JP2002198034A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JP2002198034A
JP2002198034A JP2000394095A JP2000394095A JP2002198034A JP 2002198034 A JP2002198034 A JP 2002198034A JP 2000394095 A JP2000394095 A JP 2000394095A JP 2000394095 A JP2000394095 A JP 2000394095A JP 2002198034 A JP2002198034 A JP 2002198034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
positive electrode
battery
electrode active
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000394095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3719139B2 (ja
Inventor
Kenji Nakai
賢治 中井
Kensuke Hironaka
健介 弘中
Takeshi Nakano
剛 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd filed Critical Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority to JP2000394095A priority Critical patent/JP3719139B2/ja
Priority to US09/977,305 priority patent/US6706446B2/en
Priority to EP01124876A priority patent/EP1220343B1/en
Priority to TW090125980A priority patent/TW522593B/zh
Publication of JP2002198034A publication Critical patent/JP2002198034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3719139B2 publication Critical patent/JP3719139B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量、高出力でありながらも、極めて安全
性の高い非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 円筒形リチウムイオン電池20は、電池
蓋に所定圧で開裂する開裂弁10を有している。捲回群
6の正極板を、正極活物質として一次粒子径約1〜2μ
m、二次粒子径約20μm、Li/Mn比0.52のマ
ンガン酸リチウム粉末と、平均粒子径18μmの鱗片状
黒鉛と、ポリフッ化ビニリデンと、の配合比を重量%で
90:5:5とし、正極活物質合剤層の集電体片面あた
りのマンガン酸リチウムの塗着量を270g/m、正
極活物質合剤層の厚さ226μm、正極板の長さを61
5cmとし、負極板の負極活物質としてMCMBを用
い、負極活物質合剤層の厚さを150μm、長さを63
3cmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
に係り、特に、平均粒径0.1μm乃至2μmの一次粒
子の集合体で形成された二次粒子からなるリチウムマン
ガン複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤が帯状集
電体の両面にほぼ均等量塗着された正極と、充放電によ
りリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極と、をセパレ
ータを介して捲回した電極捲回群を、所定圧で内圧を開
放する内圧開放機構を有する電池容器内に収容した非水
電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】非水電解液二次電池を代表するリチウム
イオン二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを
活かして、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電
話等のポータブル機器の電源に使用されている。この電
池の内部構造は、通常以下に示されるような捲回式とさ
れている。電極は正極、負極共に活物質が金属箔に塗着
された帯状であり、セパレ−タを挟んで正極、負極が直
接接触しないように断面が渦巻状に捲回され、捲回群を
形成している。この捲回群が電池容器となる円筒形の電
池缶に収納され、電解液注液後、封口されている。
【0003】一般的な円筒形リチウムイオン二次電池の
寸法は、18650型と呼ばれる、直径が18mm、高
さ65mmであり、小形民生用リチウムイオン電池とし
て広く普及している。18650型リチウムイオン二次
電池の正極活物質には、高容量、長寿命を特徴とするコ
バルト酸リチウムが主として用いられており、電池容量
は、おおむね1.3Ah〜1.7Ah、出力はおよそ1
0W程度である。
【0004】一方、自動車産業界においては環境問題に
対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池のみ
にした電気自動車(EV)と、内燃機関エンジンと電池
との両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動車の
開発が加速され、一部実用化の段階にきている。
【0005】電気自動車の電源となる電池には当然高出
力、高エネルギーが得られる特性が要求され、この要求
にマッチした電池としてリチウムイオン電池が注目され
ている。電気自動車の普及のためには、電池の低価格化
が必須であり、そのためには、低コスト電池材料が求め
られ、例えば、正極活物質であれば、資源的に豊富なマ
ンガンの酸化物が特に注目され、電池の高性能化を狙っ
た改善がなされてきた。また、電気自動車用電池には、
高容量だけではなく、加速性能などを左右する高出力
化、つまり電池の内部抵抗の低減が求められる。電極反
応面積の増大を狙って、正極活物質として比表面積の大
きなマンガン酸リチウムとすることでこの要求に対応す
ることができる。
【0006】具体的に比表面積を大くするには、マンガ
ン酸リチウムの粒子径を小さくすることである。しか
し、小さな粒子径では、電極製作時に粉体が飛散した
り、集電体両面に塗布するのためのスラリ化がしにくい
などの弊害が生じる。これを改善するために、小さな粒
子径である一次粒子を凝集させた二次粒子を形成したマ
ンガン酸リチウムとすることで対処可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ムイオン電池の場合、高容量、高出力になればなるほど
安全性が低下する傾向にあり、特に上述したような、高
出力化を狙ったマンガン酸リチウムを用いた場合には、
電池が異常状態に陥ったときの現象がやや激しくなる傾
向が見られる。電気自動車用電源に用いられるような高
容量、高出力の電池ともなると、大電流充電、大電流放
電がなされるために、18650型リチウムイオン電池
に一般に採用されているような、異常時の電池内圧上昇
に応じて作動する電流遮断機構(一種の切断スイッチ)
を電池構造内に設けることは実質的に不可能である。
【0008】人を乗せて走る電気自動車の場合、充電制
御システムが故障してしまった場合の過充電時、不慮の
衝突事故の場合に遭遇する可能性のある電池のクラッシ
ュ時あるいは、異物突き刺し時、外部短絡時等の電池自
体の安全性を確保することは、最低限必要な、非常に重
