JP2002182004A - 反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置

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JP2002182004A
JP2002182004A JP2000380809A JP2000380809A JP2002182004A JP 2002182004 A JP2002182004 A JP 2002182004A JP 2000380809 A JP2000380809 A JP 2000380809A JP 2000380809 A JP2000380809 A JP 2000380809A JP 2002182004 A JP2002182004 A JP 2002182004A
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cellulose acylate
film
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JP2000380809A
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Taku Nakamura
卓 中村
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来にはなかった厚みを薄くしたセルロースア
シレートを支持体とする反射防止フイルム、およびそれ
を用いた偏光板、さらには該偏光板を用いた液晶表示装
置を提供する。 【解決手段】厚みが10〜70μmであるセルロースア
シレートからなる支持体1上に、直接または他の層を介
して、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層2を有する
ことを特徴とする反射防止フイルム、このフィルムを用
いた偏光板およびこの偏光板を備えた液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアシレ
ートを支持体とする反射防止フィルム、およびそれを用
いた偏光板、さらには該偏光板用いた液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートからなる反射防止
フィルムは、様々な用途に用いられているが、特に液晶
表示装置用偏光板の保護フィルムとして広く用いられて
来た。しかし、特開平7−333404号公報に記載さ
れている様に、従来のセルロースアシレートからなる支
持体は厚みが80μmと厚く、液晶表示装置の厚みを薄
くするためには、この反射防止フィルムを更に薄くする
ことが求められていた。しかしセルロースアシレートか
らなる支持体の厚みを薄くすることは、それ自身のハン
ドリングを困難にするばかりか、その上に必要な機能を
有する塗布層を設けることを難しくしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
にはなかった厚みを薄くしたセルロースアシレートを支
持体とする反射防止フィルム、およびそれを用いた偏光
板、さらには該偏光板を用いた液晶表示装置を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の反射防止フィルム、偏光板、および液晶表示装置が
提供されて、本発明の上記目的が達成される。 1.厚みが10〜70μmであるセルロースアシレート
からなる支持体上に、直接または他の層を介して、支持
体よりも屈折率の低い低屈折率層を有することを特徴と
する反射防止フィルム。 2.他の層が、表面に微細な凹凸を有し、その屈折率が
支持体よりも大きい防眩層であることを特徴とする上記
1に記載の反射防止フィルム。 3.防眩層と支持体との間に、鉛筆硬度が支持体よりも
高く、屈折率が防眩層よりも小さくかつ低屈折率層より
は大であり、そして厚みが1μm以上のハードコート層
を有することを特徴とする上記2に記載の反射防止フィ
ルム。 4.他の層が、支持体より高い鉛筆硬度を有し、その屈
折率が低屈折率層よりも大きく、そして厚みが1μm以
上であるハードコート層であることを特徴とする上記1
に記載の反射防止フィルム。 5.ハードコート層と低屈折率層との間に、屈折率がハ
ードコート層より大きい高屈折率層を有することを特徴
とする上記4に記載の反射防止フィルム。 6.ハードコート層と高屈折率層の間に、屈折率が低屈
折率層より大きくかつ高屈折率層よりは小さい中屈折率
層を有することを特徴とする上記5に記載の反射防止フ
ィルム。 7.セルロースアシレートからなる支持体が、セルロー
スアシレート溶液を用いて、二層以上の流延でフィルム
化されたことを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載
の反射防止フィルム。 8.セルロースアシレートからなる支持体が、炭素数3
〜12のエーテル、炭素数3〜12ンのケトン、炭素数
3〜12のエステル、および炭素数1〜7のハロゲン化
炭化水素から選ばれる溶媒にセルロースアシレートを溶
解した溶液を流延することによってフィルム化されたも
のであることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載
の反射防止フィルム。 9.セルロースアシレートからなる支持体が、ハロゲン
化炭化水素を含まない溶媒にセルロースアシレートを溶
解した溶液を流延することによってよってフィルム化さ
れたものであることを特徴とする上記1〜7のいずれか
に記載の反射防止フィルム。 10.セルロースアシレートがセルローストリアセテー
トであることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載
の反射防止フィルム。 11.上記1〜10のいずれかに記載の反射防止フィル
ムを保護フィルムとする偏光板。 12.上記11に記載の偏光板を使用した液晶表示装
置。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。本発明のセルロースアシレートからなる反
射防止フィルムの基本的な構成を図面を引用しながら説
明する。
【0006】[反射防止フィルムの構成]図1および図
2は、反射防止フィルムの様々な層構成を示す断面模式
図である。図1の(a)に示す態様は、セルロースアシレ
ートからなる支持体1、低屈折率層2からなる反射防止
フィルムを示す。図1の(b)に示す態様は、セルロース
アシレートからなる支持体1、防眩層3、低屈折率層2
からなる反射防止フィルムを示す。図1の(c)に示す態
様は、セルロースアシレートからなる支持体1、ハード
コート層4、防眩層3、低屈折率層2からなる反射防止
フィルムを示す。図2の(d)に示す態様は、セルロース
アシレートからなる支持体1、ハードコート層4、低屈
折率層2からなる反射防止フィルムを示す。図2の(e)
に示す態様は、セルロースアシレートからなる支持体
1、ハードコート層4、高屈折率層5、低屈折率層2か
らなる反射防止フィルムを示す。図2の(f)に示す態様
は、セルロースアシレートからなる支持体1、ハードコ
ート層4、中屈折率層6、高屈折率層5、低屈折率層2
からなる反射防止フィルムを示す。
【0007】以下、本発明の反射防止フィルムを構成す
る層について詳しく説明する。 〔支持体〕本発明の支持体に用いられるセルロースアシ
レートについて、以下に記す。本発明に用いられるセル
ロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リン
ターや木材パルプなどがあるが、何れの原料セルロース
から得られるセルロースアシレートでも使用できるし、
混合して使用してもよい。これらのセルロースから得ら
れる本発明のセルロースアシレートは、セルロースの水
酸基のうちアシル化されているものの数が下記式(I)
〜(III)の全てを満足するものが好ましい。
【0008】式(I) :2.6≦A+B≦3.0 式(II) : 2.0≦A≦3.0 式(III): 0≦B≦0.8 式中、Aはセルロースの水酸基のうちアセチル化された
数であり、Bはセルロースの水酸基のうち炭素原子数3
〜22のカルボン酸でアシル化された数である。セルロ
ースには1グルコース単位に3個の水酸基があり、上記
の数字はその水酸基に対するアシル化されたものの数を
表すもので、最大が3である。セルローストリアセテー
トは、一般に、A(アセチル化された数)が2.6以上
3.0以下であり(この場合、置換されなかった水酸基
は最大0.4%である)、B=0の場合が本来のセルロ
ーストリアセテートである。本発明に用いられるセルロ
ースアシレートは、アシル基が全部アセチル基である本
来のセルローストリアセテート、およびアセチル化され
た水酸基が2以上で、炭素原子数が3〜22のカルボン
酸によってアシル化された水酸基が0.8以下、置換さ
れなかった水酸基が0.4以下のものが好ましい。炭素
原子数3〜22のカルボン酸でアシル化された場合、B
が0.3以下であることが物性の点から特に好ましい。
なお、アシル化された水酸基の個数は、セルロースの水
酸基に置換する酢酸および炭素原子数3〜22の脂肪酸
の結合度を測定し、計算によって得られる。測定方法と
しては、ASTMのD−817−91に準じて実施する
ことが出来る。
【0009】本発明に使用するセルロースアシレートの
重合度(粘度平均)は200〜700が好ましく、特に
250〜550のものが好ましい。一般的にセルロース
トリアセテートを含むセルロースアシレートフィルム繊
維または成型品の機械的強度がタフであるためには重合
度が200以上あることが必要とされており、祖父江
寛、右田伸彦編「セルロースハンドブック」朝倉書房
(1958)や、丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材
料講座17」日刊工業新聞社(1970)に記載されて
いる。粘度平均重合度はオストワルド粘度計で測定する
ことができ、測定されたセルロースアシレートの固有粘
度[η]から下記式により求められる。 DP=[η]/Km(式中DPは粘度平均重合度、Km
は定数6×10-4
【0010】本発明に使用するアセチル基と炭素原子数
3〜22のアシル基を有するセルロースアシレートにつ
いて、具体的に述べる。アセチル基の他の炭素数3〜2
2のアシル基はプロパノイル基(C25CO−)、ブタ
ノイル基(C37CO−)(n−、iso−)、バレロ
イル基(C49CO−)(n−、iso−、sec−、
tert−)、オクタノイル、ドデカノイル、オクタデ
カノイル、オレオロイルなどを挙げることが出来、これ
らの中でもプロパノイル、ブタノイルが好ましい。これ
らのうちn−置換のものがフィルムにした時の機械的強
さ、溶解し易さ等から好ましく、特にn−プロパノイル
基が好ましい。また、アセチル化率が低いと機械的強
さ、耐湿熱性が低下する。炭素原子数3〜5のアシル化
率が高いと有機溶媒への溶解性は向上するが、アセチル
化率、アシル化率が前記の範囲であれば良好な物性を示
す。
【0011】更に、本発明に用いられるセルロースアシ
レートのなかでもセルローストリアセテートが好まし
く、特に写真用グレードのものが好ましい。市販の写真
用グレードのものは粘度平均重合度、酢化度等の品質を
満足するものを入手することができる。写真用グレード
のセルローストリアセテートのメーカーとしては、ダイ
セル化学工業(株)、コートルズ社、ヘキスト社、イー
ストマンコダック社等があり、何れの写真用グレードの
セルローストリアセテートも使用できる。
【0012】これらのアシル基のアシル化剤が、酸無水
物や酸クロライドである場合は、反応溶媒として、有機
酸、例えば酢酸やメチレンクロライド等が使用される。
触媒としては、硫酸のようなプロトン性触媒が好ましく
用いられる。アシル化剤が酸クロライド(例えばCH3
CH2COCl)の場合には塩基性化合物が用いられ
る。工業的に最も一般的な方法は、セルロースをアセチ
ル基および他のアシル基に対応する脂肪酸(酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸)またはそれらの酸無水物(無
水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草酸)を
含む混合有機酸成分でアシル化してセルロースアシレー
トを合成する。本発明に用いられるセルロースアシレー
トの具体的な製造方法については、例えば、特開平10
−45804号公報に記載されている。本発明のこれら
のセルロースアシレートは、セルロースアシレート溶液
全量に対してその濃度が5〜30質量%であり、より好
ましくは10〜28質量%であり、特に好ましくは15
〜25質量%である。
【0013】本発明では、ソルベントキャスト法により
セルロースアシレートフィルムを製造することが好まし
く、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解したセルロ
ースアシレート溶液(ドープ)を用いて製造される。本
発明で好ましく用いられる有機溶媒は、炭素数が3〜1
2のエーテル、炭素数が3〜12のケトン、炭素数が3
〜12のエステル、および炭素数1〜7のハロゲン化炭
化水素であり、エーテル、ケトンおよびエステルは、環
状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエ
ステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−
COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機
溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコー
ル性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二
種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素数
は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であ
ればよい。
【0014】炭素数が3〜12のエーテル類の例には、
ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキ
シエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトー
ルが挙げられる。炭素数が3〜12のケトン類の例に
は、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサ
ノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素
数が2〜12のエステル類の例には、メチルホルメー
ト、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチル
ホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよ
びペンチルアセテートが挙げられる。炭素数1〜7のハ
ロゲン化炭化水素の例には、四塩化炭素、クロロホル
ム、塩化メチレン、トリクロロエタン、トリクロロプロ
パン、塩化エチレンが挙げられる。また二種類以上の官
能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルア
セテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシ
エタノールが挙げられる。
【0015】本発明のセルロースアシレート溶液は、溶
媒として2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよ
い。特に好ましい有機溶媒は、互いに異なる3種類以上
の混合溶媒であって、第1の溶媒が炭素数が3〜4のケ
トンおよび炭素数が3〜4のエステル或いはその混合液
であり、第2の溶媒が炭素数が5〜7のケトン類、エー
テル類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶
媒として沸点が30〜170℃のアルコールまたは沸点
が30〜170℃の炭化水素から選ばれる。第1の溶媒
のケトン類、エステル類およびエーテル類については、
好ましくはアセトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、蟻酸エ
チルである。第2の溶媒は、メチルイソブチルケトン、
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチ
ル、ジオキサン、1,3−ジオキソランが好ましい。
【0016】第3の溶媒は、沸点が30〜170℃のア
ルコールまたは沸点が30〜170℃の炭化水素から選
ばれる。アルコールは一価であることが好ましい。アル
コールの炭化水素部分は、直鎖であっても、分岐を有し
ていても環状であってもよい。炭化水素部分は、飽和脂
肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸
基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコ
ールの例には、メタノール(沸点:64.65℃)、エ
タノール(78.325℃)、1−プロパノール(9
7.15℃)、2−プロパノール(82.4℃)、1−
ブタノール(117.9℃)、2−ブタノール(99.
5℃)、t−ブタノール(82.45℃)、1−ペンタ
ノール(137.5℃)、2−メチル−2−ブタノール
(101.9℃)およびシクロヘキサノール(161
℃)が含まれる。アルコールについては、2種類以上の
混合液で用いてもよい。炭化水素は、直鎖であっても、
分岐を有していても、環状であってもよい。炭化水素と
しては芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用い
ることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不
飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサ
ン(沸点:80.7℃)、ヘキサン(69℃)、ベンゼ
ン(80.1℃)、トルエン(110.6℃)およびキ
シレン(138.4〜144.4℃)が含まれる。
【0017】3種混合溶媒中には、第1の溶媒が30〜
95質量%含まれることが好ましく、40〜90質量%
含まれることがより好ましく、50〜90質量%含まれ
ることが更に好ましく、50〜質量%含まれることが最
も好ましい。第2の溶媒および第3の溶媒は、1〜40
質量%含まれることが好ましく、3〜30質量%含まれ
ることがより好ましい。本発明で好ましいこれらの溶媒
の組み合わせは、以下のものを挙げることができる。セ
ルロースアシレート/酢酸メチル/シクロヘキサノン/
メタノール/エタノール(X/(70−X)/20/5
/5、質量部)、セルロースアシレート/酢酸メチル/
メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノー
ル (X/(50−X)/20/20/5/5、質量
部)、セルロースアシレート/アセトン/アセト酢酸メ
チル/エタノール (X/(75−X)/20//5、
質量部)、セルロースアシレート/酢酸メチル/シクロ
ペンタノン/メタノール/エタノール(X/(80−
X)/10/5/5、質量部)、セルロースアシレート
/酢酸メチル/1、3ジオキソラン/メタノール/エタ
ノール (X/(70−X)/20/5/5、質量
部)、セルロースアシレート/酢酸メチル/ジオキサン
/アセトン/メタノール/エタノール (X/(60−
X)/20/10/5/5、質量部)、セルロースアシ
レート/1,3ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチ
ルエチルケトン/メタノール/エタノール (X/(5
5−X)/20/10/5/5/5、質量部)が好まし
い組み合わせである。ここでXはセルロースアシレート
の質量部を表わし、好ましくは10〜25であり特には
13〜25である。
【0018】本発明に用いるセルロースアシレート溶液
には、上記本発明の有機溶媒以外に、フルオロアルコー
ルやメチレンクロライドを本発明の全有機溶媒量の10
質量%以下含有させることもフィルムの透明性を向上さ
せたり、溶解性を早めたりする上で好ましい。フルオロ
アルコールとしては沸点が165℃以下のものがよく、
好ましくは111℃以下がよく、更に80℃以下が好ま
しい。フルオロアルコールは炭素数が2〜10程度、好
ましくは2〜8程度のものがよい。また、フルオロアル
コールはフッ素原子含有脂肪族アルコールで、置換基が
あってもなくてもよい。置換基としてはフッ素原子含有
或いはなしの脂肪族置換基、芳香族置換基などがよい。
【0019】なお、セルロースアシレートの溶解に当た
っては、予め室温でセルロースアシレートを非ハロゲン
系有機溶媒に膨潤させることが好ましい。すなわち、非
ハロゲン系有機溶媒にセルロースアシレート粉末を良く
攪拌しつつ添加するか、あるいはその逆としてセルロー
スアシレートに非ハロゲン系有機溶媒を添加すること
で、セルロースアシレートの膨潤液を作製することがで
きる。この時、膨潤に好ましい時間は0.1〜24時間
が好ましく、より好ましくは0.2〜6時間であり、更
には0.5〜3時間である。セルロースアシレートと溶
媒の混合は粘度が著しくアップするため、強力な攪拌装
置が好ましく、ニーダーなどを用いたり、スクリュー押
出し機を通過させたりすることが好ましい。
【0020】次に、セルロースアシレートの溶解方法に
ついて記述する。セルロースアシレート溶液は、−10
0〜−10℃、好ましくは−80〜−10℃、さらに好
ましくは−80〜−30℃、最も好ましくは−80〜−
50℃に冷却される。冷却は、例えば、機械的冷凍機
(−100℃)、ドライアイス・メタノール浴(−75
℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−
20℃)で実施できる。このように冷却すると、セルロ
ースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。冷却速
度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場合は、
冷却に伴いセルロースアシレート溶液の粘度が上がり、
冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するために効
率よい溶解タンクとすることが必要である。また、本発
明のセルロースアシレート溶液は膨潤させたあと、所定
の冷却温度にした冷却装置内に短時間で移送することに
より達成できる。冷却時間についても特に限定されない
が、短いほど生産性上で好ましく、その時間は0.5〜
180分が好ましく、より好ましくは0.5〜30分で
あり、特に好ましくは0.5〜10分である。冷却して
得られたセルロースアシレート溶液は、次に0〜50℃
に加温することが好ましく、これにより流動するセルロ
ースアシレート溶液となる。
【0021】次に本発明ではセルロースアシレートの混
合有機溶媒液は、0.3Mpa〜30Mpaの加圧下で
70〜200℃に加熱される。好ましくは70〜180
℃、更に好ましく70〜160℃である。加熱時間は特
に限定されないが短いほど好ましく、0.5〜60分が
好ましくく、より好ましくは0.5〜30分であり、特
に好ましくは1〜10分である。加熱の方法は特に限定
されず、例えば高圧蒸気でもよく電気熱源でもよい。さ
らに炭酸ガスを溶媒に共存させ、所謂超臨界状態での溶
解方法をとってもよく、二酸化炭素が溶液中の5〜30
質量%であることが好ましい。この場合は、より低い温
度の高圧下で溶解を達成できる。高圧のためには耐圧容
器あるいは耐圧ラインを必要とするが、鉄やステンレス
製あるいは他の金属耐圧容器やラインのいずれでもよ
く、特に限定されない。
【0022】次にこれらの加熱溶液はそのままでは取り
扱いができないため、使用した溶媒の最も低い沸点以下
に冷却する必要がある。その場合、−10〜50℃に冷
却して常圧に戻すことが一般的である。冷却はセルロー
スアシレート溶液が内蔵されている高圧高温容器やライ
ンを、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷
却水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。な
お、溶解を早めるために加熱と冷却の操作を繰り返して
もよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液
の概観を観察するだけで判断することができる。高圧高
温溶解方法においては、溶媒の蒸発を避けるために密閉
容器を用いる。また、膨潤工程おいて、加圧や減圧にす
ることで更に溶解時間を短縮することが出来る。加圧お
よび減圧を実施するためには、耐圧性容器あるいはライ
ンが必須である。以上の冷却と高温高圧により本発明の
セルロースアシレート溶液は作成できるが、その順序は
どちらでもよく特に限定されない。しかし、作製したセ
ルロースアシレート溶液をろ過および流延するために
は、常温で実施することが好ましく、したがって冷却し
た後の高温高圧にして溶解することがより好ましい。
【0023】上記で得られた本発明のドープのセルロー
スアシレート溶液の濃度は前述のごとく、高濃度のドー
プが得られるのが特徴であり、濃縮という手段に頼らず
とも高濃度でしかも安定性の優れたセルロースアシレー
ト溶液が得られる。しかし場合により、更に溶解し易く
するために低い濃度で溶解してから、しかる後に濃縮手
段を用いて濃縮してもよい。濃縮の方法としては、特に
限定するものはないが、例えば、低濃度溶液を筒体とそ
の内部の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との
間に導くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を
蒸発させながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平
4−259511号公報等)、加熱した低濃度溶液をノ
ズルから容器内に吹き込み、溶液をノズルから容器内壁
に当たるまでの間で溶媒をフラッシュ蒸発させるととも
に、溶媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底
から抜き出す方法(例えば、USP第2,541,01
2号、同第2,858,229号、同第4,414,3
41号、同第4,504,355号各明細書等などに記
載の方法)等で実施できる。
【0024】本発明のセルロースアシレート溶液を調製
する際に、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満さ
せてもよい。セルローストリアセテート溶液の製膜直前
の粘度は、製膜の際に流延可能な範囲であればよく、通
常10ps・s〜2000ps・sの範囲に調製される
ことが好ましく、特に30ps・s〜400ps・sが
好ましい。なお、この時の温度はその流延時の温度であ
