JP2002174408A - 燃焼装置および燃焼装置の空気量調節部材 - Google Patents

燃焼装置および燃焼装置の空気量調節部材

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JP2002174408A JP2000371660A JP2000371660A JP2002174408A JP 2002174408 A JP2002174408 A JP 2002174408A JP 2000371660 A JP2000371660 A JP 2000371660A JP 2000371660 A JP2000371660 A JP 2000371660A JP 2002174408 A JP2002174408 A JP 2002174408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気量調節性能および耐久性を向上させた空
気量調節部材、およびこれを用いた燃焼装置を提供す
る。 【解決手段】 燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部と、
必要な空気を送風する送風機の間に配置され、所定形状
の開口を有する固定側板状部材22及び移動側板状部材
23を備え、該板状部材22,23が相対的に回転可能
に重ねられた燃焼装置の空気量調節部材5aにおいて、
固定側板状部材22に対して回転又は揺動する駆動片5
bを有し、移動側板状部材23には周辺部近傍に係合部
33が設けられ、駆動片5bが係合部33と係合して移
動側板状部材23の係合部33を略接線方向に移動し、
移動側板状部材23を回転させる構成とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼装置および燃
焼装置の空気量調節部材に関するものである。本発明
は、空気量調節部材に特徴を有するものであり、液体燃
料を燃焼させる燃焼装置に適し、液体燃料を使用する暖
房機器や給湯器、または温水暖房機、ファンヒータ等に
特に好適である。
【0002】
【従来の技術】一般に燃焼装置においては、燃料と空気
とを予め混合した状態で炎孔から噴射させる。そして燃
焼部には直接的に二次空気を供給し、燃料は予め混合さ
れた空気と二次空気によって燃焼する。従って燃料に予
め混合する一次空気量及び、炎孔外に供給する二次空気
量は、安定燃焼やターンダウン比(ガス量や空気量を大
きく変動させた場合の変動比)の大小に応じて大幅に変
動する。そのため燃焼装置においては、空気量を調節す
る空気量調節部材が設けられている。例えば灯油等の液
体燃料を使用する燃焼装置では、スイング形の空気量調
節部材が多用され、空気流路の一部を開閉することによ
り、空気量の調節が行われていた。
【0003】図38は、スイング形の空気量調節部材に
代わるものの一例を提案するものである。空気量調節部
材200は空気供給を行う送風機(不図示)と予混合さ
れた燃料ガスに着火して炎を噴出する燃焼部(不図示)
との間に設けられ、気化部あるいは炎孔ベースへの空気
供給量を調節制御するものである。則ち、図38におけ
る空気量調節部材200の上流側(紙面の上方)に送風
機が配され、下流側(紙面の下方)に燃焼部が配され
て、送風機の生み出す空気流を流量制御しながら燃焼部
へ送り込むものである。
【0004】このような空気量調節部材200は、方形
状の固定側板状部材201の中央部に円板状の移動側板
状部材202を回動可能に取り付けた形状である。移動
側板状部材202は円板形で、円板中心から放射状に略
三角形状の開口202aが複数配され、円周縁近傍には
略長方形状の開口202bが同様に放射状に複数設けら
れている。一方、固定側板状部材201にも移動側板状
部材と同様の開口(不図示)が移動側板状部材202の
中心と対応させて設けられている。また、移動側板状部
材202を跨ぐように固定側板状部材201に取り付け
られたフレーム203の略中央にはアクチュエータ(ス
テップモータ)204が取り付けられ、ステップモータ
204の回転軸は移動側板状部材202に固定されてい
る。則ち、ステップモータ204によって移動側板状部
材202を固定側板状部材201に対して回動制御する
ことにより、各々の板状部材201,202の開口の重
なり具合を変化させて空気流量を調節制御するものであ
る。
【0005】従って、燃焼装置の燃焼状態に応じて制御
部(不図示)から伝送される制御信号に応じて、ステッ
プモータ204を駆動して移動側板状部材202を回転
制御することにより、移動側板状部材202と固定側板
状部材201との開口の重なり状態を変化させて燃焼部
側への一次空気および二次空気の供給量を調節するよう
にされている。
【0006】ところで、近年酸性雨による環境破壊が深
刻な社会問題となり、NOX(窒素酸化物)の総排出量
を減少させることが急務となっている。これは、家庭用
等の小型の燃焼装置についても同様であり、NOX の発
生を極力減少させる工夫が要求されている。NOXを低
減させるためには、火炎の温度を適度に低下させること
が必要であるが、そのためには供給する空気量の微調整
が必要となる。そのため従来にも増して空気量調節部材
に高い能力が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記したス
イング形の空気量調節部材を使用する燃焼装置は、空気
量調節部材を全開又は全閉状態で使用するものであり、
空気量の微調整ができないため、NOXの抑制に要求さ
れる能力を満足できなかった。またスイング形の空気量
調節部材は、シール性の確保が困難であり、更に、構成
部品の点数が多く、製造コストが嵩むという問題点もあ
った。
【0008】一方、図38に示したような、二枚の板状
部材を重ねた空気量調節部材は、適宜の開度で使用する
こともできるので、前記したスイング形の空気量調節部
材に比べると数段に空気量の調節能力は高い。しかしな
がら、図38に示した構成は、移動側板状部材202の
中心にモータの回転軸を直接接続して回動させるので、
モータの僅かな回転角度によって開口量が大きく変化し
てしまう。そのため、空気量の微調整が困難であり、や
はりNOXの抑制に要求される高い制御能力を満足する
ことができないものであった。また、図38に示した構
成では、移動側板状部材202を回転制御するステップ
モータ204が空気量調節部材200の中央に位置す
る。このため、ステップモータ204は必然的に燃焼部
の発する熱を受け易く、ステップモータ204が極度に
加熱されて焼損するなど、構造上の問題を残していた。
【0009】このような事情に鑑みて提案される本発明
は、簡単な構成によって空気量調節性能および耐久性を
向上させた空気量調節部材を提供することを目的として
いる。また、同時に提案される本発明は、この空気量調
節部材を用いてNOXなどの排出を低減させた燃焼装置
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に提案される請求項1に記載の本発明の燃焼装置は、火
炎を発生させる燃焼部と、必要な空気を送風する送風機
を有し、燃焼部と送風機の間に空気量調節部材が設けら
れ、該空気量調節部材は所定形状の開口を有する二以上
の板状部材を備え、該板状部材が相対的に回転可能に重
ねられたものである燃焼装置において、空気量調節部材
は、アクチュエータと動力伝達部材を有し、アクチュエ
ータが板状部材の重なり部以外の位置に設けられ、動力
伝達部材を介して板状部材の少なくとも一つを回転させ
る構成とされている。
【0011】本発明で採用する空気量調節部材は、板状
部材を他方の板状部材に対して回転させることにより、
両者を連通する開口面積が増減し、これによって、空気
量を調節するものである。前記構成によれば、空気量調
節部材のアクチュエータは、板状部材の重なり部を除く
位置に設けられる。従って、アクチュエータは自ずと空
気量調節部材に隣接配置される燃焼部の端部に位置す
る。これにより、アクチュエータを板状部材の重なり部
の内部に設ける場合に比べて、アクチュエータの燃焼部
からの受熱量を相対的に低減させることができ、アクチ
ュエータの焼き付きや熱破壊などの焼損を抑えることが
できる。また、この構成によれば、アクチュエータと板
状部材との間に動力伝達部材を介在させるので、動力伝
達部材を適宜な構成とすることにより、板状部材とアク
チュエータとを離れた位置に配する構成を採ることがで
きる。
【0012】同時に提案される請求項2に記載の本発明
の燃焼装置は、火炎を発生させる燃焼部と、必要な空気
を送風する送風機と、通風路となるケース部を有し、当
該ケース部内であって前記燃焼部と送風機の間に空気量
調節部材が設けられ、該空気量調節部材は所定形状の開
口を有する二以上の板状部材を備え、該板状部材が相対
的に回転可能に重ねられたものである燃焼装置におい
て、空気量調節部材は、アクチュエータと動力伝達部材
を有し、アクチュエータは前記ケース部の外部に設けら
れ、動力伝達部材を介して板状部材の少なくとも一つを
回転させる構成とされている。
【0013】この構成によれば、板状部材を回転制御す
るアクチュエータがケース部の外部に設けられる。これ
により、アクチュエータがケース部によって燃焼部から
熱的に隔離されるので、アクチュエータが温度上昇によ
って焼損するような不具合が未然に防止できる。また、
この構成によれば、請求項1に記載の燃焼装置と同様
に、板状部材とアクチュエータとを離して配することが
できる。
【0014】同時に提案される請求項3に記載の本発明
の燃焼装置は、火炎を発生させる燃焼部と、必要な空気
を送風する送風機と、通風路となるケース部と、燃料と
空気とを燃焼部に至る前に混合する予混合部を有し、ケ
ース部内であって予混合部と送風機との間に空気量調節
部材が設けられ、該空気量調節部材は所定形状の開口を
有する二以上の板状部材を備え、該板状部材が相対的に
回転可能に重ねられたものである燃焼装置において、予
混合部は液体燃料を気化する気化室を持ち、当該気化室
内には液体燃料を飛散させる回転部材が内蔵され、送風
機の回転中心と空気量調節部材の回転中心と回転部材の
回転中心が同一軸線上に並べられ、送風機と回転部材が
単一の原動機によって回転され、さらに空気量調節部材
は、アクチュエータと動力伝達部材を有し、アクチュエ
ータはケース部の外部に設けられ、動力伝達部材を介し
て板状部材の少なくとも一つを回転させる構成とされて
いる。
【0015】この構成によれば、送風機と気化室の回転
部材を同一の軸に設けることにより、単一の原動機で回
転駆動する。これにより、従来必須であった回転部材専
用の原動機を省略することができ構造を簡略化させ、省
コスト化を図ることができる。また、この構成によれ
ば、請求項1或いは請求項2に記載した燃焼装置と同様
に、アクチュエータが温度上昇によって焼損を生じるよ
