JP4743466B2 - 空気量調節部材および燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置に用いられる空気量調節部材に係り、送風機から供給される空気流の整流性を向上させて安定燃焼を可能にすると共に、耐久性を向上したものに関する。また、同時に提案される本発明は、この空気量調節部材を用いて安定燃焼を行わせる燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ガスやプロパンガスが普及した現在でも、給湯器や暖房機等には、ランニングコスト低減のために、安価な灯油等の液体燃料を使用する燃焼装置が多用されている。またこの中でも、比較的発熱量が小さい用途に使用される場合は、気化器によって液体燃料を気化し、この気化された燃料ガスを燃焼部に送って燃焼させる形式のものが多用されている(特公平7−21332号)。
【0003】
このような燃焼装置では、気化器で気化された燃料ガスと空気とを予め混合して炎孔から噴射する。そして燃焼部には直接的に二次空気を供給し、燃料ガスは予め混合された空気と二次空気によって燃焼する。従って燃料に予め混合する一次空気量及び、燃焼部へ供給する二次空気量は、安定燃焼やターンダウン比(ガス量や空気量を大きく変動させた場合の変動比)の大小に応じて大幅に変動する。則ち、燃焼量の増減に応じて燃焼部へ供給される空気量を微細に調整しなければ、安定燃焼を行わせることができない。
【0004】
このため、空気供給量を調整するための空気量調節部材が用いられている。この空気量調節部材は、方形の板状部材に円形の板状部材を回転可能に重ね合わせた構造であり、各板状部材には開口が設けられている。そして、板状部材同士を相対的に回転させることにより、開口同士で形成される開口面積を変化させて供給空気量を調節するものである。
則ち、送風機で発生された空気流が燃焼部に至る途中において、空気量調節部材によって空気流路の開口面積を制御して、供給空気流を微細に調節している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記した燃焼装置では、燃焼部へ供給する空気流を送風機で発生させるため、生成された空気流は、下流側へ移動しつつ送風機の回転軸の回転方向へ向けて旋回する。則ち、空気流は旋回しながら下流側へ向けて送風される。
このような旋回流を伴う空気流が燃焼部へ供給されるため、燃焼部へ供給される空気流の整流性が低下し、火炎むらが生じ易かった。
また、前記したように、空気量調節部材は、板状部材を相対的に回転可能に重ね合わせた構造であるため、板状部材同士の間に隙間が生じて漏れ空気流が生じ易く、供給空気量を微細に調節する妨げとなっていた。
更に、空気量調節部材は、板状部材をステンレスなどで成して耐久性を向上させているが、回転に伴う摩耗が進行すると、高温多湿の環境によって錆が生じることがあった。このため、板状部材同士の回転動作が錆によって阻害されたり、あるいは、板状部材同士が固着するような不具合が生じていた。
【0006】
本発明は、前記問題を解決するべく提案されるもので、送風機から供給される空気流の整流性を向上させると共に耐久性を向上させた空気量調節部材を提供することを目的としている。また、同時に提案される本発明は、この空気量調節部材を用いて安定燃焼を行わせることのできる燃焼装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記事情に鑑みて提案される本発明は、燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部の上流側に配置され、空気流路の開口面積を制御して送風機から燃焼部へ供給される空気量を調節する空気量調節部材であって、所定形状の開口を有し、相対的に回転可能に重ね合わせられた固定側板状部材および移動側板状部材と、固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転駆動するアクチュエータとを備えた構成とされることが好ましい。
【0008】
これによれば、アクチュエータを駆動すると固定側板状部材に対して移動側板状部材が回転駆動される。これにより、固定側板状部材と移動側板状部材の各々に設けられた開口の重なり状態を変化させて空気流路の開口面積を制御することができる。
この構成によれば、固定側板状部材に対して移動側板状部材が回転駆動されるので、空気量調節制御を行うために固定側板状部材から移動側板状部材が突出するようなことがない。これにより、空気量調節部材を小型化、薄型化することができ、燃焼装置に一体化して組み込み易い。
【0009】
固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転駆動させる構成としては、種々の態様を採ることができる。
例えば、移動側板状部材の周縁部の一部に係合歯を設け、この係合歯にアクチュエータの歯車を係合させて移動側板状部材を回転駆動させる構造を採ることができる。
また、例えば、固定側板状部材に対して回転又は揺動可能に取り付けられた駆動片を有すると共に、移動側板状部材の周縁部近傍には係合部が設けられており、アクチュエータによって駆動片を駆動すると、駆動片に係合した移動側板状部材の係合部が略接線方向に移動して移動側板状部材を回転させる構成を採ることができる。
【0010】
前記本発明において、固定側板状部材に対して移動側板状部材を上流側へ配置した構成とすることが好ましい。
空気量調節部材の構成要素である固定側板状部材は燃焼装置本体に固定され、この固定側板状部材の上で移動側板状部材が回転駆動される。
従って、固定側板状部材に対して移動側板状部材を下流側へ配置すると、送風機から供給される空気流によって、移動側板状部材が固定側板状部材から離れる方向へ向けて風圧を受ける。このため、固定側板状部材と移動側板状部材との間に隙間が生じ易く、開口の重なり合った部分以外の隙間から空気が漏れて供給空気量を微細に制御することができない。
【0011】
これによれば、固定側板状部材に対して移動側板状部材を上流側へ配置するので、送風機から供給される空気流によって、移動側板状部材は固定側板状部材へ押圧されるように風圧を受ける。これにより、固定側板状部材と移動側板状部材との間の隙間の発生が低減され、供給空気量を微細に制御することが可能となる。