れば特に限定されないが、好ましくは−5〜70℃であ
り、より好ましくは−5〜55℃である。本発明のセル
ロースアシレート溶液には、各調製工程において用途に
応じた種々の添加剤を加えることができる。またその添
加する時期はドープ作製工程において何れでも添加して
も良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を
添加し調製する工程を加えて行ってもよい。それらの添
加剤は、可塑剤、紫外線防止剤や劣化防止剤(例、酸化
防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性
化剤、酸捕獲剤、アミン)である。
【0025】好ましく添加される可塑剤としては、リン
酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リ
ン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート
(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフ
ェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェー
トが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸
エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタ
ル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチル
トリブチル、が含まれる。
【0026】その他のカルボン酸エステルの例には、オ
レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシ
ン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれ
る。グリコール酸エステルの例としては、トリアセチ
ン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリ
ルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレ
ートなどがある。中でもトリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチル
フタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチ
ン、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。特
にトリフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、エ
チルフタリルエチルグリコレートが好ましい。これらの
可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。可塑
剤の添加量はセルロースアシレートに対して5〜30質
量%以下、特に8〜16質量%以下が好ましい。これら
の化合物は、セルロースアシレート溶液の調製の際に、
セルロースアシレートや溶媒と共に添加してもよいし、
溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0027】その他、本発明においてはその光学的異方
性を小さくする可塑剤として、特開平11−12444
5号記載の(シ゛)ペンタエリスリトールエステル類、特開
平11−246704号記載のグリセロールエステル
類、特開2000−63560号記載のジグリセロール
エステル類、特開平11−92574号記載のクエン酸
エステル類、特開平11−90946号記載の置換フェ
ニルリン酸エステル類などが好ましく用いられる。
【0028】劣化防止剤や紫外線防止剤については、特
開昭60−235852号、、特開平3−199201
号、同5−1907073号、同5−194789号、
同5−271471号、同6−107854号、同6−
118233号、同6−148430号、同7−110
56号、同7−11055号、、同7−11056号、
同8−29619号、同8−239509号、特開20
00−204173号の各公報に記載がある。劣化防止
剤の添加量は、調製するセルロースアシレート溶液(ド
ープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、
0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロ
キシトルエン(BHT)を挙げることができる。
【0029】本発明では、一種または二種以上の紫外線
吸収剤をセルロースアシレート溶液に含有させることが
さらに好ましい。液晶用紫外線吸収剤は、液晶の劣化防
止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に
優れ、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以
上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オ
キシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化
合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系
化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系
化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤
は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化
合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、
セルロースアシレートに対する不要な着色が少ないこと
から、好ましい。
【0030】本発明においては、セルロースアシレート
溶液中に光学異方性をコントロールするためのレターデ
ーション上昇剤が、場合により添加される。これらは、
セルロースアシレートフィルムのレターデーションを調
整するため、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族
化合物をレターデーション上昇剤として使用することが
好ましい。芳香族化合物は、セルロースアシレート10
0質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使
用する。芳香族化合物は、セルロースアセレート100
質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用
することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使
用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合
物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳
香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
【0031】本発明で用いられるセルロースアシレート
の光学特性について記す。フイルムの面内のレターデー
ション(Re)について記すと、その測定法はエリプソ
メーター(偏光解析計AEP−100:島津製作所
(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける面内
の縦横の屈折率差にフィルム膜厚さを乗じたものであ
り、下記の式で求められる。 Re=(nx−ny)×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率、d:フィ
ルム膜厚 小さいほど、面内方向の光学異方性がないことを示すが
0〜300nmの範囲で用途に応じて用いられる。ま
た、フイルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)
も重要であり、波長632.8nmにおける厚さ方向の
複屈折にフィルム膜厚を乗じたものであり、下記の式で
求められる。 Rth={(nx+ny)/2−nz}×d nx:横方向の屈折率、ny:縦方向の屈折率、nz:
厚さ方向の屈折率 厚さ方向の屈折率が小さいほど、厚さ方向の光学異方性
がないことを示すが、その使用用途によって好ましい範
囲は定まる。一般には、本発明のセルロースアシレート
フィルムのRthは100μm当たり、0nm〜600
nmであり、さらには0nm〜400nmが好ましい。
【0032】セルロースアシレート溶液を流延する前に
下記一般式(1)または一般式(2)で表わされる剥離
剤の少なくとも一種を溶液の0.005〜2質量%添加
することが好ましい。 一般式(1):(R1−B1−O)n1−P(O)−(OM
1)n2 一般式(2):R2−B2−X ここで、R1とR2は炭素数4〜40の置換、無置換の
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基およびアリル
基を表わし、M1はアルカリ金属、アンモニア、低級ア
ルキルアミンである。また、B1、B2は2価の連結基
を表わし、Xはカルボン酸、カルボン酸塩、、スルフォ
ン酸塩、または硫酸エステル塩を表す。n1は、1また
は2であり、n2は(3−n1)の整数である。
【0033】以下に、一般式(1)または(2)で表わ
される剥離剤について記述する。R1とR2の好ましい
例としては、炭素数4〜40の置換、無置換のアルキル
基(例えば、ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチル
ヘキシル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シル、エイコサニル、ドコサニル、ミリシル、など)、
炭素数4〜40の置換、無置換のアルケニル基(例え
ば、2−ヘキセニル、9−デセニル、オレイルなど)、
炭素数4〜40の置換、無置換のアリル基(例えば、フ
ェニル、ナフチル、メチルフェニル、ジメチルフェニ
ル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフ
ェニル、ジイソプロピルフェニル、トリイソプロピルフ
ェニル、t−ブチルフェニル、ジ−t−ブチルフェニ
ル、トリ−t−ブチルフェニル、イソペンチルフェニ
ル、オクチルフェニル、イソオクチルフェニル、イソノ
ニルフェニル、ジイソノニルフェニル、ドデシルフェニ
ル、イソペンタデシルフェニル、など)などを表す。
【0034】以下に、好ましい剥離剤の具体例を記載す
るがこれらに限定されるものではない。
【0035】RZ−1:C817O−P(=O)−(OH)2 RZ−2:C1225O−P(=O)−(OK)2 RZ−3:C1225OCH2CH2O−P(=O)−(OK)
2 RZ−4:C1531(OCH2CH2)5O−P(=O)−(O
K)2 RZ−5:[C1225O(CH2CH2O)5]2−P(=O)−
OH RZ−6:[C1835(OCH2CH2)8O]2−P(=O)
−ONH4 RZ−7:(t−C49)3−C62−OCH2CH2O−
P(=O)−(OK)2 RZ−8:(iso−C919−C64−O−(CH2CH
2O)5−P(=O)−(OK)(OH) RZ−9:C1225SO3Na RZ−10:C1225OSO3Na RZ−11:C1733COOH RZ−12:C1733COOH・N(CH2CH2OH)3 RZ−13:iso−C817−C64−O−(CH2
2O)3−(CH2)2SO3Na RZ−14:(iso−C919)2−C63−O−(CH2
CH2O)3−(CH2)4SO3Na RZ−15:トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸
ナトリウム RZ−16:トリ−t−ブチルナフタレンスルフォン酸
ナトリウム RZ−17:C1733CON(CH3)CH2CH2SO3
a RZ−18:C1225−C64SO3・NH4
【0036】上記一般式(1)、(2)で表される剥離
剤の使用量は、好ましくは溶液の0.002〜2質量
%、より好ましくは0.005〜1質量%であり、さら
に好ましくは0.01〜0.5質量%である。その添加
方法は、特に限定されないがそのまま液体或いは固体の
まま、溶解する前に他の素材と共に添加され溶液として
も良いし、予め作製されたセルロースアシレート溶液に
後から添加しても良い。
【0037】また、セルロースアシレート溶液には、必
要に応じて更に種々の添加剤を溶液の調製前から調製後
のいずれの段階で添加してもよい。例えば微粒子を添加
してフィルムの軋みを防止する目的で、シリカ、カオリ
ン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子、カ
ルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩な
どの熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤などで
ある。
【0038】溶液は流延に先だって、金網やネルなどの
適当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの異
物を濾過除去しておくのが好ましい。セルロースアシレ
ート溶液の濾過には絶対濾過精度が0.05〜100μ
mのフィルタが用いられ、さらには絶対濾過精度が0.
