JP2002194023A - ポリプロピレン系樹脂用成形性改質剤及びそれを含有するポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂用成形性改質剤及びそれを含有するポリプロピレン系樹脂組成物Info
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Abstract
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測
定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比
(Q値:Mw/Mn)が7〜13であるランダム系プロ
ピレン重合体から成るポリプロピレン系樹脂用成形性改
質剤。上記改質剤をプロピレン・エチレンブロック共重
合体、エチレン系又はスチレン系エラストマー等と混合
してポリプロピレン系樹脂組成物とする。 【効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、射出
成形時の成形加工性が良好で、成形時のフローマーク特
性、ウエルド外観にも優れ、自動車外装部品等の射出成
形品に好適なものである。
Description
エル比、分子量分布を有するランダム系プロピレン重合
体からなるポリプロピレン系樹脂用成形性改質剤に関す
る。また、本発明はこの成形性改質剤を含んでなるポリ
プロピレン系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、この
改質剤は、プロピレン・エチレンブロック共重合体成
分、エラストマー成分及びフィラー成分からなる、ポリ
プロピレン系樹脂組成物に効果的に応用される。かかる
ポリプロピレン系樹脂組成物は、射出成形時の成形加工
性が良好で、成形時のフローマーク特性、ウエルド外観
にも優れ、自動車外装部品等の射出成形品に好適なもの
である。
ピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体等のエチレ
ン系熱可塑性エラストマー成分と、タルク等の無機充填
剤を配合したポリプロピレン樹脂組成物を自動車用部品
に使用することは、従来から、広く知られている。そし
て、ポリプロピレン樹脂や各種ゴム成分、無機充填剤を
目的に応じて、適宜選択することによって、成形性、機
械物性、外観などを向上させることが提案されている。
しかしながら、これらの無機充填剤(フィラー)を含有
してなる材料は、一般的にフローマークと称される虎縞
(トラシマ)状の成形外観不良を起こす傾向があり、意
匠性を損なうといった問題がある。一方、このような成
形外観不良を改善する手法として、特開2000−86
837、特開平6−248155において、分子量分布
が広い材料を用いる事が提案されている、更に特開平9
−176406、同9−194646、同9−1247
36においては、特定の構造を有するプロピレン・エチ
レンブロック共重合体を用いて、フローマークが良好な
材料が提案されている。しかしながら、この様な分子量
分布の広い材料を用いると、フローマークは改良される
ものの、ウエルド外観が損なわれるといった問題が生
じ、更に改善が要求されているのが現状である。
点を解決しつつ、良好な外観を発現し、成形加工性に優
れた、バンパー、ロッカーモール、サイドモール、オー
バーフェンダーをはじめとする自動車外装部品に好適な
組成物を提供することである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のダイス
ウエル比を有し、かつGPCで測定される重量平均分子
量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn:Q値)
が特定の値であるランダム系プロピレン重合体を、それ
自体を成形材料とするのではなく、成形性改質剤として
プロピレン・エチレンブロック共重合体に少量配合する
ことによりポリプロピレン系樹脂組成物の成形外観特
性、成形性をバランスよくコントロール出来ることを見
出し、本発明を完成するに至った。
ウエル比が1.5 〜 2.5であり、Q値(Mw/M
n)が7〜13である、ランダム系プロピレン重合体か
ら成る新規なポリプロピレン系樹脂用成形性改質剤であ
る。
(以下、(A)成分と呼ぶ。)を下記の配合割合で、プ
ロピレン・エチレンブロック共重合体に応用したポリプ
ロピレン系樹脂組成物である。 (A)成分:ダイスウエル比 1.5 〜 2.5、GP
Cで測定されるQ値(Mw/Mn)が 7〜13であ
る、ランダム系プロピレン重合体2〜30重量部 (B)成分プロピレン・エチレンブロック共重合体70
〜98重量部 更に、本発明の他の要旨は、上記(A)(B)成分を含
むポリプロピレン系樹脂組成物に、(C)成分として、
エチレン系又はスチレン系エラストマーを配合した
(A)(B)(C)3成分系組成物、(D)成分とし
て、無機充填剤を配合した(A)(B)(D)3成分系