要な電池特性である。なお、電池の安全性とは、電池が
異常な状態にさらされた場合の電池の挙動が、人に身体
的損害を与えないことは当然のことながら、車両への損
傷を最小限の抑えることを意味する。
【0009】本発明は上記事案に鑑み、高容量、高出力
でありながらも、極めて安全性の高い非水電解液二次電
池を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、平均粒径0.1μm乃至2μmの一次粒
子の集合体で形成された二次粒子からなるリチウムマン
ガン複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤が帯状集
電体の両面にほぼ均等量塗着された正極と、充放電によ
りリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極と、をセパレ
ータを介して捲回した電極捲回群を、所定圧で内圧を開
放する内圧開放機構を有する電池容器内に収容した非水
電解液二次電池において、前記リチウムマンガン複酸化
物の前記集電体片面あたりの塗着量が270g/m
至330g/mであり、かつ、前記正極活物質合剤に
含有される導電材量が3重量%乃至7重量%であること
を特徴とする。
【0011】本発明では、高容量、高出力の非水電解液
二次電池を確保するために、平均粒径0.1μm乃至2
μmの一次粒子の集合体で形成された二次粒子からなる
リチウムマンガン複酸化物と導電材とを含む正極活物質
合剤が帯状集電体の両面にほぼ均等量塗着された正極
と、充放電によりリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負
極と、が用いられている。高容量、高出力の非水電解液
二次電池では、異常状態に陥ったときに、大電流充電又
は大電流放電状態が維持され、非水電解液と活物質合剤
との化学反応により電池容器内で急激かつ大量のガスが
発生し、電池容器の内圧を上昇させる。一般に、非水電
解液二次電池では、電池容器内の内圧上昇を防止するた
めに、電池容器に所定圧で内圧を開放する内圧開放機構
を有しているが、リチウムマンガン複酸化物を、集電体
片面あたりの塗着量が270g/m 乃至330g/m
とし、かつ、正極活物質合剤に含有される導電材量を
3重量%乃至7重量%とすることにより、内圧開放機構
からのガス放出が極めて穏やかに行われる。このため、
本発明によれば、高容量、高出力でありながらも、極め
て安全性の高い非水電解液二次電池を実現することがで
きる。
【0012】この場合において、導電材に黒鉛と無定型
炭素との混合物を用いれば、より高出力の非水電解液二
次電池とすることができる。このとき、黒鉛の平均粒径
を二次粒子の平均粒径の0.2倍乃至0.8倍及び/又
は無定型炭素をアセチレンブラックとすれば、更に高出
力の非水電解液二次電池を得ることができる。また、リ
チウムマンガン複酸化物のLi/Mn比を0.55乃至
0.60とすれば、容量の低下を伴うことなく出力維持
率を向上させることができる。更に、負極の活物質に非
晶質炭素を用いれば、高出力、高容量、かつ、安全性に
一層優れた非水電解液二次電池とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明をE
V搭載用円筒形リチウムイオン電池に適用した実施の形
態について説明する。
【0014】(正極板の作製)図1に示すように、正極
活物質としてのマンガン酸リチウム(LiMn
粉末と、導電材として後述する所定の炭素と、結着剤と
してポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを所定混合比
で混合し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)を添加、混練したスラリを、厚さ20μm
のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した。こ
のとき、正極板長寸方向の一方の側縁に幅50mmの未
塗布部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して幅30
0mm、後述する所定長さ及び正極活物質合剤塗布部所
定厚さの帯状の正極板を得た。正極活物質合剤層のかさ
密度は2.65g/cmとした。正極板のスラリ未塗
布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とし
た。また、隣り合うリード片を50mm間隔とし、リー
ド片の幅を10mmとした。
【0015】(負極板の作製)充放電によりリチウムを
収容・放出可能な所定の炭素粉末92重量部に結着剤と
して8重量部のポリフッ化ビニリデンを添加し、これに
分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドンを添加、混練し
たスラリを、厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の
両面に塗布した。このとき、負極板長寸方向の一方の側
縁に幅50mmの未塗布部を残した。その後乾燥、プレ
ス、裁断して幅305mm、後述する所定長さ及び負極
活物質塗布部所定厚さの帯状の負極板を得た。負極活物
質合剤層の空隙率が約35%となるように負極板を圧縮
した。負極板のスラリ未塗布部に正極板と同様に切り欠
きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。また、隣り
合うリード片を50mm間隔とし、リード片の幅を10
mmとした。
【0016】(電池の作製)上記作製した帯状の正極板
と負極板とを、これら両極板が直接接触しないように幅
310mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータ
を介して捲回した。このとき、正極板及び負極板のリー
ド片9が、それぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面に
位置するようにした。正極板、負極板、セパレータの長
さを調整して、捲回群6径を65±0.1mmとした。
【0017】正極板から導出されているリード片9を変
形させ、その全てを、軸芯11のほぼ延長線上にある極
柱(正極外部端子1)周囲から一体に張り出している鍔
部7周面付近に集合、接触させた後、リード片9と鍔部
7周面とを超音波溶接してリード片9を鍔部7周面に接
続し固定した。また、負極外部端子1’と負極板から導
出されているリード片9との接続操作も、正極外部端子
1と正極板から導出されているリード片9との接続操作
と同様に行った。
【0018】その後、正極外部端子1及び負極外部端子
1’の鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。この絶縁
被覆8は、捲回群6外周面全周にも及ぼした。絶縁被覆
8には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタア
クリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用い
た。この粘着テープを鍔部7周面から捲回群6外周面に
亘って何重にも巻いて絶縁被覆8とした。捲回群6の最
大径部が絶縁被覆8存在部となるように巻き数を調整
し、該最大径をステンレス製の電池容器5の内径より僅
かに小さくして捲回群6を電池容器5内に挿入した。電
池容器5の外径は67mm、内径は66mmである。
【0019】そして、アルミナ製で円盤状電池蓋4裏面
と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25
mmの第2のセラミックワッシャ3’を、先端が正極外
部端子1を構成する極柱、先端が負極外部端子1’を構
成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。また、アルミナ製で
厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの平板状の第
1のセラミックワッシャ3を電池蓋4に載置し、正極外
部端子1、負極外部端子1’をそれぞれ第1のセラミッ
クワッシャ3に通した。その後、電池蓋4周端面を電池
容器5開口部に嵌合し、双方の接触部全域をレーザ溶接
した。このとき、正極外部端子1、負極外部端子1’
は、電池蓋4の中心に形成された穴を貫通して電池蓋4
外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシ
ャ3、金属製ナット2底面よりも平滑な金属ワッシャ1
4を、この順に正極外部端子1、負極外部端子1’にそ
れぞれ嵌め込んだ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇
に応じて開裂する内圧低減機構としての開裂弁10が設
けられている。開裂弁10の開裂圧は、1.3×10
〜1.8×10Paとした。
【0020】次いで、ナット2を正極外部端子1、負極
外部端子1’にそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッ
シャ3’、第1のセラミックワッシャ3、金属ワッシャ
14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付
けにより固定した。このときの締め付けトルク値は約7
N・mとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属
ワッシャ14は回転しなかった。この状態で、電池蓋4
裏面と鍔部7の間に介在させたゴム(EPDM)製Oリ
ング16の圧縮により電池容器5内部の発電要素は外気
から遮断される。
【0021】その後、電池蓋4に設けた注液口15から
非水電解液を所定量電池容器5内に注入し、その後注液
口15を封止することにより円筒形リチウムイオン電池
20を完成させた。
【0022】非水電解液には、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比
1:1:1の混合溶液中へ6フッ化リン酸リチウム(L
iPF)を1モル/リットル溶解したものを用いた。
なお、円筒形リチウムイオン電池20には、電池容器5
の内圧の上昇に応じて電流を遮断する、例えば、PTC
(Positive Temperature Coefficient) 素子等の電流遮
断機構は設けられていない。
【0023】
【実施例】次に、本実施形態に従って作製した円筒形リ
チウムイオン電池20の実施例について説明する。な
お、比較のために作製した比較例の電池についても併記
する。
【0024】(実施例1)下表1に示すように、実施例
1では、正極活物質として一次粒子径約1〜2μm、二
次粒子径約20μm、LiとMnの原子比(Li/Mn
比)0.52のマンガン酸リチウム(LiMn
粉末と、平均粒子径18μmの鱗片状黒鉛と、ポリフッ
化ビニリデンと、の配合比を重量%で90:5:5と
し、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あ
たりのマンガン酸リチウムの塗着量を270g/m
正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さ
は含まない。)を226μm、正極板の長さを615c
mとした。LiMnの二次粒径に対する鱗片状黒
鉛の平均粒径は0.9倍である。一方、負極板には、負
極活物質としてメソフェーズ系球状黒鉛であるMCMB
を用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を150μm、長さを633c
mとした。なお、鱗片状黒鉛の平均粒子径は、篩分けに
よって調整することができる。
【0025】
【表1】
【0026】なお、作製した電極板は、捲回したとき
に、捲回最内周では捲回方向に正極板が負極板からはみ
出すことがなく、また最外周でも捲回方向に正極板が負
極板からはみ出すことがないように負極板の長さは正極
板の長さよりも18cm長くなるようにした。また、捲
回方向と垂直方向においても正極活物質塗布部が負極活
物質塗布部からはみ出すことがないように、負極活物質
塗布部の幅は、正極活物質塗布部の幅よりも5mm長く
した(以下の実施例及び比較例においても同じ。)。
【0027】(実施例2)表1に示すように、実施例2
では、マンガン酸リチウムの塗着量を300g/m
し、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を252μm、正極板の長さを56
5cm、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を166μm、負極板の長さを
583cmとした以外は実施例1と同様に電池を作製し
た。
【0028】(実施例2−2〜2−5)表1に示すよう
に、実施例2−2〜実施例2−5では、マンガン酸リチ
ウムのLi/Mn比をそれぞれ、0.55、0.58、
0.60、0.61とした以外は実施例2と同様に電池
を作製した。
【0029】(実施例3)表1に示すように、実施例3
では、マンガン酸リチウムの塗着量を330g/m
し、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を277μm、正極板の長さを52
3cm、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を183μm、負極板の長さを
541cmとした以外は実施例1と同様に電池を作製し
た。
【0030】(実施例4)表1に示すように、実施例4
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径18μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次
粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.9倍)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で90:3:
7とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片
面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g/m
、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を252μm、正極板の長さを56
5cmとした。一方、負極板には、負極活物質としてM
CMBを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚
さ(集電体厚さは含まない。)を166μm、長さを5
83cmとして、電池を作製した。
【0031】(実施例5)表1に示すように、実施例5
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径18μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次
粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.9倍)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で90:7:
3とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片
面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g/m
、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を260μm、正極板の長さを55
6cmとした。一方、負極板には、負極活物質としてM
