JP2002195554A - 空気量調節装置および燃焼装置 - Google Patents

空気量調節装置および燃焼装置

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JP2002195554A JP2000396147A JP2000396147A JP2002195554A JP 2002195554 A JP2002195554 A JP 2002195554A JP 2000396147 A JP2000396147 A JP 2000396147A JP 2000396147 A JP2000396147 A JP 2000396147A JP 2002195554 A JP2002195554 A JP 2002195554A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼量の変動時でも安定した空気供給を行う
ことのできる空気量調節装置を提供する。 【解決手段】 燃焼部と送風機の間に配されて、燃焼部
へ供給する空気量を調節する空気量調節装置5aであっ
て、開口26,27を有し回転可能に重ね合わせられた
板状部材22,23と、板状部材22に対して板状部材
23を回転駆動して開口面積を変化させるアクチュエー
タ121と、板状部材23を駆動する制御信号をアクチ
ュエータ121に送出すると共に、送風機を制御する制
御手段9とを備えており、制御手段9は、燃焼量の変動
時に、送風機に起因する供給空気量からのずれを補償す
る補償制御信号を生成して、一旦、アクチュエータ12
1を駆動し、所定時間が経過後には、目的燃焼量に対応
した制御信号を生成してアクチュエータ121を再駆動
する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気量調節装置お
よび燃焼装置に係り、更に詳しくは、液体燃料を燃焼さ
せる燃焼装置に適し、液体燃料を使用する暖房機器や給
湯器、または温水暖房機、ファンヒータ等に特に好適な
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に燃焼装置においては、燃料と空気
とを予め混合した状態で炎孔から噴射させる。そして燃
焼部には直接的に二次空気を供給し、燃料は予め混合さ
れた空気と二次空気によって燃焼する。従って燃料に予
め混合する一次空気量及び、炎孔外に供給する二次空気
量は、安定燃焼やターンダウン比(ガス量や空気量を大
きく変動させた場合の変動比)の大小に応じて大幅に変
動する。従来の燃焼装置では、大きなターンダウン比に
対応するために、空気供給を行う送風機の回転数を調節
すると共に、空気量調節装置によって、送風機と燃焼部
との間に形成される空気流路を開閉制御して供給空気量
を調節していた。このような従来の空気量調節装置は、
開状態と閉状態の2値制御を行うものであり、板状の部
材を空気流路に対して直交させて突出、退入させる構造
上、装置自体が大型化する嫌いがあった。
【0003】そこで、従来の空気量調節装置に代えて、
開口の開けられた2枚の板状部材を互いに回転可能に取
り付けて構成された面スライド方式の空気量調節装置が
使用されるようになって来た。この空気量調節装置は、
一方の板状部材に対して他方の板状部材を回転させるこ
とにより、2枚の板状部材の開口の重なり具合(開口面
積)を変化させ、これによって、開口を通過する空気量
を制御するものである。則ち、前記した空気流路を開閉
制御する構造に比べて、装置自体を小型化することがで
きるものである。
【0004】ところで、近年酸性雨による環境破壊が深
刻な社会問題となり、NOX(窒素酸化物)の総排出量
を減少させることが急務となっている。これは、家庭用
等の小型の燃焼装置についても同様であり、NOXの発
生を極力低減させる工夫が要求されている。NOXを低
減させるためには、火炎の温度を適度に低下させること
が必要であるが、そのためには供給する空気量の微調整
が必要となる。そのため従来にも増して空気量調節装置
に高い能力が要求されている。このため、従来は、前記
した面スライド方式の空気量調節装置と送風機の回転数
制御とを組み合わせてきめ細かい空気供給を行う構成と
されることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した面
スライド方式の空気量調節装置と送風機とを組み合わせ
た構成では、燃焼量の変動する過渡状態における供給空
気量を適性に制御することが困難であった。則ち、空気
量調節装置は燃焼量の変動に対応して直ちに空気流路の
開口面積を適性に制御することができる。しかし、例え
ば、燃焼量の急低下に対応して送風機へ回転数を低下さ
せる制御信号を送出しても、送風機の有する慣性によっ
て回転数が目的値まで低下するのに相当な時間を要し、
この間の供給空気量を適性に制御することができなかっ
た。
【0006】このため、例えば、給湯器などで炊事用の
温水と風呂用温水とが同時に使用されている状態で、風
呂用温水の使用が停止すると、供給空気量が過多となり
吹き消えが発生する不具合が生じていた。則ち、燃焼量
の低下に伴って燃料ガスの供給が減少されるにも拘わら
ず、送風機の慣性によって供給空気量が低下しないた
め、燃料ガスが過渡に希薄になって吹き消えを生じてい
た。このため、燃焼装置によっては、燃焼量の変動過渡
状態に一時的に燃焼を停止させるような対策を施したも
のもあり、安定した燃焼を阻害するために改善が望まれ
ていた。
【0007】本発明は、前記した事情に鑑みて提案され
るもので、燃焼量の変動時でも安定した燃焼を維持させ
ることのできる空気量調節装置を提供することを目的と
している。また、同時に提案される本発明は、この空気
量調節装置を用いた燃焼性能を向上させた燃焼装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に提案される本発明は、燃焼装置の火炎を発生させる燃
焼部と空気を送風する送風機の間に配置されて、燃焼部
へ供給する空気量を調節する空気量調節装置であって、
送風機の回転数を制御すると共に、当該送風機から燃焼
部へ至る空気流路の開度を制御する制御信号を生成する
制御手段を備えており、制御手段は、燃焼量の変動時
に、送風機の慣性に伴って生じる目的とする燃焼量に対
応した供給空気量からのずれを補償する補償制御信号を
生成して、一旦、空気流路の開度を調節し、所定時間が
経過した後には、目的とする燃焼量に対応した制御信号
を生成して空気流路の開度を再調節する構成とされてい
る。
【0009】通常、燃焼量が変動したときには、制御手
段は燃焼量に応じた制御信号を生成して送風機へ送出す
ると共に、空気流路の開度を制御する。空気流路の開度
はほぼ瞬時に行われるが、送風機は慣性を有するため、
直ちに目的の回転数に達することができない。しかし、
この構成によれば、燃焼量の変動過渡時に、送風機の回
転数の追従の遅延を空気流路の開度によって補償するこ
とができ、変動過渡時においても、目的とする空気量を
燃焼部へ供給することができ、安定した空気供給を行う
ことができる。
【0010】同時に提案される本発明は、燃焼装置の火
炎を発生させる燃焼部と空気を送風する送風機の間に配
置されて、燃焼部へ供給する空気量を調節する空気量調
節装置であって、所定形状の開口を有し回転可能に重ね
合わせられた板状部材と、一方の板状部材に対して他方
の板状部材を回転駆動して開口同士で形成される開口面
積を変化させるアクチュエータと、燃焼部の燃焼量に応
じて他方の板状部材を目的の回転位置へ駆動するための
制御信号を生成してアクチュエータに送出すると共に、
送風機の回転数を制御する制御手段とを備えており、制
御手段は、燃焼量の変動時に、送風機の慣性に伴って生
じる目的とする燃焼量に対応した供給空気量からのずれ
を補償する補償制御信号を生成して、一旦、アクチュエ
ータを駆動し、所定時間が経過した後には、目的とする
燃焼量に対応した制御信号を生成してアクチュエータを
再駆動する構成とされている。
【0011】この構成によれば、送風機の回転数と板状
部材の回転位置、則ち、開口面積との両者によって燃焼
量に応じた供給空気量が定まる。前記したように、通
常、燃焼量が変動したときには、制御手段は燃焼量に応
じた制御信号をアクチュエータと送風機へ送出して制御
する。アクチュエータは制御信号を受けるとほぼ瞬時に
駆動されて、移動側板状部材を目的の回転位置へ駆動す
る。しかし、送風機は慣性を有するため、直ちに目的の
回転数に達することができない。そこで、送風機の慣性
に伴う供給空気量のずれを補償する補償制御信号によっ
て、一旦、アクチュエータを駆動する。これにより、板
状部材は燃焼量に対応した回転位置とは異なる補償位置
に一時的に駆動される。このときの開口面積は、燃焼量
に対応した面積ではなく、一時的に、送風機の供給空気
量のずれを補償する面積となる。そして、所定時間が経
過すると、板状部材は燃焼量に対応した回転位置に再駆
動される。
【0012】所定時間は、適宜に設定することが可能で
ある。例えば、送風機の回転数が制御信号に応じた目的
の回転数に至るまでの適宜の時間に設定することもで
き、また、送風機の回転数が安定するまでの時間に設定
しても良い。この構成によれば、燃焼量の変動によって
送風機の回転数が大幅に変動する過渡状態においても、
板状部材の補償駆動によって供給空気量を目的とする空
気量に調節することが可能となり、空気供給量が過多あ
るいは過少となることが防止される。
【0013】前記本発明において、制御手段は、送風機
へ制御信号を送出してから、送風機の回転数が目的値に
対して所定範囲内に到達するまでの時間を所定時間とし
て制御を行う構成とすることができる。則ち、目的の回
転数に対して上下の所定範囲内に送風機の回転数が到達
する時間を所定時間として制御することができる。この
構成によれば、送風機の回転数が目的値に近づいてか
ら、板状部材が燃焼量に応じた目的の回転位置へ再駆動
される。これにより、燃焼量の急変動に伴う空気供給量
のずれを抑えることができる。
【0014】前記本発明において、制御手段は、燃焼量
の変動に所定の演算を施した値に基づいて補償制御信号
を生成する構成とすることができる。ここで、アクチュ
エータとしてステップモータを使用する場合、ステップ
モータを1セレーションだけ駆動する信号を1ステップ
と定義する。仮に、板状部材を最閉(全閉)させるアク
チュエータのステップ値を0とし、板状部材を最開(全
開)させるアクチュエータのステップ値を500とす
る。すると、アクチュエータのステップ値を等価的に燃
焼量と対応させることができる。
【0015】そこで、例えば、アクチュエータが500
ステップの状態から300ステップの状態へ燃焼量が変
動した場合、変動量である200ステップに予め定めら
れた所定値(例えば50ステップ)を減算した150ス
テップを補償制御信号として生成することができる。則
ち、50ステップ分だけ開口面積を余分に低減させるよ
うに補償制御信号を生成する。また、同様の燃焼量の変
動において、変動量である200ステップに所定比率
(例えば0.8)を乗算した160ステップを補償制御
信号として生成することもできる。則ち、所定の演算と
しては、変動量に対して所定値を加算、減算したり、或
いは、所定比率を乗算する構成が採れる。このような演
算式は、空気量調節装置の設計に応じて適宜設定するこ
とができる。この構成によれば、制御手段は、所定の演
算式を格納しておけば良く、構成が簡略化される。
【0016】前記本発明において、制御手段は、燃焼量
の変動と補償制御信号とを対応させて予め定められたデ
ータテーブルを有しており、当該データテーブルを参照
して補償制御信号を生成する構成とすることができる。
補償制御信号は、前記したように、所定の演算式に基づ
いて算出することもできるが、演算式で表現するのが困
難な補償制御信号を生成する場合もある。例えば、空気
量調節装置を実際に稼働させて、燃焼量の変動と最適な
補償制御信号とを試験によって得た場合、得られたデー
タをデータテーブルとして制御手段に保有することによ
り、データテーブルを参照して正確な補償制御を行うこ
とができる。
【0017】前記本発明において、制御手段は、目的と
する燃焼量および燃焼量の変動と前記補償制御信号とを
対応させて予め定められたデータテーブルを有してお
り、当該データテーブルを参照して補償制御信号を生成
する構成とすることができる。補償制御信号を、燃焼量
の変動量だけに基づいて表すことができれば、前記した
ように、これらのデータを対応させてデータテーブルと
して保有することにより、最適な補償制御を行うことが
できる。しかし、空気量調節装置の構成によっては、補
償制御信号は燃焼量の変動量だけではなく、目的とする
燃焼量にも対応させて変動させる必要がある。そこで、
目的とする燃焼量および燃焼量の変動と補償制御信号と
を対応させたデータテーブルを用いることによって、一
層正確な補償制御を行うことができる。
【0018】前記本発明において、制御手段は、燃焼量
の変動に応じて送風機の回転数を低減させる場合に限っ
て、補償制御信号を生成する構成とすることができる。
送風機はモータとファンとで構成され、モータでファン
を回転させて送風を行う。モータは、慣性の大きいファ
ンを駆動するため、駆動トルクの大きいものを用いるこ
とが多い。これにより、ファンの回転数を上昇させる場
合は、制御信号の印加から比較的短時間で目的の回転数