【0012】
前記本発明において、固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転させることで開口同士が重なって形成される連通流路が、送風機から供給されて連通流路を通過する空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させる形状となるように、固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転させる構成とすることができる。
【0013】
固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転駆動させて開口同士の重なった連通流路を形成する場合、回転方向によって移動側板状部材と固定側板状部材の開口同士の重なる状態が変動する。則ち、固定側板状部材に対して移動側板状部材が時計方向へ回転して開口同士が重なる場合と、反時計方向へ回転して開口同士が重なる場合とで、開口端部の重なりに伴う傾斜方向が変化する。
言い換えれば、開口同士の重なりで生じる連通流路の形状が、移動側板状部材の回転方向に応じて等価的に逆方向へ傾斜した状態となる。そこで、連通流路の傾斜が空気流の旋回成分を低減させる方向となるように移動側板状部材を回転させることにより、旋回成分を低減した整流された空気流を下流側へ供給することが可能となる。
【0014】
前記本発明において、固定側板状部材および移動側板状部材には、燃焼部へ供給される燃料ガスと予混合される一次空気の通過流量を調節する開口と、燃焼部へ直接供給される二次空気の通過流量を調節する開口とを区分して設けた構成とすることが好ましい。
【0015】
高出力燃焼を行なう場合、燃料ガスに予混合される一次空気を増加させて混合ガス濃度を希薄にすることにより、火炎の温度が低下して窒素酸化物NOxの排出量が減少する。則ち、高出力燃焼を行う場合には、二次空気に対して一次空気の供給量を増加させることにより、窒素酸化物NOxの排出を抑えた燃焼を行わせることができ、しかも、火勢が強いので火飛び等の悪影響は少ない。
一方、低出力燃焼を行なう場合は、火勢が弱いので混合ガス濃度を上昇させる必要が生じる。則ち、二次空気に対して一次空気の供給量を減少させて混合ガス濃度を上昇させることにより、火炎を安定させることができる。
言い換えれば、燃焼量の高低に応じて、燃焼部へ供給する一次空気と二次空気の供給量比率および供給量を同時に調節する必要がある。
【0016】
これによれば、一次空気の通過流量を調節する開口と、二次空気の通過流量を調節する開口とを区分して設けている。これにより、移動側板状部材を回転させるだけで燃焼量に応じた最適な一次空気および二次空気の供給を行うことができ、窒素酸化物NOxの発生を抑えた安定した燃焼を行わせることができる。
【0017】
前記本発明において、固定側板状部材の開口部近傍に、送風機から送風されて連通流路を通過する空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させる整流羽根を設けた構成とすることができる。
送風機で発生される空気流は、送風機回転軸の回転方向へ向けて旋回しつつ下流側へ移動する。このため、空気流の下流側への移動中に、空気流路に設けられた部材に衝突して乱気流が発生し、空気流に粗密状態が生じ易く、燃焼部へ供給される空気流の整流性が低下して、火炎に燃焼むらを生じ易い。
【0018】
本発明によれば、固定側板状部材の開口部近傍に整流羽根を設けることによって、連通流路を通過する空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させている。従って、連通流路を通過した空気流は整流羽根で整流されて下流側へ向けて略直線状に移動しつつ燃焼部へ至る。これにより、燃焼部には整流された空気流を供給することができ、火炎むらの発生が抑止される。
整流羽根は固定側板状部材の開口部近傍であって、固定側板状部材の下流側に設けるのが望ましい。則ち、固定側板状部材に対して移動側板状部材を上流側に配置し、固定側板序部材の開口部近傍の下流側に整流羽根を設けることにより、連通流路を通過した空気流を効果的に整流することができる。
整流羽根は固定側板状部材の一部を切り起こして形成するような構成としても良く、また、整流羽根を有した別部材を固定側板状部材に取り付ける構成を採ることもできる。
【0019】
前記本発明において、整流羽根は、前記固定側板状部材の一次空気の通過する開口部近傍に設けられる構成とすることができる。
前記したように、燃焼部側へ供給される空気のうち、一次空気は気化生成された燃料ガスと予混合されて燃焼部に至る。一方、二次空気は直接燃焼部へ供給される。また、前記したように、一次空気をきめ細かく調節することにより、窒素酸化物NOxの排出を抑えた安定した燃焼を行わせることができる。
従って、整流羽根を固定側板状部材の一次空気の通過する開口部近傍にだけ設ける構成であっても、一次空気の整流性を向上させて火炎むらのない安定した燃焼を得ることができる。
【0020】
前記本発明において、固定側板状部材に対して移動側板状部材を所定回転方向へ向けて付勢する付勢部材を有しており、移動側板状部材は付勢部材によって所定回転方向へ向けて付勢されつつ回転駆動されると共に、移動側板状部材は付勢部材によって固定側板状部材へ向けて押圧される構成とすることができる。
アクチュエータによって移動側板状部材を固定側板状部材に対して回転駆動する場合、アクチュエータ自体の機械的な遊びや、アクチュエータと移動側板状部材との間に機械的な遊びを伴う。このため、アクチュエータを同一の駆動位置へ制御した場合であっても、駆動位置へ至るまでの駆動方向に応じて移動側板状部材の回転位置が異なるバックラッシュが発生する。
【0021】
本発明によれば、付勢部材によって移動側板状部材は固定側板状部材に対して常に所定回転方向へ向けて付勢されており、これによってバックラッシュの発生を除去することができる。
また、付勢部材はバックラッシュを抑えるだけでなく、移動側板状部材を固定側板状部材へ向けて押圧する機能を有する。これにより、固定側板状部材と移動側板状部材との間に隙間が生じることが抑止され、供給空気量を微細に制御することが可能となる。