CMBを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚
さ(集電体厚さは含まない。)を166μm、長さを5
74cmとして、電池を作製した。
【0032】(実施例6)表1に示すように、実施例6
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径18μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次
粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.9倍)と、ケ
ッチェンブラック(KB)と、ポリフッ化ビニリデンと
の配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正極活物
質合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりのマンガ
ン酸リチウムの塗着量を300g/m、正極活物質合
剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含まな
い。)を252μm、正極板の長さを565cmとし
た。一方、負極板には、負極活物質としてMCMBを用
い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を166μm、長さを583cmと
して、電池を作製した。
【0033】(実施例7)表1に示すように、実施例7
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径2μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次粒
径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.1倍)と、ケッ
チェンブラック(KB)と、ポリフッ化ビニリデンとの
配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正極活物質
合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりのマンガン
酸リチウムの塗着量を300g/m 、正極活物質合剤
層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含まない。)
を252μm、正極板の長さを565cmとした。一
方、負極板には、負極活物質としてMCMBを用い、負
極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは
含まない。)を166μm、長さを583cmとして、
電池を作製した。
【0034】(実施例8)表1に示すように、実施例8
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径4μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次粒
径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.2倍)と、ケッ
チェンブラック(KB)と、ポリフッ化ビニリデンとの
配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正極活物質
合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりのマンガン
酸リチウムの塗着量を300g/m 、正極活物質合剤
層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含まない。)
を252μm、正極板の長さを565cmとした。一
方、負極板には、負極活物質としてMCMBを用い、負
極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは
含まない。)を166μm、長さを583cmとして、
電池を作製した。
【0035】(実施例9)表1に示すように、実施例9
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次
粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.5倍)と、ケ
ッチェンブラック(KB)と、ポリフッ化ビニリデンと
の配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正極活物
質合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりのマンガ
ン酸リチウムの塗着量を300g/m、正極活物質合
剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含まな
い。)を252μm、長さを565cmとした。一方、
負極板には、負極活物質としてMCMBを用い、負極活
物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含ま
ない。)を166μm、長さを583cmとして、電池
を作製した。
【0036】(実施例10)表1に示すように、実施例
10では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末
と、平均粒子径16μmの鱗片状黒鉛(LiMn
の二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.8倍)
と、ケッチェンブラック(KB)と、ポリフッ化ビニリ
デンとの配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正
極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりの
マンガン酸リチウムの塗着量を300g/m、正極活
物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含ま
ない。)を252μm、長さを565cmとした。一
方、負極板には、負極活物質としてMCMBを用い、負
極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは
含まない。)を166μm、長さを583cmとして、
電池を作製した。
【0037】(実施例11)表1に示すように、実施例
11では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末
と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(LiMn
の二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.5倍)
と、アセチレンブラック(AB)と、ポリフッ化ビニリ
デンとの配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正
極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりの
マンガン酸リチウムの塗着量を300g/m、正極活
物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含ま
ない。)を252μm、長さを565cmとした。一
方、負極板には、負極活物質としてMCMBを用い、負
極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは
含まない。)を166μm、長さを583cmとして、
電池を作製した。
【0038】(実施例12)表1に示すように、実施例
12では、正極活物質として一次粒子径約1〜2μm、
二次粒子径約20μm、LiとMnの原子比(Li/M
n比)0.55のマンガン酸リチウム(LiMn