うな不具合が未然に防止できると共に、板状部材とアク
チュエータとを離して配することができる。
【0016】また、同時に提案される本発明の空気量調
節部材は、燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部と、必要
な空気を送風する送風機の間に配置され、所定形状の開
口を有する固定側板状部材及び移動側板状部材を備え、
該板状部材が相対的に回転可能に重ねられた燃焼装置の
空気量調節部材において、固定側板状部材に対して回転
又は揺動する駆動片を有し、移動側板状部材には周辺部
近傍に係合部が設けられ、駆動片が係合部と係合して移
動側板状部材の係合部を略接線方向に移動し、移動側板
状部材を回転させる構成とされている。
【0017】例えば、移動側板状部材の形状を円板形と
した場合、係合部を周辺部近傍に設け、係合部に係合さ
せた駆動片を回転または揺動させることによって係合部
を略接線方向に移動させて移動側板状部材を回転させる
ことができる。則ち、駆動片の回転運動あるいは揺動運
動を係合部の略直線運動に変換させている。この構成に
よれば、移動側板状部材の円板の中心部を駆動するので
はなく、駆動片によって移動側板状部材の周辺部を駆動
する。これにより、駆動片の回転角度または揺動角度に
対する移動側板状部材の回転角度を、円板の中心を駆動
する場合に比べて大幅に低減でき、移動側板状部材の回
転角度を微調整することができる。これにより、空気の
供給量を微調整することが可能となり、NOXの低減さ
れた安定した燃焼を行わせることができる。
【0018】前記本発明の空気量調節部材において、駆
動片はレバー状、カム状、または、歯車状であってその
回転軸又は揺動軸は移動側板状部材の回転軸と交差又は
食い違う構成とすることができる。ここに、食い違いと
は軸同士が同一平面に含まれず、平行でもない状態を言
い、また、交差とは食い違いの特殊な例であって、軸同
士が同一平面に含まれ、且つ、平行でない状態を指して
いる。例えば、駆動片の回転軸又は揺動軸と移動側板状
部材の回転軸とが交差する構成を採る場合、駆動片の回
転軸又は揺動軸を長くすることにより、駆動片の駆動源
(アクチュエータ)を移動側板状部材から離れた位置に
配することができる。また、駆動片の回転軸又は揺動軸
と移動側板状部材の回転軸とが食い違う構成とすること
も可能である。このように、本発明では駆動片の駆動源
(アクチュエータ)を移動側板状部材から離れた位置に
配することができる。これにより、移動側板状部材に隣
接する燃焼部あるいは熱風の流路から必然的に離れた位
置となり、駆動源(アクチュエータ)を熱源から遠ざけ
て焼損を防止することができる。
【0019】また、駆動片の形状は、レバー状、カム状
または歯車状とすることができる。例えば、駆動片をレ
バー状に形成する場合、駆動片の回転軸と移動側板状部
材の回転軸とを平行に配した構成とすることができる。
そして、回転軸(揺動軸)に固定されたレバーを係合部
に係合させることにより、レバーの先端で係合部を移動
側板状部材の略接線方向へ移動させて、移動側板状部材
を回転させることができる。また、駆動片をカム状に形
成する場合、駆動片の回転軸と移動側板状部材の回転軸
とを交差するように配することができる。そして、回転
軸(揺動軸)に固定されたカムを係合部に係合させるこ
とにより、カムの先端で係合部を移動側板状部材の略接
線方向へ移動させて移動側板状部材を回転させる構成を
採ることができる。また、駆動片を歯車状に形成する場
合、駆動片の回転軸と移動側板状部材の回転軸とを交差
するように配する。そして、回転軸に固定された歯車を
係合部に設けた平面歯に係合させることにより、歯車に
よって係合部(平面歯)を移動側板状部材の略接線方向
へ移動させて、移動側板状部材を回転させることができ
る。則ち、これらの構成によれば、駆動片の回転運動を
係合部の略直線運動に変換して移動側板状部材を略接線
方向へ向けて効率良く移動させることができる。特に、
これらの構成の空気量調節部材では、駆動片によって移
動側板状部材の周辺部に設けられた係合部を駆動するの
で、駆動片の回転量や揺動量に対する移動側板状部材の
回転角度を小さくできる。これにより、開口面積を微調
整することができ、供給空気量が微調整可能となる。ま
た移動側板状部材の周辺部を駆動片によって駆動するの
で、駆動側の原動機に要求されるトルクが小さく良く、
従来技術に比べてより小型の原動機を使用することがで
きる。
【0020】前記本発明の空気量調節部材において、係
合部は溝状部を有し、駆動片は当該溝状部と係合してい
る構成とすることができる。例えば、水平に配された円
板状の移動側板状部材の係合部に溝状部を設け、この溝
状部に水平方向の回転軸(揺動軸)を有するカム状(偏
芯カム)の駆動片を係合させた構成を採ることができ
る。この構成によれば、カムを揺動駆動することによ
り、カムの偏芯に応じてカムと溝状部の側壁との当接位
置が変動し、係合部は揺動軸に対して交差する方向へ押
圧される。これにより、係合部を略接線方向へ移動させ
て、移動側板状部材を回転させることができる。
【0021】前記本発明の空気量調節部材において、溝
状部は板状部材に対して傾斜している構成とすることが
できる。例えば、移動側板状部材の係合部に溝状部を配
し、カム状の駆動片を係合させる構成では、カムと溝状
部との当接状態によって異なる構成が考えられる。則
ち、カムが下降回動することにより溝状部を水平方向へ
押圧する構成や、逆に、カムが上昇回動することにより
溝状部を水平方向へ押圧する構成が挙げられる。ここ
で、カムを下降回動させて係合部を押圧移動させる構成
では、カムが上昇位置と下降位置との間を移動するの
で、空気量調節部材の高さが増大する。一方、カムを上
昇回動させて係合部を移動させる構成では、溝状部の側
壁との間で生じる摩擦力によって、係合部が浮き上がる
不具合が生じる。則ち、カムの回転(揺動)に応じて、
溝状部の側壁は側壁へ直交する方向へ向けて押圧力を受
けつつ上方へ向けて摩擦力を受ける。このため、係合部
が固定側板状部材に対して浮き上がるような不具合が生
じる。このような不具合を防止するために、駆動片のカ
ムの先端が当接する係合部の溝状部の側壁を、カムの揺
動方向へ向けて傾斜を持たせた構成とすることができ
る。この傾斜により、溝状部の側壁はカムから傾斜に直
交する方向の押圧力を受けつつ傾斜方向上方へ向かう摩
擦力を受ける。しかし、傾斜を設けることによって押圧
力の下方への分力が生じる。この下方分力が摩擦力の上
方分力よりも大きくなるように傾斜を設定することによ
り、溝状部は下方(移動側板状部材の方向)へ押し付け
られ、係合部が浮き上がることが防止される。
【0022】前記本発明の空気量調節部材において、移
動側板状部材が固定側板状部材に対して所定方向へ向け
て付勢される構成とすることができる。駆動片を係合部
に係合させて駆動を行う場合、駆動片と係合部との寸法
公差などによって隙間が生じる。このため、駆動片が同
一の回転角度の位置であっても、係合部を移動させる方
向によって係合部の位置ずれるバックラッシュが生じ、
駆動片が同一回転角度であるにも拘わらず開口面積が異
なってしまう。
【0023】例えば、移動側板状部材の係合部に溝状部
を設けた構成では、溝状部にカムを係合させることによ
り機械的な隙間(ガタ)が生じる。このため、駆動片が
回転あるいは揺動の往復運動を行った場合、往時と復時
において駆動片の同一角度において係合部の位置が異な
るバックラッシュが生じる。このようなバックラッシュ
の発生を防止するには、移動側板状部材を固定側板状部
材に対して常に所定方向へ付勢させた構成とすれば良
い。これにより、移動側板状部材は常に回転方向の一方
へ付勢されており、駆動片のカムが付勢された係合部に
係合して付勢力に抗して略直線移動を行わせる。従っ
て、駆動片のカムは常に係合部の溝状部の一方と接して
駆動され、バックラッシュの発生がなくなる。
【0024】前記本発明の空気量調節部材において、駆
動片を動作させるアクチュエータを有し、当該アクチュ
エータは移動側板状部材の移動軌跡外の位置に設けられ
ている構成とすることができる。この構成によれば、ア
クチュエータが移動側板状部材の移動軌跡外の位置、則
ち、移動側板状部材の周辺に設けられるので、必然的に
燃焼部の端部に位置する。これにより、アクチュエータ
が燃焼部の強い輻射熱を受けることが低減され、焼損が
防止される。また、この構成によれば、駆動片を回転ま
たは揺動させる回転軸あるいは揺動軸を長くすることに
より、容易に、アクチュエータを移動側板状部材から離
れた位置に配することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る空気
量調節部材の駆動系を示す分解斜視図、図2は空気量調
節部材の移動側板状部材および固定側板状部材を示す分
解斜視図、図3は空気量調節部材を組み立てた状態を示
す斜視図である。
【0026】空気量調節部材5aは、固定側板状部材2
2、移動側板状部材23、移動側板状部材23を回転駆
動する駆動片(動力伝達部材)5b、駆動片5bを揺動
可能に枢支する支持部材5m、及び、アクチュエータ
(ステップモータ)121を備えて構成される。
【0027】駆動片5bは、金属板を断面が略「弓」字
形状になるように6カ所を折曲して形成され、3つの垂
直部、3つの水平部及び1つの傾斜部5fを備えた形状
である。中央の2つの垂直部には枢支軸5hを貫通させ
る枢支孔5d,5dが設けられている。また、端部の垂
直部には、ステップモータ121の回転軸5tを嵌合さ
せるスリット状の嵌合孔5cが設けられている。これら
の枢支孔5d,5dおよび嵌合孔5cは、各々の孔中心
が一軸となるように形成されている。また、傾斜部5f
は隣接する水平部に対して略45度の傾斜を持たせてお
り、、傾斜部5fに隣接する水平部側縁(図における右
方側縁)は曲面状に切り起こされて、押圧部5eを形成
している。尚、傾斜部5fは押圧部5eを補強する機能
を有すると共に、後述する枢支軸の取り付けを容易にす
るために傾斜させている。
【0028】支持部材5mは、駆動片5bを揺動可能に
枢支するもので、長尺帯状の固定部5nと、固定部5n
の長手左右側縁中央に垂直に切り起こされた枢支部5
p,5pを備えている。枢支部5p,5pの上縁中央部
は略半円状に上方へ向けて突出し、この半円状の中心に
軸孔5q,5qが設けられている。この支持部材5m
は、固定部5nに設けられた複数の固定孔5rにネジを
通して後述する固定側板状部材22に取り付け固定され
る。
【0029】前記した、駆動片5bは枢支軸5hを用い
て支持部材5mに揺動可能に取り付けられる。則ち、駆
動片5bの中央の2カ所の垂直部を支持部材5mの枢支
部5p,5pの外側に跨ぐようにして被せ、枢支軸5h
を駆動片5bの枢支孔5d,5dおよび枢支部5pの軸
