JP2002194356A - 液晶組成物の製造方法 - Google Patents
液晶組成物の製造方法Info
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Abstract
HR)を低下させることなく製造する方法を提供すること
にあり、またそれによって得られた液晶組成物を使用し
た液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 減圧状態で、撹拌しながら2種以上の液
晶化合物を室温よりも高い温度で溶解混合し、その後不
活性ガスを用いて大気圧に戻すことを特徴とする液晶組
成物製造方法、該製造法により製造された液晶組成物、
及び該液晶組成物を使用した液晶表示素子。 【効果】 高い信頼性、比抵抗および電圧保持率(VHR)
を求められる液晶組成物の製造において非常に有用なも
のであった。
Description
質で製造することに関する新規製造方法と、それにより
製造された液晶性組成物を用いた液晶表示素子に関す
る。
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチ
ック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型あ
るいは高速応答が可能なFLC(強誘電性液晶)等を挙げる
ことができる。また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
種類以上の化合物を混合して作られており、液晶組成物
の物性(ネマチック相温度範囲、屈折率異方性(Δn)、誘
電率異方性(Δε)、粘度、弾性定数等)や電気光学的特
性(応答時間、閾値電圧、V-T曲線の急峻性等)を目的と
する液晶素子の表示方式や駆動方式に応じて、種々の値
に合わせるため混合比が決められているが、ほとんどの
場合について熱、光、水分等に対する信頼性が高いこと
が必要である。また、特にアクティブマトリックス駆動
方式の場合にはそれに加えて、電圧保持率(VHR)が充分
に高いことが重要である。
率(VHR)を高めるためには、組成物を構成する個々の液
晶化合物のそれぞれについて高い信頼性と電圧保持率(V
HR)が達成されている必要がある。しかしながら、信頼
性、比抵抗および電圧保持率(VHR)の高い液晶化合物を
使用しても、それらの混合物である液晶組成物を製造す
るときに品質を劣化させてしまうことがある。
る溶解混合や、有機溶剤に液晶化合物を溶解させ混合
後、有機溶剤を除去させる方法が提案されている(特開
平5-105876号公報、特表平9-503237号公報)。しかしな
がら、これらに提案されている方法では、品質を劣化さ
せてしまうことが多い。例えば加熱による溶解混合で
は、加熱時に酸素により液晶化合物が酸化分解してしま
い液晶組成物の比抵抗や電圧保持率(VHR)を著しく低下
させてしまう。更には液晶上限転移温度を低下させ、液
晶組成物の物性や電気光学特性を変化させてしまうこと
がある。また有機溶剤に溶解させる方法では、有機溶剤
の不純物やドーパントにより液晶組成物の比抵抗や電圧
保持率(VHR)が著しく低下することがある。さらに有機
溶剤が除去しきれず残留してしまうと同様に液晶組成物
の比抵抗を低下させたり、電圧保持率を著しく低下させ
る原因になる。
する課題は、液晶組成物の信頼性、比抵抗や電圧保持率
(VHR)を低下させることなく製造する方法を提供するこ
とにあり、またそれによって得られた液晶組成物を使用
した液晶表示素子を提供することにある。
解決するために鋭意検討した結果、下記の手段を見いだ
した。
の液晶化合物を室温よりも高い温度で溶解混合し、その
後不活性ガスを用いて大気圧に戻すことを特徴とする液
晶組成物製造方法。
ことを特徴とする発明1記載の液晶組成物製造方法。 発明3、真空度が10Paから80KPaの範囲であることを特徴
とする発明1または2記載の液晶組成物製造方法。 発明4、真空度が100Paから50KPaの範囲であることを特
徴とする発明1〜3のいずれかに記載の液晶組成物製造方
法。
物の上限温度+50℃の範囲であることを特徴とする発明1
〜4のいずれかに記載の液晶組成物製造方法。 発明6、加熱溶解温度が液晶組成物の上限温度から液晶
組成物の上限温度+30℃の範囲であることを特徴とする
発明1〜5のいずれかに記載の液晶組成物製造方法。
いることを特徴とする発明1〜6のいずれかに記載の液晶
組成物製造方法。 発明8、不活性ガスとしてアルゴンガスを用いることを
特徴とする発明1〜6のいずれかに記載の液晶組成物製造
方法。
ことを特徴とする発明1〜8のいずれかに記載の液晶組成
物製造方法。 発明10、減圧が可能な容器で撹拌プロペラを用いること