【0022】
前記本発明において、移動側板状部材の周縁部近傍の固定側板状部材に、移動側板状部材と固定側板状部材との隙間の発生を規制するガイド部材を設けた構成とすることが好ましい。
これによれば、ガイド部材によって移動側板状部材の周縁部が固定側板状部材から浮上することが防止され、移動側板状部材と固定側板状部材との間に隙間が生じ難い。これにより、隙間を通じて漏れる空気流が抑えられ、各々の板状部材の開口で形成される連通流路を介して供給される空気流量を微細に調節制御することができる。
【0023】
前記本発明において、ガイド部材は、円筒状のスペーサと当該スペーサに挿入されるネジで構成され、ネジをスペーサに貫通させ、ネジの頭部と固定側板状部材との間に移動側板状部材の周縁部を摺動自在に挟持するようにして、ネジを固定側板状部材へ固定する構成とすることができる。
このような構成により、ガイド部材の構造を簡略化させ、安価に製することが可能となる。
【0024】
同時に提案される本発明は、火炎を発生させる燃焼部と、当該燃焼部へ空気を送風する送風機と、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気量調節部材とを備えた構成とされることが好ましい。
前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気量調節部材を採用することにより、整流性に優れた安定した空気供給制御を行うことができ、燃焼装置の燃焼性を向上させることが可能となる。
【0025】
前記本発明において、燃焼装置は、空気量調節部材のアクチュエータの駆動を含む燃焼制御を行う制御手段を有しており、制御手段は、燃焼制御中を除く所定時間毎にアクチュエータを駆動して、移動側板状部材を所定量だけ強制回転駆動させる構成とすることが好ましい。
【0026】
液体燃料を気化させた燃料ガスを燃焼させると、燃焼ガスに加えて水分が発生する。このため、空気量調節部材は高温多湿の環境下に晒される。通常、移動側板状部材および固定側板状部材の双方は、ステンレスなどの防錆材料を用いて耐久性を向上させている。しかし、高温多湿環境下で長期間使用されると、錆が発生することがある。一旦、錆が生じると、短時間の間に錆が進行して、移動側板状部材のスムーズな駆動が阻害されたり、移動側板状部材が固定側板状部材に固着して回転不能に陥り易い。
【0027】
これは、このような錆が生じ易い環境下であっても、燃焼制御中を除く所定時間毎にアクチュエータを駆動させて、移動側板状部材を所定量だけ強制回転駆動させる。これにより、錆の進行を抑えて移動側板状部材のスムーズな回転を確保すると共に、移動側板状部材が固定側板状部材へ固着するような不具合を未然に防止することができる。
【0028】
前記本発明において、制御手段は、燃焼制御中に移動側板状部材の回転量が所定時間継続して所定値以下のときは、燃焼制御の終了から所定時間経過した後に移動側板状部材を所定量だけ強制回転駆動させる構成とすることができる。
燃焼装置の燃焼中は、移動側板状部材は固定側板状部材に対して燃焼量に応じて駆動されて供給空気量が制御されている。しかし、燃焼量が少ない燃焼制御状態、例えば、移動側板状部材が中開以下の状態が継続することがある。このような状態が継続すると、移動側板状部材が全開状態に至るまで駆動されることがなく、中開状態から全開状態に至る部分に錆が生じ易くなる。
本発明によれば、制御手段によって移動側板状部材の回転量を監視し、回転量が所定時間継続して所定値以下のときは、強制回転駆動させる。これにより、移動側板状部材および固定側板状部材の錆の発生を効果的に抑止することができる。
【0029】
また、前記本発明に関連する発明において、送風機によって下流側へ供給される空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させる整流羽根を、送風機の下流側近傍に設けた構成とすることができる。
この構成によれば、送風機から供給される空気流が送風機回転軸の回転方向へ向けて旋回している場合でも、整流羽根によって空気流の旋回が抑えられる。これにより、下流側へは整流されて均一な空気を供給することができ、火炎むらの発生が防止される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明は、燃焼装置に採用される空気量調節部材4に特徴を有したものであるが、空気量調節部材4の詳細な説明に先立って、燃焼装置1の内部構成を説明する。以下の説明において、燃焼装置1は液体燃料(石油)を気化させて燃焼させる構成を採用している。また、燃焼装置1の上下の関係は、燃焼装置1を給湯器等に設置した状態を基準とする。
【0031】
図1は本発明の実施形態に係る燃焼装置1の断面図、図2は燃焼装置1の気化器を含む炎孔ベース近傍の空気および燃料ガスの流れを示す斜視図、図3は図1に示す燃焼装置1に採用する空気量調節部材の駆動系を示す分解斜視図、図4は空気量調節部材の組み立て状態を示す分解斜視図、図5は空気量調節部材を組み立てた状態を示す斜視図である。
【0032】
本実施形態の燃焼装置1は、炎孔を下に向けて給湯器などに内蔵されるもので、下方燃焼型(下方へ向けて火炎を噴出する所謂逆燃焼型)である。
図1に示すように、燃焼装置1は、上から送風機2、駆動機械部3、空気量調節部4、混合部55及び燃焼部6が順次積み重ねられて構成される。また、混合部55及び燃焼部6の近傍には気化部(気化器)7が設けられ、空気量調節部4と気化器7の間には、流路形成部材13が配されて空気流路が形成されている。
【0033】
順次説明すると、図1に示すように、送風機2は、鋼板を曲げ加工して作られた凹状のハウジング20の内部にファン(回転翼)21が回転可能に配されたもので、ハウジング20の中央部には、吸気開口22が設けられている。
【0034】
駆動機械部3は箱体10を有し、その天板12の中央にモータ30が取り付けられている。モータ30は、両端部から回転軸30a,30bが突出しており、回転軸30a,30bは、燃焼装置1の略全長を上下へ向けて貫通している。そして、モータ30の上方側の回転軸30aは、ファン21に接続され、下方側の回転軸30bは、気化器7の回転部材8に接続されている。
