JPH06108053A - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置

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JPH06108053A
JPH06108053A JP4262131A JP26213192A JPH06108053A JP H06108053 A JPH06108053 A JP H06108053A JP 4262131 A JP4262131 A JP 4262131A JP 26213192 A JP26213192 A JP 26213192A JP H06108053 A JPH06108053 A JP H06108053A
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JP
Japan
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liquid crystal
group
crystal composition
nematic liquid
composition
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Application number
JP4262131A
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English (en)
Inventor
Kiyobumi Takeuchi
清文 竹内
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (1)式(I) (R1はC2〜7のアルキル、アルケニル;l、m、n
は0、1;X1はH、F)の化合物及び(2)式(II)
〜(V)、(X)、(XI)等 (R2はC2〜7のアルキル、アルケニル;R3はC2〜
7のアルキル、アルコキシ、アルケニルオキシ;R4
C2〜7の直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、
アルケニルオキシ又はアルコキシアルキル;X2はC
3、H)の化合物から選んだ化合物を含有するネマチ
ック液晶組成物、この液晶組成物を用いた液晶表示装
置。 【効果】 しきい値電圧が低く、応答速度が速く、化学
的安定性が高い。これを用いた液晶表示装置は広い温度
範囲で駆動電圧の変動が小さく、高速応答性を有し、誘
電異方性の低減により表示画面のちらつきやクロストー
ク現象が改善される。情報量の多いTN−LCD、ST
N−LCDでも良好な駆動特性及び表示特性が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気光学的表示材料と
して有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD
(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、近年、OA機器の処理情報の増加に伴い、
一画面に表示される情報量が増大しており、シェファー
(Scheffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、
あるいは衣川等[SID '86Digest, 122頁(1986年)]によ
って、STN (スーパー・ツイスティッド・ネマチック)
−LCDが開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコン
ピュータなどの高情報処理用の表示に広く普及しはじめ
ている。そして、この様な表示素子に対応するために、
現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案がな
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】TN-LCDやSTN-LCDに
は、液晶材料の化学的安定性、液晶表示装置の低電圧駆
動性及び応答特性等の課題がある。
【0004】例えば、ワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピューター等の情報量の多いSTN-LCDには高時分割数
で良好な駆動特性が要求されるが、時分割数の増大は駆
動電圧の上昇を起こし駆動回路に大きな影響を与える。
これを低減させる一つの方法として、
【0005】
【数1】
【0006】(式中、Vthはしきい値電圧を、kは比例
定数を、Kは弾性定数を、Δεは誘電異方性をそれぞれ
表わす。)の関係から、誘電異方性の大きな液晶材料を
用いて駆動電圧を低下させる方法が知られている。しか
しながら、このような液晶材料の多くは液晶材料の粘性
を増加させるものであるので、良好な応答特性を得るこ
とを困難にさせる、あるいは各画素毎のキャパシタンス
成分を増加させるものであるので表示可能な駆動周波数
範囲を狭め、これによりクロストーク現象を発生させる
等の問題を有している。
【0007】一方、低電圧で駆動可能な従来の液晶材料
の場合、一般的に、調製された初期あるいは促進テスト
後の抵抗値が低いことが知られている。この様な液晶材
料の低い抵抗値は、時分割数の増大により表示画面のち
らつきやコントラストの低下等を引き起こす原因とな
り、好ましくなかった。
【0008】更に、情報量の増加による暗い画質を補う
目的で、STN-LCDにはバックライトを補助光源として利
用することが一般的である。このために、バックライト
方式のSTN-LCDに用いられる液晶材料には、耐熱性及び
耐光性等の化学的安定性が新たに要求されている。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、TN-LCD
やSTN-LCD用液晶材料として誘電異方性と弾性定数の両
者の絶対値が小さく、また、しきい値電圧が低く、応答
速度が速く、しかも化学的安定性の高い液晶組成物を提
供することにあり、更に、この液晶組成物を用いた液晶
表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(1)一般式(I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1は炭素原子数2〜7の直鎖状
アルキル基又はアルケニル基を表わし、l、m及びnは
各々独立して0又は1を表わし、X1はH又はFを表わ
す。但し、mが0の場合、nは0である。)で表わされ
る化合物及び(2)一般式(II)〜(XI)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R2は炭素原子数2〜7の直鎖状
アルキル基又はアルケニル基を表わし、R3は炭素原子
数2〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシ基又はアルケ
ニルオキシ基を表わし、R4は炭素原子数2〜7の直鎖
状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニ
ルオキシ基又はアルコキシアルキル基を表わし、X2
CH3又はHを表わす。)で表わされる化合物から成る
群から選ばれる化合物を含有することを特徴とするネマ
チック液晶組成物を提供する。
【0015】更に、本発明の第2のネマチック液晶組成
物として、上記ネマチック液晶組成物中に、(3)一般
式(XII)〜(XXIV)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R2は炭素原子数2〜7の直鎖状
アルキル基又はアルケニル基を表わし、R4は炭素原子
数2〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ル基、アルケニルオキシ基又はアルコキシアルキル基を
表わし、R5は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、
アルケニル基又はCj2j+1-O-Ck2k-を表わし、j
は1〜3の整数を表わし、kは2〜5の整数を表わし、
6は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、アルコキ
シ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わし、
環Aは1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシ
レン基を表わし、X2はCH3又はHを表わし、X3はH
又はFを表わす。)で表わされる化合物からなる群から
選ばれる化合物を含有することを特徴とするネマチック
液晶組成物を提供する。
【0018】また、本発明は上記のネマチック液晶組成
物を用いたツイスティッド・ネマチック又はスーパー・
ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置を提供する。
【0019】本発明に係わる一般式(I)で表わされる
化合物の代表的なものの例(No.1〜6)とその相転
移温度を下記第1表に、一般式(II)〜(XI)で表
わされる化合物の代表的なものの例(No.7〜24)
とその相転移温度を下記第2表に、一般式(XII)〜
(XXIV)で表わされる化合物の代表的なものの例
(No.25〜39)とその相転移温度を下記第3表に
それぞれ示す。
【0020】尚、下記表中、m.p.は結晶相から液晶相
又は等方性液体相に相転移する温度を、c.p.は液晶相
から等方性液体相に相転移する温度をそれぞれ表わす。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表
わされる化合物を含有するものであり、応答速度を悪化
させることなく駆動電圧を低減させる効果が得られる。
また、一般式(I)の化合物は、TN-LCD、STN-LCDの表示
特性に重要な役割を果たす液晶材料の弾性定数の調整に
も有用なものであり、用途に応じた弾性定数比K33/K
11を示すネマチック液晶組成物を調製可能とするもので
ある。
【0027】このような効果は、一般式(I)で表わさ
れる化合物の一方の末端基がアルキル基又はアルケニル
基であり、他方が−OCNの極性基であることによると
考えられる。そしてより詳しくは、一般式(I)の化合
物の誘電異方性が非常に小さく、弾性定数比K33/K11
の大きさに係わりなく、弾性定数の絶対値も非常に小さ
いことによると考えられる。
【0028】本発明の液晶組成物は、一般式(I)の化
合物を5〜90重量%の範囲で含有することが好まし
く、10〜85重量%の範囲が特に好ましい。本発明の
液晶組成物における一般式(I)の化合物の効果を明ら
かにするために、以下の実験を行った。
【0029】まず、現在汎用されている化合物からなる
母体液晶として、下記に示す混合液晶(A)を調製し
た。
【0030】
【化7】
【0031】(上記中、「%」は『重量%』を意味す
る。) 次いで、混合液晶(A)70重量%及び上記第1表に示
したNo.1の化合物30重量%からなる液晶組成物N
o.40を調製した。また、比較のために、No.1の
化合物の類似構造を有し、−OCNの代わりに−CNの
極性基を有する式(a)
【0032】
【化8】
【0033】の化合物を用いて、同様にして比較の液晶
組成物(b)を調製した。これらの組成物No.40、
(b)及び混合液晶(A)について、ネマチック相−等
方性液体相転移温度(TN-I)、誘電異方性(△ε)、
複屈折率(△n)、弾性定数(K11、K33)、セル厚8
μmのTN-LCDを構成したときのしきい値電圧(Vth)、
応答速度に重要な影響を与える粘性(η)の測定を行っ
た。この結果を下記第4表に示す。
【0034】
【表6】
【0035】この結果から、一般式(I)で表わされる
化合物を含有するネマチック液晶材料No.40は、△
εが比較の組成物(b)の60%に相当する小さい値に
もかかわらず、駆動電圧が低いことが認められた。これ
は極性基の僅かな違いにより、弾性定数K11、K33のそ
れぞれの値が小さいことに由来するものであると考えら
れる。更に、本発明のNo.40の組成物では、20
℃、0℃、−20℃の全ての温度で低粘性の特性を示
し、特に−20℃では比較の組成物(b)の65%に相
当する小さい値になっている。この特性は、特に低温で
の高速応答性が重要視される車載用に有用なものであ
る。このように、駆動電圧と応答速度の両者を十分に低
減できる特性は、いまだかつて類を見ないものである。
【0036】更に、上記の液晶組成物No.40と比較
の組成物(b)を用いてそれぞれTN-LCD液晶表示素子を
作製し、そのしきい値電圧(Vth)の周波数依存性を測
定した。この結果を第1図に示した。
【0037】この第1図から、一般式(I)で表わされ
る化合物を含有するネマチック液晶材料は、より広い周
波数範囲でしきい値電圧の変動幅が小さく、ほぼ一定の
しきい値電圧を有することが認められた。この特性は、
一般式(I)の化合物の極性基−OCNによるものと考
えられ、これによって、各画素毎のキャパシタンス成分
を大幅に減少させ、時分割数の増加によるクロストーク
現象を低減することができ、情報量の多い液晶表示装置
に有用なものである。
【0038】本発明の第2の液晶組成物は、(1)一般
式(I)で表わされる化合物、(2)一般式(II)〜
(XI)からなる群から選ばれる化合物及び(3)一般
式(XII)〜(XXIV)で表わされる化合物からな
る群から選ばれる化合物を併用することにより、特に上
述の特性を維持向上する効果が得られるものである。ま
た、表示特性に重要な役割を果たす弾性定数の最適化が
でき、用途に応じた弾性定数比K33/K11を示すネマチ
ック液晶組成物を調製可能とするものであり、これによ
り電気光学的特性の急峻性(γ)を改善することがで
き、情報量の多い高時分割駆動に適したTN-LCD、STN-LC
D液晶表示装置を提供できるものである。
【0039】本発明で使用する一般式(II)〜(XX
IV)で表わされる化合物は、誘電異方性が−2〜+2
の範囲にある絶対値の小さい化合物であり、一般的には
これらの化合物を液晶組成物に添加した場合、しきい値
電圧を上昇させてしまう欠点を有するが、一般式(I)
で表わされる化合物と併用することにより、十分に低い
駆動電圧で動作できるネマチック液晶組成物を得ること
ができるものである。。
【0040】このうち、一般式(II)〜(XI)で表
わされる化合物は、ネマチック液晶組成物の△nを容易
に最適化させることができ、液晶表示装置の色むらの低
減、視角特性の向上、コントラスト比の増加等を行なう
ことができるものである。そして、STN-LCDの表示特性
に必要な大きな弾性定数比K33/K11、あるいはTN-LCD
の表示特性に必要な小さな弾性定数比K33/K11を得る
ために有用なものであり、これにより多くの情報を表示
することができる。また、ネマチック相を特に低温側に
拡大させる傾向を有し、液晶表示装置の操作可能な温度
範囲を広げることができる。更に、ネマチック液晶組成
物の粘性を向上させるものであり、高速応答の液晶表示
を得ることができるものである。
【0041】本発明の液晶組成物は、一般式(II)〜
(XI)の化合物からなる群から選ばれる化合物を各々
0〜40重量%の範囲で含有することが好ましく、総量
では10〜80重量%の範囲で含有することが好まし
く、30〜70重量%の範囲が特に好ましい。
【0042】また、一般式(XII)〜(XXIV)で
表わされる化合物は、ネマチック液晶組成物の△nや弾
性定数比K33/K11を容易に調整することができ、液晶
表示装置の色むらの低減や表示特性の改善に有用なもの
であり、特にネマチック液晶相を高温側に拡大させる傾
向を有し、液晶表示装置の操作可能な温度範囲を広げる
ことができる。更に、ネマチック液晶組成物の粘性を悪
化させないものであり、高速応答の液晶表示装置を得る
ことができるものである。
【0043】本発明の液晶組成物は、一般式(XII)
〜(XXIV)の化合物からなる群から選ばれる化合物
を各々0〜25重量%の範囲で含有することが好まし
く、総量では0〜40重量%の範囲で含有することが好
ましい。
【0044】勿論、より高度の液晶表示装置に適した特
性が必要とされる場合には、本発明の液晶組成物は一般
式(II)〜(XI)で表わされる化合物からなる群か
ら選ばれる化合物と一般式(XII)〜(XXIV)で
表わされる化合物からなる群から選ばれる化合物を併用
することがより好ましく、これによって優れたSTN-LCD
やTN-LCDの表示特性を具備させることが可能なネマチッ
ク液晶組成物を提供することができる。
【0045】更に、本発明の液晶組成物は、しきい値電
圧の温度依存性が小さいことを見いだした。この効果
は、後述の実施例にも示したように、本発明で使用する
一般式(I)の化合物と比較の式(a)の化合物の極性
基の僅かな違いによって発現していると考えられる。
【0046】しきい値電圧の温度依存性を改善させる従
来の技術としては、誘起されたピッチが負の温度依存性
を有するカイラル化合物を用いることが知られている。
本発明はこの様な化合物の添加に起因した欠点、即ち粘
性の悪化、しきい値電圧の増加、調整の煩わしさ、コス
トの上昇等の課題をも解決できる優れたものである。
【0047】また、本発明の液晶組成物は後述の実施例
にも示したように、化学的に安定であって高い抵抗値を
有するものであり、従って、広い駆動周波数で表示可能
なネマチック液晶組成物を提供することができる。
【0048】更に、本発明の液晶組成物は、一般式
(I)〜(XXIV)で表わされる化合物に加えて、液
晶組成物の他の特性を改善するために、液晶化合物とし
て認識される通常のネマチック液晶、スメクチック液
晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。こ
の様な液晶化合物の代表的なものの例を以下に挙げる。
【0049】
【化9】
【0050】(上記一般式中、Rはアルキル基、アルケ
ニル基又はアルコキシアルキル基を表わし、XはH又は
Fを表わす。)
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ま
た、以下の実施例及び比較例において、「%」は『重量
%』を表わす。
【0052】組成物の比抵抗は、液晶組成物2gをアン
プル管に入れ、真空脱気後、窒素置換の処理をして封入
し、150℃、1時間の加熱促進テスト、及び10時間
の紫外線照射促進テスト「SUNTEST」(オリジナ
ルハナウ社製)を行なった後の液晶組成物の比抵抗を測
定した。
【0053】実施例中、測定した特性の各記号の意味は
以下の通りである。 TN-I : ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃) Δε : 誘電異方性 Δn : 複屈折率 Vth : セル厚6μmのTN-LCDを構成した時、電圧無
印加状態での透過光量を100%、充分な印加電圧での
透過光量を0%とした時、透過光量が90%となるしき
い値電圧(V) Vst : Vthと同様の条件において、透過光量が50
%となる飽和電圧(V) γ : 急峻性(γ=Vst/Vth) K33/K11: 弾性定数比
【0054】(実施例1)
【0055】
【化10】
【0056】からなるネマチック液晶組成物No.41
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 83.8 ℃ △ε : 5.2 △n : 0.087 Vth : 1.53 V K33/K11 : 1.7
【0057】この液晶組成物の加熱促進テスト及び紫外
線照射促進テスト後の比抵抗値は、テスト前と比べてほ
とんど低下しておらず、高い値を保持していた。また、
ネマチック液晶組成物No.40にカイラル物質「S−
811」(メルク社製)を添加して混合液晶を調製し
た。一方、対向する平面透明電極上に「サンエバー15
0」(日産化学社製)の有機膜をラビングして配向膜を
形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示用セルを作製し
た。上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表示装置
を構成し、表示特性を測定した。その結果、しきい値電
圧が低く、高時分割特性に優れ、表示画面のちらつきや
クロストーク現象が改善されたSTN-LCD表示特性を示す
液晶表示装置が得られた。
【0058】なお、カイラル物質は、カイラル物質の添
加による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルの
セル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53と
なるように添加した。
【0059】(実施例2)
【0060】
【化11】
【0061】からなるネマチック液晶組成物No.42
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 82.1 ℃ △ε : 6.3 △n : 0.180 Vth : 1.69 V γ : 1.12 この液晶組成物の加熱促進テスト及び紫外線照射促進テ
スト後の比抵抗値は、テスト前と比べてほとんど低下し
ておらず、高い値を保持していた。
【0062】(実施例3)
【0063】
【化12】
【0064】からなるネマチック液晶組成物No.43
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 75.6 ℃ △ε : 8.1 △n : 0.090 Vth : 1.37 V
【0065】(実施例4)
【0066】
【化13】
【0067】からなるネマチック液晶組成物No.44
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 72.6 ℃ △ε : 8.2 △n : 0.079 Vth : 1.30 V K33/K11 : 2.1
【0068】このネマチック液晶組成物No.44に実
施例1と同様にしてカイラル物質「S−811」を添加
して混合液晶を調製した。この混合液晶を用いて実施例
1と同様にして、ツイスト角220度のSTN-LCDを作製し、
表示特性を測定した。その結果、しきい値電圧が低く、
高時分割特性に優れ、表示画面のちらつきやクロストー
ク現象が改善されたSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装
置が得られた。
【0069】なお、カイラル物質は、カイラル物質の添
加による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルの
セル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53と
なるように添加した。
【0070】(実施例5)
【0071】
【化14】
【0072】からなるネマチック液晶組成物No.45
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 82.7 ℃ △ε : 5.2 △n : 0.088 Vth : 1.60 V γ : 1.11
【0073】(実施例6)
【0074】
【化15】
【0075】からなるネマチック液晶組成物No.46
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 72.5 ℃ △ε : 9.3 △n : 0.104 Vth : 1.30 V γ : 1.12
【0076】(実施例7)
【0077】
【化16】
【0078】からなるネマチック液晶組成物No.47
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 80.7 ℃ △ε : 7.5 △n : 0.083 Vth : 1.44 V
【0079】(実施例8)
【0080】
【化17】
【0081】からなるネマチック液晶組成物No.48
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 77.9 ℃ △ε : 5.8 △n : 0.079 Vth : 1.49 V γ : 1.12
【0082】(実施例9)
【0083】
【化18】
【0084】からなるネマチック液晶組成物No.49
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 61.7 ℃ △ε : 3.5 △n : 0.089 Vth : 1.71 V γ : 1.13
【0085】(実施例10)
【0086】
【化19】
【0087】からなるネマチック液晶組成物No.50
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 67.6 ℃ △ε : 4.4 △n : 0.196 Vth : 1.83 V γ : 1.10
【0088】(実施例11)
【0089】
【化20】
【0090】からなるネマチック液晶組成物No.51
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 89.4 ℃ △ε : 7.7 △n : 0.099 Vth : 1.61 V γ : 1.13
【0091】(実施例12)
【0092】
【化21】
【0093】からなるネマチック液晶組成物No.52
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 96.0 ℃ △ε : 7.7 △n : 0.103 Vth : 1.66 V γ : 1.13
【0094】(比較例1)
【0095】
【化22】
【0096】からなる比較の混合液晶(c)を調製し、
この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであ
った。 TN-I : 89.9 ℃ △ε : 6.9 △n : 0.099 Vth : 1.83 V γ : 1.17
【0097】この混合液晶(c)は、本発明に係わるN
o.1、2及び4の化合物の類似構造を有し、極性基−
OCNの代わりに−CNを有する化合物であり、これら
の化合物を用いて実施例5と同様に調製したものであ
る。
【0098】この混合液晶(c)と実施例5のネマチッ
ク液晶組成物No.45を比較すると、ネマチック液晶
組成物No.45は誘電異方性が小さいにもかかわら
ず、低電圧で表示が可能であることが認められた。ま
た、低温での粘性の増加が小さく、駆動電圧の周波数特
性にも優れていることが認められた。このような効果
は、一般式(I)の化合物の誘電異方性と弾性定数のそ
れぞれの絶対値が小さいことによるものであると考えら
れる。
【0099】(実施例13)実施例5のネマチック液晶
組成物No.45及び比較例1の混合液晶(c)を用い
て、TN-LCDの液晶表示装置をそれぞれ作製した。この液
晶表示装置の各温度におけるしきい値電圧を測定し、そ
の結果を第2図に示した。
【0100】第2図から、本発明の液晶組成物は、比較
の組成物に比べて、温度変化に対するしきい値電圧の変
化が小さいことが明らかであり、これを用いることによ
って、しきい値電圧の温度依存性が改善された液晶表示
装置を提供することができる。
【0101】また、しきい値電圧の温度依存性が低減し
たことにより、TN-LCDやSTN-LCDの時分割駆動に係わる
課題を解決することができ、高時分割数で良好な駆動特
性を得られ、時分割駆動の温度マージンを拡大できる優
れた液晶表示装置を提供することができる。
【0102】また、従来のように、しきい値電圧の温度
依存性を改善するために、誘起されたピッチが負の温度
依存性を有するカイラル化合物を用いる必要がなく、こ
の様な化合物の添加に起因した欠点、即ち粘性の悪化、
しきい値電圧の増加、調整の煩わしさ、コストの上昇等
の課題をも解決できることが明らかである。
【0103】
【発明の効果】本発明のネマチック液晶組成物は、しき
い値電圧が低く、応答速度が速く、しかも化学的安定性
が高いものである。
【0104】従って、これを用いた液晶表示装置は、広
い温度範囲において駆動電圧の変動が小さく、高速応答
性を有するとともに、誘電異方性の低減により表示画面
のちらつきやクロストーク現象を改善したものである。
よって情報量の多いTN-LCD、STN-LCDにおいても良好な
駆動特性及び表示特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び比較の液晶組成物における周波数
(Hz)としきい値電圧(V)の関係を示す図表であ
る。
【図2】本発明及び比較の液晶組成物における温度
(℃)としきい値電圧(V)の関係を示す図表である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基又
    はアルケニル基を表わし、l、m及びnは各々独立して
    0又は1を表わし、X1はH又はFを表わす。但し、m
    が0の場合、nは0である。)で表わされる化合物及び
    (2)一般式(II)〜(XI) 【化2】 (式中、R2は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基又
    はアルケニル基を表わし、R3は炭素原子数2〜7の直
    鎖状アルキル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基
    を表わし、R4は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル
    基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基
    又はアルコキシアルキル基を表わし、X2はCH3又はH
    を表わす。)で表わされる化合物から成る群から選ばれ
    る化合物を含有することを特徴とするネマチック液晶組
    成物。
  2. 【請求項2】 一般式(XII)〜(XXIV) 【化3】 (式中、R2は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基又
    はアルケニル基を表わし、R4は炭素原子数2〜7の直
    鎖状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケ
    ニルオキシ基又はアルコキシアルキル基を表わし、R5
    は炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、アルケニル基
    又はCj2j+1-O-Ck2k-を表わし、jは1〜3の整
    数を表わし、kは2〜5の整数を表わし、R6は炭素原
    子数2〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシ基、アルケ
    ニル基又はアルケニルオキシ基を表わし、環Aは1,4
    −フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基を表わ
    し、X2はCH3又はHを表わし、X3はH又はFを表わ
    す。)で表わされる化合物からなる群から選ばれる化合
    物を含有することを特徴とする請求項1記載のネマチッ
    ク液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のネマチック液晶組成物を
    用いたツイスティッド・ネマチック又はスーパー・ツイ
    スティッド・ネマチック液晶表示装置。
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