例において
は、流延バンド上で発泡現象が認められた。
【0076】[実施例6]回転ドラムの内部に形成され
た熱媒体の流路と表面との間の厚さを35mmとした他
は、実施例2と同一条件で流延した。この実施例におい
ては、十分な熱伝達を得ることができ、発泡現象は発生
しなかった。また、回転ドラムの強度も十分であった。
【0077】[比較例12]回転ドラムの内部に形成さ
れた熱媒体の流路と表面との間の厚さを55mmとした
他は、実施例10と同一条件で流延した。この比較例に
おいては、熱伝達が著しく低下し、温度を均一にするこ
とができず発泡現象が発生した。
【0078】[比較例13]回転ドラムの内部に形成さ
れた熱媒体の流路と表面との間の厚さを4mmとした他
は、実施例10と同一条件で流延した。この比較例にお
いては、十分な表面平滑性が得られなかった。
【0079】[実施例7]実施例1と同様な流延条件で
あってコア層76μm、フィードブロックを用いて両面
の表層に乾燥後、厚さで3μmずつの外層を付与した。
コア層のドープはマット剤がないこと以外は処方1と同
一であり、外層のドープは処方1と同一であった。この
実施例においては、発泡現象は発生せず、かつ、ドープ
の剥ぎ残りがなく剥離性も良好であった。
【0080】次に、ドープに各種の添加剤を付与した実
施例8の実験を行なった。また、実施例9においては共
流延による重層流延の実験を行なった。さらに、実施例
10においてドープを逐次重層流延してフイルムを製膜
する実験を行った。さらには、実施例11ではドープを
調製する溶媒の混合比を変えた実験を行なった。これら
各実験からフイルムを作成し、偏光板を作成した。さら
に、フイルムから反射防止膜を作製してその評価も行な
った。なお、以降の実験においては、特に明記していな
い点は上述した実施例1と同じ方法で実験した。
【0081】[実施例8](ドープの調製)攪拌羽根を
有するステンレス性溶解タンクに、混合溶媒(酢酸メチ
ル51重量部、シクロペンタノン10重量部、アセトン
5重量部、メタノール5重量部、エタノール5重量部)
によく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平
均サイズ2mm、置換度2.83、6位のアシル化の置
換度0.85、2,3位の置換度1.98、粘度平均重
合度320、含水率0.4重量%、メチレンクロライド
溶液中6重量%の粘度305mPa・s)20重量部を
徐々に添加してドープを調製した。この時、適宜添加剤
も加えた。添加剤には、可塑剤A(ジペンタエリスリト
ールヘキサアセテート)2重量部、可塑剤B(トリフェ
ニルフォスフェート)2重量部、微粒子(シリカ(粒径
20nm))0.1重量部、紫外線吸収剤a:(2,4
−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ
−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン0.1重量部、紫外線吸収剤b:2
(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−ブチルフ
ェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール0.1重量
部、紫外線吸収剤c:2(2' −ヒドロキシ−3' ,
5' −ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベ
ンゾトリアゾール0.1重量部、モノ(ドデシルオキシ
エチル)リン酸エステルジカリウム塩(C1225OCH
2 CH2 O−P(=O)−(OK)2 )0.05重量部
を用いた。粉体と添加剤とを添加した後に室温(25
℃)にて3時間、25℃にて放置しセルローストリアセ
テートを膨潤させた。なお、溶媒である酢酸メチルとシ
クロペンタノン、アセトン、メタノール及びエタノール
は、すべてその含水率が0.2重量%以下のものを利用
した。
【0082】前述したドープをスクリュー押し出し機で
送液して、−70℃で1.5分間となるように冷却部分
を通過させた。冷却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒
(3M社製パーフルオロオクタンPF−5080)を用
いて実施した。そして、冷却により得られた溶液は静止
型混合器を設置した熱交換器により2MPaの加圧下で
120℃まで温度を上昇させ、2分間保持したのち冷却
し50℃としてステンレス製の容器に移送し、50℃で
30分攪拌し脱泡を行った。このように調製したポリマ
ー溶液を絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙
(株)製、#63)で濾過した。さらに絶対濾過精度
0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)に
て濾過した。
【0083】上記の溶解法で調製されたドープを50℃
にし、流延ギーサーを通して鏡面ステンレス支持体上に
流延した。流延条件は実施例1と同様である。支持体温
度は10℃であり、流延スピードは40m/minでそ
の塗布幅は100cmとした。乾燥は120℃の乾燥風
を送風した。2分後に鏡面ステンレス支持体から剥ぎ取
った後に110℃、10分乾燥し、更に150℃で30
分乾燥して、セルローストリアセテートフイルム(膜厚
40μm)を得た。
【0084】[実施例9]実施例9においては、共流延
による重層流延法によりフイルムを製膜した。始めに、
内層用のドープの調製を行った。内層用ドープは、攪拌
羽根を有するステンレス性溶解タンクに、混合溶媒(酢
酸メチル49重量部、シクロペンタン10重量部、アセ
トン5重量部、メタノール5重量部、エタノール5重量
部)によく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体
(平均サイズ2mm、置換度2.83、アシル化の6位
の置換度0.90、2,3位の置換度の合計1.93、
粘度平均重合度320、含水率0.4重量%、メチレン
クロライド溶液中6重量%の粘度305mPa・s)2
0重量部を徐々に添加して調製した。この時適宜、添加
剤(可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテー
ト)3重量部、可塑剤B(トリフェニルフォスフェー
ト)3重量部、微粒子(シリカ(粒径20nm)0.1
重量部、紫外線吸収剤a:(2,4−ビス−(n−オク
チルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−te
rt−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン0.