則ち、モータ30の回転駆動により、ファン21が回転駆動されて下方へ向けて送風(空気供給)を行うと共に、回転部材8が同時に回転駆動される。
【0035】
混合部55、燃焼部6及び気化部7は、炎孔ベース60を中心として構成され、炎孔ベース60の中央部に気化部7が設けられている。そしてこれらの構成部品がハウジング11内に収納されたものである。
炎孔ベース60は、図2に示すように、アルミダイカストによって作られたものであり、複雑な枠組と開口及び溝が設けられている。炎孔ベース60の上面側は、主として燃料ガス及び二次空気の流路構成面として機能し、下面側は炎孔取付け面として機能する。
【0036】
則ち、炎孔ベース60には、多数のループ状の垂直壁62で仕切られた溝63が設けられており、隣接する垂直壁62同士の間には、溝64が設けられている。
そして、後述する気化部7で生成された燃料ガスは、上面壁61と垂直壁62との間を介して溝64から下方の炎孔へ噴出して火炎を発生させる。
また、空気量調節部4から供給される2次空気は、溝63を介して炎孔の両側へ噴出し安定燃焼を行わせている。
【0037】
気化部7は、気化室70と、回転部材8によって構成されている。
気化室70は、図2に示すように、底面部71と周部72を持つ円筒体であり、底面部71は閉塞し、上部は開口している。則ち、気化室70は窪んだ形状をしており、底面部71及び周部72は閉塞していて気密・水密性を持ち、上部は開放されている。
気化室70は、前記した様に底面部71及び周部72を持ち、あたかもコップの様な形状をしていて、炎孔ベース60の中央部分に取り付けられている。
【0038】
気化室70の底面部71内には、電気ヒータ73が内蔵されている。この電気ヒータ73に通電することにより底面部71が発熱し、さらにこの熱が気化室70の壁を伝導し、気化室70の内壁が全体的に加熱される機能を有する。これにより、後述するように、気化室70の内部で飛散された液体燃料を気化し易くする機能を有している。
【0039】
回転部材8は、前記した回転軸30bに取り付けられて一体的に回転するもので、燃料パイプ14を介して供給(滴下)される液体燃料を回転による遠心力によって飛散させ、気化室70の内部で熱によって気化させて燃料ガスを生成する。また、気化された燃料ガスと送風機2から供給される一次空気とを撹拌して均一な混合ガスを生成する機能を有している。
【0040】
則ち、回転部材8は、気化室70の内部で液体燃料を効率良く気化させるために、燃料パイプ14から滴下された液体燃料(本実施形態では石油を使用)を微粒子状にして飛散させると共に、気化した燃料ガスと一次空気とを撹拌させて均一に混合する働きを行うものである。
本実施形態では、回転部材8は、図2に示すように、有底の円筒形の周部を切り起こして複数の羽根8aを設けた形状であり、滴下された液体燃料を効率良く飛散させると共に、気化された燃料ガスと一次空気とを均一に混合させる構造としている。
【0041】
箱体10の外壁には、図1に示すように、送風機2のモータ30や、後述する空気量調節部材4の制御を含む燃焼制御を統括する制御回路部(制御手段)5が設けられている。
本実施形態では、制御回路部5は、CPUを用いてデジタル処理を行うデジタル回路で構成される。則ち、制御回路部5は、CPU、RAM、ROM、I/Oポート、および、必要に応じて、アナログのセンサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、あるいは、生成されたデジタル制御信号をアナログ制御信号に変換するD/A変換回路などを備えている。そして、センサの検知信号を参照しつつ燃焼量に応じた制御信号を生成して各部を統括制御するものである。
【0042】
則ち、本実施形態の燃焼装置1では、送風機2によって発生された空気流を後述する空気量調節部材4によって一次空気および二次空気に区分して流量制御しつつ下流側へ供給する。そして、一次空気は気化器7で気化された燃料ガスに混合され、燃焼部6へ送出されて火炎を発生させる。また、燃焼部6へ直接供給される二次空気は、火炎の周囲に供給されて窒素酸化房NOxを低減した安定燃焼を行わせている。
【0043】
(第1実施形態に係る空量調節部材)
次に、燃焼装置1に採用する空気量調節部材4の詳細を説明する。
図3〜図5に示すように、空気量調節部材4は、移動側板状部材(板状部材)41、固定側板状部材(板状部材)42、駆動片43、支持部材44、および、アクチュエータ(ステップモータ)40を備えて構成される。
【0044】
駆動片43は、図3に示すように、断面が略「Z」字状の金具43aと、断面が略「コ」字状の金具43bとをネジNで接続固定して形成される。
【0045】
金具43aは、金属板の4カ所を折曲して3つの垂直部、および、2つの水平部を備えた形状である。背面側の垂直部には、ステップモータ40の回転軸4tを嵌合させるスリット状の嵌合孔43cが設けられている。また、中央および前面側の垂直部には枢支軸4hを貫通させる枢支孔43d,43dが設けられている。また、枢支孔43dが設けられた前面側の垂直部の下方は僅かに前方へ張り出すように折曲され、張り出した部分には金具43bを固定するネジ孔43eが開けられている。
【0046】
一方、金具43bは、金属板の2カ所を折曲して2つの垂直部と1つの水平部を備えた形状である。そして、対向する垂直部の下方中央部には、ネジNを貫通させる開口43f,43fが設けられ、背面側の垂直部の上部中央には、枢支軸4hを貫通させる枢支孔43gが開けられている。
【0047】
支持部材44は、駆動片43を揺動可能に枢支するもので、長尺帯状の固定部44aと、固定部44aの長手左右側縁中央に垂直に切り起こされた枢支部44b,44bを備えている。枢支部44b,44bの上縁中央部は略半円状に上方へ向けて突出し、この半円状の中心に軸孔44c,44cが設けられている。
この支持部材44は、固定部44aに設けられた複数の固定孔44dにネジを通して後述する固定側板状部材42に取り付け固定される。
【0048】
前記した、駆動片43は枢支軸4hを用いて支持部材44に揺動可能に取り付けられる。則ち、金具43aに設けられた2カ所の枢支孔43d,43dを支持部材44の枢支部44b,44bの外側を跨ぐようにして被せ、枢支軸4hを駆動片43の枢支孔43d,43dおよび枢支部44bの軸孔44c,44cを貫通させるように挿入する。