を特徴とする発明1〜8のいずれかに記載の液晶組成物製
造方法。
晶組成物製造方法で製造された液晶組成物。 発明12、発明1〜10のいずれかに記載の液晶組成物製造
方法で製造された液晶組成物を使用した液晶表示素子。
徴とする発明12記載の液晶表示素子。 発明14、STN液晶表示素子であることを特徴とする発明1
2記載の液晶表示素子。 発明15、TN液晶表示素子であることを特徴とする発明12
記載の液晶表示素子。
に減圧下で室温(20〜25℃)よりも高い温度で撹拌しなが
ら溶解しその後不活性ガスを用いて大気圧に戻すもので
ある。真空度としては、1Pa〜大気圧(約101KPa)よりも
低い圧力の範囲が良く、好ましくは10Pa〜80KPaの範囲
が良い。さらに好ましくは100Pa〜50KPaの範囲が良い。
真空度を上げすぎると液晶化合物が揮発してしまうため
加熱温度と真空度の間には最適化が必要である。図1に
揮発しやすい代表的な液晶化合物の蒸気圧直線のグラフ
を示す。グラフ中の直線より下部の条件では、低沸点成
分が揮発しやすい。従って各温度に対し、この直線より
十分上の範囲で揮発しないように減圧しなければならな
い。減圧下にすることにより溶解容器中に存在する空気
(酸素や汚染ガス等)を除去でき、また混合前の液晶組成
物に含有している溶存ガス(酸素や汚染ガス等)を除去で
きるため加熱溶解しても酸化分解等が非常に起こり難く
なる。
することにより溶解を容易にできる。また、等方性液体
状態で撹拌することも好ましく、その場合は等方性液体
状態となってから2〜40分保持することが好ましい。加
熱温度は室温以上、好ましくは40℃から液晶上限温度+5
0℃の範囲であれば良く、さらに好ましくは液晶上限温
度から液晶上限温度+30℃の範囲にすることにより容易
に溶解させることができる。特開平5-105876号公報で提
案されている方法では、大気圧下での加熱のため酸素に
よる酸化分解等により著しく品質を低下させる原因にな
ってしまう。しかしながら本発明で提供する方法では、
減圧により酸素を除去しているため酸化分解が起き難
く、信頼性に対し著しく大きな効果がある方法である。
ンレス、テフロン(登録商標)など液晶組成物に有害な
不純物が出にくい材質のものが良い。ガラス容器として
は、例えばセパラブルフラスコを用いて減圧にし、磁石
型の撹拌子を入れ撹拌する方法や撹拌プロペラを用いて
撹拌する方法などがある。また、なす型フラスコなどを
用いてロータリーエバポレータ等で減圧にしなす型フラ
スコを回転させることにより撹拌させる方法などがあ
る。あるいは、遠心力により均一化させる方法もある。
さらに、超音波装置を用いて振動させ撹拌させる方法も
ある。
方法が有用であり、オイルバスやジャケット等を用いる
方法が有効である。
後、真空度を大気圧に戻す際には空気による酸化反応を
防ぐため、不活性ガスを注入させることが効果的であ
る。一般に空気中には液晶組成物に対する汚染物質や水
分等が多く含まれており、この空気を注入するとこれら
の不純物が液晶組成物中に混入してしまうため品質を低
下させてしまう原因になる。不活性ガスとしてはチッソ
ガスやアルゴンガスなどが好ましい。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下の実施例及び比較例の組成物における
「%」は『質量%』を意味する。
晶組成物STN1を600g製造を行った。STN用液晶組成物STN
1の組成を下記に示す。
の液晶化合物を計量した。このなす型フラスコをロータ
リーエバポレータに取り付けた。なす型フラスコを50℃
のオイルバスに浸し、回転させた。ロータリーエバポレ
ータを真空ポンプにより5分かけてゆっくりと20KPaに減
圧した。オイルバスの温度を100℃に設定し5℃/minによ
り昇温した。液晶が液体状態に変化し透明になってから
30分後、オイルバスを水浴に変え冷却した。室温まで下
がった後、回転を止め、脱気を止めた。チッソガスによ
り置換することにより大気圧に戻した後、なす型フラス
コをロータリーエバポレータから取り外した。
と、6.0×1012Ωcmであった。またガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、配合した化合物以外の物質は混
入・生成しておらず、配合した化合物の分解もみられな
かった。液晶組成物の物性を測定したところ所望の特性
が得られた。この液晶をSTNパネルに注入し電気光学的
特性を測定したところ所望の特性が得られた。また電流
値を計測したところ7μAと低い値であり、高品質の液晶
組成物ができたことを確認できた。
1℃のSTN用液晶組成物STN1を特開平5-105876号公報に記
載されている方法に従い、大気圧下で加熱することによ
り製造を行った。フラスコに所定の液晶化合物を計量し