1重量部、紫外線吸収剤b:2(2' −ヒドロキシ−
3' ,5' −ジ−tert−ブチルフェニル)−5−ク
ロルベンゾトリアゾール0.1重量部、紫外線吸収剤
c:2(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert
―アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール
0.1重量部、モノ(ドデシルオキシエチル)リン酸エ
ステルジカリウム塩(C1225OCH2 CH2 O−P
(=O)−(OK)2 0.05重量部)を添加した。添
加後、室温(25℃)にて3時間、25℃にて放置しセ
ルローストリアセテートを膨潤させた。なお、溶媒であ
る酢酸メチルとシクロペンタノン、アセトン、メタノー
ル及びエタノールは、すべてその含水率が0.2重量%
以下のものを利用した。なお、後述する冷却溶解法で得
られたこの溶液の粘度は60Pa・s(45℃)であっ
た。
【0085】次に、外層用ドープの調製を行った。前述
した内層用ドープの組成比をセルローストリアセテート
を18重量部、酢酸メチルを51重量部に変更した以外
は(内層用ドープと同じ組成比で調製した。なお、後述
する冷却溶解法で得られたこの溶液の粘度は25Pa・
s(45℃)であった。
【0086】さらに、内層用ドープの冷却溶解を行なっ
た。内層用ドープをスクリュー押し出し機で送液して、
−70℃で3分間となるように冷却部分を通過させた。
冷却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒(3M社製パー
フルオロオクタンPF−5080)を用いて実施した。
そして、冷却により得られた溶液は静止型混合器を設置
した熱交換器により120℃まで温度を上昇させ、3分
間保持したのち冷却し50℃としてステンレス製の容器
に移送し、脱泡を行った。このように調製したポリマー
溶液を絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙
(株)製、#63)で濾過した。さらに絶対濾過精度
0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)に
て濾過した。
【0087】これらのドープを三層共流延ダイを用い
て、内層用ドープが内側に外層用ドープが両外側になる
ように配置してハードクロム鍍金を施した金属ドラム支
持体上に同時に吐出させて重層流延した後に流延膜を支
持体から剥ぎ取り、乾燥して、本発明の三層構造のセル
ロースアセテートフイルム積層体(内層の厚さ:80μ
m、各表面層の厚さ:2μm)を製造した。なお、この
時の流延条件は、ドラムの厚さ40mm、ドラム表面温
度―5℃、総括伝熱係数1500kcal/m2・hr
・℃、剥ぎ取り揮発分75%、ドラム左右温度差0.5
℃で行なった。また、流延ダイと流延支持体との距離の
変動は60μm以下であった。
【0088】上記条件で流延したところ発泡現象もな
く、剥離の状態も極めて良好であった。金属支持体から
剥ぎ取られたフイルムはテンターにより搬送しつつ、1
00℃で3分、130℃で5分、150℃で10分と段
階的に乾燥して溶剤を蒸発したセルロースアシレートフ
イルムが得られた。
【0089】[実施例10] (ドープの調製)攪拌羽根を有する4000Lのステン
レス製溶解タンクに、下記の溶媒混合溶液によく攪拌・
分散しつつ、セルローストリアセテート粉体(フレー
ク)および成形したセルローストリアセテートの粉砕チ
ップを徐々に添加し、全体が2000kgになるように
調製した。なお、溶媒であるメチレンクロライド、メタ
ノール、エタノール及びブタノールは、すべてその含水
率が0.2質量%以下のものを利用した。まず、セルロ
ーストリアセテートの粉末は、分散タンクに紛体を投入
されタンク内を1300Paに減圧し、攪拌剪断速度を
最初は15m/secの周速で攪拌するディゾルバータ
イプの偏芯攪拌軸および、中心軸にアンカー翼を有して
周速1m/secで攪拌する条件下で30分間分散し