次いで、金具43bの枢支孔43gを枢支軸4hに通し、ネジNを開口43f,43fを通して金具43aのネジ孔43eにねじ込んで固定する。
これにより、駆動片43は枢支軸4hの回りに所定角度だけ揺動可能に支持部材44に取り付けられる。
【0049】
空気量調節部材4の移動側板状部材41は、図4に示すように円板形であり、周辺部の一部を垂直に切り起こして形成された係合部41dが設けられている。この係合部41dは円板の接線方向へ向けて設けられ、係合部41dの中央は切り欠かれて溝状部41eを形成している。また、係合部41dの左端部には、後述するバネSの一端を固定する係止孔41fが設けられている。
【0050】
この移動側板状部材41の中心には、固定側板状部材42に対して回転可能に取り付けるための軸掃通孔41aが設けられている。また、円板面には略3角形の開口41bが軸掃通孔41aを中心として等間隔で放射状に設けられ、円板の周辺近傍には、略長方形の開口41cが軸掃通孔41aを中心として等間隔で放射状に設けられている。
【0051】
一方、固定側板状部材42は、図4に示すように長方形状をしており、中央部には移動側板状部材41を回転可能に取り付けるための軸掃通孔42aが設けられている。また、移動側板状部材41の開口41b,41cと対応させて、軸掃通孔42aを中心として放射状に略三角形の開口42bおよび略長方形の開口42cが等間隔に設けられている。
【0052】
また、固定側板状部材42の下面には、開口42bに対応した部分に円形の整流板45が取付固定されている。整流板45は、中央に軸掃通孔45aを有し、軸掃通孔45aの周囲に略三角形に切り起こした整流羽根45cを放射状に配した構造である。則ち、切り起こされた開口部分によって開口45bを形成し、切り起こし部分は下方へ向けて略45度の傾斜を持たせて整流羽根45cを形成している。
【0053】
空気量調節部材4は、このような構成の移動側板状部材41、固定側板状部材42および整流板45と、図3に示した駆動片43の取り付けられた支持部材44を含んで構成される。
則ち、図4に示すように、整流板45の4カ所のネジ孔45dにネジNを通し、固定側板状部材42のネジ孔42dにねじ込んで固定する。
次に、移動側板状部材41の軸掃通孔41aを固定側板状部材42の軸掃通孔42aに合わせて固定具46a,46bを通して回転可能に取り付ける。
これにより、移動側板状部材41は固定側板状部材42の上で自由に回転できる。従って、ある回転位置では開口41bと開口42bとが一致して開口面積が最大となり、別の回転位置では開口面積が最小となる。
【0054】
また、図3において駆動片43の取り付けられた支持部材44は、固定孔44dにネジNを通して固定側板状部材42のネジ孔42eにねじ込んで固定される。
組み立てられた空気量調節部材4は、図5に示すように、固定側板状部材42に移動側板状部材41が回転可能に取り付けられ、移動側板状部材41の近傍には、駆動片43を枢支した支持部材44が固定側板状部材42に取付固定されている。そして、駆動片43の押圧部(ネジ)Nが移動側板状部材41の係合部41dに設けられた溝状部41eに当接している。
【0055】
本実施形態の空気量調節部材4では、移動側板状部材41の開口41bと固定側板状部材42の開口42bによって一次空気の供給量制御を行っている。また、移動側板状部材41の開口41cと固定側板状部材42の開口42cによって二次空気の供給量制御を行っている。
則ち、図1に示すように、流路形成部材13が整流板45を囲むように固定側板状部材42の下流側に当接固定されており、これによって、気化器7へ供給される一次空気と燃焼部6へ直接供給される二次空気とを分離して供給量制御を行う構成とされている。
【0056】
また、本実施形態の空気量調節部材4は、図5に示すように、固定側板状部材42の周縁が箱体(ケース部)10で囲まれており、ステップモータ40の回転軸4tは、箱体10に設けられた開口10aを通して駆動片43の嵌合孔43cに嵌合している。
また、移動側板状部材41の係合部41dに設けられた係止孔41fと支持部材44の端部に設けられた係止孔44eとの間にはバネSが取り付けられている。そして、移動側板状部材41を固定側板状部材42に対して反時計方向(図5における上面視で反時計方向)へ付勢して、開口面積は最小となっている。
【0057】
また、箱体10のステップモータ40の近傍には、当該ステップモータ40や後述する送風機2へ制御信号を生成して送出する制御回路部5が取り付けられている。
この空気量調節部材4では、移動側板状部材41の回転位置を駆動片43で変化させることにより、開口同士が重なり合って形成する連通流路の面積を最小から最大まで自由に変化させることができる。これにより、移動側板状部材41および固定側板状部材42の上下方向への空気流量(空気流路の開口面積)を調節するものである。
【0058】
図6は図5のA方向矢視図を示したもので、本実施形態の空気量調節部材4は、図6(a)〜(c)に示すように、駆動片43が枢支軸4hの回りに左右方向へ所定角度だけ揺動(回動)可能とされている。
この空気量調節部材4では、図6(a)に示すように、ステップモータ40によって駆動片43が時計方向へ回動しきった状態では、移動側板状部材41の係合部41dはバネSによって左方に付勢され、溝状部41eが駆動片43の押圧部(ネジ)Nに当接した状態で停止している。この状態では、移動側板状部材41と固定側板状部材42との間に形成される連通流路の面積が最小となり、供給空気量が最も少ない全閉状態である。
【0059】
制御回路部5からステップモータ40に供給空気量を増加させる制御信号が伝送されると、図6(b)に示すように、駆動片43は反時計方向へ回動する。この状態では、移動側板状部材41と固定側板状部材42との間に形成される開口面積が中程度の中開状態となる。
更に、制御回路部5からステップモータ40に、供給空気量を増加させる制御信号が伝送されると、図6(c)に示すように、駆動片43は図において反時計方向に向けて回転しきった状態となる。この状態では、移動側板状部材41と固定側板状部材42との間に形成される連通流路の面積が最大となり、供給空気量が最大の全開状態となる。
【0060】
