JPH06108052A - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置Info
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- JPH06108052A JPH06108052A JP25976192A JP25976192A JPH06108052A JP H06108052 A JPH06108052 A JP H06108052A JP 25976192 A JP25976192 A JP 25976192A JP 25976192 A JP25976192 A JP 25976192A JP H06108052 A JPH06108052 A JP H06108052A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式（Ｉ）、一般式（ＩＩ）及び一般式
（ＩＩＩ） 【化１】 （Ｒ1、Ｒ2及びＲ3は各々独立的に、炭素原子数２〜７
の直鎖状アルキル基を表わす。）で表わされる化合物か
らなる群から選ばれる化合物を含有するネマチック液晶
組成物及びこれを用いた液晶表示装置。 【効果】 本発明のネマチック液晶組成物は、しきい値
電圧が低く、高い電圧保持率特性を有し、しかも化学的
安定性が高いものである。従って、これを用いた液晶表
示装置は、表示画面のちらつき、クロストーク現象を改
善することができる。よって、情報量の多いTN-LCD、ST
N-LCDあるいはアクティブ・マトリクス方式の表示装置
に有用であり、良好な駆動特性及び表示特性が得られ
る。
（ＩＩＩ） 【化１】 （Ｒ1、Ｒ2及びＲ3は各々独立的に、炭素原子数２〜７
の直鎖状アルキル基を表わす。）で表わされる化合物か
らなる群から選ばれる化合物を含有するネマチック液晶
組成物及びこれを用いた液晶表示装置。 【効果】 本発明のネマチック液晶組成物は、しきい値
電圧が低く、高い電圧保持率特性を有し、しかも化学的
安定性が高いものである。従って、これを用いた液晶表
示装置は、表示画面のちらつき、クロストーク現象を改
善することができる。よって、情報量の多いTN-LCD、ST
N-LCDあるいはアクティブ・マトリクス方式の表示装置
に有用であり、良好な駆動特性及び表示特性が得られ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電気光学的表示材料と
して有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶
表示装置に関する。
して有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶
表示装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD
（ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子）があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、近年、ＯＡ機器の処理情報の増加に伴い、
一画面に表示される情報量が増大しており、従来のTN-L
CDではコントラスト及び視野角等の表示品位面からも、
特にワードプロセッサ、パーソナルコンピューターなど
の高時分割駆動の要求に応えられなくなっている。
（ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子）があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、近年、ＯＡ機器の処理情報の増加に伴い、
一画面に表示される情報量が増大しており、従来のTN-L
CDではコントラスト及び視野角等の表示品位面からも、
特にワードプロセッサ、パーソナルコンピューターなど
の高時分割駆動の要求に応えられなくなっている。
【０００３】このような状況の中で、シェファー（Sche
ffer）等［SID '85 Digest, 120頁(1985年)］、あるい
は衣川等［SID '86 Digest, 122頁(1986年)］によっ
て、STN（スーパー・ツイスティッド・ネマチック）−L
CDが開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュ
ータなどの高情報処理用の表示に広く普及しはじめてい
る。
ffer）等［SID '85 Digest, 120頁(1985年)］、あるい
は衣川等［SID '86 Digest, 122頁(1986年)］によっ
て、STN（スーパー・ツイスティッド・ネマチック）−L
CDが開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュ
ータなどの高情報処理用の表示に広く普及しはじめてい
る。
【０００４】更に、その表示品質が優れていることか
ら、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が液晶テレ
ビ、プロジェクター表示、コンピューター等のディスプ
レイの応用分野に有力なものとして市場に出されてい
る。アクティブ・マトリクス表示方式は、画素毎にTFT
（薄膜トランジスタ）あるいはMIM（メタル・インシュ