た。分散の開始温度は20℃であり、最終到達温度は3
5℃となるように外部から冷却をした。分散終了後、高
速攪拌は停止し、アンカー翼の周速を0.5m/sec
としてさらに100分間攪拌し、セルローストリアセテ
ートフレークを膨潤させた。ドープ中の水分量は0.1
質量%であることを確認した。
【0090】実施例10において使用した成分の組成比
を以下に示す。 セルローストリアセテート(置換度2.83、6位のアセチル置換基比率=0. 85、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、メチレンクロライド溶液中 6質量%の粘度 305mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0 .5mmである粉体) 20質量部 メチレンクロライド 63質量部 メタノール 5質量部 エタノール 5質量部 ブタノール 5質量部 可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート) 1.2質量部 可塑剤B(トリフェニルフォスフェート) 1.2質量部 UV剤a :(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ− 3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン 0.2質量部 UV剤b :2(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−ブチルフェニ ル)−5−クロルベンゾトリアゾール 0.2質量部 UV剤c(2(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−アミルフェニル )−5−クロルベンゾトリアゾール 0.2質量部 C1225OCH2 CH2 OP(=O)(OK)2 0.4質量部 微粒子(シリカ(粒径20nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
【0091】(溶解・濾過工程)膨潤したドープをタン
クからギアポンプを使ってスクリュー押し出し機へ送液
した。このときのスクリュー1次圧は0.5Mpaであ
った。スクリューは、−80℃の冷媒(パーフルオロオ
クタン)を用いて通水した。ジャケット内平均流速は2
m/secとし、スクリュー内部での溶液平均滞留時間
は35秒であった。スクリューを出たドープは、静止型
混合器を挿入したジャケット付き配管により5 5℃まで
加熱され、さらに1.1MPaの加圧下で110℃まで
加熱した。加熱時間は15分であった。そして実施例1
と同一のろ過を実施した。すなわち、公称孔径10μm
の燒結金属繊維フィルターを通過させた。この際、濾過
1次圧は1.5MPa、2次圧は1.2MPaとした。
高温に曝されるフィルター、ハウジングおよび配管はハ
ステロイ合金製であり耐食性に優れたものを利用し、保
温加熱用の熱媒を流通させるためのジャケットを有する
ものを利用した。
【0092】(濃縮・濾過)このようにして得られたド
ープを110℃で常圧のタンク内でフラッシュさせて、
蒸発した溶剤を凝縮器で回収分離した。フラッシュ後の
ドープの固形分濃度は、22.5質量%となった。な
お、凝縮された溶剤はドープ調製工程の溶剤として再利
用すべく回収工程に回された(回収は蒸留工程と脱水工
程などにより実施されるものである)。フラッシュタン
クには中心軸にアンカー翼を有して周速0.5m/se
cで攪拌して脱泡を行った。タンク内のドープの温度は
35℃であり、タンク内の平均滞留時間は50分であっ
た。このドープを採集して35℃で測定した剪断粘度は
剪断速度0.1(sec-1)で39(Pa・s)であっ
た。
【0093】つぎに、このドープは弱い超音波照射する
ことで泡抜きを実施した。脱泡したドープは1.5MP
aに加圧した状態で、最初公称孔径5μmの燒結金属フ
ィルターを通過させ、ついで同じく2.5μmの燒結金
属フィルターを通過させた。それぞれの1次圧、1.