組成物、及びこれら全てを配合した(A)(B)(C)
(D)4成分系組成物にある。
なウエルド外観を発現させる目的で用いられる。この成
形性改質剤は、ランダム系プロピレン重合体から成るも
のであって、ダイスウエル比が1.5 〜2.5、好ま
しくは1.6〜2.4のものである。ダイスウエル比が
1.5 未満のものはフローマーク外観の改良効果が乏
しく、一方2.5を超えるものはウエルド外観が劣るの
で好ましくない。成形性改質剤として重要なもう一つの
物性は分子量分布である。分子量分布は重合体の重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/M
n)、即ちQ値で表現することができる。本発明の改質
剤のQ値は、7〜13、好ましくは8〜12の範囲から
選択される。Q値が7未満のものは改質剤としての改良
効果が劣り、フローマーク外観が劣る。一方13を超え
るとウエルド外観が劣るので好ましくない。
ランダム系プロピレン重合体を、190℃の加熱シリン
ダーに挿填した後、6分間加熱保持し、直径1mm、長
さ8mmのオリフィスから0.1g/分の速度で押し出
して、そのストランド径を測定し、ストランド直径/オ
リフィス直径により算出し求めた値である。
フローレート(MFR)も重要である。MFRは、通常
2〜100g/10分、好ましくは24〜80g/10
分の範囲から選択される。MFRが20未満では射出成
形時の成形加工性が劣り、また100を超えると衝撃特
性、機械的強度などが不足し好ましくない。
合体であり、その製造法は特に限定されるものではな
く、公知の方法、条件の中から適宜に選択される。プロ
ピレンの重合触媒としては、通常、高立体規則性触媒が
用いられる。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム
化合物で還元し、更に各種の電子供与体及び電子受容体
で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニ
ウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルを組み合わせ
た触媒(特開昭56―100806号、特開昭56−1
20712号、特開昭58−104907号の各公報参
照)、及び、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと
各種の電子供与体を接触させた担持型触媒(特開昭57
−63310号、同63−43915号、同63−83
116号の各公報参照)等を例示することができる。
重合法、スラリー重合法等の製造プロセスを適用して、
プロピレン及びプロピレン以外のα−オレフィン、主と
してエチレンを重合することにより得られる。上記した
ダイスウエル比、分子量分布(Q値)、溶融特性(MF
R)を有するランダム系プロピレン重合体を得るために
は、スラリー法、気相流動床法にて、多段重合すること
が好ましい。
(1)、工程(2)による2段重合法を例示することが
できる。 工程(1):プロピレンを、分子量調節剤として水素の
存在下で重合する。分子量が大きすぎる重合体の生成を
抑制するためである。水素は、1段目の重合工程で得ら
れる重合体のMFRが、100〜500g/10分、好
ましくは130〜300g/10分となるように添加さ
れる。水素濃度としては、通常0.5〜40%、好まし
くは1〜30%の範囲から選択される。また、重合温度
は通常40〜90℃、圧力は2×105〜35×105P
aの範囲から選択される。この工程(1)で得られる重
合体の量は、通常全重合量の50〜95重量%、好まし
くは60〜90重量%となるように調整される。工程
(1)で製造される重合体の量が、50重量%未満であ
ると工程(2)で製造される高分子量のポリプロピレン
重合体が多くなり過ぎ、成形性改質剤としての物性を損
なう。
レンランダム共重合体を重合する為に、なるべく低濃度
の水素雰囲気下もしくは、実質上水素の存在しない状態
で重合することが好ましい。エチレン含有量は1〜10
重量%未満、好ましくは2〜9重量%である。重合は、
工程(1)で生成したポリプロピレン及び触媒の存在
下、引き続いて行われる。温度は通常40〜90℃、圧
力は2×105〜35×105Paの範囲から選択され
る。この工程(2)で得られる重合体の量は、全重合量
の5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となる
ように調整される。工程(1)及び工程(2)を結合し
て、結果として得られる重合体全体の物性値を前記した
範囲に調整できれば、いかなる組み合わせを採用しても
よい。
ク共重合体 本発明の(B)成分は、ポリプロピレン系樹脂組成物の
主成分であり、骨格となる樹脂成分である。ポリプロピ
レン系樹脂としてプロピレン・エチレンブロック共重合
体が使用されるが、その製法は特に限定されない。公知
の製造方法がいずれも適用でき、また市販品をそのまま