孔5q,5qを貫通させるように挿入する。これによ
り、駆動片5bは枢支軸5hの回りに所定角度だけ揺動
可能な状態で支持部材5mに取り付けられる。
【0030】移動側板状部材23は、図1,2に示すよ
うに円板形であり、周辺部には垂直に切り起こされた係
合部33が設けられている。この係合部33は円板の接
線方向へ向けて設けられ、係合部33の中央は切り欠か
れて溝状部33aを形成している。この溝状部33aの
一方(図の右側)の側縁は傾斜させて被押圧部33bを
形成している。また、係合部33の左端部には、後述す
るバネSの一端を固定する開口33cが設けられてい
る。この移動側板状部材23の中心には、固定側板状部
材22に対して回転可能に取り付けるための軸挿通孔2
5が設けられている。また、円板面には略3角形の開口
26が軸挿通孔25を中心として等間隔で放射状に設け
られ、円板の周辺近傍には、略長方形の開口27が軸挿
通孔25を中心として等間隔で放射状に設けられてい
る。
【0031】一方、固定側板状部材22は、図2に示す
ように長方形状をしており、中央部には移動側板状部材
23を回転可能に取り付けるための軸挿通孔25’が設
けられている。また、移動側板状部材23の開口26,
27と対応させて、軸挿通孔25’を中心として放射状
に略三角形の開口26’および略長方形の開口27’が
等間隔に設けられている。
【0032】本実施形態の空気量調節部材5aは、この
ような構成の移動側板状部材23を固定側板状部材22
へ回転可能に取り付けて構成される。則ち、移動側板状
部材23の軸挿通孔25を固定側板状部材22の軸挿通
孔25’に合わせて固定具(不図示)で回転可能に取り
付けることにより、移動側板状部材23は固定側板状部
材22の上で自由に回転できる。従って、ある回転位置
では開口26,27と開口26’,27’とが一致して
開口面積が最大となり、別の回転位置では開口面積が最
小となる。則ち、移動側板状部材の回転位置を変化させ
ることにより、開口面積を最小から最大まで自由に変化
させることができる。これにより、移動側板状部材23
および固定側板状部材22の上下方向への空気流量を調
節するものである。
【0033】組み立てられた空気量調節部材5aは、図
3に示すように、固定側板状部材22に移動側板状部材
23が回転可能に取り付けられ、移動側板状部材23の
近傍には、駆動片5bを枢支した支持部材5mが固定側
板状部材22に取付固定されている。そして、駆動片5
bの押圧部5eが移動側板状部材23の係合部33に設
けられた被押圧部33bに当接している。固定側板状部
材22の周縁は箱体(ケース部)13で囲まれており、
ステップモータ121の回転軸5tは、箱体13に設け
られた開口13aを通して駆動片5bの嵌合孔5cに嵌
合している。また、移動側板状部材23の係合部33に
設けられた開口33cと固定側板状部材22の係止部2
2aとの間にはバネSが取り付けられて、移動側板状部
材23を固定側板状部材22に対して左回り方向へ付勢
している。
【0034】次に、このような構成の空気量調節部材5
aの動作を、図3の斜視図および図4の動作説明図を参
照して説明する。図4(a)〜(c)は、図3における
駆動片5bの近傍を枢支軸5hの軸方向から見た拡大図
である。本実施形態の空気量調節部材5aは、図4
(a)〜(c)に示すように、駆動片5bが枢支軸5h
の回りに左右方向へ所定角度だけ揺動(回動)可能とさ
れている。言い換えれば、駆動片5bが所定角度だけ揺
動すると、支持部材5mの枢支部5Pに当接して揺動が
停止される構成としている。従って、ステップモータ1
21の回転角度も駆動片5bの揺動可能な角度の範囲に
調整されているものとして説明する。
【0035】燃焼装置の制御部(不図示)によって、
ステップモータ121に供給空気量を低減させる制御信
号が伝送されると、ステップモータ121は図において
時計方向に回転し、図4(a)に示すように、駆動片5
bの押圧部5eは左端に位置する。一方、移動側板状部
材23の係合部33はバネSによって左方に付勢され
る。これにより、係合部33の被押圧部33bは駆動片
5bの押圧部5eに当接した状態で停止している。この
状態では、移動側板状部材23と固定側板状部材22と
の間に形成される開口面積が最小となり、供給空気量は
最も低い状態である。
【0036】供給空気量を増大する制御信号がステッ
プモータ121に伝送されると、ステップモータ121
は供給空気量を増大する方向(図において反時計方向)
へ向けて回転する。すると、図4(b)に示すように、
駆動片5bの押圧部5eは係合部33の被押圧部33b
をバネSの付勢力に抗して右方へ押圧しながら回動す
る。これにより、移動側板状部材23の係合部33が略
接線方向へ押圧移動され、移動側板状部材23が回転す
る。この状態では、移動側板状部材23と固定側板状部
材22との間に形成される開口面積が略50%となり、
図4(a)に示す状態に比べて供給される空気量は増加
する。
【0037】燃焼装置の制御部(不図示)によって、
更に空気量を増大するための制御信号がステップモータ
121に伝送されると、ステップモータ121は時計方
向へ向けて更に回転する。これにより、図4(c)に示
すように、駆動片5bの押圧部5eは係合部33の被押
圧部33bをバネSの付勢力に抗して更に右方へ押圧し
ながら回動する。この状態では、移動側板状部材23と
固定側板状部材22との間に形成される開口面積が最大
となり、供給される空気量は最大となる。以上の動作説
明では、空気の供給量を増加する場合を示したが、空気
供給量を低減する場合は、駆動片5bが時計方向に回転
することによって係合部33が左方へ移動して開口面積
を減少させる動作を行う。
【0038】則ち、本実施形態の空気量調節部材5a
は、駆動片5bの回転(揺動)運動を、移動側板状部材
23の係合部33に加えて略接線方向に向けた直線運動
に変換する極めて簡単な構造によって、開口面積を効率
良く増減制御させている。また、駆動片5bによって移
動側板状部材23の周辺部に設けられた係合部33を押
圧駆動するので、駆動片5bの回転角度に比べて移動側
板状部材23の回転角度を充分に小さくすることができ
る。これにより、移動側板状部材23を微調整可能であ
ると共に、駆動片5bを駆動するための駆動トルクを低
減できる。また、移動側板状部材23の係合部33がバ
ネSによって常に左方へ向けて付勢されるので、駆動片
5bの回動位置に関わらず、常に駆動片5bの押圧部5
eが係合部33の被押圧部33bと当接する。これによ
り、駆動片5bの回転位置によって係合部33の位置、
則ち、移動側板状部材23の位置が一義的に定まり、バ
ックラッシュの発生がなくなる。
【0039】ここで、図4(a),(b)に示した、駆
動片5bによって係合部33が押圧駆動される状態を、
図5を参照して更に詳細に考察する。図5(a)に示す
ように、駆動片5bを反時計方向へ回動させて、押圧部
5eで係合部33の被押圧部33bを押圧すると、被押
圧部33bは傾斜面に垂直な方向へ向けて押圧力F1を
受けると共に、押圧部5eと被押圧部33bとの間に生
じる摩擦力F2を傾斜面に沿った上方向へ向けて受け
る。従って、摩擦力F2の垂直方向成分F2aによって
係合部33は上方へ向かう力を受けるが、同時に係合部
33は、押圧力F1の垂直方向成分F1aによって下方
へ向かう力を受ける。この垂直方向成分F1aはF2a
よりも大きいので、結果として、係合部33は固定側板
状部材22側へ押しつけられて浮き上がりが防止され
る。
【0040】図5(b)に示す場合も同様に、この押圧
力F1の垂直方向成分F1aが、摩擦力F2の垂直方向
成分F2aよりも大きいので、係合部33は固定側板状
部材22側へ押しつけられて浮き上がりが防止される。
則ち、係合部33の被押圧部33bを傾斜させずに垂直
とした構成では、押圧力F1によって生じる垂直下方方
向の成分が発生しないので、摩擦力F2によって係合部
33が浮き上がる不具合が生じる。本実施形態では、こ
のような不具合を、被押圧部33bを傾斜させるだけの
簡単な構成で効果的に防止している。尚、本実施形態で
は、カム状の駆動片5bを用いた構成として説明した
が、本発明はこのような構成に限られるものではない。
例えば、歯車状の駆動片5bを移動側板状部材23に設
けた平面歯に係合させて駆動するような種々の構成を採
ることも可能である。
【0041】図6は、本発明の別の実施形態に係る空気
量調節部材5uを示す斜視図であり、前記した空気量調
節部材5aと同一構成部分には同一符号を付して重複し
た説明を省略する。この空気量調節部材5uでは、駆動
源としてステップモータ(不図示)を内蔵した汎用のロ
ータリ駆動ユニット5vを用いている。この例では、移
動側板状部材23の周辺部には係合ピン33dを設けて
係合部33を形成している。また、ロータリ駆動ユニッ
ト5vの駆動軸5wにはレバー5xが取り付けられ、レ
バー5xの先端には長手方向へ向けて係合スリット5y
が設けられている。そして、係合部33の係合ピン33
dをレバー5xの係合スリット5yに係合させた構成と
している。このような構成の空気量調節部材5uでは、
ロータリ駆動ユニット5vの駆動軸5wを回転駆動する
と、回転軸5wに固定されたレバー5xが回動する。こ
れにより、レバー5xの係合スリット5yに係合した係
合ピン33dがレバー5xの回転に応じて左方または右
方に押圧されて移動側板状部材23を回転させるもので
ある。この例においても、レバー5xの回転(揺動)運
動を、移動側板状部材23の係合部33に加えて略接線
方向に向けた直線運動に変換して開口面積を効率良く増
減制御でき、構造も極めて簡単になる。また、レバー5
xによって移動側板状部材23の周辺部に設けられた係
合部33を押圧駆動するので、レバー5xの回転角度に
比べて移動側板状部材23の回転角度を充分に小さくす
ることができ、移動側板状部材23を微調整可能である
と共に、ロータリ駆動ユニット5vに要求される駆動ト
ルクを低減できる。
【0042】本実施形態によれば、このような極めて簡
単な構成によって開口面積を微小変化させることがで
き、NOXを低減した安定した燃焼を行うための空気供
給に対応可能となる。尚、本実施形態では、レバー5x
の係合スリット5yと係合ピン33dとの隙間を少なく
しているのでバックラッシュは少ない。しかし、隙間が
多い場合には、前記したように、移動側板状部材23を
付勢するバネSを設けた構成として、バックラッシュの
発生を抑えることができる。
【0043】
【実施例】次に、本発明の空気量調節部材を燃焼装置に
採用した実施例を説明する。なお以下の説明において上
下の関係は、燃焼装置を給湯器等に設置した状態を基準
とする。図7は、本発明の燃焼装置を内蔵する給湯器の
断面図である。図8は、本発明の実施例の燃焼装置の正
面図及び箱体の開口部分の斜視図である。図9は、本発
明の実施例の燃焼装置の断面図である。図10は、本発