5、1.2であり、2次圧はそれぞれ1.0、0.8M
Paであった。濾過後のドープの温度は35℃に調整し
て2000リットルのステンレス製のストックタンク内
に貯蔵した。ストックタンクは中心軸にアンカー翼を有
して周速0.3m/secで常時攪拌された。
【0094】(流延)図2に示すように全長50mのス
テンレスバンド31上の20m離れた位置に第1流延ダ
イ32と第2流延ダイ33とを設置してそれぞれの流量
が最終膜厚さで40μm相当になるように流延した。バ
ンドの運転速度は40m/分であり、80℃の乾燥風に
よって乾燥した。このときの乾燥風からの総括伝熱係数
は25kcal・m2 ・hr・℃であった。また、流延
部近傍の駆動ドラムには15℃で通水し、このときの総
括伝熱係数は700kcal・m2 ・hr・℃であっ
た。また、もう一方のドラムでは40℃で通水し、この
ときの総括伝熱係数は800kcal・m2 ・hr・℃
であった。バンドの左右温度差は4℃以下であった。支
持体上での発泡や耳部の剥離ムラもなく安定に流延がで
きた。
【0095】流延時における流延ダイの先端と流延バン
ドとの間の距離の変動率、流延ドープの送液量の変動
率、流延支持体の移動速度の変動率、および流延リボン
前後の圧力差の変動率がいずれも1.5%以下であっ
た。また流延ダイの先端と流延バンドとの間の距離の変
動量は80μmであった。
【0096】また、第1流延ダイ32で流延されたドー
プは第2流延ダイ33で流延する際に残留溶剤量は50
重量%であり、温度は22℃であった。フイルムはバン
ドから剥離後、テンターにより搬送しつつ、乾燥ノズル
から供給される100℃の乾燥ガスにより総括伝熱係数
が40kcal・ m2 ・hr・ ℃で乾燥した。さらにロ
ーラー乾燥ゾーンで135℃の乾燥ガスにより総括伝熱
係数が10kcal・m2 ・hr・℃で乾燥した。こう
して残留溶剤0.3重量%以下にまで乾燥したフイルム
を25℃の冷却風により平均3.5℃/ 秒の冷却速度で
冷却し28℃として巻き取った。巻き取ったフイルムの
厚みムラを測定したところ段状ムラの発生も無く、透明
度が高く平面性の良好な品質であった。
【0097】[実施例11] (ドープの調製)攪拌羽根を有するステンレス性溶解タ
ンクに、下記の溶媒混合溶液によく攪拌しつつ、セルロ
ーストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に
添加してドープを調製した。添加後、室温(25℃)に
て1 時間、35℃にて放置しセルローストリアセテート
を膨潤させた。なお、溶媒である酢酸メチルとメチルエ
チルケトン、メタノール、エタノール、n- ブタノール
は、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用
した。
【0098】実施例11のドープの調製に用いた各成分
の成分比を下記に示す。 セルローストリアセテート(置換度2.83、6位のアシル化の置換度0. 93 、2,3位のアシル化の置換度1.90、粘度平均重合度320、含水率0.4 質量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305mPa・s) 18質量部 酢酸メチル 55質量部 メチルエチルケトン 10質量部 メタノール 5質量部 エタノール 5質量部 n−ブタノール 5質量部 可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート) 1 質量部 可塑剤B(トリフェニルフォスフェート) 1 質量部 微粒子(シリカ(粒径20nm)) 0.1質量部 UV剤a:(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3 ,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン 0.1質量部 UV剤b:2(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−ブチルフェニル)− 5−クロルベンゾトリアゾール 0.1 質量部 UV剤c:2(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−tert−アミルフェニル)− 5−クロルベンゾトリアゾール 0.1質量部 C1225OCH2 CH2 O−P(=O)−(OK)2 0.05質量部 トリブチルアミン 0. 05質量部
【0099】(冷却溶解)上記のセルロースアシレート
溶液のドープをスクリュー押し出し機で送液して、−7
0℃で3分間となるように冷却部分を通過させた。冷却
は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒(3M社製パーフル
オロオクタン)を用いて実施した。そして、冷却により
得られた溶液は静止型混合器を設置した熱交換器により
120℃まで温度を上昇させ、3分間保持したのち冷却
し50℃としてステンレス製の傾斜した容器の壁面を流
下させつつ、液膜を更新する攪拌羽根により液膜厚さが
5mmになるようにかきとりながら移送し、50℃で−
50mmAqに減圧しつつ脱泡を行った。このように調
製したポリマー溶液を絶対濾過精度0.01mmの濾紙
(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過した。さらに絶対
濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH0
25)にて濾過した。
【0100】(フイルム製膜)上記の溶解法で得られた
ドープを50℃にし、流延ギーサーを通して鏡面ステン
レス支持体上に流延した。支持体温度は20℃であり、
流延スピードは40m/分でその塗布幅は100cmと
した。乾燥は120℃の乾燥風を送風した。2分後に鏡
面ステンレス支持体から剥ぎ取った後に110℃、10
分、更に150℃で15分乾燥して、セルローストリア
セテートフイルム(膜厚40μm)を得た。
【0101】[偏光板の作製]延伸したポリビニルアル
コールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例8ない
し実施例11 で作成したセルローストリアセテートフイ
ルム試料を、その遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になる
ように両側に貼り付けた。この偏光板サンプルを80
℃、90%RHの雰囲気下で500時間暴露した。
【0102】[偏光度の評価方法]分光光度計により可