ここで、本実施形態の空気量調節部材4では、バネSを取り付ける移動側板状部材41の係止孔41fと支持部材44の係止孔44eの高さを異ならせた形状としている。
則ち、図6(c)に示すように、移動側板状部材41に設けられた係止孔41fの固定側板状部材42からの高さd1が、支持部材44に設けられた係止孔44eの固定側板状部材42からの高さd2よりも高くなる構造としている。
これにより、バネSを取り付けると、移動側板状部材41の係合部41dは固定側板状部材42に対して左方(図6(c)において左方)へ付勢される。同時に、バネSによって固定側板状部材42に垂直方向(回転軸方向)に生じる付勢分力によって、移動側板状部材41は固定側板状部材42へ押圧される。これにより、移動側板状部材41が固定側板状部材42から浮上することが抑制され、隙間の発生を防止して微細な空気量制御を可能にしている。
【0061】
図7は、図5に示した空気量調節部材4のB−B矢視断面図を示したものであり、図では、整流板45を取り付けていない状態で示している。図7(a)は、移動側板状部材41の開口41bと固定側板状部材42の開口42bとが重なり合っていない状態を示し、図7(b)は、開口41bと開口42bの一部が重なって連通流路Rが形成された状態を示している。また、図7(c)は、連通流路Rの面積が最大になった状態を示している。
【0062】
図7(b),(c)に示すように、連通流路Rは下流側の固定側板状部材42の開口42bに対して、上流側の移動側板状部材41の開口41bが図において右方へずれた位置に停止することによって形成される。
則ち、開口42bの左右端部に対して開口41bの左右端部が右方へずれており、開口41b,42bの端部同士を結ぶ包絡線が傾斜している。言い換えれば、連通流路Rが、あたかも上流側から下流側へ向けて、左方へ傾斜した形状を呈している。
これにより、送風機2から時計方向へ旋回しつつ下流側へ供給される空気流Fが連通流路Rを通過すると共に、連通流路Rの傾斜によって空気流Fの旋回成分が低減され、整流された空気流となって下流側へ向かわせることができる。
【0063】
図8は、前記図7と同様に、図5に示した空気量調節部材4のB−B矢視断面図を示したものであり、図では、整流板45を取り付けた状態として示している。則ち、図8(a)は、移動側板状部材41の開口41bと固定側板状部材42の開口42bとが重なり合っていない状態を示し、図8(b)は、開口41bと開口42bの一部が重なって連通流路Rが形成された状態を示している。また、図8(c)は、連通流路Rの面積が最大になった状態を示している。
【0064】
この構成によれば、図8(b),(c)に示すように、連通流路Rを通過した空気流は、整流板45の整流羽根45cで左方へ向けて偏向されつつ下流側へ移動する。
これにより、送風機2から時計方向へ旋回しつつ下流側へ供給される空気流Fが連通流路Rを通過することにより、前記図7で示した連通流路Rの傾斜に加えて、整流羽根45cによって空気流Fの旋回成分が効果的に低減され、整流された空気流となって下流側へ向かわせることが可能となる。
従って、燃焼部6へは整流された空気流を供給することが可能となり、燃焼むらのない安定した火炎を得ることができる。
【0065】
また、本実施形態の空気量調節部材4は、図4,図5に示すように、移動側板状部材41の周辺部近傍における固定側板状部材42に、3カ所のガイド部材47を設けた構成としている。
ガイド部材47は、図4,図9(a)に示すように、ネジ48と円筒形のスペーサ49で構成され、スペーサ49の高さは移動側板状部材41の厚さよりも僅かに高い。そして、ネジ48のネジ部48bをスペーサ49に通し、ネジ48の頭部48aと固定側板状部材42との間に移動側板状部材41の周縁部を摺動自在に挟持するようにして、ネジ48のネジ部48bを固定側板状部材42へ固定している。
【0066】
これにより、移動側板状部材41の周縁部はネジ48の頭部48aと固定側板状部材42との間に挟まれて浮き上がりが規制されつつ回転可能である。この構成により、移動側板状部材41と固定側板状部材42との隙間の発生が抑えられ、微細な空気供給制御を行うことが可能となる。
【0067】
このように、本実施形態の空気量調節部材4によれば、送風機2から供給される空気流が送風機2の回転軸の回転方向へ向けて旋回する空気流であっても、空気量調節部材4によって効果的に旋回を抑えることができる。これにより、整流された空気流を燃焼部6に供給して火炎むらのない安定した燃焼を確保することができる。
また、空気量調節部材4を構成する移動側板状部材41と固定側板状部材42との隙間の発生を抑制するので、隙間から空気が漏れることが抑えられ、供給空気流量を微細に制御することが可能となる。
【0068】
尚、前記実施形態では、固定側板状部材42の下流側に整流羽根45cを有した整流板45をネジ止めする構成として述べたが、本発明はこのような構成に限られるものではない。例えば、固定側板状部材42の一部を切り起こして開口42b,42cを形成し、切り起こし部分によって整流羽根を形成するような構成を採ることも可能である。
【0069】
(第2実施形態に係る燃焼装置:送風機の下流側に整流羽根を設けた構成)
次に、本発明の第2実施形態に係る燃焼装置1を、図10、図11を参照して説明する。
図10は、燃焼装置1に採用される送風機2の内部構造を示す分解斜視図、図11は、送風機2の断面図を示している。
送風機2は、箱体10の上面中央部に突出した回転軸30aに回転翼(ファン)21が取り付けられ、中央に吸気開口22を有した上面視小判形のハウジング20を、回転翼21の上に覆い被せて取り付けた構造である。
【0070】
回転翼21は、回転方向へ凸となるように湾曲させた多数の垂直翼21aを回転軸30aに対して放射状に配列し、各々の垂直翼21aを上下から円板21b,21cで挟持固定した構造である。上方の円板21bの中央には吸気開口21dが設けられている。また、回転翼21の下方であって、箱体10の天板12には、天板12の一部を下方へ略45度の傾斜を持たせて切り起こして形成した長方形の複数の吐出口23が放射状に配列されている。そして、切り起こし部分によって整流羽根23aを形成している。
【0071】