レータ・メタル）等のスイッチング素子が使われてお
り、この方式には漏れ電流の小さな高電圧保持率特性が
重要視されている。従って、この様な表示素子に対応す
るために現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の
提案がなされている。
ら、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が液晶テレ
ビ、プロジェクター表示、コンピューター等のディスプ
レイの応用分野に有力なものとして市場に出されてい
る。アクティブ・マトリクス表示方式は、画素毎にTFT
（薄膜トランジスタ）あるいはMIM（メタル・インシュ
レータ・メタル）等のスイッチング素子が使われてお
り、この方式には漏れ電流の小さな高電圧保持率特性が
重要視されている。従って、この様な表示素子に対応す
るために現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の
提案がなされている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】TN-LCDやSTN-LCDに
は、液晶材料の化学的安定性、液晶表示装置の低電圧駆
動性及び応答特性等の課題がある。
は、液晶材料の化学的安定性、液晶表示装置の低電圧駆
動性及び応答特性等の課題がある。
【０００６】例えば、ワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピューター等の情報量の多いSTN-LCDには高時分割数
で良好な駆動特性が要求されるが、時分割数の増大は駆
動電圧の上昇を起こし駆動回路に大きな影響を与える。
これを低減させる一つの方法として、
ンピューター等の情報量の多いSTN-LCDには高時分割数
で良好な駆動特性が要求されるが、時分割数の増大は駆
動電圧の上昇を起こし駆動回路に大きな影響を与える。
これを低減させる一つの方法として、
【０００７】
【数１】
【０００８】（式中、Ｖthはしきい値電圧を、ｋは比例
定数を、Ｋは弾性定数を、Δεは誘電異方性をそれぞれ
表わす。）の関係から、誘電異方性の大きな液晶材料を
用いて駆動電圧を低下させる方法が知られている。しか
しながら、このような液晶材料の多くは液晶材料の粘性
を増加させるものであるので、良好な応答特性を得るこ
とを困難にさせる、あるいは各画素毎のキャパシタンス
成分を増加させるものであり、表示可能な駆動周波数範
囲を狭めクロストーク現象を発生させる等の問題を有し
ている。
定数を、Ｋは弾性定数を、Δεは誘電異方性をそれぞれ
表わす。）の関係から、誘電異方性の大きな液晶材料を
用いて駆動電圧を低下させる方法が知られている。しか
しながら、このような液晶材料の多くは液晶材料の粘性
を増加させるものであるので、良好な応答特性を得るこ
とを困難にさせる、あるいは各画素毎のキャパシタンス
成分を増加させるものであり、表示可能な駆動周波数範
囲を狭めクロストーク現象を発生させる等の問題を有し
ている。
【０００９】一方、低電圧で駆動可能な従来の液晶材料
の場合、一般的に、調製された初期あるいは促進テスト
後の抵抗値が低いことが知られている。この様な液晶材
料の低い抵抗値は、時分割数の増大により表示画面のち
らつきやコントラストの低下等を引き起こす原因とな
り、好ましくなかった。
の場合、一般的に、調製された初期あるいは促進テスト
後の抵抗値が低いことが知られている。この様な液晶材
料の低い抵抗値は、時分割数の増大により表示画面のち
らつきやコントラストの低下等を引き起こす原因とな
り、好ましくなかった。
【００１０】更に、情報量の増加による暗い画質を補う
目的で、STN-LCDにはバックライトを補助光源として利
用することが一般的である。このために、バックライト
方式のSTN-LCDに用いられる液晶材料には、耐熱性及び
耐光性等の化学的安定性が新たに要求されている。
目的で、STN-LCDにはバックライトを補助光源として利
用することが一般的である。このために、バックライト
方式のSTN-LCDに用いられる液晶材料には、耐熱性及び
耐光性等の化学的安定性が新たに要求されている。
【００１１】これらの要求特性に加えて、特にアクティ
ブ・マトリクス方式においては、均一で高いコントラス
トを得るために、漏れ電流が小さく、高い電圧保持率特
性を有することが重要である。この様な特性を得るため
に、例えば、下記のような化合物が用いられてきた。
ブ・マトリクス方式においては、均一で高いコントラス
トを得るために、漏れ電流が小さく、高い電圧保持率特
性を有することが重要である。この様な特性を得るため
に、例えば、下記のような化合物が用いられてきた。
【００１２】
【化２】
【００１３】（式中、Ｒは直鎖状アルキル基、アルケニ
ル基又はアルコキシアルキル基を表わし、ＸはＦ又はＨ
を表わす。）しかしながら、これらの化合物を用いて
も、アクティブ・マトリクス方式に要求されるしきい値
電圧を充分に低減させることはできなかった。
ル基又はアルコキシアルキル基を表わし、ＸはＦ又はＨ
を表わす。）しかしながら、これらの化合物を用いて
も、アクティブ・マトリクス方式に要求されるしきい値
電圧を充分に低減させることはできなかった。
【００１４】本発明が解決しようとする課題は、上述の