視領域における並行透過率Yp、直行透過率Ycを求め
次式に基づき偏光度Pを決定した。 P= √((Yp−Yc)/(Yp+ Yc))×100
(%) いずれの実施例においても偏光度は99.6%以上であ
り、十分な耐久性が認められた。
【0103】[光学補償フイルムの作製]延伸したポリ
ビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜
を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実
施例8のセルローストリアセテートフイルムを、その遅
相軸が偏光膜の透過軸と平行になるように片側に貼り付
けた。さらに実施例8のセルローストリアセテートフイ
ルムにケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着
剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。更に、光学
補償シート(富士写真フイルム(株)製WVフィル)を
同偏光板のセルロールアセテートフイルム側にその遅相
軸が互いに平行となるように粘着剤を介して貼り合わせ
た。このようにして光学補償膜を貼合した光学補償フイ
ルムを作製した。また、実施例9から作成されたセルロ
ーストリアセテートフイルムからも同じ条件で光学補償
フイルムを作成した。
【0104】実施例8のフイルムから作成した光学補償
フイルム1組みをTFT(薄膜トラジスター)方式の液
晶表示装置に実装した結果、良好な視野角およびコント
ラストを達成することができた。また、実施例9ないし
11のフイルムから作成した光学補償フイルムについて
も同じ実験を行なったところ、良好な視野角およびコン
トラストが達成された。
【0105】[反射防止膜の作製]実施例8ないし実施
例11の条件にて製造した各フイルムを使って塗工によ
る反射防止膜を下記の手順により作製した。
【0106】(防眩層用塗布液Aの調製)ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフ
ェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)
125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘ
キサノン=50/50重量%の混合溶媒に溶解した。得
られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメ
チルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を
塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60
であった。さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリ
スチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて500
0rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポ
リプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液A
を調製した。
【0107】(防眩層用塗布液Bの調製)シクロヘキサ
ノン104.1g、メチルエチルケトン61.3gの混
合溶媒に、エアディスパで攪拌しながら酸化ジルコニウ
ム分散物含有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7
886A、JSR(株)製)217.0gを添加した。
この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率
は1.61であった。さらにこの溶液に平均粒径2μm
の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜
研化学(株)製)5gを添加して、高速ディスパにて5
000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μm
のポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗布
液Bを調製した。
【0108】(防眩層用塗布液Cの調製)ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)91g、酸化ジルコニウム分散物含有ハード
コート塗布液(デソライトKZ−7115、JSR
(株)製)199g、および酸化ジルコニウム分散物含
有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7161、J
SR(株)製)19gを、52gのメチルエチルケトン
/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶
解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)10gを加えた。この溶液
を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.6
1であった。さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポ
リスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディ
スパにて5000rpmで1時間攪拌分散した分散液2
9gを添加、攪拌した後に孔径30μmのポリプロピレ
ン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液Cを調製し
た。
【0109】(ハードコート層用塗布液Dの調製)紫外
線硬化性ハードコート組成物(デソライトKZ−768
9、72重量%、JSR(株)製)250gを62gの
メチルエチルケトンおよび88gのシクロヘキサノンに
溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化し
て得られた塗膜の屈折率は1.53であった。さらにこ
の溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで
ろ過してハードコート層の塗布液Dを調製した。
【0110】(低屈折率層用塗布液の調製)屈折率1.