明の実施例の燃焼装置の全体の分解斜視図である。図1
1は、図8の燃焼装置の流路形成部材周辺の分解斜視図
である。図12は、流路形成部材に燃料供給管を取り付
ける際の構成を示す斜視図である。 図13は、図8の
燃焼装置の燃焼部近傍を上から見た斜視図である。図1
4は、図8の燃焼装置で採用する空気量調節部の固定側
板状部材の正面図である。図15は、図14の固定側板
状部材の側面図である。図16は、図8の燃焼装置で採
用する空気量調節部の移動側板状部材の正面図である。
図17は、図8の燃焼装置で採用する空気量調節部の正
面図であり、開口を開いた状態を示す。図18は、図8
の燃焼装置で採用する空気量調節部の正面図であり、開
口を閉じた状態を示す。図19は、図8の燃焼装置で採
用する分流部材の正面図である。
【0044】また、図20は、図8の燃焼装置で採用す
る炎孔ベースの上面側(気体流路側)の図面である。図
21は、図20の炎孔ベースの下面側(炎孔側)の図面
である。図22は、図8の燃焼装置で採用する炎孔ベー
スと、炎孔部材、網状部材及び補炎部材を組み合わせた
状態の正面図である。図23は、炎孔部材の正面図であ
る。図24は、網状部材の正面図である。図25は、補
炎部材の正面図である。図26は、図25のA−A断面
図である。図27は、図8の燃焼装置で採用するロータ
リーカップの正面図及び平面図である。図28は、図2
1のA−A断面図である。図29は、図21のB−B断
面図である。図30は、図8の燃焼装置で採用する炎孔
ベースの気体流路側の構成を説明する説明図である。図
31は、図8の燃焼装置の炎孔近傍を下側から見た斜視
図である。図32は、燃料ガスの流れを説明する説明図
である。図33は、二次空気の流れを説明する説明図で
ある。図34は、炎孔部材と網状部材及び補炎部材の重
ね合わせ構造を示す斜視図である。図35は、図8の燃
焼装置を下側から見た概略斜視図である。図36は、本
発明の他の実施例の燃焼装置を下側から見た概略斜視図
である。図37(a)は、図8の燃焼装置の点火装置取
り付け部分の拡大図であり、(b)はその変形例であ
る。
【0045】図7〜10において、1は、本発明の実施
例の燃焼装置を示す。本実施例の燃焼装置1は、図の様
に炎孔を下に向けて給湯器21に内蔵されるものであ
り、上から送風機2、駆動機械部3、空気量調節部5、
混合部6及び燃焼部7が順次積み重ねられて作られたも
のである。また混合部6及び燃焼部7の近傍に気化部8
が設けられている。さらに空気量調節部5と気化部8の
間は、流路形成部材70によって接続されている。尚、
本実施例では、空気量調節部5は整流手段の機能を兼ね
る。また、空気量調節部5は、前記図1〜図5で示した
空気量調節部材5aを用いて構成しており、同一部分に
は同一の符号を付すと共に、説明に際しては、空気量調
節部5と空気量調節部材5aとを同一として扱ってい
る。
【0046】上部側から順次説明すると、送風機2は、
鋼板を曲げ加工して作られた凹状のハウジング10の中
にファン11が回転可能に配されたものである。ハウジ
ング10の中央部には、開口12が設けられている。
【0047】駆動機械部3は、箱体13を有し、その天
板15の中央にモータ16が取り付けられている。モー
タ16は、両端部から回転軸17,18が突出してお
り、回転軸17,18は、燃焼装置1の略全長を貫通し
ている。そして後記する様に、モータ16の上方側の回
転軸17は、ファン11に接続され、下方側の回転軸1
8は、気化部8のロータリーカップ(回転部材)63に
接続されている。また駆動機械部3には、温度センサー
32が設けられている。
【0048】空気量調節部5は、図3,図10の様に移
動側板状部材23と固定側板状部材22によって構成さ
れている。移動側板状部材23は、図10、図16の様
に円板状をしており、中央に軸挿通孔25が設けられて
いる。そしてその周囲に空気孔となる開口26,27が
設けられている。空気孔となる開口26,27は、概ね
内外二重のエリアに分かれて設けられている。中心側の
エリアに設けられた開口26は、略三角形であり、12
個、等間隔に設けられている。一方、外側を取り巻くエ
リアに設けられた開口27は12個であり、略長方形の
溝状である。上記した様に、移動側板状部材23には、
2種類の開口26,27が設けられているが、これらの
周方向の辺は、いずれも移動側板状部材23の中心と同
一中心の円弧である。
【0049】また移動側板状部材23の一部には、図
2,図10の様な係合部33が設けられている。係合部
33は、図2の様に開口が設けられた部位から垂直方向
に折り曲げられた垂直壁を持ち、当該垂直壁に切り欠き
部33aが設けられたものである。
【0050】一方、空気量調節部5の固定側板状部材2
2は、図2,図14に示すように長方形の板体であり、
周囲が折り返されてフランジ部24が設けられている。
固定側板状部材22の面積は、前記した移動側板状部材
23よりも大きく、両者を重ねたとき、移動側板状部材
23は固定側板状部材22にすっぽりと覆われる。逆に
いえば、固定側板状部材22の端部は移動側板状部材2
3からはみ出す。
【0051】板状の部位の中心部分には、前記した移動
側板状部材23と略同一形状の開口が設けられている。
即ち空気量調節部5の固定側板状部材22には、中央に
軸挿通孔25’が設けられている。そしてその周囲に空
気孔となる開口が二重のエリアに分かれて設けられてい
る。中心側のエリアに設けられた開口26’は、略三角
形であり、12個、等間隔に設けられている。外側のエ
リアにも12個の開口27’が設けられているが、外側
の開口はいずれも略長方形の溝状のものである。固定側
板状部材22の他の部位には、多数の小孔31が設けら
れている。小孔31が設けられた位置は、固定側板状部
材22の上に移動側板状部材23を重ねた時に、両者が
重複しない部位である。即ち小孔31は、固定側板状部
材22のはみ出し部分に設けられている。
【0052】空気量調節部5は、図3,10,14に示
すように、固定側板状部材22の上に移動側板状部材2
3が重ねられている。空気量調節部5は、全体として平
面的である。また駆動片5bを駆動するステップモータ
121が燃焼装置1のハウジングに図8,9に示す様に
外付けされており、図3に示すように、当該モータ12
1の回転軸5tが駆動片5bの嵌合孔5cと係合してい
る。
【0053】移動側板状部材23は、固定側板状部材2
2の上にあり、中央の軸挿通孔25を中心として相対的
に回転可能である。また図8,9に示す外付けされたス
テップモータ121を回転させると、前記したように駆
動片5bが枢支軸5hを中心として揺動し、移動側板状
部材23の係合部33を動かす。その結果、移動側板状
部材23が、固定側板状部材22の上で中央の軸挿通孔
25を中心として相対的に回転する。移動側板状部材2
3の回転により、移動側板状部材23と固定側板状部材
22を連通する開口の面積が変化し、これによって空気
量が調節される。
【0054】流路形成部材70は、薄板を曲げて作られ
たものであり、図9,11の様に円錐形をしている。流
路形成部材70の内部は空洞であり、上下に連通してい
る。即ち流路形成部材70は、上部と下部に開口54,
83を持ち、両者は連通している。流路形成部材70の
上部の開口54は、前記した移動側板状部材23の中心
側のエリアの直径に等しい。また下部の開口83は、後
記する分流部材35の中央の開口37の直径に等しい。
また前記した様に流路形成部材70は円錐形をしてお
り、上部の開口54は、下部の開口83に対して相当に
大きい。より具体的には、上部の開口54の直径は、下
部のそれの1.5倍以上の大きさを持つ。またより好ま
しくは、上部の開口54の直径は、下部のそれの2倍以
上である。
【0055】流路形成部材70の上下の開口には、それ
ぞれフランジ55,56が設けられている。流路形成部
材70の内側には、燃料パイプ(燃料供給管)79が固
定されている。即ち燃料パイプ79は、図11の様に上
部の開口54側から流路形成部材70の内部に入る。こ
こで流路形成部材70の燃料パイプ79の導入部位にお
いては、図11の様にフランジ55の一部が燃料パイプ
79の外周に沿って円形に変形されている。また燃料パ
イプ79は、図12に示す取り付け金具62によって流
路形成部材70の内壁に沿って配管されている。即ち燃
料パイプ79は、流路形成部材70の母線に沿うと共に
流路形成部材70の内壁に密着して配管されている。
【0056】混合部6、燃焼部7及び気化部8は、分流
部材35と炎孔ベース36を中心として構成され、これ
に気化室60と炎孔部材51,網状部材77及び補炎部
材78が設けられて作られている。そしてこれらの構成
部品がハウジング122内に収納されたものである。
【0057】即ち分流部材35は、図19に示すよう
に、長方形をした板状の部材であり、中央に大きな開口
37が設けられている。また周部には、小さな開口4
0,89,90が多数設けられている。但し本実施例で
は、小さな開口は、内外二箇所のエリアに分かれて分布
している。即ち二点鎖線で囲んだ内側のエリアには、小
さな開口40が列となって長手方向に連なって設けられ
ている。一方、二点鎖線の外側のエリアには、二列且つ
環状に開口89,90が設けられている。分流部材35
の面積は、後記する炎孔ベース36の面積よりも大き
い。
【0058】炎孔ベース36は、アルミダイカストによ
って作られたものであり、図20,21の様に長方形を
している。そして炎孔ベース36には、複雑な枠組と開
口及び溝が設けられている。炎孔ベース36の上面側
は、主として燃料ガス及び二次空気の流路構成面として
機能し、下面側は炎孔取付け面として機能する。即ち炎
孔ベース36は、外周を囲む外側燃焼壁41を持つ。こ
の外側燃焼壁41の内部は、実際に火炎が発生する部分
であり、燃焼部7として機能する。外側燃焼壁41に
は、図13,28,29,32,33に示すように孔
(開口)53が設けられている。
【0059】さらに外側燃焼壁41内は、図13,2
0,21,28,29の様に、多数の垂直壁50によっ
て仕切られて設けられた溝48が設けられている。そし
て溝48を構成する垂直壁50は、図13,30の様に
二組づつがループを構成していて、島状の部位75を形
成している。即ち外側燃焼壁41内には、ループ状に閉
塞された垂直壁50の組によって構成される閉塞された
溝48aと、それ以外の開放された溝48bを持つ。そ
して島状の部位75は、図13,30の様に長手方向に
部分的に切れており、当該切れ目52の部分で島状以外
の部位の溝48b同士が連通している。
【0060】また図13,28,29の様に、炎孔ベー
ス36の上面側(流路構成面側)には、中央部と、島状
の部位75の切れ目部分を除いて天井壁57が設けられ
ている。但し、前記した垂直壁50で構成された島状の
部位75の溝48aの上部については、天井壁57に開