た。フラスコの中に磁石式回転子を入れ、これを50℃の
ホットプレートに置き、ホットプレートの温度を5℃/mi
nで100℃に昇温し、回転子を回転させることにより撹拌
した。液晶が等方性液体状態に変化し透明になってから
30分後ホットプレートの加熱を止徐々に室温に戻した。
と、2.1×109Ωcmと著しく比抵抗が低下していた。ガス
クロマトグラフィーで分析したところ、配合した化合物
以外の物質が数多く出現しており、ガスマス分析の結果
液晶組成物を構成する液晶化合物が酸化分解しているこ
とがわかった。液晶上限転移温度を測定すると90.1℃と
低下しており、品質の劣化が大きかった。この液晶組成
物をSTNパネルに注入し電流値を計測したところ89μAで
あり、非常に消費電流が増えており品質が著しく低下し
ていたことが確認できた。
よりTFT用液晶組成物TFT1を500g製造した。TFT用液晶組
成物TFT1の組成を下記に示す。
Ωcmであった。また、TFT用配向膜を使用したTN型パネ
ルに注入し電圧保持率(VHR)を測定したところ99.7%であ
った。実施例1と同様にガスクロマトグラフィーで分析
したところ、配合した化合物以外の物質は混入・生成し
ておらず、配合した化合物の分解もみられなかった。液
晶組成物の物性を測定したところ所望の特性が得られ
た。
FT用液晶組成物TFT1を500g製造した。作成した液晶組成
物の比抵抗を測定すると、8.0×1012Ωcmと著しく比抵
抗が低下していた。ガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、配合した化合物以外の物質が数多く出現してお
り、ガスマス分析の結果液晶組成物を構成する液晶化合
物が酸化分解していることがわかった。また、TFT用配
向膜を使用したTN型パネルに注入し電圧保持率(VHR)を
測定したところ97.0%と低い値であり、品質の劣化が大
きかった。
高い信頼性、比抵抗および電圧保持率(VHR)を求められ
る液晶組成物の製造において非常に有用である。
直線
Claims (15)
- 【請求項1】減圧状態で、撹拌しながら2種以上の液晶
化合物を室温よりも高い温度で溶解混合し、その後不活
性ガスを用いて大気圧に戻すことを特徴とする液晶組成
物製造方法。 - 【請求項2】真空度が1Paから大気圧までであることを
特徴とする請求項1記載の液晶組成物製造方法。 - 【請求項3】真空度が10Paから80KPaの範囲であること
を特徴とする請求項1または2記載の液晶組成物製造方
法。 - 【請求項4】真空度が100Paから50KPaの範囲であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の液
晶組成物製造方法。 - 【請求項5】加熱溶解温度が40℃から液晶組成物の上限
温度+50℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜4の
いずれかの請求項に記載の液晶組成物製造方法。 - 【請求項6】加熱溶解温度が液晶組成物の上限温度から
液晶組成物の上限温度+30℃の範囲であることを特徴と
する請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の液晶組成物
製造方法。 - 【請求項7】不活性ガスとしてチッソガスを用いること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の液
晶組成物製造方法。 - 【請求項8】不活性ガスとしてアルゴンガスを用いるこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の
液晶組成物製造方法。 - 【請求項9】ロータリーエバポレータを用いることを特
徴とする請求項1〜8のいずれかの請求項に記載の液晶組
成物製造方法。 - 【請求項10】減圧が可能な容器で撹拌プロペラを用い
ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの請求項に記
載の液晶組成物製造方法。 - 【請求項11】請求項1〜10のいずれかの請求項に記載
の液晶組成物製造方法で製造された液晶組成物。 - 【請求項12】請求項1〜10のいずれかの請求項に記載
の液晶組成物製造方法で製造された液晶組成物を使用し
た液晶表示素子。 - 【請求項13】TFT液晶表示素子であることを特徴とす
る請求項12記載の液晶表示素子。 - 【請求項14】STN液晶表示素子であることを特徴とす
る請求項12記載の液晶表示素子。 - 【請求項15】TN液晶表示素子であることを特徴とする
請求項12記載の液晶表示素子。
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