42の熱架橋性含フッ素ポリマー(TN−049、JS
R(株)製)20093gにMEK−ST(平均粒径1
0〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルの
MEK分散物、日産化学(株)製)8g、およびメチル
エチルケトン100gを添加、攪拌の後に孔径1μmの
ポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用
塗布液を調製した。
【0111】実施例8で作製した80μmの厚さのトリ
アセチルセルロースフイルム上に前記ハードコート層用
塗布液Dをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾
燥の後に160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400
mW/cm2 、照射量300mJ/cm2 の紫外線を照
射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコー
ト層を形成した。その上に、前記防眩層用塗布液Aをバ
ーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同条
件にて乾燥した後に紫外線硬化して、厚さ約1.5μm
の防眩層Aを形成した。さらに、その上に前記低屈折率
層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾
燥の後に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096
μmの低屈折率層を形成した。
【0112】次に実施例8のフイルムを用いて、防眩層
用塗布液Aを防眩層用塗布液Bに代え、その他の条件は
同じにした反射防止膜を作成した。さらに、防眩層用塗
布液Aを防眩層用塗布液Cに代え、その他の条件は同じ
にした反射防止膜も作成した。
【0113】さらに、実施例9ないし実施例11のフイ
ルムからも、防眩層用塗布液A,B,Cを1つずつ用い
て前述した反射防止膜の作成条件を同じにしてそれぞれ
の反射防止膜を作成した。
【0114】[反射防止膜の評価]前述した作成方法
で、実施例8ないし11のフイルム(防眩層A,B,
C)から形成された12種類の反射防止膜について以下
の項目の評価を行った。また、実施例1のフイルムから
も前述した方法により反射防止膜を作成した。なお、こ
の反射防止膜の防眩層には防眩層用塗布液Aを用いた。
以下の評価方法から得られた結果については後に表2に
まとめて示す。
【0115】(反射防止膜の評価) (1)鏡面反射率及び色味 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーARV−474を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡
面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を
算出し、反射防止性を評価した。さらに、測定された反
射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光
に対する正反射光の色味を表わすCIE1976L*a
*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射
光の色味を評価した。
【0116】(2) 積分反射率 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーILV−471を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5°における積分反射率を測定
し、450〜650nmの平均反射率を算出した。
【0117】(3)ヘイズ 得られたフイルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定
した。
【0118】(4)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60
%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規
定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて、
n=5の評価において傷が全く認められない(○)、n
=5の評価において傷が1または2つ(△)、n=5の
評価において傷が3つ以上(×)の基準で評価をして表
2中に示した。
【0119】(5)接触角測定 表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、
湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角
を測定し、指紋付着性の指標とした。
【0120】(6)動摩擦係数測定 表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩
擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿し
た後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφ
ステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/min
にて測定した値を用いた。
【0121】(7)防眩性評価 作成した反射防止膜にルーバーなしのむき出し蛍光灯
(8000cd/m2 )を映し、その反射像のボケの程
度を、蛍光灯の輪郭が全くわからない(◎)、蛍光灯の
輪郭がわずかにわかる(○)、蛍光灯はぼけているが、
輪郭は識別できる(△)、蛍光灯がほとんどぼけない
(×)の基準で評価をして表2中に示した。
【0122】
【表2】
【0123】実施例8ないし実施例11のフイルムから
形成された反射防止膜は、いずれも防眩性、反射防止性
に優れ、且つ色味が弱く、また、鉛筆硬度、指紋付着
性、動摩擦係数のような膜物性を反映する評価の結果も
良好であった。また、実施例1のフイルムを用いて形成
された反射防止膜を最表層に配置した液晶表示装置を作
成したところ、外光の映り込みがないために優れたコン
トラストが得られ、防眩性により反射像が目立たずに優
れた視認性を有し、指紋付も良好であった。
【0124】また、前述した実施例8及び実施例11か
らセルロースアシレートの置換度と混合溶媒との関係の
好ましい態様が分かる。実施例8においては、セルロー
ストリアセテートのアシル基の置換度は、6位のアシル
化の置換度(請求項12におけるX)が0.85であ
り、2,3位のアシル化の置換度(同Y)が1.98で