口58が設けられている。垂直壁50同士の島を構成し
ない部位の溝48bの上部には開口はない。また各溝4
8は、いずれも炎孔ベース36の下面側(炎孔取付け面
側)に連通している。従って島によって囲まれた溝48
aは、図33の様に上部の天井壁57に開口58が設け
られていると共に下面側(炎孔取付け面側)にも開放さ
れているから、炎孔ベース36を上下方向(厚さ方向)
に貫通する。一方、島を構成しない溝48bは、図32
の様に上部側が天井壁57によって閉塞され、下面側
(炎孔取付け面側)にのみ連通する。なお、島状の部位
75の切れ目52部分については、垂直壁50の底側
(炎孔取付け面側)同士が繋がり、さらに当該部位に炎
孔部材51等を取り付けるための突起38が設けられて
いる。
【0061】炎孔ベース36の中央部には、図30に示
すように開口82が設けられている。そして開口82の
内部には、8本のリブ66が設けられ、中央に一次空気
導入筒88が支持されている。本実施例の燃焼装置1で
は、この一次空気導入筒88及びリブ66は、炎孔ベー
ス36と一体的に成形されたものである。また炎孔ベー
ス36の下面側(炎孔取付け面側)であって、開口82
の近傍には、炎孔ベース36の長手方向にのびる内壁4
3が設けられている。内壁43の高さは、前記した外側
燃焼壁41の高さと等しい。さらに炎孔ベース36の下
面側(炎孔取付け面側)であって、気化室60の開口4
7の近傍には、炎孔ベース36の短手方向に延びる内壁
59が設けられている。これらの内壁43,59は、燃
焼部7から熱を受けて炎孔ベース36を保温し、燃料の
再液化を防ぐものである。
【0062】次に炎孔部材51について説明する。炎孔
部材51は、図23の様に略長方形の板状であり、気化
室用の開口76と、空気孔71と炎孔72及び取付孔1
50が設けられたものである。即ち炎孔部材51は、中
央に略四角形の気化室用の開口76を持つ。また炎孔部
材51は、板をプレスすることによって多数の長孔(空
気孔)71と小孔(炎孔たる開口)72を設け、これら
によって炎孔列aと空気孔列bが形成されている。また
空気孔列bの長孔(空気孔)71同士の間に、取付孔1
50が設けられている。即ち図23に示される多数の長
孔71は、空気孔である。長孔(空気孔)71は、長手
方向に並べられ、さらにそれが10列に渡って設けられ
ている。そして各列の長孔(空気孔)71に、取付孔1
50がある。また取付孔150は、周部にも設けられて
いる。一方、小孔72は炎孔として機能する。小孔(炎
孔)72は、図の様に小さな長孔状であり、炎孔列aの
中心軸に対して千鳥状に設けられている。本実施例で
は、炎孔列aは11列設けられており、前記した空気孔
列bと互い違いに隣接して配されている。
【0063】網状部材77は、細い金属糸で網目状に構
成したもので、前記した炎孔部材51と略同一の面積を
持つものであり、図24に示すように略長方形をしてい
る。網状部材77には、前記した炎孔部材51の気化室
用の開口76に相当する部位に開口69が設けられてい
る。また網状部材77の前記した炎孔部材51の炎孔列
に相当する部分は、浅い溝155が列状に設けられてい
る。さらに網状部材77には、前記した炎孔部材51の
長孔(空気孔)71に相当する部位に長孔73が設けら
れている。また長孔73の周囲(図34の斜線の濃い部
分)には、シール剤が塗布されている。シール剤74が
塗布されているのは、炎孔ベース36の垂直壁50の端
面と当接する部位である。さらに炎孔部材51の取付孔
150に相当する部位に取付孔151が設けられてい
る。
【0064】補炎部材78は、図25の様な長方形をし
ており、前記した炎孔部材51及び網状部材77と同様
に中央に開口68が設けられている。また補炎部材78
には、長孔65と列状に並んだ丸孔67が設けられてい
る。補炎部材78の長孔65は、前記した炎孔部材51
の炎孔を構成する小孔72が設けられたエリアに相当す
る部位にある。一方、丸孔67は、炎孔部材51の、長
孔(空気孔)71に相当する部位に設けられている。こ
の丸孔67の多くは、前記した炎孔ベース36の突起3
8よりも小さく、丸孔67の多くには突起38は入らな
い。しかしながら炎孔ベース36の突起38に相当する
位置(炎孔部材51の取付孔150)に相当する位置の
孔152だけは他の孔よりも大きく、炎孔ベース36の
突起38が挿通可能である。また前記した補炎部材78
の長孔65の周囲は、図26の様に約45°に曲げられ
ている。当該折り曲げ部68は、火炎の基端部を保持す
る効果を発揮するものである。
【0065】炎孔部材51は、図10,13,34の様
に、網状部材77を及び補炎部材78と共に炎孔ベース
36の下面に配され、炎孔ベース36に設けられた突起
38によって炎孔ベース36の下面に取り付けられてい
る。即ち図34に示すように炎孔ベースに網状部材77
が接し、さらにそれに重ねて炎孔部材51が配され、最
後に補炎部材78が設けられる。このとき、炎孔ベース
36に設けられた突起38に、網状部材77の取付孔1
51、炎孔部材51の取付孔150及び補炎部材78の
取付孔152が挿通されて位置決めがなされる(図2
9)。そして所定の治具によって炎孔ベース36に設け
られた突起38をかしめて変形させる。
【0066】こうして位置決め及び取付が成された状態
では、炎孔部材51の空気孔列bは、炎孔ベース36の
垂直壁50によって構成される島状の部位75によって
構成される溝48aの真下に位置する。なお空気孔列b
と島状の部位75によって構成される溝48aの間には
網状部材77が介在されるが、当該部位は図34の様に
網状部材77の長孔73に相当する。また炎孔部材51
の空気孔列bの外側(下部側)には補炎部材78が存在
するが、当該部位は、補炎部材78の丸孔67が位置す
る。そのため島状の部位75は、網状部材77の長孔7
3、炎孔部材51の空気孔列b及び補炎部材78の丸孔
67を経て外部と連通する。
【0067】一方、島状を構成していない組み合わせの
垂直壁50によって挟まれた溝48bの真下には、炎孔
部材51の炎孔列aが位置する。炎孔部材51の炎孔列
aと島状を構成していない組み合わせの垂直壁50によ
って挟まれた溝48bの間には網状部材77が介在され
る。また炎孔部材51の炎孔列aの外側(下部側)には
補炎部材78が存在するが、当該部位は、補炎部材78
の長孔65が位置する。そのため島状を構成していない
組み合わせの部位は、網状部材77の溝155部の網
目、炎孔部材51の炎孔列a及び補炎部材78の長孔6
5を経て外部と連通する。ここで、網状部材77の炎孔
ベース36の垂直壁50の端面と当接する部位にはシー
ル剤が塗布されているので、垂直壁50部位におけるガ
スの横方向の流通は無い。
【0068】炎孔ベース36の裏面には、図10の様に
分流部材35が装着されている。なお、分流部材35の
面積は、前記した様に炎孔ベース36よりも大きく、分
流部材35は、図22の様に炎孔ベースからはみ出す。
炎孔ベース36の上面側(流路形成側)では、前記した
ように垂直壁50は、図10,23の様に二組づつがル
ープを構成していて、島状の部位75を形成し、さらに
垂直壁50の突端部分に分流部材35が当接しているの
で、島状の部位75によって形成される溝48aは他の
部位から隔離されている。即ち、島状の部位75の溝4
8aと他の部位との間に通気性はない。従って、前記し
た様に島状の部位75以外の部位は気化した燃料ガスと
空気との混合を促進しつつ炎孔部材51に混合ガスを送
る流路として機能する。また当該部位は、混合部6とし
ても機能する。島状の部位75によって囲まれた溝48
aは、二次空気流路として機能する。
【0069】分流部材35の中央の大きな開口37は、
炎孔ベース36の中央に設けられた一次空気導入筒88
と連通する。また分流部材35のその他の開口40,8
9,90の内、列となって設けられている開口40は、
炎孔ベース36の島状を構成する組み合わせの垂直壁5
0同士の間の部位に位置する。即ち分流部材35の小さ
な開口40は、二次空気流路たる島状の部位75によっ
て囲まれた溝48aに開口する。炎孔部材51に設けら
れた島状を構成していない組み合わせの垂直壁同士の間
には、分流部材35の開口は無い。即ち混合部6には分
流部材35の開口は無い。
【0070】また分流部材35の面積は、前記した様に
炎孔ベース36よりも大きく、分流部材35を炎孔ベー
ス36に装着した状態の時、図22の様に分流部材35
は、炎孔ベースからはみ出す。そしてこの状態では、分
流部材35の外側のエリアに設けられた開口89,90
は、いずれも炎孔ベース36の外側に露出する。
【0071】炎孔ベース36と分流部材35は、上記し
た状態に組み合わされ、ハウジング122内に配置され
ている。ハウジング122は、外形が略四角形の箱であ
るが、内部が二重構造となっている。即ちハウジング1
22の内部には、全面に遮熱壁85が設けられいる。遮
熱壁85は、4面が組合わさっていて四角形の筒状を呈
し、支持部材86によってハウジング122の外壁部1
00の内面に取りつけられている。遮熱壁85の下端
は、内側に向かって90°に折り返され、内側向きのフ
ランジ102が形成されている。ハウジング122の外
壁部100と、遮熱壁85との間には空気流路101と
なる空隙が形成されている。
【0072】炎孔ベース36と分流部材35は、上記し
たハウジング122に配置されるが、炎孔ベース36の
外周を囲む外側燃焼壁41は、ハウジング122内部の
遮熱壁85よりも更に小さく、炎孔ベース36の外側燃
焼壁41と遮熱壁85の間にも空気流路103となる空
隙が形成される。また分流部材35の、炎孔ベース36
からはみ出した部位の孔89,90の内、外側の孔90
は、ハウジング122と遮熱壁85の間に形成される空
気流路101と連通し、内側の孔89は、炎孔ベース3
6の外側燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気
流路103と連通する。
【0073】次に気化部8について説明する。気化部8
は、気化室60と、ロータリーカップ(回転部材)63
によって構成されている。また気化室60は、図9,1
0,13,31の様に底部91と周部92を持つ円筒体
であり、底部91は閉塞し、上部は開口している。即ち
気化室60は窪んだ形状をしており、底部91及び周部
92は閉塞していて気密・水密性を持ち、上部は開放さ
れている。気化室60は、前記した様に底部91及び周
部92を持ち、あたかもコップの様な形状をしていて、
図9,10,13,31の様に、炎孔ベース36の中央
の開口82部分に取り付けられている。気化室60の位
置は、炎孔ベース36の内壁43に囲まれた部位であっ
て炎孔ベース36の中央にあり、炎孔(小孔72)に囲
まれていて燃焼部7に近接して位置する。また気化室6
0の大部分は、燃焼部7側に露出する。より具体的に