)粉末と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(L
iMnの二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒
径:0.5倍)と、アセチレンブラック(AB)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で90:4:
1:5とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電
体片面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g
/m、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を252μm、長さを565c
mとした。一方、負極板には、負極活物質としてMCM
Bを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ
(集電体厚さは含まない。)を166μm、長さを58
3cmとして、電池を作製した。
【0039】(実施例13)表1に示すように、実施例
13では、正極活物質として一次粒子径約1〜2μm、
二次粒子径約20μm、LiとMnの原子比(Li/M
n比)0.58のマンガン酸リチウム(LiMn
)粉末と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(L
iMnの二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒
径:0.5倍)と、アセチレンブラック(AB)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で90:4:
1:5とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電
体片面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g
/m、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を252μm、長さを565c
mとした。一方、負極板には、負極活物質としてMCM
Bを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ
(集電体厚さは含まない。)を166μm、長さを58
3cmとして、電池を作製した。
【0040】(実施例14)表1に示すように、実施例
14では、正極活物質として一次粒子径約1〜2μm、
二次粒子径約20μm、LiとMnの原子比(Li/M
n比)0.60のマンガン酸リチウム(LiMn
)粉末と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(L
iMnの二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒
径:0.5倍)と、アセチレンブラック(AB)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で90:4:
1:5とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電
体片面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g
/m、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を252μm、長さを565c
mとした。一方、負極板には、負極活物質としてMCM
Bを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ
(集電体厚さは含まない。)を166μm、長さを58
3cmとして、電池を作製した。
【0041】(実施例15)表1に示すように、実施例
15では、正極活物質として一次粒子径約1〜2μm、
二次粒子径約20μm、LiとMnの原子比(Li/M
n比)0.61のマンガン酸リチウム(LiMn
)粉末と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(L
iMnの二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒
径:0.5倍)と、アセチレンブラック(AB)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で90:4:
1:5とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電
体片面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g
/m、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集
電体厚さは含まない。)を252μm、長さを565c
mとした。一方、負極板には、負極活物質としてMCM
Bを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ
(集電体厚さは含まない。)を166μm、長さを58
3cmとして、電池を作製した。
【0042】(実施例16)表1に示すように、実施例
16では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末
と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(LiMn
の二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.5倍)
と、アセチレンブラック(AB)と、ポリフッ化ビニリ
デンとの配合比を、重量%で90:4:1:5とし、正
極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片面あたりの
マンガン酸リチウムの塗着量を300g/m、正極活
物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含ま
ない。)を252μm、長さを605cmとした。一
方、負極板には、負極活物質として非晶質炭素を用い、
負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さ
は含まない。)を133μm、長さを623cmとし
て、電池を作製した。
【0043】(実施例16−2〜16−5)表1に示す
ように、実施例16−2〜実施例16−5では、マンガ
ン酸リチウムのLi/Mn比をそれぞれ、0.55、
0.58、0.60、0.61とした以外は実施例16
と同様に電池を作製した。
【0044】(実施例17)表1に示すように、実施例
17では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末
と、平均粒子径10μmの鱗片状黒鉛(LiMn
の二次粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.5倍)
と、ポリフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で9
0:5:5とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の
集電体片面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を30
0g/m、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ
(集電体厚さは含まない。)を252μm、長さを60
5cmとした。一方、負極板には、負極活物質として非
晶質炭素を用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の