あり、アシル基置換度(X+Y)は、2.83であっ
た。また、実施例11においては、Xが0.93,Yが
1.90であり、アシル基置換度(X+Y)は、2.8
3であった。
【0125】混合溶媒は、実施例8においては、酢酸メ
チル63重量%、ケトン類(シクロペンタノン、アセト
ン)22重量%、アルコール類(メタノール、エタノー
ル)15重量%であった。また、実施例11において
は、酢酸メチル68重量%、ケトン類(メチルエチルケ
トン)13重量%、アルコール類(メタノール,エタノ
ール,n−ブタノール)19重量%であった。このよう
に、セルロースアシレートからドープを調整する場合に
おいて、6位のアシル基の置換度(X),アシル基の置
換度(X+Y)と酢酸メチル,ケトン類、アルコール類
からなる混合溶媒との関係により、メチレンクロライド
など環境に影響を及ぼす溶媒を用いることなく良好なフ
イルム,そのフイルムを用いた偏光板等を製造すること
ができる。
【0126】[実施例12]流延製膜する際にリボン前
後に圧力差をつけるためにダイにチャンバーを設置して
リボンの一時側が15mmAq減圧になるようにチャン
バー内を排気して減圧状態とした。他の実験条件は、実
施例11と同じにした。実験は、乾燥風ダクト内にスピ
ーカーを設置して強制的に50Hzの圧力変動を印加し
た。その結果、リボン前後の圧力変動値は3%に達し、
製品フイルムには著しい厚みムラを生じ製品としては使
用できないレベルであった。このリボン前後の圧力変動
を軽減するために、チャンバー排気ダクト内に直径10
0mm、長さ1.5mのサイドブランチ(先端閉塞分岐
管)を設置した。その結果、リボン前後における圧力変
動値は0.8%になり、製膜したフイルムは十分に実用
できるものであった。
【0127】
【発明の効果】本発明は、流延支持体温度の幅方向分布
を均一にすることにより、流延したドープに発泡が発生
するのを防止できるとともに、剥ぎ取り残りが発生する
のを防止できる。
【0128】また、本発明により酢酸メチル、ケトン
類、アルコール類の混合溶媒によりセルロースアシレー
トを効率良く溶解することができ、そのドープから製膜
されたフイルムは優れた光学的性質や物性を有する。
【0129】さらに、このフイルムから作成された偏光
板保護膜、偏光板、光学機能性膜、液晶表示装置は優れ
た光学的性質や物性を有すると共に耐久性にも優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流延製膜方法を実施する流延製膜
ラインの一実施形態の概略図である。
【図2】本発明の流延製膜ラインの他の実施形態の要部
概略図である。
【符号の説明】
11 ミキシングタンク 12 送液ポンプ 13 フィルタ 14 流延ダイ 15 流延バンド 16 流延部側回転ドラム 17 非流延部側回転ドラム 18 ガイドロール 19 剥ぎ取りロール 20 ガイドロール 21 巻取りロール 22 乾燥部 23 フイルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G02B 5/30 5/30 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 B29K 1:00 // B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 1:12 C08L 1:12 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB33 BB43 BB51 BC01 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z GA16 LA12 2K009 AA04 AA05 AA15 BB28 CC03 CC09 CC24 CC26 DD02 DD05 4F071 AA09 AB26 AC10 AC15 AC19 AD02 AE04 AE05 AE10 AE19 AE22 AH12 AH19 BA02 BB02 BC01 BC02 4F205 AA01 AB07 AB10 AB11 AB14 AC05 AG01 AG03 AH73 AR06 AR07 AR08 AR11 GA07 GB02 GB26 GC02 GC07 GE24 GN19 GN24 GN28

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流延ダイより流延支持体上にドープを流
    延してフイルムを製造する方法において、該流延支持体
    温度の幅方向分布を均一にすることを特徴とする溶液製
    膜方法。
  2. 【請求項2】 前記流延支持体のドープ流延部分と非流
    延部分との温度差が5℃以下である請求項1に記載の溶
    液製膜方法。
  3. 【請求項3】 前記流延支持体の左右の温度差が5℃以
    下である請求項1または2に記載の溶液製膜方法。
  4. 【請求項4】 前記流延支持体に流延ドラム又は流延バ
    ンドを用い、流延ドラムの内部又は流延バンドを駆動、
    支持する回転ドラムの内部に熱媒体を流通させて流延支
    持体温度の幅方向分布を均一にする請求項1ないし3の
    いずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  5. 【請求項5】 前記流延されたドープと流通する熱媒体
    との間の総括伝熱係数が100〜3000kcal/m
    2 ・hr・℃である請求項4に記載の溶液製膜方法。
  6. 【請求項6】 前記流延支持体に流延バンドを用い、流
    延部直前の流延バンドを幅方向に均一に冷却するととも
    に、流延部直前以外の流延バンドを幅方向に均一に加熱
    する請求項4または5に記載の溶液製膜方法。
  7. 【請求項7】 前記流延バンドの流延部側の回転ドラム
    に冷却熱媒体を流通させるとともに、非流延部側の回転
    ドラムに加熱媒体を流通させ、冷却熱媒体温度が−10
    〜30℃であり、加熱媒体温度が15〜80℃である請
    求項4ないし6のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  8. 【請求項8】 前記流延ドラム又は流延バンドを駆動、
    支持する回転ドラムの内部に形成された熱媒体の流路と
    表面との間の厚さが5〜50mmである請求項4ないし
    7のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  9. 【請求項9】 前記流延バンドの厚さが0.5〜2.0
    mmである請求項4ないし8のいずれか1つに記載の溶
    液製膜方法。
  10. 【請求項10】 前記流延バンドと回転ドラムとの接触
    時間が非接触時間の6%以上であることを特徴とする請