液晶表示に適した液晶材料として、しきい値電圧が低
く、しかも充分に高い電圧保持率を有する液晶組成物を
提供し、この液晶組成物を用い、フリッカが発生せず、
コントラストに優れた液晶表示装置を提供することにあ
る。
液晶表示に適した液晶材料として、しきい値電圧が低
く、しかも充分に高い電圧保持率を有する液晶組成物を
提供し、この液晶組成物を用い、フリッカが発生せず、
コントラストに優れた液晶表示装置を提供することにあ
る。
【００１５】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、一般式（Ｉ）〜（ＩＩＩ）
するために、一般式（Ｉ）〜（ＩＩＩ）
【００１６】
【化３】
【００１７】（式中、Ｒ1、Ｒ2及びＲ3は各々独立的
に、炭素原子数２〜７の直鎖状アルキル基を表わす。）
で表わされる化合物からなる群から選ばれる化合物を含
有することを特徴とするネマチック液晶組成物を提供
し、該ネマチック液晶組成物を用いたアクティブ・マト
リクス形液晶表示装置、ツイスティッド・ネマチック又
はスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置
を提供する。
に、炭素原子数２〜７の直鎖状アルキル基を表わす。）
で表わされる化合物からなる群から選ばれる化合物を含
有することを特徴とするネマチック液晶組成物を提供
し、該ネマチック液晶組成物を用いたアクティブ・マト
リクス形液晶表示装置、ツイスティッド・ネマチック又
はスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置
を提供する。
【００１８】本発明に係わる一般式（Ｉ）で表わされる
化合物、一般式（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般式
（ＩＩＩ）で表わされる化合物の代表的なものの例と、
その相転移温度を下記第１表に示す。尚、下記表中、
ｍ.ｐ.は結晶相から液晶相又は等方性液体相に相転移す
る温度を、ｃ.ｐ.は液晶相から等方性液体相に相転移す
る温度をそれぞれ表わす。また、下記表中の各化合物
は、蒸留、カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物
を除去し、充分精製したものを使用した。
化合物、一般式（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般式
（ＩＩＩ）で表わされる化合物の代表的なものの例と、
その相転移温度を下記第１表に示す。尚、下記表中、
ｍ.ｐ.は結晶相から液晶相又は等方性液体相に相転移す
る温度を、ｃ.ｐ.は液晶相から等方性液体相に相転移す
る温度をそれぞれ表わす。また、下記表中の各化合物
は、蒸留、カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物
を除去し、充分精製したものを使用した。
【００１９】
【表１】
【００２０】本発明の液晶組成物は、一般式（Ｉ）〜
（ＩＩＩ）で表わされる化合物からなる群から選ばれる
化合物を含有するものであり、電圧保持率を悪化させる
ことなく、駆動電圧を低減させる効果が得られるもので
ある。この効果は、一般式（Ｉ）〜（ＩＩＩ）の各化合
物が、３，４，５−トリフルオロフェニル基を有し、こ
れによって比較的小さな誘電異方性にもかかわらず、弾
性定数が小さいことによると考えられる。また、一般式
（Ｉ）〜（ＩＩＩ）の各化合物は、それぞれ−（Ｃ
Ｈ2）4−あるいは−（ＣＨ2）2−の連結基を有し、これ
により他の液晶化合物又は組成物との相溶性に優れた液
晶組成物を得ることができる。
（ＩＩＩ）で表わされる化合物からなる群から選ばれる
化合物を含有するものであり、電圧保持率を悪化させる
ことなく、駆動電圧を低減させる効果が得られるもので
ある。この効果は、一般式（Ｉ）〜（ＩＩＩ）の各化合
物が、３，４，５−トリフルオロフェニル基を有し、こ
れによって比較的小さな誘電異方性にもかかわらず、弾
性定数が小さいことによると考えられる。また、一般式
（Ｉ）〜（ＩＩＩ）の各化合物は、それぞれ−（Ｃ
Ｈ2）4−あるいは−（ＣＨ2）2−の連結基を有し、これ
により他の液晶化合物又は組成物との相溶性に優れた液
晶組成物を得ることができる。
【００２１】本発明の液晶組成物は、一般式（Ｉ）、一
般式（ＩＩ）及び一般式（ＩＩＩ）で表わされる化合物
からなる群から選ばれる化合物を含有するネマチック液
晶組成物であるが、（１）一般式（Ｉ）で表わされる化
合物及び一般式（ＩＩ）で表わされる化合物を含有する
ことを特徴とする液晶組成物、あるいは（２）一般式
（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般式（ＩＩＩ）で表
わされる化合物を含有することを特徴とする液晶組成物
が好ましく、（３）一般式（Ｉ）で表わされる化合物、
一般式（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般式（ＩＩ
Ｉ）で表わされる化合物を含有する液晶組成物が特に好
ましい。
般式（ＩＩ）及び一般式（ＩＩＩ）で表わされる化合物
からなる群から選ばれる化合物を含有するネマチック液
晶組成物であるが、（１）一般式（Ｉ）で表わされる化
合物及び一般式（ＩＩ）で表わされる化合物を含有する