5〜10μmであるフィルタを用いることが好ましい。
その場合、16kg/cm2 以下(好ましくは12kg
/cm2以下、更に好ましくは10kg/cm2以下、特
に好ましくは2kg/cm2以下の濾過圧力で濾過する
ことが好ましい。このような精密濾過により、本発明の
セルロースアシレートからなる支持体は、クロスニコル
状態で認識される大きさが50μmを越える異物は面積
250mm2当たり実質上0個が達成でき、さらには5
〜50μmの異物が面積250mm2当たり200個以
下が達成でき、偏光板用保護フィルムとしての商品価値
を著しくあげることができる。ここで、本発明で得られ
るフィルムはクロスニコル状態で配置した二枚の偏光板
の間に置かれ、一方の偏光板の外側から光を当て、他方
の偏光板の外側から顕微鏡(透過光源で倍率30倍)で
認識し、その時の異物の数を10箇所にわたって測定
し、この評価を5回繰り返した時の異物の数と定義した
ものである。
【0039】次に、セルロースアシレート溶液を用いた
フィルムの製造方法について述べる。セルロースアシレ
ートフィルムを製造する方法および設備は、従来セルロ
ーストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜
方法および溶液流延製膜装置が用いられる。溶解タンク
(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶
液)をストックタンクで一旦貯蔵し、ドープに含まれて
いる泡を脱泡したり最終調製をする。ドープをドープ排
出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液でき
る加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ド
ープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに
走行している流延部の支持体の上に均一に流延され、支
持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェ
ブとも呼ぶ)を支持体から剥離する。得られるウェブの
両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送
して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を
終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンター
とロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により
変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ
用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、
溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレー
ション防止層、保護層等の支持体への表面加工のため
に、塗布装置が付加されることが多い。以下に各製造工
程について簡単に述べるが、これらに限定されるもので
はない。
【0040】まず、調製したセルロースアシレート溶液
(ドープ)は、ソルベントキャスト法によりフィルムと
されることが好ましい。すなわちドープはドラムまたは
バンド上に流延され、溶媒を蒸発させることでフィルム
化される。流延前のドープは、場合により濃縮固形分量
が5〜40%となるように濃度を調整される。ドラムま
たはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好
ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥
方法については、米国特許2336310号、同236
7603号、同2492078号、同2492977
号、同2492978号、同2607704号、同27
39069号、同2739070号、英国特許6407
31号、同736892号の各明細書、特公昭45−4
554号、同49−5614号、特開昭60−1768
34号、同60−203430号、同62−11503
5号の各公報に記載がある。ドープは、表面温度が10
℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好まし
く用いられる。
【0041】得られたセルロースアシレート溶液を、支
持体としての平滑なバンド上或いはドラム上に単層液と
して流延してもよいし、2層以上の複数のセルロースア
シレート液を流延してもよい。複数のセルロースアシレ
ート溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔を置
いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含
む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを
作製してもよく、例えば特開昭61−158414号、
特開平1−122419号、特開平11−198285
号、などに記載の方法が適応できる。また、2つの流延
口からセルロースアシレート溶液を流延することによっ
てもフィルム化することでもよく、例えば特公昭60−
27562号、特開昭61−94724号、特開昭61
−947245号、特開昭61−104813号、特開
昭61−158413号、特開平6−134933号、
に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−162
617号に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流
れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、そ
の高,低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出
すセルロースアシレートフィルム流延方法でもよい。
【0042】或いはまた2個の流延口を用いて、第一の
流延口により支持体に成型したフィルムを剥ぎ取り、支
持体面に接していた側に第二の流延を行なうことでよ
り、フィルムを作製することでもよく、例えば特公昭4
4−20235号に記載されている方法である。流延す
るセルロースアシレート溶液は同一の溶液でもよいし、
異なるセルロースアシレート溶液でもよく特に限定され
ない。複数のセルロースアシレート層に機能を持たせる
ために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液
を、それぞれの流延口から押出せばよい。さらのセルロ
ースアシレート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、
染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収
層、偏光層など)を同時に流延することも実施しうる。
【0043】単層液では、必要なフィルム厚さにするた
めには高濃度で高粘度のセルロースアシレート溶液を押
出すことが必要であり、その場合セルロースアシレート
溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となっ
たり、平面性が不良であったりして問題となることが多
い。この解決として、複数のセルロースアシレート溶液
を流延口から流延することにより、最外層用に低粘度の
溶液を内部層用の高粘度の溶液を同時に支持体上に押出
すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが
作製できる。また、濃厚なセルロースアシレート溶液を
用いることで乾燥負荷の低減化され、フィルムの生産ス
ピードを高められる。共流延の場合の膜厚は、各層の厚
さは特に限定されないが、好ましくは外部層が内部層よ
り薄いことが好ましく用いられる。その際の外部層の膜
厚は、1〜50μmが好ましく、特に好ましくは1〜3
0μmである。
【0044】さらに詳細に流延方法について記すと、調
製されたドープを加圧ダイから支持体上に均一に押し出
す方法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで
膜厚を調節するドクターブレードによる方法、或いは逆
回転するロールで調節するリバースロールコーターによ
る方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加
圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があ
るがいずれも好ましく用いることができる。また、ここ
で挙げた方法以外にも従来知られているセルローストリ
アセテート溶液を流延製膜する種々の方法(例えば特開
昭61−94724号、同61−148013号、特開
平4−85011号、同4−286611号、同5−1
85443号、同5−185445号、同6−2781
49号、同8−207210号公報などに記載の方法)
を好ましく用いることが出来、用いる溶媒の沸点等の違
いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公
報に記載の内容と同様の効果が得られる。
【0045】本発明のセルロースアシレートフィルムを
製造するのに使用されるエンドレスに走行する支持体と
しては、表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレス
ベルト(バンドといってもよい)や、表面がクロムメッ
キによって鏡面仕上げされたドラム支持体やバンド支持
体が用いられる。支持体は、セルロースアシレートフィ
ルム溶液の強度を得るために15℃以下に冷却しておく
ことが好ましい。ドラム支持体の直径としては0.5〜
5mが好ましく、1〜5mがさらに好ましい。ドラム法
の流延ではセルロースアシレート溶液をドラムで冷却
し、乾燥することなく支持体から流延膜を剥ぎ取り、し
かる後に乾燥される。したがって、従来のバンド法に比
べ剥ぎ取りに必要な乾燥時間を必要としないために、高
速での流延が可能となっている。セルロースアシレート
フィルムの製造に用いられる流延時の加圧ダイは、支持
体の上方に1基或いは2基以上の設置でもよい。好まし
くは1基〜3基である。2基以上設置する場合には流延
するドープ量をそれぞれのダイに種々な割合にわけても
よく、複数の精密定量ギヤアポンプからそれぞれの割合
でダイにドープを送液する。この時、セルロースアシレ
ート溶液は同一の溶解タンクから分割されてもよく、ま
た別々に作製して流延ダイに送液し流延してもよい。
【0046】支持体上におけるドープの乾燥は、一般的
には支持体(ドラム或いはベルト)の表面側、つまり支
持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラ
ム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コン
トロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反
対側の裏面から接触させて、伝熱によりドラム或いはベ
ルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法
などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延され
る前の支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒
の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進す
るためには、また支持体上での流動性を失わせるために
は、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点よ
り1〜10℃低い温度に設定することが好ましい。
【0047】セルロースアシレートフィルムの乾燥工程
における乾燥温度は30〜250℃、特に40〜180
℃が好ましい。さらに残留溶媒を除去するために、50
〜160℃で乾燥され、その場合逐次温度を変えた高温
風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることが好ましく用い
られている。以上の方法は、特公平5−17844号公
報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取り
までの時間を短縮することが可能である。使用する溶媒
によって乾燥温度、乾燥風量および乾燥時間が異なり、
使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよい。最終
仕上がりフィルムの残留溶媒量は2質量%以下、更に1
質量%以下であり特に好ましくは0.5質量%以下であ
ることが、寸度安定性が良好なフィルムを得る上で好ま
しい。なお、上記の剥離剤を用いることで更に剥離時間
を短縮でき、かつ剥離時の抵抗が低くなる。その結果、
面状(剥離時の横方向のムラ、ゲル状ブツの剥げ残りに
起因するブツなど)の悪化がないセルロースアシレート
フィルムを得ることができる。
【0048】支持体から剥離後の乾燥工程では、溶媒の
蒸発によってフィルムは巾方向に収縮しようとする。高
温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能
な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィ
ルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、
例えば、特開昭62−46625号公報に示されている
ような乾燥全工程或いは一部の工程を幅方向にクリップ
でウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テン
ター方式)が好ましい。
【0049】セルロースアシレートフィルムを製造する
速度はベルトの長さ、乾燥方法、ドープ溶媒組成等によ
っても変化するが、ウェブをベルトから剥離する時点で
の残留溶媒の量によって殆ど決まってしまう。つまり、
ドープ膜の厚み方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が
高すぎる場合には、剥離した時、ベルトにドープが残っ
てしまい、次の流延に支障を来すため、剥離残りは絶対
あってはならないし、更に剥離する力に耐えるだけのウ
ェブ強度が必要であるからである。剥離時点での残留溶
媒量は、ベルトやドラム上での乾燥方法によっても異な
り、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、ベ
ルト或いはドラム裏面から伝熱する方法が効果的に残留
溶媒量を低減することが出来る。
【0050】更には、積極的に幅方向に延伸する方法も
あり、本発明では、例えば、特開昭62−115035
号、特開平4−152125号、同4−284211
号、同4−298310号、同11−48271号など
に記載されている。これは、セルロースアシレートフィ