は、気化室60の底部91の全部と、周部92の大部分
が燃焼部7側に露出する。従って後記する様に燃焼時に
は炎孔(小孔72)から発生する火炎により、気化室6
0が外側から加熱される。
【0074】また前記した気化室60の底部91内に
は、電気ヒータ64が内蔵されている。即ち気化室60
の底部91は加熱機能を持つ。電気ヒータ64に通電す
ることにより、底部91が発熱し、さらにこの熱が気化
室60の壁を伝導し、気化室60の内壁が全体的に加熱
される。また気化室60には、温度センサー61が埋め
込まれている。
【0075】ロータリーカップ63は、底部91と周部
92を持つ有底の円筒形をしている。但し、ロータリー
カップ63の底部には、9個の孔が設けられている。こ
の内、中央に設けられた孔95は、半円形状をしてお
り、図31の様に回転軸18が取り付けられるものであ
る。一方、周囲の9個の孔87は、円形であり、灯油等
の液体燃料を落下させるための孔である。またロータリ
ーカップ63の底部と周部との境の角の部分にも、12
個の開口97が設けられている。
【0076】さらにロータリーカップ63の周部には、
12個のスリット98が設けられている。スリット98
は、いずれもロータリーカップ63の上端側に開口して
いる。またスリット98の形状は、略三角形である。ま
たスリットの一辺には、図9,10,27の様に内側に
折り返された羽根部99が設けられている。即ちスリッ
ト98は、ロータリーカップ63の側面に斜め方向にス
リットを設け、そのスリットの一方の縁を内側に折り返
して羽根部99を形成させたものである。そしてロータ
リーカップ63の下部中央の開口87には、一次空気導
入筒88が挿入されている。一次空気導入筒88の最先
端(下側)の開口部の位置は、気化室60の内部に位置
する。
【0077】また一次空気導入筒88の内部には、流路
形成部材70から垂下された燃料パイプ79が挿入さ
れ、燃料パイプ79は図9,10の様にロータリーカッ
プ63内に至っている。より具体的に説明すると、燃料
パイプ79はロータリーカップ63の上部の開口から真
っ直ぐに垂下され、上からロータリーカップ63内に至
る。そして燃料パイプ79からロータリーカップ63の
底部に灯油等の液体燃料が滴下される。
【0078】次に、本実施例の燃焼装置1の各部の組み
立て構造について説明する。本実施例の燃焼装置1は、
最初に説明した様に、送風機2、駆動機械部3、空気量
調節部5が中心軸を一致させて順次積み重ねられたもの
であり、駆動機械部3の天板15に送風機2が直接的に
ネジ止めされている。即ち本実施例では、送風機2の回
転中心と空気量調節部5の軸挿通孔25(移動側板状部
材23の回転中心)とロータリーカップ63の回転中心
が同一軸線上に直線的に並べられている。
【0079】そして駆動機械部3の上部に空気量調節部
5がネジ止めされている。また空気量調節部5の下部に
は、混合部6及び燃焼部7が設けられているが、混合部
6と空気量調節部5の境界たる分流部材35に、円錐形
の流路形成部材70が設けられている。即ち前記した様
に空気量調節部5の中心部に、パッキン80を介して流
路形成部材70の大きいほうの開口54が取り付けられ
ている。一方、分流部材35の中心部の開口37にはパ
ッキン81を介して空気量調節部5の小さいほうの開口
83が接続されている。なおこれらのパッキン80,8
1は、断熱性に優れ、且つ灯油等の液体燃料がしみ込ま
ないものが望ましい。具体的に、パッキンの素材には、
シリコンが採用されている。
【0080】流路形成部材70の中心軸は、空気量調節
部5の移動側板状部材23のそれと一致し、且つ前記し
た様に流路形成部材70の開口54の直径は、移動側板
状部材23の中心側のエリアの直径に略等しいので、流
路形成部材70は移動側板状部材23の中心側のエリア
を覆う様に位置することとなる。従って移動側板状部材
23の中心側のエリアから排出された空気は、流路形成
部材70によって捕捉される。また流路形成部材70の
開口端にはフランジ55が設けられており、さらにフラ
ンジ55と空気量調節部5の間にはパッキン80が介在
されているので、空気の漏れはなく、移動側板状部材2
3の中心側のエリアから排出された空気は、漏れなく流
路形成部材70の中に入る。そして流路形成部材70の
他方の開口83は、パッキン81を介して分流部材35
に取り付けられ、前記した一次空気導入筒88に直接的
に連通し、一次空気導入筒88は前述の様に直接的に気
化部8の気化室60内に開口している。従って移動側板
状部材23の中心側のエリアの開口群から排出された空
気は、前記した様に主として流路形成部材70によって
捕捉され、一次空気導入筒88を経由して直接的に気化
部8の気化室60内に一次空気として導入される。
【0081】また駆動機械部3のモータ16の回転軸1
8は、空気量調節部5の中央の軸挿通孔25,25’を
連通して流路形成部材70(一次空気導入筒88)を通
過し、気化室60のロータリーカップ63に接続されて
いる。従ってロータリーカップ63は、モータ16の動
力によって回転する。またモータ16の後端側の回転軸
17は、ファン11にも接続されているから、本実施例
では、単一のモータ16によって気化部8のロータリー
カップ63とファン11の双方が駆動される。なお軸挿
通孔25は、移動側板状部材23の回転中心でもあるか
ら、移動側板状部材23が回転する際に移動することは
ない。そのため軸挿通孔25,25’にモータ16の回
転軸18があっても、移動側板状部材23の回転の妨げ
とならない。
【0082】また電気ヒータ64の配線及び気化室60
の温度センサー61の配管は、空気量調節部5と分流部
材35の間の空隙105を通り、側面に設けられた開口
106(図8)から外部に引き出される。より詳細に説
明すると、箱体13の側面であって空気量調節部5と分
流部材35の中間部分には、図8(b)の様な開口10
6が設けられている。開口106の形状は、大きな長方
形部分110と、小さな円形部分111が合体したもの
である。そして大きな長方形部分110には、図示しな
いネジによって長方形の蓋112が装着される。一方、
円形部分111は、ゴム性の装着具113が嵌め込まれ
る。装着具113は、円盤状であり、外周部に円形孔の
端部が嵌合する溝が114が設けられている他、中央部
に貫通孔115が設けられている。
【0083】当該部分を組み立てる際は、予め装着具1
13の孔に電気ヒータ64等の配線116を通し、面積
の大きい長方形部分110からこれらの配線116を引
き出す。そして装着具113を小さな円形部分111に
嵌め込み、最終的に長方形の蓋112を閉じる。
【0084】空気量調節部5と分流部材35の間の空隙
105は、送風が通過する領域であるから、比較的温度
が低い。そのため電気ヒータ64等の配管の被覆は、耐
熱性の低いもので足る。
【0085】点火装置96は、図9,図37(a)に示
すように、ハウジング122を貫通させ、さらに遮熱壁
85及び炎孔ベース36の外側燃焼壁41に開口12
5,126を設け、三者を貫通して炎孔部に近接させて
いる。また他の方策として、図37(b)の様にハウジ
ング122を貫通させた後、大きく「コ」の字状に曲
げ、遮熱壁85と炎孔ベース36の外側燃焼壁41を跨
ぎ、先端部を炎孔部に近接させて固定してもよい。
【0086】本実施例の燃焼装置1は、炎孔を下に向け
て使用される。以下、燃焼装置1の取付方向について説
明する。本実施例の燃焼装置1は、図7の様な給湯器2
1に使用される。そして燃焼装置1は、熱交換器19が
内蔵された缶体4の上部に設置され、下部の熱交換器1
9に向かって火炎を発生させる。
【0087】次に本実施例の燃焼装置1の機能について
説明する。本実施例の燃焼装置1では、モータ16を起
動してファン11とロータリーカップ63を回転させ
る。ファン11の回転により、図9の矢印の様に送風機
2のハウジング10の中央部に設けられた開口12から
空気が吸い込まれ、空気は駆動機械部3に入る。そして
空気は、駆動機械部3から上部の空気量調節部5を経て
混合部6側に流れるが、本実施例の燃焼装置1では、空
気量調節部5(空気量調節部材5a)によって流量調整
される。
【0088】即ち空気量調節部材5aは、前記した様に
固定側板状部材22の上に移動側板状部材23が回転可
能に重ねられており、両者には略同一形状の開口26,
26’27,27’が設けられている。そして移動側板
状部材23は、外部に取りつけられたステップモータ1
21を回転させることにより、固定側板状部材22に対
して相対的に回転することができる。そのため図18の
様に、両者の開口26,26’27,27’が重なる様
な回転位置にある時は、両者の開口26,26’27,
27’が連通し、空気量調節部5全体として大きな開口
面積を持つこととなる。従って移動側板状部材23が固
定側板状部材22に対して図17の様な位置関係にある
時は、混合部6及び気化部8に大量の空気が送風され
る。なお図17の様な空気量調節部5が全開状態の時、
空気量調節部5の中心側のエリアの開口面積は、他の部
位の開口面積の約2倍となる。
【0089】逆に、図18に示した位置からステップモ
ータ121を回転して移動側板状部材23を回転させる
と、一方の開口と他方の閉塞部が重なり、空気量調節部
5全体としての開口面積が小さくなる。従って移動側板
状部材23が固定側板状部材22に対して図18の様な
位置関係にある時は、混合部6及び気化部8に送風され
る風量は減少する。但し、固定側板状部材22の両脇側
に設けられた開口31は、固定的なものであって閉塞さ
れることはないので、相対的に中心側の開口比率が減少
し、気化部8に送風される空気の比率が減少する。図1
8の様に、閉状態におけるエリアの開口面積は、他の部
位の開口面積の約4分の1である。
【0090】則ち、本実施形態の燃焼装置1では、高出
力燃焼を行なっている場合に、予混合部8に供給される
一次空気の比率が上昇するので、予混合されて炎孔72
から噴射される燃料の濃度が下がる。その結果、混合気
が希薄となり火炎の温度が低下してNOX の排出量が減
少する。なお高出力燃焼を行なっている場合は、火勢が
強いので、炎孔72から噴射される燃料の濃度が低くて
も、火飛び等の悪影響は少ない。高出力燃焼を行なって
いる際の一次空気の比率は、二次空気よりも高いことが
望ましく、理想的には、本実施形態の燃焼装置1で採用
する空気量調節部5を全開にした時のように、(一次空
気:二次空気=2:1)となることが推奨される。一
方、低出力燃焼を行なう場合は、火勢が弱いので燃料濃
度を上昇させざるを得ないが、本実施形態の燃焼装置1
では、燃焼部7に供給される二次空気の比率が増大する
ので、火炎の周囲に多量に二次空気が供給され、二次空
気によって火炎が冷却される。そのため、結果的にNO
X の排出量が抑制される。低出力燃焼を行なっている際
の一次空気の比率は、二次空気よりも低いことが望まし