利用することができる。プロピレン・エチレンブロック
共重合体は、結晶性ポリプロピレン部(A単位部)とエ
チレン・プロピレンランダム共重合体部(B単位部)と
を含有するブロック共重合体である。上記A単位部は、
通常プロピレンの単独重合、場合によってはプロピレン
に少量の他のα―オレフィンを共重合することによって
得られる結晶性ものであり、その密度は高いことが好ま
しい。A単位部の結晶性は、アイソタクチック指数(沸
騰n−ヘプタン抽出による不溶分)として、通常90%
以上、好ましくは95〜100%である。結晶性が小さ
いとプロピレン・エチレンブロック共重合体の機械的強
度、特に曲げ弾性率に劣るものとなる。また、A単位部
のMFRは、通常5〜400程度である。
ンとのランダム共重合によって得られるゴム状成分であ
る。B単位部におけるエチレン含有量は、エチレン/
(エチレン+プロピレン)として、通常、10〜80重
量%、好ましくは20〜70重量%である。上記範囲よ
りエチレンが少ないと耐衝撃性の改善が充分ではなく、
一方多いと剛性が不足する。B単位部のMFRは、通常
0.01〜10g/10分程度である。A単位部は、通
常全重合量の50〜95重量%、好ましくは60〜90
重量%、B単位部は、通常全重合量の5〜50重量%、
好ましくは10〜40重量%となるように調整される。
A単位部は、オルトジクロルベンゼンによる抽出におい
て、100℃以下で溶出しないが、B単位部は容易に溶
出する。従って、製造後の重合体に対しては、上記した
オルトジクロルベンゼンによる抽出分析によりプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体の組成を判定することが
できる。A単位部とB単位部から成るプロピレン・エチ
レンブロック共重合体は、全体として、MFRは2〜2
00g/10分、ダイスウエル比は0.98〜1.2、
Q値は3〜7未満の範囲から選択される。
重合体の製造には、高立体規則性触媒が用いられる。上
記触媒及び重合方法としては、前述したプロピレン単独
重合体からなる成形性改質剤の製造法と同様の手法が用
いられる。B単位部の多いプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体の製造においては、特に気相流動床法が好ま
しい。後段反応において新たに電子供与体化合物を添加
することにより、粘着、閉塞のトラブルを回避し、重合
の操作性を改良することができる。
ラストマー 本発明の成形性改質剤をプロピレン・エチレンブロック
共重合体に配合してポリプロピレン樹脂組成物とする
際、任意的に同時配合される成分である。かかるエラス
トマー成分の具体例としては、例えば、エチレン・プロ
ピレン共重合エラストマー(エチレンプロピレンゴムE
PR)、エチレン・ブテン共重合エラストマー(EB
R)、エチレン・ヘキセン共重合エラストマー、エチレ
ン・オクテン共重合エラストマー(EOR)等のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・
プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレ
ン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・イソプレン共重合体等のエチレン・α−オレフ
ィン・ジエン三元共重合体エラストマー(EPDM)の
ようなエチレン系エラストマー;並びに、スチレン・ブ
タジエン・スチレントリブロック体、スチレン・イソプ
レン・スチレントリブロック体、スチレン・ブタジエン
・スチレントリブロック体の水素添加物(SEBS)、
スチレン・イソプレン・スチレントリブロック体の水素
添加物(SEPS)等のスチレン系エラストマーなどが
使用できる。なお、上記した スチレン・ブタジエン・
スチレントリブロック体の水素添加物は、ポリマー主鎖
をモノマー単位でみると、スチレン−エチレン−ブテン
−スチレンとなるので、通常、SEBSと略称されるも
のである。また、これらのエラストマー成分(C)は、
2種類以上の混合して使用することができる。
ン系エラストマーと呼称されることもある。)は、各モ
ノマーを触媒の存在下重合することにより製造される。
触媒としては、ハロゲン化チタンのようなチタン化合
物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯体、のよう
な有機アルミニウム−マグネシウム錯体、アルキルアル
ミニウム、又はアルキルアルミニウムクロリド等のいわ
ゆるチーグラー型触媒、WO−91/04257号公報
等に記載のメタロセン化合物触媒を使用することができ
る。重合法としては、気相流動床、溶液法、スラリー法
等の製造プロセスを適用して重合することができる。市
販品を例示すれば、ジェイエスアール社製EDシリー
ズ、三井化学社製タフマーPシリーズ及びタフマーAシ
リーズ、デュポンダウ社製エンゲージEGシリーズなど
を挙げることができ、これらはいずれも本発明において
使用することができる。
リブロック共重合体の水素添加物(SEBS、SEP
S)の製造法の概要を述べるに、これらのトリブロック
共重合体は一般的なアニオンリビング重合法で製造する
ことができる。これには、逐次的にスチレン、ブタジエ
ン、スチレンを重合しトリブロック体を製造した後に水
添する方法(SEBSの製造方法)と、スチレン−ブタ
ジエンのジブロック共重合体をはじめに製造した後、カ
ップリング剤を用いてトリブロック体にした後水添する
方法がある。また、ブタジエンの代わりにイソプレンを
用いることによってスチレン−イソプレン−スチレント
リブロック体の水素添加物(SEPS)も同様に製造す
ることができる。これらのエラストマー成分(C)のメ
ルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷
重)は、本発明の主要用途である自動車外装材を考慮し
た場合、0.5〜150g/10分、好ましくは0.7
〜100g/10分、特に好ましくは0.7〜80g/
10分の範囲のものが好ましい。
共重合体に配合してポリプロピレン樹脂組成物とする
際、エラストマー成分と同様に、任意的に同時配合され
る成分であり、曲げ弾性率を向上させ、線膨張係数を低
下させる為に使用する。本発明の無機充填剤としては組
成、形状等は特に限定されない。ポリマー用充填剤とし
て市販されているものはいずれも使用できる。
ナイト等の板状フィラー、短繊維ガラス繊維、長繊維ガ
ラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボ
ロン繊維、ゾノライト等の繊維状フィラー、チタン酸カ
リウム、マグネシウムオキシサルフェート、窒化珪素、
ホウ酸アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜
鉛、ワラストナイト、炭酸カルシウム等の針状(ウイス
カー)フィラー、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム等の粒状フィラー、ガラスバ
ルーンのようなバルン状フィラーが例示される。その中
でも、物性・コスト面のバラスより、タルクが特に好ま
しい。
て、以下説明すると、その平均粒径が10μm以下、好
ましくは0.5〜8μmであるものである。該平均粒径
は、レーザー回折法(例えば堀場製作所製LA920
W)や、液層沈降方式光透過法(例えば、島津製作所製
CP型等)によって測定した粒度累積分布曲線から読み
とった累積量50重量%の粒径値より求めることができ
る。本発明の実施例での測定値は、前者の方法にて行っ
たものである。
機械的に微粉砕化することにより得られたものを、更に
精密に、1回又は複数回分級することによって得られ
る。粉砕機しては、ジョークラシャ−、ハンマークラシ
ャ−、ロールクラシャー、スクリーンミル、ジェット粉
砕機、コロイドミル、ローラーミル、振動ミル等を用い
ることができる。これらの粉砕されたタルクは、本発明
で示される平均粒径に調節するために、サイクロン、サ
イクロンエアセパレーター、ミクロセパレーター、サイ
クロンエアセパレーター、シャープカットセパレター、
等の装置で1回又は繰り返し湿式又は乾式分級する。特
定の粒径に粉砕した後シャープカットセパレターにて分
級操作を行うことが好ましい。
は分散性を向上させる目的で、各種の有機チタネート系
カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カ
ルボン酸、又はその無水物をグラフトした変性ポリオレ
フィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等によ
って表面処理したものを用いてもよい。
(A)〜(D)成分以外に本発明の効果を著しく損なわ
ない範囲で、他の付加的成分(任意成分)を添加するこ
とができる。この様な付加的成分(任意成分)として
は、フェノール系及びリン系の酸化防止剤、ヒンダード
アミン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の
耐候劣化防止剤、有機アルミニウム化合物、有機リン化
合物等の核剤、ステアリン酸の金属塩に代表される分散
剤、キナクリドン、ペリレン、フタロシアニン、酸化チ
タン、カーボンブラック等の着色物質、を例示できる。
(A)〜(E)を適宜に組み合わせて製造される。代表
的には、(A)・(B)の組成物、(A)・(B)・
(C)の組成物、(A)・(B)・(D)の組成物、
(A)・(B)・(C)・(D)の組成物などであり、
更に通常(E)成分が配合される。
(A)成形性改質剤が通常2〜30重量部、好ましくは
5〜25重量%、特に好ましくは10〜23重量%、
(B)プロピレン・エチレンブロック共重合体が通常7
0〜98重量部、好ましくは75〜95重量%、特に好
ましくは77〜90重量%である。(A)成形性改質剤
が上記未満であると成形外観改良効果が劣り、逆に上記
範囲を超える場合はウエルド外観が劣る。
は、(A)〜(B)成分は上記と同一であり、(C)成
分は、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対し
て、通常1〜40重量部、好ましくは2〜30重量部、
特に好ましくは3〜20重量部である。(C)エラスト
マーが上記未満であると添加効果が充分発揮されず、逆
に上記範囲を超える場合は剛性低下が懸念され、またコ
スト的にも問題がある。しかし目的、用途によっては各
種の配合があり、上記に限定されるものではない。エラ
ストマーの種類を目的に応じて選択することも重要であ
る。
は、(A)〜(B)成分は上記と同一であり、(D)成
分は、(A)及び(B)成分の合計100重量部に対し
て、通常1〜70重量部、好ましくは2〜50重量部、
特に好ましくは5〜40重量部である。(D)無機充填
剤が上記未満であると添加効果が充分発揮されず曲げ弾
性率が不足し、逆に上記範囲を超える場合は脆化温度が
悪化し、成形性も低下する。
にあっては、(A)〜(B)成分は上記と同一であり、
(C)成分は、(B)及び(C)成分の合計100重量
部に対して、通常1〜40重量部、好ましくは2〜30
重量部、特に好ましくは3〜20重量部、(D)成分
は、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部
に対して、通常1〜70重量部、好ましくは2〜50重
量部、特に好ましくは5〜40重量部の範囲で使用され
る。
ーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニ
ーダー等通常の混練機を用いて、設定温度180℃〜2
50℃にて混練することにより製造されるが、これらの
中でも押出機、特に二軸押出機を用いて製造することが
好ましい。
加工 本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は所望の成型品に
加工される。成形加工法は特に限定されるものではな
く、目的に応じて各種の成形方法で成形できる。例え
ば、射出成形法、押出成形法など適用できるが、大型射
出成形法に適用した場合、成形加工性、フローマーク特
性、ウエルド外観などに優れ、効果が大きい。 従っ
て、バンパー、ロッカーモール、サイドモール、オーバ
ーフェンダーをはじめとする自動車外装部品の用途に好
適である。
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。なお、物性測定は以下の方法
に従った。 (1)Q値:赤外検出器を装備したGPC装置(ミリポ
ア社製150C)を用いて重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mnとして算出し
た。測定条件は、移動相溶媒としてオルソジクロロベン
ゼンを、標準物質として、Mn18000、Mw522
00の高密度ポリエチレンを使用し、カラムおよび試料
注入部の設定温度を140℃として測定した。 (2)メルトフローレート(MFR):ASTM−D1
238に準拠し、2.16kg荷重にて230℃の温度
で測定した。 (3)フローマーク発生距離:型締め圧170トンの射
出成形機で、成形温度を220℃として350mm×1
00mm×2mmtなる形状のシートを成形し、そのフ
ローマークの発生距離を目視で判定した。判定基準は下
記の通り。 発生距離が200mmを超える・・・・・・・・・・◎ 発生距離が150mmを超え、200mm以下・・・○ 発生距離が100mmを超え、150mm以下・・・△ 発生距離が100mm以下・・・・・・・・・・・・× (4)ウエルドライン長さ:型締め圧170トンの射出
成形機で、300mm×175mm×4mmtなる平板
モデル成型品を220℃で、10mmの開口部から射出
成形し、図1で示すA部分の長さを測定した。判定基準
は下記の通り。 ウエルドラインの長さが30mm以下・・・・・・・・・○ ウエルドラインの長さが30mmを超える・・・・・・・× (5)アイゾット(IZOD)衝撃強度 JIS−K−7110に準拠し、23℃の温度で評価し
た。
ンブロック共重合体(日本ポリケム社製、商品名:ノバ
テックPP−BC03GS、MFR=30)85重量部
と、エチレン・ブテンランダム共重合体ゴム(三井化学
社製、商品名:タフマーYA503)15重量部からな
る配合物に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−
3−(3´5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン(チバガイギー社製、
商品名:イルガノックス1010)0.1重量部、トリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
(チバガイギー社製、商品名:イルガホス168)0.
05重量部を配合して、ヘンシェルミキサーで5分間混
合した後、二軸混練機(神戸製鋼社製2FCM)にて2
10℃の設定温度で混練造粒することにより熱可塑性樹
脂組成物(ベース材1)を得た。同様に、プロピレン・
エチレンブロック共重合体(日本ポリケム社製、商品
名:ノバテックPP−BC03GS、MFR=30)7
5重量部と、エチレン・ブテンランダム共重合体ゴム
(三井化学社製、商品名:タフマーYA503)25重
量部からなる配合物を使用して、熱可塑性樹脂組成物
(ベース材2)を得た。同様に、プロピレン・エチレン
ブロック共重合体(日本ポリケム社製、商品名:ノバテ
ックPP−BC03GS、MFR=30)85重量部
と、エチレン・オクテンランダム共重合体ゴム(デュポ
ンダウ社製、商品名:エンゲージEG8200)15重
量部からなる配合物を使用して、熱可塑性樹脂組成物
(ベース材3)を得た。
ンダム系プロピレン重合体からなる改質剤の物性値を表
−1に示した。各改質剤の製法は下記の通りである。 (改質剤の製法)内容積200リットルのステンレス製
オートクレーブに、n−ヘプタン60リットル、マグネ
シウム担持型チタン触媒5g及びトリエチルアルミニウ
ム15gを加え、75℃に昇温し、水素とプロピレンを
供給してMFRが150g/10分のプロピレン単独重
合体(1段目重合部)を全重量の70重量%製造した。
1段目重合の終了後、水素をパージした。次いで、1段
目重合部の存在下、プロピレンとエチレンとの混合ガス
(エチレン含有量6重量%)を供給し、全重量の30重
量%製造した。この2段重合法で得られたランダム系プ
ロピレン重合体全体(表−1中、A−1)のMFRは
4.5g/10分であった。プロピレン及び水素の供給
量、並びに重合時間を変更して、同様に重合を行いA−
2〜A−5を製造した。尚、A−4は2段目重合でエチ
レンを供給しないもの、A−5は2段目重合を行わない
ものである。
機充填剤と表−2に示す組成の割合で配合し、更に、テ
トラキス[メチレン−3−(3´5´−ジ−t−ブチル
−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(チバガイギー社製、商品名:イルガノックス101
0)0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量
部を配合して、川田製作所製スーパーミキサーで5分間
混合した後、二軸混練機(神戸製鋼社製2FCM)にて
210℃の設定温度で混練造粒することによりポリプロ
ピレン系樹脂組成物を得た。得られたポリプロピレン系
樹脂組成物について物性評価(MFR、フローマーク発
生距離、ウエルドライン長さ)を行った。評価結果を、
表−2に示す。
て、表−3の組成にて、実施例1と同様にポリプロピレ
ン系樹脂組成物を得た。得られたポリプロピレン系樹脂
組成物について物性評価(MFR、フローマーク発生距
離、ウエルドライン長さ)を行った。評価結果を、表−
3に示す。
は、射出成形時の成形加工性が良好で、成形時のフロー
マーク特性、ウエルド外観にも優れ、自動車外装部品等
の射出成形品に好適なものである。数値として表現する
と、本発明によれば、フローマーク発生距離を150m
m以上、好ましくは200mmを超えるに、またウエル
ドライン長さは30mm以下、好ましくは20mm以下
に容易に調節することができる。
形品である。
1)
Claims (10)
- 【請求項1】ダイスウエル比が1.5 〜 2.5、ゲル
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測
定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比
(Q値:Mw/Mn)が7〜13であるランダム系プロ
ピレン重合体から成るポリプロピレン系樹脂用成形性改
質剤。 - 【請求項2】ランダム系プロピレン重合体のメルトフロ
ーレート(MFR)が2〜100g/10分であること
を特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂用成
形性改質剤。 - 【請求項3】多段重合によって製造されたランダム系プ
ロピレン重合体であって、1段目の重合量が50〜95
重量%であり、そのメルトフローレート(MFR)が1