ルムの面内レターデーション値を高い値とするために
は、製造したフィルムは延伸される。フィルムの延伸
は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フ
ィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フ
ィルムの延伸は、一軸延伸でもよく2軸延伸でもよい。
フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に
溶媒が残存する場合は有効である。例えば、フィルムの
搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速
度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィ
ルムは延伸される。フィルムの巾をテンターで保持しな
がら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによっ
てもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸
機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用
いる一軸延伸)もできる。フィルムの延伸倍率(元の長
さに対する延伸による増加分の比率)は、10〜30%
であることが好ましい。これら流延から後乾燥までの工
程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気下でもよい。セルロースアシレートフィルムの
巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、定テ
ンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部
応力一定のプログラムテンションコントロール法などの
巻き取り方法で巻き取ることができる。
【0051】出来上がり(乾燥後)のセルロースアシレ
ートフィルムの厚さは、通常5〜500μmの範囲であ
り、更に10〜250μmの範囲が好ましく、特に本発
明の反射防止フィルムとしては10〜70μmの範囲が
最も好ましい。フィルム厚さの調製は、所望の厚さにな
るように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金
のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、支持体速度
等を調節すればよい。次に本発明では、前述した方法で
セルロースアシレート溶液を流延・乾燥してセルロース
アシレートフィルムを得られるが、その際に本発明では
セルロースアシレート溶液が作製された製造装置を、セ
ルロースアシレートフィルム製造後に、特定の洗浄液を
用いて常温で洗浄することが好ましい。本発明で言うと
ころのセルロースアシレート溶液の製造工程とは、セル
ロースアシレート溶液を作製する際の膨潤仕込み装置、
常温,冷却或いは高温高圧溶解装置、続いて流延される
流延ギーサー内部およびその流延口、これらの装置間を
接続する配管、更にはろ過装置、一時的にセルロースア
シレート溶液を貯蔵するストックタンク、濃縮装置、各
種添加物を添加・攪拌する攪拌・混合装置などを示す。
本発明のセルロースアシレート溶液を用いてセルロース
アシレートフィルムを作製した後、これらの製造装置
は、次のセルロースアシレート溶液を作製しセルロース
アシレートフィルムを作製するために、利用した製造装
置を洗浄することが極めて好ましい。
【0052】本発明ではセルロースアシレートフィルム
の表面処理を行うことによって、セルロースアシレート
フィルムとその上に設ける各層との接着の向上を達成す
ることができる。本発明は、グロー放電処理、紫外線照
射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理
を用いることができる。ここでいうグロー放電処理と
は、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる、いわゆる
低温プラズマのことである。
【0053】また本発明の反射防止フィルムを偏光板の
保護フィルムとして用いる場合、偏光子との接着性を改
良するため、セルロースアシレートフィルムの表面に親
水性バインダー層を設けることが好ましい。例えば、−
COOM基(ここで、Mは一価の陽イオンである)含有
の酢酸ビニル-マレイン酸共重合体化合物、または親水
性セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース
等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば酢酸ビニル
-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルベンザール等)天然
高分子化合物(例えばゼラチン、カゼインアラビアゴム
等)、親水基含有ポリエステル誘導体(例えばスルホン
基含有ポリエステル共重合体)が挙げられる。
【0054】本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護
フィルムとして用いる場合、さらに導電性素材を含む帯
電防止層を設けることが好ましい。導電性素材として
は、導電性金属酸化物や導電性ポリマーが好ましい。な
お、蒸着やスパッタリングによる透明導電性膜でもよ
い。導電性層は、最外層でもよいし、内部層でも問題は
ない。導電層は、抵抗が10E0〜10E12Ωである
ことが好ましく、特には10E0〜10E10Ωである
ことが好ましい。導電性金属酸化物の例としてはZn
O、TiO2、SnO2、Al23、In23、Si
2、MgO、BaO、MoO2、V25等、或いはこれ
らの複合酸化物が好ましく、特にZnO、SnO2ある
いはV25が好ましい。複合酸化物の異種原子例として
は、Al、In、Ta、Sb、Nb、ハロゲン元素、A
gの添加が効果的であり、添加量は0.01mol%〜
25mol%の範囲が好ましい。 これらの導電性金属
化合物は、結晶性でもよく非晶質でもよく、形態は球状
でも針状でも鱗片状でもゾル状でもよく特に限定されな
い。1次粒子径が100Å以上0.2μm以下で、これ
らの凝集体の高次構造の長径が300Å以上6μm以下
である特定の構造を有する粉体を帯電防止層に体積分率
で0.01%以上20%以下含んでいることが好まし
い。この導電性微粒子の使用量は0.01〜5.0g/
2が好ましく、特に0.005〜1g/m2が好まし
い。また、これらの導電性を有する金属化合物の体積抵
抗率は10E−6Ω・cm〜10E5Ω・cmであっ
て、特に好ましくい体積抵抗率は10E−6Ω・cm〜
10E2Ω・cmである。
【0055】本発明の帯電防止層には、導電性微粒子を
バインダーに分散させて用いられる。導電性微粒子の分
散用バインダーは、フィルム形成能を有する物であれば
特に限定されるものではないが、例えばゼラチン、カゼ
イン等のタンパク質、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、ジア
セチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース化合物、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、
デンプン誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ
-N-ビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリル酸等の合成ポリマー等を挙げることが
できる。
【0056】さらに伝導性ポリマーとしては、例えばポ
リアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリピロー
ル誘導体、ポリアセチレン誘導体などを挙げることがで
きる。これらの中でも特に好ましいのは、ポリピロール
でありポリスチレンスルフォン酸との塩が好ましい。
【0057】また、本発明に於いては、セルロースアシ
レートフィルムの上のいずれかの層に滑り剤を含有させ
ることが好ましいが、特に最外層が好ましい。本発明で
用いられる滑り剤としては、例えば、特公昭53−29
2号公報に開示されているようなポリオルガノシロキサ
ン、米国特許第4、275、146号明細書に開示され
ているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−3354
1号公報、英国特許第927、446号明細書或いは特
開昭55−126238号および同58−90633号
公報に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素
数10〜24の脂肪酸と炭素数10〜24のアルコール
のエステル)、そして、米国特許第3、933、516
号明細書に開示されているような高級脂肪酸金属塩、ま
た、特開昭58−50534に開示されているような、
直鎖高級脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステル、WO
90108115.8に開示されているような分岐アル
キル基を含む高級脂肪酸−高級アルコールエステル等が
知られている。
【0058】本発明において、セルロースアシレートフ
ィルムの易滑性や高湿度下での耐接着性の改良のために
マット剤を使用することが好ましい。本発明のセルロー
スアシレートフィルムは、その表面の突起物の平均高さ
が0.005〜10μmであり、好ましくは0.01〜
5μmである。また、その突起物は表面に多数ある程良
いが、必要以上に多いとへイズとなり問題である。好ま
しい突起物は本発明の突起物の平均高さを有する範囲で
あれば、例えば球形、不定形マット剤で突起物を形成す
る場合はその含有量が0.5〜600mg/m2であ
り、より好ましいのは1〜400mg/m2である。こ
の時、使用されるマット剤としてはその組成において特
に限定されず、無機物でも有機物でもよく2種類以上の
混合物でもよい。
【0059】本発明のマット剤の無機化合物、有機化合
物は、例えば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸
化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ
素、などの無機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式
法やケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化
ケイ素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チ
タン(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。ま
た、粒径の比較的大きい、例えば20μm以上の無機物
から粉砕した後、分級(振動ろ過、風力分級など)する
ことによっても得られる。その他、ポリテトラフルオロ
エチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポ
リメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、澱
粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物もあげられる。あ
るいはまた懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレ
ードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化
合物、または無機化合物を用いることができる。
【0060】[低屈折率層]本発明に用いられる低屈折率
層は、その屈折率が支持体より低い。低屈折率層の屈折
率は、1.2〜1.7の範囲が好ましく、さらに好まし
くは1.2〜1.5の範囲である。低屈折率層は、屈折
率の低いポリマーからあるいは屈折率の低い化合物とポ
リマーとの混合物から形成することができる。さらに
は、特開平9−288201号公報に記載のように、光
の波長以下のサイズの空気または真空からなるミクロボ
イドを均一ポリマー中に存在させることによっても形成
することができる。屈折率の低い化合物として、フッ素
化合物および下記一般式(I)に示される有機置換され
たケイ素系化合物ないしその加水分解生成物を挙げるこ
とができる。また、これら以外の化合物を併用すること
ができる。 R1 a2 bSiX4-(a+b) ……一般式(I) ここで、R1、R2は、各々独立に、アルキル基、アルケ
ニル基、アリル基、ハロゲン原子、エポキシ基、アミノ
基、メルカプト基、メタクリルオキシ基、またはシアノ
基を有する炭化水素基を表す。Xは、アルコキシル基、
アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子およびアシル
オキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表す。a、b
は、各々独立に、0、1または2である。但し、a+b
は1または2である。
【0061】低屈折率層に用いられるフッ素化合物とし
て、フッ素原子を有するモノマーを重合して形成された
ポリマーが挙げられる。モノマーの具体例としては、例
えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、
ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール
等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化ア
ルキルエステル誘導体類、完全または部分フッ素化ビニ
ルエーテル類等が挙げられる。これらの中から一つまた
は複数のモノマーを任意の比率で組み合わせて共重合す
ることにより所望のポリマーを得ることができる。
【0062】また上記含フッ素モノマーを構成単位とす
るポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマ
ーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマーに
は特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プ
ロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エ
チレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導
体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニ
ルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類
(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキ
シルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリ
ロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
【0063】さらにフッ化マグネシウム、蛍石、二酸化
珪素等の屈折率の小さい無機化合物の微粒子を、ポリマ
ーバインダーに分散したものから低屈折率層を形成する
ことも出来る。ポリマーバインダーとしては、ポリウレ
タン、SBR、ポリシロキサン、アクリル樹脂等が好ま
しく、特にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
等の多官能モノマーから得られる高度に架橋されたアク
リル樹脂が好ましい。
【0064】低屈折率層の厚みは、0.01〜1.0μ
mが好ましく、より好ましくは0.05〜0.4μmで
ある。
【0065】[ハードコート層]本発明の反射防止フィル
ムには、支持体よりも鉛筆硬度が高く、屈折率が後述す
る防眩層より小さく、前述の低屈折率層より大きい3μ
m以上の厚みを有するハードコート層を防眩層と支持体
の間に設けることが出来る。ハードコート層の鉛筆硬度
は、H以上が好ましく、より好ましくは2H以上であ
り、さらに好ましくは3H以上である。また、ハードコ
ート層の屈折率は1.45〜2.0の範囲が好ましく、
1.5〜1.8の範囲がより好ましい。ハードコート層
は、二酸化珪素を主とする無機化合物からなる層、飽和
炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマ
ー等の有機化合物からなる層、および無機/有機化合物
のハイブリッド化された層が好ましい。なかでも飽和炭
化水素を主鎖として有するポリマーからなる層であるこ
とが好ましい。このポリマーは架橋していることが好ま
しい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エ
チレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることがで
いる。架橋しているバインダーポリマーを得るために
は、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用
いることが好ましい。
【0066】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シク
ロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリア
クリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニル
ベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベン
ゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエ
ステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニル
スルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリル
アミドが含まれる。ポリエーテルを主鎖として有するポ
リマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により
合成することが好ましい。これらのエチレン性不飽和基
を有するモノマーは、塗布後電離放射線または熱による
重合反応により硬化させる必要がある。
【0067】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応によ
り、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ
基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カ
ルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロー
ル基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン
酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、
エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テト
ラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構
造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロッ
クイソシアナート基のように、分解反応の結果として架
橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明におい
て架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解し
た結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋基
を有する化合物は塗布後熱などによって架橋することが
できる。
【0068】さらにハードコート層には、屈折率の調節
や膜の硬化強度を高めるために無機の微粒子を添加して
も良い。無機の微粒子としては平均粒子サイズが0.5
μm以下のものが好ましく、0.2μm以下のものが特
に好ましい。無機微粒子としては二酸化ケイ素粒子、二
酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、
炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオ
リンおよび硫酸カルシウム粒子があげられ、二酸化ケイ
素粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子が特
に好ましい。無機微粒子の添加量は、ハードコート層の
全質量の10〜90質量%であることが好ましく、20
〜80質量%であるとさらに好ましく、30〜60質量
%が特に好ましい。
【0069】ハードコート層の厚さは、必要となる鉛筆
硬度によって異なるが、1〜40μm、特に1〜20μ
mであることが好ましく、2〜15μmがより好まし
い。
【0070】[防眩層]本発明の反射防止フィルムには表
面に微細な凹凸を有し、その屈折率が支持体よりも大き
い防眩層を、支持体と低屈折率層の間に設けることが出
来る。防眩層は、上記ハードコート層を形成する素材に
加えて、高屈折率モノマーまたは高屈折率無機微粒子に
よって形成することができる。高屈折率モノマーの例に
は、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィ
ド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4
−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチ
オエーテル等が挙げられる。高屈折率無機微粒子とし
て、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、ア
ンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの金属の酸
化物からなる粒径100nm以下、好ましくは50nm
以下の微粒子が挙げられる。微粒子の例としては、Ti
2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb
23、ITO等が挙げられる。無機微粒子の添加量は、
防眩層の全質量の10〜90質量%であることが好まし
く、さらに好ましくは20〜80質量%である。
【0071】防眩層には、防眩性付与とハードコート層
の干渉による反射率悪化防止、色むら防止の目的で、樹
脂または無機化合物のマット粒子が用いられる。平均粒
径は1.0〜10.0μmが好ましく、1.5〜5.0
μmがより好ましい。また、防眩層のバインダー膜厚よ
りも小さい粒径のマット粒子が、該マット粒子全体の5
0%未満であることが好ましい。粒度分布はコールター
カウンター法や遠心沈降法等により測定でき、分布は粒
子数分布に換算する。
【0072】防眩層の膜厚は0.5〜10μmが好まし
く、1〜5μmがより好ましい。
【0073】[高、中屈折率層]本発明の反射防止フィル
ムの反射率を低くする目的で、ハードコート層と低屈折
率層の間に、高屈折率層を設けることができる。また、
同様の目的で、ハードコート層と該高屈折率層の間に、
中屈折率層を設けることができる。高屈折率層の屈折率
は、1.65〜2.40であることが好ましく、1.7
0〜2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層
の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率
との間の値となるように調整され、1.55〜1.80
であることが好ましい。高屈折率層および中屈折率層の
ヘイズは、3%以下であることが好ましい。
【0074】中屈折率層および高屈折率層は、比較的屈
折率が高いポリマーを用いて形成することが好ましい。
屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレ
ン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香
族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポ
リウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環
式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロ
ゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高
い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノ
マーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0075】屈折率の高い無機微粒子を、前述のモノマ
ーと開始剤、有機置換されたケイ素化合物、または上記
ポリマー中に分散してもよい。無機微粒子としては、金
属(例、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ア
ンチモン)の酸化物が好ましい。モノマーと開始剤を用
いる場合は、塗布後に電離放射線または熱による重合反
応によりモノマーを硬化させることで、耐傷性や密着性
に優れる中屈折率層や高屈折率層が形成できる。無機微
粒子の平均粒径は、10〜100nmであることが好ま
しい。
【0076】被膜形成能を有する有機金属化合物から、
高屈折率層または中屈折率層を形成してもよい。有機金
属化合物は、適当な媒体に分散できるか、あるいは液状
であることが好ましい。有機金属化合物の例には、金属
アルコレート(例、チタンテトラエトキシド、チタンテ
トラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキ
シド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−
sec-ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキ
シド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ
−I−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、ア
ンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、
ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−
I−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキ
シド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニ
ウムテトラ−sec-ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t
ert−ブトキシド)、キレート化合物(例、ジ−イソ
プロポキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−
ブトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−エ
トキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビスアセ
チルアセトンジルコニウム、アルミニウムアセチルアセ
トネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチル
アセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシド
モノメチルアセトアセテート、トリ−n−ブトキシドジ
ルコニウムモノエチルアセトアセテート)、有機酸塩
(例、炭酸ジルコニールアンモニウム)およびジルコニ
ウムを主成分とする活性無機ポリマーが含まれる。
【0077】高、中屈折率層の厚みは、0.01〜1μ
mが好ましく、より好ましくは0.05〜0.4μmで
ある。
【0078】[所望により設ける層]本発明の反射防止フ
ィルムには、さらに、所望により防湿層、帯電防止層、
保護層等を設けてもよい。特に低屈折率層の上に、保護
層を設けることが好ましい。保護層は、滑り層または汚
れ防止層として機能する。滑り層に用いる滑り剤の例に
は、ポリオルガノシロキサン(例、ポリジメチルシロキ
サン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキ
サン、ポリメチルフェニルシロキサン、アルキル変性ポ
リジメチルシロキサン)、天然ワックス(例、カルナウ
バワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油、ライス
ワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、モンタ
ンワックス)、石油ワックス(例、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス)、合成ワックス
(例、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシ
ュワックス)、高級脂肪脂肪酸アミド(例、ステアラミ
ド、オレインアミド、N,N’−メチレンビスステアラ
ミド)、高級脂肪酸エステル(例、ステアリン酸メチ
ル、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアレー
ト、ソルビタンモノオレエート)、高級脂肪酸金属塩
(例、ステアリン酸亜鉛)およびフッ素含有ポリマー
(例、パーフルオロ主鎖型パーフルオロポリエーテル、
パーフルオロ側鎖型パーフルオロポリエーテル、アルコ