ことを特徴とする液晶組成物、あるいは（２）一般式
（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般式（ＩＩＩ）で表
わされる化合物を含有することを特徴とする液晶組成物
が好ましく、（３）一般式（Ｉ）で表わされる化合物、
一般式（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般式（ＩＩ
Ｉ）で表わされる化合物を含有する液晶組成物が特に好
ましい。
【００２２】また、本発明の各液晶組成物は、一般式
（Ｉ）で表わされる化合物を０〜３０重量％、一般式
（ＩＩ）で表わされる化合物を１０〜９０重量％あるい
は一般式（ＩＩＩ）で表わされる化合物を０〜４０重量
％の範囲で含有することが好ましい。
（Ｉ）で表わされる化合物を０〜３０重量％、一般式
（ＩＩ）で表わされる化合物を１０〜９０重量％あるい
は一般式（ＩＩＩ）で表わされる化合物を０〜４０重量
％の範囲で含有することが好ましい。
【００２３】本発明の液晶組成物で使用する化合物の効
果を明らかにするために、以下の実験を行った。まず、
現在汎用されている化合物からなる母体液晶として、下
記に示す混合液晶（ａ）を調製した。
果を明らかにするために、以下の実験を行った。まず、
現在汎用されている化合物からなる母体液晶として、下
記に示す混合液晶（ａ）を調製した。
【００２４】
【化４】
【００２５】（上記中、「％」は『重量％』を意味す
る。）次いで、混合液晶（ａ）８０重量％及び上記第１
表のＮｏ．２の化合物２０重量％からなる液晶組成物Ｎ
ｏ.４を調製した。また比較のために、Ｎｏ．２の化合
物に代えて、３，４−ジフルオルフェニル基を有する下
記式（ｂ）及び（ｃ）
る。）次いで、混合液晶（ａ）８０重量％及び上記第１
表のＮｏ．２の化合物２０重量％からなる液晶組成物Ｎ
ｏ.４を調製した。また比較のために、Ｎｏ．２の化合
物に代えて、３，４−ジフルオルフェニル基を有する下
記式（ｂ）及び（ｃ）
【００２６】
【化５】
【００２７】の化合物をそれぞれ２０重量％用い、同様
にして混合液晶（ｄ）及び（ｅ）をそれぞれ調製した。
これらの混合物について、ネマチック相−等方性液体相
転移温度（ＴN-I）、セル厚６μｍのTN-LCDを構成した
ときのしきい値電圧（Ｖth）、誘電異方性（△ε）、複
屈折率（△ｎ）の測定を行った。この結果を下記第２表
に示す。
にして混合液晶（ｄ）及び（ｅ）をそれぞれ調製した。
これらの混合物について、ネマチック相−等方性液体相
転移温度（ＴN-I）、セル厚６μｍのTN-LCDを構成した
ときのしきい値電圧（Ｖth）、誘電異方性（△ε）、複
屈折率（△ｎ）の測定を行った。この結果を下記第２表
に示す。
【００２８】
【表２】
【００２９】この結果から、一般式（ＩＩ）で表わされ
る化合物を含有するネマチック液晶組成物Ｎｏ．４は、
△εが比較の混合液晶（ｄ）及び（ｅ）とほぼ同じであ
るにもかかわらず、駆動電圧が低いことが認められた。
この特性は、置換基の僅かな違いにより、Ｎｏ．２の化
合物の弾性定数が比較的小さいことに由来するものであ
ると考えられる。
る化合物を含有するネマチック液晶組成物Ｎｏ．４は、
△εが比較の混合液晶（ｄ）及び（ｅ）とほぼ同じであ
るにもかかわらず、駆動電圧が低いことが認められた。
この特性は、置換基の僅かな違いにより、Ｎｏ．２の化
合物の弾性定数が比較的小さいことに由来するものであ
ると考えられる。
【００３０】尚、本発明の液晶組成物は、上記一般式
（Ｉ）〜（ＩＩＩ）で表わされる化合物に加えて、液晶
組成物の他の特性を改善するために、液晶化合物として
認識される通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、
コレステリック液晶などを含有していてもよい。
（Ｉ）〜（ＩＩＩ）で表わされる化合物に加えて、液晶
組成物の他の特性を改善するために、液晶化合物として
認識される通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、
コレステリック液晶などを含有していてもよい。
【００３１】また、従来の液晶組成物の特性を改善する
目的で、アクティブ・マトリクス方式に用いられてきた
前記化合物あるいはそれらの化合物を含有する組成物
に、本発明の組成物を添加してもよい。
目的で、アクティブ・マトリクス方式に用いられてきた
前記化合物あるいはそれらの化合物を含有する組成物
に、本発明の組成物を添加してもよい。
【００３２】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ま
た、以下の実施例及び比較例において、「％」は『重量
％』を表わす。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ま
た、以下の実施例及び比較例において、「％」は『重量
％』を表わす。
【００３３】組成物の比抵抗及び電圧保持率は、液晶組
成物２ｇをアンプル管に入れ、真空脱気後、窒素置換処
理をして封入し、１５０℃、１時間の加熱促進テスト、
及び１０時間の紫外線照射促進テスト「ＳＵＮＴＥＳ
Ｔ」（オリジナルハナウ社製）を行なった後の液晶組成
物の比抵抗及び電圧保持率を測定した。
成物２ｇをアンプル管に入れ、真空脱気後、窒素置換処
理をして封入し、１５０℃、１時間の加熱促進テスト、
及び１０時間の紫外線照射促進テスト「ＳＵＮＴＥＳ
Ｔ」（オリジナルハナウ社製）を行なった後の液晶組成
物の比抵抗及び電圧保持率を測定した。
【００３４】実施例中、測定した特性の各記号の意味は
以下の通りである。 ＴN-I ： ネマチック相−等方性液体相転移温度（℃） Δε ： 誘電異方性 Δｎ ： 複屈折率 Ｖth ： セル厚６μｍのTN-LCDを構成した時のしきい
値電圧（Ｖ）
以下の通りである。 ＴN-I ： ネマチック相−等方性液体相転移温度（℃） Δε ： 誘電異方性 Δｎ ： 複屈折率 Ｖth ： セル厚６μｍのTN-LCDを構成した時のしきい
値電圧（Ｖ）
【００３５】（実施例１）
【００３６】
【化６】
【００３７】からなるネマチック液晶組成物Ｎｏ．５を
調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の
通りであった。 ＴN-I ： ８０．０ ℃ △ε ： ７．５ △ｎ ： ０．０７６ Ｖth ： １．４８ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ７．６×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．６×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ３．１×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．８ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９８．９ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．１ ％
調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の
通りであった。 ＴN-I ： ８０．０ ℃ △ε ： ７．５ △ｎ ： ０．０７６ Ｖth ： １．４８ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ７．６×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．６×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ３．１×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．８ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９８．９ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．１ ％
【００３８】このネマチック液晶組成物Ｎｏ．５に、カ
イラル物質「Ｓ−８１１」（メルク社製）を添加して混
合液晶を調製した。一方、対向する平面透明電極上に
「サンエバー150」（日産化学社製）の有機膜をラビン
グして配向膜を形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示
用セルを作製した。上記の混合液晶をこのセルに注入し
て液晶表示装置を構成し、この液晶表示装置の表示特性
を測定した。その結果、しきい値電圧が低く、高時分割
特性に優れ、表示画面のちらつきやクロストーク現象が
改善されたSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得ら
れた。
イラル物質「Ｓ−８１１」（メルク社製）を添加して混
合液晶を調製した。一方、対向する平面透明電極上に
「サンエバー150」（日産化学社製）の有機膜をラビン
グして配向膜を形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示
用セルを作製した。上記の混合液晶をこのセルに注入し
て液晶表示装置を構成し、この液晶表示装置の表示特性
を測定した。その結果、しきい値電圧が低く、高時分割
特性に優れ、表示画面のちらつきやクロストーク現象が
改善されたSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得ら
れた。
【００３９】なお、カイラル物質は、カイラル物質の添
加による混合液晶の固有らせんピッチＰと、表示用セル
のセル厚ｄが、Δｎ・ｄ＝０．８５、ｄ／Ｐ＝０．５３
となるように添加した。
加による混合液晶の固有らせんピッチＰと、表示用セル
のセル厚ｄが、Δｎ・ｄ＝０．８５、ｄ／Ｐ＝０．５３
となるように添加した。
【００４０】また、このネマチック液晶組成物Ｎｏ．５
を含有するアクティブ・マトリクス液晶表示装置を作製
したところ、漏れ電流が小さく、フリッカが発生しない
優れたものであることが確認できた。
を含有するアクティブ・マトリクス液晶表示装置を作製
したところ、漏れ電流が小さく、フリッカが発生しない
優れたものであることが確認できた。
【００４１】（比較例１）
【００４２】
【化７】
【００４３】からなる比較の混合液晶（ｆ）を調製し、
この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであ
った。 ＴN-I ： ８０．０ ℃ △ε ： ４．１ △ｎ ： ０．０７８ Ｖth ： ２．０７ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ８．０×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．９×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ４．４×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．８ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９９．１ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．２ ％
この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであ
った。 ＴN-I ： ８０．０ ℃ △ε ： ４．１ △ｎ ： ０．０７８ Ｖth ： ２．０７ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ８．０×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．９×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ４．４×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．８ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９９．１ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．２ ％
【００４４】この混合液晶（ｆ）と実施例１のネマチッ
ク液晶組成物Ｎｏ．５のＴN-Iと電圧保持率は同じであ
るが、混合液晶（ｆ）のしきい値電圧は、Ｎｏ．５の組
成物より０．６Ｖも高く、駆動電圧の高いものであるこ
とが明らかである。
ク液晶組成物Ｎｏ．５のＴN-Iと電圧保持率は同じであ
るが、混合液晶（ｆ）のしきい値電圧は、Ｎｏ．５の組
成物より０．６Ｖも高く、駆動電圧の高いものであるこ
とが明らかである。
【００４５】（実施例２）
【００４６】
【化８】
【００４７】からなるネマチック液晶組成物Ｎｏ．６を
調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の
通りであった。 ＴN-I ：１００．０ ℃ △ε ： ６．８ △ｎ ： ０．０８４ Ｖth ： １．７０ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ８．８×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．６×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ４．０×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．６ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９９．１ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．１ ％
調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の
通りであった。 ＴN-I ：１００．０ ℃ △ε ： ６．８ △ｎ ： ０．０８４ Ｖth ： １．７０ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ８．８×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．６×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ４．０×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．６ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９９．１ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．１ ％
【００４８】このネマチック液晶組成物Ｎｏ．６を含有
するアクティブ・マトリクス液晶表示装置を作製したと
ころ、漏れ電流が小さくフリッカが発生しない優れたも
のであることが確認できた。
するアクティブ・マトリクス液晶表示装置を作製したと
ころ、漏れ電流が小さくフリッカが発生しない優れたも
のであることが確認できた。
【００４９】（比較例２）
【００５０】
【化９】
【００５１】からなる比較の混合液晶（ｇ）を調製し、
この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであ
った。 ＴN-I ：１００．０ ℃ △ε ： ４．４ △ｎ ： ０．０８８ Ｖth ： ２．１３ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ９．１×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．５×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ４．８×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．７ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９９．０ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．３ ％
この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであ
った。 ＴN-I ：１００．０ ℃ △ε ： ４．４ △ｎ ： ０．０８８ Ｖth ： ２．１３ Ｖ テスト前の比抵抗 ： ９．１×１０13Ω・c
m 加熱促進テスト後比抵抗 ： ５．５×１０13Ω・c
m 紫外線照射促進テスト後比抵抗： ４．８×１０13Ω・c
m テスト前の電圧保持率 ：９９．７ ％ 加熱促進テスト後電圧保持率 ：９９．０ ％ 紫外線照射促進テスト後電圧保持率：９８．３ ％
【００５２】この混合液晶（ｇ）と実施例２のネマチッ
ク液晶組成物Ｎｏ．６のＴN-Iと電圧保持率はほぼ同じ
であるが、混合液晶（ｇ）のしきい値電圧は、Ｎｏ．６
の組成物より０．４３Ｖも高く、駆動電圧の高いもので
あることが明らかである。
ク液晶組成物Ｎｏ．６のＴN-Iと電圧保持率はほぼ同じ
であるが、混合液晶（ｇ）のしきい値電圧は、Ｎｏ．６
の組成物より０．４３Ｖも高く、駆動電圧の高いもので
あることが明らかである。
【００５３】（実施例４）
【００５４】
【化１０】
【００５５】からなるネマチック液晶組成物Ｎｏ．７を
調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の
通りであった。 ＴN-I ： ９３．０ ℃ △ε ： ７．３ △ｎ ： ０．０７６ Ｖth ： １．４９ Ｖ
調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の
通りであった。 ＴN-I ： ９３．０ ℃ △ε ： ７．３ △ｎ ： ０．０７６ Ｖth ： １．４９ Ｖ
【００５６】（実施例５）第１表に記載のＮｏ．１〜３
の化合物を構成成分とする二成分又は三成分系のネマチ
ック液晶組成物を調製した。これらの組成物のネマチッ
ク相−等方性液体相転移温度（ＴN-I）、しきい値電圧
（Ｖth）を測定し、組成比とＴN-Iの関係を第１図に、
組成比とＶthの関係を第２図に示した。
の化合物を構成成分とする二成分又は三成分系のネマチ
ック液晶組成物を調製した。これらの組成物のネマチッ
ク相−等方性液体相転移温度（ＴN-I）、しきい値電圧
（Ｖth）を測定し、組成比とＴN-Iの関係を第１図に、
組成比とＶthの関係を第２図に示した。
【００５７】これらの結果から、本発明に係わる化合物
を含有するネマチック液晶組成物は、ＴN-Iが８０〜１
００℃の範囲にあるとき、Ｖthが１．４〜１．７Ｖの範
囲にあり、低電圧駆動が可能であることが理解できる。
を含有するネマチック液晶組成物は、ＴN-Iが８０〜１
００℃の範囲にあるとき、Ｖthが１．４〜１．７Ｖの範
囲にあり、低電圧駆動が可能であることが理解できる。
【００５８】（比較例３）本発明で使用する一般式
（Ｉ）〜（ＩＩＩ）の化合物の類似構造を有する式
（ｉ）、（ｊ）
（Ｉ）〜（ＩＩＩ）の化合物の類似構造を有する式
（ｉ）、（ｊ）
【００５９】
【化１１】
【００６０】の化合物及び式（ｈ）の組成物
【００６１】
【化１２】
【００６２】を構成成分とする二成分又は三成分系のネ
マチック液晶組成物を調製した。これらの組成物のＴ
N-I及びしきい値電圧を測定し、組成比とＴN-Iの関係を
第３図に、組成比とＶthの関係を第４図に示した。
マチック液晶組成物を調製した。これらの組成物のＴ
N-I及びしきい値電圧を測定し、組成比とＴN-Iの関係を
第３図に、組成比とＶthの関係を第４図に示した。
【００６３】これらの結果から、比較の化合物を含有す
るネマチック液晶組成物は、ＴN-Iが８０〜１００℃の
範囲にあるとき、Ｖthが２．０〜２．２Ｖの範囲にあ
り、駆動電圧が非常に高くなることが理解できる。
るネマチック液晶組成物は、ＴN-Iが８０〜１００℃の
範囲にあるとき、Ｖthが２．０〜２．２Ｖの範囲にあ
り、駆動電圧が非常に高くなることが理解できる。
【００６４】
【発明の効果】本発明のネマチック液晶組成物は、しき
い値電圧が低く、高い電圧保持率特性を有し、しかも化
学的安定性が高いものである。従って、これを用いた本
発明の液晶表示装置は、表示画面のちらつき、クロスト
ーク現象を改善したものである。よって情報量の多いTN
-LCD、STN-LCDあるいはアクティブ・マトリクス方式に
おいて良好な駆動特性及び表示特性が得られる。
い値電圧が低く、高い電圧保持率特性を有し、しかも化
学的安定性が高いものである。従って、これを用いた本
発明の液晶表示装置は、表示画面のちらつき、クロスト
ーク現象を改善したものである。よって情報量の多いTN
-LCD、STN-LCDあるいはアクティブ・マトリクス方式に
おいて良好な駆動特性及び表示特性が得られる。