厚さ(集電体厚さは含まない。)を133μm、長さを
623cmとして、電池を作製した。
【0045】(実施例17−2〜17−5)表1に示す
ように、実施例17−2〜実施例17−5では、マンガ
ン酸リチウムのLi/Mn比をそれぞれ、0.55、
0.58、0.60、0.61とした以外は実施例17
と同様に電池を作製した。
【0046】(比較例1)表1に示すように、比較例1
では、マンガン酸リチウムの塗着量を260g/m
し、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を218μm、長さを633cmと
し、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を144μm、負極板の長さを65
1cmとした以外は実施例1と同様の電池を作製した。
【0047】(比較例2)表1に示すように、比較例2
では、マンガン酸リチウムの塗着量を340g/m
し、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を285μm、長さを511cmと
し、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を189μm、負極板の長さを52
9cmとした以外は実施例1と同様の電池を作製した。
【0048】(比較例3)表1に示すように、比較例3
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径18μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次
粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.9倍)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で91:2:
7とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片
面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g/m
、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を249μm、正極板の長さを56
8cmとし、負極活物質としてMCMBを用い、負極活
物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体厚さは含ま
ない。)を166μm、負極板の長さを586cmとし
て、電池を作製した。
【0049】(比較例4)表1に示すように、比較例4
では、実施例1と同様のマンガン酸リチウム粉末と、平
均粒子径18μmの鱗片状黒鉛(LiMnの二次
粒径に対する鱗片状黒鉛の平均粒径:0.9倍)と、ポ
リフッ化ビニリデンとの配合比を、重量%で86:8:
6とし、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の集電体片
面あたりのマンガン酸リチウムの塗着量を300g/m
、正極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体
厚さは含まない。)を263μm、正極板の長さを55
3cmとした。一方、負極板には、負極活物質としてM
CMBを用い、負極活物質合剤層(活物質塗布部)の厚
さ(集電体厚さは含まない。)を166μm、負極板の
長さを571cmとして、電池を作製した。
【0050】<試験・評価>次に、以上のようにして作
製した実施例及び比較例の各電池について、以下の一連
の試験を行った。
【0051】実施例及び比較例の各電池を、充電した後
放電し、放電容量を測定した。充電条件は、4.2V定
電圧、制限電流80A、3.5時間とした。放電条件
は、20A定電流、終止電圧2.7Vとした。
【0052】また、上記条件で充電状態の電池の放電出
力を測定した。測定条件は、20A、40A、80A、
各放電電流で5秒目の電圧を読み取り、横軸電流値に対
して縦軸にプロットし、3点を結ぶ近似直線が、2.7
Vと交差するところの電流値と、2.7Vとの積を出力
とした。
【0053】更に、実施例、比較例の各電池を、上記条
件で充放電を100回繰り返した後、出力(容量)を測
定し、初期の出力に対する維持率を百分率で示した。当
然のことながら、この維持率が高いほうが寿命特性がよ
いことになる。
【0054】これら充電、放電、出力の測定は、いずれ
も環境温度25±1°Cの雰囲気で行った。
【0055】その後、作製した電池を、常温で、80A
定電流で連続充電し、電池挙動を観察した。その結果を
下表2に示す。現象は、開裂弁開裂の後、電解液の揮発
物からなるガス放出が起こる。このガス放出の程度を比
較するために、現象発生直後の電池表面温度を測定し
た。また、ガス放出後、電池容器の変形の有無を確認し
た。なお、表2において、「○」は電池容器の変形が全
く認められなかったもの、「△」は電池容器の若干の変
形が認められたもの、「×」は電池容器が大きく変形し
たものを示している。
【0056】
【表2】
【0057】表2に示すように、実施例1〜実施例5の
電池では、高容量、高出力な電池が得られ、かつ、連続
充電時の電池挙動も穏やかなものであった。このときの
電池の表面温度は140°C〜210°Cであった。一
方、マンガン酸リチウムの塗着量が270g/mを下
回った比較例1の電池は高容量、高出力な電池が得られ
るものの、連続充電時の電池挙動が電池の変形を伴った
激しいものとなり、電池表面温度は300°Cを超える
結果となった。逆に、マンガン酸リチウムの塗着量が3
30g/mを上回った比較例2の電池は、連続充電時
の電池挙動は穏やかであったが、出力の低下を伴い、電
気自動車用電池としてはふさわしくない結果となった。
同様に、比較例3の電池は、正極導電材の黒鉛の量が3
重量%を下回っており、出力の低下を招く結果となっ
た。一方、正極導電材の黒鉛の量が7重量%を上回って
いる比較例4の電池では、高容量、高出力な電池が得ら
れるものの、連続充電時の電池挙動は、電池の変形を伴
った激しいものとなり、電池表面温度は、300°Cと
なる結果となった。
【0058】正極導電材に黒鉛と無定型炭素を混合して
用いた実施例6〜実施例16−5の電池では、出力の高
い電池を得ることができた。無定型炭素にケッチェンブ
ラックを用いた実施例6〜実施例10の電池では、正極
活物質のマンガン酸リチウムの二次粒子径に対する導電
材黒鉛の粒子径の比が、0.2〜0.8である実施例8
〜実施例10の電池が、中でもより高出力が得られてい
る。マンガン酸リチウムの二次粒子径に対する導電材黒
鉛の粒子径の比が、0.2を下回っている実施例7の電
池では、連続充電時の電池表面温度が200°Cと、実
施例8〜10の電池と比べて若干高い。
【0059】無定型炭素にアセチレンブラックを用いた
実施例11〜実施例16−5の電池では、より高出力が
得られており、かつ、100回充放電後における出力維
持率も高い。
【0060】マンガン酸リチウムのLi/Mn比が、
0.55以上である実施例12〜実施例14、実施例2
−2〜実施例2−4、実施例16−2〜実施例16−
4、実施例17−2〜実施例17−4の電池は、出力維
持率が極めて高い。ところが、マンガン酸リチウムのL
i/Mn比が0.60を上回る実施例15、実施例2−
5、実施例16−5、実施例17−5の電池では、容量
の低下を伴う結果となり、Li/Mn比は、0.55〜
0.60の範囲が好ましいことがわかる。
【0061】負極板に非晶質炭素を用いた実施例16、
実施例16−2〜実施例16−5、実施例17、実施例
17−2〜実施例17−5の電池は、極めて高い出力、
かつ、極めて高い出力維持率、最も低い連続充電時の電
池表面温度が得られた。従って、これら実施例16、1
6−2〜16−5、17、17−2〜17−5の電池
は、高容量、高出力で、かつ、安全性に優れる、全体バ