この送風機2では、図10,図11に示すように、回転翼21が反時計方向(図10における上面視反時計方向)へ向けて回転すると、回転翼21の内部空気に遠心力が加えられて回転軸30aに対して放射方向へ噴出する。そして、噴出した空気流は、ハウジング20の周部内壁に沿って回転しつつ、回転軸方向へ偏向されて吐出口23から下方へ向けて吐出する。則ち、回転翼21が回転することにより、ハウジング20の吸気開口22から吸入された空気が吐出口23を介して下流側へ吐出される。
ここで、回転翼21は反時計方向へ回転するため、ハウジング20の内部空気流は、回転軸30aの回転方向へ旋回しつつ下方の吐出口23側へ向かう。しかし、吐出口23には整流羽根23aが設けられており、吐出口23を通過する空気流は、整流羽根23aで偏向されて整流された空気流となって下流側へ移動する(図11の矢印参照)。
【0072】
このように、本実施形態の燃焼装置1によれば、送風機2の下流側近傍に整流羽根23aを設けた極めて簡単な構成によって、送風機2で発生する旋回成分を有した空気流を効果的に整流させることができる。これにより、燃焼部6へ整流された空気流を供給することができ、火炎むらの発生を抑えて安定した燃焼を得ることが可能となる。
尚、本実施形態で述べた送風機2の構成は、前記第1実施形態の空気量調節部材4と併用して採用することも可能である。
【0073】
(第3実施形態に係る燃焼装置:空気量調節部材4を定期的に駆動する構成)
次に、前記図1,図5,図7および図12のフローチャートを参照して、第3実施形態に係る燃焼装置1の制御動作を説明する。
本実施形態の燃焼装置1は、空気量調節部材4を制御回路部5で定期的に強制駆動することにより、移動側板状部材41の固定側板状部材42に対するスムーズな動きを確保すると共に固着を防止するものである。以下に、制御の詳細を説明する。
【0074】
尚、以下の説明において、移動側板状部材41は、全閉位置、中開位置、全開位置の3段階駆動としている。この全閉位置とは、移動側板状部材41の開口41b,41cと固定側板状部材42の開口42b,42cとが重なり合っていない状態である。また、中開位置とは、開口41b,41cと開口42b,42cとが略半分だけ重なり合って連通流路Rが形成された状態を示し、全開位置とは、開口41b,41cと開口42b,42cとが略一致して重なり合った状態を示すものとする。
【0075】
(1)燃焼装置1の電源が接続されると、制御回路部5は、ステップモータ40へ制御信号を送出して、移動側板状部材(ダンパ)41を全閉位置から一旦全開位置となるまで駆動し、この後に、再度全閉位置へ戻す強制駆動制御を行う(図12ステップ100,101参照)。
【0076】
(2)制御回路部5は、計時1(7日間の計測を行う計時)をスタートし、燃焼装置1の運転スイッチ(不図示)がオフであれば、7日間経過するまで計測を行う。そして、計時1によって7日間が計測されると、制御回路部5は、ダンパ41を全閉位置から一旦全開位置となるまで駆動し、この後に、再度全閉位置へ戻す強制駆動制御を行う。そして、計時1をリセットした後に再び、ステップ102に戻って同一処理を繰り返す(図12ステップ102〜107参照)。
【0077】
(3)一方、ステップ107において運転スイッチのオン状態が検出されると、制御回路部5は、燃焼待機期間に入る。この燃焼待機期間において、後述する全開フラグがセットされていない状態では、ステップ102〜108,117の処理を繰り返す(図12ステップ102〜108,117参照)。
【0078】
(4)燃焼指令を受けると、制御回路部5は、計時2(30分の計測を行う計時)をスタートし、燃焼制御によるダンパ41の開度が中開以下の状態のまま30分経過すると、計時2をリセットした後に全開フラグをセットする。
また、制御回路部5は、全開フラグをセットした後であっても、燃焼制御によってダンパ41の開度が全開状態となれば、計時2をリセットした後に全開フラグをリセットする(図12ステップ108〜116参照)。
則ち、ダンパ41の開度が中開以下の状態であっても、30分が経過するまでに燃焼停止されたときや、一旦、全開フラグがセットされても、ダンパ41が全開位置まで駆動され、その後のダンパ41の駆動状態が中開以下の状態で30分が経過するまでに燃焼停止された場合は、全開フラグはセットされない。
【0079】
(5)燃焼指令が停止すると、制御回路部5は全開フラグを参照し、フラグがリセット状態であれば、ステップ102に戻って燃焼待機処理を行う。
一方、全開フラグがセット状態であれば、計時3(10分の計測を行う計時)をスタートする。計時3によって10分経過すると、制御回路部5は、ダンパ41を全閉位置から一旦全開位置となるまで駆動し、この後に、再度全閉位置へ戻す強制駆動制御を行う。そして、計時3および全開フラグをリセットした後に再び、ステップ102に戻って燃焼待機状態に戻る(図12ステップ102〜108,117〜123参照)。
(6)燃焼待機中に運転スイッチのオフ状態が検出されると、ステップ102に移行して、計時1の計測を継続する。
【0080】
このように、本実施形態の燃焼装置1では、運転スイッチがオフの場合には、定期的(7日毎)にダンパ41を全開制御する。また、燃焼制御中であっても、ダンパ41が全開位置まで駆動されないときには、燃焼終了後にダンパ41を強制的に全開位置まで制御する。これにより、ダンパ(移動側板状部材)41と固定側板状部材42との錆の発生を防止してスムーズな回転動作を確保すると共に、双方の固着を効果的に防止することが可能となる。
【0081】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、簡単な構造によって、送風機の発生した空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させることができ、送風される空気の整流性を向上させることができる。
請求項2〜3に記載の本発明によれば、整流羽根によって、送風機の発生した空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させることができ、送風される一次空気、二次空気の整流性を向上させることができる。
請求項4〜5に記載の本発明によれば、固定側板状部材と移動側板状部材との隙間の発生が防止され、供給空気量をきめ細かく制御することができる。