に到達する。しかし、ファンの回転数を低下させる場合
は、ファンが大きな慣性を有するため、回転数を低減さ
せる制御信号を印加してから相当の時間を経過しないと
目的の回転数まで低減しない。送風機のこのような特性
に鑑みて、送風機の回転数を低減させる場合だけ、補償
制御信号を生成する構成とすることにより、制御を簡略
化しつつ、燃焼量の変動時における安定した空気供給を
行うことができる。
【0019】前記本発明において、制御手段は、燃焼量
の変動が予め定められた所定量を超える場合に限って、
補償制御信号を生成する構成とすることができる。燃焼
量の変動が少ない場合には、通常、空気供給量の変動も
少ない。このため、送風機の回転数の変動幅も少なく、
送風機の慣性に伴う供給空気量のずれも僅かである。従
って、燃焼量の変動が所定量を超える場合に限って補償
制御信号を生成する構成としても充分実用可能である。
この構成によれば、安定した空気供給を得つつ補償制御
信号によるアクチュエータの駆動回数を低減することが
でき、空気量調節装置の耐久性が向上する。
【0020】前記本発明において、制御手段は、燃焼量
に応じて、前記板状部材を最閉位置および最開位置を含
む予め定められた所定回転位置へ段階的に駆動する制御
信号を生成する構成とすることができる。一般に、燃焼
量に対して板状部材を無段階に制御する構成では、板状
部材をきめ細かく制御して目的とする空気量を供給可能
である。しかし、このような無段階の制御では、燃焼量
の僅かな変動に対しても板状部材は駆動されるため、駆
動回数が極端に増大して空気量調節装置自体の耐久性が
損なわれる虞がある。
【0021】そこで、燃焼量に応じた空気供給を得つつ
耐久性を向上させる構成として、燃焼量に応じて板状部
材を段階的に駆動させる態様が採れる。例えば、燃焼量
に応じた板状部材の基本的な駆動段階を、開口面積が最
閉(全閉)、最開(全開)、および、最閉と最開の略中
央の中開となる3段階とした構成を採ることができる。
そして、燃焼量が所定の範囲内では最閉、続く所定の範
囲内では中開、そして、続く所定の範囲内では最開とな
るように板状部材を段階的に駆動する構成とすることが
できる。
【0022】この構成によれば、燃焼量が所定の範囲内
で変動しても、板状部材は逐一駆動されず、燃焼量が所
定の範囲を超えたときだけ駆動される。従って、無段階
の制御に比べて、アクチュエータによる板状部材の駆動
回数を効果的に減少させることができ、空気量調節装置
の耐久性が向上する。この構成によれば、板状部材の駆
動段階が少なくなるに連れて供給空気量をきめ細かく調
節することが困難になる。そこで、板状部材の駆動状態
に連動させて送風機の回転数を制御することにより、燃
焼量に応じたきめ細かい空気供給を行うことが可能であ
る。
【0023】前記本発明において、制御手段は、燃焼量
の変動に応じて送風機の回転数を低減させる場合に限っ
て、板状部材を、目的とする段階と当該段階よりも開口
面積を減少させる隣接段階との間の所定の回転位置に駆
動する補償制御信号を生成する構成とすることができ
る。前記したように、板状部材の駆動段階を、開口面積
が最閉(全閉)、最開(全開)および最閉と最開の略中
央の中開となる3段階の制御が行われるものとする。例
えば、燃焼量が低下して板状部材の駆動段階が最開状態
から中開状態へと駆動されと、送風機の回転数も低下さ
せるべく制御信号が送出される。しかし、前記したよう
に、慣性によって目的の回転数に低下するまでに時間を
要する。
【0024】そこで、板状部材の駆動段階を直ちに中開
状態とはせず、中開と最閉との略中央の回転位置に駆動
させる補償制御信号を生成して、一旦、板状部材を補償
駆動する。この補償制御信号により、開口面積が目的値
よりも減少するように板状部材が補償駆動されるので、
送風機の慣性による空気供給の過多が抑えられて、吹き
消えの発生を効果的に防止できる。
【0025】そして、所定時間が経過した後(送風機の
回転数が目的値に対して所定範囲内に到達した後)に
は、板状部材は制御信号によって中開状態へと再駆動さ
れて燃焼量に対応した空気供給が行われる。この構成に
よれば、燃焼量の変動に伴って送風機の回転数を低減さ
せる場合だけ補償制御信号が生成されるので、板状部材
の駆動回数を低減することができ、空気量調節装置の耐
久性が向上する。
【0026】前記請求項1乃至10に記載した空気量調
節装置は、燃料を気化させて生成される燃料ガスを燃焼
部へ供給して燃焼させる燃焼装置に用いられ、気化され
た燃料へ混合される一次空気と燃焼部へ供給される二次
空気の双方を調節する構成とすることができる。則ち、
空気量調節装置の固定側板状部材と移動側板状部材とに
設ける開口を適宜に調整することにより、1つの空気量
調節装置によって一次空気および二次空気を同時に適量
に調節することができる。このような空気量調節装置を
燃焼装置に用いることにより、構成を簡略化させると共
に安定した空気供給を行うことができる。
【0027】また、同時に提案される本発明の燃焼装置
は、火炎を発生させる燃焼部と、当該燃焼部へ空気を送
風する送風機と、請求項1乃至11のいずれか1項に記
載の空気量調節装置とを備えて構成される。則ち、前記
した空気量調節装置を用いた燃焼装置により、送風機の
慣性に起因する供給空気量のずれを効果的に除去するこ
とが可能となり、安定した燃焼を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る空気
量調節装置の駆動系を示す分解斜視図、図2は空気量調
節装置の移動側板状部材(板状部材)および固定側板状
部材(板状部材)を示す斜視図、図3は空気量調節装置
を組み立てた状態を示す斜視図、図4は空気量調節装置
の動作を示す説明図、図5は空気量調節装置を内蔵した
燃焼装置の断面図である。
【0029】図3、図5に示すように、空気量調節装置
5aは、固定側板状部材22、移動側板状部材23、移
動側板状部材23を回転駆動する駆動片5b、駆動片5
bを枢支する支持部材5m、アクチュエータ(ステップ
モータ)121、および、制御手段9を備えて構成され
る。
【0030】駆動片5bは、図1に示すように、金属板
を断面が略「弓」字形状になるように6カ所を折曲して
形成され、3つの垂直部、3つの水平部及び1つの傾斜
部5fを備えた形状である。中央の2つの垂直部には枢
支軸5hを貫通させる枢支孔5d,5dが設けられてい
る。また、端部の垂直部には、ステップモータ121の
回転軸5tを嵌合させるスリット状の嵌合孔5cが設け
られている。これらの枢支孔5d,5dおよび嵌合孔5
cは、各々の孔中心が一軸となるように形成されてい
る。また、傾斜部5fは隣接する水平部に対して略45
度の傾斜を持たせており、、傾斜部5fに隣接する水平
部側縁(図における右方側縁)は曲面状に切り起こされ
て、押圧部5eを形成している。尚、傾斜部5fは押圧
部5eを補強する機能を有すると共に、後述する枢支軸
の取り付けを容易にするために傾斜させている。
【0031】支持部材5mは、駆動片5bを揺動可能に
枢支するもので、長尺帯状の固定部5nと、固定部5n
の長手左右側縁中央に垂直に切り起こされた枢支部5
p,5pを備えている。枢支部5p,5pの上縁中央部
は略半円状に上方へ向けて突出し、この半円状の中心に
軸孔5q,5qが設けられている。この支持部材5m
は、固定部5nに設けられた複数の固定孔5rにネジを
通して後述する固定側板状部材22に取り付け固定され
る。
【0032】前記した、駆動片5bは枢支軸5hを用い
て支持部材5mに揺動可能に取り付けられる。則ち、駆
動片5bの中央の2カ所の垂直部を支持部材5mの枢支
部5p,5pの外側に跨ぐようにして被せ、枢支軸5h
を駆動片5bの枢支孔5d,5dおよび枢支部5pの軸
孔5q,5qを貫通させるように挿入する。これによ
り、駆動片5bは枢支軸5hの回りに所定角度だけ揺動
可能な状態で支持部材5mに取り付けられる。
【0033】移動側板状部材23は、図1,2に示すよ
うに円板形であり、周辺部には垂直に切り起こされた係
合部33が設けられている。この係合部33は円板の接
線方向へ向けて設けられ、係合部33の中央は切り欠か
れて溝状部33aを形成している。この溝状部33aの
一方(図の右側)の側縁は傾斜させて被押圧部33bを
形成している。また、係合部33の左端部には、後述す
るバネSの一端を固定する開口33cが設けられてい
る。
【0034】係合部33の被押圧部33bに傾斜を持た
せているのは、駆動片5bの回動によって移動側板状部
材23を回転駆動する際に、押圧部5eの回動によって
被押圧部33bが上方へ持ち上げられることを防止する
ためである。この移動側板状部材23の中心には、固定
側板状部材22に対して回転可能に取り付けるための軸
挿通孔25が設けられている。また、円板面には略3角
形の開口26が軸挿通孔25を中心として等間隔で放射
状に設けられ、円板の周辺近傍には、略長方形の開口2
7が軸挿通孔25を中心として等間隔で放射状に設けら
れている。
【0035】一方、固定側板状部材22は、図2に示す
ように長方形状をしており、中央部には移動側板状部材
23を回転可能に取り付けるための軸挿通孔25’が設
けられている。また、移動側板状部材23の開口26,
27と対応させて、軸挿通孔25’を中心として放射状
に略三角形の開口26’および略長方形の開口27’が
等間隔に設けられている。
【0036】本実施形態の空気量調節部材5aは、この
ような構成の移動側板状部材23を固定側板状部材22
へ回転可能に取り付けて構成される。則ち、移動側板状
部材23の軸挿通孔25を固定側板状部材22の軸挿通
孔25’に合わせて固定具(不図示)で回転可能に取り
付けることにより、移動側板状部材23は固定側板状部
材22の上で自由に回転できる。従って、ある回転位置
では開口26,27と開口26’,27’とが一致して
開口面積が最大となり、別の回転位置では開口面積が最
小となる。則ち、移動側板状部材23の回転位置を駆動
片5bで変化させることにより、開口面積を最小から最
大まで自由に変化させることができる。これにより、移
動側板状部材23および固定側板状部材22の上下方向
への空気流量(空気流路の開度)を調節するものであ
る。
【0037】組み立てられた空気量調節部材5aは、図
3に示すように、固定側板状部材22に移動側板状部材
23が回転可能に取り付けられ、移動側板状部材23の
近傍には、駆動片5bを枢支した支持部材5mが固定側
板状部材22に取付固定されている。そして、駆動片5
bの押圧部5eが移動側板状部材23の係合部33に設
けられた被押圧部33bに当接している。固定側板状部
材22の周縁は、図3、図5に示すように、箱体(ケー
ス部)13で囲まれており、ステップモータ121の回
転軸5tは、箱体13に設けられた開口13aを通して
駆動片5bの嵌合孔5cに嵌合している。また、移動側
板状部材23の係合部33に設けられた開口33cと固
定側板状部材22の係止部22aとの間にはバネSが取
り付けられて、移動側板状部材23を固定側板状部材2
2に対して左回り方向(開口面積が最小となる方向)へ
付勢している。また、箱体13のステップモータ121
の近傍には、当該ステップモータ121や後述する送風
機2へ制御信号を生成して送出する制御手段9を構成す
る制御回路9aが取り付けられている。
【0038】本実施形態の空気量調節装置5aは、図4
(a)〜(c)に示すように、駆動片5bが枢支軸5h
の回りに左右方向へ所定角度だけ揺動(回動)可能とさ
れている。言い換えれば、駆動片5bが所定角度だけ揺
動すると、支持部材5mの枢支部5Pに当接して揺動が
停止される構成としている。従って、ステップモータ1
21の回転角度も駆動片5bの揺動可能な角度の範囲に
調整されている。
【0039】この空気量調節装置5aでは、図4(a)
に示すように、ステップモータ121によって駆動片5
bが時計方向へ回動しきった状態では、移動側板状部材
23の係合部33はバネSによって左方に付勢されるの
で、被押圧部33bが駆動片5bの押圧部5eに当接し
た状態で停止している。この状態では、移動側板状部材
23と固定側板状部材22との間に形成される開口面積
が最小となり、供給空気量が最も低い最閉状態である。
【0040】制御手段9からステップモータ121に供
給空気量を増加させる制御信号が伝送されると、図4
(b)に示すように、駆動片5bは図において反時計方
向に回転し、駆動片5bも反時計方向へ回動する。この
状態では、移動側板状部材23と固定側板状部材22と
の間に形成される開口面積が中程度の中開状態となる。
制御手段9からステップモータ121に、更に、供給空
気量を増加させる制御信号が伝送されると、図4(c)
に示すように、駆動片5bは図において反時計方向に向
けて回転しきった状態となる。この状態では、移動側板
状部材23と固定側板状部材22との間に形成される開
口面積が最大となり、供給空気量が最大の最開状態とな
る。
【0041】次に、本実施形態の空気量調節装置5aの
制御動作を説明するのに先立って、燃焼装置1における
空気量調節装置5aの配置を説明する。図5に示す燃焼
装置1は、本発明の実施例で述べる給湯器に内蔵される
もので、上部に設けられた送風機2と下方へ設けられた
燃焼部7との間に空気量調節装置5aが配されている。
則ち、送風機2のモータ16によってファン11を回転
させ、発生した空気流を空気量調節装置5aで制御しつ
つ下方の燃焼部7へ送る動作をする(図5の矢印参
照)。
【0042】この空気量調節装置5aの箱体13の外壁
に取り付けられたステップモータ121の近傍には、ス
テップモータ121および送風機2のモータ16などへ
送出する制御信号を生成する制御手段9が設けられてい
る。この制御手段9は、CPUを用いてデジタル処理を
行う制御回路9aで構成される。則ち、制御回路9a
は、CPU、RAM、ROM、I/Oポート、および、
必要に応じて、アナログのセンサ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換回路などを備え、燃焼部から伝送さ
れる燃焼量に応じた制御信号を生成するものである。
【0043】次に、前記した空気量調節装置5aの基本
的な制御動作を、図3〜6を参照して説明する。図6
は、本実施形態の空気量調節装置5aの燃焼量に応じ
て、ステップモータ121へ送出される制御信号、移動
側板状部材23による開口面積、送風機の回転数を示し
たグラフ(図の下方のグラフ)と、燃焼量に対して供給
される空気量(一次空気および二次空気)を示したグラ
フ(図の上方のグラフ)との2つのグラフを、燃焼量を
対応させて示したものである。
【0044】この空気量調節装置5aでは、基本的に移
動側板状部材23は、最閉(全閉)状態、最開(全開)
状態と、最閉と最開の中間に位置する中開状態の3段階
に制御が行われる。則ち、移動側板状部材23は燃焼量
に応じて、前記図4(a)で示す最閉状態、図4(b)
で示す中開状態、および、図4(c)で示す最開状態の
3段階に制御される。
【0045】また、移動側板状部材23の段階的制御に
伴って、送風機2は図6に示すように、各段階で不連続
となる基本制御が行われる。則ち、燃焼量が最低状態か
ら増加するに連れて、移動側板状部材23は最閉状態の
まま、送風機2の回転数を上昇させて供給空気量を増加
させる。そして、燃焼量が閾値1を超えると、移動側板
状部材23は中開状態へと駆動される。このとき、開口
面積が急増するので、図6に示した供給空気量を得るた
めに、送風機2の回転数を、一旦、低下させる。そし
て、燃焼量の増加に連れて再び送風機2の回転数を上昇
させる。燃焼量が次の閾値2を超えると、移動側板状部
材23は最開状態へと駆動される。ここでも、開口面積
は急増するので、送風機2の回転数を、再び低下させ、
燃焼量の増加に連れて再び回転数を上昇させる基本制御
が行われる。燃焼量が低下する場合についても、同様の
基本制御が行われる。
【0046】空気量調節装置5aの基本制御動作を更に
詳細に検証する。図6に示す基本制御において、燃焼量
Aから燃焼量Bまで燃焼量が急減すると、移動側板状部
材23は最開状態から中開状態へと駆動されると共に、
送風機2は回転数aから回転数bまで低減させるように
駆動される。ところが、前記したように、送風機2のフ
ァン11は大きな慣性を有するため、高速回転していた
ファン11は回転数bまで低下するのに時間を要し、回
転数が目的値bまで低下するまでの期間は、目的とする
空気量に対して供給空気量が過多になる。このため、吹
き消えなどの不具合が生じる。このことは、燃焼量を減
少させる場合に限らず、図6に示す燃焼量Cから燃焼量
Bに増加させる場合にも同様に発生する。本発明は、こ
のような、燃焼量の変動時に、送風機2の慣性に起因す
る供給空気量のずれを、移動側板状部材を補償制御する
ことによって抑制することに特徴を有するものである。
【0047】以下に、前記した移動側板状部材23が段
階的に駆動される空気量調節装置5aに適用される本発
明の実施形態を順次説明する。尚、以下の説明では、燃
焼量とステップモータ121の駆動ステップ数を対応づ
けて説明する。則ち、移動側板状部材23が最閉(全
閉)状態のステップモータ121のステップ数を0、移
動側板状部材23が最開(全開)状態のステップモータ
121のステップ数を500として対応づけて説明す
る。 (第1実施形態)図7は、第1実施形態の空気量調節装
置5aの制御動作を示すフローチャートであり、前記図
3〜6を参照しつつその制御動作を説明する。
【0048】制御回路9aは、常時、燃焼量の変動要
求の有無を監視する。燃焼量の変動要求が生じると、送
風機2のファン11の回転数を増加または減少のいずれ
の基本制御を要するのかを判別する。そして、ファン1
1の回転数を増加させる制御が必要な場合(図6の燃焼
量Bから燃焼量Aに増加する場合)は、直ちに、燃焼量
Aに対応した制御信号を生成してステップモータ121
を駆動する。これにより、移動側板状部材23は中開状
態から最開状態へ駆動されて燃焼量Aに対応した開口面
積が得られる。また、送風機2は目的の回転数aまでほ
ぼ瞬時に上昇して燃焼量に対応した空気量が供給される
(以上、図7ステップ200,201,205,206
参照)。
【0049】一方、燃焼量の変動に応じて、ファン1
1の回転数を低減させる制御が必要な場合(図6の燃焼
量Cから燃焼量Bに増加する場合、または、燃焼量Aか
ら燃焼量Bに減少する場合)は、本来、移動側板状部材
23を中開の回転位置まで制御すべきである。しかし、
制御回路9aによって中開と最閉との中間の回転位置に
制御するための補償制御信号を生成して、一旦、ステッ
プモータ121を駆動する。このとき、同時に、制御回
路9aは送風機2へ回転数を低減させる制御信号を送出
する。これにより、開口面積は中開と最閉との中間位置
Mになると共に、送風機2は回転数bへ向けて低下し出
す(以上、図7ステップ201〜203参照)。
【0050】移動側板状部材23を中開状態と最閉状
態との中間の回転位置Mへ駆動した後、制御回路9a
は、送風機2のモータ16の回転数を監視する。そし
て、モータ16の回転数が目的回転数bよりも200r
pmだけ高い回転数まで低下すると、移動側板状部材2
3を目的とする中開状態へ駆動するための制御信号を生
成してステップモータ121を駆動する(以上、図7ス
テップ204〜206参照)。本実施形態では、ステッ
プ204においてモータ16の回転数を監視する構成と
している。しかし、このような構成に限らず、ステップ
204’に示すように、モータ16に制御信号を送出し
てから、予め定められた所定時間が経過した後に、移動
側板状部材23へ制御信号を生成するような簡略化した
制御とすることもできる。
【0051】このように、本実施形態の空気量調節装置
5aによれば、燃焼量の変動に伴って送風機2の回転数
を増加させる場合は、移動側板状部材23を直ちに目的
の回転位置へ駆動する。一方、燃焼量の変動に伴って送
風機2の回転数を低減させる場合は、一旦、移動側板状
部材23を目的の回転位置よりも開口面積が低下する回
転位置へ補償駆動し、その後に、送風機2の回転数が所
定値まで低下すると移動側板状部材23を目的の回転位
置へ再駆動する。これにより、送風機2の慣性による空
気量の過剰供給が抑えられ、吹き消えの発生を効果的に
防止することができる。
【0052】前記図7に示した制御では、移動側板状部
材23を、燃焼量に応じた段階と、その段階よりも開口
面積を低下させる段階との中間の回転位置Mへ駆動させ
るものであったが、本発明はこのような構成に限られる
ものではない。以下に、第1実施形態の変形例を説明す
る。
【0053】(第2実施形態)図8は、図7に示した第
1実施形態を変形した第2実施形態の空気量調節装置5
aの制御動作を示すフローチャートである。この制御動
作は、基本的に図7と同一であるが、ステップ202’
だけが異なっており、同一動作については同一符号を付
して重複した説明を省略する。
【0054】本実施形態では、ステップ202’におい
て、例えば、燃焼量に応じて移動側板状部材23を、最
開状態から中開状態へ駆動する場合、ステップモータ1
21のステップ数の変動に所定比率を乗算したステップ
数だけ余分に駆動する補償制御信号を生成する。則ち、
移動側板状部材23の最開状態に対応したステップ数5
00から、中開状態に対応したステップ数250へ駆動
する場合、変動ステップ数250に所定比率(例えば2
0%)を乗算した50ステップだけ余分(開口面積を減
少させるように)に駆動する補償制御信号を生成する。
そして生成した補償制御信号をステップモータ121へ
送出する。これにより、移動側板状部材23は、中開状
態の回転位置よりも所定比率だけ開口面積が低減される
回転位置へ一旦駆動され、これによって、送風機2の慣
性に伴う空気量のずれを補償することが可能となる。
【0055】尚、制御回路9aで生成する補償制御信号
は、前記した段階の中間の信号を生成したり、所定比率
だけ少ない信号を生成する以外にも、例えば、目的とす
る段階の制御信号よりも予め定められた所定ステップだ
け少ない補償制御信号を生成する構成などを採ることも
可能である。このように、前記第1および第2実施形態
の空気量調節装置5aによれば、移動側板状部材23を
燃焼量に応じて段階的に駆動しつつ、送風機2の慣性に
よる供給空気量のずれを効果的に防止して、安定した空
気供給を行うことが可能となる。また、前期実施形態の
制御によれば、燃焼量に応じて移動側板状部材23を段
階的に制御するので、無段階に制御する場合に比べて移
動側板状部材23の駆動回数を削減することができ、空
気量調節装置5aの耐久性が向上する。前記第1および
第2実施形態では、移動側板状部材23を3段階に制御
する構成としたが、4段階以上に制御する構成とするこ
とも可能である。また、送風機2の回転数が所定値まで
低下した時点で、移動側板状部材23を目的の回転位置
へ駆動する構成とした。しかし、例えば、送風機2の回
転数の低下に応じて、移動側板状部材23を目的の回転
位置へ向けて近づけるように徐々に駆動する制御を行う
ことも可能である。
【0056】ところで、前記した第1および第2実施形
態では、図6に示したように、移動側板状部材23を段
階的に駆動するものであった。しかし、燃焼量に応じて
移動側板状部材23を連続的に無段階制御することも可
能である。以下に、移動側板状部材23などを無断回制
御する実施形態を説明する。図9は、移動側板状部材2
3および送風機2を燃焼量に応じて無段階制御する場合
の基本制御を模式的に示すグラフである。則ち、無段階
制御を行う場合、ステップモータ121への制御信号は
燃焼量に応じて漸増し、これに伴って、移動側板状部材
23の回転位置も増加する。従って、燃焼量の増加に伴
って、開口面積は漸増する。一方、送風機2の回転数も
燃焼量に応じて漸増させる基本制御が行われる。
【0057】このような、無段階制御を行う空気量調節
装置5aでは、燃焼量を低減させる場合だけ送風機2の
回転数を低減させる制御を要する。以下に、無段階制御
を行う実施形態の制御動作を、図3〜図5、および、図
9,図10を参照して説明する。
【0058】(第3実施形態)図10は、第3実施形態
の制御動作を示すフローチャートである。 制御回路9aは、常時、燃焼量の変動の有無を監視す
る。燃焼量の変動が生じると、燃焼量の変動が所定値以
上であるか否かを判別する。この燃焼量の変動幅の判別
(ステップ211における判別)は、現在のステップモ
ータ121のステップ数に対応した燃焼量と、目的とす
る燃焼量との差分によって判別される。燃焼量の変動が
所定値以上であればステップ212へ進むが、変動が所
定値未満のときは制御を行わずにステップ210へ戻る
(以上、図10ステップ210,211参照)。
【0059】ステップ211で、燃焼量の変動を所定
値以上と判別したときは、燃焼量が増加するか否かを判
別する。燃焼量を増加させる場合(図9の燃焼量Bから
燃焼量Aに増加させる場合)は、直ちに、燃焼量Aに対
応した制御信号を生成してステップモータ121を駆動
する。これにより、移動側板状部材23は開口面積を増
加させる方向へ駆動されて燃焼量Aに対応した開口面積
が得られる。また、送風機2は目的の回転数aまでほぼ
瞬時に上昇して燃焼量に対応した空気量が供給される
(以上、図10ステップ210〜212,216,21
7参照)。
【0060】一方、ステップ212で、燃焼量を減少
させる場合(図9の燃焼量Aから燃焼量Bに減少させる
場合)は、本来、移動側板状部材23を燃焼量Bに対応
した回転位置まで駆動すべきである。しかし、制御回路
9aによって、燃焼量Bに対応した回転位置よりも更に
所定ステップ(50ステップ)だけ少ない回転位置に対
応した制御信号を生成して、一旦、ステップモータ12
1を駆動する。このとき、同時に、制御回路9aは送風
機2へ回転数をbまで低減させる補償制御信号を送出す
る(以上、図10ステップ212〜214参照)。この
状態では、移動側板状部材23は、燃焼量Bに対応した
開口面積よりも更にdだけ少ない開口面積となる。
【0061】移動側板状部材23を補償制御信号によ
って駆動すると共に、送風機2へ制御信号を送出した
後、制御回路9aは、送風機2のモータ16の回転数を
監視する。そして、モータ16の回転数が目的回転数b
よりも200rpm回転高い回転数まで低下すると、移
動側板状部材23を燃焼量Bに対応した目的とする回転
位置へ駆動するための制御信号を生成してステップモー
タ121を再駆動する(以上、図10ステップ215〜
217参照)。尚、ステップ215における制御は、モ
ータ16の回転数を監視する構成に代えて、予め定めら
れた所定時間が経過した後に、移動側板状部材23へ制
御信号を生成するような構成とすることもできる。
【0062】このように、本実施形態の空気量調節装置
5aによれば、燃焼量の変動に伴って送風機2の回転数