ランスのとれた電池であるということができる。
【0062】以上のように、本実施形態の円筒形リチウ
ムイオン電池20は、電池が異常な状態にさらされた場
合の挙動が極めて穏やかで、安全性に優れた電池であ
る。このように、高容量、高出力で、極めて安全性の高
い電池は、特に電気自動車の電源に適している。
【0063】なお、本実施形態では、電気自動車用電源
に用いられる大形の二次電池について例示したが、電池
の大きさ、電池容量には限定されず、電池容量としてお
おむね20Ah程度の電池に対して本発明は効果を著し
く発揮することが確認されている。また、本実施形態で
は円筒形電池について例示したが、本発明は電池の形状
についても限定されず、角形、その他の多角形の電池に
も適用可能である。更に、本発明の適用可能な形状とし
ては、上述したように正負外部端子が電池蓋を貫通し電
池容器内で軸芯を介して正負外部端子が押し合っている
状態の電池以外であっても構わない。このような構造の
一例として有底筒状容器(缶)に電池上蓋がカシメによ
って封口されている構造の電池を挙げることができる。
【0064】また、本実施形態では、絶縁被覆に、基材
がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートか
らなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いた例を示した
が、例えば、基材がポリプロピレンやポリエチレン等の
ポリオレフィンで、その片面又は両面にヘキサメタアク
リレートやブチルアクリレート等のアクリル系粘着剤を
塗布した粘着テープや、粘着剤を塗布しないポリオレフ
ィンやポリイミドからなるテープ等も好適に使用するこ
とができる。
【0065】更に、本実施形態では、リチウムイオン電
池用の正極にマンガン酸リチウム、負極に非晶質炭素、
電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボネート
とジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶液
中へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解し
たものを用いたが、本発明の電池には特に制限はなく、
また、導電材、結着剤も通常用いられているいずれのも
のも使用可能である。なお、一般に、マンガン酸リチウ
ムは、適当なリチウム塩と酸化マンガンとを混合、焼成
して合成することができるが、リチウム塩と酸化マンガ
ンの仕込み比を制御することによって所望のLi/Mn
比とすることができる。
【0066】また、本実施形態以外で用いることのでき
るリチウムイオン電池用極板活物質結着剤としては、テ
フロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/
ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シア
ノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリ
ル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレ
ン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体
などがある。
【0067】また更に、本実施形態以外で用いることの
できるリチウムイオン電池用正極活物質としては、リチ
ウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリ
チウムを挿入したリチウムマンガン複酸化物が好まし
く、スピネル構造を有したマンガン酸リチウムや、結晶
中のマンガンやリチウムの一部をそれら以外の元素で置
換あるいはドープした材料を使用するようにしてもよ
い。
【0068】更にまた、本実施形態以外で用いることの
できるリチウムイオン電池用負極活物質も上記特許請求
範囲に記載した事項以外に特に制限はない。例えば、天
然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークス、非晶質炭素な
どの炭素質材料等でよく、その粒子形状においても、鱗
片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものでは
ない。
【0069】また、非水電解液としては、一般的なリチ
ウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液
が用いられる。しかし、用いられるリチウム塩や有機溶
媒は特に制限されない。例えば、電解質としては、Li
ClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB
(C654、CH3SO3Li、CF3SO3Li等やこ
れらの混合物を用いることができる。非水電解液有機溶
媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトニル等またはこれら
2種類以上の混合溶媒を用いるようにしてもよく、混合
配合比についても限定されるものではない。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平均粒径0.1μm乃至2μmの一次粒子の集合体で形
成された二次粒子からなるリチウムマンガン複酸化物と
導電材とを含む活物質合剤が帯状集電体の両面にほぼ均
等量塗着された正極と充放電によりリチウムイオンを吸
蔵・放出可能な負極とを用いたので、高容量、高出力と
することができると共に、リチウムマンガン複酸化物
を、集電体片面あたりの塗着量が270g/m乃至3
30g/mとし、かつ、導電材量を3重量%乃至7重
量%としたので、内圧開放機構からのガス放出が極めて
穏やかに行われるため、高容量、高出力でありながら
も、極めて安全性の高い非水電解液二次電池を実現する
ことができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の円筒形リチウム
イオン電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極外部端子 1’ 負極外部端子 2 ナット 3 第1のセラミックワッシャ 3’ 第2のセラミックワッシャ 4 電池蓋(電池容器の一部) 5 電池容器 6 捲回群(電極捲回群) 7 鍔部 8 絶縁被覆 9 リード片 10 開裂弁(内圧低減機構) 20 円筒形リチウムイオン電池(非水電解液二次電
池)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 剛 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ12 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 BJ27 DJ08 DJ18 EJ04 HJ01 HJ02 HJ05 HJ12 5H050 AA08 AA15 BA17 CA09 CB09 DA10 EA09 EA10 FA05 FA20 HA01 HA02 HA05 HA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.1μm乃至2μmの一次粒
    子の集合体で形成された二次粒子からなるリチウムマン
    ガン複酸化物と導電材とを含む正極活物質合剤が帯状集
    電体の両面にほぼ均等量塗着された正極と、充放電によ
    りリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極と、をセパレ
    ータを介して捲回した電極捲回群を、所定圧で内圧を開
    放する内圧開放機構を有する電池容器内に収容した非水
    電解液二次電池において、前記リチウムマンガン複酸化
    物の前記集電体片面あたりの塗着量が270g/m
    至330g/mであり、かつ、前記正極活物質合剤に