【図１】本発明の液晶組成物における組成比とネマチッ
ク相−等方性液体相転移温度（℃）の関係を示した図表
である。
ク相−等方性液体相転移温度（℃）の関係を示した図表
である。
【図２】本発明の液晶組成物における組成比としきい値
電圧（Ｖ）の関係を示した図表である。
電圧（Ｖ）の関係を示した図表である。
【図３】比較の液晶組成物における組成比とネマチック
相−等方性液体相転移温度（℃）の関係を示した図表で
ある。
相−等方性液体相転移温度（℃）の関係を示した図表で
ある。
【図４】比較の液晶組成物における組成比としきい値電
圧（Ｖ）の関係を示した図表である。
圧（Ｖ）の関係を示した図表である。
Claims (8)
- 【請求項１】 一般式（Ｉ）〜（ＩＩＩ） 【化１】 （式中、Ｒ1、Ｒ2及びＲ3は各々独立的に、炭素原子数
２〜７の直鎖状アルキル基を表わす。）で表わされる化
合物からなる群から選ばれる化合物を含有することを特
徴とするネマチック液晶組成物。 - 【請求項２】 請求項１記載の一般式（Ｉ）で表わされ
る化合物及び一般式（ＩＩ）で表わされる化合物を含有
することを特徴とするネマチック液晶組成物。 - 【請求項３】 請求項１記載の一般式（ＩＩ）で表わさ
れる化合物及び一般式（ＩＩＩ）で表わされる化合物を
含有することを特徴とするネマチック液晶組成物。 - 【請求項４】 請求項１記載の一般式（Ｉ）で表わされ
る化合物、一般式（ＩＩ）で表わされる化合物及び一般
式（ＩＩＩ）で表わされる化合物を含有することを特徴
とするネマチック液晶組成物。 - 【請求項５】 一般式（ＩＩ）で表わされる化合物を１
０〜９０重量％の範囲で含有することを特徴とする請求
項１記載のネマチック液晶組成物。 - 【請求項６】 一般式（Ｉ）で表わされる化合物を０〜
３０重量％及び一般式（ＩＩＩ）で表わされる化合物を
０〜４０重量％の範囲で含有することを特徴とする請求
項５記載のネマチック液晶組成物。 - 【請求項７】 請求項１記載のネマチック液晶組成物を
用いたアクティブ・マトリクス形液晶表示装置。 - 【請求項８】 請求項１記載のネマチック液晶組成物を
用いたツイスティッド・ネマチック又はスーパー・ツイ
スティッド・ネマチック液晶表示装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25976192A JPH06108052A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25976192A JPH06108052A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06108052A true JPH06108052A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17338598
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25976192A Pending JPH06108052A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06108052A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997000302A1 (fr) * | 1995-06-16 | 1997-01-03 | Chisso Corporation | Composition de cristaux liquides pour elements d'affichage a cristaux liquides et procede de production de cette composition |
| JPH09255954A (ja) * | 1996-01-19 | 1997-09-30 | Dainippon Ink & Chem Inc | 液晶デバイス、その製造方法及び、これを用いた液晶表示装置 |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP25976192A patent/JPH06108052A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997000302A1 (fr) * | 1995-06-16 | 1997-01-03 | Chisso Corporation | Composition de cristaux liquides pour elements d'affichage a cristaux liquides et procede de production de cette composition |
| JPH09255954A (ja) * | 1996-01-19 | 1997-09-30 | Dainippon Ink & Chem Inc | 液晶デバイス、その製造方法及び、これを用いた液晶表示装置 |
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|---|---|---|---|
| A521 | Written amendment |
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