請求項6に記載の本発明によれば、移動側板状部材と固定側板状部材との固着を防止すると共に、錆の発生を防止して、信頼性を向上させた燃焼装置を提供することができる。
また、請求項7に記載の本発明によれば、簡単な構造によって、送風機の発生した空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させることができ、送風される空気の整流性を向上させた燃焼装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る燃焼装置の断面図である。
【図2】 図1の燃焼装置に採用される気化器および炎孔ベースを示す拡大斜視図である。
【図3】 図1の燃焼装置に採用される空気量調節部材の駆動系の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【図4】 図1の燃焼装置に採用される空気量調節部材の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【図5】 図1の燃焼装置に採用される空気量調節部材を示す斜視図である。
【図6】 (a)〜(c)は、図5のA方向矢視図を用いて空気量調節部材の動作を示す説明図である。
【図7】 (a)〜(c)は、整流板を取り付けない場合の図5のB−B矢視断面図である。
【図8】 (a)〜(c)は、整流板を取り付けた場合の図5のB−B矢視断面図である。
【図9】 (a),(b)は、ガイド部材の構造を示す断面図である。
【図10】 図1に示す燃焼装置に採用される送風機の構造を示す分解斜視図である。
【図11】 図1に示す燃焼装置に採用される送風機の構造を示す断面図である。
【図12】 本発明の実施形態に係る空気量調節部材の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 送風機
23a 整流羽根
4 空気量調節部材
40 アクチュエータ(ステップモータ)
41 移動側板状部材
41b 開口(一次空気を調節する移動側板状部材の開口)
41c 開口(二次空気を調節する移動側板状部材の開口)
42 固定側板状部材
42b 開口(一次空気を調節する固定側板状部材の開口)
42c 開口(二次空気を調節する固定側板状部材の開口)
45 整流部材
45c 整流羽根
47 ガイド部材
48 ネジ
49 スペーサ
6 燃焼部
R 連通流路
S 付勢部材(バネ)

Claims (7)

  1. 燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部の上流側に配置され、空気流路の開口面積を制御して送風機から燃焼部へ供給される空気量を調節する空気量調節部材であって、所定形状の開口を有し、相対的に回転可能に重ね合わせられた固定側板状部材および移動側板状部材と、前記固定側板状部材に対して前記移動側板状部材を回転駆動するアクチュエータとを備え、前記固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転させることにより開口同士が重なって形成される連通流路が、前記送風機から供給されて前記連通流路を通過する空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させる形状となるように、固定側板状部材に対して移動側板状部材を回転させることを特徴とする空気量調節部材。
  2. 前記固定側板状部材の開口部近傍に、前記送風機から送風されて前記連通流路を通過する空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させる整流羽根を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気量調節部材。
  3. 前記固定側板状部材および移動側板状部材には、燃焼部へ供給される燃料ガスと予混合される一次空気の通過流量を調節する開口と、燃焼部へ直接供給される二次空気の通過流量を調節する開口とを区分して設け、前記整流羽根は、前記固定側板状部材の一次空気の通過する開口部近傍に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気量調節部材。
  4. 前記固定側板状部材に対して前記移動側板状部材を所定回転方向へ向けて付勢する付勢部材を有しており、前記移動側板状部材は前記付勢部材によって所定回転方向へ向けて付勢されつつ回転駆動されると共に、当該移動側板状部材は付勢部材によって固定側板状部材へ向けて押圧されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気量調節部材。
  5. 前記移動側板状部材の周縁部近傍の固定側板状部材に、移動側板状部材と固定側板状部材との隙間の発生を規制するガイド部材を設け、前記ガイド部材は、円筒状のスペーサと当該スペーサに挿入されるネジで構成され、前記ネジをスペーサに貫通させ、前記ネジの頭部と固定側板状部材との間に移動側板状部材の周縁部を摺動自在に挟持するようにして、前記ネジを固定側板状部材へ固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気量調節部材。
  6. 火炎を発生させる燃焼部と、当該燃焼部へ空気を送風する送風機と、前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気量調節部材とを備え、燃焼装置は、前記空気量調節部材のアクチュエータの駆動を含む燃焼制御を行う制御手段を有しており、制御手段は、燃焼制御中を除く所定時間毎に前記アクチュエータを駆動して、移動側板状部材を所定量だけ強制回転駆動させ、前記制御手段は、燃焼制御中に前記移動側板状部材の回転量が所定時間継続して所定値以下のときは、燃焼制御の終了から所定時間経過した後に前記移動側板状部材を所定量だけ強制回転駆動させることを特徴とする燃焼装置。
  7. 送風機によって下流側へ供給される空気流の送風機回転軸の回転方向への旋回成分を低減させる整流羽根を、送風機の下流側近傍に設けたことを特徴とする請求項6に記載の燃焼装置。
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