を増加させる場合は、移動側板状部材23は直ちに目的
の回転位置へ駆動される。一方、燃焼量の変動に伴って
送風機2の回転数を低減させる場合は、一旦、移動側板
状部材23を目的の回転位置よりも開口面積が所定量だ
け低下する回転位置へ駆動し、その後に、目的の回転位
置へ再駆動する。これにより、送風機2の慣性による供
給空気量の過多が抑えられ、吹き消えの発生を防止する
ことができる。また、本実施形態の空気量調節装置5a
では、燃焼量の変動が所定値未満のときには制御を行わ
ない。これにより、移動側板状部材23の駆動回数を削
減させることができ、空気量調節装置5aの耐久性が向
上する。
【0063】(第4実施形態)次に、無段階制御を行う
空気量調節装置5aの別の実施形態の制御動作を、図3
〜図5、および、図9,図11を参照して説明する。図
11は、第4実施形態の制御動作を示すフローチャート
である。 制御回路9aは、常時、燃焼量の変動の有無を監視す
る。燃焼量の変動が生じると、現在の燃焼量に対して、
目的とする燃焼量が増加するか否かを判別する。燃焼量
を増加させる場合(図9の燃焼量Bから燃焼量Aに増加
する場合)は、直ちに、燃焼量Aに対応した制御信号を
生成してステップモータ121を駆動する。これによ
り、移動側板状部材23は開口面積を増加させる方向へ
駆動されて燃焼量Aに対応した開口面積が得られる。ま
た、送風機2は目的の回転数aまでほぼ瞬時に上昇して
燃焼量に対応した空気量が供給される(以上、図11ス
テップ220,221,230,231参照)。
【0064】一方、ステップ221で、燃焼量を低減
させる(図9の燃焼量Aから燃焼量Bへ減少させる場
合)判別が行われたときは、燃焼量の変動幅を判別す
る。則ち、ステップ222で変動量がα未満のときは、
ステップ230に進んで、直ちに燃焼量Cに対応した制
御信号を生成してステップモータ121を駆動する。こ
れにより、移動側板状部材23は開口面積を増加させる
方向へ駆動されて燃焼量Aに対応した開口面積が得られ
る。また、燃焼量の変動量がα以上β未満のときは、ス
テップ224に進んで燃焼量に対応した制御信号よりも
20ステップだけ少ない補償制御信号を生成して、一
旦、ステップモータ121を駆動する。
【0065】同様に、燃焼量の変動量がβ以上γ未満の
ときは、ステップ226に進んで燃焼量に対応した制御
信号よりも40ステップだけ少ない補償制御信号を生成
して、一旦、ステップモータ121を駆動する。また、
燃焼量の変動量がγ以上のときは、ステップ227に進
んで燃焼量に対応した制御信号よりも60ステップだけ
少ない補償制御信号を生成して、一旦、ステップモータ
121を駆動する。一方、補償制御信号によってステッ
プモータ121を駆動すると同時に、送風機2へ目的の
回転数の制御信号を送出する。則ち、ステップ224〜
226では、燃焼量の変動が大きいほど送風機2の慣性
に伴う供給空気量のずれが増大するので、対応させて補
償量を増大させている。
【0066】移動側板状部材23を補償制御信号によ
って駆動した後、制御回路9aは、送風機2のモータ1
6の回転数を監視する。そして、モータ16の回転数が
目的回転数bよりも200rpmだけ高い回転数まで低
下すると、移動側板状部材23を燃焼量Bに対応した目
的とする回転位置へ駆動するための制御信号を生成して
ステップモータ121を再駆動する(以上、図11ステ
ップ229〜231参照)。尚、ステップ229におけ
る制御は、モータ16の回転数を監視する構成に代え
て、予め定められた所定時間が経過した後に、移動側板
状部材23へ制御信号を生成するような構成とすること
もできる。
【0067】このように、本実施形態の空気量調節装置
5aによれば、燃焼量を低減させる場合に、燃焼量の変
動幅が大きくなるに連れて、開口面積が目的値よりも余
分に少なくなるように補償制御信号を生成する。これに
より、送風機2の慣性による供給空気量のずれを効果的
に抑えて、燃焼量の変動時における吹き消えを防止する
ことができる。燃焼量の変動に応じた補償量のデータ
は、例えば、データテーブルとして制御回路9aに予め
保有させる構成を採ることができる。
【0068】(第5実施形態)次に、無段階制御を行う
空気量調節装置5aの更に別の実施形態の制御動作を、
図3〜図5、および、図9,図12を参照して説明す
る。図12(a)は、第5実施形態の制御動作を示すフ
ローチャート、図12(b)は、制御回路9aに保有さ
せる変動量データテーブルおよび燃焼量データテーブル
を示している。変動量データテーブルは、燃焼量の変動
量と補償ステップ数とを対応させたデータテーブルであ
り、燃焼量データテーブルは、目的とする燃焼量と補償
比率とを対応させたデータテーブルである。
【0069】則ち、制御回路9aは、燃焼量の変動が発
生したときは、変動量データテーブルと燃焼量データテ
ーブルとを参照して補償制御信号を生成する。例えば、
燃焼量をステップモータ121のステップ数に対応させ
て、500ステップから150ステップに低減する場
合、変動量は350ステップである。従って、変動量デ
ータテーブルを参照して補償ステップ数40を得る。一
方、燃焼量データテーブルを参照して目的とする燃焼量
の150ステップに対応した補償比率1.0を得る。そ
して、これらの補償ステップ数40と補償比率1.0を
乗算したステップ数40を目的とする燃焼量150から
減算したステップ110を補償制御信号とする制御を行
うものである。
【0070】制御回路9aにおいて、このようなデータ
テーブルの参照を行う第5実施形態の制御動作を、図1
2(a),(b)を参照して説明する。 制御回路9aは、常時、燃焼量の変動の有無を監視す
る。燃焼量の変動が生じると、現在の燃焼量に対して、
目的とする燃焼量が増加するか否かを判別する。燃焼量
を増加させる場合(図9の燃焼量Bから燃焼量Aに増加
する場合)は、直ちに、燃焼量Aに対応した制御信号を
生成してステップモータ121を駆動する。これによ
り、移動側板状部材23は開口面積を増加させる方向へ
駆動されて燃焼量Aに対応した開口面積が得られる。ま
た、送風機2は目的の回転数aまでほぼ瞬時に上昇して
燃焼量に対応した空気量が供給される(以上、図12ス
テップ240,241,245,246参照)。
【0071】一方、ステップ241で、燃焼量を低減
させる(図9の燃焼量Aから燃焼量Bへ減少させる場
合)判別が行われたときは、制御回路9aは、前記した
変動量データテーブルおよび燃焼量データテーブルを参
照して、補償制御信号を生成する。そして、生成した補
償制御信号をステップモータ121へ送出して、一旦、
移動側板状部材23を補償位置に対応した回転位置へ駆
動する(以上、図12ステップ241〜243参照)。
【0072】移動側板状部材23を補償制御信号によ
って駆動した後、制御回路9aは、送風機2のモータ1
6の回転数を監視する。そして、モータ16の回転数が
目的回転数bよりも200rpmだけ高い回転数まで低
下すると、移動側板状部材23を燃焼量Bに対応した目
的とする回転位置へ駆動するための制御信号を生成して
ステップモータ121を再駆動する(以上、図12ステ
ップ244〜246参照)。尚、ステップ244におけ
る制御は、モータ16の回転数を監視する構成に代え
て、予め定められた所定時間が経過した後に、移動側板
状部材23へ制御信号を生成するような構成とすること
もできる。
【0073】このように、本実施形態の空気量調節装置
5aによれば、データテーブルを参照して直ちに補償制
御信号を生成することができ、送風機2の慣性に伴う供
給空気量のずれを効果的に抑えて安定した燃焼を確保で
きる。
【0074】ところで、前記図3に示した空気量調節装
置5aは、カム形状の駆動片5bをステップモータ12
1で駆動して移動側板状部材23を回転させる構成であ
った。しかし、本発明に適用される空気量調節装置はこ
のような構成に限られるものではない。図13は、別の
構成の空気量調節装置5a’の駆動系を示す分解斜視図
であり、前記図3に示した空気量調節装置5aと同一構
成部分には同一の符号を付している。
【0075】この例では、移動側板状部材23の外周縁
の一部に歯23aが設けられており、ステップモータ1
21の回転軸に取り付けられた歯車121aが歯23a
に係合して移動側板状部材23を回転駆動させるもので
ある。この空気量調節装置5a’においても、送風機2
の慣性に伴う供給空気量のずれが発生する。しかし、前
記した本発明を適用することによって、供給空気量のず
れを除去した安定した空気供給を行うことが可能であ
る。
【0076】尚、前記した第1から第5の実施形態で
は、送風機の回転数を増加させる場合に生じる慣性に起
因した供給空気量のずれについては特に言及していな
い。しかし、例えば、送風機2のモータ16が低トルク
の場合には、目的の回転数まで上昇させるために時間を
必要とする。則ち、燃焼量の要求が急増して燃料ガスの
供給が増加するにも拘わらず、送風機2の回転数が目的
の回転数に到達せず、空気供給量が過少となって煤が発
生するような不具合が生じる。この場合には、前記実施
形態を応用することにより、送風機2の回転数が所定回
転数に達するまでの間、開口面積が増加するように移動
側板状部材23を補償制御するような構成を採ることも
可能である。
【0077】
【実施例】次に、本発明の空気量調節装置を燃焼装置に
採用した実施例を説明する。尚、本実施例の燃焼装置
は、前記図1〜図3に示した空気量調節装置5aを用
い、前記図6,図7に示した第1実施形態の制御動作を
採用している。また、説明に際しては、空気量調節装置
5aと後述する空気量調節部5とを同一として扱ってい
る。また、以下の説明において上下の関係は、燃焼装置
を給湯器等に設置した状態を基準とする。図14は、本
発明の燃焼装置を内蔵する給湯器の断面図である。図1
5は、本発明の実施例の燃焼装置の正面図及び箱体の開
口部分の斜視図である。図16は、本発明の実施例の燃
焼装置の断面図である。図17は、本発明の実施例の燃
焼装置の全体の分解斜視図である。図18は、図15の
燃焼装置の流路形成部材周辺の分解斜視図である。図1
9は、流路形成部材に燃料供給管を取り付ける際の構成
を示す斜視図である。 図20は、図15の燃焼装置の
燃焼部近傍を上から見た斜視図である。図21は、図1
5の燃焼装置で採用する空気量調節部の固定側板状部材
の正面図である。図22は、図21の固定側板状部材の
側面図である。図23は、図15の燃焼装置で採用する
空気量調節部の移動側板状部材の正面図である。図24
は、図15の燃焼装置で採用する空気量調節部の正面図
であり、開口を開いた状態を示す。図25は、図15の
燃焼装置で採用する空気量調節部の正面図であり、開口
を閉じた状態を示す。図26は、図15の燃焼装置で採
用する分流部材の正面図である。
【0078】また、図27は、図15の燃焼装置で採用
する炎孔ベースの上面側(気体流路側)の図面である。
図28は、図27の炎孔ベースの下面側(炎孔側)の図
面である。図29は、図15の燃焼装置で採用する炎孔
ベースと、炎孔部材、網状部材及び補炎部材を組み合わ
せた状態の正面図である。図30は、炎孔部材の正面図
である。図31は、網状部材の正面図である。図32
は、補炎部材の正面図である。図33は、図32のA−
A断面図である。図34は、図15の燃焼装置で採用す
るロータリーカップの正面図及び平面図である。図35
は、図28のA−A断面図である。図36は、図28の
B−B断面図である。図37は、図15の燃焼装置で採
用する炎孔ベースの気体流路側の構成を説明する説明図
である。図38は、図15の燃焼装置の炎孔近傍を下側
から見た斜視図である。図39は、燃料ガスの流れを説
明する説明図である。図40は、二次空気の流れを説明
する説明図である。図41は、炎孔部材と網状部材及び
補炎部材の重ね合わせ構造を示す斜視図である。図42
は、図15の燃焼装置を下側から見た概略斜視図であ
る。図43は、本発明の他の実施例の燃焼装置を下側か
ら見た概略斜視図である。図44(a)は、図15の燃
焼装置の点火装置取り付け部分の拡大図であり、(b)
はその変形例である。
【0079】図14〜17において、1は、本発明の実
施例の燃焼装置を示す。本実施例の燃焼装置1は、図の
様に炎孔を下に向けて給湯器21に内蔵されるものであ
り、上から送風機2、駆動機械部3、空気量調節部5、
混合部6及び燃焼部7が順次積み重ねられて作られたも
のである。また混合部6及び燃焼部7の近傍に気化部8
が設けられている。さらに空気量調節部5と気化部8の
間は、流路形成部材70によって接続されている。尚、
本実施例では、空気量調節部5は整流手段の機能を兼ね
る。
【0080】上部側から順次説明すると、送風機2は、
鋼板を曲げ加工して作られた凹状のハウジング10の中
にファン11が回転可能に配されたものである。ハウジ
ング10の中央部には、開口12が設けられている。
【0081】駆動機械部3は、箱体13を有し、その天
板15の中央にモータ16が取り付けられている。モー
タ16は、両端部から回転軸17,18が突出してお
り、回転軸17,18は、燃焼装置1の略全長を貫通し
ている。そして後記する様に、モータ16の上方側の回
転軸17は、ファン11に接続され、下方側の回転軸1
8は、気化部8のロータリーカップ(回転部材)63に
接続されている。また駆動機械部3には、温度センサー
32が設けられている。
【0082】空気量調節部5は、図3,図17の様に移
動側板状部材23と固定側板状部材22によって構成さ
れている。移動側板状部材23は、図17、図23の様
に円板状をしており、中央に軸挿通孔25が設けられて
いる。そしてその周囲に空気孔となる開口26,27が
設けられている。空気孔となる開口26,27は、概ね
内外二重のエリアに分かれて設けられている。中心側の
エリアに設けられた開口26は、略三角形であり、12
個、等間隔に設けられている。一方、外側を取り巻くエ
リアに設けられた開口27は12個であり、略長方形の
溝状である。上記した様に、移動側板状部材23には、
2種類の開口26,27が設けられているが、これらの
周方向の辺は、いずれも移動側板状部材23の中心と同
一中心の円弧である。
【0083】また移動側板状部材23の一部には、図
2,図17の様な係合部33が設けられている。係合部
33は、図2の様に開口が設けられた部位から垂直方向
に折り曲げられた垂直壁を持ち、当該垂直壁に切り欠き
部33aが設けられたものである。
【0084】一方、空気量調節部5の固定側板状部材2
2は、図2,図21に示すように長方形の板体であり、
周囲が折り返されてフランジ部24が設けられている。
固定側板状部材22の面積は、前記した移動側板状部材
23よりも大きく、両者を重ねたとき、移動側板状部材
23は固定側板状部材22にすっぽりと覆われる。逆に
いえば、固定側板状部材22の端部は移動側板状部材2
3からはみ出す。
【0085】板状の部位の中心部分には、前記した移動
側板状部材23と略同一形状の開口が設けられている。
即ち空気量調節部5の固定側板状部材22には、中央に
軸挿通孔25’が設けられている。そしてその周囲に空
気孔となる開口が二重のエリアに分かれて設けられてい
る。中心側のエリアに設けられた開口26’は、略三角
形であり、12個、等間隔に設けられている。外側のエ
リアにも12個の開口27’が設けられているが、外側
の開口はいずれも略長方形の溝状のものである。固定側
板状部材22の他の部位には、多数の小孔31が設けら
れている。小孔31が設けられた位置は、固定側板状部
材22の上に移動側板状部材23を重ねた時に、両者が
重複しない部位である。即ち小孔31は、固定側板状部
材22のはみ出し部分に設けられている。
【0086】空気量調節部5は、図3,17,21に示
すように、固定側板状部材22の上に移動側板状部材2
3が重ねられている。空気量調節部5は、全体として平
面的である。また駆動片5bを駆動するステップモータ
121が燃焼装置1のハウジングに図15,16に示す
様に外付けされており、図3に示すように、当該モータ
121の回転軸5tが駆動片5bの嵌合孔5cと係合し
ている。
【0087】移動側板状部材23は、固定側板状部材2
2の上にあり、中央の軸挿通孔25を中心として相対的
に回転可能である。また図15,16に示す外付けされ
たステップモータ121を回転させると、前記したよう
に駆動片5bが枢支軸5hを中心として揺動し、移動側
板状部材23の係合部33を動かす。その結果、移動側
板状部材23が、固定側板状部材22の上で中央の軸挿
通孔25を中心として相対的に回転する。移動側板状部
材23の回転により、移動側板状部材23と固定側板状
部材22を連通する開口の面積が変化し、これによって
空気量が調節される。
【0088】流路形成部材70は、薄板を曲げて作られ
たものであり、図16,18の様に円錐形をしている。
流路形成部材70の内部は空洞であり、上下に連通して
いる。即ち流路形成部材70は、上部と下部に開口5
4,83を持ち、両者は連通している。流路形成部材7
0の上部の開口54は、前記した移動側板状部材23の
中心側のエリアの直径に等しい。また下部の開口83
は、後記する分流部材35の中央の開口37の直径に等
しい。また前記した様に流路形成部材70は円錐形をし
ており、上部の開口54は、下部の開口83に対して相
当に大きい。より具体的には、上部の開口54の直径
は、下部のそれの1.5倍以上の大きさを持つ。またよ
り好ましくは、上部の開口54の直径は、下部のそれの
2倍以上である。
【0089】流路形成部材70の上下の開口には、それ
ぞれフランジ55,56が設けられている。流路形成部
材70の内側には、燃料パイプ(燃料供給管)79が固
定されている。即ち燃料パイプ79は、図18の様に上
部の開口54側から流路形成部材70の内部に入る。こ
こで流路形成部材70の燃料パイプ79の導入部位にお
いては、図18の様にフランジ55の一部が燃料パイプ
79の外周に沿って円形に変形されている。また燃料パ
イプ79は、図19に示す取り付け金具62によって流
路形成部材70の内壁に沿って配管されている。即ち燃
料パイプ79は、流路形成部材70の母線に沿うと共に
流路形成部材70の内壁に密着して配管されている。
【0090】混合部6、燃焼部7及び気化部8は、分流
部材35と炎孔ベース36を中心として構成され、これ
に気化室60と炎孔部材51,網状部材77及び補炎部
材78が設けられて作られている。そしてこれらの構成
部品がハウジング122内に収納されたものである。
【0091】即ち分流部材35は、図26に示すよう
に、長方形をした板状の部材であり、中央に大きな開口
37が設けられている。また周部には、小さな開口4
0,89,90が多数設けられている。但し本実施例で
は、小さな開口は、内外二箇所のエリアに分かれて分布
している。即ち二点鎖線で囲んだ内側のエリアには、小
さな開口40が列となって長手方向に連なって設けられ
ている。一方、二点鎖線の外側のエリアには、二列且つ
環状に開口89,90が設けられている。分流部材35
の面積は、後記する炎孔ベース36の面積よりも大き
い。
【0092】炎孔ベース36は、アルミダイカストによ
って作られたものであり、図27,28の様に長方形を
している。そして炎孔ベース36には、複雑な枠組と開
口及び溝が設けられている。炎孔ベース36の上面側
は、主として燃料ガス及び二次空気の流路構成面として
機能し、下面側は炎孔取付け面として機能する。即ち炎
孔ベース36は、外周を囲む外側燃焼壁41を持つ。こ
の外側燃焼壁41の内部は、実際に火炎が発生する部分
であり、燃焼部7として機能する。外側燃焼壁41に
は、図20,35,36,39,40に示すように孔
(開口)53が設けられている。
【0093】さらに外側燃焼壁41内は、図20,2
7,28,35,36の様に、多数の垂直壁50によっ
て仕切られて設けられた溝48が設けられている。そし
て溝48を構成する垂直壁50は、図20,37の様に
二組づつがループを構成していて、島状の部位75を形
成している。即ち外側燃焼壁41内には、ループ状に閉
塞された垂直壁50の組によって構成される閉塞された
溝48aと、それ以外の開放された溝48bを持つ。そ
して島状の部位75は、図20,37の様に長手方向に
部分的に切れており、当該切れ目52の部分で島状以外
の部位の溝48b同士が連通している。
【0094】また図20,35,36の様に、炎孔ベー
ス36の上面側(流路構成面側)には、中央部と、島状
の部位75の切れ目部分を除いて天井壁57が設けられ
ている。但し、前記した垂直壁50で構成された島状の
部位75の溝48aの上部については、天井壁57に開
口58が設けられている。垂直壁50同士の島を構成し
ない部位の溝48bの上部には開口はない。また各溝4
8は、いずれも炎孔ベース36の下面側(炎孔取付け面
側)に連通している。従って島によって囲まれた溝48
aは、図40の様に上部の天井壁57に開口58が設け
られていると共に下面側(炎孔取付け面側)にも開放さ
れているから、炎孔ベース36を上下方向(厚さ方向)
に貫通する。一方、島を構成しない溝48bは、図39
の様に上部側が天井壁57によって閉塞され、下面側
(炎孔取付け面側)にのみ連通する。なお、島状の部位
75の切れ目52部分については、垂直壁50の底側
(炎孔取付け面側)同士が繋がり、さらに当該部位に炎
孔部材51等を取り付けるための突起38が設けられて
いる。
【0095】炎孔ベース36の中央部には、図37に示
すように開口82が設けられている。そして開口82の
内部には、8本のリブ66が設けられ、中央に一次空気
導入筒88が支持されている。本実施例の燃焼装置1で
は、この一次空気導入筒88及びリブ66は、炎孔ベー
ス36と一体的に成形されたものである。また炎孔ベー
ス36の下面側(炎孔取付け面側)であって、開口82
の近傍には、炎孔ベース36の長手方向にのびる内壁4
3が設けられている。内壁43の高さは、前記した外側
燃焼壁41の高さと等しい。さらに炎孔ベース36の下
面側(炎孔取付け面側)であって、気化室60の開口4
7の近傍には、炎孔ベース36の短手方向に延びる内壁
59が設けられている。これらの内壁43,59は、燃
焼部7から熱を受けて炎孔ベース36を保温し、燃料の
再液化を防ぐものである。
【0096】次に炎孔部材51について説明する。炎孔
部材51は、図30の様に略長方形の板状であり、気化
室用の開口76と、空気孔71と炎孔72及び取付孔1
50が設けられたものである。即ち炎孔部材51は、中
央に略四角形の気化室用の開口76を持つ。また炎孔部
材51は、板をプレスすることによって多数の長孔(空
気孔)71と小孔(炎孔たる開口)72を設け、これら
によって炎孔列aと空気孔列bが形成されている。また
空気孔列bの長孔(空気孔)71同士の間に、取付孔1
50が設けられている。即ち図30に示される多数の長
孔71は、空気孔である。長孔(空気孔)71は、長手
方向に並べられ、さらにそれが10列に渡って設けられ
ている。そして各列の長孔(空気孔)71に、取付孔1
50がある。また取付孔150は、周部にも設けられて
いる。一方、小孔72は炎孔として機能する。小孔(炎
孔)72は、図の様に小さな長孔状であり、炎孔列aの
中心軸に対して千鳥状に設けられている。本実施例で
は、炎孔列aは11列設けられており、前記した空気孔
列bと互い違いに隣接して配されている。
【0097】網状部材77は、細い金属糸で網目状に構
成したもので、前記した炎孔部材51と略同一の面積を
持つものであり、図31に示すように略長方形をしてい
る。網状部材77には、前記した炎孔部材51の気化室
用の開口76に相当する部位に開口69が設けられてい
る。また網状部材77の前記した炎孔部材51の炎孔列
に相当する部分は、浅い溝155が列状に設けられてい
る。さらに網状部材77には、前記した炎孔部材51の
長孔(空気孔)71に相当する部位に長孔73が設けら
れている。また長孔73の周囲(図41の斜線の濃い部
分)には、シール剤が塗布されている。シール剤74が
塗布されているのは、炎孔ベース36の垂直壁50の端
面と当接する部位である。さらに炎孔部材51の取付孔
150に相当する部位に取付孔151が設けられてい
る。
【0098】補炎部材78は、図32の様な長方形をし
ており、前記した炎孔部材51及び網状部材77と同様
に中央に開口68が設けられている。また補炎部材78
には、長孔65と列状に並んだ丸孔67が設けられてい
る。補炎部材78の長孔65は、前記した炎孔部材51
の炎孔を構成する小孔72が設けられたエリアに相当す
る部位にある。一方、丸孔67は、炎孔部材51の、長
孔(空気孔)71に相当する部位に設けられている。こ
の丸孔67の多くは、前記した炎孔ベース36の突起3
8よりも小さく、丸孔67の多くには突起38は入らな
い。しかしながら炎孔ベース36の突起38に相当する
位置(炎孔部材51の取付孔150)に相当する位置の
孔152だけは他の孔よりも大きく、炎孔ベース36の
突起38が挿通可能である。また前記した補炎部材78
の長孔65の周囲は、図33の様に約45°に曲げられ
ている。当該折り曲げ部68は、火炎の基端部を保持す
る効果を発揮するものである。
【0099】炎孔部材51は、図17,20,41の様
に、網状部材77を及び補炎部材78と共に炎孔ベース
36の下面に配され、炎孔ベース36に設けられた突起
38によって炎孔ベース36の下面に取り付けられてい
る。即ち図41に示すように炎孔ベースに網状部材77
が接し、さらにそれに重ねて炎孔部材51が配され、最
後に補炎部材78が設けられる。このとき、炎孔ベース
36に設けられた突起38に、網状部材77の取付孔1
51、炎孔部材51の取付孔150及び補炎部材78の
取付孔152が挿通されて位置決めがなされる(図3
6)。そして所定の治具によって炎孔ベース36に設け
られた突起38をかしめて変形させる。
【0100】こうして位置決め及び取付が成された状態
では、炎孔部材51の空気孔列bは、炎孔ベース36の
垂直壁50によって構成される島状の部位75によって
構成される溝48aの真下に位置する。なお空気孔列b
と島状の部位75によって構成される溝48aの間には
網状部材77が介在されるが、当該部位は図41の様に
網状部材77の長孔73に相当する。また炎孔部材51
の空気孔列bの外側(下部側)には補炎部材78が存在
するが、当該部位は、補炎部材78の丸孔67が位置す
る。そのため島状の部位75は、網状部材77の長孔7
3、炎孔部材51の空気孔列b及び補炎部材78の丸孔
67を経て外部と連通する。
【0101】一方、島状を構成していない組み合わせの
垂直壁50によって挟まれた溝48bの真下には、炎孔
部材51の炎孔列aが位置する。炎孔部材51の炎孔列
aと島状を構成していない組み合わせの垂直壁50によ
って挟まれた溝48bの間には網状部材77が介在され
る。また炎孔部材51の炎孔列aの外側(下部側)には
補炎部材78が存在するが、当該部位は、補炎部材78
の長孔65が位置する。そのため島状を構成していない
組み合わせの部位は、網状部材77の溝155部の網
目、炎孔部材51の炎孔列a及び補炎部材78の長孔6
5を経て外部と連通する。ここで、網状部材77の炎孔
ベース36の垂直壁50の端面と当接する部位にはシー
ル剤が塗布されているので、垂直壁50部位におけるガ
スの横方向の流通は無い。
【0102】炎孔ベース36の裏面には、図17の様に
分流部材35が装着されている。なお、分流部材35の
面積は、前記した様に炎孔ベース36よりも大きく、分
流部材35は、図29の様に炎孔ベースからはみ出す。
炎孔ベース36の上面側(流路形成側)では、前記した
ように垂直壁50は、図17,30の様に二組づつがル
ープを構成していて、島状の部位75を形成し、さらに
垂直壁50の突端部分に分流部材35が当接しているの
で、島状の部位75によって形成される溝48aは他の
部位から隔離されている。即ち、島状の部位75の溝4
8aと他の部位との間に通気性はない。従って、前記し
た様に島状の部位75以外の部位は気化した燃料ガスと
空気との混合を促進しつつ炎孔部材51に混合ガスを送
る流路として機能する。また当該部位は、混合部6とし
ても機能する。島状の部位75によって囲まれた溝48
aは、二次空気流路として機能する。
【0103】分流部材35の中央の大きな開口37は、
炎孔ベース36の中央に設けられた一次空気導入筒88
と連通する。また分流部材35のその他の開口40,8
9,90の内、列となって設けられている開口40は、
炎孔ベース36の島状を構成する組み合わせの垂直壁5
0同士の間の部位に位置する。即ち分流部材35の小さ
な開口40は、二次空気流路たる島状の部位75によっ
て囲まれた溝48aに開口する。炎孔部材51に設けら
れた島状を構成していない組み合わせの垂直壁同士の間
には、分流部材35の開口は無い。即ち混合部6には分
流部材35の開口は無い。
【0104】また分流部材35の面積は、前記した様に
炎孔ベース36よりも大きく、分流部材35を炎孔ベー
ス36に装着した状態の時、図29の様に分流部材35
は、炎孔ベースからはみ出す。そしてこの状態では、分
流部材35の外側のエリアに設けられた開口89,90
は、いずれも炎孔ベース36の外側に露出する。
【0105】炎孔ベース36と分流部材35は、上記し
た状態に組み合わされ、ハウジング122内に配置され
ている。ハウジング122は、外形が略四角形の箱であ
るが、内部が二重構造となっている。即ちハウジング1
22の内部には、全面に遮熱壁85が設けられいる。遮
熱壁85は、4面が組合わさっていて四角形の筒状を呈
し、支持部材86によってハウジング122の外壁部1
00の内面に取りつけられている。遮熱壁85の下端
は、内側に向かって90°に折り返され、内側向きのフ
ランジ102が形成されている。ハウジング122の外
壁部100と、遮熱壁85との間には空気流路101と
なる空隙が形成されている。
【0106】炎孔ベース36と分流部材35は、上記し
たハウジング122に配置されるが、炎孔ベース36の
外周を囲む外側燃焼壁41は、ハウジング122内部の
遮熱壁85よりも更に小さく、炎孔ベース36の外側燃
焼壁41と遮熱壁85の間にも空気流路103となる空
隙が形成される。また分流部材35の、炎孔ベース36
からはみ出した部位の孔89,90の内、外側の孔90
は、ハウジング122と遮熱壁85の間に形成される空
気流路101と連通し、内側の孔89は、炎孔ベース3
6の外側燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気
流路103と連通する。
【0107】次に気化部8について説明する。気化部8
は、気化室60と、ロータリーカップ(回転部材)63
によって構成されている。また気化室60は、図16,
17,20,38の様に底部91と周部92を持つ円筒
体であり、底部91は閉塞し、上部は開口している。即
ち気化室60は窪んだ形状をしており、底部91及び周
部92は閉塞していて気密・水密性を持ち、上部は開放
されている。気化室60は、前記した様に底部91及び
周部92を持ち、あたかもコップの様な形状をしてい
て、図16,17,20,38の様に、炎孔ベース36
の中央の開口82部分に取り付けられている。気化室6
0の位置は、炎孔ベース36の内壁43に囲まれた部位
であって炎孔ベース36の中央にあり、炎孔(小孔7
2)に囲まれていて燃焼部7に近接して位置する。また
気化室60の大部分は、燃焼部7側に露出する。より具
体的には、気化室60の底部91の全部と、周部92の
大部分が燃焼部7側に露出する。従って後記する様に燃
焼時には炎孔(小孔72)から発生する火炎により、気
化室60が外側から加熱される。
【0108】また前記した気化室60の底部91内に
は、電気ヒータ64が内蔵されている。即ち気化室60
の底部91は加熱機能を持つ。電気ヒータ64に通電す
ることにより、底部91が発熱し、さらにこの熱が気化
室60の壁を伝導し、気化室60の内壁が全体的に加熱
される。また気化室60には、温度センサー61が埋め
込まれている。
【0109】ロータリーカップ63は、底部91と周部
92を持つ有底の円筒形をしている。但し、ロータリー
カップ63の底部には、9個の孔が設けられている。こ
の内、中央に設けられた孔95は、半円形状をしてお
り、図38の様に回転軸18が取り付けられるものであ
る。一方、周囲の9個の孔87は、円形であり、灯油等
の液体燃料を落下させるための孔である。またロータリ
ーカップ63の底部と周部との境の角の部分にも、12
個の開口97が設けられている。
【0110】さらにロータリーカップ63の周部には、
12個のスリット98が設けられている。スリット98
は、いずれもロータリーカップ63の上端側に開口して
いる。またスリット98の形状は、略三角形である。ま
たスリットの一辺には、図16,17,34の様に内側
に折り返された羽根部99が設けられている。即ちスリ
ット98は、ロータリーカップ63の側面に斜め方向に
スリットを設け、そのスリットの一方の縁を内側に折り
返して羽根部99を形成させたものである。そしてロー
タリーカップ63の下部中央の開口87には、一次空気
導入筒88が挿入されている。一次空気導入筒88の最
先端(下側)の開口部の位置は、気化室60の内部に位
置する。
【0111】また一次空気導入筒88の内部には、流路
形成部材70から垂下された燃料パイプ79が挿入さ
れ、燃料パイプ79は図16,17の様にロータリーカ
ップ63内に至っている。より具体的に説明すると、燃
料パイプ79はロータリーカップ63の上部の開口から
真っ直ぐに垂下され、上からロータリーカップ63内に
至る。そして燃料パイプ79からロータリーカップ63
の底部に灯油等の液体燃料が滴下される。
【0112】次に、本実施例の燃焼装置1の各部の組み
立て構造について説明する。本実施例の燃焼装置1は、
最初に説明した様に、送風機2、駆動機械部3、空気量
調節部5が中心軸を一致させて順次積み重ねられたもの
であり、駆動機械部3の天板15に送風機2が直接的に
ネジ止めされている。即ち本実施例では、送風機2の回
転中心と空気量調節部5の軸挿通孔25(移動側板状部
材23の回転中心)とロータリーカップ63の回転中心
が同一軸線上に直線的に並べられている。
【0113】そして駆動機械部3の上部に空気量調節部
5がネジ止めされている。また空気量調節部5の下部に
は、混合部6及び燃焼部7が設けられているが、混合部
6と空気量調節部5の境界たる分流部材35に、円錐形
の流路形成部材70が設けられている。即ち前記した様
に空気量調節部5の中心部に、パッキン80を介して流
路形成部材70の大きいほうの開口54が取り付けられ
ている。一方、分流部材35の中心部の開口37にはパ
ッキン81を介して空気量調節部5の小さいほうの開口
83が接続されている。なおこれらのパッキン80,8
1は、断熱性に優れ、且つ灯油等の液体燃料がしみ込ま
ないものが望ましい。具体的に、パッキンの素材には、
シリコンが採用されている。
【0114】流路形成部材70の中心軸は、空気量調節
部5の移動側板状部材23のそれと一致し、且つ前記し
た様に流路形成部材70の開口54の直径は、移動側板
状部材23の中心側のエリアの直径に略等しいので、流
路形成部材70は移動側板状部材23の中心側のエリア
を覆う様に位置することとなる。従って移動側板状部材
23の中心側のエリアから排出された空気は、流路形成
部材70によって捕捉される。また流路形成部材70の
開口端にはフランジ55が設けられており、さらにフラ
ンジ55と空気量調節部5の間にはパッキン80が介在
されているので、空気の漏れはなく、移動側板状部材2
3の中心側のエリアから排出された空気は、漏れなく流
路形成部材70の中に入る。そして流路形成部材70の
他方の開口83は、パッキン81を介して分流部材35
に取り付けられ、前記した一次空気導入筒88に直接的
に連通し、一次空気導入筒88は前述の様に直接的に気
化部8の気化室60内に開口している。従って移動側板
状部材23の中心側のエリアの開口群から排出された空
気は、前記した様に主として流路形成部材70によって
捕捉され、一次空気導入筒88を経由して直接的に気化
部8の気化室60内に一次空気として導入される。
【0115】また駆動機械部3のモータ16の回転軸1
8は、空気量調節部5の中央の軸挿通孔25,25’を
連通して流路形成部材70(一次空気導入筒88)を通
過し、気化室60のロータリーカップ63に接続されて
いる。従ってロータリーカップ63は、モータ16の動
力によって回転する。またモータ16の後端側の回転軸
17は、ファン11にも接続されているから、本実施例
では、単一のモータ16によって気化部8のロータリー
カップ63とファン11の双方が駆動される。なお軸挿
通孔25は、移動側板状部材23の回転中心でもあるか
ら、移動側板状部材23が回転する際に移動することは
ない。そのため軸挿通孔25,25’にモータ16の回
転軸18があっても、移動側板状部材23の回転の妨げ
とならない。
【0116】また電気ヒータ64の配線及び気化室60
の温度センサー61の配管は、空気量調節部5と分流部
材35の間の空隙105を通り、側面に設けられた開口
106(図15)から外部に引き出される。より詳細に
説明すると、箱体13の側面であって空気量調節部5と
分流部材35の中間部分には、図15(b)の様な開口
106が設けられている。開口106の形状は、大きな
長方形部分110と、小さな円形部分111が合体した
ものである。そして大きな長方形部分110には、図示
しないネジによって長方形の蓋112が装着される。一
方、円形部分111は、ゴム性の装着具113が嵌め込
まれる。装着具113は、円盤状であり、外周部に円形
孔の端部が嵌合する溝が114が設けられている他、中
央部に貫通孔115が設けられている。
【0117】当該部分を組み立てる際は、予め装着具1
13の孔に電気ヒータ64等の配線116を通し、面積
の大きい長方形部分110からこれらの配線116を引
き出す。そして装着具113を小さな円形部分111に
嵌め込み、最終的に長方形の蓋112を閉じる。
【0118】空気量調節部5と分流部材35の間の空隙
105は、送風が通過する領域であるから、比較的温度
が低い。そのため電気ヒータ64等の配管の被覆は、耐
熱性の低いもので足る。
【0119】点火装置96は、図16,図44(a)に
示すように、ハウジング122を貫通させ、さらに遮熱
壁85及び炎孔ベース36の外側燃焼壁41に開口12
5,126を設け、三者を貫通して炎孔部に近接させて
いる。また他の方策として、図44(b)の様にハウジ
ング122を貫通させた後、大きく「コ」の字状に曲
げ、遮熱壁85と炎孔ベース36の外側燃焼壁41を跨
ぎ、先端部を炎孔部に近接させて固定してもよい。
【0120】本実施例の燃焼装置1は、炎孔を下に向け
て使用される。以下、燃焼装置1の取付方向について説
明する。本実施例の燃焼装置1は、図14の様な給湯器
21に使用される。そして燃焼装置1は、熱交換器19
が内蔵された缶体4の上部に設置され、下部の熱交換器
19に向かって火炎を発生させる。
【0121】次に本実施例の燃焼装置1の機能について
説明する。本実施例の燃焼装置1では、モータ16を起
動してファン11とロータリーカップ63を回転させ
る。ファン11の回転により、図16の矢印の様に送風
機2のハウジング10の中央部に設けられた開口12か
ら空気が吸い込まれ、空気は駆動機械部3に入る。そし
て空気は、駆動機械部3から上部の空気量調節部5を経
て混合部6側に流れるが、本実施例の燃焼装置1では、
空気量調節部5(空気量調節装置5a)によって流量調
整される。
【0122】即ち空気量調節装置5aは、前記した様に
固定側板状部材22の上に移動側板状部材23が回転可
能に重ねられており、両者には略同一形状の開口26,
26’27,27’が設けられている。そして移動側板
状部材23は、外部に取りつけられたステップモータ1
21を回転させることにより、固定側板状部材22に対
して相対的に回転することができる。そのため図25の
様に、両者の開口26,26’27,27’が重なる様
な回転位置にある時は、両者の開口26,26’27,
27’が連通し、空気量調節部5全体として大きな開口
面積を持つこととなる。従って移動側板状部材23が固
定側板状部材22に対して図24の様な位置関係にある
時は、混合部6及び気化部8に大量の空気が送風され
る。なお図24の様な空気量調節部5が全開状態の時、
空気量調節部5の中心側のエリアの開口面積は、他の部
位の開口面積の約2倍となる。
【0123】逆に、図25に示した位置からステップモ
ータ121を回転して移動側板状部材23を回転させる
と、一方の開口と他方の閉塞部が重なり、空気量調節部
5全体としての開口面積が小さくなる。従って移動側板
状部材23が固定側板状部材22に対して図25の様な
位置関係にある時は、混合部6及び気化部8に送風され
る風量は減少する。但し、固定側板状部材22の両脇側
に設けられた開口31は、固定的なものであって閉塞さ
れることはないので、相対的に中心側の開口比率が減少
し、気化部8に送風される空気の比率が減少する。ま
た、このような開閉動作の際に、燃焼量の増加に伴い、
空気量を増加させるように開口すると共に、二次空気に
対して一次空気の比率が大きくなるように全体の開口が
設定されている。図25の様に、閉状態におけるエリア
の開口面積は、他の部位の開口面積の約4分の1であ
る。
【0124】則ち、本実施形態の燃焼装置1では、高出
力燃焼を行なっている場合に、予混合部8に供給される
一次空気の比率が上昇するので、予混合されて炎孔72
から噴射される燃料の濃度が下がる。その結果、混合気
が希薄となり火炎の温度が低下してNOX の排出量が減
少する。なお高出力燃焼を行なっている場合は、火勢が
強いので、炎孔72から噴射される燃料の濃度が低くて
も、火飛び等の悪影響は少ない。高出力燃焼を行なって
いる際の一次空気の比率は、二次空気よりも高いことが
望ましく、理想的には、本実施形態の燃焼装置1で採用
する空気量調節部5を全開にした時のように、(一次空
気:二次空気=2:1)となることが推奨される。一
方、低出力燃焼を行なう場合は、火勢が弱いので燃料濃
度を上昇させざるを得ないが、本実施形態の燃焼装置1
では、燃焼部7に供給される二次空気の比率が増大する
ので、火炎の周囲に多量に二次空気が供給され、二次空
気によって火炎が冷却される。そのため、結果的にNO
X の排出量が抑制される。低出力燃焼を行なっている際
の一次空気の比率は、二次空気よりも低いことが望まし
く、理想的には、本実施形態の燃焼装置1で採用する空
気量調節部5を閉じた時のように、(一次空気:二次空
気=1:4)となることが推奨される。
【0125】本発明者らの実験によると、高出力燃焼時
に供給空気の比率を(一次空気:二次空気=2:1)と
し、低出力燃焼時に供給空気の比率を(一次空気:二次
空気=1:4)とすることにより、全出力領域における
NOX 排出量の平均を100ppm未満とすることがで
きた。特に、本実施例の燃焼装置1では、空気量調節部
5における送風機2の慣性に伴う供給空気量のずれを移
動側板状部材23の補償駆動によって効果的に除去して
いる。これにより、必要な空気量をきめ細かく正確に供
給することができ、NOXの排出を低減した安定した燃
焼を可能にしている。
【0126】本実施例の燃焼装置1では、送風機2の送
風量が多い場合は、空気量調節部5を開いて中心側のエ
リアから高い比率で空気を排出する。その結果、気化部
8により多くの割合で空気が導入される。一方、送風機
2の送風量が少ない場合は、図25の様に空気量調節部
5を閉じ、中心側以外の部位から排出される空気の比率
を高める。そして一次空気の比率が減少し、二次空気の
比率が上昇する。
【0127】空気量調節部5を通過した空気は、二つの
方向に別れて下流側に流れる。即ち中心部のエリアを通
過した空気は、直接的に円錐状の流路形成部材70に捕
捉され、これと連通する一次空気導入筒88から気化室
60の中に送風される。ここで本実施例の燃焼装置1で
は、流路形成部材70は、空気量調節部5側の開口54
が気化部側の開口83に比べて大きいから、大量の空気
が流路形成部材70に取り込まれ、気化部8側に送られ
ることとなる。機能的に説明すると、空気量調節部5の
中心側のエリアの開口群によって送風機2から発生する
全送風の一部が一次空気として分離され、面積の大きい
流路形成部材70の上部の開口54に入る。そして流路
形成部材70を流れる内に風速が増加し、分流部材35
の開口37から一次空気導入筒88に入り、気化室60
に供給される。なお本実施例では、流路形成部材70は
円錐形であり、内部がテーパー状であるから、空気が通
過する際の渦損失等が少なく、空気の流れはスムーズで
ある。さらに本実施例の燃焼装置1では、燃料パイプ7
9が流路形成部材70の内側に母線に沿って固定されて
いるので、燃料パイプ79が送風の妨げとならない。そ
のため気化室60に入る空気のパターンは均等的であ
る。また本実施例の燃焼装置1では、燃料パイプ79が
しっかりと固定されているので、ぐらつかず、気化室6
0に入る空気のパターンが変化することもない。
【0128】また送風の他の一部は、分流部材35に列
状に設けられた多数の小口径の開口40の多くから、炎
孔ベース36の島状のループを構成する組み合わせの垂
直壁50同士の間の溝48aに流れる。即ち分流部材3
5に設けられた開口40及び溝48aを経て、燃焼部7
に二次空気が供給される。より具体的には、分流部材3
5の列状の開口40、網状部材77の長孔73、炎孔部
材51の空気孔列b及び補炎部材78の丸孔67を経て
燃焼部7に二次空気が供給される。
【0129】さらに分流部材35の外側のエリアに設け
られた開口89,90を通過した送風は、炎孔ベース3
6の外周部を流れる。具体的には、内側の開口89を通
過した送風は、炎孔ベース36の外側燃焼壁41と遮熱
壁85の間に形成される空気流路103を流れ、遮熱壁
85の下端に設けられたフランジ102と衝突して炎孔
ベース36の内側に向きを変え、燃焼部7側に向かって
流れる。また空気流路103を流れる空気の一部は、外
側燃焼壁41に設けられた孔(開口)53からも炎孔ベ
ース36の内側に流れ込む。上記した炎孔ベース36の
外側燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気流路
103を流れる空気は、遮熱壁85を冷却する作用を持
つ。またこの空気は、フランジ102と衝突して炎孔ベ
ース36の内側に向きを変え、その多くが二次空気とし
て消費される。外側燃焼壁41に設けられた孔(開口)
53からも炎孔ベース36の内側に流れ込む空気も、そ
の多くが二次空気として燃焼に寄与する。
【0130】さらに分流部材35の外側の開口90を通
過した送風は、ハウジング122の外壁部100と遮熱
壁85の間に形成される空気流路101を流れる。当該
空気流路101を流れる空気は、主としてハウジング1
22の外壁部100や下部の熱交換器の外壁を冷やす機
能を果たす。
【0131】そして送風機2の送風により、上記した様
に気化部8内に大量に一次空気が導入され、気化室60
を通風雰囲気とする。また周部92に内蔵された電気ヒ
ータ64に通電して発熱させ、気化室60の内壁全体を
昇温させる。この状態において、燃料パイプ79から灯
油をロータリーカップ63内に滴下する。滴下された灯
油は、ロータリーカップ63から遠心力を受け、ロータ
リーカップのスリット98及び角の部分の開口97から
飛散する。そして飛散した灯油は、ロータリーカップ6
3の周囲に配された気化室60の内面に接触し、熱を受
けて気化する。また灯油の一部は、遠心力によってスリ
ット98及び角の部分の開口97に至る前にロータリー
カップの底の孔87から気化室60の底部91に落下
し、気化室60の底部91に接触し、熱を受けて気化す
る。そしてロータリーカップ63の内面に設けられた羽
根部99によって気化室60内の空気が攪拌され、燃料
ガスと空気との混合が促進される。
【0132】こうして発生した混合ガスは、図20の矢
印の様に、ロータリーカップ63の外壁と気化室60の
周壁92によって形成される空隙94を流れて下流に向
かう。即ち混合ガスは、気化室60の円筒状の周壁92
に沿って一旦上方に流れる。ここで気化室60の開口部
近傍には一次空気導入筒88が挿入されているので、混
合ガスの流路は極めて狭い。そのため混合ガスの攪拌
は、当該部位においてさらに進行する。
【0133】こうして流路形成部材70から一次空気導
入筒88を介して気化室60の内部に供給された空気
は、飛散した燃料と混合され、高温状態となって気化室
60の上部の開口部84から排出される。そして気化室
60を出た混合ガスは、一旦炎孔ベース36の上部側の
通路に流れ込む。
【0134】そして混合ガスは、図20,37の様に島
状のループを構成していない組み合わせの垂直壁50同
士の間の溝48bに流れ込む。そして前記した様に燃料
ガスは、下部に設けられた炎孔(小孔72)から放出さ
れる。本実施例では、炎孔部材55に網状部材77が積
層されているので、燃料ガスは、炎孔部材55から放出
される直前に網状部材77によって攪拌される。なお、
網状部材77の炎孔ベース36の垂直壁50の端面と当
接する部位にシール剤が塗布されているので垂直壁50
部位におけるガスの横方向の流通は無く、燃料ガスは横
に逃げることなく全量が炎孔(小孔72)から放出され
る。
【0135】一方、他の部位から下流側に流れた空気
は、燃料と混合されることなく、直接燃焼部7側に流れ
込み、二次空気として燃焼に寄与する。即ち二次空気
は、分流部材35に設けられた多数の開口40から、炎
孔ベース36のループを構成する組み合わせの垂直壁5
0同士の間の溝48aに流れ、炎孔(小孔72)の側面
部に供給される。
【0136】また前記した様に、分流部材35の外側の
エリアに設けられた開口89から炎孔ベース36の外側
燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気流路10
3を流れる空気や、分流部材35の開口90からハウジ
ング122の外壁部100と遮熱壁85の間に形成され
る空気流路101を流れる空気についても二次空気とし
て機能する。特に前者の分流部材35の開口89を経て
外側燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気流路
103を流れる空気は、その一部が外側燃焼壁41に設
けられた孔(開口)53からも炎孔ベース36の内側に
流れ込み、また残部は遮熱壁85の下端に設けられた折
り返し部分(フランジ102)と衝突して燃焼部7側に
流れるので、二次空気として消費される割合が高い。
【0137】そして図44(a)の様に遮熱壁85と外
側燃焼壁41を貫通して取り付けられた点火装置96に
よって燃料ガスに点火されると、炎孔(小孔72)から
下向きの火炎が発生する。
【0138】ここで本実施例の燃焼装置1では、気化部
8が、燃焼部7の中央に直接的に露出しているので、燃
焼が開始されると、気化室60が火炎によって加熱され
る。そのため気化室60内の温度が上昇し、燃料の気化
がさらに促進される。また炎孔ベース36に内壁43,
59が設けられており、これらが燃焼部7から熱を受け
て炎孔ベース36を保温し、燃料の再液化を防ぐ。加え
て本実施例では、流路形成部材70は、断熱性に優れた
パッキン80を介して混合部の一部たる分流部材35に
取り付けられているので、混合部や燃料ガス流路の熱が
流路形成部材70に逃げない。そのため燃料の再液化は
さらに発生しにくい。また万一、燃料が再液化しても、
パッキン80には灯油等の液体燃料がしみ込まないもの
が選定されているので、焼損事故の心配は無い。
【0139】加えて本実施例の燃焼装置1では、一次空
気導入筒88についても、炎孔ベース36と一体的であ
るから、燃焼によって炎孔ベース36の温度が上昇する
と、気化室60に導入される空気の温度も高まる。その
ため本実施例の燃焼装置1では、燃料の気化状態が安定
している。
【0140】また本実施例の燃焼装置1では、燃焼出力
の変化に応じて外付けされたステップモータ121が回
動され、空気量調節部5の開口量を変化させる。即ち燃
焼量が増加し、送風機2が発生する送風量が多いとき
は、ステップモータ121を回動して固定側板状部材2
2と移動側板状部材23の開口26,26’27,2
7’が連通する方向に移動側板状部材23を回す。その
結果、燃焼に寄与する空気量が増大するだけでなく、気
化部8に供給される一次空気の比率が上昇する。その結
果、炎孔72から放出される燃料ガスの濃度が低下す
る。
【0141】逆に燃焼量が減少し、送風機2が発生する
送風量が減少した場合は、移動側板状部材23の開口2
6,27を固定側板状部材22の閉塞部と合致させる方
向に移動側板状部材23を回す。その結果、燃焼に寄与
する空気量が減少するだけでなく、気化部8に供給され
る一次空気の比率が減少する。即ち、放出する燃料ガス
の濃度が濃くなり、その周囲に供給される空気が相対的
に多くなる。このように、高出力燃焼を行なっている場
合に、気化部8に供給される一次空気の比率を上げ、逆
に低出力燃焼を行なっている場合に一次空気の比率を下
げることによって、NOX (窒素酸化物)の排出量を減
少させることが可能となる。
【0142】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明の空気量調節装
置によれば、燃焼量の変動過渡時に、送風機の回転数の
追従の遅延を補償することができ、目的とする空気量を
燃焼部へ安定して供給することができる。請求項2に記
載の本発明の空気量調節装置によれば、燃焼量が変動し
た場合でも、送風機の慣性に伴って生じる供給空気量の
ずれを板状部材の補償駆動によって効果的に抑えること
ができ、安定した空気供給を行うことができる。請求項
3に記載の本発明によれば、供給空気量のずれが充分小
さくなった状態で板状部材の補償駆動が解除されるの
で、一層安定した空気供給を行うことができる。請求項
4に記載の本発明によれば、制御手段に所定の演算式を
格納しておくだけで安定した制御を行うことができ、構
成が簡略化される。請求項5に記載の本発明によれば、
燃焼量に応じた複雑な補償を行う場合でも、データテー
ブルを備えることによって容易に行うことができ、正確
な空気供給を行うことができる。請求項6に記載の本発
明によれば、目的の燃焼量と変動量との双方を加味した
データテーブルを備えることによって一層きめ細かい補
償制御を行うことができる。請求項7に記載の本発明に
よれば、送風機の慣性の影響が大きい回転数の減少の場
合だけ補償制御を行うことにより、構成を簡略化させ、
安定した空気供給をを行うことができる。請求項8に記
載の本発明によれば、燃焼量の微少変動に対しては補償
制御信号によるアクチュエータの補償駆動が行われない
ので、移動側板状部材の駆動回数が低減され、空気量調
節装置の耐久性が向上する。請求項9に記載の本発明に
よれば、板状部材の段階的制御と送風機制御とを組み合
わせることにより、安定した空気供給を行うことができ
る。また、無段階の制御に比べて、アクチュエータによ
る板状部材の駆動回数を効果的に減少させることがで
き、空気量調節装置の耐久性が向上する。請求項10に
記載の本発明によれば、送風機の回転数を低減させる場
合だけ板状部材が補償駆動されるので、板状部材の駆動
回数を低減させることができ、空気量調節装置の耐久性
が向上する。請求項11に記載の本発明によれば、空気
量調節装置によって一次空気および二次空気を同時に調
節することができ構成を簡略化させると共に安定した空
気供給を行うことができる。また、請求項12に記載の
本発明の燃焼装置によれば、前記した空気量調節装置を
用いることにより、送風機の慣性に起因する供給空気量
のずれを効果的に除去することが可能となり、安定した
燃焼を行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気量調節装置の駆動
系を示す分解斜視図である。
【図2】図1の空気量調節装置の移動側板状部材および
固定側板状部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る空気量調節装置の斜視
図である。
【図4】(a)〜(c)は、図3に示す空気量調節装置
の動作を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る空気量調節装置を用い
た燃焼装置の断面図である。
【図6】移動側板状部材を段階的に制御する場合の燃焼
量に対する各部の制御特性および供給空気量を示すグラ
フである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る空気量調節装置の
制御動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る空気量調節装置の
制御動作を示すフローチャートである。
【図9】移動側板状部材を無段階制御する場合の燃焼量
に対する各部の制御特性および供給空気量を示すグラフ
である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る空気量調節装置
の制御動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る空気量調節装置
の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】(a)は、本発明の第4実施形態に係る空気
量調節装置の制御動作を示すフローチャート、(b)
は、データテーブルのデータ内容を示す説明図である。
【図13】本発明の別の実施形態に係る空気量調節装置
の駆動系を示す分解斜視図である。
【図14】本発明の燃焼装置を内蔵する給湯器の断面図
である。
【図15】本発明の実施例の燃焼装置の正面図及び箱体
の開口部分の斜視図である。
【図16】本発明の実施例の燃焼装置の断面図である。
【図17】本発明の実施例の燃焼装置の全体の分解斜視
図である。
【図18】図15の燃焼装置の流路形成部材周辺の分解
斜視図である。
【図19】流路形成部材に燃料供給管を取り付ける際の
構成を示す斜視図である。
【図20】図15の燃焼装置の燃焼部近傍を上から見た
斜視図である。
【図21】図15の燃焼装置で採用する空気量調節部の
固定側板状部材の正面図である。
【図22】図21の固定側板状部材の側面図である。
【図23】図15の燃焼装置で採用する空気量調節部の
移動側板状部材の正面図である。
【図24】図15の燃焼装置で採用する空気量調節部の
正面図であり、開口を開いた状態を示す。
【図25】図15の燃焼装置で採用する空気量調節部の
正面図であり、開口を閉じた状態を示す。
【図26】図15の燃焼装置で採用する分流部材の正面
図である。
【図27】図15の燃焼装置で採用する炎孔ベースの上
面側(気体流路側)の図面である。
【図28】図27の炎孔ベースの下面側(炎孔側)の図
面である。
【図29】図15の燃焼装置で採用する炎孔ベースと、
炎孔部材、網状部材及び補炎部材を組み合わせた状態の
正面図である。
【図30】炎孔部材の正面図である。
【図31】網状部材の正面図である。
【図32】補炎部材の正面図である。
【図33】図32のA−A断面図である。
【図34】図15の燃焼装置で採用するロータリーカッ
プの正面図及び平面図である。
【図35】図28のA−A断面図である。
【図36】図28のB−B断面図である。
【図37】図15の燃焼装置で採用する炎孔ベースの気
体流路側の構成を説明する説明図である。
【図38】図15の燃焼装置の炎孔近傍を下側から見た
斜視図である。
【図39】燃料ガスの流れを説明する説明図である。
【図40】二次空気の流れを説明する説明図である。
【図41】炎孔部材と網状部材及び補炎部材の重ね合わ
せ構造を示す斜視図である。
【図42】図15の燃焼装置を下側から見た概略斜視図
である。
【図43】本発明の他の実施例の燃焼装置を下側から見
た概略斜視図である。
【図44】(a)は、図15の燃焼装置の点火装置取り
付け部分の拡大図であり、(b)はその変形例である。
【符号の説明】
1 燃焼装置 2 送風機 5a 空気量調節装置 7 燃焼部 9 制御手段 9a 制御回路 22 板状部材(固定側板状部材) 23 板状部材(移動側板状部材) 26,27 開口 121 アクチュエータ(ステップモータ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 宏樹 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 藤田 博信 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 3K003 AA01 AA08 AB02 AB06 AC03 AC04 CA04 CB03 CB05 CC01 CC02 DA04 JA06 JA10 KA04 KA05 KB03 MA04 NA01 NA04 NA05 NA07 3K005 GB02 GB03 HA00 JA04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部と空
    気を送風する送風機の間に配置されて、燃焼部へ供給す
    る空気量を調節する空気量調節装置であって、 前記送風機の回転数を制御すると共に、当該送風機から
    燃焼部へ至る空気流路の開度を制御する制御信号を生成
    する制御手段を備えており、 当該制御手段は、燃焼量の変動時に、前記送風機の慣性
    に伴って生じる目的とする燃焼量に対応した供給空気量
    からのずれを補償する補償制御信号を生成して、一旦、
    空気流路の開度を調節し、所定時間が経過した後には、
    目的とする燃焼量に対応した制御信号を生成して空気流
    路の開度を再調節することを特徴とする空気量調節装
    置。
  2. 【請求項2】 燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部と空
    気を送風する送風機の間に配置されて、燃焼部へ供給す
    る空気量を調節する空気量調節装置であって、 所定形状の開口を有し回転可能に重ね合わせられた板状
    部材と、一方の板状部材に対して他方の板状部材を回転
    駆動して開口同士で形成される開口面積を変化させるア
    クチュエータと、前記燃焼部の燃焼量に応じて前記他方
    の板状部材を目的の回転位置へ駆動するための制御信号
    を生成して前記アクチュエータに送出すると共に、前記
    送風機の回転数を制御する制御手段とを備えており、 前記制御手段は、燃焼量の変動時に、前記送風機の慣性
    に伴って生じる目的とする燃焼量に対応した供給空気量
    からのずれを補償する補償制御信号を生成して、一旦、
    前記アクチュエータを駆動し、所定時間が経過した後に
    は、目的とする燃焼量に対応した制御信号を生成して前
    記アクチュエータを再駆動することを特徴とする空気量
    調節装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記送風機へ制御信号
    を送出してから、当該送風機の回転数が目的値に対して
    所定範囲内に到達するまでの時間を前記所定時間として
    制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の
    空気量調節装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、燃焼量の変動に所定の
    演算を施した値に基づいて前記補償制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の空気量調節装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、燃焼量の変動と前記補
    償制御信号とを対応させて予め定められたデータテーブ
    ルを有しており、当該データテーブルを参照して前記補
    償制御信号を生成することを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載の空気量調節装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、目的とする燃焼量およ
    び燃焼量の変動と前記補償制御信号とを対応させて予め
    定められたデータテーブルを有しており、当該データテ
    ーブルを参照して前記補償制御信号を生成することを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気量
    調節装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、燃焼量の変動に応じて
    前記送風機の回転数を低減させる場合に限って、前記補
    償制御信号を生成することを特徴とする請求項1乃至6
    のいずれか1項に記載の空気量調節装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、燃焼量の変動が予め定
    められた所定量を超える場合に限って、前記補償制御信
    号を生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    か1項に記載の空気量調節装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、燃焼量に応じて、前記
    板状部材を最閉位置および最開位置を含む予め定められ
    た所定回転位置へ段階的に駆動する制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の空気量調節装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、燃焼量の変動に応じ
    て前記送風機の回転数を低減させる場合に限って、前記
    板状部材を、目的とする段階と当該段階よりも開口面積
    を減少させる隣接段階との間の所定の回転位置に駆動す
    る補償制御信号を生成することを特徴とする請求項9に
    記載の空気量調節装置。
  11. 【請求項11】 燃料を気化させて生成される燃料ガス
    を燃焼部へ供給して燃焼させる燃焼装置に用いられ、気
    化された燃料へ混合される一次空気と燃焼部へ供給され
    る二次空気の双方を調節することを特徴とする請求項1
    乃至10のいずれか1項に記載の空気量調節装置。
  12. 【請求項12】 火炎を発生させる燃焼部と、当該燃焼
    部へ空気を送風する送風機と、前記請求項1乃至11の
    いずれか1項に記載の空気量調節装置とを備えて構成さ
    れることを特徴とする燃焼装置。
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