く、理想的には、本実施形態の燃焼装置1で採用する空
気量調節部5を閉じた時のように、(一次空気:二次空
気=1:4)となることが推奨される。
【0091】本発明者らの実験によると、高出力燃焼時
に供給空気の比率を(一次空気:二次空気=2:1)と
し、低出力燃焼時に供給空気の比率を(一次空気:二次
空気=1:4)とすることにより、全出力領域における
NOX 排出量の平均を100ppm未満とすることがで
きた。
【0092】本実施例の燃焼装置1では、送風機2の送
風量が多い場合は、空気量調節部5を開いて中心側のエ
リアから高い比率で空気を排出する。その結果、気化部
8により多くの割合で空気が導入される。一方、送風機
2の送風量が少ない場合は、図18の様に空気量調節部
5を閉じ、中心側以外の部位から排出される空気の比率
を高める。そして一次空気の比率が減少し、二次空気の
比率が上昇する。
【0093】空気量調節部5を通過した空気は、二つの
方向に別れて下流側に流れる。即ち中心部のエリアを通
過した空気は、直接的に円錐状の流路形成部材70に捕
捉され、これと連通する一次空気導入筒88から気化室
60の中に送風される。ここで本実施例の燃焼装置1で
は、流路形成部材70は、空気量調節部5側の開口54
が気化部側の開口83に比べて大きいから、大量の空気
が流路形成部材70に取り込まれ、気化部8側に送られ
ることとなる。機能的に説明すると、空気量調節部5の
中心側のエリアの開口群によって送風機2から発生する
全送風の一部が一次空気として分離され、面積の大きい
流路形成部材70の上部の開口54に入る。そして流路
形成部材70を流れる内に風速が増加し、分流部材35
の開口37から一次空気導入筒88に入り、気化室60
に供給される。なお本実施例では、流路形成部材70は
円錐形であり、内部がテーパー状であるから、空気が通
過する際の渦損失等が少なく、空気の流れはスムーズで
ある。さらに本実施例の燃焼装置1では、燃料パイプ7
9が流路形成部材70の内側に母線に沿って固定されて
いるので、燃料パイプ79が送風の妨げとならない。そ
のため気化室60に入る空気のパターンは均等的であ
る。また本実施例の燃焼装置1では、燃料パイプ79が
しっかりと固定されているので、ぐらつかず、気化室6
0に入る空気のパターンが変化することもない。
【0094】また送風の他の一部は、分流部材35に列
状に設けられた多数の小口径の開口40の多くから、炎
孔ベース36の島状のループを構成する組み合わせの垂
直壁50同士の間の溝48aに流れる。即ち分流部材3
5に設けられた開口40及び溝48aを経て、燃焼部7
に二次空気が供給される。より具体的には、分流部材3
5の列状の開口40、網状部材77の長孔73、炎孔部
材51の空気孔列b及び補炎部材78の丸孔67を経て
燃焼部7に二次空気が供給される。
【0095】さらに分流部材35の外側のエリアに設け
られた開口89,90を通過した送風は、炎孔ベース3
6の外周部を流れる。具体的には、内側の開口89を通
過した送風は、炎孔ベース36の外側燃焼壁41と遮熱
壁85の間に形成される空気流路103を流れ、遮熱壁
85の下端に設けられたフランジ102と衝突して炎孔
ベース36の内側に向きを変え、燃焼部7側に向かって
流れる。また空気流路103を流れる空気の一部は、外
側燃焼壁41に設けられた孔(開口)53からも炎孔ベ
ース36の内側に流れ込む。上記した炎孔ベース36の
外側燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気流路
103を流れる空気は、遮熱壁85を冷却する作用を持
つ。またこの空気は、フランジ102と衝突して炎孔ベ
ース36の内側に向きを変え、その多くが二次空気とし
て消費される。外側燃焼壁41に設けられた孔(開口)
53からも炎孔ベース36の内側に流れ込む空気も、そ
の多くが二次空気として燃焼に寄与する。
【0096】さらに分流部材35の外側の開口90を通
過した送風は、ハウジング122の外壁部100と遮熱
壁85の間に形成される空気流路101を流れる。当該
空気流路101を流れる空気は、主としてハウジング1
22の外壁部100や下部の熱交換器の外壁を冷やす機
能を果たす。
【0097】そして送風機2の送風により、上記した様
に気化部8内に大量に一次空気が導入され、気化室60
を通風雰囲気とする。また周部92に内蔵された電気ヒ
ータ64に通電して発熱させ、気化室60の内壁全体を
昇温させる。この状態において、燃料パイプ79から灯
油をロータリーカップ63内に滴下する。滴下された灯
油は、ロータリーカップ63から遠心力を受け、ロータ
リーカップのスリット98及び角の部分の開口97から
飛散する。そして飛散した灯油は、ロータリーカップ6
3の周囲に配された気化室60の内面に接触し、熱を受
けて気化する。また灯油の一部は、遠心力によってスリ
ット98及び角の部分の開口97に至る前にロータリー
カップの底の孔87から気化室60の底部91に落下
し、気化室60の底部91に接触し、熱を受けて気化す
る。そしてロータリーカップ63の内面に設けられた羽
根部99によって気化室60内の空気が攪拌され、燃料
ガスと空気との混合が促進される。
【0098】こうして発生した混合ガスは、図13の矢
印の様に、ロータリーカップ63の外壁と気化室60の
周壁92によって形成される空隙94を流れて下流に向
かう。即ち混合ガスは、気化室60の円筒状の周壁92
に沿って一旦上方に流れる。ここで気化室60の開口部
近傍には一次空気導入筒88が挿入されているので、混
合ガスの流路は極めて狭い。そのため混合ガスの攪拌
は、当該部位においてさらに進行する。
【0099】こうして流路形成部材70から一次空気導
入筒88を介して気化室60の内部に供給された空気
は、飛散した燃料と混合され、高温状態となって気化室
60の上部の開口部84から排出される。そして気化室
60を出た混合ガスは、一旦炎孔ベース36の上部側の
通路に流れ込む。
【0100】そして混合ガスは、図13,30の様に島
状のループを構成していない組み合わせの垂直壁50同
士の間の溝48bに流れ込む。そして前記した様に燃料
ガスは、下部に設けられた炎孔(小孔72)から放出さ
れる。本実施例では、炎孔部材55に網状部材77が積
層されているので、燃料ガスは、炎孔部材55から放出
される直前に網状部材77によって攪拌される。なお、
網状部材77の炎孔ベース36の垂直壁50の端面と当
接する部位にシール剤が塗布されているので垂直壁50
部位におけるガスの横方向の流通は無く、燃料ガスは横
に逃げることなく全量が炎孔(小孔72)から放出され
る。
【0101】一方、他の部位から下流側に流れた空気
は、燃料と混合されることなく、直接燃焼部7側に流れ
込み、二次空気として燃焼に寄与する。即ち二次空気
は、分流部材35に設けられた多数の開口40から、炎
孔ベース36のループを構成する組み合わせの垂直壁5
0同士の間の溝48aに流れ、炎孔(小孔72)の側面
部に供給される。
【0102】また前記した様に、分流部材35の外側の
エリアに設けられた開口89から炎孔ベース36の外側
燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気流路10
3を流れる空気や、分流部材35の開口90からハウジ
ング122の外壁部100と遮熱壁85の間に形成され
る空気流路101を流れる空気についても二次空気とし
て機能する。特に前者の分流部材35の開口89を経て
外側燃焼壁41と遮熱壁85の間に形成される空気流路
103を流れる空気は、その一部が外側燃焼壁41に設
けられた孔(開口)53からも炎孔ベース36の内側に
流れ込み、また残部は遮熱壁85の下端に設けられた折
り返し部分(フランジ102)と衝突して燃焼部7側に
流れるので、二次空気として消費される割合が高い。
【0103】そして図37(a)の様に遮熱壁85と外
側燃焼壁41を貫通して取り付けられた点火装置96に
よって燃料ガスに点火されると、炎孔(小孔72)から
下向きの火炎が発生する。
【0104】ここで本実施例の燃焼装置1では、気化部
8が、燃焼部7の中央に直接的に露出しているので、燃
焼が開始されると、気化室60が火炎によって加熱され
る。そのため気化室60内の温度が上昇し、燃料の気化
がさらに促進される。また炎孔ベース36に内壁43,
59が設けられており、これらが燃焼部7から熱を受け
て炎孔ベース36を保温し、燃料の再液化を防ぐ。加え
て本実施例では、流路形成部材70は、断熱性に優れた
パッキン80を介して混合部の一部たる分流部材35に
取り付けられているので、混合部や燃料ガス流路の熱が
流路形成部材70に逃げない。そのため燃料の再液化は
さらに発生しにくい。また万一、燃料が再液化しても、
パッキン80には灯油等の液体燃料がしみ込まないもの
が選定されているので、焼損事故の心配は無い。
【0105】加えて本実施例の燃焼装置1では、一次空
気導入筒88についても、炎孔ベース36と一体的であ
るから、燃焼によって炎孔ベース36の温度が上昇する
と、気化室60に導入される空気の温度も高まる。その
ため本実施例の燃焼装置1では、燃料の気化状態が安定
している。
【0106】また本実施例の燃焼装置1では、燃焼出力
の変化に応じて外付けされたステップモータ121が回
動され、空気量調節部5の開口量を変化させる。即ち燃
焼量が増加し、送風機2が発生する送風量が多いとき
は、ステップモータ121を回動して固定側板状部材2
2と移動側板状部材23の開口26,26’27,2
7’が連通する方向に移動側板状部材23を回す。その
結果、燃焼に寄与する空気量が増大するだけでなく、気
化部8に供給される一次空気の比率が上昇する。その結
果、炎孔72から放出される燃料ガスの濃度が低下す
る。
【0107】逆に燃焼量が減少し、送風機2が発生する
送風量が減少した場合は、移動側板状部材23の開口2
6,27を固定側板状部材22の閉塞部と合致させる方
向に移動側板状部材23を回す。その結果、燃焼に寄与
する空気量が減少するだけでなく、気化部8に供給され
る一次空気の比率が減少する。即ち、放出する燃料ガス
の濃度が濃くなり、その周囲に供給される空気が相対的
に多くなる。このように、高出力燃焼を行なっている場
合に、気化部8に供給される一次空気の比率を上げ、逆
に低出力燃焼を行なっている場合に一次空気の比率を下
げることによって、NOX (窒素酸化物)の排出量を減
少させることが可能となる。
【0108】
【発明の効果】請求項1に記載した本発明によれば、空
気量調節部材のアクチュエータ燃焼部から離れた位置に
配することができ、アクチュエータの焼損を防いだ信頼
性を向上させた燃焼装置を提供できる。請求項2に記載
した本発明によれば、空気量調節部材のアクチュエータ
がケース部によって燃焼部から隔離されるので、アクチ
ュエータの焼損を防止した一層信頼性を向上させた燃焼