00〜500g/10分であることを特徴とする請求項
1又は2記載のポリプロピレン系樹脂用成形性改質剤。 - 【請求項4】多段重合によって製造されたランダム系プ
ロピレン重合体であって、2段目以降の重合で得られた
重合体中のエチレン含有量が1〜10重量%未満である
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のポリ
プロピレン系樹脂用成形性改質剤。 - 【請求項5】下記(A)及び(B)成分より構成されて
成ることを特徴とする成形外観に優れるポリプロピレン
系樹脂組成物。 (A)成分: ダイスウエル比が1.5 〜 2.5、ゲ
ルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で
測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの
比(Q値:Mw/Mn)が7〜13であるランダム系プ
ロピレン重合体から成るポリプロピレン系樹脂用成形性
改質剤2〜30重量部 (B)成分: プロピレン・エチレンブロック共重合体
70〜98重量部 - 【請求項6】下記(A)、(B)及び(C)成分より構
成されて成ることを特徴とする成形外観に優れるポリプ
ロピレン系樹脂組成物。 (A)成分: ダイスウエル比が1.5 〜 2.5、ゲ
ルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で
測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの
比(Q値:Mw/Mn)が7〜13であるランダム系プ
ロピレン重合体から成るポリプロピレン系樹脂用成形性
改質剤2〜30重量部 (B)成分: プロピレン・エチレンブロック共重合体
70〜98重量部 (C)成分: エチレン系又はスチレン系エラストマー (B)及び(C)成分の合計100重量部に対して、1
〜40重量部 - 【請求項7】下記(A)、(B)及び(D)成分より構
成されて成ることを特徴とする成形外観に優れるポリプ
ロピレン系樹脂組成物。 (A)成分: ダイスウエル比が1.5 〜 2.5、ゲ
ルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で
測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの
比(Q値:Mw/Mn)が7〜13であるランダム系プ
ロピレン重合体から成るポリプロピレン系樹脂用成形性
改質剤2〜30重量部 (B)成分: プロピレン・エチレンブロック共重合体
70〜98重量部 (D)成分: 無機充填剤 (A)及び(B)成分の合計100重量部に対して、1
〜70重量部 - 【請求項8】下記(A)、(B)、(C)及び(D)成
分より構成されて成ることを特徴とする成形外観に優れ
るポリプロピレン系樹脂組成物。 (A)成分: ダイスウエル比が1.5 〜 2.5、ゲ
ルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で
測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの
比(Q値:Mw/Mn)が7〜13であるランダム系プ
ロピレン重合体から成るポリプロピレン系樹脂用成形性
改質剤2〜30重量部 (B)成分: プロピレン・エチレンブロック共重合体
70〜98重量部 (C)成分: エチレン系又はスチレン系エラストマー (B)及び(C)成分の合計100重量部に対して、1
〜40重量部 (D)成分: 無機充填剤 (A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対
して、1〜70重量部 - 【請求項9】エチレン系又はスチレン系エラストマーの
メルトフローレート(MFR)が0.3〜80g/10
分であることを特徴とする請求項6又は8記載の成形外
観に優れるポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項10】無機充填剤がタルクであることを特徴と
する請求項7又は8記載の成形外観に優れるポリプロピ
レン系樹脂組成物。
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