ール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変
性パーフルオロポリエーテル)が含まれる。汚れ防止層
には、含フッ素疎水性化合物(例、含フッ素ポリマー、
含フッ素界面活性剤、含フッ素オイル)を添加する。保
護層の厚さは、反射防止機能に影響しないようにするた
め、20nm以下であることが好ましく、10nmであ
ると更に好ましい。
【0079】反射防止フィルムの各層は、ディップコー
ト法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロー
ラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート
法やエクストルージョンコート法(米国特許26812
94号明細書)により、塗布により形成することができ
る。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方
法については、米国特許2761791号、同2941
898号、同3508947号、同3526528号の
各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253
頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0080】反射防止フィルムは、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表
示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。反
射防止フィルムが透明支持体を有する場合は、透明支持
体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
【0081】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】 <支持体1の作成> (微粒子分散液aの調製) シリカ(日本アエロジル(株)製アエロジルR972) 0.67質量% セルロースアセテート(セルロースの水酸基のうちのアセチル化されている数 2.8) 2.93質量% トリフェニルフォスフェート 0.23質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.12質量% メチレンクロライド 88.37質量% メタノール 7.68質量% からなる溶液を調製し、アトライターにて体積平均粒径
0.7μmになるよう分散を行い、微粒子分散液a を調
整した。
【0083】 (原料ドープの調製) セルローストリアセテート(セルロースの水酸基のうちのアセチル化されてい る数2.8) 89.3質量% トリフェニルフォスフェート 7.1質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.6質量% からなる固形分100質量部に対し上記微粒子分散液aを17.9質量部添加し 、さらに メチレンクロライド 92質量% メタノール 8質量% からなる混合溶媒を適宜添加、攪拌溶解しドープを調製
した。ドープの固形分濃度は(18.5)%であった。
このドープを濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)にてろ
過後さらに燒結金属フィルタ(日本精線(株)製06
N、公称孔径10μm)でろ過し、さらにメッシュフィ
ルタ(日本ポール(株)製RM、公称孔径45μ)でろ
過した。
【0084】 (紫外線吸収剤溶液bの調製) 2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5− クロルベンゾトリアゾール 5.83質量% 2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾ トリアゾール 11.66質量% セルロースアセテート(セルロースの水酸基のうちのアセチル化されている数 2.8) 1.48質量% トリフェニルフォスフェート 0.10質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.05質量% メチレンクロライド 74.38質量% メタノール 6.47質量% 上記処方で紫外線吸収剤溶液を調製し、富士写真フィル
ム(株)製アストロポア10フィルタにてろ過して紫外
線吸収剤溶液bを調整した。
【0085】(支持体1の作成)上記のドープに対し、
スタティックミキサを用い、上記紫外線吸収剤溶液b
を、ドープ中の固形分に対し紫外線吸収剤量が1.04
質量%になるよう調節しつつ、ドープの配管経路におい
て添加、混合した。このドープを無端支持体上に流延
し、自己支持性を持つまで熱風乾燥し、フィルムとして
剥離した。剥離した時点の残留溶剤は、21質量%であ
った。このフィルムをテンター式乾燥機に導入し、両端
を保持して張力を与えつつ乾燥し、残留溶剤が9質量%
になるまで乾燥した。以降ローラー乾燥ゾーンにて乾燥
し、残留溶剤が0.1質量%になるまで乾燥した。完成
した支持体1の膜厚は40μmであり、その屈折率は
1.48であった。
【0086】(残留溶剤量の測定)残留溶剤は、島津製
作所製GC−18Aを用い、メチレンクロライド、メタ
ノールを定量した。残量溶剤量は質量基準であり、これ
ら溶剤の総和が溶剤を含むサンプル総質量に占める割合
を示す。 (ドープ固形分濃度の測定)ドープ固形分濃度(%)
は、質量基準で、(ドープを120℃2時間加熱した減
量分質量)/(元のドープ質量)×100で求めた。 (粒子分散粒径の測定)MALVERN社製マスターサ
イザーMS20にて測定した。
【0087】<支持体2の作成> (ドープの調整)攪拌羽根を有する20Lのステンレス
性溶解容タンク(予め塩化メチレンで十分洗浄した)
に、下記の混合溶媒を加え、よく攪拌しながらセルロー
ストリアセテート粉体(平均サイズ 2mm)を徐々に
添加し、全体が10kgになるように仕込んだ。添加
後、室温(25℃)にて3時間放置し、セルローストリ
アセテートを膨潤させ、得られた不均一なゲル状の溶液
を、−70℃で6時間冷却した後、50℃に加熱し攪拌
してドープを調整した。 ・セルローストリアセテート(セルロースの水酸基のうちのアセチル化されてい る数2.8、粘度平均重合度320) 20質量部 ・酢酸メチル 48質量部 ・シクロペンタノン 10質量部 ・メタノール 5質量部 ・エタノール 5質量部 ・可塑剤A(ジペンタエリスリトールヘキサアセテート) 5.5質量部 ・可塑剤B(トリフェニルフォスフェート) 6.5質量部 ・微粒子(シリカ(粒径20nm)) 0.1質量部 ・UV剤a:(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ− 3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン 0.1質量部 ・UV剤b:2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5 −クロルベンゾトリアゾール 0.1質量部 ・UV剤c:2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−アミルフェニル)−5 −クロルベンゾトリアゾール 0.1質量部 ・C1225OCH2CH2O−P(=O)−(OK)2 0.05質量部
【0088】(支持体2の作成)得られたドープを50
℃にて、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙
(株)製、#63)で濾過し、さらに絶対濾過精度0.
0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾
過した。
【0089】濾過したドープを、ガラス板上に乾燥膜厚
が40μmになるように流延した。乾燥は70℃で3
分、130℃で5分した後、ガラス板からフィルムを剥
ぎ取り、そして160℃、30分で段階的に乾燥して溶
剤を蒸発させ、支持体2を作成した。この支持体の屈折
率は1.49であった。
【0090】<低屈折率層用塗布液の調製>屈折率1.4
2の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、固形
分濃度6%、JSR(株)製)210gにシリカゾル
(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度
30質量%、日産化学(株)製)15g、およびメチル
エチルケトン170gを添加、攪拌の後、孔径1μmの
ポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用
塗布液を調製した。この塗布液から得られた層の屈折率
は1.42であった。
【0091】<防眩層用塗布液の調製>ジルコニア含有U
V硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JS
R社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平
均粒径約20nm)278gにジペンタエリスリトール
ペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)1
17g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイ
ギー社製)7.5gを加え、メチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=50/50%の混合溶媒355gを加え
た。この塗布液から得られた層の屈折率は1.61であ
った。さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチ
レン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学(株)
製)10gを添加し、高速ディスパーにより5000r
pmで一時間攪拌し、均一分散させた後、孔径30μm
のポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層用塗布
液を調製した。
【0092】<ハードコート層用塗布液の調製>シリカ含
有UV硬化型ハードコート液(デソライトKZ752
6、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含量38
%、平均粒径20nm)347gをメチルエチルケトン
/シクロヘキサノン=50/50質量%の混合溶媒40
3gに溶解し撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン
製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液を調製
した。この塗布液から得られた層の屈折率は1.53で
あった。
【0093】<二酸化チタン分散物の調製>二酸化チタン
(一次粒子質量平均粒径:50nm、屈折率2.70)
30質量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(商品
名:PM21、日本化薬(株)製)4.5質量部、カチ
オン性メタクリレートモノマー(商品名:DMAEA、
興人(株)製)0.3質量部およびメチルエチルケトン
65.2質量部をサンドグラインダーにより分散し、二
酸化チタン分散物を調製した。
【0094】<高屈折率層用塗布液の調製>シクロヘキサ
ノン125.2gおよびメチルエチルケトン37.2g
に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー
社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDET
X、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さら
に、上記の二酸化チタン分散物13.4gおよびジペン
タエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本
化薬(株)製)0.76gを加え、室温で40分間攪拌
した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ
過して、高屈折率層用塗布液を調製した。この塗布液か
ら得られる層の屈折率は1.90であった。
【0095】<中屈折率層用塗布液の調製>シクロヘキサ
ノン153gおよびメチルエチルケトン37gに、光重
合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.14gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日
本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さらに、上記
の二酸化チタン分散物6.2gおよびジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径
1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、中屈
折率層用塗布液を調製した。この塗布液から得られるそ
の屈折率は1.76であった。
【0096】<オーバーコート層塗布液の調製>KP−8
01M(信越化学(株)製)30gを570gのフロリ
ナートFC−77(3M製)に添加、攪拌の後、孔径1
μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、オーバ
ーコート層用塗布液を調製した。
【0097】<反射防止フィルムA、Bの作成>上記で
作成した40μmの厚さの支持体1上に、上記で調整し
た低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、
80℃で5分乾燥後、120℃で10分間加熱して架橋
し、厚さ0.1μの低屈折率層を形成し、反射防止フィ
ルムAを作成した。さらに上記で作成した40μmの厚
さの支持体2を用いる以外は全く同様にして、反射防止
フィルムBを作成した。
【0098】<反射防止フィルムC,Dの作成>上記で
作成した40μmの厚さの支持体1上に、上記防眩層用
塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥
の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(ア
イグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW
/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して
塗布層を硬化させ、厚さ1.4μmの防眩層を形成し
た。その上に上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを
用いて塗布し、80℃で5分乾燥後、120℃で10分
間加熱して架橋し、厚さ0.1μの低屈折率層を形成
し、反射防止フィルムCを作成した。さらに上記支持体
2を用いる以外は全く同様にして、反射防止フィルムD
を作成した。
【0099】<反射防止フィルムE,Fの作成>支持体