    含有される導電材量が3重量%乃至7重量%であること
    を特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 前記導電材が、黒鉛と無定型炭素との混
    合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解
    液二次電池。
  3. 【請求項3】 前記黒鉛の平均粒径が、前記二次粒子の
    平均粒径の0.2倍乃至0.8倍であることを特徴とす
    る請求項2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 前記無定型炭素はアセチレンブラックで
    あることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の非
    水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 前記リチウムマンガン複酸化物のLi/
    Mn比が、0.55乃至0.60であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の非水電
    解液二次電池。
  6. 【請求項6】 前記負極の活物質は非晶質炭素であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載の非水電解液二次電池。
JP2000394095A 2000-12-26 2000-12-26 非水電解液二次電池 Expired - Fee Related JP3719139B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000394095A JP3719139B2 (ja) 2000-12-26 2000-12-26 非水電解液二次電池
US09/977,305 US6706446B2 (en) 2000-12-26 2001-10-16 Non-aqueous electrolytic solution secondary battery
EP01124876A EP1220343B1 (en) 2000-12-26 2001-10-18 Non-aqueous electrolytic solution secondary battery
TW090125980A TW522593B (en) 2000-12-26 2001-10-19 Non-aqueous electrolytic solution secondary battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000394095A JP3719139B2 (ja) 2000-12-26 2000-12-26 非水電解液二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002198034A true JP2002198034A (ja) 2002-07-12
JP3719139B2 JP3719139B2 (ja) 2005-11-24

Family

ID=18859780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000394095A Expired - Fee Related JP3719139B2 (ja) 2000-12-26 2000-12-26 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3719139B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015046282A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 新神戸電機株式会社 リチウムイオン電池
US9627690B2 (en) 2014-08-05 2017-04-18 Samsung Sdi Co., Ltd. Positive electrode composition for rechargeable lithium battery, and positive electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery including the same
CN115566137A (zh) * 2022-11-09 2023-01-03 楚能新能源股份有限公司 一种高能量密度型极片及其制备方法和电芯

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015046282A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 新神戸電機株式会社 リチウムイオン電池
US9627690B2 (en) 2014-08-05 2017-04-18 Samsung Sdi Co., Ltd. Positive electrode composition for rechargeable lithium battery, and positive electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery including the same
CN115566137A (zh) * 2022-11-09 2023-01-03 楚能新能源股份有限公司 一种高能量密度型极片及其制备方法和电芯

Also Published As

Publication number Publication date
JP3719139B2 (ja) 2005-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3541723B2 (ja) 円筒形リチウムイオン電池
US8257847B2 (en) Lithium secondary battery
CN112574659B (zh) 一种锂二次电池电极片保护层及其制备方法
JP2004006264A (ja) リチウム二次電池
JP2003308842A (ja) 非水電解液リチウム二次電池
JP4305035B2 (ja) 捲回式円筒型リチウムイオン電池
JP4752154B2 (ja) リチウム二次電池の製造方法
JP2002015774A (ja) 非水電解液リチウム二次電池
JP2000311677A (ja) 捲回式円筒型リチウム二次電池
JP3988384B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3591506B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2004186130A (ja) 非水系リチウム二次電池
JP2002373701A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP3719139B2 (ja) 非水電解液二次電池
JPH11312523A (ja) 電池用電極及び非水電解液電池
JP3624793B2 (ja) リチウムイオン電池
JP3783503B2 (ja) リチウム二次電池
JP4839518B2 (ja) 非水電解液二次電池
CN117293269A (zh) 负极
JP2001202997A (ja) 円筒形リチウムイオン電池
JP3518484B2 (ja) リチウムイオン電池
JP4839517B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP3440870B2 (ja) 円筒形リチウムイオン電池
JP2004319308A (ja) リチウム二次電池
JP2001185154A (ja) リチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees