JP4013084B2 - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学的表示材料として有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されている。一方、OA機器の処理情報の増加に伴い、シェファー(Scheffer)等[SID '85 Digest, p.120 1985年]、衣川等[SID '86 Digest, p.122 1986年]によって、STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)−LCDが開発され、携帯端末、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの高情報処理用の表示に広く普及しはじめている。
【0003】
最近、STN-LCDの応答特性改善を目的にアクティブアドレッシング駆動方式[Proc.12th IDRC p.503 1992年]やマルチラインアドレッシング駆動方式[SID'92Digest, p.232 1992年]が提案されている。この様な液晶材料として、弾性定数比K33/K11が1.5前後、誘電率異方性や粘性が比較的小さいことと併せて、特に複屈折率が大きいものが要求されている。また、より明るい表示やより高いコントラスト比を達成する目的で、カラーフィルター層の代わりに、液晶と位相差板の複屈折性を利用した新規反射型カラー液晶表示方式[テレビジョン学会技術報告 vol.14 No10.p.51 1990年]や基板電極側に小さな放物面を施した反射面を有した液晶表示装置が提案されている。これに適した液晶材料として、光の波長の違いによってより大きな位相差を生じさせる複屈折率特性や、広い視野角でも高いコントラストを維持させる複屈折率の光学特性が要求されている。更に、小型化、携帯化、画素数の増加等の表示用途のために、より広い動作温度の液晶表示装置が要求されている。これに適した液晶材料として、弾性定数K11が10〜25の範囲、化学的に安定で、効率的に応答速度を増大でき、より広いネマチック温度のものが要求されている。この様に、液晶材料の個々の物性特性を総合的に最適化ものが必要とされており、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案が要求されている。
【0004】
更に、その表示品質が優れていることから、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が携帯端末、液晶テレビ、プロジェクター、コンピューター等の市場に出されている。アクティブ・マトリクス表示方式は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メタル・インシュレータ・メタル)等が使われており、この方式には高電圧保持率であることが重要視されている。また、更に広い視角特性得るためにIPSモードと組み合わせたスーパーTFT[Asia Display '95 Digest, p.707 1995年]が近藤等によって提案されている(以下、これらアクティブ・マトリクス表示方式の液晶表示素子を総称してTFT-LCDと呼称する)。この様な表示素子に対応するために、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物、例えば特開平6ー312949号公報、特公表5−501735号公報等の提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような液晶表示特性を改善するには、所望の複屈折率の液晶材料が必要である。また、液晶材料のより高い化学的安定性、より低い粘性、液晶表示の高速応答性及び駆動温度範囲のより広い特性についても必要である。本発明に関わる一般式(I)の化合物及びその類似化合物に関する技術は、例えば特開昭54−87688号公報で触れられているが、一般式(I)の化合物を含有した混合物の知見は、今だ充分な報告がされていない。また、上述のようなTN-LCD、STN-LCD、TFT-LCDに有用な所望の複屈折率、誘電率異方性、弾性定数等を調整した液晶材料物性や混合物は、今だ報告されていない。
【0006】
詳述すると、特開昭54−87688号公報では、正の誘電異方性を有する化合物として、例えば下記一般式(a-1)〜(a-2)
【0007】
【化4】
【0008】
(式中、Rはアルキル基を表す。)
で表される液晶化合物が用いられている。これらの化合物を用いた場合、ネマチック相の温度をより広くさせることができても、応答性においてより不十分な特性であった。また、過度に大きな複屈折率のため、複屈折効果を特に重視するSTN-LCDに有用な液晶材料を得るに至っていない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題を解決あるいはより改善することにあり、所望の複屈折率の大きさに対して、駆動可能な温度範囲が広く、応答性に優れたネマチック液晶組成物を提供することにあり、この液晶組成物を構成材料として用いた、電気光学特性の改善されたTN-LCD、STN-LCD、TFT-LCD等の液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、
1.5種〜40種の化合物からなる液晶組成物であって、該液晶組成物が、一般式(I)
【0011】
【化5】
【0012】
(式中、R11は炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基又はアルコキシ基を表し、X11は炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基、アルコキシ基、F、Cl又は-CNを表す。)
で表される1種又は2種以上の化合物からなる液晶成分A、及び一般式(II-1)〜(II-4)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、R21〜R24は各々独立的に炭素原子数2〜10の直鎖状アルキル基、アルケニル基又はCsH2s+1-O-CtH2tを表し、s及びtは各々独立的に1〜5の整数を表し、Y21〜Y25は各々独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、W21〜W23は各々独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、Z21は単結合、-COO-又は-C2H4-を表し、一般式(II-1)におけるシクロヘキサン環の水素原子(H)は重水素原子(D)で置換されていても良い。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物からなる液晶成分Bを含有することを特徴とするネマチック液晶組成物。
2.前記液晶成分Aが、一般式(I)におけるX11がフッ素原子である化合物を30〜100重量%含有することを特徴とする上記1記載のネマチック液晶組成物。
3.前記液晶成分Aが、一般式(I)において、R11がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基で表される化合物、及び/又はX11がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基で表される化合物を30〜100重量%含有することを特徴とする上記1又は2記載のネマチック液晶組成物。
4.前記液晶組成物が、前記液晶成分Aを1〜50重量%含有することを特徴とする上記1、2又は3記載のネマチック液晶組成物。
5.前記液晶成分Bが、前記一般式(II-1)の化合物において、R21が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニル基で表される化合物、及び/又はZ21が単結合、-COO-又は-C2H4-で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記1、2、3又は4記載のネマチック液晶組成物。
6.前記液晶成分Bが、前記一般式(II-2)の化合物において、R22が炭素原子数2〜5のアルキル基で表される化合物、及び/又はY23、Y24、W21、W22の少なくとも1つがフッ素原子で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記1、2、3、4又は5記載のネマチック液晶組成物。
7.前記液晶成分Bが、前記一般式(II-3)の化合物において、R23が炭素原子数2〜5のアルキル基で表される化合物、及び/又はY25、W23の少なくとも1つがフッ素原子で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記1、2、3、4、5又は6記載のネマチック液晶組成物。
8.前記液晶成分Bが、前記一般式(II-4)の化合物におけるR24が炭素原子数3〜8のアルキル基で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記1、2、3、4、5、6又は7記載のネマチック液晶組成物。
9.前記液晶組成物が、前記液晶成分Bを10〜90重量%含有することを特徴とする上記1乃至8記載のネマチック液晶組成物。
10.前記液晶組成物が、一般式(III-1)〜(III-3)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R31〜R33は各々独立的に炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表し、R34〜R36は各々独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基を表し、Y31は水素原子、フッ素原子又は-CH3を表し、Y32及びY33は各々独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、Z31〜Z33は各々独立的に単結合、-COO-又は-C2H4-を表し、Z34は単結合、-C≡C-又は-COO-を表し、環A31はシクロヘキサン環又はシクロヘキセン環を表し、n1及びn2は各々独立的に0又は1の整数を表し、各化合物におけるシクロヘキサン環の水素原子(H)は重水素原子(D)で置換されていても良い。)で表される1種又は2種以上の化合物からなる液晶成分Cを含有することを特徴とする上記1乃至9記載のネマチック液晶組成物。
11.前記液晶成分Cが、前記一般式(III-1)の化合物において、R31が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はアルケニル基で表される化合物、及び/又はR34が炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又はアルコキシ基で表される化合物、及び/又はZ31が単結合又は-COO-で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記10記載のネマチック液晶組成物。
12.前記液晶成分Cが、前記一般式(III-2)の化合物において、R32が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はアルケニル基で表される化合物、及び/又はR35が炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又はアルコキシ基で表される化合物、及び/又はZ32が単結合、-COO-又は-C2H4-で表される化合物、及び/又は環A31がシクロヘキサン環で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記10又は11記載のネマチック液晶組成物。
13.前記液晶成分Cが、前記一般式(III-3)の化合物において、Z34が-C≡C-で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする上記10、11又は12記載のネマチック液晶組成物。
14.前記液晶組成物が、前記液晶成分Cを多くとも70重量%含有することを特徴とする上記10、11、12又は13記載のネマチック液晶組成物。
15.前記液晶組成物が、4個の六員環を有したコア構造の化合物であって、該化合物の液晶相−等方性液体相転移温度が100℃以上を有する化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とする上記1乃至14記載のネマチック液晶組成物。
16.前記液晶組成物が、4〜30の誘電率異方性であり、0.08〜0.33の複屈折率であり、70℃以上のネマチック相−等方性液体相転移温度であり、−10℃以下の結晶相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度であることを特徴とする上記1乃至15記載のネマチック液晶組成物。
17.前記液晶組成物に、誘起螺旋ピッチが0.5〜1000μmとなる光学活性基を有する化合物を含有することを特徴とする上記1乃至16記載のネマチック液晶組成物。
18.上記17記載のネマチック液晶組成物を用いたツイスティッド・ネマチック又はスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置。
19.液晶層の厚みが1〜30μmであることを特徴とする上記18記載の液晶表示装置。
を上記課題の解決手段として見出した。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置の一例について説明する。
【0018】
本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物からなる液晶成分Aを必須成分として含有する。この液晶成分Aは、比較的低い粘性でより大きい複屈折率を有し、より大きい弾性定数を有している。このため本発明の液晶組成物は、広い範囲で複屈折率や弾性定数を調整することが可能となり、例えば高速応答で駆動できるという特徴を有している。本発明の液晶組成物は、一般式(I)の化合物からなる液晶成分Aを1〜50重量%含有し、一般式(II-1)〜(II-4)で表される化合物からなる液晶成分Bを10〜90重量%含有させることで、より速い応答特性を有することを見いだした。また、液晶成分Aは、他の特性として、液晶材料と混合したとき、ネマチック相−等方性液体相転移温度を比較的高い温度に改善し、また相溶性に優れているので、表示温度範囲をより広くさせることができる。更に、誘電率異方性が比較的小さく、より高い化学的安定性を有している。
【0019】
この様な視点から、一般式(I)で表される化合物におけるより好ましい形態は、R11がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基で表される化合物であり、及び/又はX11がF、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基で表される化合物である。具体的には一般式(I-1)〜(I-8)
で表される化合物がより好ましく、液晶成分Aが、このような化合物の少なくとも1種以上を30〜100重量%含有するネマチック液晶組成物が好ましい結果をもたらした。尚、各化合物は、蒸留、カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去し、充分精製したものを使用した。
【0020】
【化8】
【0021】
液晶成分Aとして一般式(I)の化合物を1種以上含有させることができるが、1種であっても上記の効果を得ることができ、このような一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種以上含む液晶成分Aを含有する本発明の液晶組成物は、これを構成材料として用いたTN-LCD、STN-LCD等の液晶表示装置を、より改善された電気光学特性にし、特に低温での応答性、急峻性、駆動電圧の温度依存性をより好ましいものとさせた。
【0022】
本発明の液晶組成物は、上記液晶成分Aに加えて、一般式(II-1)〜(II-4)で表される化合物からなる液晶成分Bを含有するものである。これらの化合物は5より大きい誘電異方性を有する液晶化合物であり、これによって液晶層の光学異方性を所定の値にすることができ、電気的に駆動可能となり、動作温度範囲を広くさせることができる。
【0023】
液晶成分Bとして、1種の化合物で構成されてもよく、3〜15種の範囲が好ましい。また、誘電率異方性が+8〜+17の一般式(II-1)の化合物、+25〜+60の一般式(II-2)の化合物、+10〜+25の一般式(II-3)の化合物、+18〜+30の一般式(II-4)の化合物から適時選んで含有させることが好ましく、所定の駆動電圧や応答特性を得ることができる。この場合、一般式(II-1)の化合物は多くとも8種以下の範囲で混合することが好ましく、一般式(II-2)の化合物は多くとも10種以下の範囲で混合することが好ましく、一般式(II-3)の化合物は多くとも8種以下の範囲で混合することが好ましく、一般式(II-4)の化合物は多くとも6種以下の範囲で混合することが好ましい。液晶成分Bを上述の様に使用することは、表示特性の温度特性により好ましい効果を付与する。より具体的には、駆動電圧、急峻性に関わるコントラスト、応答性等の温度依存性をより好ましいものとする。
【0024】
本発明の液晶成分Bとして、一般式(II-1)〜(II-4)で表される化合物のうち、1種の一般式から選ばれる化合物で構成してもよく、複数の一般式から構成することもできる。この場合、各一般式の化合物は10〜100重量%の範囲で含有することが好ましい。一般式(II-1)〜(II-4)で表される特に好ましいより具体的な化合物として、一般式(II-1a)〜(II-4c)を下記に示す。尚、各化合物は、蒸留、カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去し、充分精製したものを使用した。これらの化合物を含有した液晶成分Bは、必須成分の液晶成分Aと良く混合する特徴を有し、特に駆動電圧の目的に応じた調製やその温度依存性の改善あるいは応答性の改善に有用である。特に、一般式(II-1a)〜(II-1c)、一般式(II-2a)〜(II-4c)の化合物はこの効果に優れており、1〜25%と少量の含有率でもこの効果を得ることができた。
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、R21〜R23は前記におけると同じ意味を表す。)
【0028】
更に好ましい形態について具体的に詳述する。
R21は炭素原子数が2〜5のアルキル基又はCH2=CH-(CH2)p(p=0、2)のアルケニル基である化合物が好ましく、一般式(II-1a)〜(II-1c)の化合物がこの基を有することが好ましく、液晶成分Bにアルケニル基を有する化合物を少なくとも1種以上含有させることが特に好ましく、粘度や粘弾性を低減させることができる。同様に、R22も炭素原子数2〜5のアルキル基、上述のpが2、4のアルケニル基である化合物が好ましく、一般式(II-2a)〜(II-2f)の化合物がこの基を有することが好ましい。駆動電圧の温度特性、特に低温での温度特性を改善するために、Y23、Y24、W21、W22の少なくとも1つがFで表される化合物を含有することが特に好ましい。R23は炭素原子数が2〜5のアルキル基又は上記のpが2、4のアルケニル基である化合物が好ましく、一般式(II-3a)〜(II-3c)の化合物がこの基を有することが好ましい。R24は、炭素原子数が2〜10のアルキル基であることができるが、炭素原子数が4〜7である化合物が好ましい。
【0029】
より小さい複屈折率を必要とする場合は、一般式(II-1a)〜(II-1g)の化合物を液晶成分Bに多用することが好ましく、より大きい複屈折率を必要とする場合は、一般式(II-3a)〜(II-4c)の化合物を液晶成分Bに多用することが好ましい。より低い駆動電圧を必要とする場合はY21〜Y25、W21〜W23の少なくとも1つがFである一般式(II-1)〜(II-3)の化合物を1種以上液晶成分Bに含有させることが好ましい。
【0030】
一般式(II-1)のシクロヘキサン環中の水素原子(H)が重水素原子(D)で置換された化合物を用いることができるが、この化合物は液晶組成物の弾性定数の調整や配向膜に対応したプレチルト角の調整に有用であることから、重水素原子(D)で置換された化合物を少なくとも1種以上含有させることが好ましい。
【0031】
上述してきた液晶成分Bの効果は、後述する液晶成分Cの含有率が非常に小さい場合においても得ることができる。駆動電圧を特に低くさせる目的のために、液晶成分Cの含有率を10重量%以下にすることができる。この場合、液晶成分Cの粘性を可能な限り低くさせることが好ましく、駆動電圧の上昇がほとんどないか小さい範囲に止まり、応答速度の改善が効率的に得られる。例えば、液晶成分Cが少量の場合、この効果を液晶成分Bで達成させる方法として、一般式(II-1a)の化合物又は一般式(II-3a)の化合物の何れかの化合物を液晶成分Bに含有させることが好ましい。
【0032】
本発明の液晶組成物は、必須成分である液晶成分A及び液晶成分Bに加えて、一般式(III-1)〜(III-3)の化合物からなる液晶成分Cを多くとも70重量%含有させることが好ましい。液晶成分Cは、1種以上20種以下の範囲で構成することが好ましく、2種以上12種以下の範囲で構成することがより好ましい。
【0033】
本発明の液晶成分Cにおける一般式(III-1)〜(III-3)で表される特に好ましい化合物として、一般式(III-1a)〜(III-3h)を以下に示す。これらの化合物を含有した液晶成分Cは、一般式(I)の化合物を含有した液晶成分Aと良く混合する特徴を有し、低温でのネマチック相を改善させるのに有用であった。
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
(式中、R31〜R36、Y31〜Y33は前記におけると同じ意味を表す。)
【0037】
液晶成分Cとして、一般式(III-1)〜(III-3)の化合物を含有することで、粘度や粘弾性を低減させることができ、比抵抗や電圧保持率が比較的高いという特徴を有する。液晶成分Cの粘度は、可能な限り低い粘度であることが好ましく、本発明の場合、45cp以下が好ましく、30cp以下がより好ましく、20cp以下が更に好ましく、15cp以下が特に好ましい。また、R31〜R33が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はCH2=CH-(CH2)q(q=0、2)のアルケニル基である化合物を少なくとも1種以上含有した液晶成分Cはより好ましい効果が得られた。更に特に、一般式(III-1a)、(III-1d)、(III-2a)〜(III-2c)の化合物、Y31が水素原子である一般式(III-3c)〜(III-3f)の化合物は、3〜30%と少量含有させてもこの効果を得ることができ、応答速度の改善に有用であり、例えばSTN-LCDに有用である。
【0038】
上述した効果のために、液晶成分Cが含有すべきより好ましい化合物は、一般式(III-1)の化合物においては、R31が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表し、R34が炭素原子数1〜4の直鎖状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基で表される化合物であり、一般式(III-2)の化合物においては、R32が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表し、R35が炭素原子数1〜4の直鎖状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基で表される化合物である。
【0039】
本発明の液晶成分Cは、一般式(III-1)、一般式(III-2)、一般式(III-3)で表される化合物を各々単独で構成することもできるが、一般式(III-1)及び/又は一般式(III-2)で表される化合物と一般式(III-3)で表される化合物特にZ34が-C≡C-で表される化合物を併用することによって、液晶組成物の複屈折率を用途に応じて容易に最適化することができる。一般式(III-1)、一般式(III-2)の化合物、例えば前記の一般式(III-1a)〜(III-2f)の化合物を多用することによって、複屈折率を減少させることができ、液晶表示装置の色むらの低減、視角特性の向上、コントラスト比の増加を容易に達成することができる。又、一般式(III-3)の化合物、例えば前記の一般式(III-3a)〜(III-3h)の化合物を多用することで、複屈折率を増大させることができ、液晶層の厚みが1〜5μmの薄い液晶表示素子の作製を可能とすることができる。
【0040】
本発明の液晶組成物は、駆動電圧の大きさに対してより速い応答性を目的とする場合、以下のようにすることができる。中位の駆動電圧を目的とする場合は、本発明の液晶組成物の誘電率異方性が3〜15の範囲であり、20℃における粘性が8〜20c.p.の範囲であることが好ましい。この場合、液晶成分Cのみの粘性が25c.p.以下が好ましく、15c.p.以下がより好ましく、10c.p.以下が特に好ましい。又、特に低い駆動電圧を目的とする場合は、本発明の液晶組成物の誘電率異方性が15〜30の範囲にあることが好ましく、18〜28の範囲が特に好ましい。
【0041】
現在、TN-LCD、STN-LCDあるいはTFT-LCDに用いられている配向膜は、ポリイミド系のものが多用されており、例えばLX1400、SE150、SE610、AL1051、AL3408等が使用されている。配向膜の仕様には、液晶表示特性、表示品位、信頼性、生産性が深く関係しており、液晶材料に対しては例えばプレチルト角特性が重要である。プレチルト角の大きさは、所望の液晶表示特性や均一な配向性を得るために、適時調整する必要がある。例えば、大きなプレチルト角の場合不安定な配向状態となりやすく、小さい場合充分な表示特性を満たされないこととなる。
【0042】
本発明者らは、プレチルト角がより大きい液晶材料とより小さい液晶材料とに選別されることを見いだしており、これを応用することによって所望の液晶表示特性や均一な配向性を液晶材料から達成させることを見いだした。この技術は、本発明にも応用できる。例えば、液晶成分Bが一般式(II-1)〜(II-4)を含有する場合は以下のようになる。より大きいプレチルト角は、R21がアルケニル基、Y21、Y22が水素原子である一般式(II-1)の化合物、R23がアルキル基、W23、Y25が水素原子である一般式(II-3)の化合物の含有率を多くさせることで得られ、より小さいプレチルト角は、R21がアルキル基、Y21、Y22がFの一般式(II-1)の化合物、一般式(II-2)、(II-4)の化合物、特にY23及び/又はY24がFの一般式(II-2)の化合物の含有率を多くさせることで得られる。一般式(II-1)や一般式(III-1)、(III-2)におけるシクロヘキサン環の水素原子(H)を重水素原子(D)で置換した化合物の場合、置換位置によって異なり、プレチルト角の幅広い調整を可能にさせる。この様な効果は、例えばより大きいプレチルト角を得る場合、上述した化合物を液晶組成物総量に対して10〜40重量%あるいはそれ以上含有させることによってほぼ得ることができる。
【0043】
本発明に関わる一般式(I)の化合物に関する技術は、例えば特開昭54−87688号公報で触れられており、例えば、一般式(a-1)、(a-2)の化合物を含有した混合物が示されている。また、相溶性や応答特性に有用としている。しかし、特開昭54−87688号公報で開示されている組成物は、応答性に問題があり、改善策を必要としていた。例えばTN-LCDの応答特性は、60msec以下、好ましくは50msec以下、より好ましくは40msec以下、特に好ましくは30msec以下が現在要求されており、改善を必要としている。特に、一般式(a-1)、(a-2)の化合物は、応答特性を悪化させる傾向があり、新たな改善手段を必要としていた。
【0044】
本発明は、上記の問題を解決したものであり、詳細には、例えば以下の各々個別の方策、即ち、(1)液晶成分Aを過度に多用せず、含有率50重量%以下にする、(2)液晶成分Aの含有率が特に多い場合、液晶成分Bを構成する化合物を4種以上にする、(3)液晶成分Bにはシクロヘキサン環を有する化合物を1種以上含有する、(4)液晶成分Bが一般式(II-2)、(II-3)の化合物を含有する場合、一般式(II-1)の化合物を併用する、(5)液晶成分Aの含有率が特に多い場合、液晶成分Cを併用する、(6)液晶成分Bが一般式(II-2)及び/又は(II-3)の化合物を含有する場合、液晶成分Cを微量でも併用する、を見いだしたものである。上記(3)の場合、液晶成分Bに一般式(II-1)の化合物を含有することでより好ましい結果を示し、また、上記(6)の場合、液晶成分Cにおいて一般式(III-1)〜(III-3)の化合物を用いることがより好ましい結果を示した。
【0045】
本発明のネマチック液晶組成物における各液晶成分の含有量は以下のようにできる。液晶成分Aは、1〜50重量%の範囲であるが、3〜40重量%の範囲が好ましい。液晶成分Bは、10〜90重量%の範囲であるが、25〜90重量%の範囲が好ましく、25〜80重量%の範囲がより好ましい。液晶成分Cは、多くとも70重量%の範囲であるが、3〜65重量%の範囲が好ましく、5〜60重量%の範囲がより好ましく、10〜55重量%の範囲が更に好ましい。一般式(I)で表される化合物の含有率は、単体で20重量%未満が好ましく、それ以上は2種以上で構成することが好ましく、前記の一般式(I-1)〜(I-8)で表される化合物の液晶成分Aに対する含有率は、50〜100重量%の範囲であるが、70〜100重量%の範囲が好ましい。一般式(II-1)〜(II-4)で表される化合物あるいは一般式(II-1a)〜(II-4c)で表される化合物の含有率は、単体で30重量%以下が好ましく、25重量%以下が更に好ましく、それ以上は2種以上で構成することが好ましい。一般式(II-1a)〜(II-4c)で表される化合物の液晶成分Bに対する含有率は、10〜100重量%の範囲であるが、50〜100重量%の範囲が好ましく、75〜100重量%の範囲が更に好ましい。一般式(III-1)〜(III-4)で表される化合物あるいは一般式(III-1a)〜(III-3h)で表される化合物の含有率は、単体で30重量%以下が好ましく、25重量%以下が更に好ましく、それ以上は2種以上で構成することが好ましい。前記の一般式(III-1a)〜(III-3h)で表される化合物の液晶成分Cに対する含有率は、10〜100重量%の範囲であるが、50〜100重量%の範囲が好ましく、75〜100重量%の範囲が更に好ましい。
【0046】
結晶相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度は、好ましくは−10℃以下、更に好ましくは−20℃以下、特に好ましくは−30℃以下である。ネマチック相−等方性液体相転移温度は、60℃以上、好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃〜130℃の範囲である。本発明の液晶組成物は、誘電率異方性が3以上を必要とし、4〜40の範囲が好ましく、高速応答性を重視する場合は4〜16の範囲が、より低い駆動電圧を必要とする場合は17〜30の範囲が好ましい。より小さい或いは中位の複屈折率は、0.08以上0.18未満の範囲が好ましく、より大きい複屈折率は、0.18以上0.33以下の範囲が好ましい。この様なネマチック液晶組成物の特性は、アクティブ・マトリクス形、ツイスティッド・ネマチックあるいはスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置に用いるのに有用である。
【0047】
上記ネマチック液晶組成物は、高速応答性のTN-LCDやSTN-LCDに有用であり、またカラーフィルター層を用いなくても、液晶層と位相差板の複屈折性でカラー表示をすることができる液晶表示素子に有用なものであり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子の用いることができる。この液晶表示素子は、透明性電極層を有し少なくとも一方が透明である基板を有し、この基板間に前記ネマチック液晶組成物の分子をねじれた配向にさせ、目的に応じて30°〜360°の範囲で選択することができ、90°〜270°の範囲で選択することが好ましく、45°〜135°の範囲または180°〜260°の範囲で選択することが特に好ましい。このために、本発明の液晶組成物は、誘起螺旋ピッチが0.5〜1000μmとなる光学活性基を有する化合物を含有させることができる。透明性電極基板に設けられる配向膜によって得られるプレチルト角は、1°〜20°の範囲で選択することが好ましく、ねじれ角が30°〜100°では1°〜4°のプレチルト角が好ましく、100°〜180°では2°〜6°のプレチルト角が好ましく、180°〜260°では3°〜12°のプレチルト角が好ましく、260°〜360°では6°〜20°のプレチルト角が好ましい。
【0048】
本発明の液晶組成物は、上記一般式(I-1)〜(III-3)で表される化合物以外にも、液晶組成物の特性を改善するために、液晶化合物として認識される通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。しかしながら、これらの化合物を多量に用いることはネマチック液晶組成物の特性が低減することになるので、添加量は得られるネマチック液晶組成物の要求特性に応じて制限されるものである。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例の組成物における「%」は『重量%』を意味する。
【0050】
組成物の化学的安定性は、液晶組成物2gをアンプル管に入れ、真空脱気後窒素置換の処理をして封入し、150℃、1時間の加熱促進テストを行い、この液晶組成物の比抵抗を測定した。実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0051】
TN-I : ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T→N : 固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度(℃)
Vth : セル厚6μmのTN-LCDを構成した時のしきい値電圧(V)
γ : 飽和電圧(Vsat)とVthの比
△ε : 誘電異方性
△n : 複屈折率
η : 20℃での粘度(c.p.)
【0052】
(実施例1)
【0053】
【化13】
【0054】
からなるネマチック液晶組成物(2-1)を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。
TN-I : 93.6 ℃
T→N : −1. ℃
Vth : 2.59 V
γ : 1.15
△ε : 4.9
△n : 0.281
【0055】
このネマチック液晶組成物を用いて、セル厚dが1.8μmのTN-LCDを構成してその表示特性を測定したところ、しきい値電圧が2.28V、応答速度が1.1msecを示す液晶表示装置が得られた。
【0056】
また、このネマチック液晶組成物の複屈折率の波長分散を測定したところ、光の波長650nmに対する400nmでの比が1.15以上であった。この液晶材料は、光の波長の違いによってより大きな位相差が現れていることから、カラーフィルター層を用いないでカラー表示を行う、液晶と位相差板の複屈折性を利用した新規反射型カラー液晶表示方式に有用なものであることが理解できる。
【0057】
このネマチック液晶組成物にカイラル物質「S−811」(メルク社製)を添加して混合液晶を調製した。一方、対向する平面透明電極上に「サンエバー610」(日産化学社製)の有機膜をラビングして配向膜を形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示用セルを作製した。上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表示装置を構成し、表示特性を測定した。その結果、高時分割特性に優れ、速応答性が改善されたSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得られた。なお、カイラル物質はカイラル物質の添加による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53となるように添加した。
【0058】
(実施例2)
【0059】
【化14】
【0060】
からなるネマチック液晶組成物(2-2)を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。
TN-I : 67.3 ℃
T→N : −70. ℃
Vth : 1.85 V
γ : 1.12
△ε : 6.6
△n : 0.145
η : 24.1 c.p.
テスト前の比抵抗 : 6.0×1011 Ω・cm
加熱促進テスト後の比抵抗 : 4.3×1011 Ω・cm
【0061】
このネマチック液晶組成物は、文献『高速液晶技術』(63頁、(株)シーエムシー社出版)中に示された液晶表示の光学的急峻性の限界値である1.12と同じ値を示しており、従って、この液晶組成物は高時分割駆動に有用であることが理解できる。
【0062】
このネマチック液晶組成物は加熱促進テスト後の比抵抗が高いことから、熱に安定であることが理解できる。また、この組成物を基本的な構成材料とする新たな本発明のネマチック液晶組成物を作製し、これを用いたツイスティッド・ネマチック及びスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置を作製したところ、フリッカの発生しない優れたものであることが確認できた。
【0063】
上記ネマチック液晶組成物(2-2)は、下記母体液晶(b-1)に一般式(I)を混合したものである。この母体液晶(b-1)の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。
【0064】
【化15】
【0065】
TN-I : 54.5 ℃
T→N : −40. ℃
Vth : 1.60 V
γ : 1.13
△ε : 6.7
△n : 0.092
η : 21.0 c.p.
【0066】
特性を比較すると、本発明の液晶組成物は、複屈折率がより大きく、ネマチック相の温度範囲がより広く、飽和電圧としきい値電圧の比γがより小さく、より好ましい結果であった。しかし、一般式(I)の化合物は、より大きな粘性を有しており、母体液晶(b-1)の粘性を増加させる傾向にあった。
【0067】
しかしながら、上述の様な粘性特性にも関わらず、驚くべき有用な事実を見いだした。即ち、本発明の液晶組成物(2-2)と母体液晶(b-1)の応答特性を測定し、比較すると、母体液晶(b-1)では39.2msecであったが、本発明の液晶組成物(2-2)では35.6msecとより好ましい結果であった。
【0068】
このことから、一般式(I)の化合物は、より大きな粘性にもかかわらず、応答速度を増大させる効果を有していることが見いだされた。この様な効果は、例えば一般式(I)の化合物の弾性定数あるいは回転粘性の物性値が特異な傾向を有していることが予想される。
【0069】
(実施例3)
【0070】
【化16】
【0071】
からなるネマチック液晶組成物(2-3)を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。
TN-I : 96.1 ℃
T→N : −70. ℃
Vth : 1.89 V
γ : 1.15
△ε : 8.9
△n : 0.171
【0072】
このネマチック液晶組成物にカイラル物質「S−811」(メルク社製)を添加して混合液晶を調製した。一方、対向する平面透明電極上に「サンエバー610」(日産化学社製)の有機膜をラビングして配向膜を形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示用セルを作製した。上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表示装置を構成し、表示特性を測定した。その結果、高時分割特性に優れ、速応答性が改善されたSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得られた。なお、カイラル物質はカイラル物質の添加による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53となるように添加した。
【0073】
【発明の効果】
本発明のネマチック液晶組成物は、複屈折率Δnが大きく、広い温度範囲でネマチック相を示し、応答特性の改善効果に優れ、また、電圧保持率が高く、化学的安定性が高いことが明らかである。
【0074】
従って、本発明のネマチック液晶組成物は、ツイスティッド・ネマチックあるいはスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置に用いることができる。
【0075】
また、液晶層と位相差板の複屈折性でカラー表示をする液晶表示素子を提供することができる。特に、大きな複屈折率により液晶層の厚みdを低減でき応答特性を改善でき、特に情報量の多い表示特性を提供できる。
Claims (17)
- 5種〜40種の化合物からなる液晶組成物であって、該液晶組成物が、一般式(I)
- 前記液晶成分Aが、一般式(I)におけるX11がフッ素原子である化合物を30〜100重量%含有することを特徴とする請求項1記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶成分Aが、一般式(I)において、R11がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基で表される化合物、及び/又はX11がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基で表される化合物を30〜100重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶組成物が、前記液晶成分Aを1〜50重量%含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶成分Bが、前記一般式(II-1)の化合物において、R21が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニル基で表される化合物、及び/又はZ21が単結合、-COO-又は-C2H4-で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶成分Bが、前記一般式(II-4)の化合物におけるR24が炭素原子数3〜8のアルキル基で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶組成物が、前記液晶成分Bを10〜90重量%含有することを特徴とする請求項1乃至6記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(II-2)の化合物において、R22が炭素原子数2〜5のアルキル基で表される化合物、及び/又はY23、Y24、W21、W22の少なくとも1つがフッ素原子で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項8記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(II-3)の化合物において、R23が炭素原子数2〜5のアルキル基で表される化合物、及び/又はY25、W23の少なくとも1つがフッ素原子で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項8記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶組成物が、一般式(III-1)〜(III-3)
で表される1種又は2種以上の化合物からなる液晶成分Cを含有することを特徴とする請求項1乃至10記載のネマチック液晶組成物。 - 前記液晶成分Cが、前記一般式(III-1)の化合物において、R31が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はアルケニル基で表される化合物、及び/又はR34が炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又はアルコキシ基で表される化合物、及び/又はZ31が単結合又は-COO-で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項11記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶成分Cが、前記一般式(III-2)の化合物において、R32が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はアルケニル基で表される化合物、及び/又はR35が炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又はアルコキシ基で表される化合物、及び/又はZ32が単結合、-COO-又は-C2H4-で表される化合物、及び/又は環A31がシクロヘキサン環で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項11又は12記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶成分Cが、前記一般式(III-3)の化合物において、Z34が-C≡C-で表される化合物を10〜100重量%含有することを特徴とする請求項11、12又は13記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶組成物が、前記液晶成分Cを多くとも70重量%含有することを特徴とする請求項11、12、13又は14記載のネマチック液晶組成物。
- 前記液晶組成物が、4〜30の誘電率異方性であり、0.08〜0.33の複屈折率であり、70℃以上のネマチック相−等方性液体相転移温度であり、−10℃以下の結晶相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度であることを特徴とする請求項1乃至15記載のネマチック液晶組成物。
- 請求項16記載のネマチック液晶組成物を用いたツイスティッド・ネマチック又はスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置。
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