    求項4に記載の溶液製膜方法。
  11. 【請求項11】 流延ダイの先端と流延支持体との間の
    距離の変動が500μm以下であることを特徴とする請
    求項1ないし10のいずれか1つに記載の溶液製膜方
    法。
  12. 【請求項12】 流延ダイの先端と流延支持体との間の
    距離の変動率、流延ドープの送液量の変動率、流延支持
    体の移動速度の変動率、および流延リボン前後の圧力差
    の変動率がいずれも2%以下であることを特徴とする請
    求項1ないし11のいずれか1つに記載の溶液製膜方
    法。
  13. 【請求項13】 前記ドープの流延後からフイルム巻取
    りまでの間に、流延ダイの先端と流延支持体との間の距
    離の変動値、流延ドープの送液量の変動値、流延支持体
    の移動速度の変動値、および流延リボン前後の圧力差の
    変動値の少なくとも1つの変動値を検出し、この変動値
    に基づき変動を抑えることを特徴とする請求項1ないし
    12のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  14. 【請求項14】 前記ドープが、セルロースアシレート
    溶液であり、該セルロースアシレートの6位のアシル基
    置換度Xが残余の置換度Yとの関係において下記(1)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし13の
    いずれか1つに記載の溶液製膜方法。 X≧0.7,X+Y≧2.71....(1)
  15. 【請求項15】 前記セルロースアシレートが、セルロ
    ーストリアセテートであることを特徴とする請求項14
    に記載の溶液製膜方法。
  16. 【請求項16】 前記ドープがセルロースアシレート溶
    液であり。その溶媒が酢酸メチル、ケトン類及びアルコ
    ール類からなり、その溶媒比率が酢酸メチルが20〜9
    0重量%、ケトン類が5〜60重量%、アルコール類が
    5〜30重量%である請求項1ないし15のいずれか1
    つに記載の溶液製膜方法。
  17. 【請求項17】 前記ドープがセルロースアシレート溶
    液であり、かつ、少なくとも一種の可塑剤をセルロース
    アシレートに対して0.1〜20重量%含有しているこ
    とを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記
    載の溶液製膜方法。
  18. 【請求項18】 前記ドープがセルロースアシレート溶
    液であり、かつ、少なくとも一種の紫外線吸収剤をセル
    ロースアシレートに対して0.001〜5重量%含有し
    ていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか
    1つに記載の溶液製膜方法。
  19. 【請求項19】 前記ドープがセルロースアシレート溶
    液であり、かつ、少なくとも一種の微粒子粉体をセルロ
    ースアシレートに対して0.001〜5重量%含有して
    いることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1
    つに記載の溶液製膜方法。
  20. 【請求項20】 前記ドープがセルロースアシレート溶
    液であり、かつ、少なくとも一種の離型剤をセルロース
    アシレートに対して0.001〜2重量%含有している
    ことを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法。
  21. 【請求項21】 前記ドープがセルロースアシレート溶
    液であり、かつ、少なくとも一種のフッ素系界面活性剤
    をセルロースアシレートに対して0.002〜2重量%
    含有していることを特徴とする請求項1ないし20のい
    ずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  22. 【請求項22】 前記溶液製膜法において、流延工程で
    2種類以上のセルロースアシレート溶液を共流延する製
    造工程である請求項1ないし21のいずれか1つに記載
    の溶液製膜方法。
  23. 【請求項23】 前記溶液製膜方法において、流延工程
    で1種類以上のセルロースアシレート溶液を逐次重層流
    延し、流延乾燥されたドープの残留溶剤の量が10〜1
    50重量%であるときに次の溶液を重層して流延するこ
    とを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1つに記
    載の溶液製膜方法。
  24. 【請求項24】 前記溶液製膜方法において、流延工程
    で1種類以上のセルロースアシレート溶液を逐次重層流
    延し、流延乾燥されたセルロースアシレート溶液の温度
    が0〜40℃であるときに引き続いて次のセルロースア
    シレート溶液を重層して流延することを特徴とする請求
    項1ないし23のいずれか1つに記載の溶液製膜方法。
  25. 【請求項25】 前記溶液製膜方法において、流延支持
    体上および支持体から剥離後のセルロースアシレートフ
    イルムを乾燥する際に前記セルロースアシレートフイル
    ムに伝達される熱エネルギーが総括伝熱が5〜200k
    cal/m2・hr・℃の範囲の伝熱速度で伝達される
    ことを特徴とする請求項1ないし24のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法。
  26. 【請求項26】 請求項1ないし25のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法により製膜されたフイルムを用いて
    構成したことを特徴とする偏光板用保護膜。
  27. 【請求項27】 請求項1ないし25のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法により製膜されたフイルムを用いて
    構成したことを特徴とする偏光板。
  28. 【請求項28】 請求項1ないし25のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法により製膜されたフイルムを用いて
    構成したことを特徴とする光学機能性膜。
  29. 【請求項29】 請求項1ないし25のいずれか1つに
    記載の溶液製膜方法により製膜されたフイルムを用いて
    構成したことを特徴とする液晶表示装置。
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