装置を提供できる。請求項3に記載した本発明によれ
ば、請求項1,2に記載した効果に加えて、送風機と気
化室の回転部材を同一の軸に設けることにより、単一の
原動機で回転駆動することができ、構造を簡略化させ、
省コスト化を図った燃焼装置を提供できる。請求項4に
記載した本発明によれば、簡単な構成によって移動側板
状部材の回転角度を微調整することができ、空気の供給
量を微調整してNOXの低減された安定した燃焼を行わ
せる空気量調節部材を提供できる。請求項5に記載した
本発明の空気量調節部材によれば、簡単な構成によっ
て、駆動片の駆動源(アクチュエータ)の焼損が防止さ
れると共に、供給空気量を微調整でき、しかも、駆動片
の駆動源のトルクを低減させて小型の原動機を使用する
ことができる。これにより、信頼性を向上させ省コスト
化を図ることができる。請求項6に記載した本発明の空
気量調節部材によれば、簡単な構成によって、移動側板
状部材を効率良く微調整駆動することができ、信頼性を
向上させることができる。請求項7に記載した本発明の
空気量調節部材によれば、極めて簡単な構成によって移
動側板状部材の駆動に伴う浮き上がりを効果的に防止す
ることができ、信頼性を向上できる。請求項8に記載し
た本発明の空気量調節部材によれば、簡単な構成によっ
てバックラッシュの発生を防止し、安定して空気量を微
調整でき、信頼性を向上させることができる。請求項9
に記載した本発明の空気量調節部材によれば、駆動源
(アクチュエータ)の焼損を防止して信頼性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気量調節部材の要部
を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す空気量調節部材の移動側板状部材と
固定側板状部材を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す空気量調節部材を示す斜視図であ
る。
【図4】(a)〜(c)は、図3に示す空気量調節部材
の動作を示す説明図である。
【図5】(a),(b)は、図3に示す空気量調節部材
の移動側板状部材の浮き上がりが防止される状態を示す
原理説明図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る空気量調節部材を
示す斜視図である。
【図7】本発明の燃焼装置を内蔵する給湯器の断面図で
ある。
【図8】本発明の実施例の燃焼装置の正面図及び箱体の
開口部分の斜視図である。
【図9】本発明の実施例の燃焼装置の断面図である。
【図10】本発明の実施例の燃焼装置の全体の分解斜視
図である。
【図11】図8の燃焼装置の流路形成部材周辺の分解斜
視図である。
【図12】流路形成部材に燃料供給管を取り付ける際の
構成を示す斜視図である。
【図13】図8の燃焼装置の燃焼部近傍を上から見た斜
視図である。
【図14】図8の燃焼装置で採用する空気量調節部の固
定側板状部材の正面図である。
【図15】図14の固定側板状部材の側面図である。
【図16】図8の燃焼装置で採用する空気量調節部の移
動側板状部材の正面図である。
【図17】図8の燃焼装置で採用する空気量調節部の正
面図であり、開口を開いた状態を示す。
【図18】図8の燃焼装置で採用する空気量調節部の正
面図であり、開口を閉じた状態を示す。
【図19】図8の燃焼装置で採用する分流部材の正面図
である。
【図20】図8の燃焼装置で採用する炎孔ベースの上面
側(気体流路側)の図面である。
【図21】図20の炎孔ベースの下面側(炎孔側)の図
面である。
【図22】図8の燃焼装置で採用する炎孔ベースと、炎
孔部材、網状部材及び補炎部材を組み合わせた状態の正
面図である。
【図23】炎孔部材の正面図である。
【図24】網状部材の正面図である。
【図25】補炎部材の正面図である。
【図26】図25のA−A断面図である。
【図27】図8の燃焼装置で採用するロータリーカップ
の正面図及び平面図である。
【図28】図21のA−A断面図である。
【図29】図21のB−B断面図である。
【図30】図8の燃焼装置で採用する炎孔ベースの気体
流路側の構成を説明する説明図である。
【図31】図8の燃焼装置の炎孔近傍を下側から見た斜
視図である。
【図32】燃料ガスの流れを説明する説明図である。
【図33】二次空気の流れを説明する説明図である。
【図34】炎孔部材と網状部材及び補炎部材の重ね合わ
せ構造を示す斜視図である。
【図35】図8の燃焼装置を下側から見た概略斜視図で
ある。
【図36】本発明の他の実施例の燃焼装置を下側から見
た概略斜視図である。
【図37】(a)は、図8の燃焼装置の点火装置取り付
け部分の拡大図であり、(b)はその変形例である。
【図38】従来の空気量調節部材の正面図である。
【符号の説明】
1 燃焼装置 2 送風機 5a 空気量調節部材 5b 動力伝達部材(駆動片) 7 燃焼部 8 予混合部 13 箱体(ケース部) 16 原動機(モータ) 22 板状部材(固定側板状部材) 23 板状部材(移動側板状部材) 26,27 開口 33 係合部 33a 溝状部 33c 溝状部の傾斜(被押圧部) 60 気化室 63 回転部材(ロータリーカップ) 121 アクチュエータ(ステップモータ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 宏樹 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 廣安 勝 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 前川 旭 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 田中 宏明 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 3K052 AA06 AA10 AB04 AB06 AB12 AC05 DB08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炎を発生させる燃焼部と、必要な空気
    を送風する送風機を有し、前記燃焼部と送風機の間に空
    気量調節部材が設けられ、該空気量調節部材は所定形状
    の開口を有する二以上の板状部材を備え、該板状部材が
    相対的に回転可能に重ねられたものである燃焼装置にお
    いて、前記空気量調節部材は、アクチュエータと動力伝
    達部材を有し、アクチュエータが板状部材の重なり部以
    外の位置に設けられ、動力伝達部材を介して板状部材の
    少なくとも一つを回転させることを特徴とする燃焼装
    置。
  2. 【請求項2】 火炎を発生させる燃焼部と、必要な空気
    を送風する送風機と、通風路となるケース部を有し、当
    該ケース部内であって前記燃焼部と送風機の間に空気量
    調節部材が設けられ、該空気量調節部材は所定形状の開
    口を有する二以上の板状部材を備え、該板状部材が相対
    的に回転可能に重ねられたものである燃焼装置におい
    て、前記空気量調節部材は、アクチュエータと動力伝達
    部材を有し、アクチュエータは前記ケース部の外部に設
    けられ、動力伝達部材を介して板状部材の少なくとも一
    つを回転させることを特徴とする燃焼装置。
  3. 【請求項3】 火炎を発生させる燃焼部と、必要な空気
    を送風する送風機と、通風路となるケース部と、燃料と
    空気とを燃焼部に至る前に混合する予混合部を有し、前
    記ケース部内であって予混合部と送風機との間に空気量
    調節部材が設けられ、該空気量調節部材は所定形状の開
    口を有する二以上の板状部材を備え、該板状部材が相対
    的に回転可能に重ねられたものである燃焼装置におい
    て、予混合部は液体燃料を気化する気化室を持ち、当該
    気化室内には液体燃料を飛散させる回転部材が内蔵さ
    れ、送風機の回転中心と空気量調節部材の回転中心と回
    転部材の回転中心が同一軸線上に並べられ、送風機と回
    転部材が単一の原動機によって回転され、さらに前記空
    気量調節部材は、アクチュエータと動力伝達部材を有
    し、アクチュエータは前記ケース部の外部に設けられ、
    動力伝達部材を介して板状部材の少なくとも一つを回転
    させることを特徴とする燃焼装置。
  4. 【請求項4】 燃焼装置の火炎を発生させる燃焼部と、
    必要な空気を送風する送風機の間に配置され、所定形状
    の開口を有する固定側板状部材及び移動側板状部材を備
    え、該板状部材が相対的に回転可能に重ねられた燃焼装
    置の空気量調節部材において、前記固定側板状部材に対
    して回転又は揺動する駆動片を有し、前記移動側板状部
    材には周辺部近傍に係合部が設けられ、駆動片が係合部
    と係合して移動側板状部材の係合部を略接線方向に移動
    し、移動側板状部材を回転させることを特徴とする燃焼
    装置の空気量調節部材。
  5. 【請求項5】 駆動片はレバー状、カム状、または、歯
    車状であってその回転軸又は揺動軸は移動側板状部材の
    回転軸と交差又は食い違うことを特徴とする請求項4に
    記載の燃焼装置の空気量調節部材。
  6. 【請求項6】 係合部は溝状部を有し、駆動片は当該溝
    状部と係合していることを特徴とする請求項4または5
    に記載の燃焼装置の空気量調節部材。
  7. 【請求項7】 溝状部は板状部材に対して傾斜している
    ことを特徴とする請求項6に記載の燃焼装置の空気量調
    節部材。
  8. 【請求項8】 前記移動側板状部材が前記固定側板状部
    材に対して所定方向へ向けて付勢されることを特徴とす
    る請求項4乃至7のいずれか1項に記載の空気量調節部
    材。
  9. 【請求項9】 駆動片を動作させるアクチュエータを有
    し、当該アクチュエータは移動側板状部材の移動軌跡外
    の位置に設けられていることを特徴とする請求項4乃至
    8のいずれか1項に記載の燃焼装置の空気量調節部材。
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CN115419887A (zh) * 2022-09-06 2022-12-02 吉林省万象生物质科技有限公司 一种高效洁净的生物质动态直燃炉

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CN107990372A (zh) * 2017-11-27 2018-05-04 宁波爷玛喜电器有限公司 燃气灶及具有该燃气灶的集成灶
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