1上に、ハードコート層用塗布液をバーコーターを用い
て塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷
メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)
を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ
/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6
μmのハードコート層を形成した。その上に、防眩層用
塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥
の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(ア
イグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW
/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して
塗布層を硬化させ、厚さ1.4μmの防眩層を形成し
た。さらにその上に実施例3で作成した低屈折率層用塗
布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で5分乾燥
後、120℃で10分間加熱して架橋し、厚さ0.1μ
mの低屈折率層を形成し、反射防止フィルムEを作成し
た。さらに支持体2を用いる以外は全く同様にして、反
射防止フィルムFを作成した。
【0100】<反射防止フィルムG,Hの作成>支持体
1上に、実施例5で調整したハードコート層用塗布液を
バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、1
60W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフ
ィックス(株)製)を用いて、照度400mW/c
2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布
層を硬化させ、厚さ6μmのハードコート層を形成し
た。さらにその上に低屈折率層用塗布液をバーコーター
を用いて塗布し、80℃で5分乾燥後、120℃で10
分間加熱して架橋し、厚さ0.1μの低屈折率層を形成
し、反射防止フィルムGを作成した。さらに支持体2を
用いる以外は全く同様にして、反射防止フィルムHを作
成した。
【0101】<反射防止フィルムI,Jの作成>支持体
1上に、ハードコート層用塗布液をバーコーターを用い
て塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷
メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)
を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ
/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6
μmのハードコート層を形成した。その上に高屈折率層
用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾
燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400
mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射
して塗布層を硬化させ、厚さ0.06μmの高屈折率層
を形成した。さらにその上に低屈折率層用塗布液をバー
コートを用いて塗布し、80℃で5分乾燥後、120℃
で10分間加熱して架橋し、厚さ0.1μmの低屈折率
層を形成し、反射防止フィルムIを作成した。さらに支
持体2を用いる以外は全く同様にして、反射防止フィル
ムJを作成した。
【0102】<反射防止フィルムK,Lの作成>支持体
1上に、ハードコート層用塗布液をバーコーターを用い
て塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷
メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)
を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ
/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6
μmのハードコート層を形成した。その上に、中屈折率
層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で
乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400
mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射
して塗布層を硬化させ、厚さ0.08μmの中屈折率層
を形成した。その上に高屈折率層用塗布液をバーコータ
ーを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/c
mの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス
(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量
300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化さ
せ、厚さ0.06μmの高屈折率層を形成した。その上
に低屈折率層用塗布液をバーコートを用いて塗布し、8
0℃で5分乾燥後、120℃で10分間加熱して架橋
し、厚さ0.1μの低屈折率層を形成した。さらにその
上に、オーバーコート層用塗布液をバーコーターを用い
て塗布し、120℃で乾燥して、厚さ0.004μmの
オーバーコート層を形成し、反射防止フィルムKを作成
した。さらに支持体2を用いる以外は全く同様にして、
反射防止フィルムLを作成した。
【0103】<反射防止防止フィルムM:比較>80μ
mの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−
TD80U、富士写真フィルム(株)製)を用いる以外
は反射防止フィルムEと同様にして、比較用の反射防止
フィルムMを作成した。
【0104】<反射防止防止フィルムN:比較>80μ
mの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−
TD80U、富士写真フィルム(株)製)を用いる以外
は反射防止フィルムKと同様にして、比較用の反射防止
フィルムNを作成した。
【0105】(反射防止フィルムの評価)得られた反射
防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。 (1)鏡面反射率 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーARV−474を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡
面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を
算出し、反射防止性を評価した。 (2)ヘイズ 得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定
した。 (3)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60
%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規
定する3Hの試験用鉛筆を用いて1kgの荷重で評価し
た。5回のテストのうち3回以上傷がつかない場合を持
って鉛筆硬度とした (4)防眩性評価 作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光
灯(8000cd/m 2)を映し、その反射像のボケの
程度を以下の基準で評価した。 蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎ 蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○ 蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△ 蛍光灯がほとんどぼけない :×
【0106】表1に評価結果を示す。
【0107】
【表1】
【0108】次に、反射防止フィルムE、K、比較用の
反射防止フィルムM,Nを鹸化処理したフィルムと、反
射防止フィルムの作成に用いた支持体1とを、ヨウ素を
吸着させた延伸PVAの両側にPVA系粘着材を介して
貼り合わせ、偏光板を作成した。この偏光板を用いて反
射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作成したと
ころ、いづれも外光の映り込みが少なく、視認性に優れ
ていた。また、比較用の反射防止フィルムM、Nを用い
た偏光板は厚みが230μmμと厚いが、本発明の反射
防止フィルムE、Kを用いた偏光板は160μmμと薄
く、その分液晶表示装置を薄くすることが出来た。
【0109】
【発明の効果】本発明の反射防止フィルムは、支持体と
して従来にはなかった厚みを薄くしたセルロースアシレ
ートを用い、しかも外光の映り込みが少なく、視認性に
優れる。これを偏光板に適用し、液晶表示装置に配置し
た場合、薄い液晶表示装置が得られ、外光の映り込みが
少なく、視認性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止フィルムの様々な層構成を示す断面模
式図である。
【図2】反射防止フィルムの様々な層構成を示す断面模
式図である。
【符号の説明】
1 セルロースアシレートからなる支持体 2 低屈折率層 3 防眩層 4 ハードコート層 5 高屈折率層 6 中屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 C08L 1:10 // C08L 1:10 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB33 BB43 BB65 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA37X FA37Z FA50X FA50Z FB02 FD06 LA02 2K009 AA04 AA05 AA06 AA15 BB28 CC03 CC09 CC24 CC26 CC42 DD01 DD02 DD05 DD06 4F006 AA02 AA55 AA56 AB16 AB19 AB24 AB56 AB64 AB74 AB76 BA02 BA14 CA05 CA08 DA04 4F100 AA20H AA21H AA27H AJ06A AJ06K AK17 AK25 AR00B AR00C AR00D AR00E BA02 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA26 CA23 DD07C EH46 EH76 EJ54 GB41 JK12 JK12A JK12C JK12D JN06 JN18A JN18B JN18C JN18E JN30C

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが10〜70μmであるセルロース
    アシレートからなる支持体上に、直接または他の層を介
    して、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を有するこ
    とを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 【請求項2】 他の層が、表面に微細な凹凸を有し、そ
    の屈折率が支持体よりも大きい防眩層であることを特徴
    とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】 防眩層と支持体との間に、鉛筆硬度が支
    持体よりも高く、屈折率が防眩層よりも小さくかつ低屈
    折率層よりは大であり、そして厚みが1μm以上のハー
    ドコート層を有することを特徴とする請求項2に記載の
    反射防止フィルム。
  4. 【請求項4】 他の層が、支持体より高い鉛筆硬度を有
    し、その屈折率が低屈折率層よりも大きく、そして厚み
    が1μm以上であるハードコート層であることを特徴と
    する請求項1に記載の反射防止フィルム。
  5. 【請求項5】 ハードコート層と低屈折率層との間に、
    屈折率がハードコート層より大きい高屈折率層を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の反射防止フィルム。
  6. 【請求項6】 ハードコート層と高屈折率層の間に、屈
    折率が低屈折率層より大きくかつ高屈折率層よりは小さ
    い中屈折率層を有することを特徴とする請求項5に記載
    の反射防止フィルム。
  7. 【請求項7】 セルロースアシレートからなる支持体
    が、セルロースアシレート溶液を用いて、二層以上の流
    延でフィルム化されたことを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の反射防止フィルム。
  8. 【請求項8】 セルロースアシレートからなる支持体
    が、炭素数3〜12のエーテル、炭素数3〜12ンのケ
    トン、炭素数3〜12のエステル、および炭素数1〜7
    のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒にセルロースア
    シレートを溶解した溶液を流延することによってフィル
    ム化されたものであることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の反射防止フィルム。
  9. 【請求項9】 セルロースアシレートからなる支持体
    が、ハロゲン化炭化水素を含まない溶媒にセルロースア
    シレートを溶解した溶液を流延することによってよって
    フィルム化されたものであることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  10. 【請求項10】セルロースアシレートがセルローストリ
    アセテートであることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の反射防止フィルム。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の反射
    防止フィルムを保護フィルムとする偏光板。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の偏光板を使用した液
    晶表示装置。
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